超音波ユニット、超音波内視鏡および超音波ユニットの製造方法
【課題】製造が容易な超音波ユニット30を提供する。
【解決手段】超音波ユニット30は、連結された複数の超音波エレメント20からなる超音波アレイ40を具備し、超音波エレメント20が、シリコン基板11と、複数の超音波セル10が配置されておりシリコン基板11の第1の主面20SAに配設された送受信部60と、可撓性の下部電極配線42と、下部電極端子52と、可撓性の上部電極配線41と、上部電極端子51と、を有し、可撓性の第3絶縁層17が、送受信部60の表面を被覆しているとともに、折り曲げ部46、47により第2の主面20SBの方向に折り曲げられた下部電極配線42および上部電極配線41を被覆している。
【解決手段】超音波ユニット30は、連結された複数の超音波エレメント20からなる超音波アレイ40を具備し、超音波エレメント20が、シリコン基板11と、複数の超音波セル10が配置されておりシリコン基板11の第1の主面20SAに配設された送受信部60と、可撓性の下部電極配線42と、下部電極端子52と、可撓性の上部電極配線41と、上部電極端子51と、を有し、可撓性の第3絶縁層17が、送受信部60の表面を被覆しているとともに、折り曲げ部46、47により第2の主面20SBの方向に折り曲げられた下部電極配線42および上部電極配線41を被覆している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量型の超音波ユニット、前記超音波ユニットを有する超音波内視鏡および前記超音波ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波内視鏡は、体内のガスまたは骨の影響を受けない良好な画質で消化管壁または深部臓器等を明瞭に描出する。電子走査式の超音波内視鏡は、先端部に超音波アレイを有する超音波ユニットが配設されている。超音波アレイは複数の超音波エレメントが連結されて構成されている。
【0003】
それぞれの超音波エレメントにはキャビティを介して対向している下部電極部と上部電極部とからなる複数の静電容量型の超音波振動セルが配設されている。静電容量型の超音波エレメントは、いわゆるMEMS技術により基板上に形成される。このため、電気接続のための電極端子と超音波送信面とが、基板の同じ主面に配設される。
【0004】
特許第3924466号明細書には、超音波送信面が配設された第1の主面から延設した貫通配線により、第2の主面に電極端子を配設した超音波振動子が開示されている。
【0005】
しかし、貫通配線は製造工程の最初に形成する必要があるため、製造が難しくなるおそれがある。また、貫通孔の内部に配設する導電性材料の耐熱性によっては、工程で使用できる最高温度が低下するおそれがある。また、静電容量型の超音波振動子の動作速度の要因は、電気抵抗と静電容量の積であるが、導電性材料としてポリシリコンを用いた貫通配線は、電気抵抗が低くはない。このため、動作速度が低下するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3924466号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態は、製造が容易な超音波ユニット、製造が容易な超音波内視鏡および容易な超音波ユニットの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態の超音波ユニットは、連結された複数の超音波エレメントからなる超音波アレイを具備し、
前記超音波エレメントが、
矩形の第1の主面と第2の主面とを有する基体と、
キャビティを介して対向配置している下部電極部と上部電極部とを、それぞれが有する複数の超音波セルが配置されており、それぞれの前記下部電極部が互いに接続されているとともに、それぞれの前記上部電極部が互いに接続されている、前記第1の主面に配設された超音波を送受信する平面視矩形の送受信部と、
前記送受信部の端部から延設された、複数の前記下部電極部と接続された可撓性の下部電極配線と、
前記下部電極配線と接続された下部電極端子と、
前記送受信部の他の端部から延設された、複数の前記上部電極部と接続された可撓性の上部電極配線と、
前記上部電極配線と接続された上部電極端子と、を有し、
可撓性の樹脂層が、前記送受信部の表面を被覆しているとともに、それぞれの折り曲げ部により前記第2の主面の方向に折り曲げられた前記下部電極配線および前記上部電極配線を被覆している。
【0009】
別の実施形態の超音波内視鏡は、上記記載の超音波ユニットを有する先端硬性部を具備する。
【0010】
別の実施形態の超音波ユニットの製造法は、
基体の第1の主面に、キャビティを介して対向配置している下部電極部と上部電極部とを、それぞれが有する複数の超音波セルを具備する複数の超音波エレメントを作製する工程と、
前記下部電極部と接続された下部電極配線、前記下部電極配線から延設された下部電極端子、前記上部電極部と接続された上部電極配線、および前記上部電極配線から延設された上部電極端子を、前記第1の主面に作製する工程と、
前記第1の主面の表面を可撓性の樹脂層で覆う工程と、
前記下部電極配線、前記下部電極端子、前記上部電極配線、および前記上部電極端子の下側の前記基板の少なくとも一部を除去する工程と、
前記下部電極配線および前記上部電極配線を前記第2の主面の方向に折り曲げる工程と、を具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態によれば、製造が容易な超音波ユニット、製造が容易な超音波内視鏡および容易な超音波ユニットの製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態の超音波内視鏡を具備する内視鏡システムを説明するための外観図である。
【図2】第1実施形態の超音波内視鏡の先端硬性部を説明するための斜視図である。
【図3】第1実施形態の超音波ユニットの構成を説明するための斜視図である。
【図4】第1実施形態の超音波アレイのセル構造断面図である。
【図5】第1実施形態の超音波アレイの上面図である。
【図6】第1実施形態の超音波アレイの図5のVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】第1実施形態の超音波ユニットの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】第1実施形態の超音波ユニットの製造方法を説明するための断面図である。
【図9】第1実施形態の変形例1の超音波ユニットの構造を説明するための断面図である。
【図10】第1実施形態の変形例2の超音波ユニットの構造を説明するための断面図である。
【図11】第2実施形態の超音波アレイの構造を説明するための上面図である。
【図12】第2実施形態の超音波アレイの構造を説明するための、図11のXII−XII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して第1実施形態の超音波ユニット(以下、「USユニット」という)30、USユニット30を有する超音波内視鏡(以下、「US内視鏡」という)2、および、USユニット30の製造方法について説明する。
【0014】
<超音波内視鏡の構成>
図1に示すようにUS内視鏡2は、超音波観測装置3およびモニタ4とともに超音波内視鏡システム1を構成する。US内視鏡2は、体内に挿入される細長の挿入部21と、挿入部21の基端に配された操作部22と、操作部22の側部から延出したユニバーサルコード23と、を具備する。
【0015】
ユニバーサルコード23の基端部には、光源装置(不図示)に接続されるコネクタ24Aが配設されている。コネクタ24Aからは、カメラコントロールユニット(不図示)にコネクタ25Aを介して着脱自在に接続されるケーブル25と、超音波観測装置3にコネクタ26Aを介して着脱自在に接続されるケーブル26と、が延出している。超音波観測装置3にはモニタ4が接続される。
【0016】
挿入部21は、先端側から順に、先端硬性部(以下、「先端部」という)37と、先端部37の後端に位置する湾曲部38と、湾曲部38の後端に位置して操作部22に至る細径かつ長尺で可撓性を有する可撓管部39と、を連設して構成されている。そして、先端部37の先端側には超音波ユニット30が配設されている。
【0017】
操作部22には、湾曲部38を所望の方向に湾曲制御するアングルノブ22Aと、送気および送水操作を行う送気送水ボタン22Bと、吸引操作を行う吸引ボタン22Cと、体内に導入する処置具の入り口となる処置具挿入口22D等と、が配設されている。
【0018】
そして、図2に示すように、USユニット30が、設けられた先端部37には、照明光学系を構成する照明用レンズカバー31と、観察光学系の観察用レンズカバー32と、吸引口を兼ねる鉗子口33と、図示しない送気送水ノズルと、が配設されている。
【0019】
図3に示すように、USユニット30のUSアレイ40は、複数の平面視矩形の超音波エレメント(以下、「USエレメント」という)20の長辺が連結され、円筒状に湾曲配置されたラジアル型振動子群である。すなわち、USアレイ40では、例えば、直径2mmの円筒の側面に、短辺が0.1mm以下のUSエレメント20が200個、360度方向に配設されている。それぞれのUSエレメント20は、超音波を送受信するアクティブ領域である送受信部60(図4〜図6参照)が配設されている。
【0020】
なお、USアレイ40は、ラジアル型振動子群であるが、USアレイは、凸形状に折り曲げしたコンベックス型振動子群であってもよい。
【0021】
円筒状の超音波アレイ40の内面の端部には、複数の下部電極端子52が配列しており、それぞれが同軸ケーブル束35の、それぞれの信号線62と接続されている。また、図3では図示しないが、超音波アレイ40の内面の、もう1方の端部には、複数の上部電極端子51(図5参照)が配列しており、それぞれが同軸ケーブル束35のシールド線61(図5参照)と接続されている。すなわち同軸ケーブル束35は、複数の信号線62と同じ本数の芯線のある同軸ケーブルからなる。
【0022】
送受信部60は下部電極端子52と上部電極端子51とを介して印加される駆動用信号により超音波を発生する。また送受信部60は、超音波を受信すると、下部電極端子52と上部電極端子51との間に電気信号を発生する。
【0023】
同軸ケーブル束35は、先端部37と、湾曲部38と、可撓管部39と、操作部22と、ユニバーサルコード23と、超音波ケーブル26と、に挿通され、超音波コネクタ26aを介して、超音波観測装置3と接続されている。
【0024】
<送受信部の構成>
次に、図4および図5を用いて、USエレメント20の送受信部60の構成について説明する。なお、図はいずれも説明のための模式図であり、パターンの数、厚さ、大きさ、および大きさ等の比率は実際とは異なる。
【0025】
図5に示すように、超音波ユニット30の送受信部60には、複数の静電容量型の超音波振動子セル(以下、「USセル」)10がマトリックス状に配置されている。USセル10の配置は、規則的な格子配置、千鳥配置、または、三角メッシュ配置等であってもよいし、ランダム配置であってもよい。
【0026】
図4に示すように、USセル10は、基体であるシリコン基板11上に、順に積層された、下部電極端子52と接続された下部電極12と、第1絶縁層(下部絶縁層)13と、円筒状のキャビティ14が形成された第2絶縁層(上部絶縁層)15と、上部電極端子51と接続された上部電極16と、第3絶縁層(樹脂層)17と、を有する。シリコン基板11は、シリコン11Aの表面にシリコン熱酸化膜11B、11Cを形成した基板である。
【0027】
それぞれのUSセル10は、キャビティ14を介して対向配置しているシグナル電極部である下部電極部12Aとグランド電極部である上部電極部16Aとを有する。複数の下部電極部12Aがシグナル電極である下部電極12を構成し、複数の上部電極部16Aがグランド電極である上部電極16を構成している。
【0028】
下部電極12は、円形の下部電極部12Aと、下部電極12の縁辺部から延設している伝導部12Bとからなる。伝導部12Bにより、下部電極部12Aは、同じUSエレメント20の他のUSセルの下部電極部と接続されている。そして、下部電極12は、送受信部60の端部から、下部電極配線42に延設され、更に下部電極配線42は、下部電極端子52まで延設されている。
【0029】
上部電極16は、円形の上部電極部16Aと、上部電極16の縁辺部から延設している伝導部16Bとからなる。伝導部16Bにより、上部電極部16Aは、同じUSエレメント20の他のUSセルの上部電極部と接続されている。そして、上部電極16は、送受信部60の端部から、上部電極配線41に延設され、更に上部電極配線41は、上部電極端子51まで延設されている。
【0030】
すなわち。同じUSエレメント20に配置された複数のUSセル10の全ての下部電極部12Aは互いに接続されており、全ての上部電極部16Aも互いに接続されている。
【0031】
上部電極配線41および下部電極配線42(以下「配線41等」という)は、導電性シリコン等よりも電気抵抗が低い金属材料、例えば、銅、金、またはアルミニウムからなる。
【0032】
第3絶縁層17は送受信部60の表面を覆う可撓性の樹脂層である。更に第3絶縁層17は、配線41等も覆っているが、電極端子51等は覆っていない。第3絶縁層17は、保護層機能だけでなく、音響整合層機能、更にUSエレメント20を連結する機能も有する。
【0033】
第3絶縁層17としては、ポリイミド、エポキシ、アクリル、またはポリパラキシレンなどの可撓性の樹脂からなり、耐薬品性が高く、屈曲性を有し、加工が容易のため、特に好ましくはポリイミドである。なお、第3絶縁層17は下部絶縁層の上に、更に生体適合性のある上部絶縁層が形成された2層構造であってもよい。
【0034】
図4に示す上記構造のUSセル10では、キャビティ14の直上領域の、第2絶縁層15と上部電極16と第3絶縁層17とが、振動部であるメンブレン18を構成している。
【0035】
<超音波アレイの構成>
図5および図6に示すように、USエレメント20の送受信部60の端部からは、第2の主面20SB側に位置する外部接続端子である下部電極端子52まで、可撓性のある下部電極配線42が延設されている。また、USエレメント20の送受信部60の他の端部からは、第2の主面20SB側に位置する外部接続端子である上部電極端子51まで、可撓性のある上部電極配線41が延設されている。
【0036】
既に説明したように、下部電極端子52は信号線62と接続されており、上部電極端子51はシールド線61と接続されている。
【0037】
そして、可撓性の樹脂層である第3絶縁層17が、送受信部60の表面を被覆しているとともに、配線41等を被覆している。なお、第3絶縁層17は配線41等の上側を覆うだけでなく、配線41等の下側も覆っており、配線41等を封止していることが好ましい。
【0038】
以下、可撓性の第3絶縁層17で封止された可撓性の配線41等を「可撓性配線」という。可撓性配線には、第1の主面20SBから180度の折り曲げ角度θで折り曲げられた折り曲げ部46、47がある。
【0039】
USユニット30は、折り曲げられた可撓性配線により、第2の主面20SBに外部接続端子が配設されているために、製造が容易である。またUSユニット30を具備するUS内視鏡2は製造が容易である。更に、配線41等は電気抵抗が低いため、USユニット30は、動作速度が低下するおそれがない。
【0040】
<超音波アレイの製造方法>
次に、図7および図8を用いて、超音波アレイ40の製造方法について説明する。
【0041】
<ステップS11>下部電極形成
図8(A)に示すように、シリコン基板11のシリコン熱酸化膜11Bの上に導電性材料からなる下部電極層が形成される。導電性材料はシリコン基板11の全面にスパッタ法等により成膜される。そして、フォトリソグラフィによるマスクパターンを形成後にエッチングにより部分的に除去することにより、下部電極12が形成される。
【0042】
<ステップS12>第1絶縁層形成
下部電極12を含む第1の主面20SAを覆うように、SiN等の絶縁性材料からなる第1絶縁層13が例えばCVD法(化学気相成長法)等により成膜される。
【0043】
<ステップS13>キャビティ/第2絶縁層形成工程
そして第1絶縁層13の上に、犠牲層材料を成膜した後、部分的に除去することで、キャビティ14の形状(円柱状)の犠牲層が形成される。
【0044】
犠牲層の厚さは、キャビティ14の高さとなるために、例えば、0.05〜0.3μmであり、好ましくは0.05〜0.15μmである。犠牲層材料としては、例えば、リンガラス(PSG:含リン酸化シリコン)、二酸化ケイ素、ポリシリコン、または金属などを用いる。
【0045】
犠牲層が形成された第1絶縁層13の上面に、第2絶縁層15が、例えば第1絶縁層13と同様の方法および同様の材料により形成される。
【0046】
そして、第2絶縁層15の所定の位置に、犠牲層を除去するために、エッチング剤を流入する開口部(不図示)が形成される。
【0047】
次に、犠牲層のエッチングによりキャビティ14が形成される。例えば犠牲層としてリンガラスを用い、第1絶縁層13および第2絶縁層15としてSiNを用いた場合には、エッチング剤としてフッ酸溶液(バッファードHF溶液)を用いる。
【0048】
キャビティ14は円柱形状に限られるものではなく、多角柱形状等でもよい。キャビティ14が多角柱形状の場合には、上部電極部16Aおよび下部電極部12Aの形状も多角形とすることが好ましい。
【0049】
<ステップS14>上部電極層形成
図8(B)に示すように、下部電極12と同様の方法により、上部電極16が形成される。
【0050】
<ステップS15>配線層形成
図8(C)に示すように、第1絶縁層13および第2絶縁層15に下部電極配線42との接合のための孔部を形成した後に、配線層、すなわち、下部電極配線42、下部電極端子52、上部電極配線41、および上部電極端子51が形成される。
配線層は、スパッタ法、蒸着法、またはめっき法等により形成され、例えば、2μmの金めっき膜を好ましく用いる。
【0051】
<ステップS16>第3絶縁層形成
図8(D)に示すように、電極端子51等を除く、USエレメント20(USアレイ40)の表面が、第3絶縁層17で覆われる。
なお、配線41等を封止するために配線層形成工程前に、第3絶縁層と同様の樹脂層を形成しておくことが好ましい。すなわち、第3絶縁層は、配線層形成工程の前後に行われることが好ましい。例えば、配線層形成工程の前に5μmの第3絶縁層1を形成し、配線層形成工程の後に5μmの第3絶縁層2を形成することで、配線層を封止する。
【0052】
また、第1絶縁層13および第2絶縁層15の一部を、第3絶縁層の下層として利用してもよいし、下部電極12および上部電極16の形成時に配線層の下地層を形成してもよい。また、既に説明したように、配線層形成工程の後に形成する絶縁層を2層構造としてもよい。
【0053】
<ステップS17>基板エッチング
図8(E)に示すように、基板11の一部、すなわち、両端部およびUSエレメント20間が、第2の主面20SB側から、例えばエッチングにより除去される。基板エッチングにより、配線41等は折り曲げ可能となる。エッチング方法としては、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)法等を用いる。
【0054】
<ステップS18>折り曲げ
図8(F)に示すように、両端部の可撓性配線が、それぞれシリコン基板11の側面に沿って90度折り曲げられ、更に第2の主面20SBに沿って90度折り曲げられる。すなわち、折り曲げ部46、47の折り曲げ角度θは、180度である。このため、第1の主面20SAにあった電極端子51等は、第2の主面20SBの側に位置するようになる。
【0055】
なお、図示しないが、可撓性配線はシリコン基板11と、エポキシ系接着剤等により折り曲げた状態で接合される。
【0056】
<ステップS19>外部配線接続
第2の主面20SB側の電極端子51等に、それぞれ、外部接続配線である同軸ケーブル束35の信号線62およびシールド線61が、例えば、はんだにて接続される。
なお、例えば、複数の配線を有するプリント配線板からなる中継配線板(ケーブル接続基板)を介して、同軸ケーブル束35と接続してもよい。
【0057】
なお、以上の説明では省略したが、USアレイ40を構成する複数の平面視矩形のUSエレメント20は、1枚のシリコン基板11を用いて同時に作製される。そして、例えば、基板エッチング工程において、それぞれのUSエレメント20に分割される。すなわち、図5に示したように、USアレイ40は、複数の超音波エレメント20の長辺が、第3絶縁層17により連結された構造となる。なお既に説明したように、第3絶縁層17は多層構造でもよいが、いずれの層も可撓性樹脂からなる。
【0058】
更に、USアレイ40は、複数の超音波エレメント20が連結方向に所定の直径のラジアル形状に湾曲配置される。すなわち、USアレイ40は、例えば所定の直径の円筒の外周に接合される。
【0059】
以上の説明のように、超音波ユニット30の製造方法は容易である。
【0060】
<第1実施形態の変形例>
次に第1実施形態の変形例1の超音波ユニット30Aおよび超音波ユニット30Aを具備する超音波内視鏡2A、第1実施形態の変形例2の超音波ユニット30Bおよび超音波ユニット30Bを具備する超音波内視鏡2Bについて説明する。
変形例は、第1実施形態と類似しているので同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0061】
図9に示すように、超音波ユニット30Aは、シリコン基板11の第2の主面20SBに、不要な超音波を吸収するバッキング層70が形成されている。バッキング層70は、超音波を放射するときのメンブレンの自由振動を規制して、超音波の進行方向の分解能を向上させる。バッキング層70には、振動を吸収できる様々な材料を用いることができ、無機材料、有機材料いずれも適用可能である。特に、エポキシ系樹脂、ゴム系材料は、音響インピーダンスが小さく、感度を落とさずに振動を吸収できるため、好ましい。
【0062】
USユニット30AのUSエレメント20のシリコン基板11は、可撓性配線の下部の一部にシリコン基板11を残すように、エッチングを行っている。特に、(100)面の単結晶シリコン基板を用い、アルカリ水溶液による異方性エッチングを行うことで、端面が主面に対して54.7度の傾斜のあるテーパー形状となっている。もちろん非垂直断面形状を形成可能なドライエッチング法を用いてもよい。
【0063】
図9に示すように、可撓性配線は、バッキング層70を覆うように折り曲げ部46、47で折り曲げられている。折り曲げ角度θは180度であり、電極端子51等が、シリコン基板11の第2の主面側に位置する。
【0064】
USユニット30Aは、可撓性配線の下の一部に、側面がテーパー形状のシリコン基板11があるため、折り曲げ処理が容易である。
【0065】
一方、図10に示すように、超音波ユニット30Bは、折り曲げ部46、47の折り曲げ角度θが90度である。そして、電極端子51は、シリコン基板11の側面の内面側に位置し、電極端子52はシリコン基板11の側面に位置している。
【0066】
すなわち、電極端子51および電極端子52の配置状態は同じ状態である必要はなく、例えば一方の電極端子がシリコン基板11の第2の主面20SB側にあり他方が側面に位置していてもよい。また、一方の電極端子がシリコン基板11の第1の主面20SA側に位置していてもよい。
【0067】
超音波ユニット30Aおよび超音波ユニット30Bは、ともに、第1実施形態の超音波ユニット30と同様の効果を有する。すなわち、外部接続用電極端子が、超音波送受信面とは異なる面に配設されているが、作製が容易である。
【0068】
<第2実施形態>
次に第2実施形態の超音波ユニット30Cおよび超音波ユニット30Cを具備する超音波内視鏡2Cについて説明する。
【0069】
超音波ユニット30A等では、超音波アレイ40をラジアル形状に変形するために、所定の直径の円筒部材の外周に接合されていた。しかし、円筒部材の配設により、超音波アレイ40の径が大きくなる。
【0070】
これに対して、図11および図12に示すように、USユニット30Cでは、第2の主面20SBに配設されたバッキング層70の形状に沿って複数の超音波エレメント20が、湾曲している。
【0071】
USユニット30CのUSエレメント20のシリコン基板11は、可撓性配線の下部の一部分にもシリコン基板11を残すように、エッチングを行っている。
【0072】
更にエッチング後のシリコン基板11の側面は主面に対して垂直ではなく傾斜している。側面をテーパー形状にするには、シリコン基板11として、(100)面の単結晶を用い、アルカリ水溶液による異方性エッチングを行う。すると、エッチングにより形成される側面は、主面に対して54.7度の傾斜を有する。もちろん非垂直断面形状を形成可能なドライエッチング法を用いてもよい。
【0073】
そして、バッキング層70の形状を、このシリコン基板11の傾斜した側面と嵌合する形状、すなわち所定の傾斜角の側面ののある凹部のある外周面としている。このため、円筒形のバッキング層70の外周面の凹凸に嵌合するように、USアレイ40のUSエレメント20を接合することにより、隙間なく、所定のラジアル形状のUSユニット30Cを得ることができる。
【0074】
USユニット30Cは、USユニット30Bが有する効果を有し、更に超音波アレイ40を所定の湾曲角度に変形するための円筒等が不要であるため、細径である。またUS内視鏡2Cは先端部が細径である。
【0075】
本発明は、上述した実施形態または変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【符号の説明】
【0076】
1…超音波内視鏡システム、2、2A〜2C…超音波内視鏡、3…超音波観測装置、10…超音波セル、11…シリコン基板、12…下部電極、12A…下部電極部、13…第1絶縁層、14…キャビティ、15…第2絶縁層、16…上部電極、16A…上部電極部、17…第3絶縁層、18…メンブレン、20…超音波エレメント、20SA…第1の主面、20SB…第2の主面、30、30A〜30C…超音波ユニット、40…超音波アレイ、41…上部電極配線、42…下部電極配線、46、47…折り曲げ部、51…上部電極端子、52…下部電極端子、60…送受信部、61…シールド線、62…信号線、70…バッキング層
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量型の超音波ユニット、前記超音波ユニットを有する超音波内視鏡および前記超音波ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波内視鏡は、体内のガスまたは骨の影響を受けない良好な画質で消化管壁または深部臓器等を明瞭に描出する。電子走査式の超音波内視鏡は、先端部に超音波アレイを有する超音波ユニットが配設されている。超音波アレイは複数の超音波エレメントが連結されて構成されている。
【0003】
それぞれの超音波エレメントにはキャビティを介して対向している下部電極部と上部電極部とからなる複数の静電容量型の超音波振動セルが配設されている。静電容量型の超音波エレメントは、いわゆるMEMS技術により基板上に形成される。このため、電気接続のための電極端子と超音波送信面とが、基板の同じ主面に配設される。
【0004】
特許第3924466号明細書には、超音波送信面が配設された第1の主面から延設した貫通配線により、第2の主面に電極端子を配設した超音波振動子が開示されている。
【0005】
しかし、貫通配線は製造工程の最初に形成する必要があるため、製造が難しくなるおそれがある。また、貫通孔の内部に配設する導電性材料の耐熱性によっては、工程で使用できる最高温度が低下するおそれがある。また、静電容量型の超音波振動子の動作速度の要因は、電気抵抗と静電容量の積であるが、導電性材料としてポリシリコンを用いた貫通配線は、電気抵抗が低くはない。このため、動作速度が低下するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3924466号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態は、製造が容易な超音波ユニット、製造が容易な超音波内視鏡および容易な超音波ユニットの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態の超音波ユニットは、連結された複数の超音波エレメントからなる超音波アレイを具備し、
前記超音波エレメントが、
矩形の第1の主面と第2の主面とを有する基体と、
キャビティを介して対向配置している下部電極部と上部電極部とを、それぞれが有する複数の超音波セルが配置されており、それぞれの前記下部電極部が互いに接続されているとともに、それぞれの前記上部電極部が互いに接続されている、前記第1の主面に配設された超音波を送受信する平面視矩形の送受信部と、
前記送受信部の端部から延設された、複数の前記下部電極部と接続された可撓性の下部電極配線と、
前記下部電極配線と接続された下部電極端子と、
前記送受信部の他の端部から延設された、複数の前記上部電極部と接続された可撓性の上部電極配線と、
前記上部電極配線と接続された上部電極端子と、を有し、
可撓性の樹脂層が、前記送受信部の表面を被覆しているとともに、それぞれの折り曲げ部により前記第2の主面の方向に折り曲げられた前記下部電極配線および前記上部電極配線を被覆している。
【0009】
別の実施形態の超音波内視鏡は、上記記載の超音波ユニットを有する先端硬性部を具備する。
【0010】
別の実施形態の超音波ユニットの製造法は、
基体の第1の主面に、キャビティを介して対向配置している下部電極部と上部電極部とを、それぞれが有する複数の超音波セルを具備する複数の超音波エレメントを作製する工程と、
前記下部電極部と接続された下部電極配線、前記下部電極配線から延設された下部電極端子、前記上部電極部と接続された上部電極配線、および前記上部電極配線から延設された上部電極端子を、前記第1の主面に作製する工程と、
前記第1の主面の表面を可撓性の樹脂層で覆う工程と、
前記下部電極配線、前記下部電極端子、前記上部電極配線、および前記上部電極端子の下側の前記基板の少なくとも一部を除去する工程と、
前記下部電極配線および前記上部電極配線を前記第2の主面の方向に折り曲げる工程と、を具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態によれば、製造が容易な超音波ユニット、製造が容易な超音波内視鏡および容易な超音波ユニットの製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態の超音波内視鏡を具備する内視鏡システムを説明するための外観図である。
【図2】第1実施形態の超音波内視鏡の先端硬性部を説明するための斜視図である。
【図3】第1実施形態の超音波ユニットの構成を説明するための斜視図である。
【図4】第1実施形態の超音波アレイのセル構造断面図である。
【図5】第1実施形態の超音波アレイの上面図である。
【図6】第1実施形態の超音波アレイの図5のVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】第1実施形態の超音波ユニットの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】第1実施形態の超音波ユニットの製造方法を説明するための断面図である。
【図9】第1実施形態の変形例1の超音波ユニットの構造を説明するための断面図である。
【図10】第1実施形態の変形例2の超音波ユニットの構造を説明するための断面図である。
【図11】第2実施形態の超音波アレイの構造を説明するための上面図である。
【図12】第2実施形態の超音波アレイの構造を説明するための、図11のXII−XII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して第1実施形態の超音波ユニット(以下、「USユニット」という)30、USユニット30を有する超音波内視鏡(以下、「US内視鏡」という)2、および、USユニット30の製造方法について説明する。
【0014】
<超音波内視鏡の構成>
図1に示すようにUS内視鏡2は、超音波観測装置3およびモニタ4とともに超音波内視鏡システム1を構成する。US内視鏡2は、体内に挿入される細長の挿入部21と、挿入部21の基端に配された操作部22と、操作部22の側部から延出したユニバーサルコード23と、を具備する。
【0015】
ユニバーサルコード23の基端部には、光源装置(不図示)に接続されるコネクタ24Aが配設されている。コネクタ24Aからは、カメラコントロールユニット(不図示)にコネクタ25Aを介して着脱自在に接続されるケーブル25と、超音波観測装置3にコネクタ26Aを介して着脱自在に接続されるケーブル26と、が延出している。超音波観測装置3にはモニタ4が接続される。
【0016】
挿入部21は、先端側から順に、先端硬性部(以下、「先端部」という)37と、先端部37の後端に位置する湾曲部38と、湾曲部38の後端に位置して操作部22に至る細径かつ長尺で可撓性を有する可撓管部39と、を連設して構成されている。そして、先端部37の先端側には超音波ユニット30が配設されている。
【0017】
操作部22には、湾曲部38を所望の方向に湾曲制御するアングルノブ22Aと、送気および送水操作を行う送気送水ボタン22Bと、吸引操作を行う吸引ボタン22Cと、体内に導入する処置具の入り口となる処置具挿入口22D等と、が配設されている。
【0018】
そして、図2に示すように、USユニット30が、設けられた先端部37には、照明光学系を構成する照明用レンズカバー31と、観察光学系の観察用レンズカバー32と、吸引口を兼ねる鉗子口33と、図示しない送気送水ノズルと、が配設されている。
【0019】
図3に示すように、USユニット30のUSアレイ40は、複数の平面視矩形の超音波エレメント(以下、「USエレメント」という)20の長辺が連結され、円筒状に湾曲配置されたラジアル型振動子群である。すなわち、USアレイ40では、例えば、直径2mmの円筒の側面に、短辺が0.1mm以下のUSエレメント20が200個、360度方向に配設されている。それぞれのUSエレメント20は、超音波を送受信するアクティブ領域である送受信部60(図4〜図6参照)が配設されている。
【0020】
なお、USアレイ40は、ラジアル型振動子群であるが、USアレイは、凸形状に折り曲げしたコンベックス型振動子群であってもよい。
【0021】
円筒状の超音波アレイ40の内面の端部には、複数の下部電極端子52が配列しており、それぞれが同軸ケーブル束35の、それぞれの信号線62と接続されている。また、図3では図示しないが、超音波アレイ40の内面の、もう1方の端部には、複数の上部電極端子51(図5参照)が配列しており、それぞれが同軸ケーブル束35のシールド線61(図5参照)と接続されている。すなわち同軸ケーブル束35は、複数の信号線62と同じ本数の芯線のある同軸ケーブルからなる。
【0022】
送受信部60は下部電極端子52と上部電極端子51とを介して印加される駆動用信号により超音波を発生する。また送受信部60は、超音波を受信すると、下部電極端子52と上部電極端子51との間に電気信号を発生する。
【0023】
同軸ケーブル束35は、先端部37と、湾曲部38と、可撓管部39と、操作部22と、ユニバーサルコード23と、超音波ケーブル26と、に挿通され、超音波コネクタ26aを介して、超音波観測装置3と接続されている。
【0024】
<送受信部の構成>
次に、図4および図5を用いて、USエレメント20の送受信部60の構成について説明する。なお、図はいずれも説明のための模式図であり、パターンの数、厚さ、大きさ、および大きさ等の比率は実際とは異なる。
【0025】
図5に示すように、超音波ユニット30の送受信部60には、複数の静電容量型の超音波振動子セル(以下、「USセル」)10がマトリックス状に配置されている。USセル10の配置は、規則的な格子配置、千鳥配置、または、三角メッシュ配置等であってもよいし、ランダム配置であってもよい。
【0026】
図4に示すように、USセル10は、基体であるシリコン基板11上に、順に積層された、下部電極端子52と接続された下部電極12と、第1絶縁層(下部絶縁層)13と、円筒状のキャビティ14が形成された第2絶縁層(上部絶縁層)15と、上部電極端子51と接続された上部電極16と、第3絶縁層(樹脂層)17と、を有する。シリコン基板11は、シリコン11Aの表面にシリコン熱酸化膜11B、11Cを形成した基板である。
【0027】
それぞれのUSセル10は、キャビティ14を介して対向配置しているシグナル電極部である下部電極部12Aとグランド電極部である上部電極部16Aとを有する。複数の下部電極部12Aがシグナル電極である下部電極12を構成し、複数の上部電極部16Aがグランド電極である上部電極16を構成している。
【0028】
下部電極12は、円形の下部電極部12Aと、下部電極12の縁辺部から延設している伝導部12Bとからなる。伝導部12Bにより、下部電極部12Aは、同じUSエレメント20の他のUSセルの下部電極部と接続されている。そして、下部電極12は、送受信部60の端部から、下部電極配線42に延設され、更に下部電極配線42は、下部電極端子52まで延設されている。
【0029】
上部電極16は、円形の上部電極部16Aと、上部電極16の縁辺部から延設している伝導部16Bとからなる。伝導部16Bにより、上部電極部16Aは、同じUSエレメント20の他のUSセルの上部電極部と接続されている。そして、上部電極16は、送受信部60の端部から、上部電極配線41に延設され、更に上部電極配線41は、上部電極端子51まで延設されている。
【0030】
すなわち。同じUSエレメント20に配置された複数のUSセル10の全ての下部電極部12Aは互いに接続されており、全ての上部電極部16Aも互いに接続されている。
【0031】
上部電極配線41および下部電極配線42(以下「配線41等」という)は、導電性シリコン等よりも電気抵抗が低い金属材料、例えば、銅、金、またはアルミニウムからなる。
【0032】
第3絶縁層17は送受信部60の表面を覆う可撓性の樹脂層である。更に第3絶縁層17は、配線41等も覆っているが、電極端子51等は覆っていない。第3絶縁層17は、保護層機能だけでなく、音響整合層機能、更にUSエレメント20を連結する機能も有する。
【0033】
第3絶縁層17としては、ポリイミド、エポキシ、アクリル、またはポリパラキシレンなどの可撓性の樹脂からなり、耐薬品性が高く、屈曲性を有し、加工が容易のため、特に好ましくはポリイミドである。なお、第3絶縁層17は下部絶縁層の上に、更に生体適合性のある上部絶縁層が形成された2層構造であってもよい。
【0034】
図4に示す上記構造のUSセル10では、キャビティ14の直上領域の、第2絶縁層15と上部電極16と第3絶縁層17とが、振動部であるメンブレン18を構成している。
【0035】
<超音波アレイの構成>
図5および図6に示すように、USエレメント20の送受信部60の端部からは、第2の主面20SB側に位置する外部接続端子である下部電極端子52まで、可撓性のある下部電極配線42が延設されている。また、USエレメント20の送受信部60の他の端部からは、第2の主面20SB側に位置する外部接続端子である上部電極端子51まで、可撓性のある上部電極配線41が延設されている。
【0036】
既に説明したように、下部電極端子52は信号線62と接続されており、上部電極端子51はシールド線61と接続されている。
【0037】
そして、可撓性の樹脂層である第3絶縁層17が、送受信部60の表面を被覆しているとともに、配線41等を被覆している。なお、第3絶縁層17は配線41等の上側を覆うだけでなく、配線41等の下側も覆っており、配線41等を封止していることが好ましい。
【0038】
以下、可撓性の第3絶縁層17で封止された可撓性の配線41等を「可撓性配線」という。可撓性配線には、第1の主面20SBから180度の折り曲げ角度θで折り曲げられた折り曲げ部46、47がある。
【0039】
USユニット30は、折り曲げられた可撓性配線により、第2の主面20SBに外部接続端子が配設されているために、製造が容易である。またUSユニット30を具備するUS内視鏡2は製造が容易である。更に、配線41等は電気抵抗が低いため、USユニット30は、動作速度が低下するおそれがない。
【0040】
<超音波アレイの製造方法>
次に、図7および図8を用いて、超音波アレイ40の製造方法について説明する。
【0041】
<ステップS11>下部電極形成
図8(A)に示すように、シリコン基板11のシリコン熱酸化膜11Bの上に導電性材料からなる下部電極層が形成される。導電性材料はシリコン基板11の全面にスパッタ法等により成膜される。そして、フォトリソグラフィによるマスクパターンを形成後にエッチングにより部分的に除去することにより、下部電極12が形成される。
【0042】
<ステップS12>第1絶縁層形成
下部電極12を含む第1の主面20SAを覆うように、SiN等の絶縁性材料からなる第1絶縁層13が例えばCVD法(化学気相成長法)等により成膜される。
【0043】
<ステップS13>キャビティ/第2絶縁層形成工程
そして第1絶縁層13の上に、犠牲層材料を成膜した後、部分的に除去することで、キャビティ14の形状(円柱状)の犠牲層が形成される。
【0044】
犠牲層の厚さは、キャビティ14の高さとなるために、例えば、0.05〜0.3μmであり、好ましくは0.05〜0.15μmである。犠牲層材料としては、例えば、リンガラス(PSG:含リン酸化シリコン)、二酸化ケイ素、ポリシリコン、または金属などを用いる。
【0045】
犠牲層が形成された第1絶縁層13の上面に、第2絶縁層15が、例えば第1絶縁層13と同様の方法および同様の材料により形成される。
【0046】
そして、第2絶縁層15の所定の位置に、犠牲層を除去するために、エッチング剤を流入する開口部(不図示)が形成される。
【0047】
次に、犠牲層のエッチングによりキャビティ14が形成される。例えば犠牲層としてリンガラスを用い、第1絶縁層13および第2絶縁層15としてSiNを用いた場合には、エッチング剤としてフッ酸溶液(バッファードHF溶液)を用いる。
【0048】
キャビティ14は円柱形状に限られるものではなく、多角柱形状等でもよい。キャビティ14が多角柱形状の場合には、上部電極部16Aおよび下部電極部12Aの形状も多角形とすることが好ましい。
【0049】
<ステップS14>上部電極層形成
図8(B)に示すように、下部電極12と同様の方法により、上部電極16が形成される。
【0050】
<ステップS15>配線層形成
図8(C)に示すように、第1絶縁層13および第2絶縁層15に下部電極配線42との接合のための孔部を形成した後に、配線層、すなわち、下部電極配線42、下部電極端子52、上部電極配線41、および上部電極端子51が形成される。
配線層は、スパッタ法、蒸着法、またはめっき法等により形成され、例えば、2μmの金めっき膜を好ましく用いる。
【0051】
<ステップS16>第3絶縁層形成
図8(D)に示すように、電極端子51等を除く、USエレメント20(USアレイ40)の表面が、第3絶縁層17で覆われる。
なお、配線41等を封止するために配線層形成工程前に、第3絶縁層と同様の樹脂層を形成しておくことが好ましい。すなわち、第3絶縁層は、配線層形成工程の前後に行われることが好ましい。例えば、配線層形成工程の前に5μmの第3絶縁層1を形成し、配線層形成工程の後に5μmの第3絶縁層2を形成することで、配線層を封止する。
【0052】
また、第1絶縁層13および第2絶縁層15の一部を、第3絶縁層の下層として利用してもよいし、下部電極12および上部電極16の形成時に配線層の下地層を形成してもよい。また、既に説明したように、配線層形成工程の後に形成する絶縁層を2層構造としてもよい。
【0053】
<ステップS17>基板エッチング
図8(E)に示すように、基板11の一部、すなわち、両端部およびUSエレメント20間が、第2の主面20SB側から、例えばエッチングにより除去される。基板エッチングにより、配線41等は折り曲げ可能となる。エッチング方法としては、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)法等を用いる。
【0054】
<ステップS18>折り曲げ
図8(F)に示すように、両端部の可撓性配線が、それぞれシリコン基板11の側面に沿って90度折り曲げられ、更に第2の主面20SBに沿って90度折り曲げられる。すなわち、折り曲げ部46、47の折り曲げ角度θは、180度である。このため、第1の主面20SAにあった電極端子51等は、第2の主面20SBの側に位置するようになる。
【0055】
なお、図示しないが、可撓性配線はシリコン基板11と、エポキシ系接着剤等により折り曲げた状態で接合される。
【0056】
<ステップS19>外部配線接続
第2の主面20SB側の電極端子51等に、それぞれ、外部接続配線である同軸ケーブル束35の信号線62およびシールド線61が、例えば、はんだにて接続される。
なお、例えば、複数の配線を有するプリント配線板からなる中継配線板(ケーブル接続基板)を介して、同軸ケーブル束35と接続してもよい。
【0057】
なお、以上の説明では省略したが、USアレイ40を構成する複数の平面視矩形のUSエレメント20は、1枚のシリコン基板11を用いて同時に作製される。そして、例えば、基板エッチング工程において、それぞれのUSエレメント20に分割される。すなわち、図5に示したように、USアレイ40は、複数の超音波エレメント20の長辺が、第3絶縁層17により連結された構造となる。なお既に説明したように、第3絶縁層17は多層構造でもよいが、いずれの層も可撓性樹脂からなる。
【0058】
更に、USアレイ40は、複数の超音波エレメント20が連結方向に所定の直径のラジアル形状に湾曲配置される。すなわち、USアレイ40は、例えば所定の直径の円筒の外周に接合される。
【0059】
以上の説明のように、超音波ユニット30の製造方法は容易である。
【0060】
<第1実施形態の変形例>
次に第1実施形態の変形例1の超音波ユニット30Aおよび超音波ユニット30Aを具備する超音波内視鏡2A、第1実施形態の変形例2の超音波ユニット30Bおよび超音波ユニット30Bを具備する超音波内視鏡2Bについて説明する。
変形例は、第1実施形態と類似しているので同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0061】
図9に示すように、超音波ユニット30Aは、シリコン基板11の第2の主面20SBに、不要な超音波を吸収するバッキング層70が形成されている。バッキング層70は、超音波を放射するときのメンブレンの自由振動を規制して、超音波の進行方向の分解能を向上させる。バッキング層70には、振動を吸収できる様々な材料を用いることができ、無機材料、有機材料いずれも適用可能である。特に、エポキシ系樹脂、ゴム系材料は、音響インピーダンスが小さく、感度を落とさずに振動を吸収できるため、好ましい。
【0062】
USユニット30AのUSエレメント20のシリコン基板11は、可撓性配線の下部の一部にシリコン基板11を残すように、エッチングを行っている。特に、(100)面の単結晶シリコン基板を用い、アルカリ水溶液による異方性エッチングを行うことで、端面が主面に対して54.7度の傾斜のあるテーパー形状となっている。もちろん非垂直断面形状を形成可能なドライエッチング法を用いてもよい。
【0063】
図9に示すように、可撓性配線は、バッキング層70を覆うように折り曲げ部46、47で折り曲げられている。折り曲げ角度θは180度であり、電極端子51等が、シリコン基板11の第2の主面側に位置する。
【0064】
USユニット30Aは、可撓性配線の下の一部に、側面がテーパー形状のシリコン基板11があるため、折り曲げ処理が容易である。
【0065】
一方、図10に示すように、超音波ユニット30Bは、折り曲げ部46、47の折り曲げ角度θが90度である。そして、電極端子51は、シリコン基板11の側面の内面側に位置し、電極端子52はシリコン基板11の側面に位置している。
【0066】
すなわち、電極端子51および電極端子52の配置状態は同じ状態である必要はなく、例えば一方の電極端子がシリコン基板11の第2の主面20SB側にあり他方が側面に位置していてもよい。また、一方の電極端子がシリコン基板11の第1の主面20SA側に位置していてもよい。
【0067】
超音波ユニット30Aおよび超音波ユニット30Bは、ともに、第1実施形態の超音波ユニット30と同様の効果を有する。すなわち、外部接続用電極端子が、超音波送受信面とは異なる面に配設されているが、作製が容易である。
【0068】
<第2実施形態>
次に第2実施形態の超音波ユニット30Cおよび超音波ユニット30Cを具備する超音波内視鏡2Cについて説明する。
【0069】
超音波ユニット30A等では、超音波アレイ40をラジアル形状に変形するために、所定の直径の円筒部材の外周に接合されていた。しかし、円筒部材の配設により、超音波アレイ40の径が大きくなる。
【0070】
これに対して、図11および図12に示すように、USユニット30Cでは、第2の主面20SBに配設されたバッキング層70の形状に沿って複数の超音波エレメント20が、湾曲している。
【0071】
USユニット30CのUSエレメント20のシリコン基板11は、可撓性配線の下部の一部分にもシリコン基板11を残すように、エッチングを行っている。
【0072】
更にエッチング後のシリコン基板11の側面は主面に対して垂直ではなく傾斜している。側面をテーパー形状にするには、シリコン基板11として、(100)面の単結晶を用い、アルカリ水溶液による異方性エッチングを行う。すると、エッチングにより形成される側面は、主面に対して54.7度の傾斜を有する。もちろん非垂直断面形状を形成可能なドライエッチング法を用いてもよい。
【0073】
そして、バッキング層70の形状を、このシリコン基板11の傾斜した側面と嵌合する形状、すなわち所定の傾斜角の側面ののある凹部のある外周面としている。このため、円筒形のバッキング層70の外周面の凹凸に嵌合するように、USアレイ40のUSエレメント20を接合することにより、隙間なく、所定のラジアル形状のUSユニット30Cを得ることができる。
【0074】
USユニット30Cは、USユニット30Bが有する効果を有し、更に超音波アレイ40を所定の湾曲角度に変形するための円筒等が不要であるため、細径である。またUS内視鏡2Cは先端部が細径である。
【0075】
本発明は、上述した実施形態または変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【符号の説明】
【0076】
1…超音波内視鏡システム、2、2A〜2C…超音波内視鏡、3…超音波観測装置、10…超音波セル、11…シリコン基板、12…下部電極、12A…下部電極部、13…第1絶縁層、14…キャビティ、15…第2絶縁層、16…上部電極、16A…上部電極部、17…第3絶縁層、18…メンブレン、20…超音波エレメント、20SA…第1の主面、20SB…第2の主面、30、30A〜30C…超音波ユニット、40…超音波アレイ、41…上部電極配線、42…下部電極配線、46、47…折り曲げ部、51…上部電極端子、52…下部電極端子、60…送受信部、61…シールド線、62…信号線、70…バッキング層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結された複数の超音波エレメントからなる超音波アレイを具備し、
前記超音波エレメントが、
矩形の第1の主面と第2の主面とを有する基体と、
キャビティを介して対向配置している下部電極部と上部電極部とを、それぞれが有する複数の超音波セルが配置されており、それぞれの前記下部電極部が互いに接続されているとともに、それぞれの前記上部電極部が互いに接続されている、前記第1の主面に配設された超音波を送受信する平面視矩形の送受信部と、
前記送受信部の端部から延設された、複数の前記下部電極部と接続された可撓性の下部電極配線と、
前記下部電極配線と接続された下部電極端子と、
前記送受信部の他の端部から延設された、複数の前記上部電極部と接続された可撓性の上部電極配線と、
前記上部電極配線と接続された上部電極端子と、を有し、
可撓性の樹脂層が、前記送受信部の表面を被覆しているとともに、それぞれの折り曲げ部により前記第2の主面の方向に折り曲げられた前記下部電極配線および前記上部電極配線を被覆していることを特徴とする超音波ユニット。
【請求項2】
前記折り曲げ部の折り曲げ角度が180度であり、前記下部電極端子または前記上部電極端子の少なくともいずれかが前記第2の主面側に位置することを特徴とする請求項1に記載の超音波ユニット。
【請求項3】
前記折り曲げ部の折り曲げ角度が90度であり、前記下部電極端子または前記上部電極端子の少なくともいずれかが、前記基板の側面側に位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波ユニット。
【請求項4】
前記折り曲げ部の折り曲げ角度が90度であり、前記下部電極端子または前記上部電極端子の少なくともいずれかが、前記基板の側面の内面側に位置することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の超音波ユニット。
【請求項5】
前記樹脂層が、ポリイミドからなり、
前記下部電極配線および前記上部電極配線が、銅、金、またはアルミニウムからなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の超音波ユニット。
【請求項6】
前記複数の超音波エレメントが、前記樹脂層により連結されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の超音波ユニット。
【請求項7】
複数の前記超音波エレメントが、連結方向にコンベックス形状またはラジアル形状に湾曲していることを特徴とする請求項6に記載の超音波ユニット。
【請求項8】
前記第2の主面に配設された超音波を吸収するバッキング層を具備し、前記バッキング層の形状に沿って前記複数の超音波エレメントが、湾曲していることを特徴とする請求項7に記載の超音波ユニット。
【請求項9】
請求項8から請求項8のいずれか1項に記載の超音波ユニットを有する先端硬性部を具備することを特徴とする超音波内視鏡。
【請求項10】
基体の第1の主面に、キャビティを介して対向配置している下部電極部と上部電極部とを、それぞれが有する複数の超音波セルを具備する複数の超音波エレメントを作製する工程と、
前記下部電極部と接続された下部電極配線、前記下部電極配線から延設された下部電極端子、前記上部電極部と接続された上部電極配線、および前記上部電極配線から延設された上部電極端子を、前記第1の主面に作製する工程と、
前記第1の主面の表面を可撓性の樹脂層で覆う工程と、
前記下部電極配線、前記下部電極端子、前記上部電極配線、および前記上部電極端子の下側の前記基板の少なくとも一部を除去する工程と、
前記下部電極配線および前記上部電極配線を前記第2の主面の方向に折り曲げる工程と、を具備することを特徴とする超音波ユニットの製造方法。
【請求項11】
前記樹脂層により複数の前記超音波エレメントの長辺が連結されていることを特徴とする請求項10に記載の超音波ユニットの製造方法。
【請求項12】
複数の前記超音波エレメントが、連結方向にコンベックス形状またはラジアル形状に湾曲していることを特徴とする請求項11に記載の超音波ユニットの製造方法。
【請求項13】
前記第2の主面に配設された超音波を吸収するバッキング層を具備し、前記バッキング層の形状に沿って前記複数の超音波エレメントが、湾曲していることを特徴とする請求項12に記載の超音波ユニットの製造方法。
【請求項1】
連結された複数の超音波エレメントからなる超音波アレイを具備し、
前記超音波エレメントが、
矩形の第1の主面と第2の主面とを有する基体と、
キャビティを介して対向配置している下部電極部と上部電極部とを、それぞれが有する複数の超音波セルが配置されており、それぞれの前記下部電極部が互いに接続されているとともに、それぞれの前記上部電極部が互いに接続されている、前記第1の主面に配設された超音波を送受信する平面視矩形の送受信部と、
前記送受信部の端部から延設された、複数の前記下部電極部と接続された可撓性の下部電極配線と、
前記下部電極配線と接続された下部電極端子と、
前記送受信部の他の端部から延設された、複数の前記上部電極部と接続された可撓性の上部電極配線と、
前記上部電極配線と接続された上部電極端子と、を有し、
可撓性の樹脂層が、前記送受信部の表面を被覆しているとともに、それぞれの折り曲げ部により前記第2の主面の方向に折り曲げられた前記下部電極配線および前記上部電極配線を被覆していることを特徴とする超音波ユニット。
【請求項2】
前記折り曲げ部の折り曲げ角度が180度であり、前記下部電極端子または前記上部電極端子の少なくともいずれかが前記第2の主面側に位置することを特徴とする請求項1に記載の超音波ユニット。
【請求項3】
前記折り曲げ部の折り曲げ角度が90度であり、前記下部電極端子または前記上部電極端子の少なくともいずれかが、前記基板の側面側に位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波ユニット。
【請求項4】
前記折り曲げ部の折り曲げ角度が90度であり、前記下部電極端子または前記上部電極端子の少なくともいずれかが、前記基板の側面の内面側に位置することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の超音波ユニット。
【請求項5】
前記樹脂層が、ポリイミドからなり、
前記下部電極配線および前記上部電極配線が、銅、金、またはアルミニウムからなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の超音波ユニット。
【請求項6】
前記複数の超音波エレメントが、前記樹脂層により連結されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の超音波ユニット。
【請求項7】
複数の前記超音波エレメントが、連結方向にコンベックス形状またはラジアル形状に湾曲していることを特徴とする請求項6に記載の超音波ユニット。
【請求項8】
前記第2の主面に配設された超音波を吸収するバッキング層を具備し、前記バッキング層の形状に沿って前記複数の超音波エレメントが、湾曲していることを特徴とする請求項7に記載の超音波ユニット。
【請求項9】
請求項8から請求項8のいずれか1項に記載の超音波ユニットを有する先端硬性部を具備することを特徴とする超音波内視鏡。
【請求項10】
基体の第1の主面に、キャビティを介して対向配置している下部電極部と上部電極部とを、それぞれが有する複数の超音波セルを具備する複数の超音波エレメントを作製する工程と、
前記下部電極部と接続された下部電極配線、前記下部電極配線から延設された下部電極端子、前記上部電極部と接続された上部電極配線、および前記上部電極配線から延設された上部電極端子を、前記第1の主面に作製する工程と、
前記第1の主面の表面を可撓性の樹脂層で覆う工程と、
前記下部電極配線、前記下部電極端子、前記上部電極配線、および前記上部電極端子の下側の前記基板の少なくとも一部を除去する工程と、
前記下部電極配線および前記上部電極配線を前記第2の主面の方向に折り曲げる工程と、を具備することを特徴とする超音波ユニットの製造方法。
【請求項11】
前記樹脂層により複数の前記超音波エレメントの長辺が連結されていることを特徴とする請求項10に記載の超音波ユニットの製造方法。
【請求項12】
複数の前記超音波エレメントが、連結方向にコンベックス形状またはラジアル形状に湾曲していることを特徴とする請求項11に記載の超音波ユニットの製造方法。
【請求項13】
前記第2の主面に配設された超音波を吸収するバッキング層を具備し、前記バッキング層の形状に沿って前記複数の超音波エレメントが、湾曲していることを特徴とする請求項12に記載の超音波ユニットの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−5403(P2013−5403A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137751(P2011−137751)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
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