説明

超音波二重供給ノズルを用いた徐放性微粒球の製造方法

本発明は、徐放性微粒球の製造のための異なる組成の液体を超音波二重供給ノズルを介して噴霧乾燥させることにより、徐放性微粒球剤形を製造する方法を開示する。本発明の方法は、従来の生分解性高分子、薬物、添加剤、溶媒などを含有した一つの液体を単一供給ノズルを介して噴霧乾燥させて徐放性微粒球を製造した方法とは異なり、徐放性微粒球製造のための組成の異なる2種の液体のいずれか1種の液体は超音波二重供給ノズルの内部管を介して供給し且つもう1種の液体は外部管を介して供給しながら噴霧乾燥させることにより、内部管を通した噴霧物が外部管を通した噴霧物によってコートされた徐放性微粒球剤形を製造することを特徴とする。本発明の方法によって製造された微粒球は、初期放出が低く、薬物の放出様相も所望通りに容易に調節することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、超音波二重供給ノズルを用いた噴霧乾燥によって、生分解性高分子からなる担体に薬物を封入し、持続的に薬物の放出を調節することが可能な徐放性微粒球の製造方法に関する。
【0002】
〔背景技術〕
薬学的製剤として有用なペプチドまたは蛋白質を始めとした比較的短い半減期を有する薬物は、有効な血中濃度を維持するためには頻繁な投与が必要である。したがって、血中濃度を治療的範囲内に維持することにより、患者の便宜を増加させ且つ効能及び安全性を向上させるために、新しい薬学的剤形が開発されている。代表的な例として、生分解性高分子からなる担体に薬物が封入されて有効な濃度で持続的に放出され、注射可能な徐放性微粒球剤形が非常に好ましい。
【0003】
ペプチドまたは蛋白質薬物を含有する徐放性微粒球剤形の通常の製造方法としては、乳濁液相分離法、二重乳化蒸発法、噴霧乾燥法などがよく知られている。一般に、徐放性微粒球剤形は、封入された薬物の初期放出が高くなくて適切でなければならず、以後の薬物の放出速度も適切に調節されなければならない。ところが、前述した従来の製造方法によって徐放性微粒球剤形を製造すると、大部分の場合、封入された薬物が初期に放出される割合が非常に高く、一定の放出速度を持つことが非常に難しい。また、いろいろの製造パラメータを調節して初期放出を減らした場合でも、以後一定の時間が過ぎても薬物の放出が完全ではない、あるいは初期に一定の期間薬物が全く放出されない場合が多い。特にペプチドまたは蛋白質などの水溶性薬物の場合には、前述した技術的問題を解決することがさらに難しい。水溶性薬物の場合、前述した通常の方法によって徐放性微粒球を製造すると、薬物が微粒球マトリックスに均一に分布せず表面側に片寄って初期放出量が高くなる。また、分子量が比較的大きい蛋白質薬物の場合には、微粒球内に封入するとき、薬物の変性を最小化するために蛋白質溶液の代わりに蛋白質微細粒子を主に使用するが、このような場合には前述した技術的問題を解決することがさらに難しくなる。
【0004】
このような問題を解決するための方法として、薬物の封入された1次微粒球を製造した後、これを中心核として別の生分解性高分子を用いてコートする方法が米国特許第6,120,787号に開示されている。さらに詳しくは、1段階工程では澱粉を用いて蛋白質含有の中心核を製造し乾燥させた後、2段階工程では流動層粒子コーティング機を用いて生分解性高分子を有機溶媒に溶解または分散させ、1段階工程で製造された中心核粒子を塗布する。薬物の封入された中心核が別の生分解性高分子でコートされるため、封入された薬物が初期に放出される割合が低くなる。ところが、コーティングの完成度合いに応じて薬物の放出試験において、初期には薬物が放出されずに一定の期間の経過後に薬物が放出される傾向を得た結果もある。また、この方法に使用される装備である流動層粒子コーティング機は、現在、商業的にまたは技術的に最小必要生産量が数十グラムに達してペプチドまたは蛋白質などの高価の薬物に適用するには限界がある。また、前記方法は、実際製品化のための生産工程において2段階で微粒球を製造しなければならないという工程上の困難さがある。
【0005】
Mathiowitz等は、 高分子を用いて多重層高分子微粒球を単一工程で製造する方法を米国特許第5,912,017号で開示した。微粒球の製造に使用された高分子は、生分解性または非生分解性高分子であり、表面張力または界面張力の特性が互いに異なる高分子であり、二重乳化蒸発法を用いて多重層構造の微粒球を単一工程で製造することに成功した。ところが、これらが例示した方法に使用された高分子を除いては、医薬品の製造に使用される可能性のある全ての高分子がそれぞれ異なる表面張力または界面張力を持つのではないため、このような方法を一般に適用するには限界がある。また、封入しようとする生理活性物質を中心核に封入することが、薬物の徐放性微粒球剤形にさらに好ましいと予想されるが、前述した方法によって大部分の薬物種類に対して特定の部位、好ましくは中心核に存在するように調節することは非常に難しい。
【0006】
これまでの多くの研究にも拘らず、ペプチドや蛋白質などの薬物が含有された徐放性微粒球を製造するにおいて過度な初期放出を抑制し、持続的に薬物を放出しながらも製造工程が単純な新しい方法が依然として要求されている。
【0007】
本発明の目的は、従来の徐放性微粒球剤形の欠点、すなわち過度な初期放出または時間経過に伴う放出量の急激な減少または増加などを克服するために、単一製造工程によって所望の放出様相を容易に得ることが可能な徐放性微粒球を製造する方法を提供することにある。
【0008】
本発明者らは、前述したような徐放性微粒球剤形の欠点を改善するために、生分解性高分子、薬物、添加剤、溶媒などの構成または含量またはこれら両方ともが異なる2種の液体を単一の二重供給ノズル(dual-feed nozzle)を介して同時に噴霧乾燥させることにより、二重供給ノズルの内部管を通した噴霧物が外部管を通した噴霧物によってコートされた形態の二重構造の微粒球を得る新規な単一工程を完成し、前述したように薬物が過度な初期放出なしに一定の時間徐放出される微粒球が製造されることを確認することにより、本発明を完成した。
【0009】
〔発明の開示〕
本発明は、(a)生分解性高分子、薬物、添加剤及び溶媒のうち少なくとも1種の成分の組成が異なる徐放性微粒球を製造するための2種の液体を準備する段階と、(b)前記2種の液体のうちいずれか1種の液体は超音波二重供給ノズルの内部管を介して供給し且つもう1種の液体は外部管を介して供給しながら、同時に噴霧させる段階と、(c)前記噴霧された液滴を乾燥させるために乾燥空気を用いて溶媒を蒸発及び乾燥させる段階とを含むことを特徴とする、生分解性高分子の担体に薬物が封入された徐放性微粒球を製造する方法に関する。
【0010】
前記製造方法において、外部管を介して供給される液体は、水を含有しないことが好ましい。
【0011】
また、生分解性高分子は、ポリラクチド(Polylactide、PLA)、ポリグリコリド(Polyglycolide、PGA)またはこれらの共重合体であるポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(Polylactide-co-glycolide、PLGA)とこの星形重合体(star polymer)であるポリ(ラクチド−コ−グリコリド)−グルコース(Polyactide-co-glycolide-glucose、PLGA−glucose)などのポリエステル、ポリオルトエステル(Polyorthoester)、ポリアンヒドリド(Polyanhydride)、ポリアミノ酸(Polyamino acid)、ポリヒドロキシ酪酸(Polyhydroxybutyric acid)、ポリカプロラクトン(Polycaprolactone)、ポリアルキルカーボネート(Polyalkylcarbonate)、脂質、脂肪酸及びワックスよりなる群から選択されることが好ましく、ポリラクチド及びポリ(ラクチド−コ−グリコリド)の中から選択されることが特に好ましい。
【0012】
また、薬物は、ペプチド及び蛋白質の中から選択されることが好ましい。
【0013】
本発明は、互いに異なる種類の生分解性高分子または異なる濃度の生分解性高分子溶液に封入しようとする薬物または添加剤をそれぞれ同じ又は異なる濃度で懸濁、エマルジョン、より好ましくは溶解させる工程と、この液体を単一の二重供給ノズルを介して噴霧乾燥機に供給し、異なる組成の膜でコートされた中心核部分を含む二重構造の徐放性微粒球を製造する工程とを含む徐放性微粒球の製造方法を提供する。
【0014】
具体的に、二重供給ノズルに供給される液体は、生分解性高分子、薬物、添加剤及び溶媒のうち少なくとも1種の成分の組成が異なる徐放性微粒球の製造のための2種以上の液体であって、溶液状態のものが好ましい。薬物としてペプチドを含む場合、ペプチド含有液体は、好ましくは水を含んでおらず、酢酸、蟻酸またはこれらの混合物から好ましく選択でき、この際、酢酸は氷酢酸を意味する。特に、外部管に供給される液体は、水を含有しないことが好ましい。
【0015】
本発明で使用された用語「生分解性高分子」は、ポリラクチド(Polylactide、PLA)、ポリグリコリド(Polyglycolide、PGA)またはこれらの共重合体であるポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(Polylactide-co-glycolide、PLGA)とこの星形重合体(star polymer)であるポリ(ラクチド−コ−グリコリド)−グルコース(Polyactide-co-glycolide-glucose、PLGA−glucose)などのポリエステル、ポリオルトエステル(Polyorthoester)、ポリアンヒドリド(Polyanhydride)、ポリアミノ酸(Polyamino acid)、ポリヒドロキシ酪酸(Polyhydroxybutyric acid)、ポリカプロラクトン(Polycaprolactone)、ポリアルキルカーボネート(Polyalkylcarbonate)などの合成高分子を始めとして、脂質、脂肪酸、ワックス及びこれらの誘導体を含むリピード類などの天然高分子を含む。前述した生分解性高分子は、本発明の理解を助けるために実例を挙げたものに過ぎず、本発明を制限するためのものではない。
【0016】
前述した生分解性高分子の中でも、特にPLA、PGA、PLGAなどのポリエステル系列は、体内で加水分解されて人体に無害な乳酸とグリコール酸に代謝され、生体適合性と安定性が認められた物質であり、生体分解速度も高分子の分子量、2つの単量体の割合、水親和性などによって短くは1〜2週、長くは1〜2年まで様々に調節することができ、既に米国FDAを始めとして数十カ国で許可されて常用化されている高分子物質であって、本発明に好ましく使用できる。特に、PLGAやPLAなどのポリエステル系列の高分子が本発明にさらに好ましく使用できる。
【0017】
徐放性微粒球における薬物の放出様相は、高分子の水和速度と分解速度、薬物と高分子の親和度合い、及び微粒球内外の形態などによって大きく左右される。水に対する親和性によって水和速度及び分解速度が決定されるが、PLGAまたはPLA高分子の場合、末端のカルボキシル残基が自由状態で残っている高分子(例えば、Boehringer IngelheimのRG502H、RG503H、RG504H、R202H、R203Hなど)が、ドデシル基などのアルキル基で置換された高分子(例えば、Boehringer IngelheimのRG502、RG503、RG504、R202、R203など)より水に対する親和性が高いことにより、水和速度が一層速くて結果的に生体内における分解速度も速くなる。また、高分子の分解速度は、高分子の分子量及び乳酸とグリコール酸の割合によっても大きく左右される。最も分解速度の速い高分子は、乳酸とグリコール酸の割合が50:50のPLGAであり(例えば、RG502H、RG502、RG503Hなど)、同じ割合の高分子の中でも分子量の小さい高分子の分解速度が速い。乳酸の割合が高くなるほど(例えばRG7525(H)、RG8515(H))分解速度が遅くなるため、同じ分子量の場合であれば乳酸のみからなる高分子PLA(例えばR202(H)、R203(H))の分解速度が最も遅くなる。このような高分子の分解速度などを考慮して、主に乳酸とグリコール酸の割合が50:50の高分子は1ヶ月以内の薬物の放出を希望する場合、乳酸の割合が75%または100%の高分子は2〜3ヶ月またはそれ以上の期間中に薬物が放出されることを希望する場合に主に用いられる。
【0018】
本発明に適用することが可能な「薬物」には、ペプチド、蛋白質、有機合成物などの様々な形態の薬物が含まれる。これらの薬物は、例えば抗がん剤、抗生剤、鎮痛剤、抗炎症剤、鎮静剤、抗潰瘍剤、抗憂鬱症剤、抗アレルギー剤、糖尿病治療剤、過脂質血症治療剤、抗結核剤、ホルモン剤、麻酔剤、骨代謝性製剤、免疫調節剤、血管形成調節剤、避妊剤、ビタミン剤などの様々な生理活性を持つことができ、これらに限定されるものではない。
【0019】
生理活性ペプチド及び蛋白質などの薬物が本発明に好ましく適用でき、特に生理活性ペプチドとしては、2〜60個アミノ酸残基の長さの生理活性を持つペプチド、その塩または同族体が好ましく使用できる。5個以下のアミノ酸残基からなるペプチドとしては、グルタチオン(Glutathione)、ホモグルタチオン(Homoglutathione)、エンドモルフィン(Endormorphin)、サイモポイエチン(Thymopoietin)、エンケファリン(Enkephalin)などがあり、10個以下のアミノ酸残基からなるペプチドとしては、成長ホルモン放出ペプチド−2,6(Growth hormone release peptide-2,6、GHRP−2,6)、オクトレオチド(Octreotide)、カルベトシン(Carbetocin)、オキシトシン(Oxytocin)、コレシストキニン(Cholecystokinin)、バソプレシン(vasopressin)、ブラジキニン(Bradykinin)、デルタ睡眠誘導ペプチド(Delta sleep-inducing peptide)、アンギオテンシンI、II、III(Angiotensin I,II,III)、ニューロキニンA、B(Neurokinin A, B)、ニューロメジンB(Neuromedin B)、トリプトレリン(Triptorelin)、ロイプロリド(Leuprolide)、ゴセレリン(Goserelin)、ナファレリン(Nafarelin)、ブセレリン(Buserelin)、ヒステレリン(Histerelin)、アンチド(Antide)、アルギチド(Argtide)、オルンチド(Orntide)、セトロレリクス(Cetrorelix)などがあり、20個以下のアミノ酸残基からなるペプチドとしては、ヒルジン(Hirudin)、アロフェリン1、2(Alloferin 1, 2)、インシュリン様増殖因子−1同族体(IGF-1 Ananlogue)、コルチスタチン−17(Cortistain-17)、ダイノルフィンA、B(Dynorphin A, B)、アルファエンドルフィン(α-Endorphin)、ガンマ−エンドルフィン(γ-endorphin)、ガストリン(Gastrin)、グアニリン(Guanylin)、ウログアニリン(Uroguanylin)、サブスタンスP(substance P)などがあり、30個以下のアミノ酸残基からなるペプチドとしては、デフェンシン1、2(Defensin 1,2)、ガストリン放出ペプチド(Gastrin Releasing peptide)、セクレチン(secretin)、エンドセリン(Endothelin)、グルカゴン様ペプチド2(Glucagon-like peptide-2)などがあり、40個以下のアミノ酸残基からなるペプチドとしては、セロピンA、B、P1(Ceropin A, B, P1)、膵臓ポリペプチド(Pancreatic polypeptide)、アミリン(Amylin)、カルシトニン(Calcitonin)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin gene related peptide)、ベータ−エンドルフィン(β-Endorphin)、ビッグエンドルセリン−1(Big endiothelin-1)などがあり、60個以下のアミノ酸残基からなるペプチドとしては、副腎皮質刺激ホルモン放出因子(Corticotropin releasing Factor)、成長ホルモン放出因子(Growth hormone releasing factor、GRF)、アドレノメデュリン(Adrenomedullin)、C型ナトリウム利尿ペプチド(C-type Natruretic peptide)、インシュリン(Insulin)などがある。この中でも、3〜30個アミノ酸残基、特に5〜20個アミノ酸残基の長さの生理活性を持つペプチドがより好ましく適用できる。
【0020】
本発明の具体例では、生分解性高分子としてはPLGAなどのポリエステル系列の高分子を、薬物としてはオクトレオチド(octreotide)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(Luteinizing hormone releasing hormone:LHRH)同族体などのペプチド薬物を主に使用し、蛋白質薬物の場合にも本発明の目的に合わせて適用できることを示す。オクトレオチド、LHRH同族体の場合、酢酸塩がより好ましく使用できる。
【0021】
LHRH同族体は、体内に投与されたとき、脳下垂体(pituitary gland)に作用してLHの分泌を抑制(アゴニストは、初期には分泌を促進し、持続的に放出される場合には抑制)してテストステロン、エストロゲンの分泌を抑制することにより、前立腺癌、子宮内膜症、子宮筋腫などのホルモン依存性の病気に治療効果を示すペプチドを意味し、具体的にはトリプトレリン(triptorelin)、ロイプロリド(leuprolide)、ゴセリン(goserelin)、ナファレリン(nafarelin)、ブセレリン(buserelin)、ヒステレリン(histerelin)およびこれらの塩を含んだLHRHアゴニストと、アンチド(antide)、アルギチド(argtide)、オルンチド(orntide)、セトロレリクス(cetrorelix)およびこれらの塩を含んだLHRHアンタゴニストを含み、これらに限定されるものではない。
【0022】
オクトレオチドは、ソマトスタチン(somatostatin)の変形体であって、8個のアミノ酸からなっているペプチド薬物である。オクトレオチドは、受容体との結合がソマトスタチンより一層強いため、成長ホルモン、グルカゴン、インシュリンの分泌抑制などの役割をさらに強くする。また、ゴナドトロピン放出ホルモンによる黄体形成ホルモンの分泌を抑制して内臓の血流を減少させ、セロトニン、ガストリン、血管活性腸ペプチド、セクリチン、モチリンなどの分泌を減少させる。このような薬理活性のため、オクトレトチドは、カルチノイド腫瘍症状である顔面紅潮や下痢、血管活性腸ペプチド分泌、腫瘍関連下痢などの症状を緩和させる目的で使用される。また、オクトレトチドは、末端肥大症患者に成長ホルモンとインシュリン様成長因子の放出を減少させる目的でも使用される。
【0023】
本発明の徐放性微粒球を製造するための流体に適用することが可能な添加剤としては、スクロース、トレハロース、マルトース、マンニトール、ラクトース、マンノース、シクロデキストリン、デキストラン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、アルブミン、界面活性剤、アミノ酸、乳酸、無機塩などがあり、溶媒としては、氷酢酸、蟻酸、アセトニトリル、エチルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、塩化メチレン、クロロホルム、エタノール、メタノールなどがある。
【0024】
前記製造された2種以上の液体は、超音波二重供給ノズル(dual-feed nozzle)を介して噴霧乾燥機に供給される。高温で加熱及び乾燥した空気は、超音波二重供給ノズルが付いている上部を介して供給され、ノズルから噴霧された液体は、乾燥空気によって乾燥して微粒球の形で回収される。
【0025】
噴霧乾燥法を用いて微粒球を製造する場合には、生分解性高分子の組成及び含量、薬物の含量、添加剤の種類及び含量、溶媒の量など噴霧する液体の組成に応じて薬物の放出速度が大きく決定される。勿論、前記製造パラメータの他にも、液体を噴霧する方式(例えば、圧力を用いて噴霧する方式、空気を用いて噴霧する方式、超音波を用いて噴霧する方式など)、噴霧するノズルの種類、噴霧液の供給速度、噴霧液滴の大きさ(例えば、空気を用いて噴霧する場合には噴霧ノズルに使用される空気の量、超音波方式で噴霧する場合には超音波の周波数)、乾燥空気の供給量、乾燥空気の供給速度、温度などのパラメータによっても微粒球の大きさまたは形状が異なるので、薬物の放出速度を調節することもできる。
【0026】
本発明の目的は、組成の異なる噴霧液体と二重供給ノズルを用いることにより、従来の単一供給ノズルを用いて製造された微粒球より初期放出が顕著に減少し、一定の放出速度を示す微粒球剤形を製造することができることを示すことにあるので、噴霧液体の組成及び供給方式以外の他の製造パラメータは、当業界の従事者であれば、本発明の目的に応じて適切に調節して適用することができる。
【0027】
本明細書で使用された用語「二重供給ノズル(dual-feed nozzle)」と「単一供給ノズル(single-feed nozzle)」は、噴霧ノズルに供給される液体の数、すなわち生分解性高分子、薬物、添加剤、溶媒などを含有する液体の数によって分類したものである。二重供給ノズルの場合は、それぞれ異なる組成の液体がそれぞれ異なる管を介して供給される。単一供給ノズルの場合は、ノズルに供給される液体の組成が同一である。本発明に使用される「二重供給ノズル」は、内部管と外部管を有し、内部管に供給される液体の組成と外部管に供給される液体の組成物が互いに異なる。ここで、二重供給ノズルという用語は、液体の噴霧の際に一般に用いられる用語「2−流体ノズル(two-fluid nozzle)」とは異なる意味で使用されている。通常、2−流体ノズルの場合は、内部管には噴霧液体(液体−1)を供給し且つ外部管には空気またはガスを供給しながら噴霧する方式であって、噴霧液体自体は1種なので、本願では単一供給ノズルに該当する。
【0028】
噴霧乾燥機を用いて微粒球を製造する方法の中でも、2つのノズルを用いる方法は、米国特許第5,622,657号に開示されている。この米国特許には、噴霧乾燥によって製造された微粒球は自ら固まりまたは凝集する傾向があるので、このような高分子微粒球の分散性を高めるために、分散剤が溶解されている液体に分散させた後乾燥させる既存方法の欠点を改善する目的で、2つ以上のノズルを用いて生理活性物質の含まれた高分子含有液体との凝集防止のための水溶液をそれぞれ異なるノズルを介して同時に噴霧して薬物含有高分子微粒球を凝集防止剤でコートする方法が開示されている。前述した引用特許の発明は、高分子微粒球の凝集を防止しようとするもので、凝集防止剤含有水溶液を別個のノズルを介して噴霧させることを記述しているが、これに対し、本発明は、徐放性微粒球の製造のための生分解性高分子が含有された相異なる組成の液体を一つの二重供給ノズルの内部管と外部管にそれぞれ供給して噴霧することにより、これらの混合和割合を適切に調節し、これにより初期放出を低下させ且つ薬物放出様相も目的に応じて調節することができる。
【0029】
本発明に使用された二重供給ノズルは、二重供給微細カプセル化ノズル(dual-feed microencapsulation nozzle)である。一つの例示的具体様態として、実施例に使用された二重供給ノズルは、超音波発生器、例えば25kHzの超音波発生器と結合して平均直径50〜100μmの小滴を生成する。ノズル部分の液体が供給される管は、2種の管からなっており、例えば内径1mmの管内にこれより内径の小さい、例えば0.5mmの微細管が挿入された形で構成されている。したがって、2種の液体が同時に該当管を介して供給されて噴霧乾燥機から噴霧されたとき、内部管を介して供給される液体(液体A)から高分子微粒球の中心核を形成し、同時に外部管を介して供給される液体(液体B)に含まれた物質によって中心核をコートする。このような過程は、乾燥空気に噴霧されると同時に行われる。
【0030】
本発明者らは、生分解性高分子PLGAの様々な種類の中でも物理化学的性質の異なる2種を用いて、二重供給ノズルの内部管を介して供給される液体(液体A)にオクトレオチドとPLGAを溶解し、外部管には異なる種類のPLGAを同一の濃度として製造された液体(液体B)を噴霧して微粒球を製造した。ひいては、高分子の種類、割合、薬物の含量または添加剤の割合などを調節して微粒球を製造し、薬物の初期放出量と以後の放出速度を様々に調節することができることを確認することにより、本発明を完成した。本発明の実施例に使用されたPLGAとPLAの両方ともドイツのBoehringer Ingelheimから購買した。本発明の実施例では、徐放性微粒球を製造するための2種の異なる組成の液体を供給するために二重供給ノズルを使用したが、当業者であれば、2種以上の液体を多重供給ノズルを用いて同時に噴霧乾燥させることにより、薬物の初期放出及び放出パターンが調節できることが分かるでしょう。
【0031】
本発明の薬物含有高分子微粒子は、それ自体をインプラントとして投与し、あるいは様々な製剤に成形して投与することができる。この際、微粒子は、様々な製剤の製造の際に原料として使用できる。例えば、注射製剤、経口製剤(例えば:散剤、顆粒剤、カプセル、錠剤など)、鼻腔製剤、座剤(例えば:直腸用座剤、膣用座剤)などが製造できる。これらの製剤は、当分野の公知の方法を用いて製造できる。
【0032】
次に、本発明の構成及び効果を次の実施例によってさらに詳しく説明する。これらの実施例は本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0033】
<実施例>
<実施例1>二重供給ノズルを用いたオクトレオチド含有PLGA微粒球の製造
生分解性高分子と薬物を用いて、二重供給ノズルの内部管を介して供給する溶液Aと外部管を介して供給する溶液Bを作った。生分解性高分子としてはRG502HとRG504Hを、薬物としてはオクトレオチドを使用し、薬物の最終含量が2重量%となるように下記の方法で微粒球を製造した。
【0034】
二重供給ノズルの内部管を介して供給する溶液Aは、0.5gの生分解性高分子RG502Hと20mgのオクトレオチドを10mLの氷酢酸に均質に溶解させて製造し、外部管を介して供給する溶液Bは、0.5gの生分解性高分子RG504Hを10mLの氷酢酸に均質に溶解させて製造した。製造された2種の溶液は、それぞれ分当り1mLの流量で超音波二重供給ノズル(Sono−Tek、8700−25MS)の内部管と外部管を介して供給して噴霧乾燥機(光進理化学製)内で噴霧させ、温度105℃の空気で乾燥させて微粒球を製造した。最終的に製造された微粒球の直径は平均28.8μmであった。
【0035】
<比較例1>単一供給ノズルを用いたオクトレオチド含有RG502H微粒球の製造
生分解性高分子としてはRG502Hを、薬物としてはオクトレオチドを使用し、薬物の最終含量が2重量%となるように下記の方法で微粒球を製造した。
RG502H1gと20mgのオクトレオチドを20mLの氷酢酸に均質に溶解させた。製造された溶液を分当り2mLの流量で一般的な単一供給方式の超音波ノズル(Sono−Tek、8700−60MS)を通過して噴霧乾燥機(光進理化学製)内で噴霧させ、温度105℃の空気で乾燥させて微粒球を製造した。最終的に製造された微粒球の直径は平均27.5μmであった。
【0036】
<比較例2>単一供給ノズルを用いたオクトレオチド含有RG504H微粒球の製造
生分解性高分子としてはRG504Hを、薬物としてはオクトレオチドを使用し、薬物の最終含量が2重量%となるように下記の方法で微粒球を製造した。
【0037】
RG504H1gと20mgのオクトレオチドを20mLの氷酢酸に均質に溶解させた。製造された溶液を分当り2mLの流量で一般的な単一供給方式の超音波ノズル(Sono−Tek、8700−60MS)を通過して噴霧乾燥機(光進理化学)内で噴霧させ、温度105℃の空気で乾燥させて微粒球を製造した。最終的に製造された微粒球の直径は平均30.7μmであった。
【0038】
<試験例1>オクトレオチド含有微粒球の生体外放出試験
製造された剤形の生体外放出試験は、37℃で5mg/mLの濃度で50mM酢酸ナトリウム、pH4.0で行い、放出液中の薬物放出量は、紫外部吸光光度計(280nm)或いは蛍光検出器(Ex:280nm、Em:350nm)を用いて定量した。実施例と比較例の総3つの剤形に対する生体外放出試験を行ってその結果を図1に示した。
【0039】
図1に示すように、従来の単一供給ノズルを介して噴霧されて製造された微粒球の場合、分子量がより小さい親水性高分子のRG502Hに製造された剤形は、薬物の初期放出が少なかったが、一定の時間放出量が低い結果を得た(比較例1)。また、分子量がより大きいRG504Hを用いて製造された微粒球は、薬物が過度に初期放出される結果を得た(比較例2)。ところが、本発明によって製造された、相対的に分解速度が速い親水性高分子のRG502H(溶液A)が中心核を構成し、RG502Hより分解速度が遅くて分子量がより大きい高分子RG504Hを外部にコートした剤形(実施例1)において薬物の初期放出量が顕著に減少し、一定の放出速度を示す結果を得た。
【0040】
<実施例2>二重供給ノズルを用いたロイプロリド含有微粒球の製造
生分解性高分子としてはRG503HとR202Hを、薬物としてはロイプロリドを使用し、薬物の最終含量が10重量%となるように下記の方法で微粒球を製造した。
【0041】
二重供給ノズルの内部管を介して供給する溶液Aは、0.44gの生分解性高分子R202Hと60mgのロイプロリドを10mLの氷酢酸に均質に溶解させて製造し、外部管を介して供給する溶液Bは、0.46gの生分解性高分子RG503Hと40mgのロイプロリドを10mLの氷酢酸に均質に溶解させて製造した。製造された2種の溶液は、それぞれ分当り1mLの流量で超音波二重供給ノズル(Sono−Tek、8700−25MS)の内部管と外部管を介して供給して噴霧乾燥機(光進理化学)内で噴霧させ、温度105℃の空気で乾燥させて微粒球を製造した。最終的に製造された微粒球の直径は平均29.8μmであった。
【0042】
次の実施例と試験例によって、蛋白質を含んだ様々な組成の溶液を二重供給ノズルを介して噴霧乾燥させ、初期放出と以後放出の速度を調節することができることを確認した。
【0043】
<実施例3>二重供給ノズルを用いた牛血清アルブミン含有PLGA微粒球の製造
表1のような組成から、生分解性高分子と蛋白質薬物を用いて、二重供給ノズルの内部管を介して供給する懸濁液Aと外部管を介して供給する溶液Bを作った。生分解性高分子としてはRG502HとRG504Hを、蛋白質薬物としては牛血清アルブミンを使用して、下記の方法で微粒球を製造した。添加剤として使用されたポリエチレングリコールの分子量は10,000であった。
【0044】
懸濁液Aと溶液Bそれぞれの生分解性高分子と添加剤を10mLずつのアセトニトリルに均質に溶解させた。懸濁液Aの場合、ここに牛血清アルブミン微細粒子(平均粒径2.3μm)を懸濁して最終懸濁液Aを製造した。
【0045】
製造された2種の液体をそれぞれ分当り1mLの流量で超音波二重供給ノズル(Sono−Tek、8700−25MS)の内部管と外部管を介して供給して噴霧乾燥機(光進理化学)内で噴霧させ、温度100℃の空気で乾燥させて微粒球を製造した。最終的に製造された微粒球の直径は平均31.5μmであった。
【0046】
【表1】

【0047】
<比較例3>単一供給ノズルを用いた牛血清アルブミン含有RG502H微粒球の製造
生分解性高分子としてはRG502Hを、蛋白質薬物としては牛血清アルブミンを使用して、薬物の最終含量が10重量%となるように下記の方法で微粒球を製造した。
【0048】
RG502H0.9gを20mLのアセトニトリルに均質に溶解させた。この溶液に牛血清アルブミン微細粒子(平均粒径2.3μm)0.1gを懸濁させた。製造された懸濁液を分当り2mLの流量で一般的な単一供給方式の超音波ノズル(Sono−Tek、8700−60MS)に供給して噴霧乾燥機(光進理化学)内で噴霧させ、温度100℃の空気で乾燥させて微粒球を製造した。最終的に製造された微粒球の直径は平均30.9μmであった。
【0049】
<比較例4>単一供給ノズルを用いた牛血清アルブミン含有RG504H微粒球の製造
生分解剤高分子としてはRG504Hを、蛋白質薬物としては牛血清アルブミンを使用して、薬物の最終含量が10重量%となるように下記の方法で微粒球を製造した。
【0050】
RG504H0.9gを20mLのアセトニトリルを均質に溶解させた。この溶液に牛血清アルブミン微細粒子(平均直径2.3μm)0.1gを懸濁させた。製造された懸濁液を分当り2mLの流量で一般的な単一供給方式の超音波ノズル(Sono−Tek、8700−60MS)に供給して噴霧乾燥機(光進理化学)内で噴霧させ、温度100℃の空気で乾燥させて微粒球を製造した。最終的に製造された微粒球の直径は平均32.3μmであった。
【0051】
<比較例5>二重供給ノズルを用いて水溶性高分子でコートされた牛血清アルブミン含有PLGA微粒球の製造
生分解性高分子と蛋白質薬物を用いて、二重供給ノズルの内部管を介して供給する懸濁液Aと外部管を介して供給する溶液Bを作った。生分解性高分子としては水不溶性高分子のRG502Hと水溶性高分子のゼラチンAを、蛋白質薬物としては牛血清アルブミンのみを使用して、下記の方法で微粒球を製造した。
【0052】
水不溶性高分子450mgのRG502Hを15mLのアセトニトリルに均質に溶解させた後、ここに100mgの牛血清アルブミン微細粒子(平均粒径2.3μm)を懸濁して最終懸濁液Aを製造した。外部管を介して供給する溶液Bは、450mgのゼラチンAを15mLの精製水に均質に溶解させて製造した。
【0053】
製造された2種の液体をそれぞれ分当り1mLの流量で超音波二重供給ノズル(Sono−Tek、8700−25MS)の内部管と外部管を介して供給して噴霧乾燥機(光進理化学)内で噴霧させ、温度110℃の空気で乾燥させて微粒球を製造した。最終的に製造された微粒球の直径は平均30.1μmであった。
【0054】
<試験例2>蛋白質含有微粒球の生体外放出試験
製造された蛋白質薬物含有剤形の生体外放出試験は37℃で5mg/mLの濃度で33mMリン酸緩衝溶液、pH7.4で行い、放出液中の薬物放出量は蛍光検出器(Ex:280nm、Em:350nm)を用いて定量した。実施例3と比較例3、4、5の総5つの剤形に対する生体外放出試験を行ってその結果を表2に示した。
【0055】
【表2】

【0056】
表2に示すように、従来の方法によって単一供給ノズルを介して噴霧乾燥されて製造された微粒球の場合、高分子の種類を問わずに、封入された大部分の牛血清アルブミンが初期に放出される結果を得た(比較例3と4)。また、二重供給ノズルを用いて、水溶性高分子のゼラチンAがコートされるように製造された微粒球(比較例5)の場合にも大部分の蛋白質が初期に放出された。ところが、本発明によって製造された、10重量%の牛血清アルブミンが含まれたRG502Hからなる中心核にRG504Hがコートされた微粒球剤形(実施例3−1と3−2)は、薬物の初期放出量が顕著に減少し、24時間後にも50%以下に放出される結果を得た。
【0057】
従来の方法によって単一供給ノズルを用いて1種の高分子で作った剤形より、本発明によって性質の異なる2種の高分子を選定し二重供給ノズルを用いてコートした微粒球剤形は、薬物初期放出が顕著に減少し、持続的に薬物が放出されて所望の放出様相を容易に得ることができた。
【0058】
〔産業上の利用可能性〕
本発明によれば、噴霧乾燥機を用いて、生分解性高分子からなる担体に薬物が封入された徐放性微粒球を製造しようとするとき、単一の二重供給ノズルを用いて組成の異なる2種の液体を同時に噴霧し乾燥させることにより、第1液体の物質が組成の異なる第2液体の物質によってコートされた形態の二重構造の微粒球を単一工程で製造することができる。このような方法で製造された高分子微粒球は、薬物が過度な初期放出なしに一定の時間徐放出されるので、従来の徐放性微粒球剤形の欠点、すなわち過度な初期放出或いは時間経過に伴う放出量の急激な減少または増加などを改善し、所望の放出様相を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は本発明の実施例1、比較例1及び比較例2によって製造された徐放性微粒球の薬物放出試験結果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)生分解性高分子、薬物、添加剤及び溶媒のうち少なくとも1種の成分の組成が異なる徐放性微粒球を製造するための2種の液体を準備する段階と、
(b)前記2種の液体のうちいずれか1種の液体は超音波二重供給ノズルの内部管を介して供給し且つもう1種の液体は外部管を介して供給しながら噴霧させる段階と、
(c)前記噴霧された液滴を乾燥させるために乾燥空気を用いて溶媒を蒸発及び乾燥させる段階とを含むことを特徴とする、生分解性高分子の担体に薬物が封入された徐放性微粒球を製造する方法。
【請求項2】
生分解性高分子が、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)−グルコース、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド、ポリアミノ酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリアルキルカーボネート、脂質、脂肪酸、ワックス及びこれらの混合物よりなる群から選択されること特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
生分解性高分子が、ポリラクチド及びポリ(ラクチド−コ−グリコリド)の中から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
薬物が、ペプチド及び蛋白質の中から選択されたことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
薬物が、オクトレオチド、黄体形成ホルモン放出ホルモン(Luteinizing hormone releasing hormone:LHRH)同族体及びこれらの塩の中から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
LHRH同族体が、トリプトレリン、ロイプロリド、ゴセレリン、ナファレリン、ブセレリン、ヒステレリン及びこれらの塩の中から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
薬物の塩が、酢酸塩であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−504216(P2007−504216A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525279(P2006−525279)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002241
【国際公開番号】WO2005/023224
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(505404220)ペプトロン カンパニー リミテッド (6)
【Fターム(参考)】