説明

超音波手術具

【課題】超音波手術具の破砕性能を向上させる。
【解決手段】超音波ホーン10は、作業部16が本体部14から本体部14の軸方向15に対して屈曲して作業端側へ向かって延びた形状である。つまり、作業部16が軸方向15に対して角度θ3で図の斜め上方へ向かって直線的に延びている。さらに、作業部16は、その側面が突起18の頂点へ向かうに従って角度θ2で細くなっている。そして、作業部16は、生体組織に接する作業端側の縁上に一列に配列された複数の突起18を備えている。複数の突起18は、本体部14の伸長方向(軸方向15)に対して略垂直な方向に向かって一列に配列されて鋸歯状の破砕部を構成している。これにより、複数の突起18の頂点が複数の歯先となり、複数の歯先が直線的に揃えられた鋸歯状破砕部が構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波振動によって硬組織を破砕する超音波手術具に関し、特に超音波手術具の先端形状の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波振動によって骨などの硬組織を破砕する超音波手術具として超音波ホーンが知られている。超音波ホーンを備えた超音波手術器は、例えば、神経などの組織を傷つけないように骨だけを精密に破砕、切削する作業に特に適している。例えば、ドリルやのみを利用した破砕に比べて、超音波ホーンによる破砕は精密性に優れている。このため、外科手術などにおいて超音波ホーンを備えた超音波手術器が利用される場面も少なくない。こうした背景において、超音波ホーンに関する様々な技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、その第2図に示されるように、骨などの組織へ接する鈎状メス部23の先端に、作業部23aとしての平坦面が形成され、これにより、組織に対する応力集中を排して過大な穿刺を防止する技術が開示されている。また、特許文献2には、その第4図に示されるように、メス部30の先端に形成された作業面31の表面に、複数の凹凸部31aを平面的に配置した形状の超音波ホーン13が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−143177号公報
【特許文献2】特開2004−275592号公報
【特許文献3】特許第3179960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、従来から超音波ホーンに関する様々な技術、特に、超音波ホーンの先端形状に関する技術が提案されている。しかしながら、上述したように、超音波ホーンによる破砕は精密性に優れているため、さらにその精密性を高める方向への改良が望まれているのが現状である。
【0006】
本発明は、このような背景においてなされたものであり、その目的は、超音波ホーンなどの超音波手術具の破砕性能を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の好適な態様である超音波手術具は、超音波振動子を内蔵したハンドピースから伝達される超音波振動によって硬組織を破砕する超音波手術具において、前記ハンドピースとの接続端から棒状に伸長されて前記超音波振動子による超音波振動を伸長方向の先端に向かって伝達する本体部と、前記本体部の伸長方向の先端において前記本体部に一体的に形成されて前記伝達された超音波振動によって硬組織を破砕する作業部と、を有し、前記作業部は、前記本体部の伸長方向に対して略垂直な方向に向かって一列に配列された複数の先鋭な突起で構成された鋸歯状破砕部を備える、ことを特徴とする。
【0008】
上記構成において超音波手術具は、例えば超音波ホーンである。上記構成では、複数の先鋭な突起で構成された鋸歯状破砕部を備えているため、作業部と硬組織との接触が安定する。つまり、例えば、特許文献1の第2図に示されるように、作業部23aとして形成された平坦面によって組織を破砕する場合、平坦面が組織との接触面で滑ってしまい、精密な破砕の妨げになる可能性がある。また、平坦面が組織との接触面で滑らないようにするために組織への押し付け力を大きくすると、平坦面が組織に刺さってしまい組織表面を一様に破砕することが困難になる。これに対して上記本願の構成では、鋸歯状破砕部が複数の先鋭な突起で構成されており、このため、組織との接触面で滑りにくく、従って、不必要に大きな力で組織へ押し付けなくてもよい。
【0009】
また、特許文献2の第4図に示されるように、複数の凹凸部31aが平面的に配置された形状に比べて、上記本願の構成では、多様なアプローチ角度で作業部を硬組織へ接触させることができる。つまり、本願においては、複数の先鋭な突起が一列に配列されているため、突起の列を支点(あるいは支線)として様々な角度で作業部を硬組織へ接触させることができる。
【0010】
望ましくは、前記作業部は、前記本体部から屈曲して伸長され、前記鋸歯状破砕部は、前記屈曲して伸長された作業部の先端に設けられることを特徴とする。望ましくは、前記複数の先鋭な突起は、直線上に沿って一列に配列され、これにより、前記複数の先鋭な突起による複数の歯先が直線的に揃えられた鋸歯状破砕部が構成されることを特徴とする。望ましくは、前記複数の先鋭な突起は、円周上に沿って一列に配列され、これにより、前記複数の先鋭な突起による複数の歯先が円弧状に張り出して並んだ鋸歯状破砕部が構成されることを特徴とする。望ましくは、前記各突起は、頂点の角度が鋭角な角錐形状であることを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明の好適な態様である超音波手術器は、超音波振動子を内蔵したハンドピースと、超音波振動子から伝達される振動によって硬組織を破砕する超音波ホーンと、超音波ホーンを覆うホーンカバーと、破砕作業領域へ洗浄液を供給する供給機構と、破砕作業領域から吸引物を吸引する吸引機構と、を有する超音波手術器において、前記超音波ホーンは、前記ハンドピースとの接続端から棒状に伸長されて前記超音波振動子による超音波振動を伸長方向の先端に向かって伝達する本体部と、前記本体部の伸長方向の先端において前記本体部に一体的に形成されて前記伝達された超音波振動によって硬組織を破砕する作業部と、を備え、前記作業部は、前記本体部の伸長方向に対して略垂直な方向に向かって一列に配列された複数の先鋭な突起で構成された鋸歯状破砕部を含み、前記供給機構は、前記超音波ホーンと前記ホーンカバーとの間の隙間を介して破砕作業領域へ洗浄液を供給し、前記吸引機構は、破砕作業領域から、前記超音波ホーンの本体部の内部を伸長方向に沿って刳り貫いて形成された吸引管を介して、前記供給された洗浄液とともに破砕された組織を吸引する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、超音波手術具の破砕性能がさらに向上する。例えば、組織との接触面で滑りにくく、また、多様なアプローチ角度で組織へ接触させることができるため、精密な破砕作業が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る超音波手術具の好適な実施形態を説明するための図であり、図1(A)には、超音波手術具である超音波ホーン10を備えた超音波手術器100が示されている。
【0015】
図1(A)において、ハンドピース30の内部には、図示されていない超音波振動子が内蔵されている。その超音波振動子にて発生した超音波振動は、ハンドピース10に接続された超音波ホーン10に伝達される。超音波ホーン10の周囲にはホーンカバー20が設けられており、ホーンカバー20の内部でハンドピース30と超音波ホーン10が接続されている。そして、超音波ホーン10の先端側のみがホーンカバー20から外に露出している。ホーンカバー20から外に露出した超音波ホーン10の先端側部分で組織の破砕、切削が行われる。
【0016】
この超音波手術器100を利用する際、例えば、医師などのユーザがハンドピース30を手に持ち、破砕対象となる骨などの組織に超音波ホーン10の先端部分を当て、その組織を破砕する。本実施形態の超音波ホーン10は、組織に接する先端部分に一つの特徴を備えているが、それについては、後に図2から図6を利用して詳述する。
【0017】
超音波手術器100を利用して組織を破砕する際、破砕部分に洗浄液が供給される。洗浄液としては、例えば、生理食塩水が用いられる。洗浄液は洗浄液容器40に蓄えられており、洗浄液容器40に蓄えられた洗浄液が供給量制御機構50によって流量調整されて、超音波ホーン10とホーンカバー20との間の隙間を通って超音波ホーン10の先端側(作業端側)へ供給される。つまり、図1(A)の符号80の破線矢印で示す経路で洗浄液が超音波ホーン10の先端側へ供給される。
【0018】
一方、供給された洗浄液とともに破砕による破砕組織が超音波ホーン10の棒状の本体部を軸方向に貫く通路を介して吸引される。つまり、図1(A)の符号90の破線矢印で示す経路で、吸引量制御機構60によって吸引物(洗浄液と破砕組織)が吸引されて吸引物容器70に集められる。吸引量制御機構60によって吸引の強さ(吸引圧力)が制御される。なお、吸引物容器70から洗浄液のみをさらに別の容器へ吸引してもよい。
【0019】
図1(B)には、図1(A)の超音波ホーン10の先端側部分の拡大図が示されている。上述したように、洗浄液は、超音波ホーン10とホーンカバー20との間の隙間を通って超音波ホーン10の先端側へ供給される。そして、超音波ホーン10によって破砕された骨などの破砕組織が洗浄液とともに、吸引物として吸引される。その際、棒状の超音波ホーン10の内部において軸方向に沿って管状に刳り貫かれた吸引路12を通って、吸引物が吸引される。吸引路12は、例えば、超音波ホーン10の先端からハンドピース30との接続端にかけて円筒形に刳り貫かれて形成される。
【0020】
なお、図1には、超音波振動子や超音波振動子を駆動制御する制御回路などが図示省略されている。超音波振動子を駆動制御する制御回路などは、例えば、図示しない装置本体内に収められており、装置本体からケーブルなどを介してハンドピース30内の図示しない超音波振動子が制御される。
【0021】
以上、超音波手術器100の全体構成を説明したが、本実施形態においては、組織に接する超音波ホーン10の先端部分に一つの特徴を備えている。そこで、図2から図6を利用して本実施形態に係る超音波ホーン10について詳述する。
【0022】
図2は、本実施形態の超音波ホーン10の形状を説明するための図である。図2(A)は超音波ホーン10を先端10w側(作業端側)からみた斜視図であり、図2(B)は超音波ホーン10をハンドピースとの接続端10c側からみた斜視図である。
【0023】
超音波ホーン10は、例えば、チタン合金などで形成されており、本体部14と作業部16とを含んでいる。本体部14は、ハンドピースとの接続端10cから棒状に伸長されて、ハンドピース内の超音波振動子からの超音波振動を伸長方向の先端に向かって伝達する。作業部16は、本体部14の伸長方向の先端において本体部14に一体的に形成され、伝達された超音波振動によって骨などの硬組織を破砕する。このため、作業部16は、複数の先鋭な突起18で構成された鋸歯状破砕部を備えている。複数の突起18は、本体部14の伸長方向に対して略垂直な方向に向かって一列に配列されている。突起18の具体的な形状や配列については後に詳述する。なお、図2においては、本体部14が四角柱形状であるが、本体部14は円柱形状などでもよい。
【0024】
超音波ホーン10の内部には、吸引物が通る吸引路(図1の符号12)が設けられる。吸引路は、超音波ホーン10の先端10w側の吸引口13から、ハンドピースとの接続端10c側の排出口13´にかけて、超音波ホーン10の本体部14を軸方向に沿って円筒状に刳り貫いて形成される。なお、吸引路は、円筒状に限定されず、例えば、楕円柱状や角柱状であってもよい。次に、超音波ホーン10の先端側の形状について説明する。
【0025】
図3は、図2の超音波ホーン10の先端側の拡大図であり、本体部14の先端側に設けられた作業部16や組織に接する複数の突起18が拡大図示されている。
【0026】
本実施形態の超音波ホーン10は、作業部16が、本体部14から、本体部14の軸方向15に対して屈曲して作業端側へ向かって延びた形状である。図3においては、作業部16が軸方向15に対して角度θ3で図の斜め上方へ向かって直線的に延びている。角度θ3は、例えば、0<θ3<180°の範囲内のいずれかの角度である。望ましくは、50°<θ3<80°であり、例えばその中心値であるθ3=65°に設定される。さらに、作業部16は、その側面が突起18の頂点へ向かうに従って角度θ2で細くなっている。角度θ2は、例えば、0<θ2<90°の範囲内のいずれかの角度である。望ましくは、30°<θ2<50°であり、例えばその中心値であるθ2=40°に設定される。そして、作業部16は、生体組織に接する作業端側の縁上に一列に配列された複数の突起18を備えている。
【0027】
複数の突起18は、本体部14の伸長方向(軸方向15)に対して略垂直な方向に向かって一列に配列されて鋸歯状の破砕刃(破砕部)を構成している。図3においては、複数の突起18が直線上に沿って一列に配列され、これにより、複数の突起18の頂点が複数の歯先となり、複数の歯先が直線的に揃えられた鋸歯状破砕部が構成される。なお、図3においては、4個の突起18が示されているが、4個以外の複数個で破砕刃が構成されてもよい。
【0028】
各突起18は、頂点の角度θ1が鋭角な角錐形状である。角度θ1は、例えば、0<θ1<90°の範囲内のいずれかの角度である。望ましくは、20°<θ1<60°であり、例えばその中心値であるθ1=40°に設定される。図3においては、突起18として、四角錐形状(ピラミッド型突起)が示されている。ただし、本発明において突起18は、四角錐形状以外の角錐形状であってもよいし円錐形状などでもよい。また、突起18の頂点は先鋭であることが望ましいが、破砕効率を低下させない程度において必要に応じて頂点部分が面取りされてもよい。
【0029】
図4は、図3の超音波ホーン10による破砕作業を説明するための図である。骨などの硬組織200を破砕、切削する際、超音波ホーン10の先端に設けられた複数の突起(図3の符号18)のうちのいくつかの頂点が硬組織200の表面へ接触され、そして、軸方向(図3の符号15)に沿った超音波振動によって硬組織が破砕される。なお、超音波ホーン10の本体部の周囲を巻き回すように溝を形成するなどして、本体部の中心軸を中心とした回転方向の振動(ねじれ振動)を伴うようにしてもよい。
【0030】
図5は、本発明に係る超音波ホーンの作業部の様々な形状を説明するための図である。図5(a)には、本体部の軸方向に沿って本体部から直線状に伸長された作業部が示されている。この作業部は、伸長されるに従って薄くなっており、本体部の中心軸と直交する直線上に沿って複数の突起の頂点が揃えられている。
【0031】
図5(b)には、本体部の軸方向に沿って本体部から直線状に伸長された作業部が示されている。この作業部は、伸長されるに従って本体部の下面に向かって薄くなっており、本体部の下面内に含まれる直線上に沿って複数の突起の頂点が揃えられている。また、吸引路に通じる吸引口が先端側に設けられている。
【0032】
図5(c)には、本体部から、本体部の軸方向に対して屈曲して作業端側へ向かって延びた作業部が示されている。この作業部は、本体部の軸方向に対して所定の角度で直線的に延びている。つまり、図3の作業部の形状に相当する。
【0033】
図5(d)および(e)には、本体部から、本体部の軸方向に対して屈曲して作業端側へ向かって延びた作業部が示されている。これらの作業部は、本体部の軸方向に対して所定の曲率で略円弧上に沿って伸長されている。そして、伸長されるに従って薄くなっており、本体部の中心軸と直交する直線上に沿って複数の突起の頂点が揃えられている。これらの作業部は、硬組織の孔に挿入されて孔の側壁を破砕する場合などに適している。なお、図5(e)の作業部には、吸引路に通じる吸引口が先端側に設けられている。
【0034】
図6は、本発明に係る超音波ホーンの鋸歯状破砕部の他の好適な例を説明するための図であり、歯先が円弧状に張り出して並んだ鋸歯状破砕部19を備えた超音波ホーン10の先端側の拡大図が示されている。なお、図6(A)は超音波ホーン10の側面図であり、図6(B)は、超音波ホーン10を本体部14の軸方向に沿って先端側から見た正面図である。
【0035】
この超音波ホーン10は、図6(A)に示すように、作業部16が、本体部14から、本体部14の軸方向に対して垂直に屈曲して作業端側(図の上方向)へ向かって延びた形状である。そして、図6(B)に示すように、複数の先鋭な突起18が、本体部14の中心軸を中心とする円Cの円周上に沿って一列に配列されている。そして、複数の先鋭な突起18の頂点が、円Cの同心円C´の円周に沿って揃えられている。こうして、複数の先鋭な突起18による複数の歯先が円弧状に張り出して並んだ鋸歯状破砕部19が構成されている。
【0036】
図6に示す鋸歯状破砕部19は、例えば、超音波ホーン10が、ねじれ振動を伴う場合に好適な形状である。つまり、超音波ホーン10の本体部の周囲を巻き回すように溝を形成するなどして、本体部14の中心軸を中心とした回転方向の振動(ねじれ振動)を伴う場合、鋸歯状破砕部19の歯先が、ねじれ振動の振動方向に沿った円弧状であるため、効率的な破砕が可能になる。もちろん、ねじれ振動を伴わない破砕作業に鋸歯状破砕部19が利用されてもよい。
【0037】
また、図6においては、作業部16が本体部14から本体部14の軸方向に対して垂直に屈曲して作業端側へ向かって延びた形状を示しているが、作業部16が本体部14から本体部14の軸方向に対して所定の角度(垂直以外の角度)で屈曲して伸長した形状でもよい。また、複数の先鋭な突起18が、本体部14の中心軸を中心とする楕円の円周上に沿って一列に配列されてもよい。この場合、複数の先鋭な突起18の頂点が、楕円の円周に沿って揃えられ、複数の歯先が楕円状に張り出して並んだ破砕刃が構成される。
【0038】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る超音波手術具の好適な実施形態を説明するための図である。
【図2】本実施形態の超音波ホーンの形状を説明するための図である。
【図3】図2の超音波ホーンの先端側の拡大図である。
【図4】図3の超音波ホーンによる破砕作業を説明するための図である。
【図5】本発明に係る超音波ホーンの作業部の様々な形状を説明するための図である。
【図6】本発明に係る超音波ホーンの鋸歯状破砕部の他の好適な例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0040】
10 超音波ホーン、20 ホーンカバー、30 ハンドピース、50 供給量制御機構、60 吸引量制御機構、100 超音波手術器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波振動子を内蔵したハンドピースから伝達される超音波振動によって硬組織を破砕する超音波手術具において、
前記ハンドピースとの接続端から棒状に伸長されて前記超音波振動子による超音波振動を伸長方向の先端に向かって伝達する本体部と、
前記本体部の伸長方向の先端において前記本体部に一体的に形成されて前記伝達された超音波振動によって硬組織を破砕する作業部と、
を有し、
前記作業部は、前記本体部の伸長方向に対して略垂直な方向に向かって一列に配列された複数の先鋭な突起で構成された鋸歯状破砕部を備える、
ことを特徴とする超音波手術具。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波手術具において、
前記作業部は、前記本体部から屈曲して伸長され、
前記鋸歯状破砕部は、前記屈曲して伸長された作業部の先端に設けられる、
ことを特徴とする超音波手術具。
【請求項3】
請求項2に記載の超音波手術具において、
前記複数の先鋭な突起は、直線上に沿って一列に配列され、
これにより、前記複数の先鋭な突起による複数の歯先が直線的に揃えられた鋸歯状破砕部が構成される、
ことを特徴とする超音波手術具。
【請求項4】
請求項2に記載の超音波手術具において、
前記複数の先鋭な突起は、円周上に沿って一列に配列され、
これにより、前記複数の先鋭な突起による複数の歯先が円弧状に張り出して並んだ鋸歯状破砕部が構成される、
ことを特徴とする超音波手術具。
【請求項5】
請求項3または4に記載の超音波手術具において、
前記各突起は、頂点の角度が鋭角な角錐形状である、
ことを特徴とする超音波手術具。
【請求項6】
超音波振動子を内蔵したハンドピースと、
超音波振動子から伝達される振動によって硬組織を破砕する超音波ホーンと、
超音波ホーンを覆うホーンカバーと、
破砕作業領域へ洗浄液を供給する供給機構と、
破砕作業領域から吸引物を吸引する吸引機構と、
を有する超音波手術器において、
前記超音波ホーンは、前記ハンドピースとの接続端から棒状に伸長されて前記超音波振動子による超音波振動を伸長方向の先端に向かって伝達する本体部と、前記本体部の伸長方向の先端において前記本体部に一体的に形成されて前記伝達された超音波振動によって硬組織を破砕する作業部と、を備え、
前記作業部は、前記本体部の伸長方向に対して略垂直な方向に向かって一列に配列された複数の先鋭な突起で構成された鋸歯状破砕部を含み、
前記供給機構は、前記超音波ホーンと前記ホーンカバーとの間の隙間を介して破砕作業領域へ洗浄液を供給し、
前記吸引機構は、破砕作業領域から、前記超音波ホーンの本体部の内部を伸長方向に沿って刳り貫いて形成された吸引管を介して、前記供給された洗浄液とともに破砕された組織を吸引する、
ことを特徴とする超音波手術器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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