説明

超音波探触子の製造方法

【課題】 整合層の厚みを適正値に容易に調整することができるようにして、超音波探触子の性能の安定を図る。
【解決手段】 圧電振動子2の音響放射面に整合層3を形成してなる超音波探触子7(7A)の整合層の調整方法であって、超音波探触子7Aの超音波共振周波数特性を観測しながら、整合層3の表面に紫外領域のレーザ光Rを照射して整合層3の表面の一部を除去していき、前記観測される超音波共振周波数特性が所定の特性になるまでレーザ光Rの照射による除去を行なうことで、整合層3の厚みを調整する。その後、厚みが調整された整合層3の上に音響レンズを構成する層部材を形成し、この層部材の表面に整合層の厚み調整で用いたレーザ装置を用い、同様に紫外領域のレーザ光を照射してその表面の一部を除去して凸面形状にすることで音響レンズ4を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に医療用の超音波診断装置などに使用される超音波探触子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、医療分野においては、超音波探触子から生体内部へ超音波パルスを送波し、生体内部からの反射波(エコー)を受信することで、生体内部の形状を映像化することが行われている。特に最近では、血管等の体腔内に挿入するカテーテルの先端に超音波探触子を内蔵した超音波カテーテルが注目されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図3は、この種の用途に使用される超音波探触子(超音波トランスデューサとも言われる)8の一般的な断面構造を示している。この図に示すように、超音波探触子8は、背面支持体(音響減衰体)1の上に圧電振動子2を固着し、その圧電振動子2の音響放射面に整合層3を形成し、整合層3の上に音響レンズ4を設けた構造をなしている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
圧電振動子(PZT等)2は、音響放射面側と背面側に表面電極を有し、電極間にインパルス電圧を印加することにより超音波を発生するものである。背面支持体1は、圧電振動子2の背面側から放出される超音波を減衰させて、圧電振動子2の前面側(放射面側)への音響的影響を無くし、圧電振動子2へのダンピングをするためのものである。
【0005】
整合層3は、圧電振動子2の音響インピーダンスが被検体(たとえば、生体組織)の音響インピーダンスに対して桁外れに大きいことから、両者間の音響インピーダンスのマッチング(整合)をとるためのもので、両者の中間的な値の音響インピーダンスとなるように設定されている。また、整合層2の厚さは、圧電振動子2の発する超音波の周波数領域のうち中心周波数の波長λの1/4になるように設定されている。音響レンズ4は、圧電振動子2から前面側に放出される超音波ビームを集束するために設けられている。
【0006】
従来の超音波探触子8においては、音響インピーダンスをマッチングさせるための整合層3は、フィルムやシート状に加工した板を圧電振動子2の表面に接着することで形成したり、液状樹脂をスクリーン印刷やスプレーコーティングにより圧電振動子2の表面に塗布して硬化させることで形成したりしている。
【0007】
また、整合層3は、厚さをλ/4(λ:圧電振動子2の発する超音波の中心波長)になるように設定しなくてはならないので、厚さ調整が必要な場合は、手加工や機械加工で整合層3の表面を研磨することにより調整している。
【0008】
【特許文献1】特開平5−228149号公報
【特許文献2】特開平11−89835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、整合層3の厚みにばらつきが多いと、音響特性が不安定になりやすいが、従来の手加工や機械加工の研磨による厚み調整法では、整合層3の厚みを厳密に管理するには限界があった。特にカテーテル用の超音波探触子の場合、分解能の高い像を得るために20MHz以上の高周波の超音波を照射する必要があり、それに応じて整合層を薄く精度良く管理しなくてはならない。しかも、大きさが、例えば1.0mm×1.0mmや0.5mm×0.5mmという極めて小型のものである。そのため、従来の手加工や機械加工の研磨による厚み調整法では、精度確保の面で限界があった。
【0010】
本発明は、上記事情を考慮し、整合層の厚みを適正値に容易に調整することができ、超音波探触子の性能の安定を図れるようにした超音波探触子の整合層の調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、圧電振動子の音響放射面に整合層を形成してなる超音波探触子の製造方法であって、超音波探触子の超音波共振周波数特性を観測しながら、整合層の表面に紫外領域のレーザ光を照射して整合層の表面の一部を除去していき、前記観測される超音波共振周波数特性が所定の特性になるまで前記レーザ光の照射による除去を行なうことで、整合層の厚みを調整することを特徴としている。
【0012】
即ち、請求項1の発明の調整方法では、紫外領域のレーザ光(UVレーザ)を整合層の表面に照射して表面を削り取ることで、整合層の厚みを適正値に調整する。その場合、整合層を装着した超音波探触子の超音波共振周波数特性を観測しながら、整合層の表面にレーザ光を当てて削り取るので、整合層の厚みを、容易に、且つ精度良く調整することができる。
【0013】
通常、可視光レーザや赤外線レーザで物体を加工する場合、レーザで照射された部分の温度が上昇し、そこが融解し蒸散することで加工が行われる。つまり、局所的な熱加工が行われる。それに対して、紫外線レーザは、光子の持つエネルギーが大きいため、特に有機物に照射した場合は、分子結合を直接解離する光分解加工が主になり、非熱加工(アブレーション加工)ができて、母材への熱影響を考慮する必要が無くなる。従って、有機物で整合層を形成した場合に特に有効性を発揮できる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1において、前記超音波探触子の超音波共振周波数特性を観測しながら高除去率モードにて前記整合層の表面に対するレーザ加工を進め、前記超音波共振周波数特性の観測内容に基づいて最終調整厚みに近づいたと判断した時点で、低除去率モードによるレーザ加工に切り替えてその状態で、前記観測される超音波共振周波数特性が所定の特性になるまで低除去率モードでのレーザ加工を続けることで、整合層の厚みを調整することを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記整合層の表面を顕微鏡で観察し、観察像の中の基準となる位置に顕微鏡のピントを合わせて、ピントずれとして観察される位置にレーザ光を照射することにより、整合層の表面の一部を除去していき、整合層の厚みを調整することを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記整合層の表面に顕微鏡のレンズを通してレーザ光を照射し、顕微鏡の対物レンズの倍率を変えることによって、整合層の表面に照射するレーザ光の収束度合を調整することを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記整合層の表面に対してレーザ光を走査することで、整合層の表面の一部を除去することを特徴とする。
請求項6の発明は、圧電振動子の音響放射面に整合層と音響レンズとを有する超音波探触子の製造方法であって、前記圧電振動子の音響放射面に整合層を形成し、この状態で超音波共振周波数特性を観測しながら、前記整合層の表面に紫外領域のレーザ光を照射して整合層の表面の一部を除去していき、前記観測される超音波共振周波数特性が所定の特性になるまで前記レーザ光の照射による除去を行なうことで、整合層の厚みを調整する工程と、前記厚みが調整された整合層の上に音響レンズを構成する層部材を形成し、この層部材の表面に紫外領域のレーザ光を照射してその表面の一部を除去して所定の曲面形状にすることで音響レンズを形成する工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1〜5の発明によれば、超音波探触子の超音波共振周波数特性を観測しながら、整合層の表面を紫外領域のレーザ光で削り取って整合層の厚みを調整するので、整合層の厚みを高精度に容易に調整することができ、超音波探触子の性能の安定を図ることができる。
【0019】
特に、請求項2の発明によれば、最初の段階は高除去率モードでレーザ光を照射して整合層の厚みを減じて行き、最終調整厚みに近づいた段階で低除去率モードに切り替えて、超音波探触子の共振周波数特性が所定の特性になるまでレーザ加工を続けるので、ばらつきを最小限に抑えた整合層を効率良く得ることができる。
【0020】
また、請求項3の発明によれば、整合層の表面を顕微鏡で観察し、ピントずれとして観察される位置にレーザ光を照射しながら整合層の厚みを調整するので、製造上の理由等によって整合層の厚みにばらつきがある場合に、厚みのばらつきの補正を容易にすることができ、厚みの均一化を図ることができる。従って、特に高周波用の超音波探触子を製作する際に有用性を発揮することができる。
【0021】
また、請求項4の発明によれば、顕微鏡の対物レンズの倍率を変えることによって、整合層の表面に照射するレーザ光の収束度合を調整するので、整合層の表面の除去効率を自由に且つ容易に調整することができる。
【0022】
また、請求項5の発明によれば、整合層の表面に対してレーザ光を走査することで、整合層の表面の一部を除去するので、レーザ光の収束点(スポット径)の大きさに比べて被照射物である整合層の表面の面積が大きい場合にも、表面全域の厚みを漏れなく調整することができる。
請求項6の発明によれば、整合層の厚みを調整したレーザ装置をそのまま用いて音響レンズの曲面形状を形成できるので、正確な厚さを有する整合層と正確な曲面形状を有する音響レンズとを有する超音波探触子を迅速に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
実施形態の方法を用いて超音波探触子を製造する場合は、まず、図1(a)に示すように、背面基板1の上に表面電極(図示略)を有した圧電振動子2を固着し、その上に整合層3を装着する。整合層3は、エポキシ樹脂等(具体例としてはエポキシ樹脂にガラス粉末を混入させたもの等)のフィルムやシート状に加工した板を固着したり、あるいは、予め出しておいた条件で液状樹脂をスクリーン印刷やスプレーコーティング等により塗布し硬化させたりして形成する。この場合、整合層3の厚みは、圧電振動子2の周波数のばらつきの中で最も低い周波数に最適な厚みに設定しておく。つまり、後でレーザ照射により表面を削り取るので、予め適正値よりも厚めに設定しておく。
【0024】
次に、整合層3を形成した段階の超音波探触子(音響レンズはまだ付けてない状態のもの)7Aに、図2に示すように、ネットワーク・アナライザ等の計測機器20で電気信号を与えて、超音波探触子7Aの超音波共振周波数を確認しながら、レーザ照射装置10にて、図1(b)に示すように、整合層3の表面に紫外領域のレーザ光Rを照射して、整合層3の表面の一部を除去していく。そして、観測される超音波共振周波数特性が所定の特性になるまでレーザ光の照射による除去を行なうことで、整合層3の厚みを最適の厚みであるλ/4に加工する。ただし、λは圧電振動子2の中心周波数の波長である。
【0025】
この場合、レーザ光の波長や出力等は、整合層3の材質により最適条件が異なるため、予め条件出しをしておく。例えば、ここでは、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザの4次高調波(波長266nm)を使用して加工している。通常の可視光レーザや赤外線レーザで物体を加工すると、照射部分の温度が上昇し、その部分が融解・蒸散することにより加工が行われる(熱加工)。
【0026】
しかしながら、波長266nmのレーザはUVレーザに含まれるので、非熱加工(アブレーション加工)が可能である。YAGレーザは、高品位溶接や微細切断用としての基本波がある一方、その波長を意図的に短くすることで、紫外線レーザとして利用することができる。そのほかに、YAGレーザの第3高調波(波長0.355nm)やKrFエキシマレーザ(波長0.248nm)を利用することもできる。これらは面積加工が可能である。
【0027】
また、整合層3の厚みを、ばらつきを最小限にしながらλ/4に加工する方法として、次のような操作を行うこともできる。例えば、λ/4厚になる所定の段階まではレーザ照射時間を長くして、高除去率モードでレーザ加工を進め、λ/4厚に近づいてきたら、照射時間等を短くすると共に、レーザのフォーカスを調整することで、低除去率モードに切り替えて、ネットワーク・アナライザ等の電気信号にて周波数等を確認しながら、緻密な加工を施す。このような加工を施すことで、ばらつきを最小限に抑えた整合層を得ることができる。
【0028】
また、整合層3の表面を、図示略の顕微鏡で観察しながら、レーザ加工することもできる。顕微鏡で観察しながら加工する場合は、整合層3の厚みのばらつき(フィルムや樹脂板の固着時のばらつき、あるいは、液状樹脂をスクリーン印刷やスプレーコーティングで塗布・硬化させた時のばらつき)部分を、ピントずれとして観察することができるので、そのピントずれの部分のみにレーザを照射し、厚みの補正をすることができるし、厚みの加工と同時に、厚み不均一の補正をすることもできる。特に高周波用の超音波探触子になればなるほど整合層3の厚みの均一性が性能を決める上で重要となるので、非常に有効な加工法となる。すなわち、高周波になればなるほど、整合層又は接着層のバラツキが特性に影響を及ぼし、製品間のバラツキを生む原因となる為、製品毎に違った画像となってしまい、医者が誤診を招く事になりかねない。血管等の体腔内に使用する超音波探触子はデスポ−ザブルがほとんどで、医者は、毎回違う超音波探触子を使用する事になる為製品間のバラツキは、大きな問題である。その、製品間のバラツキを最小限に抑えると言うことは医療診断の分野においては、効果絶大であると言える。又、近年は食生活の影響もあり、血管に関する病気が年齢を問わず多くなってきており、使用される頻度が向上しているという背景もある。
【0029】
以上の操作により整合層3の厚みを調整したら、次の段階として、図1(c)に示すように、整合層3の上に必要に応じて音響レンズ4を設ける。この音響レンズを4の形成は、次のようにして行う。まず、前記厚みが調整された整合層3の上に音響レンズを構成する層部材を形成し、この層部材の表面に整合層の厚み調整で用いたレーザ装置を用い、同様に紫外領域のレーザ光を照射してその表面の一部を除去して所定の曲面形状、例えば、凹面や凸面形状にすることで音響レンズ4を形成する。それにより、超音波探触子7ができあがる。
【0030】
なお、整合層3の削り取りに使用するレーザ光の波長の範囲は、例えば0.4〜0.004μmの範囲の紫外領域であればよい。また、レーザ光のパワーは特に限定されないが、例えば、実験的には0.25mJ程度のパワーにおいて良好な結果が得られた。また、レーザ光の収束度合については、顕微鏡を通してレーザ光を照射し、その対物レンズの倍率を変えることによって自由に変更することができる。また、レーザ光の走査は、被照射物をX−Yステ−ジに固定することで簡単に行える。また、共振周波数観測とレーザ加工は同時に行うのが理想であるが、別々に行ってもよい。
【0031】
また、上記実施形態では、最終的に、厚さ調整した整合層の上に音響レンズを設ける場合について説明したが、音響レンズを設けない場合についても本発明は適用できる。
【0032】
また、上記実施形態では、高周波用の超音波探触子の整合層の厚みを調整する場合について説明したが、これに限らず、本発明は低周波用の超音波探触子の整合層の厚み調整にも勿論適用できる。特に低周波用の超音波探触子に適用する場合、レーザの照射時間を長くすることで、整合層の厚みを大きく調整することも可能である。また、本発明を適用できる超音波探触子の大きさについては特に制限されない。その際、レーザの照射面積が小さい時には、被照射面の全面にレーザが照射されるように、被照射物またはレーザを機械的にスキャンさせてもよいし、全照射面積をカバーし得るだけの数のレーザ照射部を有する装置を使用してもよい。
【0033】
また、上記実施形態では、整合層3が一層の場合を例示したが、整合層が複数層ある場合で各整合層の厚みを調整するときにも本発明は適用できる。また、上記実施形態では、単一の超音波探触子の整合層を厚み調整する場合について説明したが、短冊状の圧電振動子が複数配列された超音波探触子に対しても同様の操作を行うことができる。また、音響放射面が平面状の超音波探触子に限らず、凹面状あるいは凸面状の超音波探触子にも本発明は適用できる。本発明では、整合層の表面が曲面の場合でも、レーザの照射時間だけ、表面の形状に関係なく、整合層の厚みを調整できるため、研磨による調整ではなかなか得られない厚み調整効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、医療用の超音波診断装置その他超音波装置に用いられる超音波探触子を製造する際などに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態の調整方法の工程説明図で、(a)は整合層の厚みを調整する前の超音波探触子の断面図、(b)はレーザの照射により整合層の厚み調整している状態を示す断面図、(c)は整合層の厚みを調整した後で音響レンズを取り付けた状態を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態の説明図で、ネットワーク・アナライザを用いて超音波探触子の共振周波数を観測しながら、レーザの照射により整合層の厚み調整している状態を示す図である。
【図3】従来の超音波探触子の断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 背面支持体
2 圧電振動子
3 整合層
7A 音響レンズを付ける前の超音波探触子
7 超音波探触子
10 レーザ照射装置
20 ネットワーク・アナライザ
R レーザ光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電振動子の音響放射面に整合層を形成してなる超音波探触子の製造方法であって、前記超音波探触子の超音波共振周波数特性を観測しながら、前記整合層の表面に紫外領域のレーザ光を照射して整合層の表面の一部を除去していき、前記観測される超音波共振周波数特性が所定の特性になるまで前記レーザ光の照射による除去を行なうことで、整合層の厚みを調整することを特徴とする超音波探触子の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波探触子の製造方法において、
前記超音波探触子の超音波共振周波数特性を観測しながら高除去率モードにて前記整合層の表面に対するレーザ加工を進め、前記超音波共振周波数特性の観測内容に基づいて最終調整厚みに近づいたと判断した時点で、低除去率モードによるレーザ加工に切り替えてその状態で、前記観測される超音波共振周波数特性が所定の特性になるまで低除去率モードでのレーザ加工を続けることで、整合層の厚みを調整することを特徴とする超音波探触子の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の超音波探触子の製造方法において、
前記整合層の表面を顕微鏡で観察し、観察像の中の基準となる位置に顕微鏡のピントを合わせて、ピントずれとして観察される位置にレーザ光を照射することにより、整合層の表面の一部を除去していき、整合層の厚みを調整することを特徴とする超音波探触子の製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の超音波探触子の製造方法において、
前記整合層の表面に顕微鏡のレンズを通してレーザ光を照射し、顕微鏡の対物レンズの倍率を変えることによって、整合層の表面に照射するレーザ光の収束度合を調整することを特徴とする超音波探触子の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の超音波探触子の製造方法において、
前記整合層の表面に対してレーザ光を走査することで、整合層の表面の一部を除去することを特徴とする超音波探触子の製造方法。
【請求項6】
圧電振動子の音響放射面に整合層と音響レンズとを有する超音波探触子の製造方法であって、
前記圧電振動子の音響放射面に整合層を形成し、この状態で超音波共振周波数特性を観測しながら、前記整合層の表面に紫外領域のレーザ光を照射して整合層の表面の一部を除去していき、前記観測される超音波共振周波数特性が所定の特性になるまで前記レーザ光の照射による除去を行なうことで、整合層の厚みを調整する工程と、
前記厚みが調整された整合層の上に音響レンズを構成する層部材を形成し、この層部材の表面に紫外領域のレーザ光を照射してその表面の一部を除去して所定の曲面形状にすることで音響レンズを形成する工程とを有することを特徴とする超音波探触子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2005−64715(P2005−64715A)
【公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−290424(P2003−290424)
【出願日】平成15年8月8日(2003.8.8)
【出願人】(000112602)フクダ電子株式会社 (196)
【Fターム(参考)】