超音波歯周システムおよび使用方法
本願は、例えば、音波を伝播することができる流体で歯周ポケットを満たすステップと、歯周ポケット内に音波を伝達するステップと、歯周ポケットからの返還音波を感知するステップと、少なくとも1つの伝達音波が歯周ポケットを横切って戻ってくるのにかかる時間を測定することによって前記ポケットの深さを決定するステップと、を含む、歯周病を検出および測定するシステムおよび方法を提供します。また、本願は、ピーク判別分析アルゴリズムも提供します。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して歯周医療の分野、具体的には歯周医療および一般歯科に対する超音波技術の適用を対象とする。
【背景技術】
【0002】
歯周病は口の重篤な感染であり、未治療のままだと歯を失うことに至る可能性があり、心臓発作、脳卒中、糖尿病、呼吸器系疾患、未熟/低体重児、および死にまで関連しており、それらの一因となることが疑われている。
【0003】
歯周病は1つのまたは多くの歯に影響を及ぼす可能性がある。それは、歯垢(全ての人の歯に常に生じる粘着性のある無色の膜)内の細菌によって歯肉が感染して炎症を起こすと始まる。
【0004】
前記疾患の最も軽症例である歯肉炎においては、歯肉が赤くなり、腫れて出血しやすい。通常、不快症状はほとんどないか、全くない。歯肉炎はしばしば、不十分な口腔衛生、特に歯間掃除の不足によって引き起こされる。歯肉炎は専門治療および家庭での適切な口腔ケアで改善することが可能である。
【0005】
未治療の歯肉炎は歯周炎へと進行する可能性がある。経時的に、歯垢は歯石へと固化し、歯肉線の下方で拡大および増大し、その歯肉線の下方は細菌の繁殖場所となる可能性がある。歯垢内の細菌によって産生される毒素は、歯肉および周辺組織を刺激し炎症を起こしつづける。感染がより重度になると、前記毒素は、本質的に体が自然に反応する慢性炎症反応を促進し、歯を支持する組織(靭帯)および骨が崩壊および破壊される。
【0006】
歯周軟組織(歯茎または歯肉および歯周靭帯)は歯から分離し、感染を起こす歯周ポケット(歯と歯周組織との間の空隙)を形成する。前記疾患が進行すると、ますます破壊性毒素が産生され、結果として、前記歯周ポケットが深くなってさらに歯周組織および骨が崩壊および破壊される。初期にはこの破壊過程は無症候性となる場合がある。最終的には、歯がゆるくなって失われる場合があるか、または抜かなければならない。ヒトの口の中では、単独または組み合わせのいずれかで、300以上の異なる種類の細菌が存在する可能性がある。有効な治療計画が開発されるまで歯周治療専門医が様々な抗生物質および治療法を試すため、歯周病は困難で、時間がかかり、費用のかかるものとなる。その他の重篤な感染症と同様に、適切な種類および量の抗生物質で早急に治療されないと、歯周炎は結果として他の多くの重篤な疾患に至り、致命的にさえなり得る重度の全身感染症になる可能性がある。患者の免疫機構がこの慢性でかつおそらく重篤である感染と戦うと、心臓病、脳卒中、および糖尿病などのその他の重篤な疾患が発症する可能性が生じる。
【0007】
歯周ポケットを検出および測定するために歯科医師および歯科衛生士によって利用される現在の手順は、歯と歯肉との間に挿入され、靭帯の抵抗に遭遇するまで手動で下に押される鋭い金属プローブから成る基本的手段であるそれによって靭帯の深さが測定され、存在するかもしれない歯周病の量の指標となり得る臨床的付着損失(靭帯の損失)の量を示す。この方法はしばしば患者にとって苦痛であり、かつ侵襲性、出血性、不正確および主観的である。各測定で同じ量の力を加えることが困難なために特に不正確および主観的であり、結果として測定における高い検査者内および検査者間変動が生じる。検査者は歯肉線の下方に存在する組織の種類、および前記プローブがこの組織に触れているか、または貫通しているかが分からないため、この困難が増加する。また、歯科医療従事者による患者の血液への暴露は、肝炎、HIV、およびその他の感染性疾患への暴露の危険性を増加させる。
【0008】
さらに、現在の手順は、レトロスペクティブ分析であり、かなりの量のすでに失われた組織を測定できるのみなので、その最初期段階で歯周病を診断するための手段としてその有効性において限定される。また、この方法は典型的に、実際に測定を行う検査者および測定を通常手書きする筆記者という、この検査を実施するために2人を必要とする。前記検査者は通常、歯科医師、歯科衛生士、または歯周治療専門医などの歯科衛生従事者である。前記筆記者もまた歯科衛生従事者でもよいが、事務助手などより技能の低い個人でもよい。歯科医師に直面するもう1つの問題は、情報の全てが通常何年にも及ぶ多数の紙(つまりアナログ)記録に含まれているため、患者の症状の長期的傾向を決定することが困難であるということである。結果として、通常最近の1つまたは2つの記録のみが現在の検査結果との比較のために再検討され、これらは患者の歯周状態の非常に漸進的な悪化を正確に反映するのに十分ではない場合がある。
【0009】
既存の手動プローブ手順の付加的な問題は、それが典型的に治癒過程にたいして破壊性となり得ることである。試行錯誤手法は新たに治癒した組織を引き裂く可能性があり、回復を数週間または数か月間延長させる可能性がある。さらに、細菌を傷または患者の血流内に許容する可能性があり、それが感染症(つまり菌血症)に至る可能性がある。実際に、ヒトの口の中では、単独または組み合わせのいずれかで、300以上の異なる種類の細菌が存在する可能性がある。有効な治療計画が開発されるまで歯周治療専門医が様々な抗生物質および治療法を試すため、歯周病はより困難で、時間がかかり、費用のかかるものとなる。
【0010】
図1は、左の健康な歯100および歯周病を有する右の歯106を比較する概略図である。前記健康歯100には、完全で健康な骨レベル104、健康な歯周靭帯103、および健康な歯茎/歯肉102がある。前記罹患歯106は、結果として歯周ポケット112の形成となる、歯茎/歯肉の損失116、歯周靭帯付着(臨床的付着損失)115および歯槽骨レベル114の吸収を示す。前記罹患歯106はまた、歯垢108および歯石110の集積も示す。歯周状態が診断および修正されないと、前記罹患歯106は失われる場合があるか、または抜かなければならない。
【0011】
図2は、図1に図示される前記歯100、106のより詳細な概略図である。前記歯100、106はエナメル質部分118および根部分120を有する。前記根部分120は、前記歯周靭帯126によって前記歯肉122に接続される。前記歯肉122の最上部は前記歯肉線124として知られる。図2に図示されるとおり、前記歯肉線124は後退している。場合によっては、前記歯肉122が刺激される場合があり、結果として浮腫によって隆起する前記歯肉線124が生じる。
【0012】
前記歯周靭帯126の最上部には、前記歯周靭帯126の上方境界130がある。前記歯周靭帯126の前記上方境界130と前記エナメル質部分118との間には、接合部上皮128がある。健康な歯100において、前記歯周靭帯126の前記上方境界130、前記接合部上皮128の底、および前記エナメル質部分120がセメント質―エナメル質接合部132において接触する。罹患した歯106において、歯石110および多形核白血球138は前記接合点上皮128および前記歯周靭帯126の中に広がり、歯周ポケット112を開ける。前記歯周ポケット112が前記歯肉線124と前記セメント質―エナメル質接合点132にあると、患者には歯肉炎として知られる症状がある。前記歯周ポケット112が前記セメント質―エナメル質接合点132の下方に伸びると、患者には歯周炎として知られる症状がある。また、前記歯周ポケット112の増大は不規則となり、結果として中間特徴136を生じる場合がある。
【0013】
しばしば、ポケットの深さの事前測定が前記歯肉線124に対して行われた。しかしながら、上述のとおりに、前記歯肉線124は後退または浮腫によって変化する場合がある。よって、ポケットの深さを測定する際の前記歯肉線(または歯肉の自由縁)124の利用は、ポケットの深さの不正確かつ大いに変化する大きさに至る場合がある。前記歯肉線124と対照的に、前記セメント質―エナメル質接合部132は不変のままである。よって、ポケットの深さを測定する際の前記セメント質―エナメル質接合点132は、経時的な測定のより良くより一貫した方法を提供し、好ましい。手動プロービングもまた、歯肉線の下方に歯石が存在しているのかどうか、およびどの歯においてかつ正確にはどこであるかを決定するために使用される。この方法は不正確となり得る。
【0014】
よって、参照として、前記歯肉線および前記セメント質―エナメル質接合部132の両方を使用することができる歯周付着損失を測定する無痛、非侵襲性、正確、および再現性のある方法を有することが望ましいであろう。歯肉線の下方に歯石が存在しているのかどうか、およびどの歯においてかつ正確にはどこであるかを決定するための正確な方法を有することも望ましいであろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、歯周病の指標である付着損失を検出および測定するためのシステムに関する。本発明は、歯肉線および歯のセメント質―エナメル質接合部の両方と歯周ポケットの底との間の差違深度を測定するための超音波技術を組み込む。歯と歯肉との間に鋭い金属プローブを挿入する必要のある従来の方法と対照的に、本発明は非侵襲性、無痛、無血、正確、迅速、客観的かつデジタル式のシステムおよび方法を提供する。
【0016】
本発明は、超音波振動子および音響レンズを有するハンドピースと、判別分析ソフトウェアであって、ウェーブレットアルゴリズムを備える判別ソフトウェアを有する制御器ユニットと、補充流体と、を備える、歯周病に関係する歯周組織破壊を検出し測定するためのシステムを提供する。
【0017】
本発明はまた、第一端に空洞および調整スロットを有する永久ハンドルと、前記永久ハンドルの前記第一端内の前記空洞に位置する超音波振動子と、補充流体と、使い捨てカバーとを備え、前記使い捨てカバーは、前記使い捨てカバーの内側に突起部を有し、前記突起部は、前記調整スロット内に収まるように構成される、歯周病に関係する歯周組織破壊を検出し測定するためのハンドピースも提供する。
【0018】
本発明はまた、連続湾曲ハンドルと、超音波振動子と、補充流体と、を備える、歯周病を検出および測定するためのハンドピースも提供する。
【0019】
本発明はまた、音波を伝播することができる流体で歯周ポケットを満たすステップと、歯周ポケット内に少なくとも1つの音波を伝達するステップと、歯周ポケットからの少なくとも1つの返還音波を感知するステップと、前記少なくとも1つの伝達音波が歯周ポケットを横切って戻ってくるのにかかる時間を測定することによって前記ポケットの深さを決定するステップと、を含む、歯周病を検出および測定する方法も提供する。
【0020】
本発明はまた、歯科医師または歯科衛生士に少なくとも1つの超音波歯周システムを提供するステップと、患者の受診ごとに前記歯科医師または歯科衛生士に課金するステップと、を含む、歯周検査を実施するための方法も提供する。
【0021】
本発明はまた、波形を処理するステップと、ピークを検出するステップと、ピークを判別するステップとを含み、前記判別分析アルゴリズムは連続ウェーブレット変換を使用する、超音波エコーを分析するための判別分析アルゴリズムも提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
歯周付着損失を検出および測定する従来の方法と対照的に、本発明による前記システムおよび方法は超音波技術を組み込む。前記システムおよび方法は、歯周病に関係する付着損失を診断、検出および評価し、デジタル歯科記録を作成し、一連の測定を介して治療を監視するための、無痛、非侵襲性、無血、極めて正確、客観的、自動、迅速、デジタル式かつ費用のかからない方法を歯科医師およびその患者に提供する。前記システムはアナログ測定を取り、アナログ超音波測定値をデジタルデータに変換し、歯周ポケットの深さ(好ましくは、歯肉線およびセメント質―エナメル質接合点の両方から歯周靭帯の上方境界までの距離)を算出する。本発明による前記方法によって、治療が容易で費用がかからず、体の免疫機構が弱くなり他の疾患の影響を受けやすい時であるその最初期段階で歯科医師は歯周病を検出することができる。また歯科医師は、清浄の前後に歯肉線の下方の歯表面に存在する歯石(つまり固化した歯垢)の存在についての定性的情報を提供することによって、患者の歯をより容易かつ効果的に清浄することもできる。また、前記方法は、検査者内および検査者間変動が本質的に排除されているため、本質的に検査者非依存性である。
【0023】
歯周病を診断する従来技術の方法と対照的に、本発明の前記歯周システムによって、歯科医は患者の現在の検査をデジタルオーバーレイし、それを患者の電子医療記録に含まれる以前の検査のうちいくつか、多く、または全てと容易にかつ直ちに比較することができる。本発明の前記歯周システムの付加的な利点には、その試験は1人だけで実施することができ(2人と比較して)、典型的に完了するのに約4分しかかからない(約10分と比較して)ことが含まれる。
【0024】
本発明の1つの好ましい実施例は図3に図示される。本実施例において、前記歯周システム200はハンドピース202および表示部/制御器ユニット204を含む(図4)。前記表示部/制御器ユニット204は、信号を制御、収集、および処理するための回路基板(図示せず)およびソフトウェア、データ格納部(図示せず)、信号結合器としてしようされる液体を保持するための液体容器236、少なくとも1つの液体流量接続部240、電気的接続部238、およびソフトウェアおよびデータ格納部を含む。前記表示部/制御器ユニット204は好ましくは小型であるが、大型タッチスクリーン205を含む。前記表示部/制御器ユニット204は独自の液体容器236を含むため、補充水のない場所で使用することができる。また、前記液体容器236は、図に図示されるとおりに前記表示部/制御器ユニット204の側面に位置する必要はない。例えば、表示部/制御器ユニット204の底面か背面に位置してもよい。さらに、本開示の目的上、「液体」という言葉はゲルを含む。
【0025】
前記ソフトウェアは高度判別分析アルゴリズムを含む。任意で、それは診断医学画像能力も含むことができる。前記歯周システム200は、前記歯肉線124の下方であり、かつ前記セメント質―エナメル質接合部132からの歯周靭帯126の前記上方境界130(つまり各歯の歯周ポケット112の深さ)を検出、定量化、および輪郭を描くと同時に、前記歯肉線124の上方または下方の歯石または歯垢110、108の有無に関する質的な情報も提供するために、超音波信号(つまりソナー波)を使用する。前記歯周システム200はアナログ超音波信号をデジタル信号に変換し、各歯106の前記ポケットの深さ112およびその経時的な変動をデジタル格納する。これは診断において、かつ歯周病の程度および重症度および治療計画の有効性の指標として歯科医を大いに補助する。好ましくは、検査全体は完全にコンピュータ化され、全患者情報は検査を実施する個人によってデジタル記録することができる。好ましくは、歯科医は各歯についての必須データを一度入力し(欠けている歯またはブリッジの位置など)、それは以後の全ての画面上に表示される。
【0026】
(アルゴリズム)
前記歯周システム200の前記判別分析アルゴリズムは、変換アルゴリズムを使用して前記振動子から受け取る超音波波形をポケットの深さの示度数に変換する。このアルゴリズムは、電気通信においてよく使用されている信号処理技術を使用し、低レベル信号を検出してそれらを背景雑音から分離する。
【0027】
前記アルゴリズムは、波形処理、ピーク検出、およびピーク判別という3つのステップにおいて実施される。
【0028】
(ウェーブレット変換)
一実施例において、連続ウェーブレット変換(CWT)をメキシカンハットウェーブレットを使用して未加工信号に対し行い、Ψs(x)は、
Ψ(x)=2πw−1/2[l−2π(x/w)2]e−π(x/w)^2
および
Ψs(x)=s−1/2Ψs(x/s)
であり、
・wは本発明の一側面において1.2に設定されるウェーブレットの幅であり、
・sは、3.5、4.21、5.26、6.58、および7.89という値に設定されるウェーブレットの階級である。
ウェーブレットの階級の幅は、10MHz振動子の周波数範囲を標的とするよう選ばれた。関数fの波形変換は下記に等しい。
【0029】
【化1】
(ウェーブレット選択)
ウェーブレットにおける1.5のみの「発振」で、Morletウェーブレット(図37)などのより発振を含むウェーブレットよりも良い時間分解能を提供するため、メキシカンハットウェーブレット(図36参照)が選ばれた。トレードオフは周波数分解能の低下である。本発明の本実施例にとって、時間分解能は典型的に周波数よりも重要であり、その範囲は振動子クリスタルの固有周波数によって固定される。
【0030】
CWTにおいて使用される多くの他のウェーブレットと異なり、メキシカンハットウェーブレットは虚数成分を有しない。よって、未加工信号に存在する異相周波数を決定するために、ウェーブレット変換はまた、メキシカンハットウェーブレットのヒルベルト変換によっても実施される。
【0031】
時間基準信号に対しヒルベルト変換を行うと、信号がπ/2位相シフトする。信号g(t)と仮定して、この信号のヒルベルト変換は下記のように定義される。
【0032】
【化2】
この定義を書くためのもう1つの方法は、ヒルベルト変換が信号g(t)との関数1/πtの畳み込みでもあると認識することである。2つの関数の畳み込みは、2つの関数のフーリエ変換の成果の逆フーリエ変換である。
【0033】
よって上記方程式を下記のように書くことができる。
【0034】
【化3】
1/πtのフーリエ変換は、
【0035】
【化4】
であり、
【0036】
【化5】
よって、メキシカンハットウェーブレットのヒルベルト変換を算出するために、まずウェーブレットのフーリエ変換を算出する。第二に、直流成分およびナイキスト周波数成分をゼロに設定する。そして正の調和を−jで掛け、負の調和を+jで掛ける。最後に結果に対して逆フーリエ関数を実行し、メキシカンハット波形のヒルベルト変換を得る(図36参照)。
【0037】
ランタイムにおける処理速度を増加させるために、ウェーブレット係数および変換済みウェーブレット係数が算出され、好ましくは定数としてアルゴリズムに符号化する。
【0038】
(階級選択)
ウェーブレット階級と信号周波数との間の関係を決定するために、既知の周波数を有する正弦波を分析して最高ウェーブレット振幅を生成した階級を決定した。最適階級は周波数と反比例する(図38)。
前記振動子の固有周波数帯内の階級の範囲を選択肢、対応する階級を決定した(表1参照)。
【0039】
【表1】
前記歯周システム200(図3)は、存在を効果的に検出し、割り付け、特徴付け、評価するためのデジタル画像および診断ツール、および歯周病の治療を監視するステップを含むことができる。好ましくはそれは、細菌を寄生させ、前記歯肉線124の下方の歯の表面に存在する歯の衛生状態を妨げる歯石(つまり固化した歯垢)110(図2)についての重要で有用な情報も提供する。
【0040】
使用の際、前記ハンドピース202(図9)は、歯周組織と前記歯100、106との間で歯肉上に一定して滴る、または静かに流れる水を向ける。一実施例において、それから歯科医師はフットペダルの3つのボタンのうち1つを使用して信号の各バーストを作動させる。これによって、歯科医師は各歯の顔側および舌側で3つの標準プローブを実施することができる。1つのボタンは次の位置へと前進させ、1つのボタンは信号を作動させ、必要ならば1つのボタンによって歯科医師は元に戻って最後の部分を検査することができる。歯科医師は、信号が適切に得られなかった場合に可聴音で、または信号が適切に受信されなかった場合に異なる音で通知される(前記ソフトウェアが異常示度数を認識する)。前記ハンドピース202の先端にある前記振動子227(図10、34参照)は、歯肉に塗布される抗菌または殺菌ゲル、または信号結合器として歯肉に垂らされる水(または抗菌剤または殺菌剤を含む溶液などのその他の液体)を使用して、前記歯肉線124の下方に(各歯100、106の表面に沿い、かつ前記歯周ポケット112内へと)超音波信号(つまりソナー波)を伝達する。信号はまた、信号結合器として前記歯肉線の下方の唾液も使用することができる。前記振動子227は、前記歯肉線124の下方の正常および/または異常解剖学的特徴との不調和に起因する対応エコーを捕らえる。各信号が往復するのにかかる時間が測定される。この測定から、反射を引き起こす前記特徴へと前記信号が移動した距離を決定することができる。この情報によって、前記システム200の高度判別分析アルゴリズムは医療従事者に、無痛、非侵襲性、極めて正確、迅速、自動、デジタル式かつ使いやすい方法を提供して、患者の歯周構造および前記歯肉線124の下方の各歯の表面上の真の状態についての重要な情報を提供することができる。
【0041】
本発明のその他の実施例において、前記表示部/制御器ユニット204(図3)は既存の補充水に直接接続することができる。任意で、回路基板は信号を一連の使いやすい画像に変換することができる。本発明の一側面において、前記表示部/制御器ユニット204は、タッチスクリーンよりはむしろキーボードおよびマウスを含む。本発明のもう1つの実施例において、前記システム300(図4)は制御器ユニット304を含む。表示部/制御器ユニット204と同様に、前記制御器ユニット304は、データ格納部(図示せず)、水容器236、水流接続部240、電気的接続部238、および信号を制御、収集、および処理するための回路基板(図示せず)を含む。表示部/制御器ユニット204と対照的に、制御器ユニット304は表示部を含まない。本発明の本実施例において、制御器ユニット304は医療従事者の既存のコンピュータモニタに接続される。前記接続は、USBポートを通してなど有線接続を通して、またはブルートゥースなど無線で達成することができる。
【0042】
前記コンピュータ内の組み込みたソフトウェアは、前記信号をアナログからデジタル形式に変換し、アルゴリズムを使用して歯周靭帯の前記上方境界の深さに相当するエコーを寸法(ミリメートル単位のポケットの深さ)へと解釈および変換して、前記歯肉線124の上方または下方で歯の表面上の歯石110の存在を検出するので、それをより容易かつ効果的に取り除くことができる。
【0043】
この表示部/制御器ユニット204は、前記ハンドピース202によって生成される前記アナログ情報を受け取り、前記データをデジタル形式に変換し、分析アルゴリズムを使用してそれを処理する。好ましくは、前記歯周システム200はまた、歯科画像ソフトウェアも含んで前記適用歯100、106の使いやすい画像を作成する(図5〜7の画面に示すとおりに)。前記画像は前記表示部/制御器ユニット204の大型カラータッチスクリーン上に表示することができる。歯科医が治療室においてもう1つの画面上で検査結果を閲覧したい場合は、前記表示部/制御器ユニット204が前記画像を無線または有線で歯科医の画面へと伝達する。歯科医は、前記表示部/制御器204ユニットの大型で使いやすいタッチスクリーン、またはキーパッドをしようして全患者情報を入力することができる。本発明のもう1つの側面において、歯科医は音声認識ソフトウェアを使用して全患者情報を入力することができる。さらに、前記システムは、その迅速接続/切断水および電気器具を使用して、治療室の間を容易かつ迅速に動かされる。
【0044】
好ましくはシステム200(図3)に含まれる前記ソフトウェアは好ましくは、前記表示部/制御器ユニット204に歯周測定206(図5)、結果の図表化208(図6)、および患者管理210(図7)を表示させる。一実施例において、前記ソフトウェアは周辺歯周組織とともに歯の画像を生成し、前記歯の前記画像上のデータを図解することができる。この方法で、医療従事者および患者は、歯周病の進行および/または治療、および/または歯肉線の下方の歯石の除去を視覚的に監視することができる。
【0045】
好ましくは、前記歯周システム200は、各患者を検査するまえに較正される。較正は、前記ソフトウェアを試験するステップ、前記ヘッドを較正するステップ、前記振動子を試験するステップ、および/または前記音響レンズを試験するステップを含むことができる。較正は、例えば前記ユニット204に組み込まれている既知の空洞の深さを測定することによって達成することができる。医療提供者の診療室における較正が不可能となるように前記歯周システム200が機能しなくなった場合は、前記システム200は任意で、供給業者からの新しいシステム200、またはその一部の要請を伝達することができる自動メッセージングを備えることができる。
【0046】
本発明の一実施例において、全ての検査は、歯科医または歯科衛生士がインターネットを介して第三者ウェブサイトに接続した後に実施される。このことによって、前記第三者は、前記歯周システム200が適切に較正されて各検査前に完璧に作動しており、歯科医のアカウントに検査費用が適切に課されていることを確認することができるようになる。患者情報は、前記第三者によってそのウェブサイトで維持されるHIPAA準拠集中バックアップデータベースに安全に格納することができる。本実施例において、歯科医は前記ウェブサイトへの制御されたアクセスができ、下記のことができるようになる。
・患者記録を見直す。
・アカウント情報を見直して更新する。
・使い捨て品目在庫および注文情報を見直して更新する。
・診療室内の前記システムの状態を見直す。
【0047】
図12に図示される本発明の一実施例において、前記第三者への接続は、企業ポータルソフトウェア500で達成される。本発明において、歯科記録はバックアップ目的で前記第三者サイトに格納することができる。さらに、歯科記録(そのデジタル画像も含む)はオンライン相談のために歯周専門家に転送することができる。歯周専門家は患者の症状を評価し、前記第三者または患者が受診している歯科医または歯科医師に直接、その評価および勧告を送信することができる。さらに、前記企業ソフトウェアは歯科医の活動を監視することができる。前記システムを使用して、どの歯科医が軽微な歯周の問題を治療することに成功し、どの歯科医がそうでないかを決定することができる。さらに、それを使用して、患者の症状の重症度により歯周治療専門医にかかるべき患者を治療している歯科医を識別することができる。また、前記歯周システム200用のソフトウェアは、更新が利用可能という通知があればユーザーによる要請による簡単なダウンロードを介して、またはサービス同意が整っていれば自動的にプロバイダによって、容易にアップグレードすることができる。なおもう1つの実施例において、前記歯科記録は暗号化することができる。
【0048】
前記システムによって、歯科医は(複数年よりの紙記録よりはむしろ)コンピュータ画面上で検査結果を患者に見せることができ、また試験のプリントアウトを提供することもできる。これによって患者は歯科医が話したことを確認し、治療計画の有効性を監視することができる。歯周病治療計画が機能していることを見ることができるようになるので、この能動患者関与が多くの患者が歯科医の指示に従う結果になることが予期される。それはまた、患者(およびその支払人)に歯周病の存在の客観的証拠および治療の必要性を提供する。このことが、「立ち去る人」(つまり歯科医または歯周状態の重症度を信じない患者)の数を減らすことが期待される。
【0049】
患者が現在歯周病を有していない場合、基線デジタルイメージをある期間にわたって撮られた画像と比較することによって、歯科医および患者の両方が歯周病が存在していないことを見ることができる。
【0050】
本発明の一実施例によれば、歯周検査者は初回検査中に患者の歯周ポケットの深さ112(図2)の基線を確立する。第一検査後、患者が新たな検査を受ける度に、以前の検査からのデータをデジタルで自動的に現在のデータと比較し、前記歯周システム200の歯科表示ソフトウェアで図解することができる。このことによって歯科医および患者は、現在の手動プローブ方法を使用して発見できない歯周ポケットの深さ112の比較的軽微な変化さえも識別することができる。これらの微変化は、改善している、悪化している、または未変化であるポケットの状態を反映する着色された傾向線で図解することができる。本発明の一側面において、約0.2〜0.5mmの変化を検出することができる。本発明のもう1つの側面において、約0.1〜0.2mmの変化を検出することができる。このことによって、歯周病がその最初期段階であり容易かつ費用をかけずに治療できる間に治療を開始することができる。
【0051】
前記歯周システム200は、患者、歯科医療従事者、および支払人に下記のような大きな利点を提供する。
・患者にとっては、前記検査は客観的、非侵襲性、無痛、無血および費用がかからない。
・歯科医にとっては、前記検査は迅速、正確、客観的およびデジタル式である。歯科医は患者および支払人に直ちに検査結果の紙または電子コピーを提供することができ、付加的な歯周検査および初期段階歯周病治療費から相当量の付加的診療収益を生むと期待される。治療が必要であるという証拠は、画面上で患者に見せ、支払人にEメール送信することができる。各患者のデジタル記録のバックアップコピーは、遠隔ウェブサイトにおいてHIPAA準拠方法で格納することができる。
・第三者支払人を含む支払人にとっては、前記検査は歯周病の存在および程度を正確に、客観的に、およびデジタルで確認することができる。ますます多くの歯科保険会社およびその他支払人が、治療が必要であったことを確認するために歯科医から患者の症状のデジタル証拠を要求している。
【0052】
歯周病が存在する場合、歯科医はその最初期段階で歯周病の種類および程度を直ちに正確に検出および診断し、予防的治療を処方し、その拡大、罹患歯106の損失およびその他の重篤な疾患の発症を防いで医療費を削減する継続的な疾患管理を実施することができる。デジタル化データを使用すること、および治療期間中に数か月ごとに撮られる画像を生成することによって、歯科医および患者の両方は治療計画の有効性を容易に確認することができる。
【0053】
この種類の予防歯科プログラムは、結果として患者にとってより良い歯科治療となる。実際、ほとんどの歯科医は、さらなる検査を実施し、より重篤な歯周病に発展して治療のために歯周治療専門医に紹介されていたであろう軽度歯周病患者を治療すると期待される。重篤な歯周病を現在有するそれらの患者は、なお歯周治療専門医に紹介されるであろう。
【0054】
前記歯周システム200は、歯と歯肉との間のすき間に鋭い金属プローブの繰り返される、しばしば苦痛を伴う挿入を必要とする、刺繍検査のために歯科医および歯科衛生士によって現在使用されている標準手動プローブおよびアナログ方法よりも、大幅に正確かつ詳細な情報を提供する。前記手動プローブおよびアナログ方法は非常に不正確で、患者の真の状態を1mm以上過大または過小評価する可能性がある。結果として、その極めて初期段階における歯周病を診断するための現在の手動プローブ方法の能力は非常に難しい。同じ歯科医でさえも、または同じ患者に歯周検査を実施する異なる歯科医も、優位に異なる測定値を導き出す可能性がある。このことは、いつも正確に同じ位置に設置されているわけではない前記プローブ、加えられる圧力の量、感染による肉芽組織の存在、歯科医または歯科衛生士の技能および経験、患者の動きなどを含む、多くの理由によって起こる。
【0055】
それに反して、その許容誤差はたった+/−0.1から0.5mmで最小変化を容易かつ直ちに認識し治療することができるため、前記歯周システム200の歯科画像技術は、歯周病のより正確で、一貫性があり、再現性のある測定および診断、およびその結果初期疾患治療の機会を提供する。好ましくは、前記許容誤差は0.1〜0.3mmである。より好ましくは、前記許容誤差は約0.1〜0.2mmである。
【0056】
診断に加えて、前記歯周システム200を使用して治療中の治癒の進行を監視することができる。本発明の前記システムおよび方法は非侵襲性であるため使用中に柔らかい治癒組織を引き裂いたりまたは分裂させたりしないので、治療中の治癒の進行の監視が可能である。このことは、結果として治癒組織を引き裂く可能性のある、前記歯106と歯肉102との間に鋭いプローブの挿入を必要とする歯周病の従来の測定方法と対照的である。
【0057】
本発明のもう1つの実施例において、前記歯周システム200を使用して歯周病の治療の補助をすることができる。本発明において、医薬品がユニットの液体容器236または前記ハンドピース202からの流体に加えられる。なおもう1つの実施例において、前記システムは、前記歯肉線124の下方の前記歯106の表面上の歯石110の存在を検出することができるので、それをより容易かつ効果的に取り除くことができる。さらに、歯石110の歯石110除去の完全性は、前記システム200の以降の使用によって監視することができる。
【0058】
本発明のもう1つの実施例によって、歯科医または歯科衛生士は、各歯においていくつの測定値を得たいかを決定することができる。本実施例は、収集および格納される大量のデジタルデータの取扱いを可能にするソフトウェアを含む。前記ソフトウェアによって歯科医は、診療室のコンピュータ上に患者のデータを得て格納することができる。本発明の一側面において、歯科医または歯科衛生士は連続モードで前記歯周システム200を操作することができる。このモードにおいて、始動させられると、前記ハンドピース202は自動的に定期的な間隔でパルスを繰り返して放出する。歯科検査者は歯の表面にわたって1つの歯間隙から隣接する歯間隙へと前記プローブ先端を通過させる。好ましくは、前記歯科は、歯の顔側表面に沿った第一連続走査および歯の舌側に沿った第二スキャンを実施する。この方法で、いくつかの代表点からデータを集めるだけよりも、前記ポケットの底の輪郭を生成することができる。本実施例で取られるデータ点の合計数は、前記振動子の周波数および歯科検査者が前記歯100、106にわたって前記ハンドピース202を引く速度に左右される。数十、数百、数千ものデータポイントを取ることができる。この方法で、前記歯周ポケット112の限局性疾患を検出することができる。本発明の一側面において、前記歯100、106の全ては、歯科医または歯科衛生士によって走査することができる。本発明のもう1つの側面において、歯周病を呈しているとして以前識別された前記歯106のみが連続モードにおいて走査され、残りの前記歯100は個別誘発パルスで走査される。本発明の本実施例のなおもう1つの側面において、口内の固定基準と組み合わせてジオポジショナル技術を使用し、前記歯周ポケット112の位置および輪郭を定義することの補助をすることができる。
【0059】
本発明のもう1つの実施例は、完全かつ非常に正確な示度数および患者の歯の全ての三次元画像を得ることができ、歯科医が歯科用X線を得る必要性を排除することもできる。
【0060】
本発明の1つの好ましい実施例は図8および9に図示される。本実施例は、直線ハンドル214を有するハンドピース202を提供する。前記ハンドル214の一端は、振動子(図示せず)を保持するように構成される空洞216を含む。空洞216に隣接するのは調整スロット218である。前記調整スロット218は、使い捨てカバー212内の突起部と結合する。前記調整スロット218および前記突起部の組み合わせは、新しい使い捨てカバー212を前記ハンドル214上に設置する場合の調整の信頼性を大いに向上させる。前記ハンドル214の中心部に位置するのは、第一円周スロット220である。本発明の一実施例において、前記第一円周スロット220はつる巻きバネを備える。使い捨てカバー212が前記ハンドル214上で定位置に押し込まれると、前記つる巻きバネは前記使い捨てカバー212の内側のスロットと結合し、スナップ式はめ合いを提供する。同様に前記ハンドル214の中心部に位置するのは、第二円周スロット222である。好ましくは、Oリングを前記第二円周スロット222を挿入して密封を提供する。前記使い捨てカバー212は、前記振動子および超音波が放出されるプローブ先端226を覆うヘッド部224を含む。本発明の一側面において、前記使い捨てカバー212は、一度使用したら前記使い捨てカバーを再使用できない安全機能を備えることができる。一側面において、前記使い捨てカバー212は通し番号などの識別特徴を含む。前記歯周システム200は、前記識別特徴を読み込み、前記使い捨てカバー212が既に使用されたかどうかを決定する感知装置を備えることができる。前記使い捨てカバー212が既に使用されている場合、前記歯周システム200は、新しい使い捨てカバー212が提供されるまで、さらなる検査の許可を拒むことができる。
【0061】
本発明のもう1つの実施例において、前記プローブ先端226は、歯の間の歯間隙にぴったりとはまるような大きさである。この間隙の位置は変化するので、歯周測定値を取るための固定基準点を提供する。前記プローブ先端226は乳頭突起の後ろに位置することができるため、前記ハンドピース202は特に有利である。この構造において、前記ハンドピース202を使用して歯周病による歯周組織(歯肉102、歯周靭帯103、126、および歯の間の骨の反射鏡)の悪化を測定することができる。
【0062】
本発明の他の実施例において、前記歯周システム200は、図13および14に図示されるハンドピース402を含む。本発明者らは、前記振動子227が前記プローブ先端426の近くに位置すると前記超音波プローブの性能が有意に向上することを認識している。他方では、疾患の拡大という懸念のために、患者の口に入る前記プローブのその部分を消毒する必要がある。本発明者らは、残念ながら、高圧蒸気殺菌法および化学洗浄などの全ての現在の消毒方法が前記ハンドピースの耐用年数およびその経時的な精度に悪影響を及ぼし、前記振動子227に損害を与える可能性があることを究明している。
【0063】
本発明は、本実施例の前記ハンドピース402を容易に取り外し可能なカバー412に取り付けることができることを見出している。この配置で、前記振動子227は、前記プローブ先端426の近くで、前記ハンドピース202の前記ヘッド424に位置することができる。本発明の一実施例における歯周検査の後、前記取り外し可能カバー412を取り外して捨てることができ、新しい取り外し可能カバーを前記ヘッド424の上側に設置することができる。本発明のなおもう1つの実施例において、前記取り外し可能カバー412は消毒後に再利用することができる。つまり、前記取り外し可能カバー412は前記ハンドピース202から取り外し、別に消毒し、前記ハンドル414に再び取り付けることができる。本発明のもう1つの側面において、前記ハンドピース202は、診療室の間で前記システムを迅速に動かすことを容易にする迅速接続/切断電気238および液体流量接続部240を使用して、前記表示部/制御器ユニット204(図3)に接続される。
【0064】
図10は、本発明のもう1つの実施例を図示する。本実施例において、前記ハンドピース202は音響レンズ228を含む。本発明者らは、音響レンズ228で前記振動子227からの前記音波の焦点を合わせることによって、前記ハンドピース202の性能を有意に向上させることができることを見出している。典型的に、前記振動子227は、前記ハンドピース202の前記プローブ先端226の出口部の面積よりもさらに広い面積を有する。音響レンズ228によって、前記プローブヘッド224が前記先端226に向かって狭くなるにつれて、前記振動子227からの前記音波の多くは前記プローブヘッド224の内壁に反射する。しかしながら、音響レンズ228によって、前記音波は前記プローブ先端226の前記出口部の大きさに対して焦点を合わせることができる。
【0065】
本発明のなおもう1つの実施例において、前記ハンドピース202の前記振動子227は、中間周波数で操作される。高周波音波がより高い分解能を生じる一方で、低周波音波はより高い浸透性を有することが知られている。典型的に、従来技術の超音波装置は、高浸透性が必要とされた場合に2〜5MHzの周波数で、およびより高い分解能が必要とされた場合に15〜20MHzで動作するよう設計されている。本発明の一側面において、本発明者らは、5から15MHzの間の周波数を使用する振動子227は高分解能および高浸透性の両方を生じることができることを見出している。本発明の1つの好ましい実施例において、前記振動子周波数は約10MHzである。
【0066】
(先端形状の決定)
(設計の制約)
前記先端226の形状は好ましくは、患者の安心および使用の容易さを確保するよう設計される。それはまた選択された振動子と互換性があるべきで、つまり関心領域内の前記振動子の焦点を設置する。
【0067】
(長さ)
本発明の一実施例において、一般的な長さは、医療従事者が前記プローブを適切に位置付けるために十分な空間を許容するが、なお医療従事者が角度位置を視覚的に決定するために十分な長さを提供するよう約10mmに決定された。指針としてのこの距離によって、適切な焦点距離(13.25mm)を有する利用可能な振動子が識別された。そして前記先端の最終的な長さを決定し、前記先端の端を約2mm越える前記焦点244を設置した。
【0068】
(直径および輪郭)
本実施例において、前記先端226の内径および輪郭は、超音波パルスのビーム直径から決定された。前記先端226は前記超音波ビーム242を取り囲むが侵入せず、前記パルスが前記先端226に反射されないことを保証する。よって、適切に調整される場合、前記先端は超音波エコー内で可視的であってはならない。図34は前記超音波ビームおよび前記先端形状を図示する。
【0069】
(水路の設計)
(設計の制約)
流速は患者の安心を確保するのに十分低いが、前記振動子および患者との間に適正な音響結合を適用するのに十分高くあるべきである。
【0070】
(平均流速)
理論的に、水の流速は瀦音波エコーの飛行計測の時間にごくわずかな影響を与えるべきである。発信パルスの速度が水の速度によって増加する一方、到来パルスの速度は同じ量によって減少する。しかしながら、乱流は信号の雑音またはひずみを引き起こす可能性があり、よって速度は好ましくは前記先端を通る層流(レイノルズ数<1,000)を確保するよう制限される。0.5inの最小先端直径で、最大層流速度は毎秒約3.1インチである。
v=(Reν)/d
であり、
vは流れの速度
Reはレイノルズ数(1,000)
νは水の運動学的粘性(1.01x10−5m2/s)
dは前記先端の最小内径(0.5in)
最大層流速度は毎分604mLである。
Q=vA
であり、
qは流速
vは流れの速度(3.1in/s)
Aは前記先端の断面積(0.196in2)
試験はまた、計測値に対する流速の影響を検証するためにも実施した。
本研究は、穴のない第二アルミニウム板の最上部に設置される1mm直径の円形貫通孔を含む呼び厚さ4.763mm(4.752mm測定)の平らなアルミニウム板からの反射に対する波形データを集めた。11.055mmの先端を有する浸漬振動子(Xactex、10MHz、焦点距離13.25mm、ビーム直径0.67mm)を使用した。データは、前記先端の端から約1mmに位置づけられた反射器で9つの個別流速で収集した。流速は、10mL Hamilton気密シリンジを有するHarvard Apparatus PHD 2000プログラム可能を使用して調整した。各流速に対して、3つの連続波形測定値を記録した。
【0071】
本研究の結果は図35に示される。流速は、前記平板までの距離の決定にほとんど影響を及ぼさなかった。しかしながら、前記穴から生成された信号は、5から7.5mL/minの間の計測値の変化とともに流量の変動を示した。このデータから、10から15mL/minの流量の目標範囲が選択された。この範囲は、範囲を通して一貫した計測値を提供し、音響結合に対して十分な流量を提供する。
【0072】
(流量波動)
好ましくは、前記歯周システム200は約30Hzの走行速度を有する隔膜ポンプを使用する。これは30msの繰り返し周期に等しい。好ましくは、走査全体のデータ収集時間は30us、またはポンプ周期の1/1000である。よって、隔膜が流速における観察できる波動を生成したとしても、流量は走査収集の持続時間中に安定するよう適度に想定することができる。
【0073】
(気泡の排除)
超微粒気泡を含む気泡は、信号の減衰を劇的に増加させ、信号強度を低下させる。流路は好ましくは、前記システムから気泡を流し出すことを容易にするよう設計される。空気が閉じ込められる可能性のある流路内の領域(つまり局所高点)は好ましくは最小限化される。また、前記水は好ましくは、前記ハンドピースの脱気上流である。これは、好ましくはPTEEフィルタの一側面上の真空発生器を引っ張ることによって達成される。水の表面張力は、液体がこのフィルタを通って流れることを防ぐが、空気およびその他の気体はそれを通って自由に流れることができる。
【0074】
本発明の好ましい実施例は、前記セメント質−エナメル質接合部132に対する前記歯肉線124(図2)を測定する完全非侵襲性方法、および前記セメント質−エナメル質接合部132から前記歯周ポケット112の底に伸びる前記歯周ポケット112の深さの決定を提供する。本実施例において、音波は前記歯肉線124から始まる前記歯106に沿って伝達される。返還エコーは前記判別分析アルゴリズムによって分析される。前記セメント質−エナメル質接合部132からのエコーはその位置を前記歯肉線124に対して固定する一方、前記歯周ポケット112の底からのエコーは前記歯周ポケット112の底の位置を前記歯肉線124に対して固定する。前記歯周ポケットの深さは、前記歯肉線124から前記ポケット112の底までの距離から、前記歯肉線124から前記セメント質−エナメル質接合部132までの距離を引くことによって決定される。対照的に、従来技術の超音波歯周装置は、侵襲性プローブを使用して前記セメント質−エナメル質接合部132を決定するか、または前記セメント質−エナメル質接合部132を完全に無視して前記歯周線124を通して前記歯周ポケット112を測定するかのいずれかであった。
【0075】
本発明の一側面において、前記返還パルスは増幅されて雑音から別のピークへと変換される。本発明の1つの好ましい実施例において、ウェーブレットアルゴリズムが変換過程において使用される。本発明のなおもう1つの実施例において、判別分析アルゴリズムを使用して様々なピークの識別を決定することに役立てる。なおもう1つの実施例において、ウェーブレットおよび判別両方の分析アルゴリズムが使用される。
【0076】
一実施例において、前記表示部/制御器ユニット204(図3)は一連の可聴音および/または視覚信号を提供して検査を通して歯科医を導くことによって、歯科医が次の歯100、106に進むか、または画像が適切に撮られなかった場合に最後の歯に戻って再検査できるようにする。これらの信号はまた、歯科医に重大な歯周病、または注意または治療を必要とするその他の症状を示す可能性のある異常に深い歯周ポケット112の存在を警告することができる。
【0077】
前記表示部/制御器ユニット204は完全内蔵型であり、信号を部屋の外に伝達できなくても自らの画面上に必要な画像を提供する。また、患者情報を再入力しなくてもいいように、患者情報の全ては無線でまたはケーブル接続を介して歯科医の診療室のコンピュータへ送信することができる。
【0078】
本発明のもう1つの実施例において、前記ハンドピース202は使い捨てカバー212を含む。前記使い捨てハンドピースカバー212は、データ入力目的のために前記システムのタッチスクリーン上で使用することができる使い捨てスタイラスペン、患者検査の間に前記ハンドピースを拭き取るための滅菌ポーチ内のアルコールをしませたガーゼパッド、および飛散の場合における前記タッチスクリーン用の透明使い捨てプラスチックカバーも含む滅菌不正開封防止包装の中に含まれる。前記包装、全ディスポ、および技術(全改強化を含む)は、検査費用の支払を考慮して無償で歯科医に提供することができる。
【0079】
図11は、本発明のなおもう1つの実施例を図示する。前記歯周システム200の本実施例は、ハンドピース202および表示部/制御器ユニット204を含む。本実施例は始動装置229をさらに含む。本実施例において、前記始動装置229は、3つのフットペダル230、232、234を含む。前記始動装置229は前記振動子227(図10)を作動して流体の流れを起こす。もう1つの実施例において、前記始動装置229は前記ハンドピース204上にある。もう1つの実施例において、前記始動装置229は音声起動を可能にするソフトウェアを含む。
【0080】
下記は、前記死集システム200のソフトウェアの様々な特徴を要約および解説する(図11)。この概要は、前記ソフトウェアが下記を行う方法を解説する。
・前記装置の電子部品を制御する
・エンドユーザーと連動する
・音響信号の起動および受信、および歯周ポケットの深さのその後の算出を含むデータ収集アルゴリズムを実行する
・収集されたデータを表示する
・患者情報を格納し保護する
・前記装置を較正する
・外部装置と通信する
前記歯周システム200は、患者の歯周状態の測定において使用される超音波プローブシステムである。前記歯周システム200は、手持ち式プローブ202、始動機構および小型表示部/制御器ユニット204から成る。前記プローブ202は、超音波パルスを水またはその他の液体(典型的に音響結合に必要な)の流れを通して患者の前記歯周ポケット112の中に伝達し、前記歯周ポケット112内の解剖学的特徴との超音波の不調和に起因するエコーを捕らえる。前記表示部/制御器ユニット204内で作動する埋め込みソフトウェアは、分析アルゴリズムを使用して、音響エコーを歯周靭帯130の外側境界の深さ(ミリメートル単位のポケットの深さなど)と相関させる。
【0081】
前記ソフトウェアアプリケーションは好ましくは、前記表示部/制御器ユニット204上で作動する組み込みオペレーティングシステムに対応される。前記ソフトウェアアプリケーションは、前記歯周システム200を制御する。制御機能には下記が含まれる。
・外部始動機構(フットペダル230、232、234など)からのトリガー信号を受け取り次第、外部ハードウェアに信号を送信して超音波パルスを放出すること
・前記手持ち式プローブ202への水量を制御すること
・デジタル化電気信号として超音波エコーを収集すること
・前記ポケットの深さの算出を行うこと
・走査の間に、必要に応じて前記歯周システム200の較正をすること
・走査の終わりおよび新規走査を行う準備を意味し、ユーザーに可聴指示を提供すること
・タッチスクリーンおよびLCD表示部205を駆動すること
・前記始動機構を介してユーザー入力に反応すること
・患者および患者データベースにおいて行われた全検査に関してデータを格納すること
・外部ビデオ表示ユニットを駆動することができる
・ソフトウェアのアップグレードを受信することができる
・患者データを伝達および受信するためのネットワーク通信に対応すること
・遠隔インターネットポータルに通信すること
図15は、前記歯周システム200の機能配置の実施例を図示する。表2は、前記歯周システム200のソフトウェアアプリケーションと連動する主な部品および外部システムの一覧を含み、前記装置におけるその主な機能を示す。
【0082】
【表2】
(ソフトウェア環境)
(オペレーティングシステム)
本発明の1つの好ましい実施例において、前記歯周システム200は、Windows(登録商標) XPプロフェショナル・オペレーティングシステムの部品化型であるWindows(登録商標) XP内蔵型(XPe)オペレーティングシステムを使用して動作するマイクロプロセッサを含む。前記部品化によって、前記歯周システム200の前記オペレーティングシステムは、前記死集システム200の操作に必要なWindows(登録商標) XPの機能のみ、およびそうでないものの除外を含むようカスタマイズすることができる。
【0083】
(ソフトウェア開発ツール)
前記アプリケーションは好ましくは、MicrosoftのVisual Studio 6.0 IDE(一体型開発環境)を使用してC++コーディング言語で書き込まれるオブジェクト指向Windows(登録商標)アプリケーションである。しかし前記アプリケーションは、他のコンピュータ言語を使用し、かつ他のツールで実行することもできる。グラフィックツール、前記A/Dカード用デバイスドライバプログラム、前記タッチスクリーン制御電子回路、前記始動装置を含むソフトウェアモジュール、および音声スピーカは好ましくは、前記アプリケーションに含まれるか、または動的リンクライブラリ(DLL)ファイルを介して前記アプリケーションによってアクセスされる。
【0084】
(ハードウェア環境)
(シングルボード・コンピュータおよびプロセッサ)
前記歯周システム200のソフトウェアアプリケーションは好ましくは、前記インターフェースハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントの全てに対応して含むシングルボード・コンピュータ上で動作する。このコンピュータは好ましくは、VIA Technologies,IncのTwister−Tチップセット(VT8606およびVT82C686Bチップ)を有する1−GHz VIA EdenTM ESP 10000プロセッサを有する。さらに、それは好ましくは、256MBのRAM、キーボードおよびマウス用の接続、陰極線管(CRT)および液晶表示部(LCD)ビデオインターフェース接続、4つのユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート、2つのイーサネット(登録商標)ポート、1つのパラレル/フロッピー(登録商標)ポート、1つの汎用入出力(GPIO)ポート、および4つのシリアルポートを有する。それは、PC/104およびPC104+インターフェース、およびコンパクトフラッシュ(登録商標)アダプタを有する。その他の組み合わせの入出力接続もまた可能で、本発明の範囲内である。
【0085】
(タッチスクリーン制御器)
LCDの正面に搭載される4線式抵抗接触感受性タッチスクリーンは、前記歯周システム200のソフトウェアとの操作者の相互作用にとって好ましい方法である。前記タッチスクリーンは好ましくは、ワンタッチマウスと同じ方法で使用される。制御器盤は好ましくは、前記タッチスクリーンから到来するアナログ信号をXおよびY座標および選択事象に変換し、USBインターフェース上でこのデータを前記コンピュータに通信する。ドライバソフトウェアは典型的に、前記制御器盤の操作を必要とする。このドライバアプリケーションは好ましくは、最初にLCDのXおよびY座標をタッチスクリーンのXおよびY座標と相関させて、2つの基準座標系の間の不均衡を計上するタッチスクリーン較正ソフトウェアを含む。一実施例において、前記ドライバアプリケーションは前記歯周システム200のソフトウェアアプリケーションの一部ではなく、前記オペレーティングシステムによって使用され、それが前記制御器盤から到来するマウス様入力を受信して使用できるようにする。前記タッチスクリーンは好ましくは、前記装置がユーザーに納品される前に較正される。通常状況下では、ユーザーは前記タッチスクリーンを較正しない。
【0086】
(始動装置)
前記歯周システム200はこのましくは、始動装置によって、患者検査中に操作者によって制御される。前記始動装置はコマンドを前記歯周システム200に送信し、取得を開始するか、または次の歯の位置へと移動する。前記始動装置によって与えられるコマンドは好ましくは、一意のキーボード配列に割り当てられ、前記オペレーティングシステムが特定のキーボード配列として前記始動装置から受け取られる各種類のコマンドを解釈することを意味する。前記歯周システム200のソフトウェアアプリケーションはこれらのキーボード配列(前記始動装置によって生成される)を待ち、各報告された配列に応じて特定措置をとる。前記キーボード始動装置の割り当ては表3で下記に示される。
【0087】
急速プロトタイプおよび試験中歯周システム200用の前記始動装置は好ましくは、USBインターフェースを通して前記歯周装置200のマイクロプロセッサに接続される三位フットペダルである。例えば、Windows(登録商標)用の豊富なSavant USBドライバを使用して、前記オペレーティングシステムと前記フットペダルとの間のUSB通信を調整することもできる。前記始動装置はまた、前記ハンドピースのボタンを使用し、または音声認識ソフトウェアを使用して起動することができる。
【0088】
【表3】
(入出力)
好ましくは、前記ソフトウェアアプリケーションは、前記表示部/制御器204のパラレルポートを介して、水制御電磁弁、前記パルサー/受信部、および前記A/Dカードといった3つの部品と連動する。好ましくは、3つ全ては、それらが接続されている前記パラレルポートチャネルからデジタルHIGH信号を受信するときに始動される。典型的に、前記パラレルポートは、前記データ収集ソフトウェアが前記オペレータインターフェースからの適切なコマンドを受信するときに、これらの信号を送信するよう指示される。パラレルポートソフトウェアモジュールは、前記歯周システム200のソフトウェアアプリケーションに書き込まれ、このインターフェースを構成して使用するために必要な機能を実行することができる。前記パルサー/受信部およびA/Dカードは、同じパラレルポートチャネルによって起動される。
【0089】
前記電磁弁が開くと、水は好ましくは、前記歯周システム200のハンドピース202へと前記弁を通過する。前記パルサー/受信部は好ましくは、負電圧パルスを、パルスを音響エネルギーに変換する前記超音波振動子227に送信する。そして前記振動子227は、それに戻ってくる音響エコーを受信し、前記パルサー/受信部に送り返されて前記A/Dボードにサンプリングされる電気信号に変換する。
【0090】
(アナログ/デジタルボード)
好ましくは、前記アナログ/デジタル(A/D)ボードは、前記歯周システム200のマイクロプロセッサ上のPCIバス上で通信する。前記歯周システム200のソフトウェアアプリケーションは好ましくは、このボードからのデータを初期化し、始動し、回収するために必要なドライバ機能および可変物の全てを含むソフトウェアモジュールを含む。このモジュールに含まれる前記機能は好ましくは、前記ボードの製造業者によって供給される。本発明の一側面において、前記返還エコー波形の12ビットデジタルサンプルは、毎秒100メガサンプルの速度で収集される。その他の側面において、前記デジタルサンプルはおおむね12ビットを備えることができる。なおその他の側面において、前記サンプル速度はおおむね毎秒100メガサンプルにすることができる。
【0091】
(フラットパネル表示部)
前記半透過型TFT LCDフラットパネル表示部は好ましくは、操作すべき付加的なソフトウェアおよびドライバを必要とせず、前記オペレーティングシステムに常駐するドライバによって制御される。好ましくは、前記BIOSはLCDおよび外部CRTモニタの両方に対応するよう構成される。前記LCD接続は好ましくは、前記歯周システム200の内部にある一方、外部CRTへの接続は前記装置の後部に備えることができる。
【0092】
(音声スピーカ)
前記音声スピーカは好ましくは、前記オペレーティングシステムに常駐するドライバによって対応される。選択された音声ファイル(.WAVなど)を再生するためのソフトウェアコマンドは好ましくは、プラットフォーム(Windows(登録商標) XP内蔵)機能を使用して出される。
【0093】
(コンパクトフラッシュ(登録商標))
好ましくは、前記コンパクトフラッシュ(登録商標)カードは、前記歯周システム200の格納媒体として機能する。好ましくは、それは前記オペレーティングシステム(XPe)、前記歯周システム200ソフトウェアアプリケーション、および患者記録のデータベースを含む。前記オペレーティングシステムは、前記コンパクトフラッシュ(登録商標)カードから起動するよう構成される。好ましくは、前記コンパクトフラッシュ(登録商標)カードは、II型、1GBサイズ、および固体媒体として初期化されている。しかしながら、あらゆる適切な型およびサイズを使用することができる。
【0094】
(外部ネットワークインターフェース)
好ましくは、前記歯周システム200は、有線(イーサネット(登録商標))または無線(802.11x)接続を通して外部装置と通信することができる。好ましくは、前記イーサネット(登録商標)ハードウェアは前記コンピュータに組み入れられ、ドライバは製造業者によって供給される。前記無線ハードウェアは、前記コンピュータに加えることができるオプションモジュールである。前記無線イーサネット(登録商標)モジュールの製造元または型は、本発明に極めて重要ではない。
【0095】
図15は、前記ソフトウェアアプリケーションの4つの主なタスクの図式概要を提供する。これらは、前記オペレータインターフェース、データ収集および較正、患者情報のデータベースおよびデータの維持、および外部インターフェースを含む。
【0096】
前記オペレータインターフェースは前記アプリケーションの基幹を形成し、前記アプリケーションのその他全ての機能は好ましくはこのインターフェースを通して受け取られるコマンドから制御される。操作者は接触感受性画面および始動装置を通してコマンドまたはデータを入力し、一連のインターフェース画面を介して情報を再度受け取ることができる。操作者はまた、前記音声スピーカを介して音声フィードバックを受けることもできる。
【0097】
データの収集および分析を制御するソフトウェア要素は典型的に、前記オペレータインターフェースから指示を受け取り、それらのタスクを行うための必要なソフトウェアおよびハードウェア手順を実行する。同様に、これらの要素はまた、前記データ収集システムの較正のタスクも制御することができる。
【0098】
好ましくは、患者データは、前記アプリケーションによって作成および維持されるデータベースに格納される。このアプリケーションは好ましくは、患者データの入力、修正、および保護を制御する。
【0099】
外部インターフェースソフトウェアは、前記始動装置または外部モニタなどの外部装置を有するUSBおよびイーサネット(登録商標)ポート上での通信に好ましい。好ましくは、前記外部ソフトウェアは、歯周データを格納または回収することができるウェブ基盤格納と通信する能力を作成する。最終的に、それは好ましくは、1つの歯周システム200から歯科医の診療室内のもう1つのシステムへ、および通信の安全な回線上で外部コンピュータを往復して患者データおよび情報を渡すことを可能にする。
【0100】
検査の実施の典型的な過程は図16に示される。操作者は典型的に、ログイン画面を通して前記装置にログインする。そして前記操作者は前記患者データベースから既存の患者を読み込むか、またはそれから前記患者データベースに格納される新規患者を作成することができる。この時点で、操作者が新規受診を作成する場合は、検査モードにおいて機能しており、検査を行って歯の状態データに入力することができる。このモードの使用法は好ましくは、企業会計目的に対する使用法と考慮される。好ましくは、操作者が既存の患者受診を単に閲覧する場合は、レビューモードで機能しており、患者データおよび患者の歯周および歯の状態データ上の標準報告書を閲覧することができる。
【0101】
(図式的ユーザーインターフェース画面)
前記オペレータインターフェースは、図17に示されるとおり、特定機能を有するいくつかの画面から成る。市販のソフトウェアライブラリを使用して、ダイアログボックスおよびオペレータインターフェース画面の外観を図式的に強化することができる。
【0102】
前記アプリケーションへの入り口は好ましくは、操作者がパスワードを使用してログインすることを可能にするログイン画面を通す。ログインすると、操作者は、アカウント画面を通してアカウント情報を閲覧し、操作者画面で優先を設定し、または患者記録画面を通して患者情報を見直すことができるメイン画面にある。この画面によって操作者は、現在の患者を選択して読み込むか、または新規患者を作成することができる。
【0103】
患者が読み込まれると、操作者はカルテ画面を通して記録を閲覧または編集することができる。前記カルテ画面は、ポケットの深さ、および患者履歴選択画面を通して選択されるあらゆるオーバーレイを含む歯の状態データを含む患者についての情報を示す。操作者は、歯の状態データ入力画面を通して患者に対する歯の状態データを編集することができるか、またはポケットの深さ測定画面を通して歯周検査を行うことができる。操作者は、全カルテ閲覧画面および歯の履歴閲覧画面を通して患者についての報告書を閲覧することができる。
【0104】
(共通画面情報)
カルテ画面、歯の状態データ入力画面、ポケットの深さ測定画面、全カルテ閲覧画面、歯の履歴閲覧画面は好ましくは、画面の上端および下端に下記のようなフィールドを有する。
・操作者氏名の文字列。
・患者氏名の文字列。
・新規受診であれば現在の日付および時間である、現在読み込まれた受診の日付および時間。
・画面上の事象に対して状況情報で操作者に指示をするために使用される、状況の文字列
・ステータスバーにおいて毎分1回更新される、現在の日付および時間
・操作者をヘルプ画面に誘導し、画面用のヘルプのトピックス索引の関連したセクションをロードするためのヘルプボタン
(歯の状態の表)
好ましくは、いくつかの画面は表形式で表される歯の状態データを有するカルテを含む。一実施例において、サイズ制限により、および読みやすさを最大限にするために、カルテは一度に8本の歯のみからのデータを提示する(口の4分の1)。本発明のその他の実施例において、最大で歯の全てを含む、あらゆる数の歯を提示することができる。例えば、歯科医は歯周病のある1本の歯、または罹患した歯のそれぞれの側の1本または2本の歯(それぞれ合計3本または5本の歯)の閲覧を選択することができる。
【0105】
特定のデータが好ましくは、歯の各位置に対して表示される。前記位置は下記のように示すことができる。
・Dは歯の遠位側の位置
・Mは歯の近心側の位置
・Cは歯の中心位置(つまり近心と遠位位置との間)
本発明のその他の側面において、データを歯間隙においてとり、Iとして示すことができる。
【0106】
好ましくは、歯の側面(および歯間隙内)の前記3つの位置のそれぞれに対して表示されるデータは下記のとおりである。
・ポケットの深さ(0.0〜9.9)
・分岐(0〜3)
・後退(0〜3、またはオプション画面で決定されるMiller分類を使用する)
各歯に対して表示される歯の状態データは下記を含むことができる。
・化膿(ありはS、なしは空白)
・可動性(0〜3)
・浮腫(0〜3)
・欠落(ありは欠落、なしは空白)
(ログイン画面)
この画面は好ましくは、前記装置に電源を入れた時の初期画面である。好ましくは、この画面が提示される時は、前記装置にログインするか、または前記装置をシャットダウン(電源を切る)する以外は、前記装置のその他の画面または機能は起動されない。ログインボタンをクリックすると、操作者はログインして前記装置を使用し始めることができる。この方法で、取り入れられたあらゆるデータは操作者と関連している。好ましくは、操作者が検査を終了すると、メイン画面から前記装置のログオフをするべきである。そうすると、この画面が好ましくは唯一の目に見える画面となる。本発明の一側面において、前記装置が設定可能な時間の間稼働していない場合、この画面が再び稼働となる。ログインは、患者の医療記録に対する一層のセキュリティを提供する。図18は、ログイン画面の概念図を示す。
【0107】
操作者には、ログイン画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.ログインボタン:このボタンは、個人が前記装置にログインできるようにするキーボードダイアログを開く。個人は選択可能な操作者の1人として、かつその操作者のパスワードでしかログインできない。常に「管理者」が利用できるログインがあり、その個人がログインすると、特別な機能を使用することができる(例えば、アカウント画面で新規操作者の追加を選ぶことができる)。
B.シャットダウンボタン:このボタンによって、操作者は前記システムの「ソフト」シャットダウンをすることができる。これは、前記歯周システム200装置をシャットダウンするための好ましい方法である。
C.歯周システム200画像:この画像は、前記装置およびPIIロゴを表示するために利用可能である。
【0108】
(メイン画面)
メイン画面は好ましくは、前記歯周システム200装置の機能への入り口として使用される。この画面上で、操作者は前記装置のログアウトまたはシャットダウンをすることもできる。図19は、メイン画面の概念図を示す。メイン画面を使用して製品およびサービスの販売促進をし、歯科医にケアの標準および患者の歯周状態に適用できる治療の推奨コースを収容するデータベースへのアクセスを提供することもできる。
【0109】
操作者には、メイン画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.メニュー説明:メニューオプションについての文字情報
B.メニューボタン:これらのボタンは、操作者を様々な画面(患者記録、アカウント、オプション、ヘルプ、ログイン)へ移動させるか、または現在の操作者がログアウトできるようにする。
【0110】
(アカウント画面)
アカウント画面を使用して前記システムの製造業者についての情報を表示し、前記装置の使用についての統計およびアカウント情報を提供することができる。ユーザーはこの画面に行き、現在のアカウント状況についての情報およびアカウントを更新する方法についての説明を得る。図20は、アカウント画面の概念図を示す。
【0111】
操作者には、アカウント画面において下記のようなフィールドおよびオプションが表示される。
A.アカウント概要:この部分は好ましくは、アカウント状況および前記装置に残っている使用数などの歯科医のアカウントについての情報を一覧化する。アカウントに残っている許可された使用の数が少ない場合、表示される数の色が赤くなり、警告文字が数の下に現れることができる。残っている許可された使用の数が少なくなければ、数の色は好ましくは通常の文字色である。
B.アカウント機能:この分野は好ましくは、「管理者」である操作者が使用して下記のようなアカウント操作を行うことができるボタンを含む。
・新規操作者を追加する
・供給業者からさらなる補給品を注文する
・供給業者からさらなる装置の使用を注文する
C.登録済み歯科医院についての情報登録番号および歯科医院名および住所などの、前記装置の現在の所有者の文字表示。
D.Perio Imaging Inc.情報:PIIに連絡する方法についての文字情報を含む。
E.歯周システム200情報:現在の装置の通し番号、ならびにソフトウェアおよびハードウェアのバージョンを示す。
F.戻るボタン:このボタンは操作者をメイン画面に戻す。
【0112】
(オプション画面)
オプション画面は好ましくは、操作者が前記装置および測定の過程に対する優先を設定し格納できるようにする。各オプションは一覧から選択することができる。オプションが選択されると、その特定制御が好ましくは画面上に表示される。図21は、オプション画面の概念図を示す。
【0113】
画面を通して特定することができるオプションには下記が含まれる。
・歯の測定走査の順序に対する優先オプション
・スピーカおよびマイクロホンの音量設定
・ログイン画面のタイムアウト
・メモの定義
操作者には、ログイン画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.オプション一覧:これは、操作者に修正のために選択するべきオプションのツリー表示を提示する。選択すると、それらのオプションに対する制御が好ましくはオプション閲覧で見えるようになる。
B.オプション閲覧:閲覧範囲は好ましくは、オプション一覧で選択されるオプション一式に関連した全ての制御を収容する。
C.リセット:このボタンは好ましくは、全オプションを初期設定にリセットする。
D.適用:このボタンは好ましくは、全ての修正済みオプションを前記装置に適用する。
E.戻るボタン:このボタンは好ましくは、操作者をメイン画面に戻す。
【0114】
(患者記録画面)
患者記録画面によって、操作者は内部データベースに格納された患者記録を追加および編集することができる。各患者は好ましくは、前記装置の内部に格納され、データを外部装置(PIIインターネットポータルなど)に転送する際に使用される一意の識別番号(ID)を割り当てられる。図22は、患者記録画面の概念図を示す。
【0115】
操作者には、患者記録画面において下記のようなフィールドおよびオプションが表示される。
A.患者記録選択:この一覧は好ましくは、操作者が患者および特定の記録を選択できるようにする。操作者が患者選択を変更すると、受診選択フィールドが好ましくは、その患者に対する全ての過去の受診の一覧で更新する。また、画面の上端に表示される患者氏名が好ましくは更新される。このフィールドには好ましくは下記のようないくつかの機能がある。
a.新規追加:このボタンは好ましくは、(患者氏名、歯科医院患者ID、生年月日、性別、および住所)を含む新規患者の入力を可能にする一連のキーボードダイアログを開く。入力後、新規患者氏名は好ましくは、患者記録選択フィールドに表示されてハイライトされる。
b.編集:このボタンは好ましくは、操作者が患者情報(患者氏名、歯科医院患者ID、生年月日、性別、および住所)を編集できるようにする一連のキーボードダイアログを開く。
c.削除:このボタンは好ましくは、操作者が患者を削除したいかどうかを確認するための確認ダイアログを提起する。注:その患者に受診がない場合にしか患者を削除することはできない。
d.検索:このボタンは好ましくは、操作者が患者の苗字の最初の数文字を入力できるようにして、患者記録選択一覧において患者を素早く見つけることを可能にするダイアログを開く。
B.受診選択:この一覧は好ましくは、操作者が現在選択されている患者に対して行われた受診の全てを閲覧できるようにする。患者が新規作成されて受診がない場合は、この一覧は好ましくは空白である。受診が選択されると、画面の上端に表示される受診日付が好ましくは更新される。このフィールドには好ましくは下記のようないくつかの機能がある。
a.新規追加:このボタンは好ましくは、操作者が現在選択されている患者に対する新規受診記録を作成できるようにする。現在の患者に対する受診記録選択一覧の新規入力が好ましくは、作成、表示、および選択される。前記新規入力は好ましくは、現在の時間および日付を参照する。操作者に新規受診の追加を続行したいことを確認するよう求める警告ダイアログが好ましくは表示される。
b.閲覧:このボタンは、操作者をレビューモードにおけるカルテ画面へと移動させる(図16参照)。このボタンは好ましくは、受診が受診選択一覧において選択された後、または新規受診が追加された後に初めて有効となる。
c.編集:このボタンはこのましくは、操作者を検査モードにおけるカルテ画面へと移動させる(図16参照)。このボタンは好ましくは、受診が受診選択一覧において選択された後、または新規受診が追加された後に初めて有効となる。
C.戻るボタン:このボタンは好ましくは、操作者をメイン画面に戻す。
【0116】
(患者カルテ画面)
患者カルテ画面を使用して、歯の画像に重ねられた患者受診からの全ての歯周測定データおよび歯の状態データの表形式提示を表示する。また、操作者は過去の受診から患者データを表示することを選択できる。表示される全てのデータはインターネットデータベースから回収される。図23は、患者カルテ画面の概念図を示す。
【0117】
操作者には、患者カルテ画面において下記のようなフィールドおよびオプションが表示される。
A.歯のカルテ:歯周データは好ましくは、各測定に対する点または歯の画像に重ねられた点の間の線として提示される。表示される特定データは好ましくは、履歴選択および歯の選択矢印によって制御される。好ましくは、8本の歯の領域はハイライトされ、これらの歯に対するデータは歯の状態データ表で表にされる。
B.歯の名前:現在選択されている歯の文字名。
C.歯の状態データ表:歯の状態表による、現在選択されている4分の1に対する表形式の歯の状態データ。
D.オプションボタン:
a.ポケットの深さ測定:このボタンは好ましくは、操作者をポケットの深さ測定画面に移動させる。好ましくは、このボタンは、操作者が検査モードにある場合のみ有効である。
b.歯の状態データ入力:このボタンは好ましくは、操作者を歯の状態データ入力画面に移動させる。好ましくは、このボタンは、操作者が検査モードにある場合のみ有効である。
c.カルテ全体閲覧:このボタンは好ましくは、操作者をカルテ全体閲覧画面に移動させる。
d.歯の履歴閲覧:このボタンは好ましくは、操作者を歯の履歴閲覧画面に移動させる。
E.ナビゲーションボタン:
a.顔側/舌側切替ボタン:これらのボタンは好ましくは、歯のカルテおよび歯の状態データ表上に提示される顔側および舌側データの間で選択する。
b.歯の選択矢印:操作者はこれらのボタンを使用して、どの歯一式が歯のカルテにおいてハイライトされており、よって歯の状態データ表で表にされてもいるかを見ることができる。操作者は、歯上の位置、歯、または4分の1別に見ることできる。
F.履歴選択ボタン:このボタンは好ましくは、操作者を患者履歴選択画面に移動させる。これによって操作者は、どの過去の検査を歯のカルテに重ねるか、およびどの過去の検査を歯の履歴閲覧画面に表示するかを選択することができる。
G.本日&日付1〜3ボタン:これらのボタンは好ましくは、どのオーバーレイが現在歯のカルテ上でハイライトされているかを制御する。履歴は、履歴選択ボタンを通して選択される。日付1〜3は、3つ未満の履歴選択がある場合は適切に無効とされる。
H.戻るボタン:このボタンは操作者を患者記録画面に戻す。
【0118】
(歯の状態データ入力画面)
歯の状態データ入力画面を使用して、歯の状態表による患者にたいする歯の状態データを入力する。表示される全てのデータはインターネットデータベースから回収され、入力されるあらゆるデータはインターネットデータベースに格納される。図24は、歯の状態データ入力画面の概念図を示す。
【0119】
操作者には、歯の状態入力画面において下記のようなフィールドおよびオプションが表示される。
A.上から見た歯の図:これは好ましくは、歯の包括的な画像であり、操作者に選択されている現在の歯を見せるために使用される。
B.歯の名前:現在選択されている歯の文字名。
C.歯の注釈:このフィールドは好ましくは、この歯に対するこの患者について現在入力されている文字注釈を表示する。
a.標準注釈:一側面において、メモの入力用の6つのボタンがある。これらはオプション画面で定義することができる。
b.カスタム注釈:操作者は、キーボードダイアログへと移動させるカスタム注釈ボタンをクリックすることによって、カスタム注釈に入力することができる。
c.注釈消去:これは好ましくは、注釈フィールドを消去するために使用される。
D.歯の状態データ表:歯の状態表による、現在選択されている4分の1に対する表形式の歯の状態データ。
E.ナビゲーションボタン:
a.顔側/舌側切替ボタン:これらのボタンは好ましくは、歯のカルテおよび歯の状態データ表上に提示される顔側および舌側データの間で選択する。
b.歯の選択矢印:操作者はこれらのボタンを使用して、どの歯一式が歯のカルテにおいてハイライトされており、よって歯の状態データ表で表にされてもいるかを巡回することができる。操作者は、歯上の位置、歯、または4分の1別に巡回することできる。
F.戻るボタン:このボタンは好ましくは、操作者をカルテ画面に戻す。
【0120】
(ポケットの深さ測定画面)
ポケットの深さ測定画面は、歯周測定値の収集を容易にする。操作者は、前記始動装置を使用してポケットの深さ測定を始動し、自動的に次の歯へと進む自動化走査検査を行うことができる。操作者はまた、自動化検査の前、最中、または後のいずれかに、患者に対するデータを手動で入力することもできる。図25は、ポケットの深さ測定画面の概念図を示す。
【0121】
操作者には、ポケットの深さ測定画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.上から見た歯の図:これは好ましくは、歯の包括的な画像であり、操作者に選択されている現在の歯を見せるために使用される。
B.歯の名前:現在選択されている歯の文字名。
C.歯の状態:この静的文字列は好ましくは、現在選択されている歯が欠落しているかどうかを表示する。
D.歯の画像:これは好ましくは、現在の歯がハイライトされている口の画像である。この画像は好ましくは、検査中に操作者を導くのに役立つよう使用される。
E.ポケットの深さデータ表:この表は好ましくは、4分の1の8本の歯の一側面(顔/下)上の3つの位置(近心、中心、遠位)のそれぞれに対するポケットの深さ測定の結果を表示する。
F.オプションボタン:
・検査開始:このボタンは好ましくは、自動化走査順序を開始または停止するよう切り替える。開始する際には較正画面が表示され、これは好ましくは、前記装置の較正を通して操作者を導く。較正後、操作者は好ましくは自動化走査を行う。
・手動入力:このボタンは好ましくは、操作者をキーボード入力ダイアログに移動させる。ユーザーは現在の位置に対して手動で深さを入力することができる。これは、従来のプローブ測定値の入力を対象としており、好ましくは一単位(0〜9)のデータのみを許容する。
G.ナビゲーションボタン:
・顔側/舌側切替ボタン:これらのボタンは好ましくは、現在選択されている歯に対して歯の側面を変更する。
・歯の選択矢印:操作者はこれらのボタンを使用して、現在選択されている歯および位置を巡回することができる。操作者は、歯上の位置、歯、または4分の1別に巡回することできる。
H.戻るボタン:このボタンは好ましくは、操作者をカルテ画面に戻す。
【0122】
(較正画面)
前記超音波振動子を覆う使い捨て覆いは、各患者検査の前に取り替えられることを目的としている。製作公差による個々の覆いの差違は、水流および検査間の音響性能のわずかな差違の原因となる可能性がある。よって、装置の較正は好ましくは、データ収集セッションの間に行う。
【0123】
前記システムを較正する際に操作者を補助するために、前記アプリケーションは較正スクリーンを介して操作者に指示を提供する。好ましくは、この画面を使用して、新しいハンドピース202の取り付けおよび前記歯周システム200の較正を通して操作者を導く。過程は異なるステップに分けることができ、操作者は好ましくは較正ウィザードによってステップを通して導かれる。本発明の一側面におけるステップ間でナビゲートするためには、次および戻るボタンがある。図26は、較正画面の概念図を示す。
【0124】
本発明の一実施例において、較正過程における4つのステップがある。各ステップに対する支持画像が、手順表示フィールドに順に表示される。較正過程における前記ステップは下記のとおりである。
1.新しいハンドピース202の取り付け:このステップは好ましくは、操作者が滅菌包装からハンドピースを取り出すこと、およびそれを基本部に取り付ける方法を説明する。
2.較正器具へのハンドピースの設置:このステップは好ましくは、操作者に、構成を行うために前記装置本体上で前記ハンドピース202を設置する場所を示す。一側面において、ユーザーが次ボタンを押すと、前記装置が測定値を取り較正を行うという説明がある。
3.較正の実施:このステップは好ましくは、較正の結果を示す。好ましくは、較正が成功または不成功であったかについての記述がある。較正が不成功である場合、好ましくは考えられる問題および改善の説明がある。この場合、次ボタンはこのましくは無効であり、操作者は典型的に最後のステップへ戻って較正をやり直す必要がある。
4.較正完了:このステップは好ましくは、較正が終了し、操作者が較正において測定を行うことができることを示す。
【0125】
操作者には典型的に、較正画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.手順図:これは、較正ステップを説明するための画像用の表示である。
B.手順指示:好ましくは手順の各ステップに対する指示を有する文字情報。
C.次および戻るボタン:これらのボタンは好ましくは、較正ステップを通したナビゲーションを可能にする。
D.取り消しボタン:このボタンは好ましくは、操作者がすでに前記現在のハンドピース202に対する較正を行っている場合に較正を取り消すことができるようにする。
【0126】
(歯の履歴閲覧画面)
歯の履歴閲覧画面は、好ましくは操作者に現在および過去の受診データを含む特定の歯についてのデータを提示する報告画面である。この画面上で操作者は歯の間で変更を行うことができる。過去の受診は好ましくは、患者履歴選択画面上で選択されるものである。図27は、歯の履歴閲覧画面の概念図を示す。
【0127】
操作者には、歯の履歴閲覧画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.上から見た歯の図:好ましくは、これは歯の包括的な画像であり、操作者に選択されている現在の歯を見せるために使用される。
B.歯の名前:現在選択されている歯の文字名。
C.歯の注釈:このフィールドは好ましくは、現在および過去の受診に対して現在選択されている歯について入力される文字注釈を表示する。
D.歯の状態データ表:歯の状態表による、現在選択されている4分の1に対する表形式の歯の状態データ。
E.ナビゲーションボタン:
a.顔側/舌側切替ボタン:これらのボタンは好ましくは、現在選択されている歯に対して歯の側面を変更する。
b.歯の選択矢印:操作者はこれらのボタンを使用して、現在選択されている歯を巡回することができる。操作者は、歯上の位置、歯、または4分の1別に巡回することできる。
F.戻るボタン:このボタンは好ましくは、操作者をカルテ画面に戻す。
【0128】
(患者カルテ全体閲覧画面)
患者カルテ全体閲覧画面は、好ましくは歯周および歯の状態データを含む患者カルテ全体を閲覧するために操作者に提示する報告画面である。図28は、患者カルテ全体閲覧画面の概念図を示す。
【0129】
操作者には、患者カルテ全体閲覧画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.全カルテ:この画像は好ましくは、歯周の深さ計測値、歯の状態データ、および歯に対する深さのオーバーレイの図形描画(カルテ画面上の歯のカルテのものと同様)を含む患者カルテを表示する。本発明の一側面において、一度に上または下の歯のみが表示される。本側面において、ナビゲーションボタンを使用して各歯一式の間で切り替える。本発明のもう1つの側面において、同時に上および下の歯両方が表示される。
B.ナビゲーションボタン:
a.上/下ボタン:これらのボタンは好ましくは、上の歯および下の歯の表示の間で全カルテを切り替える。
C.戻るボタン:このボタンは好ましくは、操作者をカルテ画面に戻す。
【0130】
(履歴選択画面)
患者履歴選択画面によって、操作者は他の患者受診を選択することができる。好ましくは、これらの受診はカルテ画面上のオーバーレイとして、かつ歯の履歴閲覧画面で表示されるものである。図29は、患者履歴選択画面の概念図を示す。
【0131】
操作者には、患者履歴選択画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.患者受診履歴一覧:この一覧ボックスは好ましくは、現在選択されている患者に対する全ての受診の一覧を表示する。操作者は、フィールド内の個々の受診をクリックする。
B.データ履歴選択:この一覧ボックスは好ましくは、患者の受診履歴を素早く選択するためのオプションを含む。オプションには下記が含まれる。
・例えば、最初の3つの受診記録を選択する。本発明のその他の側面において、選択された受診の数はおおよそ3つにすることができる。
・例えば、最後の3つの受診記録を選択する。本発明のその他の側面において、選択された受診の数はおおよそ3つにすることができる。
・最後の受診を選択する。
・最初の受診を選択する。
・以前の検査のデータ範囲を選択する。
C.受診選択ボタン:患者受診履歴一覧で受診が選択されると、このボタンが好ましくは前記受診を履歴選択に加える。
D.受診選択解除ボタン:このボタンは好ましくは、患者受診履歴一覧内の現在選択されている受診を非選択状態にする。
E.全選択解除ボタン:このボタンは好ましくは、患者受診履歴一覧内の全ての選択されている受診を非選択状態にする。
F.戻るボタン:このボタンは好ましくは、操作者をカルテ画面に戻す。
【0132】
(ヘルプ画面)
この画面には、操作者がクリックしてトピック特有のヘルプを得ることができるトピックの一覧がある。表示される情報は好ましくは、前記装置についてのヘルプおよび歯周検査についての教材を含む。図30は、ヘルプ画面の概念図を示す。
【0133】
操作者には、ヘルプ画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.ヘルプのトピック:好ましくは、このツリー一覧は、操作者が選択することができる関心のトピックを表示する。
B.ヘルプ表示:このフィールドは好ましくは、トピックについての特定のヘルプを与えるテキストおよび画像の組み合わせを表示するために使用されるHTMLビューアーである。前記ヘルプは好ましくは、HTMLコードおよび画像として内部に格納される。前記フィールドはHTMLである必要はなく、あらゆる適切な言語を使用することができる。
C.戻るボタン:このボタンは好ましくは操作者を、操作者が最初にヘルプ画面を呼び出した場所である前の画面に戻す。
【0134】
(追加ダイアログ)
ダイアログは典型的に、データ入力のため、操作者に状態を告知/警告するための両方で、特定ユーザーインターフェースに使用される。ダイアログは概してモーダルであると考慮され、これは、いったん表示されると、警告に対して「OK」をクリックするなど、ユーザーが何らかの特定の措置を行ってダイアログを閉じるまで、プログラムが好ましくは継続できないことを意味する。
【0135】
(キーボードダイアログ)
このダイアログは好ましくは、文字および数字入力のために、プログラムを通して使用される。それは好ましくは、全ての10数字(0〜9)、文字、キャプスロックキー、および入力用の様々な特殊文字を含む。好ましくは、入力されるデータ、入力を受け入れるためのエンターボタン、および入力を取り消すための取り消しボタン用の表示部がある。
【0136】
(患者ダイアログの追加/編集)
これらのダイアログは好ましくは、操作者が新規または既存の患者についての情報を入力または編集できるようにする。入力できる情報は下記のとおりである。
・患者氏名
・歯科医院
・歯科医院患者ID
・生年月日
・性別
・住所
・患者の歯科および病歴
・家族歴
(エラーダイアログ)
このダイアログは好ましくは、プログラムにエラーがある場合に表示される。これは、操作者が前記エラーを修正するために行うことができる措置の説明を含む。
【0137】
(患者検索ダイアログ)
このダイアログは好ましくは、キーボードを含み、患者の氏名の最初の数文字を入力することによって、操作者が患者の一覧において患者を素早く見つける補助をするために表示される。
【0138】
(データ収集)
前記データ収集ハードウェアは、前記超音波振動子227、前記パルサー・受信部、および前記アナログ・デジタル変換器(A/Dカード)を含む。水流が好ましくはデータの記録用であるため、前記水制御電磁弁を制御する前記リレーも好ましくはデータ収集要素として考慮される。
【0139】
前記歯周システム200の操作者が前記ユーザーインターフェース装置(前記始動装置および前記タッチスクリーン205)を通して較正または臨床データ収集コマンドを入力すると、前記ユーザーインターフェースソフトウェアが好ましくは、それを前記データ収集ソフトウェア要素に送り、それが順に適切なコマンドを前記ハードウェアに出す。前記パルサー・受信部、A/Dカード、および電磁バルブリレーは好ましくは、前記パラレルポートを通して前記SBCによってそれらに送信される論理レベル信号によって始動または起動される。前記パルサー/受信部およびA/Dカードは好ましくは、同じパラレルポートチャネルに配線され、よって好ましくは同時に始動される。サンプリングされたデータは好ましくは、前記A/Dカード上のメモリから前記SBCメモリへと送られ、そこで前記A/DカードのPCIヘッダ上で前記歯周システム200ソフトウェアにアクセスすることができる。
【0140】
(データ収集および分析順序)
図31は、前記ソフトウェアによって制御されるデータ収集および分析事象の順序を図解する図である。この過程は好ましくは、操作者が前記指導装置を押すことによって走査を始める度に実行される。
【0141】
好ましくは、事象の前記データ収集順序は較正およびヒト使用中データ収集に対してほぼ同一である。操作者が前記始動機構を介してスキャンを開始すると、前記電磁弁リレーは好ましくは前記弁を開いて音響結合水流を開始する。好ましくは、流量安定化を可能にする休止の後、前記アプリケーションは前記データ収集ハードウェアにN音響信号を収集するように命令する。好ましくは、各測定収集は下記のように発生する。
・前記パルサー/受信部が始動され、好ましくは電気パルスで前記超音波振動子を「鳴らす」。
・前記超音波振動子が超音波を放出する。
・前記超音波振動子が返還音波エコーを電気信号に変換する。
・前記パルサー/受信部が前記振動子から信号を受信し、それを出力用に調整する。
・前記A/Dカード(好ましくは前記パルサー/受信部で始動される)がそのメモリに前記返還信号を記録する。
・N信号が記録されると、前記ソフトウェアアプリケーションは好ましくは、処理のために全ての信号をA/Dメモリからシステム(SBC)メモリへ転送する。
【0142】
好ましくは、全てのN信号がシステムメモリ内に入ると、それらは2度予備的処理をされる。第一にそれらは全て好ましくは、必要基準と比較され、無効信号は拒否される。第二に、残りに信号は好ましくは、互いと比較され、最高質信号が分析のために選択される。前記分析アルゴリズムは前記信号を処理し、データベースに格納される歯周ポケットの深さを見出す。
【0143】
前記較正収集順序はほぼ同一である。一度に全て転送されているN信号の代わりに、各信号は収集された直後に転送され処理される(図31に図示せず)。前記較正信号は好ましくは全て処理され、互いと比較されない。好ましくは、前記較正信号は処理され、振動子から前記ハンドピース先端の端までの距離を決定する。前記N信号からの平均先端距離は好ましくは、先端距離較正パラメータとして使用される。
【0144】
較正および測定収集の両方の場合において、データの収集および分析が成功すると、「成功」チャイムが好ましくは前記歯周システム200のスピーカから発せられる。エラーが発生すると、「不成功」チャイムが好ましくは鳴り、走査失敗の原因を示すメッセージが前記表示部に表示される。前記走査失敗の原因によっては、操作者は前記走査を繰り返すよう指示される。
【0145】
前記収集信号処理アルゴリズムは好ましくは、解剖学的構造から戻ってくる前記超音波エコーのデジタル表現を、0.1ミリメートルの分解能を有するミリメートル単位(0.0mm〜9.9mm)での歯周ポケットの深さの単一測定値に変換する。好ましくは、前記較正信号処理アルゴリズムは、較正対象から戻ってくる前記超音波エコーのデジタル表現を、0.1ミリメートルの分解能を有するミリメートル単位での前記振動子から前記ハンドピース先端の端までの距離の単一測定値に変換する。
【0146】
(自動データ入力)
歯周検査中に、操作者は典型的に、あらかじめ計画された測定ルートに従い、前記装置に指示されてデータを収集する。操作者は測定位置を飛ばしたり、またはポケットの深さ測定画面および前記始動装置上の制御を使用して以前に取得された測定値を再取得する。図32は、三位フットペダルが前記始動装置として使用されることを想定する、データ収集中の操作者のオプションの図である。操作者は前記左右フットペダルを使用し、かつポケットの深さ測定画面上の位置、歯、4分の1ナビゲーションボタンを使用することによって、所望の位置に進むことができる。本発明の一側面において、前記中央ペダルボタンを押すと走査を開始する。操作者は、ポケットの深さを手動で測定し、手動入力ボタンをしようしてデータベース内に深さを記録することを選択できる。操作者はヘルプボタンをクリックしてヘルプ領域に入力し、そしてポケットの深さ想定画面に戻ることができる。最後に、操作者は検査停止ボタンをクリックすることによって、検査を終了することを選択できる。
【0147】
(歯周システム200データベース)
前記歯周システム200によって使用または収集される全ての操作者、患者および受診情報は好ましくは、前記歯周システム200内に備わっている前記歯周システム200のデータベースに収容される。このデータベースは好ましくは、操作者および患者(氏名、住所など)ならびに臨床データ(歯周ポケットの深さ、歯の状態の注釈など)に対する両方の個人情報を収容する。前記歯周システムの200のデータベースは好ましくは、それぞれ下記に詳しく述べられる6つの異なる表を含む。
【0148】
前記歯周システム200のデータベースは電子個人識別可能健康情報(EPHI)を含むため、この情報を伝達する時にプライバシーおよび安全保障の法律が好ましくは考慮される。これらの問題の簡単な考察も下記に含まれる。
【0149】
(操作者表)
表4は、各操作者に対して前記歯周システム200データベースに格納される前記情報を要約する。OpID番号は好ましくは記録作成時に割り当てられ、好ましくは順次性である。好ましくは、全フィールドは図式的ユーザーインターフェースを通して変更されると自動的に更新される。好ましくは、新規操作者に歯周システム200を使用する承認が与えられるたびに、その情報が操作者表内の新規行の記録となる。OpDOBのデータの種類は日付/時間であるが、OpDOBの時間部分は典型的に前記アプリケーションにおいて決して入力またはアクセスされず、よって無視することができる。
【0150】
【表4】
(患者表)
表5は、各患者に対して前記歯周システム200データベースに好ましくは格納される前記情報を要約する。患者ID番号は好ましくは記録作成時に割り当てられ、好ましくは順次性である。好ましくは、全フィールドは図式的ユーザーインターフェースを通して変更されると自動的に更新される。例えばオプション患者ファイルIDフィールドを使用して、歯科医院の診療管理ソフトウェアから患者IDの番号を格納することができる。好ましくは、新規患者が初めて歯周システム200を使用して歯科医院によって検査されるたびに、その情報が患者表内の新規行の記録となる。典型的に患者DOBのデータの種類は日付/時間であり、患者DOBの時間部分は前記アプリケーションにおいて決して入力またはアクセスされず、よって無視することができる。
【0151】
【表5】
(受診表)
表6は、各患者受診に対して前記歯周システム200データベースに格納される前記情報を要約する。受診ID番号は好ましくは記録作成時に割り当てられ、好ましくは順次性である。好ましくは、全フィールドは図式的ユーザーインターフェースを通して変更されると自動的に更新される。受診日付ファイル名フィールドは好ましくは、受診に対する未加工歯周データを含むファイルへのディレクトリ・パスを含む。好ましくは、前記データは前記データベースに自ら格納されず、前記データベースが大きくなりすぎるのを防ぐ。好ましくは、歯周検査が開始されるたびに、結果として受診表における新規受診行の記録の作成が生じる。
【0152】
【表6】
(受診歯の状態表)
表7は、各受診に対して前記歯周システム200データベースに格納される前記歯の状態情報を要約する。データID番号は好ましくは記録作成時に割り当てられ、好ましくは順次性である。受診IDフィールドは好ましくは、前記歯の状態が記録された時の歯周検査の受診ID番号を含む。好ましくは、全フィールドは図式的ユーザーインターフェースを通して変更されると自動的に更新される。本発明の一側面において、フィールドT1CないしT32Cは、それぞれ0または1の値を有する5つのコンマ区切り数字をそれぞれ含む。各数字は好ましくは、特定の歯の状態の存在(1の値)または欠如(0の値)を参照する。本発明のこの側面において、前記5つの数字は順番に、欠落している歯、化膿、出血、可動性、および浮腫を参照する。本発明のもう1つの側面において、付加的な数字を割り当てて、かぶせもののある歯または再移植された歯を参照することができる。好ましくは、歯周検査が開始されるたびに、結果として歯の状態表における新規歯の状態行の記録の作成が生じる。
【0153】
【表7】
(受診深さ表)
表8は、各受診に対して前記歯周システム200のデータベースに格納される前記深さ測定情報を要約する。データID番号は好ましくは記録作成時に割り当てられ、好ましくは順次性である。受診IDフィールドは好ましくは、前記深さの測定値が記録された時の歯周検査の受診ID番号を含む。好ましくは、全フィールドは図式的ユーザーインターフェースを通して変更されると自動的に更新される。本発明の一側面において、フィールドT1DないしT32Dはそれぞれ24のコンマ区切り数字を含む。これらの24数字は好ましくは、歯の周りの6つの位置のそれぞれに対して、検査時に操作者によって測定または評価される4つの値を表す。前記4つの値は好ましくは順番に、歯周ポケットの深さ、化膿の程度、後退の程度、および状態を参照する。好ましくは、歯周検査が開始されるたびに、結果として深さの表における新規深さ行の記録の作成が生じる。本発明のもう1つの実施例において、測定値は歯の周りの6つの位置よりもむしろ、歯の間の歯間隙で取得される。この実施例において、前記数字は乳頭突起の後ろで取得される値を表し、歯周病による歯周組織(歯肉102、歯周靭帯103、126、および歯の間の骨の反射鏡)の悪化と関連している。さらに、付加的な数字を割り当てて、かぶせものがあったり、または再移植されている歯の測定値を記録することができる。
【0154】
【表8】
(歯の注釈表)
表9は、歯周受診中に記録される各歯の注釈に対して前記歯周システム200のデータベースに格納される前記情報を要約する。注釈ID番号は好ましくは記録作成時に割り当てられ、好ましくは順次性である。受診IDフィールドは好ましくは、前記歯の注釈が記録された時の歯周検査の受診ID番号を含む。TNumフィールドは好ましくは、前記注釈が作成された歯の番号を含む。好ましくは、全フィールドは図式的ユーザーインターフェースを通して変更されると自動的に更新される。好ましくは、前記注釈フィールドは単に、操作者によって記録される前記注釈を含む文字列である。好ましくは、歯周検査が開始されるたびに、結果として歯の注釈表における新規注釈行の記録の作成が生じる。
【0155】
【表9】
(HIPAA適合性)
好ましくは、前記歯周システム200は個人健康情報を収集、格納および伝達するため、HIPAA(医療保険の携行と責任に関する法律)に適合するべきである。これらの規定は、取られる措置が個人健康情報のプライバシーおよび安全保障を確保することを必要とする。その情報はまた、管理上の単純化を促進するために業界標準形式で承認された伝達に利用可能でなくてはならない。
【0156】
HIPAAに準拠するために、前記歯周システム200によって伝達されるあらゆる個人識別可能健康情報は、好ましくは暗号化される。典型的に暗号化は、臨床データのみを送信すること、および患者および操作者の生年月日、住所、および氏名などの個人識別子を省略することによって可能となる場合に制限されるべきである。データもまた、HEPAA基準に準拠する形式の伝達に利用可能とすることができる。これらの進化しつつある基準を満たすよう採用される方略には柔軟性が存在する。
【0157】
(外部インターフェース)
前記歯周システム200はインターネット上で外界と通信することができる。これは好ましくは、診療室内の各歯周システム200における前記データベースを同期させるために、オンラインソフトウェアアップグレードを可能にし、歯周データの報告書を印刷し、およびその他の活動を行うことである。下記の図33は、前記歯周システム200の外部通信に関与する主なソフトウェアおよびハードウェアコンポーネントを表す。
【0158】
好ましい通信方略は、各歯周システム200を個別に前記ポータルと、およびそれのみと通信させることである。前記インターネットポータルは好ましくは、各顧客の診療室に対して、全ての以前の測定済みデータおよび、その診療室由来である全ての記録済み患者受診および操作者情報を格納する中央データベースへのアクセスを有する。起動時および/または検査前に、前記歯周システム200は好ましくは、前記インターネットポータルからのそのローカルデータベースに対する更新を要求する。これは好ましくは、そのデータベースを前記インターネットポータル上の前記診療室中央データベースと同期させる。好ましくは、これよって、歯科医院でいずれの歯周システム200装置を使用しても患者は検査を受けることができる。これはまた好ましくは、過去に患者を検査するためにどの装置が使用されたかにかかわらず、操作者に全患者歯周情報へのアクセスを与える。好ましくは、いずれの歯科医院医療提供者も、前記インターネットポータルにログインすることによって、標準的なウェブブラウザから、その診療室由来である歯周報告書を閲覧または印刷することができるようになる。
【0159】
前記歯周システム200は好ましくは、カテゴリ5ケーブルであるイーサネット(登録商標)アダプタが組み込まれて標準となる。オプションの無線イーサネット(登録商標)アダプタも利用可能である。
【0160】
前記歯周システム200のソフトウェアアプリケーションは好ましくは、第三者インターフェースアプリケーションを介して前記インターネットポータルと通信する。このインターフェースアプリケーションおよび前記インターネットポータルは以下に説明する。
【0161】
(インターネットポータル)
前記インターネットポータルとの通信は好ましくは、ローカル(装置)および中央データベース間のデータベース情報(操作者、患者、および受診情報)の移動および同期化を調整する。これはまた好ましくは、使用およびアカウント情報およびソフトウェア更新の移動のための経路でもある。患者および操作者情報は、前記歯周システム200の装置に直接、またはウェブブラウザを通して個別装置による以後のダウンロードのために歯科医院の中心データベースに直接入力することができる。例えば、同じ情報を歯科医院の診療管理ソフトウェアアプリケーションに入力している間に、新規患者に対する情報をウェブブラウザおよび前記インターネットポータルを介して前記歯周システム200のデータベースに入力することは便利である。前記インターネットポータルを往復する全情報伝達は好ましくは、HIPAAプライバシーおよびセキュリティ規則に準拠して行われる。
【0162】
(インターネットポータルインターフェースアプリケーション)
前記インターネットポータルインターフェースアプリケーションは、前記歯周システム200のソフトウェアアプリケーションと前記インターネットポータルとの間の双方向通信を容易にする。それは好ましくはHTTP/XML基盤である。歯科医院の診療管理ソフトウェアパッケージと前記歯周システム200のデータベースとの間の調整は、もしあれば、前記ポータルインターフェースアプリケーションを介して行う。
【0163】
(具体例)
(ピーク検出)
ピークは、まず信号閾値を選択することによって検出された。選択された前記閾値は、波形値の90台パーセンタイル値であった。つまり、信号の10%のみが前記閾値よりも大きいレベルである。そして、波形の各値を両側の1表示波長までの値、つまり前後5ポイントと比較することによって極大を求めた。前記値が両側の値よりも大きかった場合は、極大と指定された。最後に、同じ範囲にわたって統合することによってピークの重要性を決定した。前記範囲の平均値が前記閾値よりも大きかった場合は、極大は有意ピークであると決定した。
【0164】
(ピーク判別)
先端の終点の後の最大有意ピークは、歯肉からの反射に相当すると決定された。測定範囲(0から10mm)内の最後の有意かつ一貫したピーク(つまりピークが反復走査の60%に存在する)は、ポケットの底のであると決定した(図39参照)。図示されていないが追加データが、歯肉線からセメント質−エナメル質接合部までの距離を確立する。よって、歯肉線からポケットの底までの距離から、歯肉線からセメント質−エナメル質接合部までの距離を引くことによって、付着損失を決定することができる。
【0165】
本発明の前述の説明は、図解および説明の目的で提示されている。これは網羅的としたり、または本発明を開示される正確な形に限定することを目的とせず、改良および変化は上記の教示を踏まえて可能であり、または本発明の実践より獲得することができる。図および説明は、本発明の実施例およびその実際の適用の原則を説明するために選ばれた。これは、その請求項および用語が、従来技術および適用法令によって許容される最も広い範囲で本発明を保護するよう解釈されることを目的とする。さらに、本発明の一側面に関連して解説される特徴は、上記に明記されていなくても、その他の実施例と連動して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】図1は、左の健康な歯および右の歯周病の歯を示す概略図である。
【図2】図2は、図1に図示される前記歯のより詳細な概略図である。
【図3】図3は、本発明の第一の実施例による歯周システムの斜視図である。
【図4】図4は、本発明の原則に従った他の歯周システムである。
【図5】図5は、本発明の一側面を図解するシステムの斜視図である。
【図6】図6は、本発明のもう1つの側面を図解するシステムの斜視図である。
【図7】図7は、本発明のもう1つの側面を図解するシステムの斜視図である。
【図8】図8は、本発明の第一の実施例による分解されたハンドピースの略図である。
【図9】図9は、図8に図示される組み立てられたハンドピースの略図である。
【図10】図10は、音響レンズを有する本発明の実施例の略図である。
【図11】図11は、フットペダル制御機器を有する本発明の実施例の機能配置である。
【図12】図12は、企業ポータルの使用を図解する本発明の実施例の略図である。
【図13】図13は、本発明の一実施例による分解されたハンドピースの略図である。
【図14】図14は、図13に図示される組み立てられたハンドピースの略図である。
【図15】図15は、本発明のソフトウェア設計の略図である。
【図16】図16は、本発明の実施例の動作モードを図解する流れ図である。
【図17】図17は、本発明の実施例の画面フローを図解する流れ図である。
【図18】図18は、本発明の実施例である、初期ログイン画面のスクリーンショットである。
【図19】図19は、本発明の実施例である、メイン画面のスクリーンショットである。
【図20】図20は、本発明の実施例である、アカウント画面のスクリーンショットである。
【図21】図21は、本発明の実施例である、オプション画面のスクリーンショットである。
【図22】図22は、本発明の実施例である、患者記録画面のスクリーンショットである。
【図23】図23は、本発明の実施例である、患者カルテ画面のスクリーンショットである。
【図24】図24は、本発明の実施例である、歯の状態データ入力画面のスクリーンショットである。
【図25】図25は、本発明の実施例である、ポケットの深さ測定画面のスクリーンショットである。
【図26】図26は、本発明の実施例である、較正画面のスクリーンショットである。
【図27】図27は、本発明の実施例である、歯の履歴閲覧画面のスクリーンショットである。
【図28】図28は、本発明の実施例である、患者カルテ全体閲覧画面のスクリーンショットである。
【図29】図29は、本発明の実施例である、患者履歴選択画面のスクリーンショットである。
【図30】図30は、本発明の実施例である、ヘルプ画面のスクリーンショットである。
【図31】図31は、データ収集および分析を図解するフローチャートである。
【図32】図32は、データ入力オペレータオプションを図解するフローチャートである。
【図33】図33は、外部インターフェース配置の略図である。
【図34】図34は、本発明の実施例のハンドピースのヘッドおよび先端部の略図である。
【図35】図35は、超音波計測値に対する流速の影響を図解する描画である。
【図36】図36はメキシカンハットウェーブレットを図解する描画である。
【図37】図37はMorletウェーブレットを図解する描画である。
【図38】図38は信号周波数に対するウェーブレット階級を図解する描画である。
【図39】図39はピーク判別を図解する描画である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して歯周医療の分野、具体的には歯周医療および一般歯科に対する超音波技術の適用を対象とする。
【背景技術】
【0002】
歯周病は口の重篤な感染であり、未治療のままだと歯を失うことに至る可能性があり、心臓発作、脳卒中、糖尿病、呼吸器系疾患、未熟/低体重児、および死にまで関連しており、それらの一因となることが疑われている。
【0003】
歯周病は1つのまたは多くの歯に影響を及ぼす可能性がある。それは、歯垢(全ての人の歯に常に生じる粘着性のある無色の膜)内の細菌によって歯肉が感染して炎症を起こすと始まる。
【0004】
前記疾患の最も軽症例である歯肉炎においては、歯肉が赤くなり、腫れて出血しやすい。通常、不快症状はほとんどないか、全くない。歯肉炎はしばしば、不十分な口腔衛生、特に歯間掃除の不足によって引き起こされる。歯肉炎は専門治療および家庭での適切な口腔ケアで改善することが可能である。
【0005】
未治療の歯肉炎は歯周炎へと進行する可能性がある。経時的に、歯垢は歯石へと固化し、歯肉線の下方で拡大および増大し、その歯肉線の下方は細菌の繁殖場所となる可能性がある。歯垢内の細菌によって産生される毒素は、歯肉および周辺組織を刺激し炎症を起こしつづける。感染がより重度になると、前記毒素は、本質的に体が自然に反応する慢性炎症反応を促進し、歯を支持する組織(靭帯)および骨が崩壊および破壊される。
【0006】
歯周軟組織(歯茎または歯肉および歯周靭帯)は歯から分離し、感染を起こす歯周ポケット(歯と歯周組織との間の空隙)を形成する。前記疾患が進行すると、ますます破壊性毒素が産生され、結果として、前記歯周ポケットが深くなってさらに歯周組織および骨が崩壊および破壊される。初期にはこの破壊過程は無症候性となる場合がある。最終的には、歯がゆるくなって失われる場合があるか、または抜かなければならない。ヒトの口の中では、単独または組み合わせのいずれかで、300以上の異なる種類の細菌が存在する可能性がある。有効な治療計画が開発されるまで歯周治療専門医が様々な抗生物質および治療法を試すため、歯周病は困難で、時間がかかり、費用のかかるものとなる。その他の重篤な感染症と同様に、適切な種類および量の抗生物質で早急に治療されないと、歯周炎は結果として他の多くの重篤な疾患に至り、致命的にさえなり得る重度の全身感染症になる可能性がある。患者の免疫機構がこの慢性でかつおそらく重篤である感染と戦うと、心臓病、脳卒中、および糖尿病などのその他の重篤な疾患が発症する可能性が生じる。
【0007】
歯周ポケットを検出および測定するために歯科医師および歯科衛生士によって利用される現在の手順は、歯と歯肉との間に挿入され、靭帯の抵抗に遭遇するまで手動で下に押される鋭い金属プローブから成る基本的手段であるそれによって靭帯の深さが測定され、存在するかもしれない歯周病の量の指標となり得る臨床的付着損失(靭帯の損失)の量を示す。この方法はしばしば患者にとって苦痛であり、かつ侵襲性、出血性、不正確および主観的である。各測定で同じ量の力を加えることが困難なために特に不正確および主観的であり、結果として測定における高い検査者内および検査者間変動が生じる。検査者は歯肉線の下方に存在する組織の種類、および前記プローブがこの組織に触れているか、または貫通しているかが分からないため、この困難が増加する。また、歯科医療従事者による患者の血液への暴露は、肝炎、HIV、およびその他の感染性疾患への暴露の危険性を増加させる。
【0008】
さらに、現在の手順は、レトロスペクティブ分析であり、かなりの量のすでに失われた組織を測定できるのみなので、その最初期段階で歯周病を診断するための手段としてその有効性において限定される。また、この方法は典型的に、実際に測定を行う検査者および測定を通常手書きする筆記者という、この検査を実施するために2人を必要とする。前記検査者は通常、歯科医師、歯科衛生士、または歯周治療専門医などの歯科衛生従事者である。前記筆記者もまた歯科衛生従事者でもよいが、事務助手などより技能の低い個人でもよい。歯科医師に直面するもう1つの問題は、情報の全てが通常何年にも及ぶ多数の紙(つまりアナログ)記録に含まれているため、患者の症状の長期的傾向を決定することが困難であるということである。結果として、通常最近の1つまたは2つの記録のみが現在の検査結果との比較のために再検討され、これらは患者の歯周状態の非常に漸進的な悪化を正確に反映するのに十分ではない場合がある。
【0009】
既存の手動プローブ手順の付加的な問題は、それが典型的に治癒過程にたいして破壊性となり得ることである。試行錯誤手法は新たに治癒した組織を引き裂く可能性があり、回復を数週間または数か月間延長させる可能性がある。さらに、細菌を傷または患者の血流内に許容する可能性があり、それが感染症(つまり菌血症)に至る可能性がある。実際に、ヒトの口の中では、単独または組み合わせのいずれかで、300以上の異なる種類の細菌が存在する可能性がある。有効な治療計画が開発されるまで歯周治療専門医が様々な抗生物質および治療法を試すため、歯周病はより困難で、時間がかかり、費用のかかるものとなる。
【0010】
図1は、左の健康な歯100および歯周病を有する右の歯106を比較する概略図である。前記健康歯100には、完全で健康な骨レベル104、健康な歯周靭帯103、および健康な歯茎/歯肉102がある。前記罹患歯106は、結果として歯周ポケット112の形成となる、歯茎/歯肉の損失116、歯周靭帯付着(臨床的付着損失)115および歯槽骨レベル114の吸収を示す。前記罹患歯106はまた、歯垢108および歯石110の集積も示す。歯周状態が診断および修正されないと、前記罹患歯106は失われる場合があるか、または抜かなければならない。
【0011】
図2は、図1に図示される前記歯100、106のより詳細な概略図である。前記歯100、106はエナメル質部分118および根部分120を有する。前記根部分120は、前記歯周靭帯126によって前記歯肉122に接続される。前記歯肉122の最上部は前記歯肉線124として知られる。図2に図示されるとおり、前記歯肉線124は後退している。場合によっては、前記歯肉122が刺激される場合があり、結果として浮腫によって隆起する前記歯肉線124が生じる。
【0012】
前記歯周靭帯126の最上部には、前記歯周靭帯126の上方境界130がある。前記歯周靭帯126の前記上方境界130と前記エナメル質部分118との間には、接合部上皮128がある。健康な歯100において、前記歯周靭帯126の前記上方境界130、前記接合部上皮128の底、および前記エナメル質部分120がセメント質―エナメル質接合部132において接触する。罹患した歯106において、歯石110および多形核白血球138は前記接合点上皮128および前記歯周靭帯126の中に広がり、歯周ポケット112を開ける。前記歯周ポケット112が前記歯肉線124と前記セメント質―エナメル質接合点132にあると、患者には歯肉炎として知られる症状がある。前記歯周ポケット112が前記セメント質―エナメル質接合点132の下方に伸びると、患者には歯周炎として知られる症状がある。また、前記歯周ポケット112の増大は不規則となり、結果として中間特徴136を生じる場合がある。
【0013】
しばしば、ポケットの深さの事前測定が前記歯肉線124に対して行われた。しかしながら、上述のとおりに、前記歯肉線124は後退または浮腫によって変化する場合がある。よって、ポケットの深さを測定する際の前記歯肉線(または歯肉の自由縁)124の利用は、ポケットの深さの不正確かつ大いに変化する大きさに至る場合がある。前記歯肉線124と対照的に、前記セメント質―エナメル質接合部132は不変のままである。よって、ポケットの深さを測定する際の前記セメント質―エナメル質接合点132は、経時的な測定のより良くより一貫した方法を提供し、好ましい。手動プロービングもまた、歯肉線の下方に歯石が存在しているのかどうか、およびどの歯においてかつ正確にはどこであるかを決定するために使用される。この方法は不正確となり得る。
【0014】
よって、参照として、前記歯肉線および前記セメント質―エナメル質接合部132の両方を使用することができる歯周付着損失を測定する無痛、非侵襲性、正確、および再現性のある方法を有することが望ましいであろう。歯肉線の下方に歯石が存在しているのかどうか、およびどの歯においてかつ正確にはどこであるかを決定するための正確な方法を有することも望ましいであろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、歯周病の指標である付着損失を検出および測定するためのシステムに関する。本発明は、歯肉線および歯のセメント質―エナメル質接合部の両方と歯周ポケットの底との間の差違深度を測定するための超音波技術を組み込む。歯と歯肉との間に鋭い金属プローブを挿入する必要のある従来の方法と対照的に、本発明は非侵襲性、無痛、無血、正確、迅速、客観的かつデジタル式のシステムおよび方法を提供する。
【0016】
本発明は、超音波振動子および音響レンズを有するハンドピースと、判別分析ソフトウェアであって、ウェーブレットアルゴリズムを備える判別ソフトウェアを有する制御器ユニットと、補充流体と、を備える、歯周病に関係する歯周組織破壊を検出し測定するためのシステムを提供する。
【0017】
本発明はまた、第一端に空洞および調整スロットを有する永久ハンドルと、前記永久ハンドルの前記第一端内の前記空洞に位置する超音波振動子と、補充流体と、使い捨てカバーとを備え、前記使い捨てカバーは、前記使い捨てカバーの内側に突起部を有し、前記突起部は、前記調整スロット内に収まるように構成される、歯周病に関係する歯周組織破壊を検出し測定するためのハンドピースも提供する。
【0018】
本発明はまた、連続湾曲ハンドルと、超音波振動子と、補充流体と、を備える、歯周病を検出および測定するためのハンドピースも提供する。
【0019】
本発明はまた、音波を伝播することができる流体で歯周ポケットを満たすステップと、歯周ポケット内に少なくとも1つの音波を伝達するステップと、歯周ポケットからの少なくとも1つの返還音波を感知するステップと、前記少なくとも1つの伝達音波が歯周ポケットを横切って戻ってくるのにかかる時間を測定することによって前記ポケットの深さを決定するステップと、を含む、歯周病を検出および測定する方法も提供する。
【0020】
本発明はまた、歯科医師または歯科衛生士に少なくとも1つの超音波歯周システムを提供するステップと、患者の受診ごとに前記歯科医師または歯科衛生士に課金するステップと、を含む、歯周検査を実施するための方法も提供する。
【0021】
本発明はまた、波形を処理するステップと、ピークを検出するステップと、ピークを判別するステップとを含み、前記判別分析アルゴリズムは連続ウェーブレット変換を使用する、超音波エコーを分析するための判別分析アルゴリズムも提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
歯周付着損失を検出および測定する従来の方法と対照的に、本発明による前記システムおよび方法は超音波技術を組み込む。前記システムおよび方法は、歯周病に関係する付着損失を診断、検出および評価し、デジタル歯科記録を作成し、一連の測定を介して治療を監視するための、無痛、非侵襲性、無血、極めて正確、客観的、自動、迅速、デジタル式かつ費用のかからない方法を歯科医師およびその患者に提供する。前記システムはアナログ測定を取り、アナログ超音波測定値をデジタルデータに変換し、歯周ポケットの深さ(好ましくは、歯肉線およびセメント質―エナメル質接合点の両方から歯周靭帯の上方境界までの距離)を算出する。本発明による前記方法によって、治療が容易で費用がかからず、体の免疫機構が弱くなり他の疾患の影響を受けやすい時であるその最初期段階で歯科医師は歯周病を検出することができる。また歯科医師は、清浄の前後に歯肉線の下方の歯表面に存在する歯石(つまり固化した歯垢)の存在についての定性的情報を提供することによって、患者の歯をより容易かつ効果的に清浄することもできる。また、前記方法は、検査者内および検査者間変動が本質的に排除されているため、本質的に検査者非依存性である。
【0023】
歯周病を診断する従来技術の方法と対照的に、本発明の前記歯周システムによって、歯科医は患者の現在の検査をデジタルオーバーレイし、それを患者の電子医療記録に含まれる以前の検査のうちいくつか、多く、または全てと容易にかつ直ちに比較することができる。本発明の前記歯周システムの付加的な利点には、その試験は1人だけで実施することができ(2人と比較して)、典型的に完了するのに約4分しかかからない(約10分と比較して)ことが含まれる。
【0024】
本発明の1つの好ましい実施例は図3に図示される。本実施例において、前記歯周システム200はハンドピース202および表示部/制御器ユニット204を含む(図4)。前記表示部/制御器ユニット204は、信号を制御、収集、および処理するための回路基板(図示せず)およびソフトウェア、データ格納部(図示せず)、信号結合器としてしようされる液体を保持するための液体容器236、少なくとも1つの液体流量接続部240、電気的接続部238、およびソフトウェアおよびデータ格納部を含む。前記表示部/制御器ユニット204は好ましくは小型であるが、大型タッチスクリーン205を含む。前記表示部/制御器ユニット204は独自の液体容器236を含むため、補充水のない場所で使用することができる。また、前記液体容器236は、図に図示されるとおりに前記表示部/制御器ユニット204の側面に位置する必要はない。例えば、表示部/制御器ユニット204の底面か背面に位置してもよい。さらに、本開示の目的上、「液体」という言葉はゲルを含む。
【0025】
前記ソフトウェアは高度判別分析アルゴリズムを含む。任意で、それは診断医学画像能力も含むことができる。前記歯周システム200は、前記歯肉線124の下方であり、かつ前記セメント質―エナメル質接合部132からの歯周靭帯126の前記上方境界130(つまり各歯の歯周ポケット112の深さ)を検出、定量化、および輪郭を描くと同時に、前記歯肉線124の上方または下方の歯石または歯垢110、108の有無に関する質的な情報も提供するために、超音波信号(つまりソナー波)を使用する。前記歯周システム200はアナログ超音波信号をデジタル信号に変換し、各歯106の前記ポケットの深さ112およびその経時的な変動をデジタル格納する。これは診断において、かつ歯周病の程度および重症度および治療計画の有効性の指標として歯科医を大いに補助する。好ましくは、検査全体は完全にコンピュータ化され、全患者情報は検査を実施する個人によってデジタル記録することができる。好ましくは、歯科医は各歯についての必須データを一度入力し(欠けている歯またはブリッジの位置など)、それは以後の全ての画面上に表示される。
【0026】
(アルゴリズム)
前記歯周システム200の前記判別分析アルゴリズムは、変換アルゴリズムを使用して前記振動子から受け取る超音波波形をポケットの深さの示度数に変換する。このアルゴリズムは、電気通信においてよく使用されている信号処理技術を使用し、低レベル信号を検出してそれらを背景雑音から分離する。
【0027】
前記アルゴリズムは、波形処理、ピーク検出、およびピーク判別という3つのステップにおいて実施される。
【0028】
(ウェーブレット変換)
一実施例において、連続ウェーブレット変換(CWT)をメキシカンハットウェーブレットを使用して未加工信号に対し行い、Ψs(x)は、
Ψ(x)=2πw−1/2[l−2π(x/w)2]e−π(x/w)^2
および
Ψs(x)=s−1/2Ψs(x/s)
であり、
・wは本発明の一側面において1.2に設定されるウェーブレットの幅であり、
・sは、3.5、4.21、5.26、6.58、および7.89という値に設定されるウェーブレットの階級である。
ウェーブレットの階級の幅は、10MHz振動子の周波数範囲を標的とするよう選ばれた。関数fの波形変換は下記に等しい。
【0029】
【化1】
(ウェーブレット選択)
ウェーブレットにおける1.5のみの「発振」で、Morletウェーブレット(図37)などのより発振を含むウェーブレットよりも良い時間分解能を提供するため、メキシカンハットウェーブレット(図36参照)が選ばれた。トレードオフは周波数分解能の低下である。本発明の本実施例にとって、時間分解能は典型的に周波数よりも重要であり、その範囲は振動子クリスタルの固有周波数によって固定される。
【0030】
CWTにおいて使用される多くの他のウェーブレットと異なり、メキシカンハットウェーブレットは虚数成分を有しない。よって、未加工信号に存在する異相周波数を決定するために、ウェーブレット変換はまた、メキシカンハットウェーブレットのヒルベルト変換によっても実施される。
【0031】
時間基準信号に対しヒルベルト変換を行うと、信号がπ/2位相シフトする。信号g(t)と仮定して、この信号のヒルベルト変換は下記のように定義される。
【0032】
【化2】
この定義を書くためのもう1つの方法は、ヒルベルト変換が信号g(t)との関数1/πtの畳み込みでもあると認識することである。2つの関数の畳み込みは、2つの関数のフーリエ変換の成果の逆フーリエ変換である。
【0033】
よって上記方程式を下記のように書くことができる。
【0034】
【化3】
1/πtのフーリエ変換は、
【0035】
【化4】
であり、
【0036】
【化5】
よって、メキシカンハットウェーブレットのヒルベルト変換を算出するために、まずウェーブレットのフーリエ変換を算出する。第二に、直流成分およびナイキスト周波数成分をゼロに設定する。そして正の調和を−jで掛け、負の調和を+jで掛ける。最後に結果に対して逆フーリエ関数を実行し、メキシカンハット波形のヒルベルト変換を得る(図36参照)。
【0037】
ランタイムにおける処理速度を増加させるために、ウェーブレット係数および変換済みウェーブレット係数が算出され、好ましくは定数としてアルゴリズムに符号化する。
【0038】
(階級選択)
ウェーブレット階級と信号周波数との間の関係を決定するために、既知の周波数を有する正弦波を分析して最高ウェーブレット振幅を生成した階級を決定した。最適階級は周波数と反比例する(図38)。
前記振動子の固有周波数帯内の階級の範囲を選択肢、対応する階級を決定した(表1参照)。
【0039】
【表1】
前記歯周システム200(図3)は、存在を効果的に検出し、割り付け、特徴付け、評価するためのデジタル画像および診断ツール、および歯周病の治療を監視するステップを含むことができる。好ましくはそれは、細菌を寄生させ、前記歯肉線124の下方の歯の表面に存在する歯の衛生状態を妨げる歯石(つまり固化した歯垢)110(図2)についての重要で有用な情報も提供する。
【0040】
使用の際、前記ハンドピース202(図9)は、歯周組織と前記歯100、106との間で歯肉上に一定して滴る、または静かに流れる水を向ける。一実施例において、それから歯科医師はフットペダルの3つのボタンのうち1つを使用して信号の各バーストを作動させる。これによって、歯科医師は各歯の顔側および舌側で3つの標準プローブを実施することができる。1つのボタンは次の位置へと前進させ、1つのボタンは信号を作動させ、必要ならば1つのボタンによって歯科医師は元に戻って最後の部分を検査することができる。歯科医師は、信号が適切に得られなかった場合に可聴音で、または信号が適切に受信されなかった場合に異なる音で通知される(前記ソフトウェアが異常示度数を認識する)。前記ハンドピース202の先端にある前記振動子227(図10、34参照)は、歯肉に塗布される抗菌または殺菌ゲル、または信号結合器として歯肉に垂らされる水(または抗菌剤または殺菌剤を含む溶液などのその他の液体)を使用して、前記歯肉線124の下方に(各歯100、106の表面に沿い、かつ前記歯周ポケット112内へと)超音波信号(つまりソナー波)を伝達する。信号はまた、信号結合器として前記歯肉線の下方の唾液も使用することができる。前記振動子227は、前記歯肉線124の下方の正常および/または異常解剖学的特徴との不調和に起因する対応エコーを捕らえる。各信号が往復するのにかかる時間が測定される。この測定から、反射を引き起こす前記特徴へと前記信号が移動した距離を決定することができる。この情報によって、前記システム200の高度判別分析アルゴリズムは医療従事者に、無痛、非侵襲性、極めて正確、迅速、自動、デジタル式かつ使いやすい方法を提供して、患者の歯周構造および前記歯肉線124の下方の各歯の表面上の真の状態についての重要な情報を提供することができる。
【0041】
本発明のその他の実施例において、前記表示部/制御器ユニット204(図3)は既存の補充水に直接接続することができる。任意で、回路基板は信号を一連の使いやすい画像に変換することができる。本発明の一側面において、前記表示部/制御器ユニット204は、タッチスクリーンよりはむしろキーボードおよびマウスを含む。本発明のもう1つの実施例において、前記システム300(図4)は制御器ユニット304を含む。表示部/制御器ユニット204と同様に、前記制御器ユニット304は、データ格納部(図示せず)、水容器236、水流接続部240、電気的接続部238、および信号を制御、収集、および処理するための回路基板(図示せず)を含む。表示部/制御器ユニット204と対照的に、制御器ユニット304は表示部を含まない。本発明の本実施例において、制御器ユニット304は医療従事者の既存のコンピュータモニタに接続される。前記接続は、USBポートを通してなど有線接続を通して、またはブルートゥースなど無線で達成することができる。
【0042】
前記コンピュータ内の組み込みたソフトウェアは、前記信号をアナログからデジタル形式に変換し、アルゴリズムを使用して歯周靭帯の前記上方境界の深さに相当するエコーを寸法(ミリメートル単位のポケットの深さ)へと解釈および変換して、前記歯肉線124の上方または下方で歯の表面上の歯石110の存在を検出するので、それをより容易かつ効果的に取り除くことができる。
【0043】
この表示部/制御器ユニット204は、前記ハンドピース202によって生成される前記アナログ情報を受け取り、前記データをデジタル形式に変換し、分析アルゴリズムを使用してそれを処理する。好ましくは、前記歯周システム200はまた、歯科画像ソフトウェアも含んで前記適用歯100、106の使いやすい画像を作成する(図5〜7の画面に示すとおりに)。前記画像は前記表示部/制御器ユニット204の大型カラータッチスクリーン上に表示することができる。歯科医が治療室においてもう1つの画面上で検査結果を閲覧したい場合は、前記表示部/制御器ユニット204が前記画像を無線または有線で歯科医の画面へと伝達する。歯科医は、前記表示部/制御器204ユニットの大型で使いやすいタッチスクリーン、またはキーパッドをしようして全患者情報を入力することができる。本発明のもう1つの側面において、歯科医は音声認識ソフトウェアを使用して全患者情報を入力することができる。さらに、前記システムは、その迅速接続/切断水および電気器具を使用して、治療室の間を容易かつ迅速に動かされる。
【0044】
好ましくはシステム200(図3)に含まれる前記ソフトウェアは好ましくは、前記表示部/制御器ユニット204に歯周測定206(図5)、結果の図表化208(図6)、および患者管理210(図7)を表示させる。一実施例において、前記ソフトウェアは周辺歯周組織とともに歯の画像を生成し、前記歯の前記画像上のデータを図解することができる。この方法で、医療従事者および患者は、歯周病の進行および/または治療、および/または歯肉線の下方の歯石の除去を視覚的に監視することができる。
【0045】
好ましくは、前記歯周システム200は、各患者を検査するまえに較正される。較正は、前記ソフトウェアを試験するステップ、前記ヘッドを較正するステップ、前記振動子を試験するステップ、および/または前記音響レンズを試験するステップを含むことができる。較正は、例えば前記ユニット204に組み込まれている既知の空洞の深さを測定することによって達成することができる。医療提供者の診療室における較正が不可能となるように前記歯周システム200が機能しなくなった場合は、前記システム200は任意で、供給業者からの新しいシステム200、またはその一部の要請を伝達することができる自動メッセージングを備えることができる。
【0046】
本発明の一実施例において、全ての検査は、歯科医または歯科衛生士がインターネットを介して第三者ウェブサイトに接続した後に実施される。このことによって、前記第三者は、前記歯周システム200が適切に較正されて各検査前に完璧に作動しており、歯科医のアカウントに検査費用が適切に課されていることを確認することができるようになる。患者情報は、前記第三者によってそのウェブサイトで維持されるHIPAA準拠集中バックアップデータベースに安全に格納することができる。本実施例において、歯科医は前記ウェブサイトへの制御されたアクセスができ、下記のことができるようになる。
・患者記録を見直す。
・アカウント情報を見直して更新する。
・使い捨て品目在庫および注文情報を見直して更新する。
・診療室内の前記システムの状態を見直す。
【0047】
図12に図示される本発明の一実施例において、前記第三者への接続は、企業ポータルソフトウェア500で達成される。本発明において、歯科記録はバックアップ目的で前記第三者サイトに格納することができる。さらに、歯科記録(そのデジタル画像も含む)はオンライン相談のために歯周専門家に転送することができる。歯周専門家は患者の症状を評価し、前記第三者または患者が受診している歯科医または歯科医師に直接、その評価および勧告を送信することができる。さらに、前記企業ソフトウェアは歯科医の活動を監視することができる。前記システムを使用して、どの歯科医が軽微な歯周の問題を治療することに成功し、どの歯科医がそうでないかを決定することができる。さらに、それを使用して、患者の症状の重症度により歯周治療専門医にかかるべき患者を治療している歯科医を識別することができる。また、前記歯周システム200用のソフトウェアは、更新が利用可能という通知があればユーザーによる要請による簡単なダウンロードを介して、またはサービス同意が整っていれば自動的にプロバイダによって、容易にアップグレードすることができる。なおもう1つの実施例において、前記歯科記録は暗号化することができる。
【0048】
前記システムによって、歯科医は(複数年よりの紙記録よりはむしろ)コンピュータ画面上で検査結果を患者に見せることができ、また試験のプリントアウトを提供することもできる。これによって患者は歯科医が話したことを確認し、治療計画の有効性を監視することができる。歯周病治療計画が機能していることを見ることができるようになるので、この能動患者関与が多くの患者が歯科医の指示に従う結果になることが予期される。それはまた、患者(およびその支払人)に歯周病の存在の客観的証拠および治療の必要性を提供する。このことが、「立ち去る人」(つまり歯科医または歯周状態の重症度を信じない患者)の数を減らすことが期待される。
【0049】
患者が現在歯周病を有していない場合、基線デジタルイメージをある期間にわたって撮られた画像と比較することによって、歯科医および患者の両方が歯周病が存在していないことを見ることができる。
【0050】
本発明の一実施例によれば、歯周検査者は初回検査中に患者の歯周ポケットの深さ112(図2)の基線を確立する。第一検査後、患者が新たな検査を受ける度に、以前の検査からのデータをデジタルで自動的に現在のデータと比較し、前記歯周システム200の歯科表示ソフトウェアで図解することができる。このことによって歯科医および患者は、現在の手動プローブ方法を使用して発見できない歯周ポケットの深さ112の比較的軽微な変化さえも識別することができる。これらの微変化は、改善している、悪化している、または未変化であるポケットの状態を反映する着色された傾向線で図解することができる。本発明の一側面において、約0.2〜0.5mmの変化を検出することができる。本発明のもう1つの側面において、約0.1〜0.2mmの変化を検出することができる。このことによって、歯周病がその最初期段階であり容易かつ費用をかけずに治療できる間に治療を開始することができる。
【0051】
前記歯周システム200は、患者、歯科医療従事者、および支払人に下記のような大きな利点を提供する。
・患者にとっては、前記検査は客観的、非侵襲性、無痛、無血および費用がかからない。
・歯科医にとっては、前記検査は迅速、正確、客観的およびデジタル式である。歯科医は患者および支払人に直ちに検査結果の紙または電子コピーを提供することができ、付加的な歯周検査および初期段階歯周病治療費から相当量の付加的診療収益を生むと期待される。治療が必要であるという証拠は、画面上で患者に見せ、支払人にEメール送信することができる。各患者のデジタル記録のバックアップコピーは、遠隔ウェブサイトにおいてHIPAA準拠方法で格納することができる。
・第三者支払人を含む支払人にとっては、前記検査は歯周病の存在および程度を正確に、客観的に、およびデジタルで確認することができる。ますます多くの歯科保険会社およびその他支払人が、治療が必要であったことを確認するために歯科医から患者の症状のデジタル証拠を要求している。
【0052】
歯周病が存在する場合、歯科医はその最初期段階で歯周病の種類および程度を直ちに正確に検出および診断し、予防的治療を処方し、その拡大、罹患歯106の損失およびその他の重篤な疾患の発症を防いで医療費を削減する継続的な疾患管理を実施することができる。デジタル化データを使用すること、および治療期間中に数か月ごとに撮られる画像を生成することによって、歯科医および患者の両方は治療計画の有効性を容易に確認することができる。
【0053】
この種類の予防歯科プログラムは、結果として患者にとってより良い歯科治療となる。実際、ほとんどの歯科医は、さらなる検査を実施し、より重篤な歯周病に発展して治療のために歯周治療専門医に紹介されていたであろう軽度歯周病患者を治療すると期待される。重篤な歯周病を現在有するそれらの患者は、なお歯周治療専門医に紹介されるであろう。
【0054】
前記歯周システム200は、歯と歯肉との間のすき間に鋭い金属プローブの繰り返される、しばしば苦痛を伴う挿入を必要とする、刺繍検査のために歯科医および歯科衛生士によって現在使用されている標準手動プローブおよびアナログ方法よりも、大幅に正確かつ詳細な情報を提供する。前記手動プローブおよびアナログ方法は非常に不正確で、患者の真の状態を1mm以上過大または過小評価する可能性がある。結果として、その極めて初期段階における歯周病を診断するための現在の手動プローブ方法の能力は非常に難しい。同じ歯科医でさえも、または同じ患者に歯周検査を実施する異なる歯科医も、優位に異なる測定値を導き出す可能性がある。このことは、いつも正確に同じ位置に設置されているわけではない前記プローブ、加えられる圧力の量、感染による肉芽組織の存在、歯科医または歯科衛生士の技能および経験、患者の動きなどを含む、多くの理由によって起こる。
【0055】
それに反して、その許容誤差はたった+/−0.1から0.5mmで最小変化を容易かつ直ちに認識し治療することができるため、前記歯周システム200の歯科画像技術は、歯周病のより正確で、一貫性があり、再現性のある測定および診断、およびその結果初期疾患治療の機会を提供する。好ましくは、前記許容誤差は0.1〜0.3mmである。より好ましくは、前記許容誤差は約0.1〜0.2mmである。
【0056】
診断に加えて、前記歯周システム200を使用して治療中の治癒の進行を監視することができる。本発明の前記システムおよび方法は非侵襲性であるため使用中に柔らかい治癒組織を引き裂いたりまたは分裂させたりしないので、治療中の治癒の進行の監視が可能である。このことは、結果として治癒組織を引き裂く可能性のある、前記歯106と歯肉102との間に鋭いプローブの挿入を必要とする歯周病の従来の測定方法と対照的である。
【0057】
本発明のもう1つの実施例において、前記歯周システム200を使用して歯周病の治療の補助をすることができる。本発明において、医薬品がユニットの液体容器236または前記ハンドピース202からの流体に加えられる。なおもう1つの実施例において、前記システムは、前記歯肉線124の下方の前記歯106の表面上の歯石110の存在を検出することができるので、それをより容易かつ効果的に取り除くことができる。さらに、歯石110の歯石110除去の完全性は、前記システム200の以降の使用によって監視することができる。
【0058】
本発明のもう1つの実施例によって、歯科医または歯科衛生士は、各歯においていくつの測定値を得たいかを決定することができる。本実施例は、収集および格納される大量のデジタルデータの取扱いを可能にするソフトウェアを含む。前記ソフトウェアによって歯科医は、診療室のコンピュータ上に患者のデータを得て格納することができる。本発明の一側面において、歯科医または歯科衛生士は連続モードで前記歯周システム200を操作することができる。このモードにおいて、始動させられると、前記ハンドピース202は自動的に定期的な間隔でパルスを繰り返して放出する。歯科検査者は歯の表面にわたって1つの歯間隙から隣接する歯間隙へと前記プローブ先端を通過させる。好ましくは、前記歯科は、歯の顔側表面に沿った第一連続走査および歯の舌側に沿った第二スキャンを実施する。この方法で、いくつかの代表点からデータを集めるだけよりも、前記ポケットの底の輪郭を生成することができる。本実施例で取られるデータ点の合計数は、前記振動子の周波数および歯科検査者が前記歯100、106にわたって前記ハンドピース202を引く速度に左右される。数十、数百、数千ものデータポイントを取ることができる。この方法で、前記歯周ポケット112の限局性疾患を検出することができる。本発明の一側面において、前記歯100、106の全ては、歯科医または歯科衛生士によって走査することができる。本発明のもう1つの側面において、歯周病を呈しているとして以前識別された前記歯106のみが連続モードにおいて走査され、残りの前記歯100は個別誘発パルスで走査される。本発明の本実施例のなおもう1つの側面において、口内の固定基準と組み合わせてジオポジショナル技術を使用し、前記歯周ポケット112の位置および輪郭を定義することの補助をすることができる。
【0059】
本発明のもう1つの実施例は、完全かつ非常に正確な示度数および患者の歯の全ての三次元画像を得ることができ、歯科医が歯科用X線を得る必要性を排除することもできる。
【0060】
本発明の1つの好ましい実施例は図8および9に図示される。本実施例は、直線ハンドル214を有するハンドピース202を提供する。前記ハンドル214の一端は、振動子(図示せず)を保持するように構成される空洞216を含む。空洞216に隣接するのは調整スロット218である。前記調整スロット218は、使い捨てカバー212内の突起部と結合する。前記調整スロット218および前記突起部の組み合わせは、新しい使い捨てカバー212を前記ハンドル214上に設置する場合の調整の信頼性を大いに向上させる。前記ハンドル214の中心部に位置するのは、第一円周スロット220である。本発明の一実施例において、前記第一円周スロット220はつる巻きバネを備える。使い捨てカバー212が前記ハンドル214上で定位置に押し込まれると、前記つる巻きバネは前記使い捨てカバー212の内側のスロットと結合し、スナップ式はめ合いを提供する。同様に前記ハンドル214の中心部に位置するのは、第二円周スロット222である。好ましくは、Oリングを前記第二円周スロット222を挿入して密封を提供する。前記使い捨てカバー212は、前記振動子および超音波が放出されるプローブ先端226を覆うヘッド部224を含む。本発明の一側面において、前記使い捨てカバー212は、一度使用したら前記使い捨てカバーを再使用できない安全機能を備えることができる。一側面において、前記使い捨てカバー212は通し番号などの識別特徴を含む。前記歯周システム200は、前記識別特徴を読み込み、前記使い捨てカバー212が既に使用されたかどうかを決定する感知装置を備えることができる。前記使い捨てカバー212が既に使用されている場合、前記歯周システム200は、新しい使い捨てカバー212が提供されるまで、さらなる検査の許可を拒むことができる。
【0061】
本発明のもう1つの実施例において、前記プローブ先端226は、歯の間の歯間隙にぴったりとはまるような大きさである。この間隙の位置は変化するので、歯周測定値を取るための固定基準点を提供する。前記プローブ先端226は乳頭突起の後ろに位置することができるため、前記ハンドピース202は特に有利である。この構造において、前記ハンドピース202を使用して歯周病による歯周組織(歯肉102、歯周靭帯103、126、および歯の間の骨の反射鏡)の悪化を測定することができる。
【0062】
本発明の他の実施例において、前記歯周システム200は、図13および14に図示されるハンドピース402を含む。本発明者らは、前記振動子227が前記プローブ先端426の近くに位置すると前記超音波プローブの性能が有意に向上することを認識している。他方では、疾患の拡大という懸念のために、患者の口に入る前記プローブのその部分を消毒する必要がある。本発明者らは、残念ながら、高圧蒸気殺菌法および化学洗浄などの全ての現在の消毒方法が前記ハンドピースの耐用年数およびその経時的な精度に悪影響を及ぼし、前記振動子227に損害を与える可能性があることを究明している。
【0063】
本発明は、本実施例の前記ハンドピース402を容易に取り外し可能なカバー412に取り付けることができることを見出している。この配置で、前記振動子227は、前記プローブ先端426の近くで、前記ハンドピース202の前記ヘッド424に位置することができる。本発明の一実施例における歯周検査の後、前記取り外し可能カバー412を取り外して捨てることができ、新しい取り外し可能カバーを前記ヘッド424の上側に設置することができる。本発明のなおもう1つの実施例において、前記取り外し可能カバー412は消毒後に再利用することができる。つまり、前記取り外し可能カバー412は前記ハンドピース202から取り外し、別に消毒し、前記ハンドル414に再び取り付けることができる。本発明のもう1つの側面において、前記ハンドピース202は、診療室の間で前記システムを迅速に動かすことを容易にする迅速接続/切断電気238および液体流量接続部240を使用して、前記表示部/制御器ユニット204(図3)に接続される。
【0064】
図10は、本発明のもう1つの実施例を図示する。本実施例において、前記ハンドピース202は音響レンズ228を含む。本発明者らは、音響レンズ228で前記振動子227からの前記音波の焦点を合わせることによって、前記ハンドピース202の性能を有意に向上させることができることを見出している。典型的に、前記振動子227は、前記ハンドピース202の前記プローブ先端226の出口部の面積よりもさらに広い面積を有する。音響レンズ228によって、前記プローブヘッド224が前記先端226に向かって狭くなるにつれて、前記振動子227からの前記音波の多くは前記プローブヘッド224の内壁に反射する。しかしながら、音響レンズ228によって、前記音波は前記プローブ先端226の前記出口部の大きさに対して焦点を合わせることができる。
【0065】
本発明のなおもう1つの実施例において、前記ハンドピース202の前記振動子227は、中間周波数で操作される。高周波音波がより高い分解能を生じる一方で、低周波音波はより高い浸透性を有することが知られている。典型的に、従来技術の超音波装置は、高浸透性が必要とされた場合に2〜5MHzの周波数で、およびより高い分解能が必要とされた場合に15〜20MHzで動作するよう設計されている。本発明の一側面において、本発明者らは、5から15MHzの間の周波数を使用する振動子227は高分解能および高浸透性の両方を生じることができることを見出している。本発明の1つの好ましい実施例において、前記振動子周波数は約10MHzである。
【0066】
(先端形状の決定)
(設計の制約)
前記先端226の形状は好ましくは、患者の安心および使用の容易さを確保するよう設計される。それはまた選択された振動子と互換性があるべきで、つまり関心領域内の前記振動子の焦点を設置する。
【0067】
(長さ)
本発明の一実施例において、一般的な長さは、医療従事者が前記プローブを適切に位置付けるために十分な空間を許容するが、なお医療従事者が角度位置を視覚的に決定するために十分な長さを提供するよう約10mmに決定された。指針としてのこの距離によって、適切な焦点距離(13.25mm)を有する利用可能な振動子が識別された。そして前記先端の最終的な長さを決定し、前記先端の端を約2mm越える前記焦点244を設置した。
【0068】
(直径および輪郭)
本実施例において、前記先端226の内径および輪郭は、超音波パルスのビーム直径から決定された。前記先端226は前記超音波ビーム242を取り囲むが侵入せず、前記パルスが前記先端226に反射されないことを保証する。よって、適切に調整される場合、前記先端は超音波エコー内で可視的であってはならない。図34は前記超音波ビームおよび前記先端形状を図示する。
【0069】
(水路の設計)
(設計の制約)
流速は患者の安心を確保するのに十分低いが、前記振動子および患者との間に適正な音響結合を適用するのに十分高くあるべきである。
【0070】
(平均流速)
理論的に、水の流速は瀦音波エコーの飛行計測の時間にごくわずかな影響を与えるべきである。発信パルスの速度が水の速度によって増加する一方、到来パルスの速度は同じ量によって減少する。しかしながら、乱流は信号の雑音またはひずみを引き起こす可能性があり、よって速度は好ましくは前記先端を通る層流(レイノルズ数<1,000)を確保するよう制限される。0.5inの最小先端直径で、最大層流速度は毎秒約3.1インチである。
v=(Reν)/d
であり、
vは流れの速度
Reはレイノルズ数(1,000)
νは水の運動学的粘性(1.01x10−5m2/s)
dは前記先端の最小内径(0.5in)
最大層流速度は毎分604mLである。
Q=vA
であり、
qは流速
vは流れの速度(3.1in/s)
Aは前記先端の断面積(0.196in2)
試験はまた、計測値に対する流速の影響を検証するためにも実施した。
本研究は、穴のない第二アルミニウム板の最上部に設置される1mm直径の円形貫通孔を含む呼び厚さ4.763mm(4.752mm測定)の平らなアルミニウム板からの反射に対する波形データを集めた。11.055mmの先端を有する浸漬振動子(Xactex、10MHz、焦点距離13.25mm、ビーム直径0.67mm)を使用した。データは、前記先端の端から約1mmに位置づけられた反射器で9つの個別流速で収集した。流速は、10mL Hamilton気密シリンジを有するHarvard Apparatus PHD 2000プログラム可能を使用して調整した。各流速に対して、3つの連続波形測定値を記録した。
【0071】
本研究の結果は図35に示される。流速は、前記平板までの距離の決定にほとんど影響を及ぼさなかった。しかしながら、前記穴から生成された信号は、5から7.5mL/minの間の計測値の変化とともに流量の変動を示した。このデータから、10から15mL/minの流量の目標範囲が選択された。この範囲は、範囲を通して一貫した計測値を提供し、音響結合に対して十分な流量を提供する。
【0072】
(流量波動)
好ましくは、前記歯周システム200は約30Hzの走行速度を有する隔膜ポンプを使用する。これは30msの繰り返し周期に等しい。好ましくは、走査全体のデータ収集時間は30us、またはポンプ周期の1/1000である。よって、隔膜が流速における観察できる波動を生成したとしても、流量は走査収集の持続時間中に安定するよう適度に想定することができる。
【0073】
(気泡の排除)
超微粒気泡を含む気泡は、信号の減衰を劇的に増加させ、信号強度を低下させる。流路は好ましくは、前記システムから気泡を流し出すことを容易にするよう設計される。空気が閉じ込められる可能性のある流路内の領域(つまり局所高点)は好ましくは最小限化される。また、前記水は好ましくは、前記ハンドピースの脱気上流である。これは、好ましくはPTEEフィルタの一側面上の真空発生器を引っ張ることによって達成される。水の表面張力は、液体がこのフィルタを通って流れることを防ぐが、空気およびその他の気体はそれを通って自由に流れることができる。
【0074】
本発明の好ましい実施例は、前記セメント質−エナメル質接合部132に対する前記歯肉線124(図2)を測定する完全非侵襲性方法、および前記セメント質−エナメル質接合部132から前記歯周ポケット112の底に伸びる前記歯周ポケット112の深さの決定を提供する。本実施例において、音波は前記歯肉線124から始まる前記歯106に沿って伝達される。返還エコーは前記判別分析アルゴリズムによって分析される。前記セメント質−エナメル質接合部132からのエコーはその位置を前記歯肉線124に対して固定する一方、前記歯周ポケット112の底からのエコーは前記歯周ポケット112の底の位置を前記歯肉線124に対して固定する。前記歯周ポケットの深さは、前記歯肉線124から前記ポケット112の底までの距離から、前記歯肉線124から前記セメント質−エナメル質接合部132までの距離を引くことによって決定される。対照的に、従来技術の超音波歯周装置は、侵襲性プローブを使用して前記セメント質−エナメル質接合部132を決定するか、または前記セメント質−エナメル質接合部132を完全に無視して前記歯周線124を通して前記歯周ポケット112を測定するかのいずれかであった。
【0075】
本発明の一側面において、前記返還パルスは増幅されて雑音から別のピークへと変換される。本発明の1つの好ましい実施例において、ウェーブレットアルゴリズムが変換過程において使用される。本発明のなおもう1つの実施例において、判別分析アルゴリズムを使用して様々なピークの識別を決定することに役立てる。なおもう1つの実施例において、ウェーブレットおよび判別両方の分析アルゴリズムが使用される。
【0076】
一実施例において、前記表示部/制御器ユニット204(図3)は一連の可聴音および/または視覚信号を提供して検査を通して歯科医を導くことによって、歯科医が次の歯100、106に進むか、または画像が適切に撮られなかった場合に最後の歯に戻って再検査できるようにする。これらの信号はまた、歯科医に重大な歯周病、または注意または治療を必要とするその他の症状を示す可能性のある異常に深い歯周ポケット112の存在を警告することができる。
【0077】
前記表示部/制御器ユニット204は完全内蔵型であり、信号を部屋の外に伝達できなくても自らの画面上に必要な画像を提供する。また、患者情報を再入力しなくてもいいように、患者情報の全ては無線でまたはケーブル接続を介して歯科医の診療室のコンピュータへ送信することができる。
【0078】
本発明のもう1つの実施例において、前記ハンドピース202は使い捨てカバー212を含む。前記使い捨てハンドピースカバー212は、データ入力目的のために前記システムのタッチスクリーン上で使用することができる使い捨てスタイラスペン、患者検査の間に前記ハンドピースを拭き取るための滅菌ポーチ内のアルコールをしませたガーゼパッド、および飛散の場合における前記タッチスクリーン用の透明使い捨てプラスチックカバーも含む滅菌不正開封防止包装の中に含まれる。前記包装、全ディスポ、および技術(全改強化を含む)は、検査費用の支払を考慮して無償で歯科医に提供することができる。
【0079】
図11は、本発明のなおもう1つの実施例を図示する。前記歯周システム200の本実施例は、ハンドピース202および表示部/制御器ユニット204を含む。本実施例は始動装置229をさらに含む。本実施例において、前記始動装置229は、3つのフットペダル230、232、234を含む。前記始動装置229は前記振動子227(図10)を作動して流体の流れを起こす。もう1つの実施例において、前記始動装置229は前記ハンドピース204上にある。もう1つの実施例において、前記始動装置229は音声起動を可能にするソフトウェアを含む。
【0080】
下記は、前記死集システム200のソフトウェアの様々な特徴を要約および解説する(図11)。この概要は、前記ソフトウェアが下記を行う方法を解説する。
・前記装置の電子部品を制御する
・エンドユーザーと連動する
・音響信号の起動および受信、および歯周ポケットの深さのその後の算出を含むデータ収集アルゴリズムを実行する
・収集されたデータを表示する
・患者情報を格納し保護する
・前記装置を較正する
・外部装置と通信する
前記歯周システム200は、患者の歯周状態の測定において使用される超音波プローブシステムである。前記歯周システム200は、手持ち式プローブ202、始動機構および小型表示部/制御器ユニット204から成る。前記プローブ202は、超音波パルスを水またはその他の液体(典型的に音響結合に必要な)の流れを通して患者の前記歯周ポケット112の中に伝達し、前記歯周ポケット112内の解剖学的特徴との超音波の不調和に起因するエコーを捕らえる。前記表示部/制御器ユニット204内で作動する埋め込みソフトウェアは、分析アルゴリズムを使用して、音響エコーを歯周靭帯130の外側境界の深さ(ミリメートル単位のポケットの深さなど)と相関させる。
【0081】
前記ソフトウェアアプリケーションは好ましくは、前記表示部/制御器ユニット204上で作動する組み込みオペレーティングシステムに対応される。前記ソフトウェアアプリケーションは、前記歯周システム200を制御する。制御機能には下記が含まれる。
・外部始動機構(フットペダル230、232、234など)からのトリガー信号を受け取り次第、外部ハードウェアに信号を送信して超音波パルスを放出すること
・前記手持ち式プローブ202への水量を制御すること
・デジタル化電気信号として超音波エコーを収集すること
・前記ポケットの深さの算出を行うこと
・走査の間に、必要に応じて前記歯周システム200の較正をすること
・走査の終わりおよび新規走査を行う準備を意味し、ユーザーに可聴指示を提供すること
・タッチスクリーンおよびLCD表示部205を駆動すること
・前記始動機構を介してユーザー入力に反応すること
・患者および患者データベースにおいて行われた全検査に関してデータを格納すること
・外部ビデオ表示ユニットを駆動することができる
・ソフトウェアのアップグレードを受信することができる
・患者データを伝達および受信するためのネットワーク通信に対応すること
・遠隔インターネットポータルに通信すること
図15は、前記歯周システム200の機能配置の実施例を図示する。表2は、前記歯周システム200のソフトウェアアプリケーションと連動する主な部品および外部システムの一覧を含み、前記装置におけるその主な機能を示す。
【0082】
【表2】
(ソフトウェア環境)
(オペレーティングシステム)
本発明の1つの好ましい実施例において、前記歯周システム200は、Windows(登録商標) XPプロフェショナル・オペレーティングシステムの部品化型であるWindows(登録商標) XP内蔵型(XPe)オペレーティングシステムを使用して動作するマイクロプロセッサを含む。前記部品化によって、前記歯周システム200の前記オペレーティングシステムは、前記死集システム200の操作に必要なWindows(登録商標) XPの機能のみ、およびそうでないものの除外を含むようカスタマイズすることができる。
【0083】
(ソフトウェア開発ツール)
前記アプリケーションは好ましくは、MicrosoftのVisual Studio 6.0 IDE(一体型開発環境)を使用してC++コーディング言語で書き込まれるオブジェクト指向Windows(登録商標)アプリケーションである。しかし前記アプリケーションは、他のコンピュータ言語を使用し、かつ他のツールで実行することもできる。グラフィックツール、前記A/Dカード用デバイスドライバプログラム、前記タッチスクリーン制御電子回路、前記始動装置を含むソフトウェアモジュール、および音声スピーカは好ましくは、前記アプリケーションに含まれるか、または動的リンクライブラリ(DLL)ファイルを介して前記アプリケーションによってアクセスされる。
【0084】
(ハードウェア環境)
(シングルボード・コンピュータおよびプロセッサ)
前記歯周システム200のソフトウェアアプリケーションは好ましくは、前記インターフェースハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントの全てに対応して含むシングルボード・コンピュータ上で動作する。このコンピュータは好ましくは、VIA Technologies,IncのTwister−Tチップセット(VT8606およびVT82C686Bチップ)を有する1−GHz VIA EdenTM ESP 10000プロセッサを有する。さらに、それは好ましくは、256MBのRAM、キーボードおよびマウス用の接続、陰極線管(CRT)および液晶表示部(LCD)ビデオインターフェース接続、4つのユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート、2つのイーサネット(登録商標)ポート、1つのパラレル/フロッピー(登録商標)ポート、1つの汎用入出力(GPIO)ポート、および4つのシリアルポートを有する。それは、PC/104およびPC104+インターフェース、およびコンパクトフラッシュ(登録商標)アダプタを有する。その他の組み合わせの入出力接続もまた可能で、本発明の範囲内である。
【0085】
(タッチスクリーン制御器)
LCDの正面に搭載される4線式抵抗接触感受性タッチスクリーンは、前記歯周システム200のソフトウェアとの操作者の相互作用にとって好ましい方法である。前記タッチスクリーンは好ましくは、ワンタッチマウスと同じ方法で使用される。制御器盤は好ましくは、前記タッチスクリーンから到来するアナログ信号をXおよびY座標および選択事象に変換し、USBインターフェース上でこのデータを前記コンピュータに通信する。ドライバソフトウェアは典型的に、前記制御器盤の操作を必要とする。このドライバアプリケーションは好ましくは、最初にLCDのXおよびY座標をタッチスクリーンのXおよびY座標と相関させて、2つの基準座標系の間の不均衡を計上するタッチスクリーン較正ソフトウェアを含む。一実施例において、前記ドライバアプリケーションは前記歯周システム200のソフトウェアアプリケーションの一部ではなく、前記オペレーティングシステムによって使用され、それが前記制御器盤から到来するマウス様入力を受信して使用できるようにする。前記タッチスクリーンは好ましくは、前記装置がユーザーに納品される前に較正される。通常状況下では、ユーザーは前記タッチスクリーンを較正しない。
【0086】
(始動装置)
前記歯周システム200はこのましくは、始動装置によって、患者検査中に操作者によって制御される。前記始動装置はコマンドを前記歯周システム200に送信し、取得を開始するか、または次の歯の位置へと移動する。前記始動装置によって与えられるコマンドは好ましくは、一意のキーボード配列に割り当てられ、前記オペレーティングシステムが特定のキーボード配列として前記始動装置から受け取られる各種類のコマンドを解釈することを意味する。前記歯周システム200のソフトウェアアプリケーションはこれらのキーボード配列(前記始動装置によって生成される)を待ち、各報告された配列に応じて特定措置をとる。前記キーボード始動装置の割り当ては表3で下記に示される。
【0087】
急速プロトタイプおよび試験中歯周システム200用の前記始動装置は好ましくは、USBインターフェースを通して前記歯周装置200のマイクロプロセッサに接続される三位フットペダルである。例えば、Windows(登録商標)用の豊富なSavant USBドライバを使用して、前記オペレーティングシステムと前記フットペダルとの間のUSB通信を調整することもできる。前記始動装置はまた、前記ハンドピースのボタンを使用し、または音声認識ソフトウェアを使用して起動することができる。
【0088】
【表3】
(入出力)
好ましくは、前記ソフトウェアアプリケーションは、前記表示部/制御器204のパラレルポートを介して、水制御電磁弁、前記パルサー/受信部、および前記A/Dカードといった3つの部品と連動する。好ましくは、3つ全ては、それらが接続されている前記パラレルポートチャネルからデジタルHIGH信号を受信するときに始動される。典型的に、前記パラレルポートは、前記データ収集ソフトウェアが前記オペレータインターフェースからの適切なコマンドを受信するときに、これらの信号を送信するよう指示される。パラレルポートソフトウェアモジュールは、前記歯周システム200のソフトウェアアプリケーションに書き込まれ、このインターフェースを構成して使用するために必要な機能を実行することができる。前記パルサー/受信部およびA/Dカードは、同じパラレルポートチャネルによって起動される。
【0089】
前記電磁弁が開くと、水は好ましくは、前記歯周システム200のハンドピース202へと前記弁を通過する。前記パルサー/受信部は好ましくは、負電圧パルスを、パルスを音響エネルギーに変換する前記超音波振動子227に送信する。そして前記振動子227は、それに戻ってくる音響エコーを受信し、前記パルサー/受信部に送り返されて前記A/Dボードにサンプリングされる電気信号に変換する。
【0090】
(アナログ/デジタルボード)
好ましくは、前記アナログ/デジタル(A/D)ボードは、前記歯周システム200のマイクロプロセッサ上のPCIバス上で通信する。前記歯周システム200のソフトウェアアプリケーションは好ましくは、このボードからのデータを初期化し、始動し、回収するために必要なドライバ機能および可変物の全てを含むソフトウェアモジュールを含む。このモジュールに含まれる前記機能は好ましくは、前記ボードの製造業者によって供給される。本発明の一側面において、前記返還エコー波形の12ビットデジタルサンプルは、毎秒100メガサンプルの速度で収集される。その他の側面において、前記デジタルサンプルはおおむね12ビットを備えることができる。なおその他の側面において、前記サンプル速度はおおむね毎秒100メガサンプルにすることができる。
【0091】
(フラットパネル表示部)
前記半透過型TFT LCDフラットパネル表示部は好ましくは、操作すべき付加的なソフトウェアおよびドライバを必要とせず、前記オペレーティングシステムに常駐するドライバによって制御される。好ましくは、前記BIOSはLCDおよび外部CRTモニタの両方に対応するよう構成される。前記LCD接続は好ましくは、前記歯周システム200の内部にある一方、外部CRTへの接続は前記装置の後部に備えることができる。
【0092】
(音声スピーカ)
前記音声スピーカは好ましくは、前記オペレーティングシステムに常駐するドライバによって対応される。選択された音声ファイル(.WAVなど)を再生するためのソフトウェアコマンドは好ましくは、プラットフォーム(Windows(登録商標) XP内蔵)機能を使用して出される。
【0093】
(コンパクトフラッシュ(登録商標))
好ましくは、前記コンパクトフラッシュ(登録商標)カードは、前記歯周システム200の格納媒体として機能する。好ましくは、それは前記オペレーティングシステム(XPe)、前記歯周システム200ソフトウェアアプリケーション、および患者記録のデータベースを含む。前記オペレーティングシステムは、前記コンパクトフラッシュ(登録商標)カードから起動するよう構成される。好ましくは、前記コンパクトフラッシュ(登録商標)カードは、II型、1GBサイズ、および固体媒体として初期化されている。しかしながら、あらゆる適切な型およびサイズを使用することができる。
【0094】
(外部ネットワークインターフェース)
好ましくは、前記歯周システム200は、有線(イーサネット(登録商標))または無線(802.11x)接続を通して外部装置と通信することができる。好ましくは、前記イーサネット(登録商標)ハードウェアは前記コンピュータに組み入れられ、ドライバは製造業者によって供給される。前記無線ハードウェアは、前記コンピュータに加えることができるオプションモジュールである。前記無線イーサネット(登録商標)モジュールの製造元または型は、本発明に極めて重要ではない。
【0095】
図15は、前記ソフトウェアアプリケーションの4つの主なタスクの図式概要を提供する。これらは、前記オペレータインターフェース、データ収集および較正、患者情報のデータベースおよびデータの維持、および外部インターフェースを含む。
【0096】
前記オペレータインターフェースは前記アプリケーションの基幹を形成し、前記アプリケーションのその他全ての機能は好ましくはこのインターフェースを通して受け取られるコマンドから制御される。操作者は接触感受性画面および始動装置を通してコマンドまたはデータを入力し、一連のインターフェース画面を介して情報を再度受け取ることができる。操作者はまた、前記音声スピーカを介して音声フィードバックを受けることもできる。
【0097】
データの収集および分析を制御するソフトウェア要素は典型的に、前記オペレータインターフェースから指示を受け取り、それらのタスクを行うための必要なソフトウェアおよびハードウェア手順を実行する。同様に、これらの要素はまた、前記データ収集システムの較正のタスクも制御することができる。
【0098】
好ましくは、患者データは、前記アプリケーションによって作成および維持されるデータベースに格納される。このアプリケーションは好ましくは、患者データの入力、修正、および保護を制御する。
【0099】
外部インターフェースソフトウェアは、前記始動装置または外部モニタなどの外部装置を有するUSBおよびイーサネット(登録商標)ポート上での通信に好ましい。好ましくは、前記外部ソフトウェアは、歯周データを格納または回収することができるウェブ基盤格納と通信する能力を作成する。最終的に、それは好ましくは、1つの歯周システム200から歯科医の診療室内のもう1つのシステムへ、および通信の安全な回線上で外部コンピュータを往復して患者データおよび情報を渡すことを可能にする。
【0100】
検査の実施の典型的な過程は図16に示される。操作者は典型的に、ログイン画面を通して前記装置にログインする。そして前記操作者は前記患者データベースから既存の患者を読み込むか、またはそれから前記患者データベースに格納される新規患者を作成することができる。この時点で、操作者が新規受診を作成する場合は、検査モードにおいて機能しており、検査を行って歯の状態データに入力することができる。このモードの使用法は好ましくは、企業会計目的に対する使用法と考慮される。好ましくは、操作者が既存の患者受診を単に閲覧する場合は、レビューモードで機能しており、患者データおよび患者の歯周および歯の状態データ上の標準報告書を閲覧することができる。
【0101】
(図式的ユーザーインターフェース画面)
前記オペレータインターフェースは、図17に示されるとおり、特定機能を有するいくつかの画面から成る。市販のソフトウェアライブラリを使用して、ダイアログボックスおよびオペレータインターフェース画面の外観を図式的に強化することができる。
【0102】
前記アプリケーションへの入り口は好ましくは、操作者がパスワードを使用してログインすることを可能にするログイン画面を通す。ログインすると、操作者は、アカウント画面を通してアカウント情報を閲覧し、操作者画面で優先を設定し、または患者記録画面を通して患者情報を見直すことができるメイン画面にある。この画面によって操作者は、現在の患者を選択して読み込むか、または新規患者を作成することができる。
【0103】
患者が読み込まれると、操作者はカルテ画面を通して記録を閲覧または編集することができる。前記カルテ画面は、ポケットの深さ、および患者履歴選択画面を通して選択されるあらゆるオーバーレイを含む歯の状態データを含む患者についての情報を示す。操作者は、歯の状態データ入力画面を通して患者に対する歯の状態データを編集することができるか、またはポケットの深さ測定画面を通して歯周検査を行うことができる。操作者は、全カルテ閲覧画面および歯の履歴閲覧画面を通して患者についての報告書を閲覧することができる。
【0104】
(共通画面情報)
カルテ画面、歯の状態データ入力画面、ポケットの深さ測定画面、全カルテ閲覧画面、歯の履歴閲覧画面は好ましくは、画面の上端および下端に下記のようなフィールドを有する。
・操作者氏名の文字列。
・患者氏名の文字列。
・新規受診であれば現在の日付および時間である、現在読み込まれた受診の日付および時間。
・画面上の事象に対して状況情報で操作者に指示をするために使用される、状況の文字列
・ステータスバーにおいて毎分1回更新される、現在の日付および時間
・操作者をヘルプ画面に誘導し、画面用のヘルプのトピックス索引の関連したセクションをロードするためのヘルプボタン
(歯の状態の表)
好ましくは、いくつかの画面は表形式で表される歯の状態データを有するカルテを含む。一実施例において、サイズ制限により、および読みやすさを最大限にするために、カルテは一度に8本の歯のみからのデータを提示する(口の4分の1)。本発明のその他の実施例において、最大で歯の全てを含む、あらゆる数の歯を提示することができる。例えば、歯科医は歯周病のある1本の歯、または罹患した歯のそれぞれの側の1本または2本の歯(それぞれ合計3本または5本の歯)の閲覧を選択することができる。
【0105】
特定のデータが好ましくは、歯の各位置に対して表示される。前記位置は下記のように示すことができる。
・Dは歯の遠位側の位置
・Mは歯の近心側の位置
・Cは歯の中心位置(つまり近心と遠位位置との間)
本発明のその他の側面において、データを歯間隙においてとり、Iとして示すことができる。
【0106】
好ましくは、歯の側面(および歯間隙内)の前記3つの位置のそれぞれに対して表示されるデータは下記のとおりである。
・ポケットの深さ(0.0〜9.9)
・分岐(0〜3)
・後退(0〜3、またはオプション画面で決定されるMiller分類を使用する)
各歯に対して表示される歯の状態データは下記を含むことができる。
・化膿(ありはS、なしは空白)
・可動性(0〜3)
・浮腫(0〜3)
・欠落(ありは欠落、なしは空白)
(ログイン画面)
この画面は好ましくは、前記装置に電源を入れた時の初期画面である。好ましくは、この画面が提示される時は、前記装置にログインするか、または前記装置をシャットダウン(電源を切る)する以外は、前記装置のその他の画面または機能は起動されない。ログインボタンをクリックすると、操作者はログインして前記装置を使用し始めることができる。この方法で、取り入れられたあらゆるデータは操作者と関連している。好ましくは、操作者が検査を終了すると、メイン画面から前記装置のログオフをするべきである。そうすると、この画面が好ましくは唯一の目に見える画面となる。本発明の一側面において、前記装置が設定可能な時間の間稼働していない場合、この画面が再び稼働となる。ログインは、患者の医療記録に対する一層のセキュリティを提供する。図18は、ログイン画面の概念図を示す。
【0107】
操作者には、ログイン画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.ログインボタン:このボタンは、個人が前記装置にログインできるようにするキーボードダイアログを開く。個人は選択可能な操作者の1人として、かつその操作者のパスワードでしかログインできない。常に「管理者」が利用できるログインがあり、その個人がログインすると、特別な機能を使用することができる(例えば、アカウント画面で新規操作者の追加を選ぶことができる)。
B.シャットダウンボタン:このボタンによって、操作者は前記システムの「ソフト」シャットダウンをすることができる。これは、前記歯周システム200装置をシャットダウンするための好ましい方法である。
C.歯周システム200画像:この画像は、前記装置およびPIIロゴを表示するために利用可能である。
【0108】
(メイン画面)
メイン画面は好ましくは、前記歯周システム200装置の機能への入り口として使用される。この画面上で、操作者は前記装置のログアウトまたはシャットダウンをすることもできる。図19は、メイン画面の概念図を示す。メイン画面を使用して製品およびサービスの販売促進をし、歯科医にケアの標準および患者の歯周状態に適用できる治療の推奨コースを収容するデータベースへのアクセスを提供することもできる。
【0109】
操作者には、メイン画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.メニュー説明:メニューオプションについての文字情報
B.メニューボタン:これらのボタンは、操作者を様々な画面(患者記録、アカウント、オプション、ヘルプ、ログイン)へ移動させるか、または現在の操作者がログアウトできるようにする。
【0110】
(アカウント画面)
アカウント画面を使用して前記システムの製造業者についての情報を表示し、前記装置の使用についての統計およびアカウント情報を提供することができる。ユーザーはこの画面に行き、現在のアカウント状況についての情報およびアカウントを更新する方法についての説明を得る。図20は、アカウント画面の概念図を示す。
【0111】
操作者には、アカウント画面において下記のようなフィールドおよびオプションが表示される。
A.アカウント概要:この部分は好ましくは、アカウント状況および前記装置に残っている使用数などの歯科医のアカウントについての情報を一覧化する。アカウントに残っている許可された使用の数が少ない場合、表示される数の色が赤くなり、警告文字が数の下に現れることができる。残っている許可された使用の数が少なくなければ、数の色は好ましくは通常の文字色である。
B.アカウント機能:この分野は好ましくは、「管理者」である操作者が使用して下記のようなアカウント操作を行うことができるボタンを含む。
・新規操作者を追加する
・供給業者からさらなる補給品を注文する
・供給業者からさらなる装置の使用を注文する
C.登録済み歯科医院についての情報登録番号および歯科医院名および住所などの、前記装置の現在の所有者の文字表示。
D.Perio Imaging Inc.情報:PIIに連絡する方法についての文字情報を含む。
E.歯周システム200情報:現在の装置の通し番号、ならびにソフトウェアおよびハードウェアのバージョンを示す。
F.戻るボタン:このボタンは操作者をメイン画面に戻す。
【0112】
(オプション画面)
オプション画面は好ましくは、操作者が前記装置および測定の過程に対する優先を設定し格納できるようにする。各オプションは一覧から選択することができる。オプションが選択されると、その特定制御が好ましくは画面上に表示される。図21は、オプション画面の概念図を示す。
【0113】
画面を通して特定することができるオプションには下記が含まれる。
・歯の測定走査の順序に対する優先オプション
・スピーカおよびマイクロホンの音量設定
・ログイン画面のタイムアウト
・メモの定義
操作者には、ログイン画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.オプション一覧:これは、操作者に修正のために選択するべきオプションのツリー表示を提示する。選択すると、それらのオプションに対する制御が好ましくはオプション閲覧で見えるようになる。
B.オプション閲覧:閲覧範囲は好ましくは、オプション一覧で選択されるオプション一式に関連した全ての制御を収容する。
C.リセット:このボタンは好ましくは、全オプションを初期設定にリセットする。
D.適用:このボタンは好ましくは、全ての修正済みオプションを前記装置に適用する。
E.戻るボタン:このボタンは好ましくは、操作者をメイン画面に戻す。
【0114】
(患者記録画面)
患者記録画面によって、操作者は内部データベースに格納された患者記録を追加および編集することができる。各患者は好ましくは、前記装置の内部に格納され、データを外部装置(PIIインターネットポータルなど)に転送する際に使用される一意の識別番号(ID)を割り当てられる。図22は、患者記録画面の概念図を示す。
【0115】
操作者には、患者記録画面において下記のようなフィールドおよびオプションが表示される。
A.患者記録選択:この一覧は好ましくは、操作者が患者および特定の記録を選択できるようにする。操作者が患者選択を変更すると、受診選択フィールドが好ましくは、その患者に対する全ての過去の受診の一覧で更新する。また、画面の上端に表示される患者氏名が好ましくは更新される。このフィールドには好ましくは下記のようないくつかの機能がある。
a.新規追加:このボタンは好ましくは、(患者氏名、歯科医院患者ID、生年月日、性別、および住所)を含む新規患者の入力を可能にする一連のキーボードダイアログを開く。入力後、新規患者氏名は好ましくは、患者記録選択フィールドに表示されてハイライトされる。
b.編集:このボタンは好ましくは、操作者が患者情報(患者氏名、歯科医院患者ID、生年月日、性別、および住所)を編集できるようにする一連のキーボードダイアログを開く。
c.削除:このボタンは好ましくは、操作者が患者を削除したいかどうかを確認するための確認ダイアログを提起する。注:その患者に受診がない場合にしか患者を削除することはできない。
d.検索:このボタンは好ましくは、操作者が患者の苗字の最初の数文字を入力できるようにして、患者記録選択一覧において患者を素早く見つけることを可能にするダイアログを開く。
B.受診選択:この一覧は好ましくは、操作者が現在選択されている患者に対して行われた受診の全てを閲覧できるようにする。患者が新規作成されて受診がない場合は、この一覧は好ましくは空白である。受診が選択されると、画面の上端に表示される受診日付が好ましくは更新される。このフィールドには好ましくは下記のようないくつかの機能がある。
a.新規追加:このボタンは好ましくは、操作者が現在選択されている患者に対する新規受診記録を作成できるようにする。現在の患者に対する受診記録選択一覧の新規入力が好ましくは、作成、表示、および選択される。前記新規入力は好ましくは、現在の時間および日付を参照する。操作者に新規受診の追加を続行したいことを確認するよう求める警告ダイアログが好ましくは表示される。
b.閲覧:このボタンは、操作者をレビューモードにおけるカルテ画面へと移動させる(図16参照)。このボタンは好ましくは、受診が受診選択一覧において選択された後、または新規受診が追加された後に初めて有効となる。
c.編集:このボタンはこのましくは、操作者を検査モードにおけるカルテ画面へと移動させる(図16参照)。このボタンは好ましくは、受診が受診選択一覧において選択された後、または新規受診が追加された後に初めて有効となる。
C.戻るボタン:このボタンは好ましくは、操作者をメイン画面に戻す。
【0116】
(患者カルテ画面)
患者カルテ画面を使用して、歯の画像に重ねられた患者受診からの全ての歯周測定データおよび歯の状態データの表形式提示を表示する。また、操作者は過去の受診から患者データを表示することを選択できる。表示される全てのデータはインターネットデータベースから回収される。図23は、患者カルテ画面の概念図を示す。
【0117】
操作者には、患者カルテ画面において下記のようなフィールドおよびオプションが表示される。
A.歯のカルテ:歯周データは好ましくは、各測定に対する点または歯の画像に重ねられた点の間の線として提示される。表示される特定データは好ましくは、履歴選択および歯の選択矢印によって制御される。好ましくは、8本の歯の領域はハイライトされ、これらの歯に対するデータは歯の状態データ表で表にされる。
B.歯の名前:現在選択されている歯の文字名。
C.歯の状態データ表:歯の状態表による、現在選択されている4分の1に対する表形式の歯の状態データ。
D.オプションボタン:
a.ポケットの深さ測定:このボタンは好ましくは、操作者をポケットの深さ測定画面に移動させる。好ましくは、このボタンは、操作者が検査モードにある場合のみ有効である。
b.歯の状態データ入力:このボタンは好ましくは、操作者を歯の状態データ入力画面に移動させる。好ましくは、このボタンは、操作者が検査モードにある場合のみ有効である。
c.カルテ全体閲覧:このボタンは好ましくは、操作者をカルテ全体閲覧画面に移動させる。
d.歯の履歴閲覧:このボタンは好ましくは、操作者を歯の履歴閲覧画面に移動させる。
E.ナビゲーションボタン:
a.顔側/舌側切替ボタン:これらのボタンは好ましくは、歯のカルテおよび歯の状態データ表上に提示される顔側および舌側データの間で選択する。
b.歯の選択矢印:操作者はこれらのボタンを使用して、どの歯一式が歯のカルテにおいてハイライトされており、よって歯の状態データ表で表にされてもいるかを見ることができる。操作者は、歯上の位置、歯、または4分の1別に見ることできる。
F.履歴選択ボタン:このボタンは好ましくは、操作者を患者履歴選択画面に移動させる。これによって操作者は、どの過去の検査を歯のカルテに重ねるか、およびどの過去の検査を歯の履歴閲覧画面に表示するかを選択することができる。
G.本日&日付1〜3ボタン:これらのボタンは好ましくは、どのオーバーレイが現在歯のカルテ上でハイライトされているかを制御する。履歴は、履歴選択ボタンを通して選択される。日付1〜3は、3つ未満の履歴選択がある場合は適切に無効とされる。
H.戻るボタン:このボタンは操作者を患者記録画面に戻す。
【0118】
(歯の状態データ入力画面)
歯の状態データ入力画面を使用して、歯の状態表による患者にたいする歯の状態データを入力する。表示される全てのデータはインターネットデータベースから回収され、入力されるあらゆるデータはインターネットデータベースに格納される。図24は、歯の状態データ入力画面の概念図を示す。
【0119】
操作者には、歯の状態入力画面において下記のようなフィールドおよびオプションが表示される。
A.上から見た歯の図:これは好ましくは、歯の包括的な画像であり、操作者に選択されている現在の歯を見せるために使用される。
B.歯の名前:現在選択されている歯の文字名。
C.歯の注釈:このフィールドは好ましくは、この歯に対するこの患者について現在入力されている文字注釈を表示する。
a.標準注釈:一側面において、メモの入力用の6つのボタンがある。これらはオプション画面で定義することができる。
b.カスタム注釈:操作者は、キーボードダイアログへと移動させるカスタム注釈ボタンをクリックすることによって、カスタム注釈に入力することができる。
c.注釈消去:これは好ましくは、注釈フィールドを消去するために使用される。
D.歯の状態データ表:歯の状態表による、現在選択されている4分の1に対する表形式の歯の状態データ。
E.ナビゲーションボタン:
a.顔側/舌側切替ボタン:これらのボタンは好ましくは、歯のカルテおよび歯の状態データ表上に提示される顔側および舌側データの間で選択する。
b.歯の選択矢印:操作者はこれらのボタンを使用して、どの歯一式が歯のカルテにおいてハイライトされており、よって歯の状態データ表で表にされてもいるかを巡回することができる。操作者は、歯上の位置、歯、または4分の1別に巡回することできる。
F.戻るボタン:このボタンは好ましくは、操作者をカルテ画面に戻す。
【0120】
(ポケットの深さ測定画面)
ポケットの深さ測定画面は、歯周測定値の収集を容易にする。操作者は、前記始動装置を使用してポケットの深さ測定を始動し、自動的に次の歯へと進む自動化走査検査を行うことができる。操作者はまた、自動化検査の前、最中、または後のいずれかに、患者に対するデータを手動で入力することもできる。図25は、ポケットの深さ測定画面の概念図を示す。
【0121】
操作者には、ポケットの深さ測定画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.上から見た歯の図:これは好ましくは、歯の包括的な画像であり、操作者に選択されている現在の歯を見せるために使用される。
B.歯の名前:現在選択されている歯の文字名。
C.歯の状態:この静的文字列は好ましくは、現在選択されている歯が欠落しているかどうかを表示する。
D.歯の画像:これは好ましくは、現在の歯がハイライトされている口の画像である。この画像は好ましくは、検査中に操作者を導くのに役立つよう使用される。
E.ポケットの深さデータ表:この表は好ましくは、4分の1の8本の歯の一側面(顔/下)上の3つの位置(近心、中心、遠位)のそれぞれに対するポケットの深さ測定の結果を表示する。
F.オプションボタン:
・検査開始:このボタンは好ましくは、自動化走査順序を開始または停止するよう切り替える。開始する際には較正画面が表示され、これは好ましくは、前記装置の較正を通して操作者を導く。較正後、操作者は好ましくは自動化走査を行う。
・手動入力:このボタンは好ましくは、操作者をキーボード入力ダイアログに移動させる。ユーザーは現在の位置に対して手動で深さを入力することができる。これは、従来のプローブ測定値の入力を対象としており、好ましくは一単位(0〜9)のデータのみを許容する。
G.ナビゲーションボタン:
・顔側/舌側切替ボタン:これらのボタンは好ましくは、現在選択されている歯に対して歯の側面を変更する。
・歯の選択矢印:操作者はこれらのボタンを使用して、現在選択されている歯および位置を巡回することができる。操作者は、歯上の位置、歯、または4分の1別に巡回することできる。
H.戻るボタン:このボタンは好ましくは、操作者をカルテ画面に戻す。
【0122】
(較正画面)
前記超音波振動子を覆う使い捨て覆いは、各患者検査の前に取り替えられることを目的としている。製作公差による個々の覆いの差違は、水流および検査間の音響性能のわずかな差違の原因となる可能性がある。よって、装置の較正は好ましくは、データ収集セッションの間に行う。
【0123】
前記システムを較正する際に操作者を補助するために、前記アプリケーションは較正スクリーンを介して操作者に指示を提供する。好ましくは、この画面を使用して、新しいハンドピース202の取り付けおよび前記歯周システム200の較正を通して操作者を導く。過程は異なるステップに分けることができ、操作者は好ましくは較正ウィザードによってステップを通して導かれる。本発明の一側面におけるステップ間でナビゲートするためには、次および戻るボタンがある。図26は、較正画面の概念図を示す。
【0124】
本発明の一実施例において、較正過程における4つのステップがある。各ステップに対する支持画像が、手順表示フィールドに順に表示される。較正過程における前記ステップは下記のとおりである。
1.新しいハンドピース202の取り付け:このステップは好ましくは、操作者が滅菌包装からハンドピースを取り出すこと、およびそれを基本部に取り付ける方法を説明する。
2.較正器具へのハンドピースの設置:このステップは好ましくは、操作者に、構成を行うために前記装置本体上で前記ハンドピース202を設置する場所を示す。一側面において、ユーザーが次ボタンを押すと、前記装置が測定値を取り較正を行うという説明がある。
3.較正の実施:このステップは好ましくは、較正の結果を示す。好ましくは、較正が成功または不成功であったかについての記述がある。較正が不成功である場合、好ましくは考えられる問題および改善の説明がある。この場合、次ボタンはこのましくは無効であり、操作者は典型的に最後のステップへ戻って較正をやり直す必要がある。
4.較正完了:このステップは好ましくは、較正が終了し、操作者が較正において測定を行うことができることを示す。
【0125】
操作者には典型的に、較正画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.手順図:これは、較正ステップを説明するための画像用の表示である。
B.手順指示:好ましくは手順の各ステップに対する指示を有する文字情報。
C.次および戻るボタン:これらのボタンは好ましくは、較正ステップを通したナビゲーションを可能にする。
D.取り消しボタン:このボタンは好ましくは、操作者がすでに前記現在のハンドピース202に対する較正を行っている場合に較正を取り消すことができるようにする。
【0126】
(歯の履歴閲覧画面)
歯の履歴閲覧画面は、好ましくは操作者に現在および過去の受診データを含む特定の歯についてのデータを提示する報告画面である。この画面上で操作者は歯の間で変更を行うことができる。過去の受診は好ましくは、患者履歴選択画面上で選択されるものである。図27は、歯の履歴閲覧画面の概念図を示す。
【0127】
操作者には、歯の履歴閲覧画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.上から見た歯の図:好ましくは、これは歯の包括的な画像であり、操作者に選択されている現在の歯を見せるために使用される。
B.歯の名前:現在選択されている歯の文字名。
C.歯の注釈:このフィールドは好ましくは、現在および過去の受診に対して現在選択されている歯について入力される文字注釈を表示する。
D.歯の状態データ表:歯の状態表による、現在選択されている4分の1に対する表形式の歯の状態データ。
E.ナビゲーションボタン:
a.顔側/舌側切替ボタン:これらのボタンは好ましくは、現在選択されている歯に対して歯の側面を変更する。
b.歯の選択矢印:操作者はこれらのボタンを使用して、現在選択されている歯を巡回することができる。操作者は、歯上の位置、歯、または4分の1別に巡回することできる。
F.戻るボタン:このボタンは好ましくは、操作者をカルテ画面に戻す。
【0128】
(患者カルテ全体閲覧画面)
患者カルテ全体閲覧画面は、好ましくは歯周および歯の状態データを含む患者カルテ全体を閲覧するために操作者に提示する報告画面である。図28は、患者カルテ全体閲覧画面の概念図を示す。
【0129】
操作者には、患者カルテ全体閲覧画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.全カルテ:この画像は好ましくは、歯周の深さ計測値、歯の状態データ、および歯に対する深さのオーバーレイの図形描画(カルテ画面上の歯のカルテのものと同様)を含む患者カルテを表示する。本発明の一側面において、一度に上または下の歯のみが表示される。本側面において、ナビゲーションボタンを使用して各歯一式の間で切り替える。本発明のもう1つの側面において、同時に上および下の歯両方が表示される。
B.ナビゲーションボタン:
a.上/下ボタン:これらのボタンは好ましくは、上の歯および下の歯の表示の間で全カルテを切り替える。
C.戻るボタン:このボタンは好ましくは、操作者をカルテ画面に戻す。
【0130】
(履歴選択画面)
患者履歴選択画面によって、操作者は他の患者受診を選択することができる。好ましくは、これらの受診はカルテ画面上のオーバーレイとして、かつ歯の履歴閲覧画面で表示されるものである。図29は、患者履歴選択画面の概念図を示す。
【0131】
操作者には、患者履歴選択画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.患者受診履歴一覧:この一覧ボックスは好ましくは、現在選択されている患者に対する全ての受診の一覧を表示する。操作者は、フィールド内の個々の受診をクリックする。
B.データ履歴選択:この一覧ボックスは好ましくは、患者の受診履歴を素早く選択するためのオプションを含む。オプションには下記が含まれる。
・例えば、最初の3つの受診記録を選択する。本発明のその他の側面において、選択された受診の数はおおよそ3つにすることができる。
・例えば、最後の3つの受診記録を選択する。本発明のその他の側面において、選択された受診の数はおおよそ3つにすることができる。
・最後の受診を選択する。
・最初の受診を選択する。
・以前の検査のデータ範囲を選択する。
C.受診選択ボタン:患者受診履歴一覧で受診が選択されると、このボタンが好ましくは前記受診を履歴選択に加える。
D.受診選択解除ボタン:このボタンは好ましくは、患者受診履歴一覧内の現在選択されている受診を非選択状態にする。
E.全選択解除ボタン:このボタンは好ましくは、患者受診履歴一覧内の全ての選択されている受診を非選択状態にする。
F.戻るボタン:このボタンは好ましくは、操作者をカルテ画面に戻す。
【0132】
(ヘルプ画面)
この画面には、操作者がクリックしてトピック特有のヘルプを得ることができるトピックの一覧がある。表示される情報は好ましくは、前記装置についてのヘルプおよび歯周検査についての教材を含む。図30は、ヘルプ画面の概念図を示す。
【0133】
操作者には、ヘルプ画面において下記のようなフィールドおよびボタンが表示される。
A.ヘルプのトピック:好ましくは、このツリー一覧は、操作者が選択することができる関心のトピックを表示する。
B.ヘルプ表示:このフィールドは好ましくは、トピックについての特定のヘルプを与えるテキストおよび画像の組み合わせを表示するために使用されるHTMLビューアーである。前記ヘルプは好ましくは、HTMLコードおよび画像として内部に格納される。前記フィールドはHTMLである必要はなく、あらゆる適切な言語を使用することができる。
C.戻るボタン:このボタンは好ましくは操作者を、操作者が最初にヘルプ画面を呼び出した場所である前の画面に戻す。
【0134】
(追加ダイアログ)
ダイアログは典型的に、データ入力のため、操作者に状態を告知/警告するための両方で、特定ユーザーインターフェースに使用される。ダイアログは概してモーダルであると考慮され、これは、いったん表示されると、警告に対して「OK」をクリックするなど、ユーザーが何らかの特定の措置を行ってダイアログを閉じるまで、プログラムが好ましくは継続できないことを意味する。
【0135】
(キーボードダイアログ)
このダイアログは好ましくは、文字および数字入力のために、プログラムを通して使用される。それは好ましくは、全ての10数字(0〜9)、文字、キャプスロックキー、および入力用の様々な特殊文字を含む。好ましくは、入力されるデータ、入力を受け入れるためのエンターボタン、および入力を取り消すための取り消しボタン用の表示部がある。
【0136】
(患者ダイアログの追加/編集)
これらのダイアログは好ましくは、操作者が新規または既存の患者についての情報を入力または編集できるようにする。入力できる情報は下記のとおりである。
・患者氏名
・歯科医院
・歯科医院患者ID
・生年月日
・性別
・住所
・患者の歯科および病歴
・家族歴
(エラーダイアログ)
このダイアログは好ましくは、プログラムにエラーがある場合に表示される。これは、操作者が前記エラーを修正するために行うことができる措置の説明を含む。
【0137】
(患者検索ダイアログ)
このダイアログは好ましくは、キーボードを含み、患者の氏名の最初の数文字を入力することによって、操作者が患者の一覧において患者を素早く見つける補助をするために表示される。
【0138】
(データ収集)
前記データ収集ハードウェアは、前記超音波振動子227、前記パルサー・受信部、および前記アナログ・デジタル変換器(A/Dカード)を含む。水流が好ましくはデータの記録用であるため、前記水制御電磁弁を制御する前記リレーも好ましくはデータ収集要素として考慮される。
【0139】
前記歯周システム200の操作者が前記ユーザーインターフェース装置(前記始動装置および前記タッチスクリーン205)を通して較正または臨床データ収集コマンドを入力すると、前記ユーザーインターフェースソフトウェアが好ましくは、それを前記データ収集ソフトウェア要素に送り、それが順に適切なコマンドを前記ハードウェアに出す。前記パルサー・受信部、A/Dカード、および電磁バルブリレーは好ましくは、前記パラレルポートを通して前記SBCによってそれらに送信される論理レベル信号によって始動または起動される。前記パルサー/受信部およびA/Dカードは好ましくは、同じパラレルポートチャネルに配線され、よって好ましくは同時に始動される。サンプリングされたデータは好ましくは、前記A/Dカード上のメモリから前記SBCメモリへと送られ、そこで前記A/DカードのPCIヘッダ上で前記歯周システム200ソフトウェアにアクセスすることができる。
【0140】
(データ収集および分析順序)
図31は、前記ソフトウェアによって制御されるデータ収集および分析事象の順序を図解する図である。この過程は好ましくは、操作者が前記指導装置を押すことによって走査を始める度に実行される。
【0141】
好ましくは、事象の前記データ収集順序は較正およびヒト使用中データ収集に対してほぼ同一である。操作者が前記始動機構を介してスキャンを開始すると、前記電磁弁リレーは好ましくは前記弁を開いて音響結合水流を開始する。好ましくは、流量安定化を可能にする休止の後、前記アプリケーションは前記データ収集ハードウェアにN音響信号を収集するように命令する。好ましくは、各測定収集は下記のように発生する。
・前記パルサー/受信部が始動され、好ましくは電気パルスで前記超音波振動子を「鳴らす」。
・前記超音波振動子が超音波を放出する。
・前記超音波振動子が返還音波エコーを電気信号に変換する。
・前記パルサー/受信部が前記振動子から信号を受信し、それを出力用に調整する。
・前記A/Dカード(好ましくは前記パルサー/受信部で始動される)がそのメモリに前記返還信号を記録する。
・N信号が記録されると、前記ソフトウェアアプリケーションは好ましくは、処理のために全ての信号をA/Dメモリからシステム(SBC)メモリへ転送する。
【0142】
好ましくは、全てのN信号がシステムメモリ内に入ると、それらは2度予備的処理をされる。第一にそれらは全て好ましくは、必要基準と比較され、無効信号は拒否される。第二に、残りに信号は好ましくは、互いと比較され、最高質信号が分析のために選択される。前記分析アルゴリズムは前記信号を処理し、データベースに格納される歯周ポケットの深さを見出す。
【0143】
前記較正収集順序はほぼ同一である。一度に全て転送されているN信号の代わりに、各信号は収集された直後に転送され処理される(図31に図示せず)。前記較正信号は好ましくは全て処理され、互いと比較されない。好ましくは、前記較正信号は処理され、振動子から前記ハンドピース先端の端までの距離を決定する。前記N信号からの平均先端距離は好ましくは、先端距離較正パラメータとして使用される。
【0144】
較正および測定収集の両方の場合において、データの収集および分析が成功すると、「成功」チャイムが好ましくは前記歯周システム200のスピーカから発せられる。エラーが発生すると、「不成功」チャイムが好ましくは鳴り、走査失敗の原因を示すメッセージが前記表示部に表示される。前記走査失敗の原因によっては、操作者は前記走査を繰り返すよう指示される。
【0145】
前記収集信号処理アルゴリズムは好ましくは、解剖学的構造から戻ってくる前記超音波エコーのデジタル表現を、0.1ミリメートルの分解能を有するミリメートル単位(0.0mm〜9.9mm)での歯周ポケットの深さの単一測定値に変換する。好ましくは、前記較正信号処理アルゴリズムは、較正対象から戻ってくる前記超音波エコーのデジタル表現を、0.1ミリメートルの分解能を有するミリメートル単位での前記振動子から前記ハンドピース先端の端までの距離の単一測定値に変換する。
【0146】
(自動データ入力)
歯周検査中に、操作者は典型的に、あらかじめ計画された測定ルートに従い、前記装置に指示されてデータを収集する。操作者は測定位置を飛ばしたり、またはポケットの深さ測定画面および前記始動装置上の制御を使用して以前に取得された測定値を再取得する。図32は、三位フットペダルが前記始動装置として使用されることを想定する、データ収集中の操作者のオプションの図である。操作者は前記左右フットペダルを使用し、かつポケットの深さ測定画面上の位置、歯、4分の1ナビゲーションボタンを使用することによって、所望の位置に進むことができる。本発明の一側面において、前記中央ペダルボタンを押すと走査を開始する。操作者は、ポケットの深さを手動で測定し、手動入力ボタンをしようしてデータベース内に深さを記録することを選択できる。操作者はヘルプボタンをクリックしてヘルプ領域に入力し、そしてポケットの深さ想定画面に戻ることができる。最後に、操作者は検査停止ボタンをクリックすることによって、検査を終了することを選択できる。
【0147】
(歯周システム200データベース)
前記歯周システム200によって使用または収集される全ての操作者、患者および受診情報は好ましくは、前記歯周システム200内に備わっている前記歯周システム200のデータベースに収容される。このデータベースは好ましくは、操作者および患者(氏名、住所など)ならびに臨床データ(歯周ポケットの深さ、歯の状態の注釈など)に対する両方の個人情報を収容する。前記歯周システムの200のデータベースは好ましくは、それぞれ下記に詳しく述べられる6つの異なる表を含む。
【0148】
前記歯周システム200のデータベースは電子個人識別可能健康情報(EPHI)を含むため、この情報を伝達する時にプライバシーおよび安全保障の法律が好ましくは考慮される。これらの問題の簡単な考察も下記に含まれる。
【0149】
(操作者表)
表4は、各操作者に対して前記歯周システム200データベースに格納される前記情報を要約する。OpID番号は好ましくは記録作成時に割り当てられ、好ましくは順次性である。好ましくは、全フィールドは図式的ユーザーインターフェースを通して変更されると自動的に更新される。好ましくは、新規操作者に歯周システム200を使用する承認が与えられるたびに、その情報が操作者表内の新規行の記録となる。OpDOBのデータの種類は日付/時間であるが、OpDOBの時間部分は典型的に前記アプリケーションにおいて決して入力またはアクセスされず、よって無視することができる。
【0150】
【表4】
(患者表)
表5は、各患者に対して前記歯周システム200データベースに好ましくは格納される前記情報を要約する。患者ID番号は好ましくは記録作成時に割り当てられ、好ましくは順次性である。好ましくは、全フィールドは図式的ユーザーインターフェースを通して変更されると自動的に更新される。例えばオプション患者ファイルIDフィールドを使用して、歯科医院の診療管理ソフトウェアから患者IDの番号を格納することができる。好ましくは、新規患者が初めて歯周システム200を使用して歯科医院によって検査されるたびに、その情報が患者表内の新規行の記録となる。典型的に患者DOBのデータの種類は日付/時間であり、患者DOBの時間部分は前記アプリケーションにおいて決して入力またはアクセスされず、よって無視することができる。
【0151】
【表5】
(受診表)
表6は、各患者受診に対して前記歯周システム200データベースに格納される前記情報を要約する。受診ID番号は好ましくは記録作成時に割り当てられ、好ましくは順次性である。好ましくは、全フィールドは図式的ユーザーインターフェースを通して変更されると自動的に更新される。受診日付ファイル名フィールドは好ましくは、受診に対する未加工歯周データを含むファイルへのディレクトリ・パスを含む。好ましくは、前記データは前記データベースに自ら格納されず、前記データベースが大きくなりすぎるのを防ぐ。好ましくは、歯周検査が開始されるたびに、結果として受診表における新規受診行の記録の作成が生じる。
【0152】
【表6】
(受診歯の状態表)
表7は、各受診に対して前記歯周システム200データベースに格納される前記歯の状態情報を要約する。データID番号は好ましくは記録作成時に割り当てられ、好ましくは順次性である。受診IDフィールドは好ましくは、前記歯の状態が記録された時の歯周検査の受診ID番号を含む。好ましくは、全フィールドは図式的ユーザーインターフェースを通して変更されると自動的に更新される。本発明の一側面において、フィールドT1CないしT32Cは、それぞれ0または1の値を有する5つのコンマ区切り数字をそれぞれ含む。各数字は好ましくは、特定の歯の状態の存在(1の値)または欠如(0の値)を参照する。本発明のこの側面において、前記5つの数字は順番に、欠落している歯、化膿、出血、可動性、および浮腫を参照する。本発明のもう1つの側面において、付加的な数字を割り当てて、かぶせもののある歯または再移植された歯を参照することができる。好ましくは、歯周検査が開始されるたびに、結果として歯の状態表における新規歯の状態行の記録の作成が生じる。
【0153】
【表7】
(受診深さ表)
表8は、各受診に対して前記歯周システム200のデータベースに格納される前記深さ測定情報を要約する。データID番号は好ましくは記録作成時に割り当てられ、好ましくは順次性である。受診IDフィールドは好ましくは、前記深さの測定値が記録された時の歯周検査の受診ID番号を含む。好ましくは、全フィールドは図式的ユーザーインターフェースを通して変更されると自動的に更新される。本発明の一側面において、フィールドT1DないしT32Dはそれぞれ24のコンマ区切り数字を含む。これらの24数字は好ましくは、歯の周りの6つの位置のそれぞれに対して、検査時に操作者によって測定または評価される4つの値を表す。前記4つの値は好ましくは順番に、歯周ポケットの深さ、化膿の程度、後退の程度、および状態を参照する。好ましくは、歯周検査が開始されるたびに、結果として深さの表における新規深さ行の記録の作成が生じる。本発明のもう1つの実施例において、測定値は歯の周りの6つの位置よりもむしろ、歯の間の歯間隙で取得される。この実施例において、前記数字は乳頭突起の後ろで取得される値を表し、歯周病による歯周組織(歯肉102、歯周靭帯103、126、および歯の間の骨の反射鏡)の悪化と関連している。さらに、付加的な数字を割り当てて、かぶせものがあったり、または再移植されている歯の測定値を記録することができる。
【0154】
【表8】
(歯の注釈表)
表9は、歯周受診中に記録される各歯の注釈に対して前記歯周システム200のデータベースに格納される前記情報を要約する。注釈ID番号は好ましくは記録作成時に割り当てられ、好ましくは順次性である。受診IDフィールドは好ましくは、前記歯の注釈が記録された時の歯周検査の受診ID番号を含む。TNumフィールドは好ましくは、前記注釈が作成された歯の番号を含む。好ましくは、全フィールドは図式的ユーザーインターフェースを通して変更されると自動的に更新される。好ましくは、前記注釈フィールドは単に、操作者によって記録される前記注釈を含む文字列である。好ましくは、歯周検査が開始されるたびに、結果として歯の注釈表における新規注釈行の記録の作成が生じる。
【0155】
【表9】
(HIPAA適合性)
好ましくは、前記歯周システム200は個人健康情報を収集、格納および伝達するため、HIPAA(医療保険の携行と責任に関する法律)に適合するべきである。これらの規定は、取られる措置が個人健康情報のプライバシーおよび安全保障を確保することを必要とする。その情報はまた、管理上の単純化を促進するために業界標準形式で承認された伝達に利用可能でなくてはならない。
【0156】
HIPAAに準拠するために、前記歯周システム200によって伝達されるあらゆる個人識別可能健康情報は、好ましくは暗号化される。典型的に暗号化は、臨床データのみを送信すること、および患者および操作者の生年月日、住所、および氏名などの個人識別子を省略することによって可能となる場合に制限されるべきである。データもまた、HEPAA基準に準拠する形式の伝達に利用可能とすることができる。これらの進化しつつある基準を満たすよう採用される方略には柔軟性が存在する。
【0157】
(外部インターフェース)
前記歯周システム200はインターネット上で外界と通信することができる。これは好ましくは、診療室内の各歯周システム200における前記データベースを同期させるために、オンラインソフトウェアアップグレードを可能にし、歯周データの報告書を印刷し、およびその他の活動を行うことである。下記の図33は、前記歯周システム200の外部通信に関与する主なソフトウェアおよびハードウェアコンポーネントを表す。
【0158】
好ましい通信方略は、各歯周システム200を個別に前記ポータルと、およびそれのみと通信させることである。前記インターネットポータルは好ましくは、各顧客の診療室に対して、全ての以前の測定済みデータおよび、その診療室由来である全ての記録済み患者受診および操作者情報を格納する中央データベースへのアクセスを有する。起動時および/または検査前に、前記歯周システム200は好ましくは、前記インターネットポータルからのそのローカルデータベースに対する更新を要求する。これは好ましくは、そのデータベースを前記インターネットポータル上の前記診療室中央データベースと同期させる。好ましくは、これよって、歯科医院でいずれの歯周システム200装置を使用しても患者は検査を受けることができる。これはまた好ましくは、過去に患者を検査するためにどの装置が使用されたかにかかわらず、操作者に全患者歯周情報へのアクセスを与える。好ましくは、いずれの歯科医院医療提供者も、前記インターネットポータルにログインすることによって、標準的なウェブブラウザから、その診療室由来である歯周報告書を閲覧または印刷することができるようになる。
【0159】
前記歯周システム200は好ましくは、カテゴリ5ケーブルであるイーサネット(登録商標)アダプタが組み込まれて標準となる。オプションの無線イーサネット(登録商標)アダプタも利用可能である。
【0160】
前記歯周システム200のソフトウェアアプリケーションは好ましくは、第三者インターフェースアプリケーションを介して前記インターネットポータルと通信する。このインターフェースアプリケーションおよび前記インターネットポータルは以下に説明する。
【0161】
(インターネットポータル)
前記インターネットポータルとの通信は好ましくは、ローカル(装置)および中央データベース間のデータベース情報(操作者、患者、および受診情報)の移動および同期化を調整する。これはまた好ましくは、使用およびアカウント情報およびソフトウェア更新の移動のための経路でもある。患者および操作者情報は、前記歯周システム200の装置に直接、またはウェブブラウザを通して個別装置による以後のダウンロードのために歯科医院の中心データベースに直接入力することができる。例えば、同じ情報を歯科医院の診療管理ソフトウェアアプリケーションに入力している間に、新規患者に対する情報をウェブブラウザおよび前記インターネットポータルを介して前記歯周システム200のデータベースに入力することは便利である。前記インターネットポータルを往復する全情報伝達は好ましくは、HIPAAプライバシーおよびセキュリティ規則に準拠して行われる。
【0162】
(インターネットポータルインターフェースアプリケーション)
前記インターネットポータルインターフェースアプリケーションは、前記歯周システム200のソフトウェアアプリケーションと前記インターネットポータルとの間の双方向通信を容易にする。それは好ましくはHTTP/XML基盤である。歯科医院の診療管理ソフトウェアパッケージと前記歯周システム200のデータベースとの間の調整は、もしあれば、前記ポータルインターフェースアプリケーションを介して行う。
【0163】
(具体例)
(ピーク検出)
ピークは、まず信号閾値を選択することによって検出された。選択された前記閾値は、波形値の90台パーセンタイル値であった。つまり、信号の10%のみが前記閾値よりも大きいレベルである。そして、波形の各値を両側の1表示波長までの値、つまり前後5ポイントと比較することによって極大を求めた。前記値が両側の値よりも大きかった場合は、極大と指定された。最後に、同じ範囲にわたって統合することによってピークの重要性を決定した。前記範囲の平均値が前記閾値よりも大きかった場合は、極大は有意ピークであると決定した。
【0164】
(ピーク判別)
先端の終点の後の最大有意ピークは、歯肉からの反射に相当すると決定された。測定範囲(0から10mm)内の最後の有意かつ一貫したピーク(つまりピークが反復走査の60%に存在する)は、ポケットの底のであると決定した(図39参照)。図示されていないが追加データが、歯肉線からセメント質−エナメル質接合部までの距離を確立する。よって、歯肉線からポケットの底までの距離から、歯肉線からセメント質−エナメル質接合部までの距離を引くことによって、付着損失を決定することができる。
【0165】
本発明の前述の説明は、図解および説明の目的で提示されている。これは網羅的としたり、または本発明を開示される正確な形に限定することを目的とせず、改良および変化は上記の教示を踏まえて可能であり、または本発明の実践より獲得することができる。図および説明は、本発明の実施例およびその実際の適用の原則を説明するために選ばれた。これは、その請求項および用語が、従来技術および適用法令によって許容される最も広い範囲で本発明を保護するよう解釈されることを目的とする。さらに、本発明の一側面に関連して解説される特徴は、上記に明記されていなくても、その他の実施例と連動して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】図1は、左の健康な歯および右の歯周病の歯を示す概略図である。
【図2】図2は、図1に図示される前記歯のより詳細な概略図である。
【図3】図3は、本発明の第一の実施例による歯周システムの斜視図である。
【図4】図4は、本発明の原則に従った他の歯周システムである。
【図5】図5は、本発明の一側面を図解するシステムの斜視図である。
【図6】図6は、本発明のもう1つの側面を図解するシステムの斜視図である。
【図7】図7は、本発明のもう1つの側面を図解するシステムの斜視図である。
【図8】図8は、本発明の第一の実施例による分解されたハンドピースの略図である。
【図9】図9は、図8に図示される組み立てられたハンドピースの略図である。
【図10】図10は、音響レンズを有する本発明の実施例の略図である。
【図11】図11は、フットペダル制御機器を有する本発明の実施例の機能配置である。
【図12】図12は、企業ポータルの使用を図解する本発明の実施例の略図である。
【図13】図13は、本発明の一実施例による分解されたハンドピースの略図である。
【図14】図14は、図13に図示される組み立てられたハンドピースの略図である。
【図15】図15は、本発明のソフトウェア設計の略図である。
【図16】図16は、本発明の実施例の動作モードを図解する流れ図である。
【図17】図17は、本発明の実施例の画面フローを図解する流れ図である。
【図18】図18は、本発明の実施例である、初期ログイン画面のスクリーンショットである。
【図19】図19は、本発明の実施例である、メイン画面のスクリーンショットである。
【図20】図20は、本発明の実施例である、アカウント画面のスクリーンショットである。
【図21】図21は、本発明の実施例である、オプション画面のスクリーンショットである。
【図22】図22は、本発明の実施例である、患者記録画面のスクリーンショットである。
【図23】図23は、本発明の実施例である、患者カルテ画面のスクリーンショットである。
【図24】図24は、本発明の実施例である、歯の状態データ入力画面のスクリーンショットである。
【図25】図25は、本発明の実施例である、ポケットの深さ測定画面のスクリーンショットである。
【図26】図26は、本発明の実施例である、較正画面のスクリーンショットである。
【図27】図27は、本発明の実施例である、歯の履歴閲覧画面のスクリーンショットである。
【図28】図28は、本発明の実施例である、患者カルテ全体閲覧画面のスクリーンショットである。
【図29】図29は、本発明の実施例である、患者履歴選択画面のスクリーンショットである。
【図30】図30は、本発明の実施例である、ヘルプ画面のスクリーンショットである。
【図31】図31は、データ収集および分析を図解するフローチャートである。
【図32】図32は、データ入力オペレータオプションを図解するフローチャートである。
【図33】図33は、外部インターフェース配置の略図である。
【図34】図34は、本発明の実施例のハンドピースのヘッドおよび先端部の略図である。
【図35】図35は、超音波計測値に対する流速の影響を図解する描画である。
【図36】図36はメキシカンハットウェーブレットを図解する描画である。
【図37】図37はMorletウェーブレットを図解する描画である。
【図38】図38は信号周波数に対するウェーブレット階級を図解する描画である。
【図39】図39はピーク判別を図解する描画である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯周病に関係する歯周組織破壊を検出および測定するシステムであって、
超音波振動子および音響レンズを有するハンドピースと、
判別分析ソフトウェアを有する制御器ユニットであって、該判別分析ソフトウェアはウェーブレットアルゴリズムを備える、制御器ユニットと、
流体供給源と
を備える、システム。
【請求項2】
前記流体供給源は流体容器を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは歯周ポケットの深さを測定するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
入力装置をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記入力装置はタッチスクリーン、キーボード、またはマウスを備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
歯の画像を表示しかつ該歯の画像と組み合わせて歯周測定を図解することができる、表示部をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
ソフトウェアをさらに備え、該ソフトウェアは前記ハンドピースからのアナログ信号をデジタルデータに変換する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
歯の画像を作成するためのソフトウェアをさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ソフトウェアは、歯周の特徴と関連するピークを識別するように構成された判別分析アルゴリズムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、歯のセメント質‐エナメル質接合部と歯周ポケットの底との間の距離を測定するよう構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは、歯の歯肉線と歯周ポケットの底との間の距離を測定するよう構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、約0.1mmから約0.5mmの間の精度で前記歯周ポケットの前記距離を測定するように構成された、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記ハンドピースは、約0.2mmの精度で前記距離を測定するように構成された、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ハンドピースは、約0.1mmの精度で前記距離を測定するように構成された、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムは歯石を検出するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記流体供給源は、抗菌剤、殺菌剤、または両方を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記超音波振動子、前記流体供給源、または両方を作動させるための制動機をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記制動機は少なくとも1つのフットペダル、または音声起動ソフトウェアを備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記システムはインターネットに接続される、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記接続は有線または無線で達成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
歯周測定は1人の操作者で行うことができる、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記システムは電子医療記録に歯周測定値を格納する、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記電子医療記録は暗号化され、かつHIPAAに準拠する、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
企業ポータルソフトウェアをさらに備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
前記システムはインターネットを介してアップグレードされるように構成された、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
音声発振器をさらに備え、該音声発振器は試験成功を知らせるための1つの音、および試験不成功を知らせるための第二の音を発生する、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記ハンドピースは使い捨てカバーを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
前記使い捨てカバーは一意の識別特徴を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記使い捨てカバーは該使い捨てカバーの再利用を防ぐ安全機能を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
歯周病に関係する歯周組織破壊を検出および測定するハンドピースであって、
第一端に空洞および調整スロットを有する永久ハンドルと、
該永久ハンドルの該第一端内の該空洞に位置する超音波振動子と、
流体供給源と、
使い捨てカバーとを備え、該使い捨てカバーは、該使い捨てカバーの内側に突起部を有し、該突起部は、該調整スロット内に収まるように構成された、ハンドピース。
【請求項31】
前記永久ハンドルは、中心部に第一円周スロットをさらに備える、請求項30に記載のハンドピース。
【請求項32】
前記永久ハンドルの前記第一円周スロットに位置するつる巻きバネをさらに備える、請求項31に記載のハンドピース。
【請求項33】
前記使い捨てカバーは、前記つる巻きバネをスナップ式はめ合いに係合するように構成された円周スロットを備える、請求項32に記載のハンドピース。
【請求項34】
前記永久ハンドルは、中心部に第二円周スロットをさらに備える、請求項33に記載のハンドピース。
【請求項35】
前記第二円周スロットに位置するOリングをさらに備え、該Oリングは密封を形成するように構成された、請求項34に記載のハンドピース。
【請求項36】
前記使い捨てカバーは、前記超音波振動子によって生成された超音波が放出されるプローブを備える、請求項30に記載のハンドピース。
【請求項37】
前記使い捨てカバーは、歯の間の歯間隙にぴったりとはまるような大きさであるプローブ先端を備える、請求項30に記載のハンドピース。
【請求項38】
前記使い捨てカバーは、約10mmの長さを有するプローブ先端を備える、請求項30に記載のハンドピース。
【請求項39】
約13.25mmの焦点距離を有する振動子をさらに備える、請求項38に記載のハンドピース。
【請求項40】
音響レンズをさらに備える、請求項30に記載のハンドピース。
【請求項41】
前記ハンドピースは使い捨てカバーを備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項42】
前記使い捨てカバーは一意の識別特徴を備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項43】
前記使い捨てカバーは該使い捨てカバーの再利用を防ぐ安全機能を備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項44】
連続湾曲ハンドルと、
超音波振動子と、
流体供給源と
を備える、歯周病を検出および測定するハンドピース。
【請求項45】
前記ハンドピースは、歯のセメント質‐エナメル質接合部と歯周ポケットの底との間の差違深度を測定するように構成された、請求項44に記載のハンドピース。
【請求項46】
前記ハンドピースは、歯の歯肉線と歯周ポケットの底との間の差違深度を測定するように構成された、請求項44に記載のハンドピース。
【請求項47】
前記ハンドピースは、約0.1から約0.5mmの間の精度で歯周ポケットの差違深度を測定するように構成された、請求項44に記載のハンドピース。
【請求項48】
前記ハンドピースは、約0.2mmの精度で深さを測定するように構成された、請求項47に記載のハンドピース。
【請求項49】
前記ハンドピースは、約0.1mmの精度で深さを測定するように構成された、請求項47に記載のハンドピース。
【請求項50】
使い捨てカバーをさらに備える、請求項44に記載のシステム。
【請求項51】
前記流体供給源は、抗菌剤、殺菌剤、または両方を含む、請求項44に記載のハンドピース。
【請求項52】
前記振動子は、5から15MHzの間の周波数で動作する、請求項44に記載のハンドピース。
【請求項53】
前記振動子は10MHzの周波数で動作する、請求項52に記載のハンドピース。
【請求項54】
音響レンズをさらに備える、請求項44に記載のハンドピース。
【請求項55】
取り外し可能カバーをさらに備える、請求項44に記載のハンドピース。
【請求項56】
前記ハンドピースは、流体の流れまた液滴を供給するように構成された、請求項44に記載のハンドピース。
【請求項57】
歯周病に関係する歯周組織破壊を検出および測定する方法であって、
音波を伝播することができる流体で歯周ポケットを満たすことと、
該歯周ポケット内に少なくとも1つの音波を伝達することと、
該歯周ポケットからの少なくとも1つの返還音波を感知することと、
該少なくとも1つの伝達音波が該歯周ポケットを横切って戻ってくるのにかかる時間を測定することによって、該ポケットの深さを決定することと
を含む、方法。
【請求項58】
前記ポケットの深さを歯周データとして格納することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
ポケットの深さを格納された歯周データに対して比較することをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記歯周データは電子医療記録に格納される、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
患者の歯の三次元画像を生成することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
遠隔表示部にデータを送信することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項63】
遠隔部に前記歯周データを格納することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項64】
前記格納された歯周データはインターネットを介してアクセスされる、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
セメント質‐エナメル質接合部の位置を決定することを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項66】
前記流体に抗菌剤、殺菌剤、または両方を含めることをさらに含む、請求項57に記載のシステム。
【請求項67】
歯の間の歯間隙に少なくとも1つの音波を伝達することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項68】
歯の間の骨の反射鏡の悪化を決定することをさらに含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
歯のデジタル生成された画像上に歯周測定値をデジタルオーバーレイすることを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項70】
歯周の特徴を識別するために、判別分析ソフトウェアを使用することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項71】
前記判別分析ソフトウェアはウェーブレットアルゴリズムを備える、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
歯の歯石を識別することをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
治療の有効性を評価するために、歯石治療の後に患者を再検査することをさらに含む、請求項73に記載の方法。
【請求項74】
前記流体に医薬品を追加することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項75】
治療の経過の進展を監視することをさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項76】
前記システムを較正することをさらに備える、請求項57に記載のシステム。
【請求項77】
前記較正することは、ソフトウェアを試験すること、ハンドピースを較正すること、振動子を試験すること、音響レンズを試験すること、またはそれらのあらゆる組み合わせを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記較正は、既知の空洞についての深さを測定することを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
相談のために少なくとも1人の歯周専門家に前記電子医療記録を転送することをさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項80】
前記歯周専門家の勧告は、第三者または治療している医療従事者に送信される、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
歯科医師または歯科衛生士を監視することをさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項82】
歯科医師の治療を受けているが、歯周治療専門医によって治療されるべきである患者を識別することをさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項83】
前記判別分析ソフトウェアはインターネットからのダウンロードを介してアップグレードされる、請求項70に記載の方法。
【請求項84】
前記電子医療記録を患者に見せることをさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項85】
前記流体は層流を有する、請求項57に記載の方法。
【請求項86】
レイノルズ数は約1,000より小さい、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
体積流量は約10から約15mL/分の間である、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記ポケットの深さの小さい変化が識別される、請求項57に記載の方法。
【請求項89】
前記小さい変化は、改善している、悪化している、または未変化であるポケットの状態を反映する着色された傾向線で図解される、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記小さい変化は、約0.2から約0.5mmのポケットの深さの変化を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
前記小さい変化は、約0.1から約0.2mmのポケットの深さの変化を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記方法は、気泡の洗浄を容易にするように設計された流体経路を有するハンドピースで実施される、請求項57に記載の方法。
【請求項93】
歯の顔面側に少なくとも1つの音波、および歯の舌側に少なくとも1つの音波を伝達することをさらに備える、請求項57に記載の方法。
【請求項94】
歯の顔面側と舌側の両方において少なくとも3つの音波を伝達することをさらに含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
歯の顔面側と舌側の両方において少なくとも12個の音波を伝達することをさらに含む、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
歯科医師または歯科衛生士に少なくとも1つの超音波歯周システムを提供することと、患者の受診ごとに該歯科医師または歯科衛生士に課金することとを含む、歯周検査を実施する方法。
【請求項97】
前記超音波歯周システムは企業ポータルソフトウェアでインターネットに接続される、請求項96に記載のシステム。
【請求項98】
前記超音波歯周システムはデータのバックアップのために第三者に接続される、請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
相談のために少なくとも1人の歯周専門家に医療記録を転送することをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項100】
前記歯周専門家の勧告は、第三者または治療している医療従事者に送信される、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
歯科医師または歯科衛生士を監視することをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項102】
歯周治療専門医によって治療されるべきである、歯科医師に治療されている患者を識別することをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項103】
前記超音波歯周システムはインターネットからのダウンロードを介してアップグレードすることができる、請求項97に記載の方法。
【請求項104】
超音波エコーを分析する判別分析アルゴリズムであって、
波形を処理することと、
ピークを検出することと、
ピークを判別することとを含み、連続ウェーブレット変換を使用する、判別分析アルゴリズム。
【請求項105】
前記連続ウェーブレット変換は、メキシカンハットウェーブレットまたはMorletウェーブレットを含む、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記ウェーブレットは虚数成分を有しない、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
ウェーブレットのヒルベルト変換を使用することをさらに含む、請求項104に記載の方法。
【請求項108】
直流成分およびナイキスト周波数成分をゼロに設定することをさらに含む、請求項104に記載の方法。
【請求項1】
歯周病に関係する歯周組織破壊を検出および測定するシステムであって、
超音波振動子および音響レンズを有するハンドピースと、
判別分析ソフトウェアを有する制御器ユニットであって、該判別分析ソフトウェアはウェーブレットアルゴリズムを備える、制御器ユニットと、
流体供給源と
を備える、システム。
【請求項2】
前記流体供給源は流体容器を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは歯周ポケットの深さを測定するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
入力装置をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記入力装置はタッチスクリーン、キーボード、またはマウスを備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
歯の画像を表示しかつ該歯の画像と組み合わせて歯周測定を図解することができる、表示部をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
ソフトウェアをさらに備え、該ソフトウェアは前記ハンドピースからのアナログ信号をデジタルデータに変換する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
歯の画像を作成するためのソフトウェアをさらに備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ソフトウェアは、歯周の特徴と関連するピークを識別するように構成された判別分析アルゴリズムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、歯のセメント質‐エナメル質接合部と歯周ポケットの底との間の距離を測定するよう構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは、歯の歯肉線と歯周ポケットの底との間の距離を測定するよう構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、約0.1mmから約0.5mmの間の精度で前記歯周ポケットの前記距離を測定するように構成された、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記ハンドピースは、約0.2mmの精度で前記距離を測定するように構成された、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ハンドピースは、約0.1mmの精度で前記距離を測定するように構成された、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムは歯石を検出するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記流体供給源は、抗菌剤、殺菌剤、または両方を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記超音波振動子、前記流体供給源、または両方を作動させるための制動機をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記制動機は少なくとも1つのフットペダル、または音声起動ソフトウェアを備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記システムはインターネットに接続される、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記接続は有線または無線で達成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
歯周測定は1人の操作者で行うことができる、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記システムは電子医療記録に歯周測定値を格納する、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記電子医療記録は暗号化され、かつHIPAAに準拠する、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
企業ポータルソフトウェアをさらに備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
前記システムはインターネットを介してアップグレードされるように構成された、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
音声発振器をさらに備え、該音声発振器は試験成功を知らせるための1つの音、および試験不成功を知らせるための第二の音を発生する、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記ハンドピースは使い捨てカバーを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
前記使い捨てカバーは一意の識別特徴を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記使い捨てカバーは該使い捨てカバーの再利用を防ぐ安全機能を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
歯周病に関係する歯周組織破壊を検出および測定するハンドピースであって、
第一端に空洞および調整スロットを有する永久ハンドルと、
該永久ハンドルの該第一端内の該空洞に位置する超音波振動子と、
流体供給源と、
使い捨てカバーとを備え、該使い捨てカバーは、該使い捨てカバーの内側に突起部を有し、該突起部は、該調整スロット内に収まるように構成された、ハンドピース。
【請求項31】
前記永久ハンドルは、中心部に第一円周スロットをさらに備える、請求項30に記載のハンドピース。
【請求項32】
前記永久ハンドルの前記第一円周スロットに位置するつる巻きバネをさらに備える、請求項31に記載のハンドピース。
【請求項33】
前記使い捨てカバーは、前記つる巻きバネをスナップ式はめ合いに係合するように構成された円周スロットを備える、請求項32に記載のハンドピース。
【請求項34】
前記永久ハンドルは、中心部に第二円周スロットをさらに備える、請求項33に記載のハンドピース。
【請求項35】
前記第二円周スロットに位置するOリングをさらに備え、該Oリングは密封を形成するように構成された、請求項34に記載のハンドピース。
【請求項36】
前記使い捨てカバーは、前記超音波振動子によって生成された超音波が放出されるプローブを備える、請求項30に記載のハンドピース。
【請求項37】
前記使い捨てカバーは、歯の間の歯間隙にぴったりとはまるような大きさであるプローブ先端を備える、請求項30に記載のハンドピース。
【請求項38】
前記使い捨てカバーは、約10mmの長さを有するプローブ先端を備える、請求項30に記載のハンドピース。
【請求項39】
約13.25mmの焦点距離を有する振動子をさらに備える、請求項38に記載のハンドピース。
【請求項40】
音響レンズをさらに備える、請求項30に記載のハンドピース。
【請求項41】
前記ハンドピースは使い捨てカバーを備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項42】
前記使い捨てカバーは一意の識別特徴を備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項43】
前記使い捨てカバーは該使い捨てカバーの再利用を防ぐ安全機能を備える、請求項30に記載のシステム。
【請求項44】
連続湾曲ハンドルと、
超音波振動子と、
流体供給源と
を備える、歯周病を検出および測定するハンドピース。
【請求項45】
前記ハンドピースは、歯のセメント質‐エナメル質接合部と歯周ポケットの底との間の差違深度を測定するように構成された、請求項44に記載のハンドピース。
【請求項46】
前記ハンドピースは、歯の歯肉線と歯周ポケットの底との間の差違深度を測定するように構成された、請求項44に記載のハンドピース。
【請求項47】
前記ハンドピースは、約0.1から約0.5mmの間の精度で歯周ポケットの差違深度を測定するように構成された、請求項44に記載のハンドピース。
【請求項48】
前記ハンドピースは、約0.2mmの精度で深さを測定するように構成された、請求項47に記載のハンドピース。
【請求項49】
前記ハンドピースは、約0.1mmの精度で深さを測定するように構成された、請求項47に記載のハンドピース。
【請求項50】
使い捨てカバーをさらに備える、請求項44に記載のシステム。
【請求項51】
前記流体供給源は、抗菌剤、殺菌剤、または両方を含む、請求項44に記載のハンドピース。
【請求項52】
前記振動子は、5から15MHzの間の周波数で動作する、請求項44に記載のハンドピース。
【請求項53】
前記振動子は10MHzの周波数で動作する、請求項52に記載のハンドピース。
【請求項54】
音響レンズをさらに備える、請求項44に記載のハンドピース。
【請求項55】
取り外し可能カバーをさらに備える、請求項44に記載のハンドピース。
【請求項56】
前記ハンドピースは、流体の流れまた液滴を供給するように構成された、請求項44に記載のハンドピース。
【請求項57】
歯周病に関係する歯周組織破壊を検出および測定する方法であって、
音波を伝播することができる流体で歯周ポケットを満たすことと、
該歯周ポケット内に少なくとも1つの音波を伝達することと、
該歯周ポケットからの少なくとも1つの返還音波を感知することと、
該少なくとも1つの伝達音波が該歯周ポケットを横切って戻ってくるのにかかる時間を測定することによって、該ポケットの深さを決定することと
を含む、方法。
【請求項58】
前記ポケットの深さを歯周データとして格納することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
ポケットの深さを格納された歯周データに対して比較することをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記歯周データは電子医療記録に格納される、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
患者の歯の三次元画像を生成することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
遠隔表示部にデータを送信することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項63】
遠隔部に前記歯周データを格納することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項64】
前記格納された歯周データはインターネットを介してアクセスされる、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
セメント質‐エナメル質接合部の位置を決定することを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項66】
前記流体に抗菌剤、殺菌剤、または両方を含めることをさらに含む、請求項57に記載のシステム。
【請求項67】
歯の間の歯間隙に少なくとも1つの音波を伝達することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項68】
歯の間の骨の反射鏡の悪化を決定することをさらに含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
歯のデジタル生成された画像上に歯周測定値をデジタルオーバーレイすることを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項70】
歯周の特徴を識別するために、判別分析ソフトウェアを使用することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項71】
前記判別分析ソフトウェアはウェーブレットアルゴリズムを備える、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
歯の歯石を識別することをさらに含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
治療の有効性を評価するために、歯石治療の後に患者を再検査することをさらに含む、請求項73に記載の方法。
【請求項74】
前記流体に医薬品を追加することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【請求項75】
治療の経過の進展を監視することをさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項76】
前記システムを較正することをさらに備える、請求項57に記載のシステム。
【請求項77】
前記較正することは、ソフトウェアを試験すること、ハンドピースを較正すること、振動子を試験すること、音響レンズを試験すること、またはそれらのあらゆる組み合わせを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記較正は、既知の空洞についての深さを測定することを含む、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
相談のために少なくとも1人の歯周専門家に前記電子医療記録を転送することをさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項80】
前記歯周専門家の勧告は、第三者または治療している医療従事者に送信される、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
歯科医師または歯科衛生士を監視することをさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項82】
歯科医師の治療を受けているが、歯周治療専門医によって治療されるべきである患者を識別することをさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項83】
前記判別分析ソフトウェアはインターネットからのダウンロードを介してアップグレードされる、請求項70に記載の方法。
【請求項84】
前記電子医療記録を患者に見せることをさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項85】
前記流体は層流を有する、請求項57に記載の方法。
【請求項86】
レイノルズ数は約1,000より小さい、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
体積流量は約10から約15mL/分の間である、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記ポケットの深さの小さい変化が識別される、請求項57に記載の方法。
【請求項89】
前記小さい変化は、改善している、悪化している、または未変化であるポケットの状態を反映する着色された傾向線で図解される、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記小さい変化は、約0.2から約0.5mmのポケットの深さの変化を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項91】
前記小さい変化は、約0.1から約0.2mmのポケットの深さの変化を含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記方法は、気泡の洗浄を容易にするように設計された流体経路を有するハンドピースで実施される、請求項57に記載の方法。
【請求項93】
歯の顔面側に少なくとも1つの音波、および歯の舌側に少なくとも1つの音波を伝達することをさらに備える、請求項57に記載の方法。
【請求項94】
歯の顔面側と舌側の両方において少なくとも3つの音波を伝達することをさらに含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
歯の顔面側と舌側の両方において少なくとも12個の音波を伝達することをさらに含む、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
歯科医師または歯科衛生士に少なくとも1つの超音波歯周システムを提供することと、患者の受診ごとに該歯科医師または歯科衛生士に課金することとを含む、歯周検査を実施する方法。
【請求項97】
前記超音波歯周システムは企業ポータルソフトウェアでインターネットに接続される、請求項96に記載のシステム。
【請求項98】
前記超音波歯周システムはデータのバックアップのために第三者に接続される、請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
相談のために少なくとも1人の歯周専門家に医療記録を転送することをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項100】
前記歯周専門家の勧告は、第三者または治療している医療従事者に送信される、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
歯科医師または歯科衛生士を監視することをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項102】
歯周治療専門医によって治療されるべきである、歯科医師に治療されている患者を識別することをさらに含む、請求項97に記載の方法。
【請求項103】
前記超音波歯周システムはインターネットからのダウンロードを介してアップグレードすることができる、請求項97に記載の方法。
【請求項104】
超音波エコーを分析する判別分析アルゴリズムであって、
波形を処理することと、
ピークを検出することと、
ピークを判別することとを含み、連続ウェーブレット変換を使用する、判別分析アルゴリズム。
【請求項105】
前記連続ウェーブレット変換は、メキシカンハットウェーブレットまたはMorletウェーブレットを含む、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記ウェーブレットは虚数成分を有しない、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
ウェーブレットのヒルベルト変換を使用することをさらに含む、請求項104に記載の方法。
【請求項108】
直流成分およびナイキスト周波数成分をゼロに設定することをさらに含む、請求項104に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【公表番号】特表2008−534167(P2008−534167A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504488(P2008−504488)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/012255
【国際公開番号】WO2006/105476
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(507324337)ペリオ−イメージング インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/012255
【国際公開番号】WO2006/105476
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(507324337)ペリオ−イメージング インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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