説明

超音波診断装置及び画像処理装置

【課題】 画像表示と計測のための操作の数を減らし、検査にかかる時間を減少させることが可能な超音波診断装置を提供する。
【解決手段】 ドプラモードを実行することで得られた信号を信号処理部4で処理した後、データ記憶部5に記憶させる。バッファ分割部64は表示用フレームバッファ7の保存領域を複数の領域に分割する。データ取得部61は、データ記憶部5から指定された範囲内のデータを読み出す。読み出されたデータは、変換処理部62で変換処理された後、データ展開部63に出力される。データ展開部63は、複数の変換処理後のデータを、表示用フレームバッファ7の分割後の各保存領域に展開する。表示制御部8は、各保存領域に保持されている複数の変換処理後のデータを表示部9に同時に表示させる。これにより、異なる時間に収集されたスペクトラムが同時に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被検体内に超音波を送信し、被検体内からの反射波を受信することにより被検体内の診断情報を得る超音波診断装置に関する。特に、ドプラモード又はMモードを実行して収集された画像を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ドプラモード又はMモードを実行する超音波診断装置がある。ドプラモードは、超音波ドプラ法の原理に基づいて被検体内の血流の情報を得る技術である。Mモードは、超音波の反射強度を輝度変調で表示する技術であり、被検体内の各組織までの距離と、その経時的変化を表示する技術である。
【0003】
ここで、ドプラモードについて説明する。被検体内の血流などの流れのある診断部位に向けて超音波を送信すると、ドプラ効果により、送信周波数に対して受信周波数が僅かに偏移する。この偏移周波数(ドプラ周波数)は血流速度に比例し、偏移周波数(ドプラ周波数)の周波数解析を行うことにより血流情報が得られる。
【0004】
上記の超音波診断装置では、得られたドプラ信号に対して高速フーリエ変換(FFT)を行い、その周波数解析の結果を、縦軸に周波数f(速度v)、横軸に時間tとしてスペクトラムの表示が行われている(FFT表示)。このFFT表示は、周波数f(速度v)を縦軸、時間軸を横軸に設け、周波数f(速度v)が刻々と変化する様子をパターンとして表示するものである。そして、刻々と変化する周波数f(速度v)のデータ(以下、ドプラデータと称する場合がある)を超音波診断装置の記憶装置に記憶させておき、速度などの計測を行う場合は、所望の時間に収集されたデータを画面に表示させて速度などの計測を行っていた。
【0005】
図10に従来技術に係る超音波診断装置により収集されたドプラデータの表示例を示す。ドプラモードを実行し、得られたドプラ信号に対してFFT処理を施すことにより刻々と変化する周波数f(速度v)のデータ(ドプラデータ)が得られる。このドプラデータは、超音波診断装置の記憶装置に記憶される。例えば図10(b)に示すように、「周波数f(速度v)−時間」のデータが記憶装置に記憶される。
【0006】
そして、操作者が所望の時間を指定すると、その時間に収集されたドプラデータが超音波診断装置の表示装置に表示される。例えば、図10(b)に示すドプラデータの全範囲から、所定の幅を持った時間幅Aが指定されると、その時間幅A内に収集されたドプラデータが記憶装置から読み出され、図10(a)に示すように、表示装置の画面9a上に時間幅A内に収集されたスペクトラムが表示される。この表示において、横軸が時間軸、縦軸が周波数f(速度v)となっている。このとき、図10(a)に示すように、画面9a上には1つの表示領域12が表示され、その1つの表示領域12内に時間幅A内に収集されたスペクトラムが表示される。
【0007】
また、図10(b)に示すドプラデータの全範囲から、時間幅Aと異なる時間幅Bが指定されると、時間幅B内に収集されたドプラデータが記憶装置から読み出され、図10(a)に示すように、表示装置の画面9a上に時間幅B内に収集されたスペクトラムが表示される。このとき、時間幅Bが指定されるまで表示されていた時間幅A内に収集されたスペクトラムの表示が更新されて、画面9aの表示領域12には時間幅B内に収集されたスペクトラムのみが表示される。
【0008】
さらに、図10(b)に示すドプラデータの全範囲から、時間幅A及び時間幅Bと異なる時間幅Cが指定されると、時間幅C内に収集されたドプラデータが記憶装置から読み出され、図10(a)に示すように、表示装置の画面9a上に時間幅C内に収集されたスペクトラムが表示される。このとき、時間幅Cが指定されるまで表示されていた時間幅B内に収集されたスペクトラムの表示が更新されて、画面9aの表示領域12には時間幅C内に収集されたスペクトラムのみが表示される。
【0009】
以上のように、画面9a上には1つの表示領域12のみが表示され、その1つの表示領域12内には、指定された時間に収集されたスペクトラムが表示される。そして、別の時間が指定されると、今まで表示されていたスペクトラムが更新されて、新たに指定された時間に収集されたスペクトラムのみが表示される。
【0010】
Mモードについてもドプラモードと同様である。Mモードで収集されたスペクトラムを画面9a上に表示する場合も、画面9a上には1つの表示領域12のみが表示され、その1つの表示領域12内に指定された時間に収集されたスペクトラム(Mモードで収集されたスペクトラム)が表示される。そして、別の時間が指定されると、今まで表示されていたスペクトラム(Mモードで収集されたスペクトラム)が更新されて、新たに指定された時間に収集されたスペクトラム(Mモードで収集されたスペクトラム)のみが表示される。
【0011】
【特許文献1】特開平11−033024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来技術に係る超音波診断装置では、画面9a上に1つの表示領域12のみを表示して、その1つの表示領域12内に指定された時間に収集されたスペクトラムを表示するため、異なる時間に収集されたスペクトラム同士の比較が困難であった。
【0013】
例えば、異なる時間の血流速度同士を比較する場合、数回に分けてスペクトラムを表示して血流速度の計測を行う必要があった。具体的には、時間幅A内に収集されたスペクトラムから得られる血流速度と、時間幅B内に収集されたスペクトラムから得られる血流速度とを比較する場合、まず、時間幅A内に収集されたスペクトラムを画面上に表示し、血流速度の計測を行うことでそのスペクトラムから血流の速度情報を得て、次に、表示を更新して時間幅B内に収集されたスペクトラムを画面上に表示し、血流速度の計測を行うことでそのスペクトラムから血流の速度情報を得る必要がある。このように、スペクトラムの表示と血流速度の計測を何回も繰り返す必要があるため、表示と計測を行うために操作者が行うべき操作の数が増加し、検査に時間がかかるといった問題があった。
【0014】
さらに、画面9aには1つの時間に収集されたスペクトラムのみが表示されるため、複数の時間で収集されたスペクトラムを視覚的に比較することができない問題もあった。
【0015】
なお、Mモードを実行する場合も、ドプラモードを実行する場合と同様に、異なる時間に収集されたスペクトラム同士の比較が困難であった。
【0016】
この発明は上記の問題点を解決するものであり、異なる時間に収集されたスペクトラムを同時に表示することにより、表示と計測のための操作の数を減らし、検査にかかる時間を減少させることが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1記載の発明は、ドプラモード又はMモードを実行することにより時系列的な画像データを収集する画像データ収集手段と、前記画像データ収集手段により収集された時系列的な画像データを記憶する記憶手段と、時間を指定する指定手段と、前記指定手段により複数の時間が指定されると、前記記憶手段に記憶されている時系列的な画像データのうち前記指定された複数の時間に収集された画像データを取得するデータ取得手段と、前記取得された複数の時間に収集された画像データに基づく複数の画像を表示手段に同時に表示させる表示制御手段と、を有することを特徴とする超音波診断装置である。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記指定手段により複数の時間が指定されると、前記データ取得手段は、前記記憶手段に記憶されている時系列的な画像データのうち前記指定された複数の時間に収集された画像データを取得し、前記表示制御手段は、前記表示手段の表示領域を前記指定された時間の数を含む数の領域に分割し、前記取得された複数の時間に収集された画像データに基づく複数の画像を、前記分割後の各領域にそれぞれ表示させることを特徴とするものである。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の超音波診断装置であって、前記画像データ収集手段は、前記時系列的な画像データを被検体の心電波形とともに収集し、前記記憶手段は、前記画像データ収集手段により収集された時系列的な画像データと心電波形の時相とを対応付けて記憶し、前記指定手段により心電波形の時相が指定されると、前記データ取得手段は、前記対応付けに従って、前記記憶手段に記憶されている時系列的な画像データのうち、同じ時相に収集された画像データを取得し、前記表示制御手段は、前記取得された同じ時相に収集された画像データに基づく複数の画像を前記表示手段に同時に表示させることを特徴とするものである。
【0020】
請求項4に記載の発明は、超音波診断装置によりドプラモード又はMモードが実行されて収集された時系列的な画像データを記憶する記憶手段と、時間を指定する指定手段と、前記指定手段により複数の時間が指定されると、前記記憶手段に記憶されている時系列的な画像データのうち前記指定された複数の時間に収集された画像データを取得するデータ取得手段と、前記取得された複数の時間に収集された画像データに基づく複数の画像を表示手段に同時に表示させる表示制御手段と、を有することを特徴とする画像処理装置である。
【発明の効果】
【0021】
この発明によると、異なる時間に収集されたスペクトラムを同時に表示することにより、表示及び計測のための操作の数を減らし、検査にかかる時間を減少させることが可能となる。また、複数のスペクトラムが同時に表示されるため、スペクトラム同士の視覚的な比較も可能となるため、その比較を容易に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1の実施の形態]
この発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置について説明する。まず、この発明の実施形態に係る超音波診断装置の構成について、図1を参照しつつ説明する。図1は、この発明の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。
【0023】
この実施形態に係る超音波診断装置1は、Bモード断層像を表示するBモード、超音波ビーム方向の反射源の時間的位置変化を運動曲線として表示するMモード、血流情報を表示するドプラモード(パルスドプラ(PW)又は連続波ドプラ(CW))、血流情報を2次元的に表示するCFM(カラーフローマッピング)モードなどの既知のモードに応じて動作可能な装置である。
【0024】
超音波プローブ2には、いわゆる1次元超音波プローブ又は2次元超音波プローブが用いられる。1次元超音波プローブは、複数の超音波振動子(圧電体)が走査方向に配列され、被検体に対して超音波を送信し、被検体からの反射波をエコー信号として受信する。また、2次元超音波プローブは、超音波振動子がマトリックス(格子)状に配置され、走査(スキャン)することによって3次元的に超音波を送信し、プローブ表面から放射状に広がる形状の3次元データをエコー信号として受信する。
【0025】
送受信部3は、超音波プローブ2に電気信号を供給して超音波を発生させる送信部(図示しない)と、超音波プローブ2からの信号を受信する受信部(図示しない)とを備えて構成されている。
【0026】
送受信部3の送信部は、図示しないクロック発生回路、送信遅延回路、及びパルサ回路を備えている。クロック発生回路は、超音波信号の送信タイミングや送信周波数を決めるクロック信号を発生する回路である。送信遅延回路は、超音波の送信時に遅延を掛けて送信フォーカスを実施する回路である。パルサ回路は、各超音波振動子に対応した個別経路(チャンネル)の数分のパルサを内蔵し、遅延が掛けられた送信タイミングで駆動パルスを発生し、超音波プローブ2の各超音波振動子に供給するようになっている。
【0027】
また、送受信部3の受信部は、図示しないプリアンプ回路、A/D変換回路、及び受信遅延・加算回路を備えている。プリアンプ回路は、超音波プローブ2の各超音波振動子から出力されるエコー信号を受信チャンネルごとに増幅する。A/D変換回路は、増幅されたエコー信号をA/D変換する。受信遅延・加算回路は、A/D変換後のエコー信号に対して受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与え、加算する。その加算により、受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。なお、この送受信部3によって加算処理された信号を「RFデータ(または、生データ)」と称する。送受信部3から出力されたRFデータは、信号処理部4に出力される。
【0028】
信号処理部4は、図示しないBモード処理回路とドプラ処理回路とを備えて構成されている。送受信部3から出力されたRFデータは、いずれかの処理回路にて所定の処理が施される。
【0029】
Bモード処理回路(図示しない)は、エコーの振幅情報の映像化を行い、エコー信号からBモード超音波ラスタデータを生成する。具体的には、Bモード処理回路は、RFデータに対してバンドパスフィルタ処理を行い、その後、出力信号の包絡線を検波し、検波されたデータに対して対数変換による圧縮処理を施す。その他、エッジ強調等の処理が行われる場合もある。
【0030】
ドプラ処理回路(図示しない)は、位相検波回路及びFFT演算回路等から構成され、RFデータからドプラ偏移周波数成分を取り出し、更にFFT処理等を施して血流情報を表すデータを生成する。
【0031】
また、信号処理部4にCFM処理回路を備えても良い。CFM処理回路は、動いている血流情報の映像化を行い、カラー超音波ラスタデータを生成する。血流情報には、速度、分散、パワーなどの情報があり、血流情報は2値化情報として得られる。具体的には、CFM処理回路は、位相検波回路、MTIフィルタ、自己相関器、及び流速・分散演算器から構成されている。このCFM処理回路は、組織信号と血流信号とを分離するためのハイパスフィルタ処理(MTIフィルタ処理)が行われ、自己相関処理により血流の移動速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求める。その他、組織信号を低減及び削減するための非線形処理が行われる場合もある。
【0032】
なお、超音波プローブ2、送受信部3、及び信号処理部4がこの発明の「画像データ収集手段」に相当する。
【0033】
データ記憶部5は書き込み可能なメモリなどの記憶装置からなり、信号処理部4から出力された信号処理後のデータが一時的に記憶される。
【0034】
DSC6(デジタルスキャンコンバータ)は、信号処理部4から出力された走査線信号列で表される信号処理後のデータを空間情報に基づいた座標系のデータに変換する(スキャンコンバージョン処理)。つまり、超音波走査に同期した信号列をテレビ走査方式の表示部9で表示できるようにするために、標準のテレビ走査に同期して読み出すことにより走査方式を変換している。
【0035】
Bモード処理回路から出力された信号処理後のデータに対してスキャンコンバージョン処理が施されると、被検体の組織形状を表す断層像データが得られる。また、ドプラ処理回路から出力された信号処理後のデータに対してスキャンコンバージョン処理が施されると、血流の速度情報等がドプラデータとして得られる。
【0036】
ここで、DSC6の機能について具体的に説明する。DSC6は、データ取得部61、変換処理部62、データ展開部63、及びバッファ分割部64を備えて構成されている。
【0037】
データ取得部61は、データ記憶部5に記憶されている信号処理後のデータを読み出して変換処理部62に出力する。操作部10を用いて所望の時間が指定されると、制御部11は、データ記憶部5の保存領域におけるデータの読み出し開始アドレスと、指定された時間に対応するデータ記憶部5の保存領域の幅(データの読み出し範囲)を示す情報をDSC6に出力する。このデータの読み出し範囲の幅は、表示部9上の表示領域内に表示されるスペクトラムの時間幅に対応している。DSC6内のデータ取得部61は、その読み出し開始アドレスとデータ読み出し範囲を示す情報に従って、データ記憶部5から信号処理後のデータを読み出して変換処理部62に出力する。なお、指定される時間は、送受信部3によりエコー信号が受信された時間である。送受信部3によりエコー信号が受信された時間が、ドプラデータなどの時間になる。
【0038】
また、操作部10を用いて複数の時間が指定されると、制御部11は複数の読み出し開始アドレスと、指定された時間に対応する保存領域の幅(データ読み出し範囲)を示す情報をDSC6に出力する。DSC6内のデータ取得部61は、複数の読み出し開始アドレスとデータ読み出し範囲を示す情報に従って、データ記憶部5から異なる時間に収集された信号処理後のデータを読み出して変換処理部62に出力する。
【0039】
変換処理部62は、データ取得部61により読み出された信号処理後のデータに対してスキャンコンバージョン処理を施すことにより、信号処理後のデータを空間情報に基づいた座標系のデータに変換する。例えば、ドプラ処理回路から出力された信号処理後のデータに対してスキャンコンバージョン処理を施すと、空間情報に基づいた座標系のドプラデータが得られる。なお、以下の説明において、スキャンコンバージョン処理後のデータを、「変換処理後のデータ」と称する場合がある。
【0040】
データ展開部63は、変換処理部62によりスキャンコンバージョン処理が施されたデータを表示用フレームバッファ7の保存領域に展開する。
【0041】
バッファ分割部64は、表示用フレームバッファ7の保存領域を複数の領域に分割する。操作部10を用いて複数の時間が指定されると、制御部11は複数の読み出し開始アドレスと、指定された時間に対応する保存領域の幅(データ読み出し範囲)を示す情報をDSC6に出力する。DSC6内のバッファ分割部64は、表示用フレームバッファ7の保存領域を指定された時間の数と同じ数の領域に分割する。例えば、2つの異なる時間が指定されると、バッファ分割部64は、表示用フレームバッファ7の保存領域を2つの領域に分割する。
【0042】
バッファ分割部64により表示用フレームバッファ7の保存領域が複数の領域に分割されると、データ展開部63は、表示用フレームバッファ7の分割後の各保存領域に、異なる時間に収集された変換処理後のデータをそれぞれ展開する。
【0043】
表示用フレームバッファ7は、表示部9に表示するためのドプラデータなどの画像データを一時的に記憶するメモリである。この表示フレームバッファ7の保存領域は、バッファ分割部64により複数の領域に分割され、データ展開部63によって変換処理後のデータが分割後の各保存領域にそれぞれ展開される。
【0044】
表示制御部8は、表示用フレームバッファ7に保持されているドプラデータなどの画像データを読み出して表示部9に出力し、表示部9のモニタ画面上に画像データに基づく画像を表示させる。表示フレームバッファ7の保存領域が複数の領域に分割されている場合、表示制御部8は、分割後の各保存領域に展開されているデータをそれぞれ読み出して、各保存領域のデータに基づく画像を表示部9のモニタ画面上に同時に表示させる。
【0045】
また、表示制御部8には、メモリなどの記憶部(図示しない)が接続されている。この記憶部には、表示部9のモニタ画面上に表示させるための表示分割線のデータが記憶されている。操作部10を用いて表示部9上の表示領域の分割表示が指示され、制御部11を介してその分割表示の指示が表示制御部8に出力されると、表示制御部8はその分割表示の指示に従って記憶部(図示しない)から上記表示分割線のデータを読み出して、表示部9のモニタ画面上の初期設定の位置に表示分割線を表示させる。この表示分割線は、操作部10を用いて表示部9の表示領域内で移動可能となっている。例えば、操作者が操作部10を用いて表示分割線の移動を指示すると、制御部11から表示分割線の移動先の座標情報が表示制御部8に出力される。表示制御部8はその座標情報に従って、表示部9のモニタ画面上のその座標に表示分割線を表示させる。
【0046】
表示部9はCRTや液晶ディスプレイなどのモニタからなり、そのモニタ画面上にドプラデータに基づくスペクトラム、Mモードデータに基づくスペクトラム、断層像、又は3次元画像などが表示される。
【0047】
操作部10は、超音波の送受信条件などに関する各種設定、時間の指定、表示部9の表示領域の分割命令、時相の指定などを行うための入力装置である。この操作部10で入力された情報又は命令は制御部11に出力され、制御部11はその命令に従って超音波診断装置の各部を制御する。操作部10は、例えば、ジョイスティックやトラックボールなどのポインティングデバイス、スイッチ、各種ボタン、マウス、キーボード又はTCS(Touch Command Screen)などからなる。また、操作部10には、表示部9に表示されている画像を静止させるための命令を与えるためのスイッチ(一般的にはフリーズボタンと称される)が設置されている。
【0048】
制御部11は例えばCPUで構成され、超音波診断装置1の制御プログラムが記憶されているメモリなどの記憶部(図示しない)が接続されている。制御部11は超音波診断装置1の各部に接続され、上記制御プログラムを実行することにより、各部の制御を行なう。また、上記記憶部には、超音波診断装置1の各種設定条件などが記憶されている。制御部11は、操作部10により所望の時間が指定されると、データ記憶部5の保存領域におけるデータの読み出しアドレスと、指定された時間に対応するデータ記憶部5の保存領域の幅(データの読み出し範囲)を決定し、データの読み出しアドレスとデータの読み出し範囲を示す情報をDSC6に出力する。
【0049】
(作用)
次に、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の作用について図2から図7を参照しつつ説明する。図2及び図3は、この発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置の動作を順番に示すフローチャートである。
【0050】
まず、超音波診断装置1によりドプラモードを実行して、被検体内の血流の速度情報(ドプラデータ)を収集する(ステップS01)。具体的には、送受信部3の送信部は超音波プローブ2に電気信号を供給して超音波を発生させ、パルスドプラ法(PW法)又は連続波ドプラ法(CW法)により被検体内に超音波を送信させる。超音波プローブ2は、被検体からの反射波をエコー信号として受信し、送受信部3の受信部に出力する。送受信部3の受信部は、超音波プローブ2から出力されるエコー信号を受信し、そのエコー信号に対してA/D変換処理、遅延・加算処理などを施すことによりRFデータを生成する。送受信部3は、RFデータを信号処理部4に出力する。信号処理部4内のドプラ処理回路は、RFデータからドプラ偏移周波数成分を取り出し、更にFFT処理を施すことにより、血流情報を表すデータを生成し、信号処理後のデータをデータ記憶部5に出力する。データ記憶部5は、信号処理後のデータを一時的に記憶する。
【0051】
そして、DSC6内のデータ取得部61は、データ記憶部5に記憶されている信号処理後のデータを読み出して変換処理部62に出力する。変換処理部62は、信号処理後のデータに対してスキャンコンバージョン処理を施して空間情報に基づいた座標系のデータに変換する。データ展開部63は、変換処理後のデータを表示用フレームバッファ7の保存領域に展開する。表示制御部8は、表示用フレームバッファ7に記憶されているデータを読み出して表示部9のモニタ画面上にそのデータに基づく画像を表示させる(ステップS02)。この画像が、ドプラデータに基づく画像であり、刻々と変化する周波数f(速度v)のスペクトラムを表している。なお、このスペクトラムの時間は、送受信部3によりエコー信号が受信された時間に相当する。
【0052】
図4に、表示部9のモニタ画面上に表示された周波数f(速度v)のスペクトラムの一例を示す。ステップS01及びステップS02の処理が実行されることにより、図4(a)に示すように、表示部9のモニタ画面上には周波数f(速度v)のスペクトラムが表示される。図4において、横軸は時間軸、縦軸は周波数f(速度v)となっている。表示制御部8は、例えば、表示部9のモニタ画面上に表示領域12を表示させ、その表示領域12内に周波数f(速度v)のスペクトラムを表示させる。このとき、表示部9の表示領域12内には所定の時間幅内に収集されたスペクトラムが表示される。例えば、時間幅ΔTの間に収集されたスペクトラムが表示される。この図4(a)に示すスペクトラムは、時間とともに刻々と変化するデータである。
【0053】
そして、診断のため、表示部9に表示されているスペクトラムの表示を静止させる(ステップS03)。例えば、操作者が操作部10を用いてスペクトラム表示の静止命令を超音波診断装置1に与えると、その静止命令は制御部11を介して表示制御部8に出力される。既知の超音波診断装置には、表示部9に表示されている動画などを静止させるための「フリーズボタン」と称されるスイッチが設けられている。操作者がその「フリーズボタン」を押下することで、超音波診断装置1に対して画像の静止命令が与えられる。表示制御部8はその画像の静止命令を受けると、表示部9のモニタ画面上に表示されているスペクトラムの表示を静止させる。これにより、表示部9のモニタ画面上には静止されたスペクトラムが表示されることになる。図4(b)に、静止された状態のスペクトラムを示す。
【0054】
また、スペクトラムの表示を静止させた状態で、別の時間幅内に収集されたスペクトラムを表示部9の表示領域12内に表示させることができる。つまり、操作部10にて所望の時間が指定されると、その時間に収集されたスペクトラムが表示部9のモニタ画面上に表示されることになる。操作者が行う操作方法として、例えば操作部10に設置されたトラックボールで図4(b)に示す矢印Aの方向を指示すると、表示領域12内に表示されているスペクトラムが矢印Aの反対の方向にスクロールし、別の時間幅内に収集されたスペクトラムが表示領域12内に表示される。
【0055】
具体的な処理について図5を参照しつつ説明する。図5は、データ記憶部5及び表示用フレームバッファ7内の保存領域を示す図である。操作部10を用いて所望の時間を指定する(トラックボールで矢印Aの方向を指示する)と、操作部10から指定された時間を示す情報が制御部11に出力される。制御部11は、指定された時間の情報を受けると、データ記憶部5の保存領域におけるデータの読み出し開始アドレスと、指定された時間に対応する保存領域の範囲(データの読み出し範囲)を示す情報をDSC6に出力する。このデータの読み出し範囲が、表示部9の表示領域12内に表示されるスペクトラムの時間幅ΔTに相当する。
【0056】
DSC6内のデータ取得部61は、制御部11から出力されたデータの読み出し開始アドレスとデータの読み出し範囲を示す情報を受けると、そのデータの読み出し開始アドレスとデータの読み出し範囲を示す情報に従って、図5に示すように、データ記憶部5の保存領域から指定された時間に対応する保存領域の範囲(図中、指定された範囲と記載)内にある信号処理後のデータを読み出して変換処理部62に出力する。
【0057】
変換処理部62は読み出されたデータに対してスキャンコンバージョン処理を施し、変換処理後のデータをデータ展開部63に出力する。データ展開部63は、図5に示すように、変換処理後のデータを表示用フレームバッファ7の保存領域に展開する。表示制御部8は、表示用フレームバッファ7に記憶されている変換処理後のデータを読み出して、そのデータに基づく画像を表示部9の表示領域12内に表示させる。これにより、表示部9の表示領域12内に表示されているスペクトラムが、新たに指定された時間幅内に収集されたスペクトラムに更新されて表示される。
【0058】
そして、操作者は操作部10を用いて表示領域12の分割表示命令を超音波診断装置1に与える(ステップS04)。その分割表示命令は操作部10から制御部11を介して表示制御部8に出力される。表示制御部8は、その分割表示命令を受けると、表示制御部8に接続されている記憶部(図示しない)に記憶されている表示分割線のデータを読み出し、表示部9のモニタ画面上の初期設定の位置に表示分割線を表示させる。例えば、図4(c)に示すように、表示制御部8は、表示部9の表示領域12上に表示分割線13を重畳させて表示させる。この表示分割線13は表示領域12内で移動可能となっており、操作部10を用いることにより図4(c)に示す矢印の方向(左右の方向)に移動させることができる。操作者は操作部10を用いて表示領域12を分割させたい位置に表示分割線13を移動させる。操作部10からは表示分割線13の座標情報が制御部11に出力され、制御部11はその座標情報を表示制御部8に出力する。表示制御部8はその座標情報を受け、その座標に表示分割線13を表示させる。
【0059】
操作者が所望する位置に表示分割線13を移動させた後、操作者が操作部10を用いて分割確定命令を超音波診断装置1に与える。制御部11は、操作部10から分割確定命令を受けると、その分割確定命令を表示制御部8に出力する。表示制御部8は制御部11から分割確定命令を受けると、表示部9に表示されている表示領域12を、表示分割線13を境界にして2つの表示領域に分割し、2つの表示領域を表示部9に表示させる(ステップS05)。例えば図4(d)に示すように、表示制御部8は表示分割線13を境界にして表示領域12を2分割することにより、表示領域12aと表示領域12bとを表示部9のモニタ画面上に表示させる。例えば、表示領域12を等分割することで、表示領域12aの幅と表示領域12bの幅は等しくなる。そして、表示制御部8は、表示領域12a内に時間幅Aに収集されたスペクトラムを表示させ、表示領域12b内に時間幅Bに収集されたスペクトラムを表示させる。以下、この表示のための処理について説明する。
【0060】
制御部11は操作部10から分割確定命令を受けると、表示分割線13により分割された後の表示領域12a内に表示すべき時間幅Aに収集されたスペクトラムと、表示領域12b内に表示すべき時間幅Bに収集されたスペクトラムについて、データ記憶部5の保存領域におけるデータの読み出し開始アドレスと、各時間に対応する保存領域の範囲(データの読み出し範囲)を決定する。つまり、制御部11は、表示領域12a内に表示すべきスペクトラムのデータの読み出し開始アドレスAとデータの読み出し範囲Aを決定し、さらに、表示領域12b内に表示すべきスペクトラムのデータの読み出し開始アドレスBとデータの読み出し範囲Bを決定する。
【0061】
表示領域12は等分割されているため、表示領域12aに表示されるスペクトラムの時間幅Aと、表示領域12bに表示されるスペクトラムの時間幅Bとは、その幅が等しくなる。例えば、元々の表示領域12に表示されていたスペクトラムの時間幅を時間幅ΔTとすると、表示領域12は2つの領域に等分割されているため、表示領域12aに表示されるスペクトラムの時間幅Aは、「時間幅ΔT/2」となり、表示領域12bに表示されるスペクトラムの時間幅Bは、「時間幅ΔT/2」となる。データの読み出し範囲A及びBは、この「時間幅ΔT/2」に対応する範囲となる。
【0062】
そして、制御部11は、読み出し開始アドレスAとデータの読み出し範囲Aを示す情報をDSC6に出力するとともに、読み出し開始アドレスBとデータの読み出し範囲Bを示す情報をDSC6に出力する(ステップS06)。
【0063】
DSC6内のデータ取得部61は、制御部11から出力されたデータの読み出し開始アドレスA及びBと、データの読み出し範囲A及びBを示す情報を受けると、データの読み出し開始アドレスA及びBと、データの読み出し範囲A及びBを示す情報に従って、データ記憶部5の保存領域から時間幅A及び時間幅Bに対応する保存領域の範囲内にある信号処理後のデータを読み出して変換処理部62に出力する。
【0064】
この読み出し処理について図6を参照しつつ説明する。図6は、データ記憶部5及び表示用フレームバッファ7内の保存領域を示す図である。DSC6内のデータ取得部61は、制御部11から出力されたデータの読み出し開始アドレスAとデータの読み出し範囲Aを示す情報を受けると、データの読み出し開始アドレスAとデータの読み出し範囲Aを示す情報に従って、図6に示すように、データ記憶部5の保存領域から時間幅Aに対応する保存領域の範囲A内にある信号処理後のデータを読み出して変換処理部62に出力する(ステップS07)。さらに、データ取得部61は、制御部11から出力されたデータの読み出し開始アドレスBとデータの読み出し範囲Bを示す情報を受けると、データの読み出し開始アドレスBとデータの読み出し範囲Bを示す情報に従って、図6に示すように、データ記憶部5の保存領域から時間幅Bに対応する保存領域の範囲B内にある信号処理後のデータを読み出して変換処理部62に出力する(ステップS07)。ここで、データ記憶部5の保存領域の範囲Aから読み出された信号処理後のデータを、信号処理後のデータAと称する。また、データ記憶部5の保存領域の範囲Bから読み出された信号処理後のデータを、信号処理後のデータBと称する。
【0065】
変換処理部62は、データ記憶部5の保存領域の範囲Aから読み出された信号処理後のデータAに対してスキャンコンバージョン処理を施し、変換処理後のデータをデータ展開部63に出力する(ステップS08)。また、変換処理部62は、データ記憶部5の保存領域の範囲Bから読み出された信号処理後のデータBに対してスキャンコンバージョン処理を施し、変換処理後のデータをデータ展開部63に出力する(ステップS08)。ここで、信号処理後のデータAに対してスキャンコンバージョン処理が施されて得られたデータを変換処理後のデータAと称する。また、信号処理後のデータBに対してスキャンコンバージョン処理が施されて得られたデータを変換処理後のデータBと称する。
【0066】
一方、バッファ分割部64は、変換処理後のデータを展開する表示用フレームバッファ7の保存領域を複数の領域に分割する(ステップS09)。例えば、表示部9の表示領域12を2つの領域に分割した場合、バッファ分割部64は図6に示すように、表示用フレームバッファ7の保存領域を、範囲Aのデータ用の保存領域Aと、範囲Bのデータ用の保存領域Bとに分割する。
【0067】
そして、データ展開部63は、図6に示すように、表示フレームバッファ7の範囲Aのデータ用の保存領域Aに、変換処理後のデータAを展開し、表示フレームバッファ7の範囲Bのデータ用の保存領域Bに、変換処理後のデータBを展開する(ステップS10)。
【0068】
表示制御部8は、表示フレームバッファ7の各保存領域に保持されている変換処理後のデータA及びBを読み出し、表示部9の分割後の各表示領域内に表示させる(ステップS11)。例えば、表示制御部8は、表示フレームバッファ7の保存領域Aに保持されている変換処理後のデータAを読み出し、表示部9の表示領域12a内に変換処理後のデータAに基づくスペクトラム(画像)を表示させる。さらに、表示制御部8は、表示フレームバッファ7の保存領域Bに保持されている変換処理後のデータBを読み出し、表示部9の表示領域12b内に変換処理後のデータBに基づくスペクトラム(画像)を表示させる。これにより、図4(d)に示すように、表示領域12aと表示領域12bとには、それぞれ異なる時間に収集されたスペクトラムが表示されることになる。表示領域12は2つの領域(表示領域12aと表示領域12b)に分割されているため、表示領域12aと表示領域12bとに表示されるスペクトラムの時間幅は等しくなる。つまり、表示領域12aと表示領域12とには、異なる時間に収集されたスペクトラムが表示され、その表示に係る時間幅(ΔT/2)は等しくなる。
【0069】
さらに、表示部9の表示領域12a内に別の時間に収集されたスペクトラムを表示させ、表示領域12b内に別の時間に収集されたスペクトラムを表示させても良い。つまり、操作部10にて時間が指定されると、その時間に収集されたスペクトラムが表示領域12a又は表示領域12bに表示されることになる。操作者が行う操作方法として、例えば、表示領域12a又は表示領域12bのいずれかを選択し、操作部10に設置されたトラックボールで図4(d)に示す矢印Bの方向を指示すると、表示領域12a又は表示領域12b内に表示されているスペクトラムが別の時間に収集されたスペクトラムに更新される。
【0070】
具体的な処理について図3のフローチャートを参照しつつ説明する。まず、操作者が操作部10を用いて図4(d)に示す表示領域12a又は表示領域12bを選択する(ステップS12)。例えば、表示領域12aを選択する。さらに、操作者は操作部10を用いて表示領域12a内に表示するスペクトラムの時間を指定する(トラックボールで矢印Bの方向を指示する)(ステップS13)。
【0071】
時間が指定されると、指定された時間を示す情報が操作部10から制御部11に出力される。制御部11は、指定された時間の情報を受けると、データ記憶部5の保存領域におけるデータの読み出し開始アドレスと、データの読み出し範囲を示す情報をDSC6に出力する。(ステップS14)。
【0072】
DSC6内のデータ取得部61は、制御部11から出力されたデータの読み出し開始アドレスとデータの読み出し範囲を示す情報を受けると、データの読み出し開始アドレスとデータの読み出し範囲に従って、図6に示すように、データ記憶部5の保存領域から指定された時間に対応する保存領域の範囲内にある信号処理後のデータを読み出して変換処理部62に出力する(ステップS15)。
【0073】
変換処理部62は読み出されたデータに対してスキャンコンバージョン処理を施し、変換処理後のデータをデータ展開部63に出力する(ステップS16)。データ展開部63は、図6に示すように、変換処理後のデータを表示用フレームバッファ7の保存領域Aに展開する(ステップS17)。表示制御部8は、表示用フレームバッファ7の保存領域Aに記憶されている変換処理後のデータを読み出して、そのデータに基づく画像を表示部9の表示領域12a内に表示させる(ステップS18)。これにより、表示部9の表示領域12a内に表示されているスペクトラムが、新たに指定された時間に収集されたスペクトラムに更新されて表示される。
【0074】
なお、表示領域12bについても、上記ステップS12からステップS18の処理を実行することにより、別の時間で収集されたスペクトラムを表示領域12b内に表示させることができる。
【0075】
以上のように、表示部9上の表示領域を分割し、分割後の複数の表示領域にそれぞれ異なる時間に収集されたスペクトラムを同時に表示させることにより、異なる時間に収集されたスペクトラム同士の視覚的な比較が可能となる。これにより、スペクトラムの比較が容易になる。また、異なる時間に収集されたスペクトラムを同時に表示し、それらのスペクトラムから血流の速度を計測することにより、スペクトラムの表示及び血流速度の計測を何回も繰り返す必要がなくなり、検査にかかる時間を減少させることが可能となる。
【0076】
また、操作部10にて分割表示停止命令が入力されると、その分割表示停止命令は制御部11を介して表示制御部8に出力される。表示制御部8は分割表示停止命令を受けると、分割されていた表示領域を結合し、大きさを元々の表示領域の大きさにした表示領域を表示部9に表示させる。具体的には、操作部10にて表示領域12a又は表示領域12bのいずれかが選択されて、さらに分割表示停止命令が入力されると、選択された表示領域を基準にして元々の大きさにした表示領域を表示部9に表示させる。例えば、表示領域12aが選択された場合、表示制御部8は、表示領域12aの時間幅(ΔT/2)を元の時間幅ΔTにして表示部9に表示させる。
【0077】
上記実施形態においては、表示部9のモニタ画面上における表示領域12を2つの領域に分割した例を説明したが、3つ以上の領域に分割しても良い。例えば、表示部9の表示領域12を3つの領域に分割する場合、表示制御部8は図7に示すように、表示部9上の表示領域12を、表示領域12a、表示領域12b、及び表示領域12cの3つの領域に分割する。例えば、表示領域12を3つの領域に等分割する。これにより、表示領域12a、表示領域12b、及び表示領域12cの幅は3つとも等しくなるように分割される。
【0078】
表示領域12は3つの領域に等分割されているため、表示領域12aに表示されるスペクトラムの時間幅Aと、表示領域12bに表示されるスペクトラムの時間幅Bと、表示領域12cに表示されるスペクトラムの時間幅Cとは、その幅が等しくなる。例えば、元々の表示領域12に表示されていたスペクトラムの時間幅を時間幅ΔTとすると、表示領域12は3つの領域に等分割されているため、表示領域12aに表示されるスペクトラムの時間幅Aは、「時間幅ΔT/3」となり、表示領域12bに表示されるスペクトラムの時間幅Bは、「時間幅ΔT/3」となり、表示領域12cに表示されるスペクトラムの時間幅Cは、「時間幅ΔT/3」となる。データの読み出し範囲A、B及びCは、この「時間幅ΔT/3」に対応する範囲となる。
【0079】
そして、制御部11は、表示領域12a内に表示すべきスペクトラムのデータの読み出し開始アドレスAとデータの読み出し範囲Aを示す情報をDSC6に出力する。また、制御部11は、表示領域12b内に表示すべきスペクトラムのデータの読み出し開始アドレスBとデータの読み出し範囲Bを示す情報をDSC6に出力する。さらに、制御部11は、表示領域12c内に表示すべきスペクトラムのデータの読み出し開始アドレスCとデータの読み出し範囲Cを示す情報をDSC6に出力する。
【0080】
データ取得部61は、制御部11から出力されたデータの読み出し開始アドレスAとデータの読み出し範囲Aを示す情報に基づいて、データ記憶部5の保存領域から時間幅Aに対応する保存領域の範囲A内にある信号処理後のデータ(信号処理後のデータAと称する)を読み出して変換処理部62に出力する。また、データ取得部61は、データの読み出し開始アドレスBとデータの読み出し範囲Bを示す情報に基づいて、データ記憶部5の保存領域から時間幅Bに対応する保存領域の範囲B内にある信号処理後のデータ(信号処理後のデータBと称する)を読み出して変換処理部62に出力する。さらに、データ取得部61は、データの読み出し開始アドレスCとデータの読み出し範囲Cを示す情報に基づいて、データ記憶部5の保存領域から時間幅Cに対応する保存領域の範囲C内にある信号処理後のデータ(信号処理後のデータCと称する)を読み出して変換処理部62に出力する。
【0081】
変換処理部62は、データ取得部61から出力された信号処理後のデータに対してスキャンコンバージョン処理を施し、変換処理後のデータをデータ展開部63に出力する。ここで、信号処理後のデータAに対してスキャンコンバージョン処理が施されて得られたデータを変換処理後のデータAと称し、信号処理後のデータBについては変換処理後のデータBと称し、信号処理後のデータCについては変換処理後のデータCと称する。
【0082】
一方、バッファ分割部64は、表示用フレームバッファ7の保存領域を、保存領域A、保存領域B、及び保存領域Cからなる3つの領域に分割する。そして、データ展開部63は、分割後の表示フレームバッファ7の各保存領域に、変換処理後の各データを展開する。例えば、変換処理後のデータAを保存領域Aに展開し、変換処理後のデータBを保存領域Bに展開し、変換処理後のデータCを保存領域Cに展開する。
【0083】
表示制御部8は、表示フレームバッファ7の3つの保存領域A、B及びCに保持されている変換処理後のデータA、B及びCを読み出し、表示部9の分割後の各表示領域内に表示させる。このとき図7に示すように、表示制御部8は、変換処理後のデータAに基づくスペクトラム(画像)を表示領域12aに表示させ、変換処理後のデータBに基づくスペクトラム(画像)を表示領域12bに表示させ、変換処理後のデータCに基づくスペクトラム(画像)を表示領域12cに表示させる。これにより、図7に示すように、表示領域12a、表示領域12b、及び表示領域12cには、それぞれ異なる時間に収集されたスペクトラムが表示されることになる。表示領域12は3つの領域(表示領域12a、表示領域12b、及び表示領域12c)に分割されているため、表示領域12a、表示領域12b、及び表示領域12cに表示されているスペクトラムの時間幅は等しくなる。つまり、表示領域12a、表示領域12b、及び表示領域12cには、異なる時間に収集されたスペクトラムが表示され、その表示に係る時間幅(ΔT/3)は等しくなる。
【0084】
以上のように、表示部9上の表示領域12を3つの領域に分割した場合も、異なる時間に収集されたスペクトラム同士の視覚的な比較が可能となり、また、その比較も容易になる。さらに、スペクトラムの表示及び血流速度の計測を何回も繰り返す必要がないため、検査にかかる時間を減少させることが可能となる。また、表示領域12を4つ以上の領域に分割しても、上記の作用及び効果を奏することが可能である。
【0085】
また、ドプラモードの他、Mモードについてもドプラモードを実行する場合と同じ作用及び効果を奏することが可能である。つまり、被検体内の各組織までの距離の経時的変化を示すスペクトラムについても、表示部9の表示領域を複数の領域に分割し、分割後の表示領域内にそれぞれ異なる時間に収集されたスペクトラムを同時に表示させることにより、複数のスペクトラム同士の視覚的な比較が可能となり、また、その比較も容易になる。
【0086】
[第2の実施の形態]
次に、この発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置について説明する。この第2の実施形態に係る超音波診断装置は、上述した第1の実施形態に係る超音波診断装置1と同じ構成を備えているが、超音波診断装置1の外部に設置されている心電計(図示しない)、又は超音波診断装置1に設置されている心電計(図示しない)により被検体の心電波形(ECG信号)を収集して、その心電波形(ECG信号)に基づいて、同じ時相に収集されたスペクトラムを表示部9に表示させる。
【0087】
(作用)
この第2の実施形態に係る超音波診断装置1の作用について図8を参照しつつ説明する。図8は、この発明の第2の実施形態に係る超音波診断装置1の動作を順番に示すフローチャートである。
【0088】
まず、超音波診断装置1によりドプラモードを実行して、被検体内の血流の速度情報(ドプラデータ)を収集する。さらに、このスキャンと同時に、図示しない心電計により被検体の心電波形(ECG信号)を収集する(ステップS20)。このようにスキャンと同時に心電波形(ECG信号)を収集することで、心電波形(ECG信号)に同期させてドプラデータを収集する。心電計で収集された心電波形(ECG信号)は制御部11に出力され、例えば、心電波形のR波が検出された時に、制御部11は送受信部3に対して超音波送受信の制御信号を出力する。送受信部3は制御部11からその制御信号を受けると、超音波プローブ2を駆動させて超音波を送受信させる。
【0089】
第1の実施形態のように、超音波プローブ2により受信されたエコー信号は送受信部3に出力され、送受信部3はエコー信号に基づいてRFデータを生成し、RFデータを信号処理部4に出力する。そして、信号処理部4内のドプラ処理回路は、送受信部3から出力されたRFデータからドプラ偏移周波数成分を取り出し、更にFFT処理を施すことにより、血流情報を表すデータを生成する。信号処理後のデータはデータ記憶部5に出力され、データ記憶部5に一時的に記憶される。また、心電計にて収集されたECG信号(心電波形)は、データ記憶部5に出力されて信号処理後のデータの付帯情報として記憶される。さらに、ECG信号(心電波形)は表示制御部8に出力され、表示制御部8はECG信号(心電波形)を表示部9のモニタ画面上に表示させる。
【0090】
DSC6内のデータ取得部61は、データ記憶部5に記憶されている信号処理後のデータを読み出して変換処理部62に出力する。変換処理部62は、信号処理後のデータに対してスキャンコンバージョン処理を施して空間情報に基づいた座標系のデータに変換する。データ展開部63は、変換処理後のデータを表示用フレームバッファ7の保存領域に展開する。表示制御部8は、表示用フレームバッファ7に記憶されているデータを読み出して表示部9のモニタ画面上にそのデータに基づく画像を表示させる(ステップ21)。この画像が、ドプラデータに基づく画像であり、刻々と変化する周波数f(速度v)のスペクトラムに相当する。例えば、図4(a)に示すように、表示部9のモニタ画面上に周波数f(速度v)のスペクトラムが表示される。
【0091】
そして、診断のため、表示部9に表示されているスペクトラムの表示を静止させる(ステップS22)。操作者が操作部10を用いてスペクトラム表示の静止命令を超音波診断装置1に与えると、その静止命令は制御部11を介して表示制御部8に出力される。表示制御部8はその静止命令を受けると、表示部9のモニタ画面上に表示されているスペクトラムの表示を静止させる。これにより、図4(b)に示すように、表示部9のモニタ画面上には静止されたスペクトラムが表示されることになる。
【0092】
そして、操作者は操作部10を用いて表示領域12の分割表示命令を超音波診断装置1に与える(ステップS23)。その分割表示命令は操作部10から制御部11を介して表示制御部8に出力される。表示制御部8は、その分割表示命令を受けると、表示制御部8に接続されている記憶部(図示しない)に記憶されている表示分割線のデータを読み出し、表示部9のモニタ画面上の初期設定の位置に表示分割線を表示させる。例えば、図4(c)に示すように、表示制御部8は、表示部9の表示領域12上に表示分割線13を重畳させて表示させる。第1の実施形態と同様に、この表示分割線13は表示領域12内で移動可能となっている。
【0093】
操作者が所望する位置に表示分割線13を移動させた後、操作者が操作部10を用いて分割確定命令を超音波診断装置1に与える。制御部11は、操作部10から分割確定命令を受けると、その分割確定命令を表示制御部8に出力する。表示制御部8は制御部11から分割確定命令を受けると、表示部9に表示されている表示領域12を、表示分割線13を境界にして2つの表示領域に分割し、2つの表示領域を表示部9に表示させる(ステップS24)。例えば図4(d)に示すように、表示制御部8は表示分割線13を境界にして表示領域12を分割することにより、表示領域12aと表示領域12bとを表示部9のモニタ画面上に表示させる。そして、表示制御部8は、表示領域12a内に時間幅Aに収集されたスペクトラムを表示させ、表示領域12b内に時間幅Bに収集されたスペクトラムを表示させる。このとき、表示領域12A及び表示領域12Bには、同じ時相に収集されたスペクトラムを表示させる。以下、この表示のための処理について説明する。
【0094】
操作者が分割確定命令を与えた後、さらに、操作者は操作部10を用いて所望の時相を超音波診断装置1に与える(ステップS25)。例えば、表示制御部8がデータ記憶部5に記憶されている心電波形(ECG信号)を読み出して表示部9に表示させ、操作者が表示部9に表示されている心電波形(ECG信号)を参照しながら、観察すべき時相を決定してその時相を指定する。例えば、表示部9のモニタ画面上に表示されている心電波形(ECG信号)の所望の時相をポインティングデバイスなどで指定する。
【0095】
操作者が操作部10を用いて所望の時相を指定すると、指定された時相を示す情報は制御部11に出力される。制御部11は、指定された時相を示す情報に基づいてデータ記憶部5の保存領域における、指定された時相に収集されたデータの読み出し開始アドレスと、データの読み出し範囲を決定し、データの読み出し開始アドレスとデータの読み出し範囲を示す情報をDSC6に出力する(ステップS26)。心電波形(ECG信号)は信号処理後のデータに付帯情報として記憶されているため、時相が指定されることにより、その時相に収集されたデータの読み出しが可能となる。
【0096】
DSC6内のデータ取得部61は、制御部11からデータの読み出し開始アドレスと、データの読み出し範囲を示す情報を受けると、データ記憶部5の保存領域から指定された範囲内にある信号処理部のデータを読み出して変換処理部62に出力する(ステップS27)。このとき、データ取得部61は、同じ時相に収集された信号処理後のデータを読み出す。例えば、図6に示すデータ記憶部5の保存領域において、範囲A内にある信号処理後のデータと、範囲B内にある信号処理後のデータとが、指定された時相(同じ時相)で収集されたデータであったとする。この場合、データ取得部61は、範囲A内にある信号処理後のデータを読み出して変換処理部62に出力し、さらに、範囲B内にある信号処理後のデータを読み出して変換処理部62に出力する。つまり、範囲A内にある信号処理後のデータと範囲B内の信号処理後のデータとは、収集された時間は異なるが、心電波形(ECG信号)の時相は同じであるため、データ取得部61により読み出されて変換処理部62に出力される。
【0097】
変換処理部62は、データ記憶部5の保存領域の範囲Aから読み出された信号処理後のデータAに対してスキャンコンバージョン処理を施し、変換処理後のデータ(変換処理後のデータAと称する)をデータ展開部63に出力する(ステップS28)。また、変換処理部62は、データ記憶部5の保存領域の範囲Bから読み出された信号処理後のデータBに対してスキャンコンバージョン処理を施し、変換処理後のデータ(変換処理後のデータBと称する)をデータ展開部63に出力する(ステップS28)。
【0098】
一方、バッファ分割部64は、変換処理後のデータを展開する表示用フレームバッファ7の保存領域を複数の領域に分割する(ステップS29)。例えば、バッファ分割部64は、図6に示すように、表示用フレームバッファ7の保存領域を、範囲Aのデータ用の保存領域Aと、範囲Bのデータ用の保存領域Bとに分割する。
【0099】
そして、データ展開部63は、図6に示すように、表示フレームバッファ7の範囲Aのデータ用の保存領域Aに、変換処理後のデータAを展開し、表示フレームバッファ7の範囲Bのデータ用の保存領域Bに、変換処理後のデータBを展開する(ステップS30)。
【0100】
表示制御部8は、表示フレームバッファ7の各保存領域に保持されている変換処理後のデータを読み出し、表示部9の分割後の各表示領域内に表示させる(ステップS31)。例えば、表示制御部8は、表示フレームバッファ7の保存領域Aに保持されている変換処理後のデータAを読み出し、表示部9の表示領域12a内に変換処理後のデータAに基づくスペクトラム(画像)を表示させる。さらに、表示制御部8は、表示フレームバッファ7の保存領域Bに保持されている変換処理後のデータBを読み出し、表示部9の表示領域12b内に変換処理後のデータBに基づくスペクトラム(画像)を表示させる。
【0101】
以上の処理により、表示領域12aと表示領域12bとには、それぞれ異なる時間に収集されたスペクトラムであって、同じ時相に収集されたスペクトラムが表示されることになる。つまり、表示領域12a内に表示されているスペクトラムと、表示領域12b内に表示されているスペクトラムは、異なる時間に収集されたスペクトラムであるが、心電波形(ECG信号)の時相においては同じ時相に収集されたスペクトラムである。
【0102】
以上のように、異なる時間に収集された複数のスペクトラムであって、心電波形の同じ時相に収集された複数のスペクトラムを表示部9に同時に表示させることにより、同じ時相に収集された複数のスペクトラム同士の比較が容易になる。例えば、心臓の検査を行う場合に、不整脈の判断などが容易になる。つまり、同じ時相であっても異なる時間に収集されたスペクトラムを同時に表示して、そのスペクトラムの形状を比較することで、心臓の異常を容易に判断することができる。例えば、ある時間に収集されたスペクトラムが心臓の正常な状態を表しているものとする。そして、同じ時相であって異なる時間に収集されたスペクトラムが、正常な状態を表しているスペクトラムの形状と異なる形状を有している場合は、何らかの異常があると判断することができる。
【0103】
なお、表示部9のモニタ画面上における表示領域12を2つの領域に分割した例を説明したが、表示領域12を3つ以上の領域に分割しても良い。この場合も、収集された時間は異なるが、同じ時相に収集されたスペクトラムを表示部9に同時に表示させる。これにより、同じ時相に収集された複数のスペクトラム同士を視覚的に比較することができるため、その比較が容易になる。
【0104】
また、ドプラモードの他、Mモードについてもドプラモードを実行する場合と同じ作用及び効果を奏することが可能である。つまり、被検体内の各組織までの距離の経時的変化を示すスペクトラムについても、表示部9の表示領域を複数の領域に分割し、分割後の表示領域内にそれぞれ異なる時間に収集されたスペクトラムであって、同じ時相に収集されたスペクトラムを同時に表示させる。これにより、同じ時相に収集された複数のスペクトラム同士の視覚的な比較が可能となり、また、その比較も容易になる。
【0105】
(変形例)
上述した第1及び第2の実施形態に係る超音波診断装置1による処理を、コンピュータからなる画像処理装置に実行させても良い。図9にその画像処理装置の1例を示す。画像処理装置20は、データ記憶部5、DSC6、表示用フレームバッファ7、表示制御部8、表示部9、操作部10、及び制御部11を備えて構成されている。データ記憶部5には、超音波診断装置によってドプラモード又はMモードが実行され、FFT処理などの信号処理がなされた信号処理後のデータが記憶されている。
【0106】
DSC6は、上述した実施形態と同様に、データ取得部61、変換処理部62、データ展開部63、及びバッファ分割部64を備えて構成されている。バッファ分割部64により表示用フレームバッファ7の保存領域は複数の領域に分割され、データ展開部63によりそれら複数の領域に複数の変換処理後のデータが展開される。そして、表示制御部8は、表示用フレームバッファ7の複数の保存領域から変換処理後のデータを読み出し、表示部9に同時に表示させる。これにより、異なる時間に収集されたスペクトラムを視覚的に比較することができる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】この発明の実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置の動作を順番に示すフローチャートである。
【図3】この発明の第1の実施形態に係る超音波診断装置の動作を順番に示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施形態に係る超音波診断装置により収集されて表示部に表示されるスペクトラムの1例を示す図である。
【図5】データ記憶部及び表示用フレームバッファ内の保存領域を示す図である。
【図6】データ記憶部及び表示用フレームバッファ内の保存領域を示す図である。
【図7】この発明の実施形態に係る超音波診断装置により収集されて表示部に表示されるスペクトラムの1例を示す図である。
【図8】この発明の第2の実施例に係る超音波診断装置の動作を順番に示すフローチャートである。
【図9】この発明の変形例に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図10】従来技術に係る超音波診断装置により収集されて表示部に表示されるスペクトラムを示す図である。
【符号の説明】
【0108】
1 超音波診断装置
2 超音波プローブ
3 送受信部
4 信号処理部
5 データ記憶部
6 DSC(デジタルスキャンコンバータ)
7 表示用フレームバッファ
8 表示制御部
9 表示部
10 操作部
11 制御部
20 画像処理装置
61 データ取得部
62 変換処理部
63 データ展開部
64 バッファ分割部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドプラモード又はMモードを実行することにより時系列的な画像データを収集する画像データ収集手段と、
前記画像データ収集手段により収集された時系列的な画像データを記憶する記憶手段と、
時間を指定する指定手段と、
前記指定手段により複数の時間が指定されると、前記記憶手段に記憶されている時系列的な画像データのうち前記指定された複数の時間に収集された画像データを取得するデータ取得手段と、
前記取得された複数の時間に収集された画像データに基づく複数の画像を表示手段に同時に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記指定手段により複数の時間が指定されると、前記データ取得手段は、前記記憶手段に記憶されている時系列的な画像データのうち前記指定された複数の時間に収集された画像データを取得し、
前記表示制御手段は、前記表示手段の表示領域を前記指定された時間の数を含む数の領域に分割し、前記取得された複数の時間に収集された画像データに基づく複数の画像を、前記分割後の各領域にそれぞれ表示させることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記画像データ収集手段は、前記時系列的な画像データを被検体の心電波形とともに収集し、
前記記憶手段は、前記画像データ収集手段により収集された時系列的な画像データと心電波形の時相とを対応付けて記憶し、
前記指定手段により心電波形の時相が指定されると、前記データ取得手段は、前記対応付けに従って、前記記憶手段に記憶されている時系列的な画像データのうち、同じ時相に収集された画像データを取得し、
前記表示制御手段は、前記取得された同じ時相に収集された画像データに基づく複数の画像を前記表示手段に同時に表示させることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
超音波診断装置によりドプラモード又はMモードが実行されて収集された時系列的な画像データを記憶する記憶手段と、
時間を指定する指定手段と、
前記指定手段により複数の時間が指定されると、前記記憶手段に記憶されている時系列的な画像データのうち前記指定された複数の時間に収集された画像データを取得するデータ取得手段と、
前記取得された複数の時間に収集された画像データに基づく複数の画像を表示手段に同時に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−14605(P2007−14605A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−200267(P2005−200267)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】