説明

超音波診断装置

【課題】超音波診断装置において、現在撮像している部位に応じた最適なプローブを確実に使用できるようにする。
【解決手段】身体の各部位と該身体部位の撮像に適した超音波プローブとの対応関係を表すプローブ適合情報を記憶した適合情報記憶手段20と、超音波プローブ11の位置を検出するプローブ位置検出手段16と、プローブ位置検出手段16で検出された現在のプローブ11の位置、並びに予め生成された被検体の三次元データ及び該三次元データ中の各部分領域が前記被検体のいずれの身体部位に相当するかを表す部位情報に基づいて、現在撮像している身体部位を特定する撮像部位特定手段17と、前記プローブ適合情報を参照して、現在使用しているプローブ11が前記撮像部位特定手段17で特定された身体部位の撮像に適したものであるか否かを判定するプローブ適合判定手段19とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、体表に当接させた超音波プローブから生体内に向けて超音波を送波すると共に、生体内の各組織からの反射波を受波し、その受信信号に基づいて超音波画像を生成する装置である。生成された超音波画像は順次モニタに送出され、動画としてリアルタイムに表示される。
【0003】
病院等の医療機関では、上記のような超音波診断装置の他に、X線CT(Computed Tomography, コンピュータ断層撮影)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging, 磁気共鳴撮影)装置といった種々の医用画像診断装置が用いられており、診断の目的に応じて適当な撮影技法(モダリティ)が選択される。また、各モダリティによって撮影される画像はそれぞれ異なる特徴を有しており、同一患者について異なるモダリティで撮影した画像を比較することによって診断に有用な情報が得られる場合がある。
【0004】
そこで、このような画像比較を容易に行うことのできる装置として、超音波画像の撮像を行いながら、現在撮像している断面に対応したX線CT画像やMRI画像を参照画像としてリアルタイムに表示する機能を備えた超音波診断装置が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
このような超音波診断装置では、まず、超音波プローブに取り付けた位置センサを利用して現在撮像している断面の位置を特定し、続いて、予めX線CT装置等を用いて取得した同一患者の三次元データから、前記現在の断面位置に相当する断面の画像を抽出して超音波画像と共に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第WO2004/098414号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような超音波診断装置によれば、プローブの動きに合わせてリアルタイムで変化する超音波画像とX線CT画像等を見比べながら超音波撮像を行うことができる。しかしながら、プローブを大きく動かして広範囲の観察を行った場合、途中でプローブが最適なものではなくなる場合がある。すなわち、超音波診断装置用のプローブには複数の種類があり、例えば、頸部にはリニアプローブ、胸部にはセクタプローブ、腹部にはコンベックスプローブといったように、診断しようとする部位に応じた種類のプローブが選択される。そのため、例えば、頸部から胸部や腹部に亘る広範囲にプローブを動かしながら観察を行った場合、当初の診断部位(すなわち頸部)に最適なプローブをそのまま用いて他の診断部位(胸部や腹部)の撮像を行ってしまう可能性がある。
【0008】
診断部位に最適なプローブでなくても超音波画像を取得することは可能であるが、得られる画像は必ずしも診断に最適であるとは言い難くなる。そのため、できるだけ診断部位に応じた最適なプローブを使用することが望ましい。
【0009】
なお、上記のような超音波画像とX線CT画像等の同時表示を行わない装置であっても、例えば、一人の患者について複数部位の超音波画像を撮像する必要がある場合などに同様の問題が発生する可能性がある。
【0010】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、超音波診断装置において、現在撮像している部位に応じた最適なプローブを確実に用いることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するためになされた本発明に係る超音波診断装置は、
a)身体の各部位と該身体部位の撮像に適した超音波プローブとの対応関係を表すプローブ適合情報を記憶した適合情報記憶手段と、
b)超音波プローブの位置を検出するプローブ位置検出手段と、
c)前記プローブ位置検出手段で検出された現在のプローブの位置、並びに予め生成された被検体の三次元データ及び該三次元データ中の各部分領域が被検体のいずれの身体部位に相当するかを表す部位情報に基づいて、現在撮像している身体部位を特定する撮像部位特定手段と、
d)前記プローブ適合情報を参照して、現在使用しているプローブが前記撮像部位特定手段で特定された身体部位の撮像に適したものであるか否かを判定するプローブ適合判定手段と、
を有することを特徴としている。
【0012】
上記のような構成によれば、超音波画像の撮像中において、プローブ位置検出手段によって超音波プローブの現在位置が検出されると、その位置情報と予め取得しておいた被検体の三次元データ及び部位情報に基づいて、撮像部位特定手段により、前記プローブが現在被検者のどの身体部位に位置しているかが特定される。そして、現在使用しているプローブが前記撮像部位特定手段で特定された身体部位に適したものであるか否かがプローブ適合判定手段によって判定される。このように、本発明に係る超音波診断装置によれば、プローブと撮像部位(撮像中の身体部位)とが適合しているか否かを装置側が自動的に判断するため、オペレータが超音波プローブの種類やその位置について注意しておく必要がなく、超音波撮像に係るオペレータの負担を軽減することができる。
【0013】
また、上記本発明に係る超音波診断装置は、更に、
e)前記プローブ適合判定手段による判定結果をオペレータに通知する通知手段、
を有するものとすることが望ましい。
【0014】
ここで前記通知手段は、所定の表示装置に所定事項を表示させることによって判定結果を通知するものとしてもよく、所定の音声や警告ランプ等によって前記通知を行うものとしてもよい。また、上記のような撮像部位の特定及びプローブ適合の判定は、典型的には超音波撮像を行っている間、所定の時間間隔で繰り返し実行されるが、これに限らず、オペレータの指示に応じて適宜実行するようにしてもよい。前者の場合は、プローブが現在の撮像部位に適していないと判定された場合にのみ、判定結果の通知を行うものとすることが望ましい。また、後者の場合は、判定結果の如何に関わらず通知を行うようにすることが望ましい。
【0015】
また、上記本発明に係る超音波診断装置は、更に、
f)複数の超音波プローブを接続可能なコネクタと、
g)前記コネクタに接続された超音波プローブの中から超音波の送受に使用するものを切り替え選択するプローブ切替手段と、
h)前記プローブ適合判定手段により、現在使用中のプローブが現在撮像中の身体部位に適したものでないと判定された場合に、該身体部位に適した超音波プローブが前記コネクタに接続されているか否かを判定するプローブ接続判定手段と、
i)前記コネクタに前記身体部位に適した超音波プローブが接続されていると判定された場合に、該超音波プローブを超音波の送受に使用するプローブとして選択するよう前記プローブ切替手段を制御する切替制御手段と、
を有するものとすることが望ましい。
【0016】
このような構成によれば、使用中の超音波プローブが現在の撮像部位に適していないと判定された場合に、撮像部位に適合したプローブが接続されているかが装置側で自動的に判定され、接続されていた場合には該プローブが以降の撮像に使用するプローブとして切り替えられる。そのため、オペレータがプローブの接続状況を調べたり、現在の部位に適したプローブを選択して切り替えたりする手間を省くことができ、オペレータの作業負担を一層軽減することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上で説明したように、上記構成からなる本発明の超音波診断装置によれば、現在撮像している部位に適したプローブを容易且つ確実に使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施例に係る超音波診断装置の要部構成を示すブロック図。
【図2】同実施例に係る超音波診断装置の動作を示すフローチャート。
【図3】本発明の第2の実施例に係る超音波診断装置の要部構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は本実施例に係る超音波診断装置の要部構成を示すブロック図である。プローブ11は、被検者の体表に当接され、該被検者の体内に超音波を送波すると共に、体内組織で反射された超音波を受波して電気信号(エコー信号)に変換する。ビームフォーマ12は、プローブ11による超音波の送受を制御すると共に、該プローブ11内の各超音波振動子から出力されるエコー信号をA/D変換し、整相加算して音線データを生成する。画像生成部13は前記音線データに所定の処理を施して超音波画像データを生成すると共に、モニタ15で表示可能な形式に変換する。画像生成部13から出力された超音波画像データは、表示処理部14に設けられた表示用のメモリ(図示略)に格納され、順次モニタ15に出力される。以上の工程を繰り返し実行することにより、モニタ15上に表示された画像が所定の時間間隔で更新され、動画として視認される。
【0021】
プローブ11には磁気式の位置センサ16が取り付けられており、図示しない被検者の近傍にはソース30と呼ばれる磁気発生源が設置される。ソース30は、直交する3つの磁気発生コイルを備えており、これらのコイルが発生する磁気信号を位置センサ16が検知することによってプローブ11の三次元的な位置が検出される。
【0022】
3Dデータ記憶部18には、予め他のモダリティ(例えば、X線CTやMRI)によって取得された被検者の三次元データが記憶されている。また、3Dデータ記憶部18には、前記三次元データと共に、該三次元データ中の各部分領域が被検者のどの身体部位(頸部、胸部、腹部等)に相当するかを表す情報(以下、部位情報と呼ぶ)が記憶されている。
【0023】
前記部位情報は、例えば、モニタ15上に前記三次元データから生成した二次元画像(断層像)や三次元画像(投影像)を表示させ、該画像上でオペレータが適当な範囲を指定し、その範囲内の領域を所定の身体部位(例えば、腹部)として登録するなどの方法により生成される。あるいは、オペレータが被検者の体格に関連する情報(身長、体重、性別等)を入力すると共に、前記のような二次元画像や三次元画像上で所定の点(へそ等)を指定することにより、自動的に前記部位情報が生成されるようにしてもよい。この場合、例えば、前記所定の点から上下所定の距離に含まれる領域が腹部、それより上の所定の距離までの領域が胸部といったように、指定された点からの距離等に応じて前記三次元データが部分領域に区分される。
【0024】
なお、このような部位情報は、超音波診断装置上で生成するようにしてもよく、他の装置で生成してから3Dデータ記憶部18に記憶させるようにしても良い。また、前記部位情報は、前記三次元データと共に単一のファイルを構成するようにしてもよく、あるいは別ファイルを構成するようにしてもよい。
【0025】
撮像部位特定部17は、前記の位置センサ16から出力されるプローブ11の位置情報と、前記3Dデータ記憶部18に記憶されている三次元データ及び部位情報から、現在プローブ11が被検者のいずれの身体部位を撮像しているのかを特定する。
【0026】
適合情報記憶部20は、被検者の各身体部位(頸部、胸部、腹部等)と該身体部位の撮像に適したプローブ(リニア、セクタ、コンベックス等)の対応関係を示すプローブ適合情報が記憶されている。
【0027】
プローブ適合判定部19は、現在使用中のプローブ11の情報と、前記の撮像部位特定部17で特定された身体部位の情報とを適合情報記憶部20に記憶されたプローブ適合情報と照合することにより、現在使用中のプローブ11が、現在撮像中の身体部位に適したものであるか否かを判定する。
【0028】
上記各部の動作はCPU等から成る制御部21によって制御されており、該制御部21にはトラックボールやキーボードを備えた操作部22を介してオペレータの指示が入力される。なお、上記の撮像部位特定部17、プローブ適合判定部19等の機能は、CPUで所定のプログラムを実行させることにより、いわゆるソフトウェア的に実現することが望ましいが、回路などによってハードウェア的に構成してもよい。なお、本実施例では、位置センサ16が本発明におけるプローブ位置検出手段に相当し、モニタ15、表示処理部14、及び制御部21が協働して本発明における通知手段として機能する。
【0029】
以下、本実施例に係る超音波診断装置の動作について図2のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0030】
まず、超音波診断装置による撮像に先立って、ソース30を基準とする実空間の座標系(以下、「ソース座標系」と呼ぶ)と3Dデータ記憶部18内の三次元データの座標系(以下、「3Dデータ座標系」と呼ぶ)の対応付けを行う必要がある。このような対応付けを容易にするため、ソース30は、内蔵された各磁場発生コイルの中心軸と診断用ベッドの長手・短手方向とが平行になるように配置しておく。これにより、ソース座標系の各座標軸と3Dデータ座標系の各座標軸の方向を一致させることができる。
【0031】
そして、3Dデータ記憶部18に記憶されている三次元データ上で前記対応付けの基準となる点を設定する(ステップS11)。具体的には、前記被検者の三次元データを基に生成した三次元画像(投影画像)又は二次元画像(断層画像)をモニタ15に表示させ、オペレータが操作部22を用いて該画像上の所定の位置(例えば、剣状突起に相当する位置)を指定し、これを前記3Dデータ座標系の基準点0aとして登録する。
【0032】
次に、被検者を前記の診断用ベッドに寝かせ、該被検者の身体上で対応付けの基準となる点を指定する(ステップS12)。具体的には、オペレータが、前記ステップS11で指定した基準点0aに対応する被検者身体の所定の位置(例えば剣状突起上)にプローブ11を当接させ、操作部22で所定の操作を行うことにより、当該位置を前記ソース座標系の基準点0bとして登録する。
【0033】
以上により、基準点0aと基準点0bが3Dデータ座標系とソース座標系における同一の点として対応付けられる。また、上述の通り、ソース座標系と3Dデータ座標系は各座標軸の方向が一致しており、更に、ソース座標系と3Dデータ座標系の間の縮尺は三次元データ取得時のパラメータ(例えば、X線CT撮影時のピクセルサイズやスライス厚)から求めることができる。従って、以上によりソース座標系と3Dデータ座標系との対応関係が求められ、ソース座標系上の座標を3Dデータ座標系上の座標に変換するための変換用データを得ることができる。なお、上記の座標系の対応付け方法はあくまで一例であり、他の方法によって両座標系の対応付けを行うようにしてもよい。
【0034】
続いて、オペレータが診断対象とする部位にプローブを当接させ、通常の超音波撮像を開始する(ステップS13)。その後、所定の時間が経過した時点で、以下のようなプローブ位置の検出、撮像部位の特定、及びプローブの判定等の処理が開始される。
【0035】
まず、位置センサ16により、現在のプローブ11の位置が検出され(ステップS14)、該位置情報が撮像部位特定部17へ出力される。
【0036】
撮像部位特定部17は、位置センサ16から入力されたプローブ11の位置情報、及び3Dデータ記憶部18に記憶された被検者の三次元データ及び部位情報から、現在、プローブ11が被検者身体のどの部位に位置しているかを特定する(ステップS15)。具体的には、まず、ソース座標系上の座標として与えられるプローブ11の位置情報を、上述の変換用データを用いて3Dデータ座標系上の座標に変換する。そして、該3Dデータ座標系上の座標で特定される位置が、被検者身体のどの部位に相当するかを前記部位情報を用いて特定する。これにより特定された身体部位が現在の撮像部位である。
【0037】
続いて、プローブ適合判定部19が、上記撮像部位の情報を撮像部位特定部17から受け取ると共に、プローブの種類を示す情報(識別コード等)を現在使用中のプローブ11から取得する。そして、これら撮像部位の情報及びプローブの情報を適合情報記憶部20に記憶されたプローブ適合情報と照合することにより、現在使用中のプローブ11が現在の撮像部位に適したものであるか否かを判定する(ステップS16)。
【0038】
上記のステップS16において、使用中のプローブが現在の撮像部位に適したものではないと判定された場合(ステップS16でNo)には、制御部21が表示処理部14を制御して前記の判定結果をモニタ15の画面上に表示させる(ステップS17)。なお、このときには、前記判定結果の通知に加えて、現在の撮像部位に適したプローブをオペレータに提示することが望ましい。また、ステップS16でNoであった際に、前記通知に加えて又は代えて、超音波の送受を一時停止させ、オペレータがプローブを最適なものに交換するか、操作部22を用いて撮像の再開を指示した時点で超音波送受を再開させるようにしてもよい。
【0039】
一方、ステップS16において、使用中のプローブ11が現在の撮像部位に適していると判断された場合(ステップS16でYes)には、ステップS14に戻り、所定の時間間隔(例えば1秒おき)に上記ステップS14〜S16を繰り返し実行する。
【0040】
以上のようにすることで、超音波撮像の実行中にオペレータがプローブを移動させて撮像部位が変化した場合でも、新たな撮像部位とプローブとの適合を判定し、プローブが撮像部位に適さない場合にはその旨をオペレータに通知することができる。このため、超音波撮像の間、オペレータがプローブの種類や撮像部位について注意しておく必要がなくなり、オペレータの負担を軽減することができる。
【実施例2】
【0041】
本発明に係る超音波診断装置は、上記のようなプローブの判定結果に応じて撮像に使用するプローブを自動的に切り替える機能を備えたものとしてもよい。このような超音波診断装置の構成例を図3に示す。なお、図1の装置と同一又は対応する構成には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0042】
本実施例に係る超音波診断装置は、複数のプローブを接続可能なコネクタ23を備えている。切替器24は、コネクタ23に接続されたプローブ11a〜11cのいずれかを選択的にビームフォーマ12に接続する。また、各プローブ11a〜11cに取り付けられた位置センサ16a〜16cの信号線(図示略)も、コネクタ23を介して装置本体に接続され、更に、切替器24によって位置センサ16a〜16cのいずれかが選択的に撮像部位特定部17に接続される。切替制御部25は、切替器24の動作を制御するものであり、接続判定部26は、所定のプローブがコネクタ23に接続されているか否かを判定するものである。
【0043】
本実施例の超音波診断装置において、座標系の対応付けからプローブの判定までの動作は、上記の実施例1におけるステップS11〜S16と同様である。しかし、本実施例の装置では、ステップS16において使用中のプローブが現在の撮像部位に適していないと判定された場合に、該撮像部位に適したプローブが装置本体に接続されているか否かの判定を行う。具体的には、接続判定部26が、制御部21を介して現在の撮像部位に適したプローブの情報を取得すると共に、切替器24及びコネクタ23を介して各プローブ11a〜11cからプローブの種類を表す識別コード等を取得する。そして、これらの情報を照合することにより、コネクタ23に接続されているプローブ11a〜11cの中に、現在の撮像部位に適したものがあるか否かを判定する。
【0044】
接続判定部26によって、現在の撮像部位に適したプローブが接続されていると判定された場合には、切替制御部25が切替器24を制御して該プローブをビームフォーマ12に接続させると共に、該プローブ上の位置センサからの信号線を撮像部位特定部17に接続させる。なお、切替器24によるプローブ切替を実行する前に、モニタ15上に所定のメッセージを表示させて、オペレータにプローブの切替を行う旨を通知することが望ましい。また、モニタ15に表示したメッセージに従って、プローブの切替を行うか否かをオペレータに選択させるようにしてもよい。
【0045】
一方、接続判定部26によって、撮像部位に適したプローブが接続されていないと判定された場合には、その旨がモニタ15の画面上に表示される。その際には、該撮像部位に適したプローブを提示してオペレータにプローブの交換を促すようにすることが望ましい。また、このとき、プローブが交換されるまで、又はオペレータが撮像の再開を指示するまで超音波走査を一時的に停止するようにしてもよい。
【0046】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で適宜変更が許容されるものである。例えば、上記実施例では、超音波診断装置の内部に3Dデータ記憶部を設け、該3Dデータ記憶部から被検体の三次元データ及び部位情報を取得して撮像部位特定部による撮像部位の特定を行うものとしたが、これらの情報を所定の通信手段を介して外部装置から取得する構成としてもよい。
【0047】
また、本発明で用いられる被検体の三次元データは、必ずしも上記のようなX線CT装置やMRI装置のような医用画像診断装置によって取得されたものでなくてもよく、例えば、レーザ光を利用した三次元スキャナ等によって被検体の表面形状を計測し、その結果に基づいて生成したものであってもよい。また、体型の異なる複数の三次元人体モデルのデータを用意しておき、被検者の体型に最も近いものを選択して使用したり、被検者の身長、体重、性別等の情報に基づいて標準的な三次元人体モデルを変形させて使用したりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0048】
11…プローブ
12…ビームフォーマ
13…画像生成部
14…表示処理部
15…モニタ
16…位置センサ
17…撮像部位特定部
18…3Dデータ記憶部
19…プローブ適合判定部
20…適合情報記憶部
21…制御部
22…操作部
23…コネクタ
24…切替器
25…切替制御部
26…接続判定部
30…ソース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)身体の各部位と該身体部位の撮像に適した超音波プローブとの対応関係を表すプローブ適合情報を記憶した適合情報記憶手段と、
b)超音波プローブの位置を検出するプローブ位置検出手段と、
c)前記プローブ位置検出手段で検出された現在のプローブの位置、並びに予め生成された被検体の三次元データ及び該三次元データ中の各部分領域が被検体のいずれの身体部位に相当するかを表す部位情報に基づいて、現在撮像している身体部位を特定する撮像部位特定手段と、
d)前記プローブ適合情報を参照して、現在使用しているプローブが前記撮像部位特定手段で特定された身体部位の撮像に適したものであるか否かを判定するプローブ適合判定手段と、
を有することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
更に、
e)前記プローブ適合判定手段による判定結果をオペレータに通知する通知手段、
を有することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
更に、
f)複数の超音波プローブを接続可能なコネクタと、
g)前記コネクタに接続された超音波プローブの中から超音波の送受に使用するものを切り替え選択するプローブ切替手段と、
h)前記プローブ適合判定手段により、現在使用中のプローブが現在撮像中の身体部位に適したものでないと判定された場合に、該身体部位に適した超音波プローブが前記コネクタに接続されているか否かを判定するプローブ接続判定手段と、
i)前記コネクタに前記身体部位に適した超音波プローブが接続されていると判定された場合に、該超音波プローブを超音波の送受に使用するプローブとして選択するよう前記プローブ切替手段を制御する切替制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−253031(P2010−253031A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106509(P2009−106509)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】