説明

超音波診断装置

【課題】送信した超音波の二次以上の高調波の超音波エコーを受信するハーモニックイメージングにおいて、高空間分解能のみならず、深さ分解能も高い超音波診断を可能にする超音波診断装置を提供する。
【解決手段】無機セラミクス圧電体で超音波を送信し、有機圧電体で二次以上の高調波の超音波エコーを受信すると共に、無機セラミクス圧電体の共振特性波形から、波高強度が高い順に3波以上を選択して、波高強度が等しくなるように近似して生成した、矩形波の駆動電圧波形によって、無機セラミクス圧電体を駆動することにより、前記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置の技術分野に属し、詳しくは、ハーモニックイメージングを利用して、空間分解能のみならず、奥行き分解能も高い超音波画像を得ることができる超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野において、超音波画像を利用した超音波診断装置が実用化されている。
一般に、この種の超音波診断装置は、振動子アレイを内蔵した超音波探触子と、この超音波探触子に接続された診断装置本体とを有しており、超音波探触子から被検体に向けて超音波を送信し、被検体からの超音波エコーを超音波探触子で受信して、その受信信号を診断装置本体で電気的に処理することにより超音波画像が生成される。
【0003】
このような超音波診断において、高い空間分解能(高精細)で超音波画像を得られる技術として、ハーモニックイメージング(Harmonic Imaging)が知られている。
ハーモニックイメージングとは、送信した超音波の二次以上の高調波の超音波エコーを受信して、画像信号にする技術である。
【0004】
このようなハーモニックイメージングを利用することにより、受信する超音波エコーのビームを細くして、空間分解能が高い超音波画像を得ることができる。
【0005】
しかしながら、ハーモニックイメージングでは、超音波の送受信を行なう圧電素子(超音波振動体)が有する周波数帯域の低周波数側で超音波の送信を行い、圧電素子が有する周波数帯の高周波数側で高調波の受信を行なわざるを得ない。すなわち、ハーモニックイメージングでは、狭い帯域で超音波の送受信を行なわざるを得ない。
そのため、ハーモニックイメージングでは、送信する超音波の出力が小さく、高調波の発生量が少ない。また、受信に関しても、圧電素子が有する帯域の端部を用いざるを得ないため、受信感度も低い。
しかも、ハーモニックイメージングでは、狭帯域の超音波で送受信を行なわざるを得ないため、奥行き分解能に関しては、むしろ、通常の超音波画像よりも劣化してしまうという問題が有る。
【0006】
このような問題は、特許文献1や特許文献2に示されるように、超音波探触子に、超音波の送信(送受信)を行なうPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの無機セラミクス製の圧電素子と、高調波を受信するためのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)などからなる有機圧電素子を設けることにより、ある程度、解消できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−297326号公報
【特許文献2】特開2009−297327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
すなわち、この超音波探触子では、ハーモニックイメージングを行なう際には、送受信を分離した構成とし、無機セラミクス圧電素子(以下、無機圧電素子とする)の有する帯域を広く使って超音波を発振し、有機圧電素子が有する帯域を広く使って二次以上の高調波を受信することができる。これにより、送受信を同じ圧電素子で行なうハーモニックイメージングよりも、送受信する超音波の帯域を広くして、奥行き分解能を向上できる。
さらに、有機圧電体と、一般的な2層音響整合構成における第2音響整合層の音響インピーダンスは、近いため、有機圧電素子は、そのまま音響整合層として作用させることもできる。
【0009】
しかしながら、送信用(送受信用)の無機圧電素子と、受信用の有機圧電素子とを用いる超音波探触子を用いても、やはり、ハーモニックイメージングでは、十分な奥行き分解能を得るには至ってはいない。
そのため、より高い奥行き分解能で、ハーモニックイメージングによって超音波画像を得ることができる超音波診断装置の出現が望まれている。
【0010】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、超音波診断装置において、ハーモニックイメージングによって、高い空間分解能のみならず、高い奥行き分解能で超音波画像を得ることができる超音波診断装置を提供することに有る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明の超音波診断装置は、超音波の送受信を行なう複数の無機セラミクス圧電体、および、無機セラミクス圧電体が送信した超音波の二次以上の高調波の超音波エコーを受信して、電気信号に変換して画像信号として出力する複数の有機圧電体を有する超音波探触子と、前記無機セラミクス圧電体を駆動する駆動手段と、前記有機圧電体が出力した画像信号を処理して、超音波画像を生成する診断装置本体とを有し、かつ、前記駆動手段は、前記有機圧電体が画像信号を出力する際には、前記無機セラミクス圧電体の共振特性波形から、波高強度が高い順に3波以上を選択して、波高強度が等しくなるように近似して生成した、矩形波の駆動電圧波形によって、前記無機セラミクス圧電体を駆動することを特徴とする超音波診断装置を提供する。
【0012】
このような本発明の超音波診断装置において、選択する波数が5以下であるのが好ましい。
また、この際において、前記選択した波の波高強度をVp、前記矩形波の駆動電圧波形と選択した波とが交差する点の強度をVxとして、『交わり強度=Vx/Vp』とした際に、前記駆動電圧波形が、共振特性波形から波高強度が高い順に5波を選択して、前記交わり強度が0.33〜0.8となるように生成した矩形波の駆動電圧波形であるのが好ましく、さらに、前記駆動電圧波形が、前記交わり強度が0.66〜0.8となるように生成した矩形波の駆動電圧波形であるのが好ましい。
もしくは、前記選択した波の波高強度をVp、前記矩形波の駆動電圧波形と選択した波とが交差する点の強度をVxとして、『交わり強度=Vx/Vp』とした際に、前記駆動電圧波形が、共振特性波形から波高強度が高い順に4波を選択して、交わり強度が0.33〜0.8となるように生成した矩形波の駆動電圧波形であるのが好ましい。
もしくは、前記選択した波の波高強度をVp、前記矩形波の駆動電圧波形と選択した波とが交差する点の強度をVxとして、『交わり強度=Vx/Vp』とした際に、前記駆動電圧波形が、共振特性波形から波高強度が高い順に3波を選択して、交わり強度が0.5〜0.8となるように生成した矩形波の駆動電圧波形であるのが好ましい。
【0013】
また、本発明の超音波診断装置においては、前記有機圧電素子が、前記超音波探触子の第2音響整合層として作用するのが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
上記構成を有する本発明の超音波診断装置は、ハーモニックイメージングによる超音波診断を行なう際には、送信用(通常の超音波診断では、送受信用)の無機セラミックス製の圧電素子の有する周波数帯域の全域(少なくとも−6dB帯域以上)を使って、超音波を送信することができる。
またはハーモニックイメージングによる超音波診断を行なう際には、受信用の有機圧電素子によって、広い周波数帯の二次高調波以上の超音波エコーを受信して、超音波画像を得ることができる。
【0015】
そのため、本発明によれば、ハーモニックイメージングが有する特徴である高い空間分解能(高精細な超音波画像)のみならず、広い周波数帯域の超音波によって、奥行き分解能(距離分解能)も向上することができ、空間分解能および高い深さ分解能(高深度/高ペネトレーション)で、超音波画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の超音波診断装置の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の超音波診断装置に用いられる超音波トランスデューサの構成の一例を概念的に示す図である。
【図3】(A)および(B)は、本発明の超音波診断装置における超音波の送信を説明するためのグラフである。
【図4】中心周波数および比帯域を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の超音波診断装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
【0018】
図1に、本発明の超音波診断装置の一例をブロック図によって概念的に示す。
図1に示す超音波診断装置10は、充電式の超音波探触子(超音波プローブ)12と、この超音波探触子12と無線通信で接続された診断装置本体14とを有する。
【0019】
超音波探触子12(以下、探触子12とする)は、1次元または2次元の振動子アレイを構成する、複数の超音波トランスデューサ18(以下、トランスデューサ18とする)を有する。これらのトランスデューサ18の個々に対応して受信信号処理部20が接続され、さらに受信信号処理部20には、パラレル/シリアル変換部24を介して無線通信部26が接続されている。
また、各トランスデューサ18には、送信駆動部28を介して送信制御部30が接続され、各受信信号処理部20は受信制御部32が接続され、無線通信部26に通信制御部34が接続されている。そして、パラレル/シリアル変換部24、送信制御部30、受信制御部32および通信制御部34に、探触子制御部36が接続されている。
さらに、探触子制御部36には、バッテリ制御部38を介してバッテリ40が接続され、バッテリ40に充電のための受電部42が接続されている。バッテリ40から、各部位に、探触子12を駆動するための電力が供給される。
【0020】
トランスデューサ18は、送信駆動部28から供給される駆動信号に従って超音波を送信すると共に、被検体からの超音波エコーを受信して、電気信号に変換して超音波画像の受信信号を出力する。
【0021】
図2に、トランスデューサ18の構成を概念的に示す。
図示例において、トランスデューサ18は、一例として、バッキング層48と、無機セラミクス圧電素子50(以下、無機圧電素子50とする)と、第1音響整合層52と、有機圧電素子54と、音響レンズ56とを有して構成される。
【0022】
バッキング層48は、超音波を吸収する材料から構成されるものであり、無機セラミクス圧電素子50から送信され、被検体と逆側(すなちバッキング層48)に向かう超音波を、吸収するものである。
【0023】
無機圧電素子50は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される無機セラミクス製の圧電体(圧電セラミクス)を、電極で挟持してなるものである。
無機圧電素子50は、送信駆動部28から、パルス状の駆動電圧を供給されることにより、圧電素子が伸縮して、パルス状の超音波を送信する。この超音波が、複数、合成されることにより、超音波ビームが形成される。
また、無機圧電素子50は、通常の超音波診断(ハーモニックイメージングを行なわない場合)では、被検体からの超音波エコーを受信することによって振動して、受信した超音波エコーの強さに応じた電気信号を発生する。この電気信号は、受信信号として受信信号処理部20に出力される。
【0024】
なお、無機圧電素子50としては、PZT以外にも、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸タンタル酸カリウム、チタン酸バリウム、タンタル酸リチウム、および、チタン酸ストロンチウム等も利用可能である。
【0025】
第1音響整合層52は、無機圧電素子50と有機圧電素子54との音響インピーダンスの整合を取るものである。
第1音響整合層52は、無機圧電素子50と有機圧電素子54の形成材料に応じて、音響インピーダンス整合を取ることができる公知の材料で形成すればよい。
【0026】
有機圧電素子54は、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)やP(VDF/Tr−FE)に代表される有機高分子圧電体を、電極で挟持してなるものである。
前述のように、ハーモニックイメージングを行なう際には、被検体に送信した超音波の二次以上の高調波の超音波エコーを受信して、超音波画像を得る。有機圧電素子54は、ハーモニックイメージングによる超音波診断を行なう際に、被検体からの高調波の超音波エコーを受信することによって振動して、受信した超音波エコーの強さに応じた電気信号を発生する。この電気信号も、受信信号として受信信号処理部20に出力される。
本発明の超音波診断装置10においては、ハーモニックイメージングで診断を行なう際には、超音波の送受信を分離した構成とすることにより、有機圧電素子54が有する帯域を広く使って、二次以上の高調波を受信して、奥行き分解能を向上している。
【0027】
ここで、有機圧電体と、一般的な2層音響整合構成の超音波トランスデューサにおける第2音響整合層(人体に近い側)の音響インピーダンスとは、近い。
そのため、図示例のトランスデューサ18において、有機圧電素子54は、無機圧電素子50と被検体との音響インピーダンス整合を取ると共に、被検体と有機圧電素子54自身との音響インピーダンス整合を取るための、第2音響整合層としても作用する。
しかしながら、本発明は、この構成に限定はされず、必要に応じて、有機圧電素子54と音響レンズ56との間に、別途、第2音響整合層を設けてもよい。
【0028】
音響レンズ56は、被検体に向けて送信される超音波を収束する部材である。
図示例においては、個々のトランスデューサ18に対して音響レンズ56を配置したような構成になっているが、実際には、音響レンズ56は、全てのトランスデューサ18を覆うように、一個が設けられる。
【0029】
送信駆動部28は、例えば、複数のパルサを含んでおり、駆動電圧を各トランスデューサ18の無機圧電素子50に供給することにより、無機圧電素子50を振動させて、超音波を送信させる。
ここで、本発明の超音波診断装置10においては、ハーモニックイメージングによる診断を行なう際に、送信駆動部28は、無機圧電素子50の共振特性波形を近似して作成した、所定の矩形波の駆動電圧波形に応じて、駆動電圧を無機圧電素子50に供給する。
本発明は、このような構成を有することにより、無機圧電素子50が有する帯域の、ほぼ全域を使用して超音波を送信し、かつ、有機圧電素子54が有する帯域を広く使って二次以上の高調波を受信することにより、ハーモニックイメージングが有する特徴である高い空間分解能のみならず、広い周波数帯域の超音波によって奥行き分解能も向上することを可能にしている。この点に関しては、後に詳述する。
【0030】
なお、本発明の超音波診断装置10においては、ハーモニックイメージングによる診断ではない、通常の超音波診断(超音波画像の作成)を行なう際には、送信駆動部28は、公知の超音波診断装置で行なわれている、通常の1波あるいは2波以上のパルス状の駆動波形信号に応じて、無機圧電素子50を駆動する。
あるいは、送信駆動部28は、通常の超音波診断時にも、ハーモニックイメージングと同様に、前記無機圧電素子50の共振特性波形を近似した矩形波の駆動電圧波形に応じて駆動してもよい。
さらに、通常の公知の無機圧電素子50の駆動方法と、共振特性波形を近似した無機圧電素子50の駆動方法とを、選択可能にしてもよい。
【0031】
また、送信駆動部28は、送信制御部30によって選択された送信遅延パターンに基づいて、複数のトランスデューサ18から送信される超音波が被検体内の組織のエリアをカバーする幅広の超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号の遅延量を調節して複数のトランスデューサ18に供給する。
【0032】
受信信号処理部20は、受信制御部32の制御の下、対応するトランスデューサ18から出力される受信信号に対して直交検波処理または直交サンプリング処理を施すことにより複素ベースバンド信号を生成し、複素ベースバンド信号をサンプリングすることにより、組織のエリアの情報を含むサンプルデータを生成して、サンプルデータをパラレル/シリアル変換部24に供給する。なお、受信信号処理部20は、複素ベースバンド信号をサンプリングして得られるデータに高能率符号化のためのデータ圧縮処理を施すことによりサンプルデータを生成してもよい。
パラレル/シリアル変換部24は、複数チャンネルの受信信号処理部20によって生成されたパラレルのサンプルデータを、シリアルのサンプルデータに変換する。
【0033】
無線通信部26は、シリアルのサンプルデータに基づいてキャリアを変調して伝送信号を生成し、伝送信号をアンテナに供給してアンテナから電波を送信することにより、シリアルのサンプルデータを送信する。
変調方式としては、例えば、ASK(Amplitude Shift Keying)、PSK(Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)等が用いられる。
【0034】
無線通信部26は、診断装置本体14との間で無線通信を行うことにより、サンプルデータを診断装置本体14に送信すると共に、診断装置本体14から各種の制御信号を受信して、受信された制御信号を通信制御部34に出力する。
通信制御部34は、探触子制御部36によって設定された送信電波強度でサンプルデータの送信が行われるように無線通信部26を制御すると共に、無線通信部26が受信した各種の制御信号を探触子制御部36に出力する。
【0035】
探触子制御部36は、診断装置本体14から送信される各種の制御信号に基づいて、探触子12の各部の制御を行う。
バッテリ40は、探触子12の電源として機能し、探触子12内の電力を必要とする各部に電力を供給する。バッテリ制御部38は、バッテリ40から探触子12内各部への電力供給を制御する。
【0036】
なお、本発明において、探触子12は、リニアスキャン方式、コンベックススキャン方式、セクタスキャン方式等の体外式探触子でもよいし、ラジアルスキャン方式等の超音波内視鏡用探触子でもよい。
【0037】
一方、診断装置本体14は、無線通信部60を有し、この無線通信部60にシリアル/パラレル変換部62を介してデータ格納部64が接続され、データ格納部64に画像生成部68が接続されている。さらに、画像生成部68に表示制御部70を介して表示部72が接続されている。
また、無線通信部60に通信制御部74が接続され、シリアル/パラレル変換部62、画像生成部68、表示制御部70および通信制御部74に本体制御部76が接続されている。本体制御部76には、オペレータが入力操作を行うための操作部78と、動作プログラムを格納する格納部80がそれぞれ接続されている。
【0038】
本体制御部76には、給電制御部82を介して電源部84が接続されている。
さらに、診断装置本体14には、不使用時の探触子12を保持するためのプローブホルダ86が形成されており、このプローブホルダ86に給電部90が配設されている。
【0039】
無線通信部60は、探触子12との間で無線通信を行うことにより、各種の制御信号を探触子12に送信する。また、無線通信部60は、アンテナによって受信される信号を復調することにより、シリアルのサンプルデータを出力する。
通信制御部74は、本体制御部76によって設定された送信電波強度で各種の制御信号の送信が行われるように、無線通信部60を制御する。
シリアル/パラレル変換部62は、無線通信部60から出力されるシリアルのサンプルデータを、パラレルのサンプルデータに変換する。データ格納部64は、メモリまたはハードディスク等によって構成され、シリアル/パラレル変換部62によって変換された少なくとも1フレーム分のサンプルデータを格納する。
【0040】
画像生成部68は、データ格納部64から読み出した1フレーム毎のサンプルデータに受信フォーカス処理を施して、超音波診断画像を表す画像信号を生成する。画像生成部68は、整相加算部92と画像処理部94とを含んでいる。
整相加算部92は、本体制御部76において設定された受信方向に応じて、予め記憶されている複数の受信遅延パターンの中から1つの受信遅延パターンを選択し、選択された受信遅延パターンに基づいて、サンプルデータによって表される複数の複素ベースバンド信号にそれぞれの遅延を与えて加算することにより、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波エコーの焦点が絞り込まれたベースバンド信号(音線信号)が生成される。
【0041】
画像処理部94は、整相加算部92によって生成される音線信号に基づいて、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号を生成するものである。
画像処理部94は、STC(sensitivity time control)部と、DSC(digital scan converter:デジタル・スキャン・コンバータ)とを含んでいる。STC部は、音線信号に対して、超音波の反射位置の深度に応じて、距離による減衰の補正を施す。他方、DSCは、STC部によって補正された音線信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号に変換(ラスター変換)し、階調処理等の必要な画像処理を施すことにより、Bモード画像信号を生成する。
【0042】
表示制御部70は、画像生成部68によって生成される画像信号に基づいて、表示部72に超音波診断画像を表示させる。
表示部72は、例えば、LCD等のディスプレイ装置を含んでおり、表示制御部70の制御の下で、超音波診断画像を表示する。
【0043】
本体制御部76は、診断装置本体14内の各部の制御を行うものである。
電源部84は、診断装置本体14内の電力を必要とする各部に電力を供給する。給電制御部82は、本体制御部76を介して入力された診断装置本体14による検査状況等に応じて、必要に応じて電源部84をプローブホルダ86の給電部90に接続して、探触子12のバッテリ40に充電を行わせる。プローブホルダ86の給電部90は、プローブホルダ86に保持された探触子12の受電部42に対し、電磁誘導等により非接触で電力を供給するものである。
【0044】
このような診断装置本体14において、シリアル/パラレル変換部62、画像生成部68、表示制御部70、通信制御部74、本体制御部76および給電制御部82は、CPUと、CPUに各種の処理を行わせるための動作プログラムから構成されるが、それらをデジタル回路で構成してもよい。上記の動作プログラムは、格納部80に格納される。格納部80における記録媒体としては、内蔵のハードディスクの他に、フレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROMまたはDVD−ROM等を用いることができる。
【0045】
前述のように、本発明の超音波診断装置10は、ハーモニックイメージングによる超音波診断(超音波画像の作成)を行なう際に、ハーモニックイメージングに用いる周波数は、無機圧電素子50の最大出力周波数(すなわち中心周波数)に設定し、トランスデューサ18の無機圧電素子50の駆動を、無機圧電素子50の共振特性波形を近似して生成した、矩形波の駆動電圧波形によって行なう。
具体的には、ハーモニックイメージングに用いる周波数を無機圧電素子50の最大出力周波数に設定すると共に、無機圧電素子50の共振特性波形から、波高強度が高い順に3波以上を選択して、波高強度が等しくなるように近似して生成した矩形波の駆動電圧波形によって、無機圧電素子50を駆動する。
【0046】
本発明は、ハーモニックイメージングの際には、送信は、PZT等の無機圧電素子50を、上記所定の矩形波の駆動電圧波形で駆動して行なうことにより、無機圧電素子50が有する、ほぼ全ての周波数帯域(少なくとも−6dB帯域)を使用して、超音波を送信することができる。
また、このような広い帯域の超音波による二次以上の高調波の超音波エコーを、高調波受信用の有機圧電素子54によって受信することにより、広い周波数帯域の高調波の超音波エコーに対応して高感度な受信信号を出力できる。
従って、本発明の超音波診断装置10によれば、ハーモニックイメージングが有する特徴である高い空間分解能のみならず、広い周波数帯域の超音波を送受信することによって、奥行き分解能(距離分解能(時間分解能))も向上することができ、高い空間分解能および奥行き分解能で、超音波画像を作成することができる。
【0047】
図3(A)に、無機圧電素子50の共振特性波形(PFデータ)の一例を示す。この例は、無機圧電素子50としてPZTを用い、中心周波数Fcに対して、Fc/10〜Fc*2の周波数においてフラットな周波数特性となるパルス電圧で駆動した際の共振特性波形である。
なお、無機圧電素子50の共振波形特性は、同レベルのバースト波電圧を周波数挿引した際の各周波数応答からも、得ることができる(一般的には、VTG(Voltage Transfer Gain)と呼ばれている)。
本発明においては、このような共振特性波形(実線)から、波高強度が高い順に3波以上を選択する。図3に示す例では、5波を選択している。
次いで、選択した波に対して、波高強度が等しくなるように近似して、矩形波の駆動電圧波形(破線)を生成し、この駆動電圧波形によって無機圧電素子50を駆動する。図3(A)に示す例では、共振特性波形から選択した高波高強度の5波と、1/2の強度(後述する交わり強度0.5)の位置で交差し、かつ、高さが等しい、5波のパルス状の信号を有する、矩形波の駆動電圧波形を生成している。
【0048】
ここで、無機圧電素子50を広い周波数帯域で振動させるためには、図3(B)に実線で示す無機圧電素子50のスペクトラムデータ(PZTの周波数帯域曲線)に対して、破線で示す無機圧電素子50の駆動電圧波形のスペクトラムデータを、できるだけ一致させるのが好ましい。
両スペクトラムデータを一致させることにより、無機圧電素子50を無駄なく共振させて、無機圧電素子50の広い周波数帯域を使用して、超音波を送信することができる。
【0049】
本発明者らの検討によれば、無機圧電素子50の共振特性波形から、波高強度が高い3波以上、特に4波以上を選択して、波高強度が等しくなるように近似した駆動電圧波形を生成することにより、無機圧電素子50と駆動電圧波形とのスペクトラムデータとを好適に一致させ、無機圧電素子50の広い周波数帯域を使用して、超音波を送信することができる。
【0050】
ここで、無機圧電素子50の駆動電圧波形のスペクトラムデータは、無機圧電素子50の共振特性波形から選択する波の数と、選択した波に対して、どの強度で矩形の波形を近似するかによって、調整可能である。
すなわち、図3(A)に示すように、選択した波の波高強度Vp、矩形波の駆動波形信号と選択した波とか交差する位置の強度をVx、『交わり強度=Vx/Vp』とした際に、選択する波の数と、交わり強度とを適正に組み合わせることによって、無機圧電素子50のスペクトラムデータと、無機圧電素子50の駆動電圧波形のスペクトラムデータとを好適に一致させ、無機圧電素子50の広い周波数帯域を使用して、超音波を送信することが可能となる。
【0051】
特に、3波を選択して、交わり強度を0.5〜0.8として波高強度が等しくなるように近似した駆動電圧波形;
4波を選択して、交わり強度を0.33〜0.8として波高強度が等しくなるように近似した駆動電圧波形;
および、5波を選択して、交わり強度を0.33〜0.8として波高強度が等しくなるように近似した駆動電圧波形;
のいずれかを用いて、無機圧電素子50を駆動することにより、無機圧電素子50と駆動電圧波形とでスペクトラムデータとを好適に一致させ、無機圧電素子50の広い周波数帯域を使用して超音波を送信できる。
【0052】
無機圧電素子50と駆動電圧波形とのスペクトラムデータの一致度は、スペクトラムデータの、−6dB中心周波数、−6dB比帯域、および、最大強度値の一致度を見ることで、評価することができる。
【0053】
ここで、−6dBとは、半値ということである。
すなわち、強度は電圧値[V]であるので、[dB]で表記する際には、常用対数の20倍をとるので、すなわち『20*log(V)』である。従って、半値は、20*log(1/2)≒20*(−0.3)≒−6[dB]となる。
【0054】
図4に概念的に示すように、スペクトラムデータの−6dB中心周波数Fcは、最高強度よりも6dBだけ低い強度における、低い側の周波数Flと高い側の周波数Fhとの中間値である。すなわち、
−6dB中心周波数Fc=(Fl+Fh)/2
また、スペクトラムデータの−6dB比帯域BWは、最高強度よりも6dBだけ低い強度における、中心周波数に対する帯域幅であり、−6dBにおける帯域幅を中心周波数で割った値である。すなわち、
−6dB比帯域BW=(Fh−Fl)/Fc=2(Fh−Fl)/(Fl+Fh)
【0055】
図3(A)に示す無機圧電素子50の共振特性波形について、選択する波の数N、および、交わり強度を、種々、変更して、この共振特性波形に近似した矩形の駆動電圧波形を生成し、下記式を用いて、無機圧電素子50と生成した駆動電圧波形とのスペクトラムデータの−6dB中心周波数の一致率を算出した。なお、下記式において、Fceは無機圧電素子の−6dB中心周波数で、Fcdは駆動電圧波形の−6dB中心周波数である。
−6dB中心周波数の一致率[%]=100×{1−(|Fcd−Fce|/Fce)}
【0056】
結果を下記表に示す。
【表1】


無機圧電素子50と駆動電圧波形とのスペクトラムデータを一致させるためには、−6dB中心周波数の一致率は、95%超であるのが好ましい。従って、太線で示す領域の波数Nおよび交わり強度の組み合わせが好ましい。
【0057】
また、図3に示す無機圧電素子50の共振特性波形について、同様にして、下記式を用いて、無機圧電素子50と生成した駆動電圧波形とのスペクトラムデータの−6dB比帯域の一致率を算出した。なお、下記式において、BWeは無機圧電素子の−6dB比帯域であり、BWdは駆動電圧波形の−6dB比帯域である。
−6dB比帯域の一致率[%]=100×{1−(|BWd−BWe|/BWe)}
【0058】
結果を下記表に示す。
【表2】


無機圧電素子50と駆動電圧波形とのスペクトラムデータを一致させるためには、−6dB比帯域の一致率は、75%以上であるのが好ましい。従って、太線で示す領域の波数Nおよび交わり強度の組み合わせが好ましい。
【0059】
さらに、図3に示す共振特性波形について、同様にして、無機圧電素子50と生成した駆動電圧波形とのスペクトラムデータのスペクトラム変換後の最大強度値を比較した。この強度値が高いほど、効率よく無機圧電素子50を駆動できる。
比較は、波数N=8、交わり強度1.00における強度を基準として、各条件の結果と比較した。
【0060】
結果を下記表に示す。
【表3】


無機圧電素子50と駆動電圧波形とのスペクトラムデータを一致させるためには、スペクトラム変換後の最大強度値の比は、−6dB超であるのが好ましい。従って、太線で示す領域の波数Nおよび交わり強度の組み合わせが好ましい。
【0061】
以上の中心周波数の一致率、−6dB比帯域の一致率、および、強度比が、全て好ましい範囲に入るのは、下記表における『OK』で示す組み合わせであり、すなわち、太線で示す領域である。
【表4】

【0062】
ここで、波数8でも、交わり強度0.33〜1.00との組み合わせで、全ての要素が好ましい範囲に入る。一方で、装置に掛かる負担等を考えると、駆動電圧波形の波数は少ない方が有利である。
波数8と波数5とを比較すると、−6dB中心周波数、−6dB比帯域、および、強度比共に、その一致率は、殆ど差がない。1回の無機圧電素子50の駆動で、波数が8つの駆動電圧波形で駆動するのは、送信駆動部28(無機圧電素子50のドライバ)に大きな負担が掛かり、また、パルサ等も高価な装置が必要となる。しかも、探触子12の発熱の点でも、波数が多い無機圧電素子50の駆動電圧波形は、不利である。
加えて、波数8と波数5とで、大きな差が無いということは、波数6および波数7でも、波数5と大きな差は無い(理論的に、差は波数8以下)、ということである。
従って、波数Nは、5以下であるのが好ましい。
【0063】
すなわち、上記表に示されるように、3波を選択して、交わり強度を0.5〜0.8として、もしくは、4波を選択して、交わり強度を0.33〜0.8として、もしくは、5波を選択して、交わり強度を0.33〜0.8として、波高強度が等しくなるように近似した、矩形の駆動電圧波形によって無機圧電素子50を駆動することにより、送信駆動部28に負担を掛けることなく、安価な装置を用いて、無機圧電素子50と駆動電圧波形とでスペクトラムデータを好適に一致させ、無機圧電素子50の広い周波数帯域を使用して超音波を送信できる。
【0064】
ここで、無機圧電素子50と駆動電圧波形とでスペクトラムデータを、より好適に一致させるためには、−6dB中心周波数の一致率および−6dB比帯域の一致率が95%超、強度比は−3dB超であるのが、より好ましい。
この条件を満たすのが、下記表に太線で示す領域で、波数5以下では、波数5で交わり強度が0.66〜0.8の領域である。
【表5】


従って、本発明においては、5波を選択して、交わり強度を0.66〜0.8として、波高強度が等しくなるように近似した、矩形の駆動電圧波形によって無機圧電素子50を駆動するのが、特に好ましい。
【0065】
なお、以上の例は、無機圧電素子50としてPZTを用いた場合であるが、本発明者の検討によれば、他の無機セラミクス圧電体でも、電気機械結合定数がおよそ0.65以上であれば、ほぼ同様の結果が得られる。一般的に、医療用の超音波振動子アレイの電気機械結合定数は、0.65以上となるように設計されることが、大半である。
【0066】
以下、超音波診断装置10の作用の一例を説明する。
超音波診断装置10において、ハーモニックイメージングによる診断時には、まず、探触子12の送信駆動部28から供給される駆動電圧に従って、複数のトランスデューサ18(無機圧電素子50)から超音波が送信される。
この超音波は、被検体によって反射され、被検体からの二次以上の高調波の超音波エコーを受信した各トランスデューサ18(有機圧電素子54)から出力された受信信号がそれぞれ対応する受信信号処理部20に供給されてサンプルデータが生成され、パラレル/シリアル変換部24でシリアル化された後に無線通信部26から診断装置本体14へ無線伝送される。
【0067】
ここで、トランスデューサ18の駆動は、前述のように無機圧電素子50の共振特性波形を近似した、所定の矩形の駆動電圧波形によって行なわれるため、送信するのは、無機圧電素子50が有する周波数帯域の、ほぼ全域の超音波である。また、高調波を受信するための専用の有機圧電素子54によって、二次以上の高調波の超音波エコーを受信するので、広い周波数帯域の高調波の超音波エコーに対応して高感度な受信信号を出力できる。
【0068】
診断装置本体14の無線通信部60で受信されたサンプルデータは、シリアル/パラレル変換部62でパラレルのデータに変換され、データ格納部64に格納される。
さらに、データ格納部64から1フレーム毎のサンプルデータが読み出され、画像生成部68で画像信号が生成され、この画像信号に基づいて表示制御部70により超音波診断画像が表示部72に表示される。
この画像は、前述のように、広い周波数帯域の超音波の超音波エコーを、高調波を受信するための専用の有機圧電素子54によって受信して得られた画像であるので、ハーモニックイメージングが有する特徴である高い空間分解能のみならず、広い周波数帯域の超音波によって、深さ方向も分解能を向上することができ、高い空間分解能および奥行き分解能で、超音波画像を得ることができる。
【0069】
以上の例は、本発明の超音波診断装置を、探触子12と診断装置本体14とが無線接続された装置に利用した例であるが、本発明は、これに限定はされず、探触子12と診断装置本体14とを有線で接続する超音波診断装置にも、好適に利用可能である。
なお、探触子12と診断装置本体14とを有線で接続する超音波診断装置の場合には、送信駆動部28および/または受信信号処理部20等は、探触子12ではなく、診断装置本体14に配置されてもよい。
また、以上の説明は、本発明の超音波診断装置を、ティッシュハーモニックイメージングによる超音波診断を行なう装置に利用した例であるが、本発明は、これに限定はされず、造影剤を用いるコントラストハーモニックイメージングを行なう装置にも、好適に利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0070】
医療現場におけるハーモニックイメージングを利用した超音波診断に、好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0071】
10 超音波診断装置
12 (超音波)探触子
14 診断装置本体
18 トランスデューサ
20 受信信号処理部
24 パラレル/シリアル変換部
26 無線通信部
28 送信駆動部
30 送信制御部
32 受信制御部
34 通信制御部
36 探触子制御部
38 バッテリ制御部
40 バッテリ
42 受電部
48 バッキング層
50 無機(セラミクス)圧電素子
52 第1音響整合層
54 有機圧電体
56 音響レンズ
60 無線通信部
62 シリアル/パラレル変換部
64 データ格納部
68画像生成部
70 表示制御部
72 表示部
74 通信制御部
76 本体制御部
78 操作部
80 格納部
82 給電制御部
84 電源部
86 プローブホルダ
90 給電部
92 整相加算部
94 画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波の送受信を行なう複数の無機セラミクス圧電体、および、無機セラミクス圧電体が送信した超音波の二次以上の高調波の超音波エコーを受信して、電気信号に変換して画像信号として出力する複数の有機圧電体を有する超音波探触子と、
前記無機セラミクス圧電体を駆動する駆動手段と、
前記有機圧電体が出力した画像信号を処理して、超音波画像を生成する診断装置本体とを有し、
かつ、前記駆動手段は、前記有機圧電体が画像信号を出力する際には、前記無機セラミクス圧電体の共振特性波形から、波高強度が高い順に3波以上を選択して、波高強度が等しくなるように近似して生成した、矩形波の駆動電圧波形によって、前記無機セラミクス圧電体を駆動することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
選択する波数が5以下である請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記選択した波の波高強度をVp、前記矩形波の駆動電圧波形と選択した波とが交差する点の強度をVxとして、『交わり強度=Vx/Vp』とした際に、
前記駆動電圧波形が、共振特性波形から波高強度が高い順に5波を選択して、前記交わり強度が0.33〜0.8となるように生成した矩形波の駆動電圧波形である請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記駆動電圧波形が、前記交わり強度が0.66〜0.8となるように生成した矩形波の駆動電圧波形である請求項3に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記選択した波の波高強度をVp、前記矩形波の駆動電圧波形と選択した波とが交差する点の強度をVxとして、『交わり強度=Vx/Vp』とした際に、
前記駆動電圧波形が、共振特性波形から波高強度が高い順に4波を選択して、交わり強度が0.33〜0.8となるように生成した矩形波の駆動電圧波形である請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記選択した波の波高強度をVp、前記矩形波の駆動電圧波形と選択した波とが交差する点の強度をVxとして、『交わり強度=Vx/Vp』とした際に、
前記駆動電圧波形が、共振特性波形から波高強度が高い順に3波を選択して、交わり強度が0.5〜0.8となるように生成した矩形波の駆動電圧波形である請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記有機圧電素子が、前記超音波探触子の第2音響整合層として作用する請求項1〜6のいずれかに記載の超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−115558(P2012−115558A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269413(P2010−269413)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】