足用装具の取付け具

【課題】本発明は、足用スベリ止め板や下肢疾患治療用足底板などの足用装具を足首や甲に確実に締結して取付けることが出来るのみならず、その締結固定力を足の関節部位に作用せしめて側方動揺性を有効に制御せしめ、常に安定した歩行性を確保することが出来る
、足用装具の取付け具を提供するものである。
【解決手段】略足底形状とされた本体１の踵部位に踵用当片２が立設され、該当片２の両側に各々所要長の足首用締結バンド４ａ・４ｂが設けられると共に、同本体１の甲部位両側に各々甲用締結バンド７ａ・７ｂが設けられ、該甲用締結バンド７ａの一方は広幅状とされると共にその先部に所要幅の挿通口９が形成され、同他方の甲用締結バンド７ｂは該挿通口９に挿通自在な狭幅状とされると共に前記足首用締結バンド４ｂに締結自在な長尺状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、足用スベリ止め板や下肢疾患治療用足底板など所要の足用装具の取付け具に
関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より、例えば、足用スベリ止め板の取付け具としては、略足底形状とされた本体の
踵部位に踵用当片が立設され、該当片の両側に面ファスナ−付き足首用締結バンドが設け
られると共に、同本体の甲部位両側に面ファスナ−付き締結バンドが設けられたものが知
られている。
そして、使用時には、本体の裏面に足用スベリ止め板を取付けたのち、踵用当片を足の
踵部に当てがいつつ両側の足首用締結バンドを足首に巻付けて締結せしめると共に、両側
の甲用締結バンドを足の甲に巻付けて締結せしめることにより取付けるものとされている
。
【０００３】
また、下肢疾患治療用足底板の取付け具としては、略足底形状とされた本体の踵部位に
踵用当片が設けられると共に、同本体の甲部位両側に面ファスナ−付き甲用締結バンドが
設けられたものが知られている（非特許文献１参照）。
そして、使用時には、本体内面に下肢疾患治療用足底板を取付けたのち、踵用当片を足
の踵部に当てがいつつ両側の甲用締結バンドを足の甲に巻付けて締結せしめることにより
取付けるものとされている。
【非特許文献１】中村ブレイス株式会社：製品情報すじいりス−パ−ラテラル・ニュ−ス−パ−ラテラル（平成１９年１０月１日検索）、インタ−ネット（ＵＲＬ；ｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ｎａｋａｍｕｒａ−ｂｒａｃｅ．ｃｏ．ｊｐ／ｐｏ／ｉｓ−ｓｓｌ．ｈｔｍｌ）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、上述の如く構成された取付け具は、足用スベリ止め板や下肢疾患治療用足底
板を各々足首および甲に締結状にしっかりと取付け、有効に固定保持せしめることが出来
るものである。
しかしながら、踵用当片及び足首用締結バンドは足首に締結せしめ、また、甲用締結バ
ンドは甲に締結せしめるにすぎないものであるから、足首と甲との間の関節部位にはその
締結固定力を作用せしめることが出来ないものである。このため、足用スベリ止め板や下
肢疾患治療用足底板を装着して歩行するさいには、足の関節の側方動揺性を制御すること
が出来ず、安定した歩行性を確保することが出来ないものである。
【０００５】
本発明は、上記従来例の課題を解決し、足用スベリ止め板や下肢疾患治療用足底板など
の足用装具を足首や甲に確実に締結して取付けることが出来るのみならず、その締結固定
力を足の関節部位に作用せしめて側方動揺性を有効に制御せしめ、常に安定した歩行性を
確保することが出来る、足用装具の取付け具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項１記載の発明は、略足底形状とされた本体
の踵部位に踵用当片が立設され、該当片の両側に各々所要長の足首用締結バンドが設けら
れると共に、同本体の甲部位両側に各々甲用締結バンドが設けられ、該甲用締結バンドの
一方は広幅状とされると共にその先部に所要幅の挿通口が形成され、同他方の甲用締結バ
ンドは該挿通口に挿通自在な狭幅状とされると共に前記足首用締結バンドに締結自在な長
尺状に形成されてなることを特徴とする、足用装具の取付け具を要旨とするものである。
【０００７】
上記請求項１記載の足用装具の取付け具において、上記足首用締結バンド及び甲用締結
バンドとが各々面ファスナ−により係着自在とされている。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の請求項１記載の発明は上述のように構成されているから、本体の裏面に所要の
足用装具を取付けたのち、踵用当片を足の踵に当てがいつつ両側の足首用締結バンドを足
首に巻付けて締結せしめると共に、広幅状の甲用締結バンドを甲に沿わせつつその挿通口
に狭幅状の甲用締結バンドを挿通して斜め上方に強く引上げ、その自由端を締結下の足首
用締結バンドに緊結せしめて取付けるものであって、常に所要の足用装具を足首や甲に確
実に締結して取付けると共にその締結固定力を足の関節部位に作用せしめて側方動揺性を
有効に制御せしめ、常に安定した歩行性を確保することが出来るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に示す一実施例に基づいて詳細に説
明する。
【００１０】
図１及び図２は本発明の一実施例を示すもので、同図中、１は略足底形状とされた本体
、２は該本体１の踵部位に立設状に縫着された逃げ孔３付き踵用当片、４ａ・４ｂは該踵
用当片２の上端部両側に各々一体形成された所要の幅と長さを有する一対の足首用締結バ
ンド、５は該各足首用締結バンド４ａ・４ｂの外表面に各々止着された雌面ファスナ−、
６は足首用締結バンド４ａの一方の該雌面ファスナ−５に係着せしめるべく他方の足首用
締結バンド４ｂの自由端に止着された短尺状の雄面ファスナ−である。７ａは前記本体１
の甲部位一側に一体形成された所要の長さを有する広幅状の甲用締結バンド、８は該甲用
締結バンド７ａの外表面に各々止着された雌面ファスナ−、９は同甲用締結バンド７ａの
自由端に形成された所要の幅を有する挿通口、７ｂは同甲用締結バンド７ａに対応すべく
本体１の他側に一体形成された甲用締結バンド、１０は該甲用締結バンド７ｂの自由端に
止着された短尺状の雄面ファスナ−で、該甲用締結バンド７ｂは前記挿通口９に挿通自在
な狭幅状とされると共に、足首用締結バンド４ａ・４ｂの雌面ファスナ−５に係着自在な
長尺状に形成されている。そして、上記本体１・踵用当片２・足首用締結バンド４ａ・４
ｂ・甲用締結バンド７ａ・７ｂは各々弾性を有するスポンジ付きパイル織布などの材質に
より形成されている。その他、１１は本体１の裏面に面フアスナ−（図示略）を介して係
着自在とされた足用スベリ止め板、Ｆは足を示す。
【００１１】
次に、上述の如く構成された実施例の使用について説明する。
先ず、本体１の裏面に面ファスナ−（図示略）を介して足用スベリ止め板１１を係着せ
しめる。しかるのち、踵用当片２を足Ｆの踵部に当てがいつつ両側の足首用締結バンド４
ａ・４ｂを足首に巻付け、雌雄面ファスナ−５・６を介して緊締状に締結せしめると共に
、広幅状の甲用締結バンド７ａを足の甲に沿わせつつその挿通口９に狭幅状の甲用締結バ
ンド７ｂを挿通せしめて斜上方に強く引上げ、その雄面ファスナ−１０を足首用締結バン
ド４ｂの雌面ファスナ−５に係着して緊締状に締結せしめる。このさい、踵用当片２及び
足首用締結バンド４ａ・４ｂの協働作用により足首に締結せしめると共に、広幅状の甲用
締結バンド７ａの挿通口９に狭幅状の甲用締結バンド７ｂを挿通せしめつつ斜め上方に引
き上げて締結下の足首用締結バンド４ｂに緊締状に締結せしめるものであるから、常に足
用スベリ止め板１１を足首や甲に確実に締結して取付けると共に、その締結固定力を足Ｆ
の関節部位に作用せしめ、側方動揺性を有効に制御せしめて常に安定した歩行性を確保せ
しめることが出来る。
【００１２】
なお、上記実施例はその使用例として足用スベリ止め板１１を示したが、これに限定さ
れるものでなく、例えば、下肢疾患治療用足底板など他の足用装具の取付けにも好適に適
用せしめることが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図２】実施例の使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００１４】
１本体
２踵用当片
４ａ・４ｂ足首用締結バンド
５雌面ファスナ−
６雄面ファスナ−
７ａ・７ｂ甲用締結バンド
８雌面ファスナ−
９挿通口
１０雄面ファスナ−
１１足用スベリ止め板

【特許請求の範囲】
【請求項１】
略足底形状とされた本体の踵部位に踵用当片が立設され、該当片の両側に各々所要長の
足首用締結バンドが設けられると共に、同本体の甲部位両側に各々甲用締結バンドが設け
られ、該甲用締結バンドの一方は広幅状とされると共にその先部に所要幅の挿通口が形成
され、同他方の甲用締結バンドは該挿通口に挿通自在な狭幅状とされると共に前記足首用
締結バンドに締結自在な長尺状に形成されてなることを特徴とする、足用装具の取付け具
。
【請求項２】
上記足首用締結バンド及び甲用締結バンドは各々面ファスナ−により係着自在とされて
なることを特徴とする、請求項１記載の足用装具の取付け具。

【図１】