説明

路面用表示体の表示方法

【課題】簡易な作業によって道路に文字、図形等の表示体を表示可能であって、雨天時等路面が濡れたときに視認することができる路面用表示体の表示方法を提供すること。
【解決手段】濡れたときに変色するコンクリート、アスファルト、石材、レンガ材、モルタル等で舗装された路面7に対して透明性の撥水剤2で文字、図形等の表示体1を表示し、路面7が濡れたときに撥水剤2が撥水した部分を表示体1として視認する路面用表示体の表示方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面用表示体の表示方法に関し、特に、路面が濡れたときにのみ視認できる路面用表示体の表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、歩行者や車両が通行する道路、スーパーマーケットの駐車場等の私有地、街頭イベントスペース等、舗装された路面に絵、文字、広告等の表示体を表示して、路面を広告等の表示体の表示箇所として利用するという利用方法がある。特に、歩行者は雨天時には、傘を差した状態で足元を見ながら通行する傾向があり、建物の外壁や屋上に取り付けられた看板を見上げることは少ないので、歩行者に対しては雨天時にも広告宣伝効果を高めるような道路用表示体を表示したいという要請があった。また、自動車等の運転者に対しては雨天時に特に交通安全を注意喚起する交通標示を表示したいという要請があった。
【0003】
道路に表示する表示体や表示体の表示方法としては、ペンキやチョーク等で路面に直接表示体を描くものは古くから知られており、例えば道路の舗装材料に表示体を描きこれを舗装に使用するプリントコンクリートが案出されている(特許文献1)。また、表示体を表示した光源を道路に埋め込む舗装部材が案出されている(特許文献2)。さらには、道路にシート状の表示体を接着して表示体を表示する路面標示が案出されている(特許文献3)。尚、道路標示の耐久性、耐摩耗性を向上させるべく、道路に表示した有色の表示体の上に、耐久性向上剤として、シリコーン樹脂を塗布する方法は案出されている(特許文献4)。
【特許文献1】特開平11−148106号公報
【特許文献2】特表2003−535365号公報
【特許文献3】特開平11−148106号公報
【特許文献4】特開平11−209619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記、特許文献1乃至3に記載された発明は、いずれも広告等の表示体を道路に表示する舗装部材や表示方法に関するものであっていずれも視覚効果に富むものである。
【0005】
しかしながら、舗装部材を道路に埋め込んだり、表示体を表示した光源を道路に埋め込んだりする表示方法は、道路舗装時に当該工事を行う必要があるため表示に手間と費用がかかり、表示体の交換が難しいという問題があった。また、シート状の表示体を道路に接着する表示方法は、表示体を交換できるという利点はあるもののシート状の表示体を作成する手間、道路に接着する手間がかかるとともにシート上で歩行者や自動車が滑らないよう配慮する必要があった。そしてこれらの表示体や表示体の表示方法は、表示が不要になったときに現状復帰作業を行うことが困難である。さらには、これ等の表示方法は、特に、雨天時のように路面が濡れたときに広告効果を高めるものとはいえない。
【0006】
上記事実に鑑みて、本願発明の路面用表示体の表示方法は、簡易な作業によって道路に文字、図形等の表示体を表示可能であって、雨天時等路面が濡れたときに視認することができる路面用表示体の表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本願発明の路面用表示体の表示方法は、濡れたときに変色するコンクリート、アスファルト、石材、レンガ材、モルタル等で舗装された路面に対して透明性の撥水剤で文字、図形等の表示体を表示し、前記路面が濡れたときに前記撥水剤が撥水した部分を前記表示体として視認することができることを特徴とする。
【0008】
また、舗装道路の路面に、表示体のパターンの抜かれたマスク型をセットする工程と、前記マスク型を介して前記路面に透明性の撥水剤を定着させる工程と、前記マスク型を前記路面から取り外す工程を有することを特徴とする。
【0009】
また、舗装道路の路面に、表示体のパターンの抜かれたマスク型をセットする工程と、前記マスク型を介して前記路面に噴霧容器内に封入した撥水剤を吹き付ける工程と、前記マスク型を前記路面から取り外す工程を有することを特徴とする。
【0010】
表示体のパターンの抜かれたマスク型は、カッティングシート、金属板、木板、プラスチック樹脂板、紙の少なくともいずれかに表示体のパターンを切り抜いて作製することを特徴とする。
【0011】
撥水剤は、シリコーン系撥水剤であることを特徴とする。
【0012】
撥水剤は、路面に付着した撥水層の接触角が120°以上の撥水力を有するシリコーン系撥水剤であることを特徴とする。
【0013】
撥水剤は、シリコーン系化合物、含フッ素ポリマー、紫外線カット剤、光安定剤および金属酸化物の2種以上を含み、有機溶剤中または水中に分散させた液状の浸透性シリコーン系撥水剤であることを特徴とする。
【0014】
撥水剤は、含フッ素ポリマーの割合が2部以上乃至250部以下であることを特徴とする浸透性シリコーン系撥水剤であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
路面用表示体の表示方法を、濡れたときに変色するコンクリート、アスファルト、石材、レンガ材、モルタル等で舗装された路面に対して透明性の撥水剤で文字、図形等の表示体を表示し、前記路面が濡れたときに前記撥水剤が撥水した部分を表示体として視認することができるようにしたことで、晴天時等路面が乾いているときには視認することができないが、雨天時等路面が濡れたとき視認することができる広告宣伝効果、注意喚起効果、娯楽効果等の高い路面表示をすることができる。したがって、暗い雨の日にも歩行者に向けては路面に表示された各種表示体を視認させることで、楽しい気持ちを喚起させて高い広告宣伝効果を与えることができ、自動車や自転車等車両の運転者には雨の日に有効な道路標示をして、交通安全を注意喚起することができる。
【0016】
また、舗装道路の路面に、表示体のパターンの抜かれたマスク型をセットする工程と、前記マスク型を介して前記路面に透明性の撥水剤を定着させる工程と、前記マスク型を前記路面から取り外す工程を有することにより、道路部材の交換のための工事や、路面への表示シートの接着等大規模な作業をしなくても容易に表示体を表示することができる。
【0017】
また、舗装道路の路面に、表示体のパターンの抜かれたマスク型をセットする工程と、前記マスク型を介して前記路面に噴霧容器内に封入した透明性の撥水剤を吹き付ける工程と、前記マスク型を前記路面から取り外す工程を有することにより、撥水剤を過度に使用する、撥水剤の量にばらつきが生じる等のおそれがなく、適量の撥水剤を均一に定着させることができる。一方で、洗剤、クレンザー、アルコール系除光液等既存の溶剤を用いて洗い流すことにより、比較的短時間に現状復帰が可能であるため、表示体の交換期間を比較的短期間に設定することができる。
【0018】
表示体のパターンの抜かれたマスク型は、カッティングシート、金属板、木板、プラスチック樹脂板、紙の少なくともいずれかに表示体のパターンを切り抜いて作製することにより、容易にマスク型を形成することが可能で、繊細な模様や文字の孔部を形成し、繊細な模様や文字からなる表示体を表示することができる。
【0019】
撥水剤は、シリコーン系撥水剤であることにより、路面に浸透して定着する。よって、シリカ化合物系撥水剤等の薄膜形成型の撥水剤と異なり、摩擦に強く期間路面に表示体をしっかりと定着保持させることができる。さらに、表示体はシリコーン系撥水剤により路面自体に表示するので、従来のような道路に光源を埋め込む表示方法や道路にシート状の表示体を接着する表示方法の場合のように歩行者や車両が舗装部材と異なる部材の上を進むことがなく、歩行者や車両の安定した通行を確保することができる。
【0020】
撥水剤は、路面に付着した撥水層の接触角が120°以上の撥水力を有するシリコーン系撥水剤であることにより、雨天時等路面が濡れたときの表示体の視認性が高く、歩行者や運転者に表示体をはっきりと視認させることができる。
【0021】
撥水剤は、シリコーン系化合物、含フッ素ポリマー、紫外線カット剤、光安定剤および金属酸化物の2種以上を含み、有機溶剤中または水中に分散させた液状の浸透性シリコーン系撥水剤であることにより、路面への浸透性、定着性が好適であるとともに、視認性に優れた表示体を表示することができ、対候性がよく比較的長い期間路面に表示体を定着保持させることができる。さらに、路面に吹き付けるのに適した粘度の溶剤とすることができる。
【0022】
撥水剤は、含フッ素ポリマーの割合が2部以上乃至250部以下であることを特徴とする浸透性シリコーン系撥水剤であることにより、路面への浸透性、定着性が好適であるとともに、視認性に優れた表示体を表示することができる。また、透明性が高い溶剤であるために、透明性が高い表示体を提供することができ、晴天時等路面が乾いているときの非視認性が高いが、雨天時等路面が濡れたときにははっきりと視認することができるので、晴天時は視認する必要がない内容の表示や、自動車、自転車等車両の運転者や歩行者等の看者の興味を惹く表示が可能で、交通安全の注意喚起効果や広告宣伝効果等の高い表示体を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本願発明の路面用表示体の表示方法を示す工程図、図2は図1の工程により表示された表示体の模式的な断面図、図3は路面に表示された表示体の平面図、図4は他のバリエーションの表示体の斜視図、図5は他のバリエーションの表示体の平面図、図6は路面に表示された表示体を示す参考図である。
【0024】
本願発明の第一の実施の形態を図1乃至図3を用いて説明する。この路面用表示体の表示方法は、濡れたときに変色するコンクリート、低浸透性アスファルト、高浸透性アスファルト、石材、レンガ材、モルタル等で舗装された路面7に対して撥水効果を発揮する透明性の撥水剤2で文字、図形等の表示体1を表示し、路面7が濡れたときに撥水剤2が撥水した部分を表示体1として視認することができるようにしたものである。
【0025】
この表示体1は、透明性の撥水剤2で形成されているために路面7が乾いているときにはほとんど視認することができない。しかしながら、図3に示すように、雨や打ち水等で路面7が濡れたとき、撥水剤2が定着した部分は暗く変色することなく濡れて変色した路面部分71に対して明るい色を保持し、歩行者、自動車や自転車等車両の運転者等の看者は表示体1を視認することができるのである。図6においては、スペード型の表示体が白く認識できる部分が撥水剤2が定着している部分であり、他の部分が濡れた路面である。
【0026】
本実施の形態における表示方法は、図1に示す如く、マスク型3に文字、図形等、表示体1の形状の孔部4を形成してこの孔部4が形成されたマスク型3を路面7に載置、接着等によりセットする。本実施の形態においては、缶入り飲料の図形の孔部4を開けたマスク型3を介して、舗装された路面7に対して撥水剤2を定着させ、表示体1を形成する。そうすると、図2に示す如く、マスク型3の孔部4の部分に該当する部分には撥水剤2が定着し、マスク部5が覆った部分には撥水剤2が定着せず路面7上に表示体1が形成される。そして図3に示す如く、路面7が濡れたときには、撥水剤2の撥水効果により表示体1が視認できるようになっている。
【0027】
図1に示すように、撥水剤2の定着には、撥水剤2を適量、かつ、均一に定着させるべく、噴霧容器6に封入した液状の撥水剤2をスプレーする手法を用いる。スプレー後、しばらくすると撥水剤2は路面7に浸透しながら定着し表示体1が形成される。尚、撥水剤2の定着には、撥水剤2をスプレーする、刷毛、ローラー等で塗布する、散布する等種々の手法があり、どの手法で撥水剤2を定着させてもよい。また、マスク型3を数パターン用意し、上記工程を繰り返すことにより、より複雑な文字、図形等の表示体を表示することができる
【0028】
マスク型3は、紙材等に樹脂コーティングを施したカッティングシートを切り抜いて形成することで、撥水剤2をスプレーしてもマスク型3が変形することなく、カッター等を用いて簡単に繊細な模様、文字等を確実に表示することができ好適である。尚、マスク型3の材質は、カッティングシートの他、鉄板等の金属板、ベニヤ板等の木板、アクリル板、塩化ビニール板等のプラスチック樹脂板、シート状の紙等の路面7に敷設可能なシート状、板状のものであればよく、孔部4の形成は打ち抜き、切り抜き、溶断等種々の手法を採用することができる。
【0029】
本実施の形態における撥水剤2は、透明性を有し、浸透性のあるシリコーン系の撥水剤が好適である。また、撥水剤2は、特に路面7に付着した撥水層の接触角が120°以上であれば、雨天時の視認効果が一層向上する。
【0030】
また、透明性の撥水剤2は、シリコーン系化合物、含フッ素ポリマー、紫外線カット剤、光安定剤および金属酸化物の2種以上を含み、有機溶剤中または水中に分散させた液状の浸透性シリコーン系撥水剤であれば、雨天時等路面が濡れたときの視認効果が向上するばかりでなく、路面7への定着性、対候性がよく好適な表示体1を形成することができる。また、噴霧容器6への封入も容易である。
【0031】
さらに、透明性の撥水剤2は、含フッ素ポリマーの割合が2部以上乃至250部以下であることを特徴とする浸透性シリコーン系撥水剤であることにより、路面への浸透性、定着性が好適であるとともに、視認性に優れた表示体を表示することができる。また透明性が高く、雨天時等路面が濡れたときにのみ視認することができる表示体に適する。
【0032】
本願発明に際して、発明者は、上述の表示方法により数種類の撥水剤を用いて、路面7に表示体1を表示し、表示体1上に毎日、水を散布して7日間表示体1の視認状況を観察した。
【0033】
撥水剤の例として、フッ素樹脂系撥水剤である自動車ボディーコーティング用撥水剤(シーシーアイ株式会社製 商品名「アメットビースプレーL」(登録商標))、フッ素樹脂系撥水剤である被服用撥水剤(株式会社ラフアンドロードスポーツ製 商品名「ラフウォーターガード」)、シリカ化合物系撥水剤である木材・セラミック・樹脂・和紙・電子材料等用撥水剤(日華化学株式会社製 商品名「アデッソWR」(登録商標))、そして、本実施の形態の上述した撥水剤の組成を有する透明性の浸透性シリコーン系撥水剤である木材用撥水剤(株式会社エービーシー商会製 商品名「ワイティープルーフ」(登録商標))をアスファルトで舗装された路面7に規定量スプレーして表示体を表示した。
【0034】
フッ素樹脂系撥水剤は、路面7が濡れたときに視認することが難しかった。シリカ化合物系撥水剤を用いた場合と、シリコーン系撥水剤を用いた場合は雨天時の撥水がよく表示体を視認することができた。しかし、表1に示すように、同一の路面、同一の日時に劣化試験を行ったところ、シリカ化合物系撥水剤を用いた表示体は、路面7が濡れたときに視認することはできたが路面7表面に皮膜を形成するものであるため摩擦等に極めて弱く、表示体1を路面7に定着させて1日目からほころびが見られ、2日目からほころびが目立つようになり、7日目には表示体を確認することができなくなった。しかしながら、浸透性のシリコーン系撥水剤を用いた表示体は、路面7に浸透定着し、定着後7日目を経過しても表示体1にほころびは見られず、引き続き視認することができた。
【0035】
さらに、定着後の表示体1を靴底やタイヤ等を想定したゴム等の弾性材、傘の先端やハイヒールの踵を想定した金属材で摩擦する実験を行ったところ、シリカ化合物系撥水剤の表示体のみほころびが見られたが、シリコーン系撥水剤の表示体に変化はなかった。
【0036】
尚、このように噴霧容器6によりスプレーしたシリコーン系撥水剤の表示体は、少なくとも30cm四方にスプレーした表示方法の場合中性洗剤約30mlを散布し、ブラシ等を用いて水で洗い流すことにより現状復帰をすることができる。
【表1】

【0037】
上述した本願実施の形態の路面用表示体の表示方法を用いて、路面7に表示をする態様につき、幾つか例を挙げて説明する。表示体1の種類は、例えば図1乃至図3に示す路面7に直接広告を施す缶飲料等商品に関する文字図形の他、雨天時にのみ視認させたい「ブレーキ早め」や「スリップ注意」などの注意を喚起する道路標示であってもよい。また、表示体1を表示する路面は、車道の他、歩道や駐車場等の私有地であってもよい。
【0038】
図4、図5は他の表示体のバリエーションを示すものであり、図4は店舗への入場を促すべく路面7に表示体11、12を本願発明の表示方法を用いて表示したものであり、図5は、店舗92の駐車場に表示体12、13を本願発明の表示方法を用いて表示したものである。
【0039】
図4は車道に建築物9の外壁に取り付けられた看板91と内容的な関連性をもたせた路面広告の表示体であって、例えば雨の日のみ500円販売キャンペーンを実施する店舗の広告の場合、店舗に近い路面7に「TRY ME!」の表示体12と入場を促す矢印の表示体11を表示し、図5に示すように、店舗92の駐車場路面8には「TRY ME!」の表示体12と「500」の表示体13を交互に複数表示するなどして購買を促すことができる等、他の広告方法と組み合わせることができる。これにより、路面7、駐車場路面8の乾いているときにはこれ等表示体11、12、13は視認することができないが、雨天のキャンペーン中には、表示体11、12、13が撥水効果により視認可能となり、天候の変化に即したキャンペーン広告を表示することができる。
【0040】
また、上述のように、同じ形の表示体を複数表示したいときにも、本願発明の表示方法によれば、マスク型3を作成して、この位置をずらしながら撥水剤2を定着させるだけでよく、容易、かつ安価に表示体を形成することができる。また原状回復も容易である。尚、路面7を濡らす要因は、雨に限るものではなく、打ち水等人工的に散布する水滴であってもよい。また表示体を表示する場所は屋外に限られず、路面を濡らす設備がある場所であれば屋内であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本願発明の路面用表示体の表示方法を示す工程図。
【図2】図1に示す工程により表示された表示体の模式的な断面図。
【図3】図1に示す工程により路面に表示された表示体の平面図。
【図4】他のバリエーションの表示体の斜視図。
【図5】他のバリエーションの表示体の平面図。
【図6】路面に表示された表示体を示す参考図。
【符号の説明】
【0042】
1 表示体
11 表示体
12 表示体
13 表示体
2 撥水剤
3 マスク型
4 孔部
5 マスク部
6 噴霧容器
7 路面
71 路面部分
8 駐車場
9 建築物
91 看板
92 店舗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濡れたときに変色するコンクリート、アスファルト、石材、レンガ材、モルタル等で舗装された路面に対して透明性の撥水剤で文字、図形等の表示体を表示し、前記路面が濡れたときに前記撥水剤が撥水した部分を前記表示体として視認することができることを特徴とする路面用表示体の表示方法。
【請求項2】
舗装道路の路面に、表示体のパターンの抜かれたマスク型をセットする工程と、前記マスク型を介して前記路面に透明性の撥水剤を定着させる工程と、前記マスク型を前記路面から取り外す工程を有することを特徴とする請求項1記載の路面用表示体の表示方法。
【請求項3】
舗装道路の路面に、表示体のパターンの抜かれたマスク型をセットする工程と、前記マスク型を介して前記路面に噴霧容器内に封入した撥水剤を吹き付ける工程と、前記マスク型を前記路面から取り外す工程を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の路面用表示体の表示方法。
【請求項4】
表示体のパターンの抜かれたマスク型は、カッティングシート、金属板、木板、プラスチック樹脂板、紙の少なくともいずれかに表示体のパターンを切り抜いて作製することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の路面用表示体の表示方法。
【請求項5】
撥水剤は、シリコーン系撥水剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載の路面用表示体の表示方法。
【請求項6】
撥水剤は、路面に付着した撥水層の接触角が120°以上の撥水力を有するシリコーン系撥水剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の路面用表示体の表示方法。
【請求項7】
撥水剤は、シリコーン系化合物、含フッ素ポリマー、紫外線カット剤、光安定剤および金属酸化物の2種以上を含み、有機溶剤中または水中に分散させた液状の浸透性シリコーン系撥水剤であることを特徴とする路面用表示体の請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の路面用表示体の表示方法。
【請求項8】
撥水剤は、含フッ素ポリマーの割合が2部以上乃至250部以下であることを特徴とする浸透性シリコーン系撥水剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の路面用表示体の表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−282138(P2010−282138A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137358(P2009−137358)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(503066778)株式会社アサツーディ・ケイ (4)
【Fターム(参考)】