説明

車両において座席占有状態を識別するためのシステムおよび方法

車両において座席占有状態を識別するためのシステムに、マイクロ波送信器および小面積の複数の反射器が設けられており、これらの反射器はとりわけ、車両座席(20)の背もたれ(26)内に配置されている。座席(20)を占有する人(14)が前方に傾くと、多かれ少なかれ反射器(12)は解放される。反射器がさらに解放される度に、強度上昇が起こる。この強度上昇は有利には、座席上の人のポジションを正確に識別するために使用される。とりわけ人(14)が大きく前屈している場合(いわゆるアウトオブポジション事例)、エアバッグの点火が回避され、それに関連する危険も回避される。反射器(12)の代わりに、座席(20)に受信器を配置することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両において座席占有状態を識別するためのシステムに関する。該システムは、少なくとも1つのマイクロ波送信器と、マイクロ波放射を反射ないしは受信するための手段を有しており、該反射ないしは受信するための手段は車両座席内に配置されており、該少なくとも1つのマイクロ波送信器および反射ないしは受信するための手段は次のように配置されている。すなわち、該マイクロ波送信器から送信された放射が該反射ないしは受信するための手段に、少なくとも車両座席が占有されていない場合は到達し、座席占有状態に依存して、反射ないしは受信するための手段によって反射ないしは受信される放射が影響されるように配置されている。
【0002】
本発明はさらに、車両において座席占有状態を識別するための方法にも関する。該方法は、マイクロ波放射を送信するステップと、車両座席内に配置された反射ないしは受信するための手段によって該マイクロ波放射を反射ないしは受信するステップとを含んでいる。送信された放射は、該反射ないしは受信するための手段に、少なくとも車両座席が占有されていない場合に到達し、座席占有状態に依存して、反射ないしは受信するための手段によって反射ないしは受信された放射は影響される。
【0003】
この種のシステムおよび方法は公知である。これらはとりわけ、エアバッグのトリガ特性を座席占有状態に依存して調整するために使用される。
【0004】
この種のシステムおよび方法の一例が、US6199904B1から公知である。ここでは、マイクロ波送信器から車両座席内の反射構造体へマイクロ波が送信される。反射されたこのマイクロ波は、マイクロ波受信器によって検出される。反射されたマイクロ波の強度は、座席を占有する人によってマイクロ波放射が低減されたか否かに依存するので、評価結果から座席占有状態を推定することができる。しかしこのようなシステムおよび方法の欠点は、エアバッグ制御が常に確実な評価を基礎としているとは限らないことである。たとえば、反射のために座席に設けられた反射オブジェクトと異なるオブジェクトで反射されるということがあり得る。このことによって、座席が占有されていないと見せかけられ、エアバッグがロックされてしまい、車両の乗員にとって致命的な結果となってしまう。また、実施の枠内で必要な較正は非常に面倒であるため、該システムのコストが高くなってしまう。さらに、すべての付加的な評価は計算時間と関連しており、このことはダイナミック測定、すなわち車両の衝突時に初めて行われる測定と矛盾する。US6199904B1にも同様に、たとえば人の前屈等のアウトオブポジション事例を識別するための特別な手段には触れられていない。このようなアウトオブポジション事例を識別することが望ましい。なぜなら、このような状況でエアバッグを点火するのは、可能な限り阻止しなければならないからだ。
【0005】
この「座席占有状態の識別」は、座席が占有されているか否かの識別、座席上の人がどのようなポジションにあるかの識別、および/または、座席上の人の体格がどのようになっているかの識別を含んでいる。
【0006】
本発明の課題は、従来技術の前記欠点を解消し、とりわけ着座ポジションの確実な識別と、アウトオブポジション事例の確実な識別も可能にするシステムおよび方法を提供することである。
【0007】
前記課題は、反射ないしは受信するための手段が、座席に局所的に分布されて配置された反射ないしは受信するための複数のエレメントを有しており、反射ないしは受信するエレメントの数は座席占有状態に依存するによって解決される。
【0008】
本発明の有利な実施形態が、従属請求項に記載されている。
【0009】
本発明は上位概念のシステムを基礎として、反射ないしは受信するための手段に複数の反射ないしは受信するためのエレメントが設けられており、反射ないしは受信するエレメントの数は座席占有状態に依存するように構成されている。複数のエレメントを設けることにより、該エレメントは座席占有状態に依存して、多かれ少なかれ覆われるかないしは解放される。人が正しく座席に着座している場合、人が覆うエレメントの数は、正しい着座ポジションから動いた場合より多くなる。さらに、体の体積が異なる人を区別することができる。というのも小さな人は、より大きな体の体積を有する人より少数のエレメントを覆うからだ。基本的に車両座席には、本発明のシステムを実現するために反射器または受信器が配置される。したがってこれらの異なる技術的手段は、「反射ないしは受信」するための手段またはエレメントという総括的な概念にまとめられる。
【0010】
とりわけ、反射ないしは受信するための複数のエレメントを車両座席の背もたれおよび/またはヘッドレストに、縦方向に連続して配置するのが有利である。マイクロ波送信器がたとえば、乗用車のルーフ内張の前方領域に設けられている場合、人が正しく着座している際には、覆われるエレメントの数は最大になる。人が前方に傾いた場合、縦方向に連続して配置されたエレメントは順次解放され、受信される強度は段階的に上昇する。エアバッグの点火が禁止されるスイッチング閾値はこのようにして、たとえば段階的な経過の縁部にセットされ、スイッチング閾値は、車両座席上の人の特定の傾きに精確に相応するようになる。
【0011】
本発明によるシステムは特に有利には、反射ないしは受信するための手段を非変調式または変調式のバックスキャッタ装置とし、該バックスキャッタ装置によって反射された放射を受信する少なくとも1つのマイクロ波受信器を設けることによって発展される。マイクロ波放射がバックスキャッタ装置によって変調されることにより、反射器を容易に、金属導電性の別の物と区別することができる。すなわち、たとえば乗用車内で同乗者が作業するために使用されているラップトップのケーシングでマイクロ波放射が反射された場合、座席が占有されていないとシステムが推定するという結果にはならない。したがってこの場合、エアバッグは衝突時に点火される。「反射器」、「反射」等の概念は、本発明の開示の枠内では非常に広い意味で使用される。ここでは古典的な意味の反射だけでなく、たとえば電磁放射を変調式のバックスキャッタプロセスによって戻すことも指す。
【0012】
バックスキャッタ装置を変調式のバックスキャッタ装置とすることができる。変調によって顕れたパタンを介して、反射はバックスキャッタ装置に対して一義的に対応づけられる。
【0013】
本発明によるシステムは、バックスキャッタ装置をパッシブ、セミパッシブ、セミアクティブまたはアクティブなバックスキャッタ装置として構成することによって発展される。パッシブなバックスキャッタ装置は特に簡単に構成され、付加的なエネルギー供給部を必要としないので、その点では特に低コストな解決手段を提供する。セミパッシブなバックスキャッタ装置は、僅かな電力を消費する付加的な増幅器とともに動作する。このようなセミパッシブなバックスキャッタ装置は、パッシブなバックスキャッタ装置と比較してより高い強度で反射できるという利点を有する。これを基礎として、より確実に評価することができる。特に確実な評価は、アクティブなバックスキャッタ装置によって実現される。すなわち、アクティブな電子的構成素子を有するバックスキャッタ装置によって実現される。これによって、上昇されたマイクロ波強度に基づいて特に確実な評価が実現される。しかし、本発明のこの実施形態でマイクロ波放射に基づいて車両乗員にかかる負荷は、パッシブなバックスキャッタ装置より高くなる。
【0014】
さらに該システムは、座席占有状態によってマイクロ波の回折に基づいて、受信される強度に影響が及ぼされ、この受信される強度は座席占有状態に関する情報を搬送するように構成することによって、特に有利に発展される。マイクロ波放射は、たとえば赤外線放射と異なり、放射経路に配置された対象物にて波長に基づいて顕れる回折現象を示すことができるので、回折作用に基づく強度変化を利用することができる。このようにして空席を、大人によって占有された座席とも、たとえば子供およびチャイルドシートによって占有された座席とも区別することができる。というのも後者の場合、チャイルドシートによる上昇に基づいて、座席面に配置されたエレメントへのマイクロ波放射は回折されるからだ。
【0015】
有利には、マイクロ波放射が伝搬したマイクロ波送信器とマイクロ波受信器ないしは反射ないしは受信するための手段との間の距離は、伝搬時間測定によって検出されるように構成される。こうすることによって、座席の調整を検出することができる。このようにして、エアバッグ制御のために別の情報が得られる。
【0016】
特に有利には、座席の位置が検出されて、距離の検出の結果と座席の位置の検出の結果とから、受信された放射がマイクロ波送信器から送信されたものであるか否かが検出されるように構成される。このような妥当性検査は、バックスキャッタ装置を反射器として使用する場合には基本的に必要ないが、冗長性を目的として使用することもできる。特に有利なのは、反射されたマイクロ波放射に、たとえばバックスキャッタプロセスによってパタンが顕れていない場合に、マイクロ波信号の伝搬時間に基づいて検査することである。その際には座席の位置を付加的に評価することによって、反射がたとえば座席背もたれ内の反射器によるものなのか、または、たとえば同乗者の膝の上のラップトップによるものなのかが検出される。
【0017】
有利なのは、少なくとも1つのマイクロ波送信器および少なくとも1つのマイクロ波受信器を、送受信アンテナを備えた少なくとも1つのマイクロ波送受信装置として構成することである。これによってマイクロ波放射は、マイクロ波送受信装置から反射器に到達し、該反射器から該マイクロ波送受信装置に再び到達する。マイクロ波送受信装置は、たとえば車両のインストルメントパネルまたはルーフ内張に設けられている。マイクロ波送受信装置をこのように配置すると、すでに記載されたような人のポジション変化が確実に検出される。同様に、体の体積が異なる人の前記の区別も行われる。しかし、たとえば同乗者席にチャイルドシートを安全に乗せることもできる。チャイルドシートは一般的にプラスチックから成り、子供を基本的には持ち上げるので、マイクロ波放射の大部分は妨害されずに反射器に到達して該反射器から受信器に再び到達し、エアバッグのトリガは阻止される。付加的な安全手段として、別の反射器をチャイルドシートに取り付けることもできる。このようにしなければチャイルドシートないしはチャイルドシートに着座している子供に吸収されてしまうマイクロ波放射も、こうすることによって反射される。したがって、エアバッグのトリガはさらに確実に阻止される。変調式のバックスキャッタ装置を反射器として使用する場合、座席背もたれないしはチャイルドシートにあるこのバックスキャッタ装置は、信号を異なって変調するので、チャイルドシートが座席上にあることが一義的に識別される。
【0018】
特に有利には、受信された放射に依存して車両の機能をトリガまたは遮断またはイネーブルする制御ユニットが設けられる。座席占有状態の識別は、車両の他の機能と関連しても有利であるが、エアバッグのイネーブルないしは遮断が、本発明の特に重要な成果である。
【0019】
これはたとえば、少なくとも1つのマイクロ波送信器および/または少なくとも1つのマイクロ波受信器が、車両に装備されたアクセスコントロールおよび始動のシステムの一部であるように構成することもできる。マイクロ波をベースとするアクセスコントロール始動システムでは、アンテナは内室をカバーするために一般的には、車両座席内に配置された反射ないしは受信するためのエレメントに応答することもできる位置に設けられている。したがって、アクセスコントロール始動システムのコンポーネントが座席占有状態識別のために使用される本発明のこの実施形態によって、統合的ひいては低コストの手段が提供される。
【0020】
それに類する理由から、マイクロ波受信器によって受信された信号の評価が、車両に装備されたアクセスコントロール始動システムの枠内で使用される手段によって支援ないしは実行されるように構成すると有利である。
【0021】
該システムは、放射経路が直線的に延在するように構成することができる。このコンテクストで直線的な放射経路と言う場合には、放射が回折現象を伴わずに伝搬することが想定される。したがってこの実施形態は、コンポーネントの幾何的な配置に関する。すなわち、送信器と反射ないしは受信するための手段および/または受信器との間に、直接的な見通し経路が形成される。このようにすると、特に簡単なシステムが実現される。
【0022】
しかし、放射経路が迂回して延在するように構成することも有利である。マイクロ波放射は、車両に取り付けられた導電性の材料を使用して車両によって偏向されることにより、所定の領域が所期のように照射される。その際には、付加的なマイクロ波送受信装置は必要ない。
【0023】
本発明の特に有利な別の実施形態では、反射ないしは受信するための複数のエレメントが、所定の時間インターバル中に選択的にアクティベートないしはデアクティベートされ、該エレメントを時間インターバルに割り当てることによって該エレメントが相互に区別されるように構成される。したがって、反射ないしは受信するためのエレメントは連続的に駆動制御され、各エレメントに対して一義的にタイムスロットが割り当てられる。このことは、バックスキャッタ装置ではたとえば、割り当てられたタイムスロット中に該バックスキャッタ装置に給電され、該バックスキャッタ装置が該タイムスロット中に高周波電磁界を変調して反射することによって行われる。
【0024】
これと関連して、バックスキャッタ装置は等しい周波数によって変調できるように構成すると特に有利である。こうすることによって、送受信装置を特に簡単に構成し、かつ、変調および反射された放射を使用することによって完全なシステム機能性を維持することができる。
【0025】
しかし、バックスキャッタ装置が異なる周波数によって変調できるように構成することもできる。このようにすると、変調周波数に基づくだけで個々の反射器を区別することができる。しかし、異なるエレメントに異なるタイムスロットが割り当てられる場合でも、場合によっては、異なる周波数によって変調するのが有利である。というのも、このようにしてシステムは、冗長性によってより確実になるからだ。
【0026】
本発明は上位概念の方法に基づいて、以下のように構成されている。すなわち、反射ないしは受信するための手段は、反射ないしは受信するための複数のエレメントを含んでおり、反射ないしは受信するエレメントの数が座席占有状態に依存するように構成されている。
【0027】
本発明による方法を基礎として、本発明によるシステムの利点および構成が発展される。このことは、以下に記載された特に有利な本発明の方法の実施形態でも同様である。
【0028】
さらに有利には、反射ないしは受信するための複数のエレメントは縦方向に連続して、車両座席の背もたれおよび/またはヘッドレスト内に配置されている。
【0029】
該システムは有利には、変調を伴うバックスキャッタプロセスによって反射が行われ、このバックスキャッタプロセスによって反射された放射が受信される構成によって発展される。
【0030】
本発明の方法の有利な発展形態では、バックスキャッタプロセスは、パッシブ、セミパッシブ、セミアクティブまたはアクティブなバックスキャッタ装置によって実施されるように構成されている。
【0031】
さらに有利には、座席占有状態はマイクロ波の回折に基づいて、受信される強度に影響し、受信される強度が座席占有状態に関する情報を搬送するように構成されている。
【0032】
同様に有利な本発明の方法の発展形態は、マイクロ波放射がマイクロ波送信器とマイクロ波受信器ないしは反射ないしは受信するための手段との間で伝搬した距離を、伝搬時間測定によって検出するように構成されている。
【0033】
さらに有利には、座席の位置を検出して、距離の検出の結果と座席の位置の検出の結果とから、受信された放射がマイクロ波送信器から送信されたものであるか否かを求める。
【0034】
別の利点は、本発明による方法において、受信された放射に依存して車両に設けられた機能をトリガまたは遮断またはイネーブルするように構成すると得られる。
【0035】
さらに有利には、送信および/または受信を、車両内に装備されたアクセスコントロールおよび始動のシステムに基づいて行うように構成されている。
【0036】
同様に有利なのは、受信された信号の評価を、車両内に装備されたアクセスコントロール始動システムの枠内で使用される手段によって支援ないしは実行するように構成することである。
【0037】
本発明による方法は、放射経路が直線的に延在すると有利になる。
【0038】
また、放射経路が迂回して延在することも有利である。
【0039】
さらに有利には、反射ないしは受信するための複数のエレメントを所定の時間インターバル中に、選択的にアクティベートないしはデアクティベートし、該エレメントを時間インターバルに割り当てることによって該エレメントを相互に区別する。
【0040】
これと関連して有利には、異なるエレメントにて行うバックスキャッタプロセスで同じ変調周波数を使用するように構成されている。
【0041】
しかし本発明による方法は、異なるエレメントにて行うバックスキャッタプロセスで異なる変調周波数を使用しても有利になる。
【0042】
本発明の基礎となっているのは、多数の小面積の反射器を車両座席内に配置することによって、特に確実に、かつ簡単および低コストで座席占有状態を識別できるようになるという認識である。このことによって、人の軽い前屈といわゆるアウトオブポジション事例とを明確に区別することができる。このアウトオブポジション事例はすなわち、絶対にエアバッグの点火を引き起こしてはならない事例である。人の前屈が連続的に行われる場合、すなわち、車両座席内の次のエレメントにマイクロ波放射が到達する場合には常に、強度経過に傾いた縁部が現れる。同様のことが逆に、人が後方にもたれる場合にももちろん当てはまる。すなわち、たとえばアウトオブポジション事例から正しい着座ポジションに移行する際にも当てはまる。本発明によるシステムの枠内では、有利にマイクロ波放射の回折現象が使用される。この回折現象は、たとえば赤外線放射によって動作するシステムと比較して、十分に明確に顕れる。マイクロ波放射を使用することは、次の理由からも有利である。すなわち、たとえば超音波、レーザ光線ないしは光線および赤外線等の他の波形を使用するのと比較して、人体に大量に吸収されるという理由からも有利である。マイクロ波放射は、圧力、温度、明るさおよび他の周辺条件に依存せずに伝搬する。この測定方法は、評価の容易さから非常に高速であるから、たとえば衝突時に初めて、ダイナミックな測定を行うことができる。本発明の別の利点は、座席占有状態の識別が非常に高い速度で行われることからも理解できる。検出の時間は、たとえばミリ秒領域である。こうすることによって、エアバッグ制御部においてダイナミクスを実現することができる。このダイナミクスによってたとえば、エアバッグの点火がすでに行われた後に、座席占有状態ないしは座席上の人の位置/傾きに依存してエアバッグの充填ガスを、たとえば圧力低減によって調整することができる。
【0043】
ここで本発明を、添付図面を参照して、特に有利な実施形態に基づいて例解する。
【0044】
図面
図1 人が第1の着座ポジションをとる、本発明によるシステムの有利な実施形態である。
【0045】
図2 人が第2の着座ポジションをとる、図1に示された実施形態である。
【0046】
図3 本発明を説明するためのグラフである。
【0047】
図4 人が第1の着座ポジションをとる、本発明によるシステムの別の実施形態である。
【0048】
図5 人が第2の着座ポジションをとる、図4に示された実施形態である。
【0049】
図6 本発明によるシステムにおいて使用するための車両座席を、大きさが異なる2人の人の上体の輪郭とともに示している。
【0050】
図7 本発明によるシステムにおいて使用するための車両座席を、体格が異なる人の上体の輪郭とともに示している。
【0051】
図8 ベビーシートによって座席が占有されている、図4に示された実施形態を示している。
【0052】
図9 チャイルドシートによって座席が占有されている、図1に示された実施形態を示している。
【0053】
図10 図9に示された配置を上から見た断面図である。
【0054】
以下に記載された本発明の有利な実施形態の説明では、同一の参照記号は、同一または類似の構成要素を示している。
【0055】
図1は、人が第1の着座ポジションをとる、本発明のシステムの有利な実施形態を示している。図2は、人が第2の着座ポジションをとる、図1に示された実施形態を示している。マイクロ波送受信装置10は、車両のルーフ操作ユニット30の近傍に配置されており、制御ユニット22に接続されている。車両座席20内には複数の反射器12が配置されており、これらの反射器12は実施形態に応じて、バックスキャッタまたは簡単な導電性のシートとして構成される。通常、座席20はスライドすることができ、その際には座席20の位置が検出されるように構成すると特に有利である。
【0056】
座席20に着座している人14は、図1および2では異なるポジションで示されている。図1では、人14は正しく着座している。図2では人14は前方に傾いており、人14の上体と座席20の背もたれ26との間に間隔がある。図2におけるこのポジションは、アウトオブポジション事例とも称される。
【0057】
ここで、マイクロ波送受信装置10から送信されたマイクロ波放射は、着座ポジションに依存して多かれ少なかれ反射器12に到達する。ここではとりわけ、多かれ少なかれ、座席20の背もたれ26内に配置された反射器12に到達する。それに相応して、反射器12によって反射される強度、ならびに、その後マイクロ波送受信装置10によって受信される強度は、人14の着座ポジションに依存する。
【0058】
背もたれないしはヘッドレスト内の反射器を評価する他に、着座面に設けられたセンサを評価することも有利である。というのも、これに基づいても座席占有状態を識別し、とりわけアウトオブポジション事例と称される状態を識別することができるからだ。
【0059】
図3は、本発明を説明するためのグラフである。ここに図示された強度経過は、図1および図2に示された人14の傾斜角度に依存し、座席背もたれ26に設けられた異なる反射器12が連続して解放されることにより得られる。人14が、図1に示されたポジションから前方に傾くと、まず最も上方の反射器が解放され、強度経過に勾配が現れる。人14がさらに前方に傾くと、この状態は最初は全く変化しないか、またはほとんど変化しない。背もたれ26にある次の反射器12すなわち中間の反射器12が解放されて初めて、強度経過に次の勾配が現れる。相応のことが、最も下方の反射器12の解放時にも起こる。ここで反射器12の配置およびアウトオブポジション事例のスイッチング閾値を、相互に適合するように選択すると、スイッチング閾値は、たとえば図3に示されているように強度経過の勾配に設定される。このようにして、アウトオブポジション事例が起こっていると推定される、大きな変動幅を伴わない傾斜角度を決定することができる。
【0060】
特に有利なのは、異なる反射器を相互に区別できるように構成することである。このことは、車両座席に配置された反射器にも、車両内の異なる車両座席または車両内の他の位置に配置された反射器にも関連する。特に有利なのは、異なる時間インターバル中にアクティベートされるバックスキャッタ装置を反射器として使用することである。このアクティベートはたとえば、各バックスキャッタ装置を通電することによって行われ、バックスキャッタ装置は通電されない状態でデアクティベートされる。ここで、アクティブな時間インターバルがバックスキャッタ装置に一義的に割り当てられている場合、この割り当てを介して個々のバックスキャッタ装置を一義的に識別することができる。このようにすると、狭帯域のマイクロ波放射によって動作させることができる。というのも、異なるバックスキャッタ装置を異なる変調周波数によって区別しなくてもよいからだ。しかし、異なる周波数によって変調することによるバックスキャッタ装置の区別を、時間インターバルによる区別に対して択一的または付加的に行うこともできる。
【0061】
図4は、人が第1の着座ポジションにある本発明のシステムの別の実施形態を示している。図5は、人が第2の着座ポジションにある図4の実施形態を示している。ここに図示されたシステムでは、反射器12は座席20の背もたれ26にのみ配置されている。すなわち図1および2に示されているのとは異なり、着座面には配置されていない。図5に示されたアウトオブポジション事例を識別するためには、多くの場合これで十分である。図1および2との別の相違点は、図4および5に示されたシステムではマイクロ波送受信装置10および該マイクロ波送受信装置10に所属する制御装置22は車両のコックピット24に配置されることである。ここでも、人14が前屈すると反射器12は連続的に解放される。この配置では、マイクロ波の回折現象が重要である。というのも、図3に示されているところによれば前記のように、反射器12とマイクロ波送受信装置10との間に直接的な見通し経路が存在しないか、または部分的にしか存在しないからだ。しかし、回折作用に基づいてマイクロ波は、マイクロ波送受信装置10から反射器12に到達し、逆に反射器12からマイクロ波送受信装置10に到達する。
【0062】
図6には、本発明によるシステムにおいて使用するための車両座席が示されている。ここでは、大きさが異なる2人の人の上体の輪郭が示されており、別の適用例が挙げられている。すなわち、車両座席20ないしは、とりわけ車両座席の背もたれ26において小面積の反射器12を使用することの利点を示す適用例が示されている。反射器12はアレイの形態で配置されている。大きな人14は、背もたれ26に配置されたすべての反射器12を覆っているのに対し、小さい人32たとえば子どもは、下方の反射器12のみを覆っている。このようなシステムによって、大きな人と小さな人とを一義的に区別することができ、とりわけ、反射された強度の段階的な差を検出できるようになるだけでなく、小さい人32によって座席の移動があった場合に上方の小面積の反射器12が完全に解放されることによって生じた急激な差も検出できるようになる。
【0063】
図7は、本発明によるシステムにおいて使用するための車両座席が示されている。ここでは、大きさが異なる2人の人の上体の輪郭が示されている。ここに図示されているのは、大きな体積の人40と、比較的小さな人体体積を有する人14である。反射器12を車両座席20の背もたれ26に適切に配置することにより、この大きな体積の人40によって反射器12がすべて覆われ、比較的細い人14によって外側の反射器12は解放される。
【0064】
図8は、ベビーシートによって座席が占有されている図4の実施形態を示している。乳児がチャイルドシートに、ここではいわゆるリボードシート18に存在している。このリボードシートは正しくは、同乗者席20上に固定される。マイクロ送受信装置10、反射器12およびリボードシート18の相対的な位置に起因して、マイクロ波放射はわずかにだけ減衰する。したがって、エアバッグのトリガは阻止される。付加的に、反射器をリボードシート18の裏面に取り付けることができる。このことは場合によっては、非常に有利である。こうすることによって、たとえばマイクロ波放射が反射器によって特別に変調されることにより、伝搬時間測定を行うかまたは異なるタイムスロットを個々の反射器に割り当てることによって、座席20上にチャイルドシート18がある状況と座席20上に物がない状況とを区別することができる。本発明によるシステムにおいて反射器12が、たとえば金属製の物によって遮蔽される場合、強い反射が起こる。このような反射の強度は場合によっては、反射器12による反射の強度と同等のオーダになる。ここで、制御ユニット22が異なる状況を識別するための種々の手段が得られる。反射器が一義的な符号化を行うバックスキャッタ装置である場合、変調周波数による符号化であってもタイムスロットによる符号化であっても、これに基づいて反射を、金属製の遮蔽物によって一義的に識別することができる。択一的または付加的に、金属製の遮蔽物による反射を伝搬時間測定に基づいて識別することができる。このことはとりわけ、伝搬時間と付加的なセンサによって検出される実際の座席位置とを比較する場合に行われる。
【0065】
また、反射器12の前方に設けられた導電性でない物またはわずかな導電性しか有さない物によって、該反射器12をわずかにしか遮蔽しないようにすることも有利である。このようにすると、制御ユニットによって受信される信号は「空席」である状況に相応するので、適切にエアバッグのトリガが阻止される。
【0066】
図9は、チャイルドシートによって座席が占有されている図1の実施形態を示している。ここに図示された状況は、本発明によるシステムに基づいて、前屈している大人と区別される。子ども32は、座席20上に配置されたチャイルドシート34に着座している。座席20の着座面28にも該座席20の背もたれ26にも、複数の反射器が配置されている。チャイルドシート34が吸収するマイクロ波は一般的に、子ども32の体より格段に少ないので、とりわけ回折現象に基づいてマイクロ波は、マイクロ波送受信装置10と背もたれ26ないしは着座面28にある反射器12との間に経路を獲得する。したがって着座面28にある反射器12が受信する強度は、大人が着座面28に直接着座している場合より高い。
【0067】
このようにして、複数の反射器12を適切に配置し、それに相応してマイクロ波送受信装置10を適切に配置することによって、車両内の座席占有状態に関する異なる状況を識別することができる。
【0068】
図10は、上から見た図9に示されている配置の断面図である。図10では、図9にてAによって示された水平面に沿って切断されている。ここでは、マイクロ波放射が背もたれ26内の反射器12に到達する種々の経路が図示されており、子ども32はチャイルドシート34上にいるという状況が前提となっている。一方では、マイクロ波送受信装置10と反射器12との間に直接的な経路32が存在している。これらの反射器12はこの状況では、子ども32によって遮蔽されている。しかし、チャイルドシート34によって常に維持されている反射器12と子ども32との間の間隔に基づいて、マイクロ波はたとえば人体の周辺に回折し、反射ないしは散乱によってしばしば間接的な経路38も経由して、マイクロ波送受信装置10から反射器12に到達し、逆方向にも同様に到達する。このことは、チャイルドシート34によって有意に阻止されることはない。というのもチャイルドシートの吸収能力は、人体と比較して非常に低いからだ。
【0069】
本発明の基本的思想を、前記の図面の説明に基づいて、とりわけバックスキャッタ装置である反射器が車両座席に配置されているシステムに基づいて説明した。この場合、マイクロ波送信器およびマイクロ波受信器が必要である。マイクロ波送信器はマイクロ波放射を反射器の方向に送信する。反射器はこのマイクロ波放射を、マイクロ波受信器の方向に反射する。有利には、マイクロ波送信器およびマイクロ波受信器はマイクロ波送受信装置の形態で実現される。しかし本発明は、小面積の反射器の代わりに小面積の受信器が座席に配置されたシステムにも関する。この場合、座席に配置された受信器の方向にマイクロ波放射を送信するマイクロ波送信器だけで十分である。座席上の人が傾斜することによる有利な強度経過は、とりわけ、座席に配置された個々の受信器の強度を加算することによっても同様に得られる。
【0070】
本発明は以下のように要約される。車両において座席占有状態を識別するためのシステムは、1つのマイクロ波送信器10および複数の小面積の反射器12を有しており、これらの反射器12は車両座席20に、とりわけ車両座席20の背もたれ26に配置されている。座席20を占有する人14が前方に傾いた場合、多かれ少なかれ反射器12が解放される。このようにして反射器がさらに解放されるたびに、強度上昇が起こる。この強度上昇は有利には、座席上の人のポジションを正確に識別するために使用される。とりわけ人14の前屈が大きい場合(いわゆるアウトオブポジション事例)、エアバッグの点火ひいてはこれに関連する危険が回避される。反射器12の代わりに、受信器を座席20に配置することもできる。
【0071】
前記説明と、図面と請求項とに開示された本発明の構成は、個別でも任意の組み合わせでも、本発明を実施するのに重要である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】人が第1の着座ポジションをとる、本発明によるシステムの有利な実施形態である。
【図2】人が第2の着座ポジションをとる、図1に示された実施形態である。
【図3】本発明を説明するためのグラフである。
【図4】人が第1の着座ポジションをとる、本発明によるシステムの別の実施形態である。
【図5】人が第2の着座ポジションをとる、図4に示された実施形態である。
【図6】本発明によるシステムにおいて使用するための車両座席を、大きさが異なる2人の人の上体の輪郭とともに示している。
【図7】本発明によるシステムにおいて使用するための車両座席を、体格が異なる人の上体の輪郭とともに示している。
【図8】ベビーシートによって座席が占有されている、図4に示された実施形態を示している。
【図9】チャイルドシートによって座席が占有されている、図1に示された実施形態を示している。
【図10】図9に示された配置を上から見た断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両において座席占有状態を識別するためのシステムであって、
少なくとも1つのマイクロ波送信器(10)と、マイクロ波放射を反射ないしは受信するための手段(12)とが設けられており、
前記反射ないしは受信するための手段(12)は、車両座席(20)内に配置されており、
該少なくとも1つのマイクロ波送信器(10)および反射ないしは受信するための手段(12)は、次のように配置されており、すなわち、
該マイクロ波送信器(10)から送信された放射は、少なくとも車両座席(20)が占有されていない場合には、該反射ないしは受信するための手段(12)に到達し、座席占有状態に依存して、該反射ないしは受信するための手段(12)によって反射ないしは受信される放射が影響されるように配置されている形式のものにおいて、
該反射ないしは受信するための手段(12)は、座席に局所的に分布されて配置された反射ないしは受信するための複数のエレメント(12)を有しており、反射ないしは受信するエレメント(12)の数は座席占有状態に依存するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
反射ないしは受信するための複数のエレメント(12)は縦方向に連続して、車両座席(20)の背もたれ(26)および/またはヘッドレスト内に配置されている、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
該反射ないしは受信するための手段(12)はバックスキャッタ装置であり、
前記バックスキャッタ装置(12)によって反射された放射を受信する少なくとも1つのマイクロ波受信器(10)が設けられている、請求項1または2記載のシステム。
【請求項4】
前記バックスキャッタ装置(12)は、変調式のバックスキャッタ装置(12)である、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記バックスキャッタ装置(12)は、パッシブ、セミパッシブ、セミアクティブまたはアクティブなバックスキャッタ装置(12)として構成されている、請求項3または4記載のシステム。
【請求項6】
座席占有状態はマイクロ波の回折に基づいて、受信される強度に影響し、
前記受信される強度は、座席占有状態に関する情報を搬送する、請求項1から5までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項7】
該マイクロ波送信器(10)とマイクロ波受信器(10)ないしは該反射ないしは受信するための手段(12)との間でマイクロ波放射が伝搬した距離は、伝搬時間測定によって検出される、請求項1から6までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項8】
座席(20)の位置が検出され、
前記距離の検出の結果と該座席(20)の位置の検出の結果とから、受信された放射がマイクロ波送信器(10)から送信されたものであるか否かが検出される、請求項1から7までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
該少なくとも1つのマイクロ波送信器および該少なくとも1つのマイクロ波受信器は、送受信アンテナを有する少なくとも1つのマイクロ波送受信装置(10)として構成されている、請求項3から8までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項10】
受信された放射に依存して車両にある機能をトリガまたは遮断またはイネーブルする制御ユニット(22)が設けられている、請求項1から9までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項11】
該少なくとも1つのマイクロ波送信器(10)および/または該少なくとも1つのマイクロ波受信器(10)は、車両に装備されたアクセスコントロールおよび始動のシステムの構成部分である、請求項1から10までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項12】
該マイクロ波受信器(10)によって受信された信号の評価は、車両に装備されたアクセスコントロールおよび始動のシステムの枠内で使用される手段によって支援または実行される、請求項1から11までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項13】
放射経路は直線的に延在する、請求項1から12までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項14】
放射経路は迂回して延在する、請求項1から13までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項15】
該反射ないしは受信するための複数のエレメント(12)は、所定の時間インターバル中に選択的にアクティベートないしはデアクティベートされ、
該エレメント(12)と時間インターバルとの割り当てによって、該エレメントは相互に区別されるように構成されている、請求項1から14までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項16】
バックスキャッタ装置(12)は、等しい周波数によって変調できる、請求項3から15までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項17】
バックスキャッタ装置(12)は、異なる周波数によって変調できる、請求項3から16までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項18】
車両において座席占有状態を識別する方法であって、
マイクロ波放射を送信するステップと、
車両座席(20)内に配置された反射ないしは受信するための手段(12)によってマイクロ波放射を反射ないしは受信するステップとを含んでおり、
送信された放射は、少なくとも車両座席(20)が占有されていない場合、該反射ないしは受信するための手段(12)に到達し、
座席占有状態に依存して、該反射ないしは受信するための手段(12)によって反射ないしは受信される放射に影響が及ぼされる形式の方法において、
該反射ないしは受信するための手段(12)は、座席に分布して配置された反射ないしは受信するための複数のエレメント(12)を含んでおり、反射ないしは受信するエレメント(12)の数は座席占有状態に依存することを特徴とする方法。
【請求項19】
該反射ないしは受信するための複数のエレメント(12)は縦方向に連続して、車両座席(20)の背もたれ(26)および/またはヘッドレスト内に配置されている、請求項18記載の方法。
【請求項20】
反射をバックスキャッタプロセスによって行い、
前記バックスキャッタプロセスによって反射された放射を受信する、請求項18または19記載の方法。
【請求項21】
前記バックスキャッタプロセスは、変調を伴うバックスキャッタプロセスである、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記バックスキャッタプロセスを、パッシブ、セミパッシブ、セミアクティブまたはアクティブなバックスキャッタ装置(12)によって行う、請求項20または21記載の方法。
【請求項23】
座席占有状態によってマイクロ波の回折に基づき、受信される強度に影響を及ぼし、
受信される強度によって、座席占有状態に関する情報を搬送する、請求項18から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
マイクロ波放射がマイクロ波送信器(10)とマイクロ波受信器(10)ないしは反射ないしは受信するための手段との間で伝搬した距離を、伝搬時間測定によって検出する、請求項18から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
座席(20)の位置を検出し、
前記距離の検出の結果と、該座席(20)の位置の検出の結果とから、受信された放射が該マイクロ波送信器(10)から送信されたものであるか否かを検出する、請求項18から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
受信された放射に依存して、車両にある機能をトリガまたは遮断またはイネーブルする、請求項18から25までのいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
車両に装備されたアクセスコントロールおよび始動のシステムに基づいて送信および/または受信を行う、請求項18から26までのいずれか1項記載の方法。
【請求項28】
受信された信号の評価を、車両に装備されたアクセスコントロールおよび始動のシステムの枠内で使用される手段によって支援または実行する、請求項18から27までのいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
放射経路は直線的に延在する、請求項18から28までのいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
放射経路は迂回して延在する、請求項18から29までのいずれか1項記載の方法。
【請求項31】
該反射ないしは受信するための複数のエレメント(12)を所定のインターバル中に、選択的にアクティベートないしはデアクティベートし、
該エレメント(12)と時間インターバルとの割り当てにより、該エレメントを相互に区別する、請求項18から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項32】
異なるエレメント(12)で行うバックスキャッタプロセスにおいて、同じ変調周波数を使用する、請求項20から31までのいずれか1項記載の方法。
【請求項33】
異なるエレメント(12)で行うバックスキャッタプロセスにおいて、異なる変調周波数を使用する、請求項20から32までのいずれか1項記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両において座席占有状態を識別するためのシステムであって、
少なくとも1つのマイクロ波送信器(10)と、車両座席(20)内に配置された複数の反射器(12)と、少なくとも1つのマイクロ波受信器(10)とが設けられており、
該少なくとも1つのマイクロ波送信器(10)および反射器(12)は、次のように配置されており、すなわち、
該マイクロ波送信器(10)から送信された放射は、少なくとも車両座席(20)が占有されていない場合には、該反射器(12)に到達し、座席占有状態に依存して、該反射器(12)によって反射される放射が影響されるように配置されている形式のものにおいて、
該反射器(12)は、変調式のバックスキャッタ装置であり、
バックスキャッタ装置は、変調によって顕れたパタンによって相互に区別されるように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
反射器(12)は縦方向に連続して、車両座席(20)の背もたれ(26)および/またはヘッドレスト内に配置されている、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記バックスキャッタ装置(12)は、パッシブ、セミパッシブまたはアクティブなバックスキャッタ装置(12)として構成されている、請求項1または2記載のシステム。
【請求項4】
座席占有状態はマイクロ波の回折に基づいて、受信される強度に影響し、
前記受信される強度は、座席占有状態に関する情報を搬送する、請求項1から3までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項5】
該少なくとも1つのマイクロ波送信器および該少なくとも1つのマイクロ波受信器は、送受信アンテナを有する少なくとも1つのマイクロ波送受信装置(10)として構成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項6】
受信された放射に依存して車両にある機能をトリガまたは遮断またはイネーブルする制御ユニット(22)が設けられている、請求項1から5までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項7】
該少なくとも1つのマイクロ波送信器(10)および/または該少なくとも1つのマイクロ波受信器(10)は、車両に装備されたアクセスコントロールおよび始動のシステムの構成部分である、請求項1から6までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項8】
該マイクロ波受信器(10)によって受信された信号の評価は、車両に装備されたアクセスコントロールおよび始動のシステムの枠内で使用される手段によって支援または実行される、請求項1から7までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
放射経路は直線的に延在する、請求項1から8までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項10】
放射経路は迂回して延在する、請求項1から9までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項11】
該反射器(12)は、所定の時間インターバル中に選択的にアクティベートないしはデアクティベートされ、
該反射器(12)と時間インターバルとの割り当てによって、該反射器は相互に区別されるように構成されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項12】
バックスキャッタ装置(12)は、等しい周波数によって変調できる、請求項1から11までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項13】
バックスキャッタ装置(12)は、異なる周波数によって変調できる、請求項1から12までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項14】
車両において座席占有状態を識別する方法であって、
マイクロ波放射を送信するステップと、
車両座席(20)内に配置された反射器(12)によってマイクロ波放射を反射するステップと、
マイクロ波放射を受信するステップとを含んでおり、
送信された放射は、少なくとも車両座席(20)が占有されていない場合、該反射器(12)に到達し、
座席占有状態に依存して、該反射器(12)によって反射される放射に影響が及ぼされる形式の方法において、
変調を伴うバックスキャッタプロセスによって反射を行い、
変調によって顕れたパタンにより、バックスキャッタ装置を相互に区別することを特徴とする方法。
【請求項15】
該反射器(12)は縦方向に連続して、車両座席(20)の背もたれ(26)および/またはヘッドレスト内に配置されている、請求項18記載の方法。
【請求項16】
前記バックスキャッタプロセスを、パッシブ、セミパッシブ、セミアクティブまたはアクティブなバックスキャッタ装置(12)によって行う、請求項14または15記載の方法。
【請求項17】
座席占有状態によってマイクロ波の回折に基づき、受信される強度に影響を及ぼし、
前記受信される強度によって、座席占有状態に関する情報を搬送する、請求項14から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
受信された放射に依存して、車両にある機能をトリガまたは遮断またはイネーブルする、請求項14から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
車両に装備されたアクセスコントロールおよび始動のシステムに基づいて送信および/または受信を行う、請求項14から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
受信された信号の評価を、車両に装備されたアクセスコントロールおよび始動のシステムの枠内で使用される手段によって支援または実行する、請求項14から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
放射経路は直線的に延在する、請求項14から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
放射経路は迂回して延在する、請求項14から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
該反射器(12)を所定のインターバル中に、選択的にアクティベートないしはデアクティベートし、
該反射器(12)と時間インターバルとの割り当てにより、該反射器を相互に区別する、請求項14から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
異なる反射器(12)で行うバックスキャッタプロセスにおいて、同じ変調周波数を使用する、請求項14から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
異なる反射器(12)で行うバックスキャッタプロセスにおいて、異なる変調周波数を使用する、請求項14から23までのいずれか1項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−506627(P2006−506627A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−552372(P2004−552372)
【出願日】平成15年10月20日(2003.10.20)
【国際出願番号】PCT/DE2003/003468
【国際公開番号】WO2004/045915
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】