説明

車両のドアロック機構

【課題】僅かな消費電力によってパニック状態を回避することができる車両のドアロック機構を提供すること。
【解決手段】ラッチユニットを操作可能なラッチ側伝達レバー12と、インナーハンドル13の操作によってラッチ側伝達レバー12と連結される連結位置とラッチ側伝達レバー12との連結が解除されるハンドル側伝達レバー14と、該ハンドル側伝達レバー14を操作する操作レバー15とこれを駆動する電動モータを備える車両のドアロック機構9において、ラッチ側伝達レバー12を、ラッチユニット側に連結されたメインレバー12Aと、該メインレバー12Aに相対回転可能に枢支されてハンドル側伝達レバー14の第1係合部14a又は第2係合部14bに係合する係合凸部12iを有するサブレバー12Bとで構成し、サブレバー12Bをメインレバー12Aに対して相対回転する前の初期位置方向に付勢するコイルスプリング19を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観音開き式のフロントドアとリヤドアによって乗降口を開閉する車両の前記リヤドアを車体に対してロックするためのドアロック機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
乗用車等の車両には、側部に設けられた乗降口(開口)を観音開き式のフロントドアとリヤドアによって開閉するようにしたものがある。斯かる車両において、リヤドアを独立してフロントドアよりも先に開放することができる構成を採用すると、車両が停止する以前においてもリヤドアが開放される可能性があり、十分な安全性を確保することができないという問題がある。
【0003】
そこで、特許文献1には、フロントドアの閉鎖時にはリヤドアの開放を規制し、フロントドアの開放時にはリヤドアの開放を許容するとともに、フロントドアの開放、非開放(閉鎖)に関わらずリヤドアの閉鎖操作を許容するようにした車両の開閉体構造が提案されている。ここで、その構成の一例を図10及び図11に基づいて以下に説明する。
【0004】
即ち、図10及び図11は特許文献1において提案された車両の開閉体構造の構成と作用を説明する図であって、図10はフロントドア閉鎖時の状態、図11はフロントドア開放時の状態をそれぞれ示し、図示の開閉体構造は、フロントドアの閉鎖時にリヤドアのインナーハンドル101の作動をロックユニット116に非伝達とする空振り機構によってロック機構を構成したものである。
【0005】
上記インナーハンドル101は、支軸102によって回動可能に枢支されており、このインナーハンドル101のアンロック方向(図示矢印a方向)の引き操作時にインナーハンドルロッド103が図示矢印b方向に押し下げられる。そして、インナーハンドルロッド103の下端部はリリースプレート104の自由端に枢着されており、リリースプレート104は、その一端が支軸105によって回動可能に枢支され、該リリースプレート104には、車両前後方向に延びる溝部106aと支軸105を中心とする円弧状の溝部106bとから成る空振り溝部106が形成されている。
【0006】
又、他方、107はアクチュエータであるソレノイドであって、該ソレノイド107は通電ライン108に設けられたフロントドアスイッチ109によって駆動が制御される。具体的には、フロントドアスイッチ109は、フロントドアが閉鎖されるとONしてバッテリ110からソレノイド107に通電して該ソレノイド107を駆動する。
【0007】
上記ソレノイド107からは進退可能なプランジャ111が延びており、該プランジャ111の先端には縦方向に配されたリンク112の上端が連結支点113によって連結されており、該リンク112の下端は連結支点114及び操作ロッド115を介してロックユニット116に連結されている。そして、リンク112の高さ方向中間部にはピン117が設けられており、このピン117は前記リリースプレート104に形成された空振り溝部106に係合している。
【0008】
而して、フロントドアが閉鎖されている状態では、図10に示すようにフロントドアスイッチ109はOFFされており、バッテリ110からソレノイド107への通電が遮断されているためにプランジャ111は非突出状態にあって、リンク112のピン117は溝部106bの下部に係合している。このため、フロントドアが閉鎖されている状態でリヤドアを開放するためにインナーハンドル101を図示矢印a方向に引き操作しても、インナーハンドルロッド103が図示矢印b方向に押し下げられてリリースプレート104が支軸105を中心として図示矢印c方向に回動するだけで、ピン117と溝部106bとが相対移動してピン117とリンク112及び操作ロッド115にはインナーハンドル101の操作力が伝達されず、ロックユニット116はリヤドアの開放を規制するロック状態を維持する。
【0009】
上記状態からフロントドアを開放すると、図11に示すようにフロントドアスイッチ109がONされてバッテリ110からソレノイド107へと通電されるため、プランジャ111が図示矢印d方向に突出してリンク112を連結支点114を中心として図示矢印e方向に回動させる。すると、リンク112に設けられたピン117が空振り溝部106の溝部106aに係合するため、リヤドアを開放するためにインナーハンドル101を矢印a方向に引き操作すると、インナーハンドルロッド103が図示矢印b方向に押し下げられてリリースプレート104が支軸105を中心として図示矢印c方向に回動する。すると、ピン117及びリンク112を介して操作ロッド115が図示矢印f方向に押し下げられ、ロックユニット116によるリヤドアのロックが解除されるため、リヤドアの開放が許容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−178756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1において提案された図10及び図11に示す車両の開閉体構造によれば、フロントドアが閉鎖されているためにリヤドアの開放が規制されている状態において、インナーハンドル101が操作された後にフロントドアが開放されると、ソレノイド107が駆動されてプランジャ111が突出しようとするが、リンク112のピン117はリリースプレート104の溝部(空振り溝)106b内に位置しているため、プランジャ111の突出が不可能となってリンク112の回動とピン117の移動が規制され、インナーハンドル101の操作力がロックユニット116に伝達されないためにリヤドアを開放することができない状態(パニック状態)となる。
【0012】
上記パニック状態が発生した場合には、インナーハンドル101の操作を一旦中止すると、ピン117が図10に示す位置(溝部106bの下端位置)に移動するため、ソレノイド111の駆動によってリンク112が図11に示すように連結支点114を中心として図示矢印e方向に回動することができ、ピン117が空振り溝部106の溝部(非空振り溝部)106aに係合する。従って、インナーハンドル101を再び引き上げ操作すると、インナーハンドルロッド103が図11の示矢印b方向に押し下げられてリリースプレート104が支軸105を中心として図示矢印c方向に回動するため、ピン117及びリンク112を介して操作ロッド115が図示矢印f方向に押し下げられ、ロックユニット116によるリヤドアのロックが解除されてリヤドアの開放が許容される。
【0013】
ところが、上記動作を実現するためには、ソレノイド107に常に通電してこれを作動状態としておく必要があるため、消費電力が大きくなるという問題がある。車両の停止中はエンジンが作動していない場合が多く、バッテリ110の消耗を抑えるためにも消費電力を極力小さく抑えておく必要がある。
【0014】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とする処は、僅かな消費電力によってパニック状態を回避することができる車両のドアロック機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、観音開き式のフロントドアとリヤドアによって乗降口を開閉する車両の前記リヤドアを車体に対してロックするドアロック機構であって、
前記リヤドアを車体に対して閉鎖状態に保持可能なラッチユニットを操作可能なラッチ側伝達レバーと、
前記リヤドアのインナーハンドルの操作によって作動して前記ラッチ側伝達レバーと連結される連結位置と前記ラッチ側伝達レバーとの連結が解除される非連結位置との間を移動可能なハンドル側伝達レバーと、
前記ハンドル側伝達レバーを連結位置又は非連結位置に移動させるとともに、該ハンドル側伝達レバーを連結位置に保持可能な操作レバーと、
該操作レバーを作動させるアクチュエータを備え、
前記ハンドル側伝達レバーに、該ハンドル側伝達レバーが連結位置にあるときには前記インナーハンドルの操作によって前記ラッチ側伝達レバーに設けられた係合凸部に係合するとともに、前記ハンドル側伝達レバーが非連結位置にあるときには前記係合凸部と係合しない第1係合部と、前記ハンドル側伝達レバーが非連結位置にあるときには前記インナーハンドルの操作によって前記ハンドル側伝達レバーが作動した後に前記係合凸部に係合可能な第2係合部を形成して成る車両のドアロック機構において、
前記ラッチ側伝達レバーを、前記ラッチユニット側に連結されたメインレバーと、該メインレバーに相対回転可能に枢支されるとともに、前記ハンドル側伝達レバーの前記第1係合部又は前記第2係合部に係合する前記係合凸部を有するサブレバーとで構成し、
該ラッチ側伝達レバーの前記サブレバーを前記メインレバーに対して相対回転する前の初期位置方向に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ラッチ側伝達レバーのメインレバーの一端部に一方のラッチユニットに連なる連結部材が連結される第1連結部を設け、メインレバーの他端部に他方のラッチユニットに連なる連結部材が連結される第2連結部を設け、該メインレバーの回動によって2つの前記ラッチユニットを同時に操作可能としたことを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記インナーハンドルを軸支するベース部材を設け、前記ラッチ側伝達レバー、前記ハンドル側伝達レバー、前記操作レバー及び前記アクチュエータを前記ベース部材に配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の発明によれば、ハンドル側伝達レバーが連結位置にあるとき(アンロック状態)にインナーハンドルが乗員によって操作されると、ハンドル側伝達レバーの第1係合部とラッチ側伝達レバーの係合凸部とが係合可能となるため、ハンドル側伝達レバーとラッチ側伝達レバーが連動して作動し、これによってラッチユニットが操作されてリヤドアが開放可能となる。
【0019】
そして、ハンドル側伝達レバーが非連結位置にあるとき(ロック状態)にインナーハンドルが乗員によって操作されると、ハンドル側伝達レバーの第1係合部とラッチ側伝達レバーの係合凸部との係合が不可能となるため、ハンドル側伝達レバーの作動に対してラッチ側伝達レバーが連動せず、インナーハンドルの操作が無効となってラッチユニットが操作されず、リヤドアの開放が不可能となる。
【0020】
又、ハンドル側伝達レバーが非連結位置にあるとき(ロック状態)にインナーハンドルが乗員によって操作された後、アクチュエータによって操作レバーが作動してハンドル側伝達レバーが非連結位置から連結位置に向けて操作されるとハンドル側伝達レバーの第2係合部がラッチ側伝達レバーの係合凸部に係合するが、係合凸部はメインレバーに相対回転可能に軸支されたサブレバーに設けられているため、ハンドル側伝達レバーの連結位置への移動が許容され、ハンドル側伝達レバーは操作レバーによって連結位置に保持される。この状態でインナーハンドルの操作を解除すると、ハンドル側伝達レバーの第2係合部とラッチ側伝達レバーの係合凸部との係合が解除され、サブレバーは付勢手段の付勢力によってメインレバーとの相対移動前の初期位置(第1係合部と係合凸部とが係合可能な位置)に復帰する。そして、インナーハンドルを再び操作することによってハンドル側伝達レバーの第1係合部とラッチ側伝達レバーの係合凸部とが係合すると、ハンドル側伝達レバーとラッチ側伝達レバーが連動して作動し、ラッチユニットが操作されてリヤドアの開放が可能となる。
【0021】
即ち、ハンドル側伝達レバーの第2係合部とラッチ側伝達レバーの係合凸部とが係合してハンドル側伝達レバーの非連結位置から連結位置への移動が阻止されるパニック状態となっても、ラッチ側伝達レバーをメインレバーと該メインレバーに相対回転可能に軸支されたサブレバーとで構成したため、ハンドル側伝達レバーは非連結位置から連結位置への移動が可能となり、このとき、アクチュエータによって操作レバーが作動するとハンドル側伝達レバーは非連結位置から連結位置に移動してその状態が維持される。
【0022】
従って、パニック状態となっても、ハンドル側伝達レバーは非連結位置から連結位置への移動が可能であるため、該ハンドル側伝達レバーを非連結位置から連結位置へと移動させる間の僅かな時間だけアクチュエータを作動させれば良く、僅かな消費電力によってパニック状態を回避することができる。
【0023】
請求項2記載の発明によれば、ラッチ側伝達レバーのメインレバーを回転式とし、該メインレバーの一端部と他端部に第1連結部と第2連結部をそれぞれ設け、これらの第1連結部と第2連結部に2つのラッチユニットの各々に連なる連結部材を連結したため、2つのラッチユニットを同時に操作することができる。
【0024】
請求項3記載の発明によれば、インナーハンドルを軸支するベース部材にラッチ側伝達レバー、ハンドル側伝達レバー、操作レバー及びアクチュエータを配置したため、各レバー及びアクチユエータをそれぞれ個別に配置するための専用のベース部材が不要となるとともに、複数のベース部材の車体への取付工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るドアロック機構を備えた車両の左側面図である。
【図2】本発明に係るドアロック機構の分解斜視図である。
【図3】本発明に係るドアロック機構の正面図である。
【図4】本発明に係るドアロック機構の背面図である。
【図5】本発明に係るドアロック機構におけるラッチ側伝達レバーのメインレバーとサブレバーの組付構造を示す図である。
【図6】本発明に係るドアロック機構におけるラッチ側伝達レバーとハンドル側伝達レバーの組付構造を示す図である。
【図7】ドアロック機構の作用を示す背面図である。
【図8】ドアロック機構の作用を示す背面図である。
【図9】ドアロック機構の作用を示す背面図である。
【図10】特許文献1において提案された車両の開閉体構造の構成と作用を説明する図である。
【図11】特許文献1において提案された車両の開閉体構造の構成と作用を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は本発明に係るドアロック機構を備えた車両の左側面図であり、図示の車両(乗用車)1の車体両側部には乗降口2が開口しており、この乗降口2は観音開き式のフロントドア3とリヤドア4によって開閉される。尚、図1には車両1の左側面のみを示すが、右側面にも乗降口2が開口しており、この開口部2も観音開き式のフロントドア3とリヤドア4によって開閉される。
【0028】
上記フロントドア3は、その前端部の上下がヒンジ5によって車体に回動可能に支持され、リヤドア4は、その後端部の上下がヒンジ6によって車体に回動可能に支持され、これらの観音開き式のフロントドア3とリヤドア4によって乗降口2が開閉される。
【0029】
ところで、リヤドア4は上下に設けられたラッチユニット7,8によって車体に対して閉鎖状態が保持されるが、これらのラッチユニット7,8は、リヤドア4の不図示のドアパネルの前端部の高さ方向中間部に固定された本発明に係るドアロック機構9によって操作され、該ドアロック機構9と上下のラッチユニット7,8とは連結部材であるコントロールケーブル10,11によってそれぞれ連結されている。ここで、図示しないが、各ラッチユニット7,8は、車体に固定されたストライカに係脱可能なフォークと、このフォークに係合して該フォークをストライカとの係止状態に維持するクローを備えている。
【0030】
次に、本発明に係るドアロック機構9の構成の詳細を図2〜図6に基づいて以下に説明する。
【0031】
図2はドアロック機構の分解斜視図、図3は同ドアロック機構の正面図、図4は同ドアロック機構の背面図、図5はラッチ側伝達レバーのメインレバーとサブレバーの組付構造を示す図、図6はラッチ側伝達レバーとハンドル側伝達レバーの組付構造を示す図である。
【0032】
本発明に係るドアロック機構9は、フロントドア3が閉鎖されている状態でのリヤドア4の開放を禁止し、フロントドア3が開放された後にリヤドア4の開放を許容するものであって、前記ラッチユニット7,8(図1参照)を操作可能なラッチ側伝達レバー12と、リヤドア4のインナーハンドル13の操作によって作動して前記ラッチ側伝達レバー12と連結される連結位置とラッチ側伝達レバー12との連結が解除される非連結位置との間を移動可能なハンドル側伝達レバー14と、該ハンドル側伝達レバー14を連結位置に保持可能な操作レバー15と、該操作レバー15を作動させるアクチュエータである電動モータ16を備えており、これらのラッチ側伝達レバー12、ハンドル側伝達レバー14、操作レバー15及び電動モータ16は、リヤドア4の不図示のドアパネルに取り付けられたベース部材17に配置されている。
【0033】
上記ラッチ側伝達レバー12は、その中間部がベース部材17の背面側に回転可能に支持されたメインレバー12Aと、該メインレバー12Aに相対回転可能に枢支されたサブレバー12Bとで構成されている。ここで、メインレバー12Aの中間部には円筒状のボス12aが形成されており、メインレバー12Aは、ボス12aをベース部材17の背面側に突設されたボス17aに嵌め込み、ボス12aに挿通するネジ18をベース部材17側のボス17aにねじ込むことによってベース部材17に回動可能に支持されている。そして、このメインレバー12Aの一端部には、下側の前記ラッチユニット8に連なるコントロールケーブル11(図1参照)が連結される第1連結部12bが形成され、同メインレバー12Aの他端部には上側の前記ラッチユニット7に連なるコントロールケーブル10(図1参照)が連結される第2連結部12cが形成されている。尚、図2及び図4に示すように、ベース部材17にはコントロールケーブル10,11を挿通保持するための切欠き状のケーブル保持部17b,17cが形成されている。
【0034】
又、図2に示すように、メインレバー12Aのボス12aの第2連結部12cとの間には軸支孔12dが形成されており、この軸支孔12dの近傍にはストッパ12eが形成されている。ここで、図5に詳細に示すように、軸支孔12dの外周の相対向する2箇所には切欠部12fが形成されている。
【0035】
他方、図5に詳細に示すように、前記サブレバー12Bのメインレバー12Aに対向する面の一端には軸部12gが突設されており、この軸部12gの外周の相対向する2箇所には凸部12hが形成されている。又、サブレバー12Bのメインレバー12Aとは反対側の面の他端にはピン状の係止凸部12iが突設されており、この係止凸部12iの中心部にはスプリング係止孔12jが形成されている。
【0036】
ここで、ラッチ側伝達レバー12のメインレバー12Aとサブレバー12Bの組付構造を図5に示すが、サブレバー12Bの凸部12hをメインレバー12Aの切欠部12fに合わせて軸部12gをメインレバー12Aの軸支孔12dに通した後、該サブレバー12Bを回すと凸部12hがメインレバー12Aの軸支孔12dの周縁に係合するため、軸部12gの軸支孔12dからの抜けが阻止され、サブレバー12Bはメインレバー12Aに回転可能に支持される。このようにサブレバー12Bがメインレバー12Aに回転可能に支持されると、サブレバー12Bの軸部12gに巻装された付勢手段としてのコイルスプリング19の一端が係止凸部12iのスプリング係止孔12jに差し込まれて係止され、同コイルスプリング19の他端がメインレバー12Aの一部に係止されることによって、サブレバー12Bはコイルスプリング19によって図4の時計方向に付勢され、その一部がメインレバー12Aに形成された前記ストッパ12eに当接することによって時計方向の回動が規制される。そして、図4に示すように、メインレバー12Aは、これに形成された係止部12kとベース部材17に形成された係止部17dにその両端が係止されたスプリング20によって図4の時計方向(初期位置方向)に付勢されており、その回動はベース部材17に形成されたストッパ17eによって規制される。
【0037】
前記ハンドル側伝達レバー14は、図2の手前側の上側部14Aとその奥側の下側部14Bを備えており、これらの上側部14Aと下側部14Bとの間にラッチ側伝達レバー12が配置されている。そして、このハンドル側伝達レバー14の上側部14Aの上部にはL字状を成す溝としての第1係合部14aと第2係合部14bが形成されている。具体的には、第1係合部14aは水平に形成され、第2係合部14bは第1係合部14aの端部から垂直上方に向かって形成されている。
【0038】
又、ハンドル側伝達レバー14の下端部には球状の支持部14cが設けられており、その側部には係止部14dが形成されている。ここで、ベース部材17の上下方向中間部には回転レバー21が支持軸22によって回動可能に軸支されている。即ち、回転レバー21にはボス21Aが横方向に形成されており、このボス21Aに貫通する軸挿通孔21aには、ベース部材17に横方向に通された前記支持軸22が挿通しており、この支持軸22によって回転レバー21がベース部材17に回動可能に軸支されている。
【0039】
上記回転レバー21には、下方が開口する逆U字状の支持受部21bが形成されるとともに、下方に向かって延びる脚部21cが設けられており、支持受部21bはハンドル側伝達レバー14の下端部に設けられた球状の支持部14cに嵌合している。従って、ハンドル側伝達レバー14は、回転レバー21の回動によって上下動するとともに、支持部14cを中心として左右に回動可能に支持されており、図4に示すように、その係止部14dとベース部材17に形成された係止部17fに両端が係止されたスプリング23によって支持部14cを中心として図4の時計方向に付勢されている。
【0040】
ここで、ラッチ側伝達レバー12とハンドル側伝達レバー14の組み付けは次のようになされる。
【0041】
即ち、図6に示すように、ラッチ側伝達レバー12とハンドル側伝達レバー14とを組み付ける場合には、ハンドル側伝達レバー14の下端部がラッチ側伝達レバー12に干渉しない位置まで該ハンドル側伝達レバー14を回転させ、サブレバー12Bの係合凸部12iをハンドル側伝達レバー14の第1係合部14a又は第2係合部14bに挿入した後、ハンドル側伝達レバー14を回転させることによって、ハンドル側伝達レバー14の上側部14Aと下側部14Bとの間にラッチ側伝達レバー12を挟み込んで両者を組み付ける。
【0042】
ところで、ベース部材17の背面側の下半部には矩形ボックス状の収納部17Aが形成されており、この収納部17Aにはインナーハンドル支持部24が回動可能に収容されている。このインナーハンドル支持部24の一端部には、図2に示すように、軸挿入孔24aが上下方向に形成されており、該インナーハンドル支持部24は、軸挿入孔24aに挿通する支持軸25によってベース部材17に回動可能に支持されている。尚、支持軸25の上端部は、図2に示すCリング26によってベース部材17に固定されている。
【0043】
そして、上記インナーハンドル支持部24には前記インナーハンドル13が上下2本のネジ27によって固定されており、該インナーハンドル13とインナーハンドル支持部24は、支持軸25の外周に巻装されたスプリング28によって支持軸25を中心として図3の奥側(図4の手前側)に付勢されている。ここで、図2に示すように、インナーハンドル支持部24の上端部には連結部24bが突設されており、この突設部24bは回転レバー21の脚部21cに常時当接している。
【0044】
前記操作レバー15は、その軸部15aがベース部材17に形成された不図示の貫通孔に挿通されることによってベース部材17に回動可能に支持されており、ベース部材17の正面側に突出する軸部15aの端部にはウォームホイールギヤ29が嵌着されている。
【0045】
図3に示すように、ベース部材17の正面側上部には矩形凹状のモータ収納部17Bが斜めに形成されており、このモータ収納部17Bにはアクチュエータとしての前記電動モータ16が収納されている。そして、この電動モータ16の出力軸(モータ軸)16aにはウォーム30が結着されており、このウォーム30は前記ウォームホイールギヤ29に噛合している。そして、電動モータ16やウォーム30及びウォームホイールギヤ29は、図2に示す4本のネジ31によってベース部材17に正面に被着されたリッド32によって覆われている。尚、電動モータ16には、これに通電するための不図示の電源コードを接続するためのコネクタ部33が設けられている。
【0046】
次に、以上のように構成されたドアロック機構9の作用を図7〜図9に基づいて以下に説明する。尚、図7〜図9はドアロック機構9の作用を示す背面図である。
【0047】
1)ロック状態からアンロック状態への移行:
図8(a)はロック状態を示し、このロック状態ではラッチ側伝達レバー12のメインレバー12Aはスプリング20によって時計方向に付勢され、その一部がベース部材17のストッパ17eに当接して図示位置に静止しており、コイルスプリング19によって時計方向に付勢されているサブレバー12Bはメインレバー12Aのストッパ12eに当接して図示位置に静止している。又、操作レバー15はハンドル側伝達レバー14から離間しているため、スプリング23によって支持部14cを中心として時計方向に付勢されているハンドル側伝達レバー14は、第2係合部14bの下端部(ハンドル側伝達レバー14とラッチ側伝達レバー12との連結が解除される非連結位置)にサブレバー12Bの係合凸部12iが係合する状態で静止しており、このとき、図1に示す上下のラッチユニット7,8によってリヤドア4の閉鎖状態がロックされている。
【0048】
リヤドア4がロックされている状態からフロントドア3が開放されると、不図示のフロントドア開閉検出スイッチがONされ、これを検出した不図示のドアロックコントローラは電動モータ16を一定時間だけ駆動する。すると、電動モータ16の出力軸16aの回転はウォーム30とウォームホイールギヤ29によって方向が直角に変換されるとともに減速されて操作レバー15に伝達されるため、操作レバー15が図7(a)に示すように矢印方向(反時計方向)に回動して図8(a)に示すロック位置から図7(a)に示すアンロック位置へ回動する。すると、この操作レバー15がハンドル側伝達レバー14に当接して該ハンドル側伝達レバー14をスプリング23の付勢力に抗して支持部14cを中心として反時計方向に回動させるため、該ハンドル側伝達レバー14が左側に移動してサブレバー12Bの係合凸部12iが第1係合部14aの連結位置に相対的に移動する。
【0049】
上記状態から乗員によってインナハンドル13がスプリング28の付勢力に抗して図7の紙面垂直方向奥側に引かれると、インナーハンドル支持部24に突設された連結部24bが回転レバー21の脚部21cを図7の紙面垂直方向奥側に押すため、回転レバー21が支持軸22を中心として回転し、該回転レバー21の支持受部21bがハンドル側伝達レバー14の支持部14cに作用してハンドル側伝達レバー14を図7(b)に示すように押し下げる。このとき、サブレバー12Bの係合凸部12iがハンドル側伝達レバー14の第1係合部14aに係合してハンドル側伝達レバー14とラッチ側伝達レバー12とは連結状態にあり、サブレバー12Bはメインレバー12Aのストッパ12eに当接して時計方向の回動が阻止されているため、前述のようにハンドル側伝達レバー14が押し下げられると、図7(b)に示すようにラッチ側伝達レバー12がネジ18を中心として反時計方向に回動する。すると、ラッチ側伝達レバー12のメインレバー12Aの第1連結部12bと第2連結部12cに連結されたコントロールケーブル11,10(図1参照)が移動して上下のラッチユニット7,8(図1参照)が同時に作動してリヤドア4の開放が許容される。
【0050】
以上のようにフロントドア3が開放された後に乗員がインナーハンドル13を操作することによってリヤドア4の開放が許容されるため、車両が停止する以前においてもリヤドア4が開放される不具体が解消されて車両1に高い安全性が確保される。
【0051】
2)アンロック状態からロック状態への移行:
図7(a)に示すアンロック状態からフロントドア3が閉鎖されると、不図示のフロントドア開閉検出スイッチがOFFされ、これを検出した不図示のドアロックコントローラが電動モータ16を一定時間だけ逆転させる。すると、電動モータ16の出力軸16aの回転はウォーム30とウォームホイールギヤ29を経て操作レバー15に伝達されるため、該操作レバー15が図8(a)に示すように矢印方向(時計方向)に回動して図7(a)に示すアンロック位置から図8(a)に示すロック位置へと回動する。すると、この操作レバー15がハンドル側伝達レバー14から離間するため、ハンドル側レバー14はスプリング23の付勢力によって支持部14cを中心として時計方向に回動し、該ハンドル側伝達レバー14が右側に移動してサブレバー12Bの係合凸部12iが第2係合部14bの下端部の非連結位置に相対的に移動する。
【0052】
上記状態から乗員によってインナハンドル13がスプリング28の付勢力に抗して図8の紙面垂直方向奥側に引かれると、インナーハンドル支持部24に突設された連結部24bが回転レバー21の脚部21cを図8の紙面垂直方向奥側に押すため、該回転レバー21が支持軸22を中心として回転し、該回転レバー21の支持受部21bがハンドル側伝達レバー14の支持部14cに作用してハンドル側伝達レバー14を図8(b)に示すように押し下げる。このとき、ラッチ側伝達レバー12のサブレバー12Bの係合凸部12iがハンドル側伝達レバー14の第2係合部14b(左側面)に係合して該ハンドル側伝達レバー14とラッチ側伝達レバー12とは非連結状態にあるため、乗員によるインナーハンドル13の操作力がラッチ側伝達レバー12には伝達されず、ハンドル側伝達レバー14が下動するだけでラッチ側伝達レバー12は回動せず、コントロールケーブル10,11も作動しない。
【0053】
従って、フロントドア3が閉鎖された状態で乗員がインナーハンドル13を操作してもリヤハンドル4のロック状態が維持され、該リヤハンドル4の開放が阻止される。
【0054】
3)フロントドアが開放される前にリヤドアのインナーハンドルが操作された場合:
フロントドア3が開放される前にリヤドア4のインナーハンドル13が操作された場合には、図9(a)に示すように乗員によるインナーハンドル13の操作力がラッチ側伝達レバー12には伝達されず、ハンドル側伝達レバー14が下動するだけでラッチ側伝達レバー12は回動せず、コントロールケーブル10,11も作動しない。
【0055】
ところが、乗員がインナーハンドル13を操作しているときにフロントドア3が開放されると、図9(a)に示す状態から不図示のフロントドア開閉検出スイッチがONされ、これを検出した不図示のドアロックコントローラは電動モータ16を一定時間だけ駆動する。すると、操作レバー15が図9(b)に示すように矢印方向(反時計方向)に回動してハンドル側伝達レバー14に当接し、該ハンドル側伝達レバー14を支持部14cを中心として反時計方向に回動させる。このとき、ハンドル側伝達レバー14の第2係合部14b(右側面)がサブレバー12Bの係合凸部12iに係合しているが、係合凸部12iが設けられているサブレバー12Bはメインレバー12Aに対して回動可能に支持されているため、操作レバー15とハンドル側伝達レバー14のアンロック側への移動が許容され、サブレバー12Bはハンドル側伝達レバー14と共に一体的に回動する。
【0056】
而して、上記状態では電動モータ16が停止しても操作レバー15は図9(b)に示すアンロック位置に維持され、ハンドル側伝達レバー14もアンロック位置に維持されるため、電動モータ16の駆動時間は操作レバー15をロック位置からアンロック位置まで回動させる僅かな時間で済み、電動モータ16に長時間通電しておく必要がないためにバッテリの消耗を最小限に抑えることができる。
【0057】
その後、乗員によるインナーハンドル13の操作が解除されると、ハンドル側伝達レバー14が上方へと移動し、サブレバー12Bの係合凸部12iとハンドル側伝達レバー14の第2係合部14b(右側面)との係合が解除されると、ラッチ側伝達レバー12のサブレバー12Bはコイルスプリング19の付勢力によってメインレバー12Aに対して回動して初期位置に戻るため、図7(a)に示すアンロック状態となる。
【0058】
そして、乗員が再びインナーハンドル13を引き操作すると、アンロック状態のときと同様にハンドル側伝達レバー14が押し下げられ、図7(b)に示すようにラッチ側伝達レバー12がネジ18を中心として反時計方向に回動するため、該ラッチ側伝達レバー12のメインレバー12Aの第1連結部12bと第2連結部12cに連結されたコントロールケーブル11,10(図1参照)が移動して上下のラッチユニット7,8(図1参照)が同時に作動してリヤドア4の開放が許容される。
【0059】
以上のように、本発明に係るドアロック機構9によれば、ハンドル側伝達レバー14が連結位置にあるとき(アンロック状態)にインナーハンドル13が乗員によって操作されると、ハンドル側伝達レバー14の第1係合部14aとラッチ側伝達レバー12のサブレバー12Bに形成された係合凸部12iとが係合可能となるため、ハンドル側伝達レバー14とラッチ側伝達レバー12が連動して作動し、これによってラッチユニット7,8が操作されてリヤドア4が開放可能となる。
【0060】
そして、ハンドル側伝達レバー14が非連結位置にあるとき(ロック状態)にインナーハンドル13が乗員によって操作されると、ハンドル側伝達レバー14の第1係合部14aとサブレバー12Bの係合凸部12iとの係合が不可能となるため、ハンドル側伝達レバー14の作動に対してラッチ側伝達レバー12が連動せず、インナーハンドル13の操作が無効となってラッチユニット7,8が操作されず、リヤドア4の開放が不可能となる。
【0061】
又、ハンドル側伝達レバー14が非連結位置にあるとき(アンロック状態)にインナーハンドル13が乗員によって操作された後、電動モータ16によって操作レバー15が作動してハンドル側伝達レバー14が非連結位置から連結位置に向けて操作されるとハンドル側伝達レバー14の第2係合部14bがサブレバー12Bの係合凸部12iに係合するが、係合凸部12iはメインレバー12Aに相対回転可能に軸支されたサブレバー12Bに設けられているため、ハンドル側伝達レバー14の連結位置への移動が許容され、該ハンドル側伝達レバー14は操作レバー15によって連結位置に保持される。この状態でインナーハンドル13の操作を解除すると、ハンドル側伝達レバー14の第2係合部14bとサブレバー12Bの係合凸部12iとの係合が解除され、サブレバー12Bはコイルスプリング19の付勢力によってメインレバー12Aとの相対移動前の初期位置(第1係合部14bと係合凸部12iとが係合可能な位置)に復帰する。そして、インナーハンドル13を再び操作することによってハンドル側伝達レバー14の第1係合部14aとサブレバー12Bの係合凸部12iとが係合すると、ハンドル側伝達レバー14とラッチ側伝達レバー12が連動して作動し、ラッチユニット7,8が操作されてリヤドア4の開放が可能となる。
【0062】
即ち、ハンドル側伝達レバー14の第2係合部14bとサブレバー12Bの係合凸部12iとが係合してハンドル側伝達レバー14の非連結位置から連結位置への移動が阻止されるパニック状態となっても、ラッチ側伝達レバー12をメインレバー12Aと該メインレバー12Aに相対回転可能に軸支されたサブレバー12Bとで構成したため、ハンドル側伝達レバー14は非連結位置から連結位置への移動が可能となり、このとき、電動モータ16によって操作レバー15が回転するとハンドル側伝達レバー14は非連結位置から連結位置に移動してその状態が維持される。
【0063】
従って、パニック状態となっても、ハンドル側伝達レバー14は非連結位置から連結位置への移動が可能であるため、該ハンドル側伝達レバー14を非連結位置から連結位置へと移動させる間の僅かな時間だけ電動モータ16を駆動すれば良く、僅かな消費電力によってパニック状態を回避することができる。
【0064】
又、本発明に係るドアロック機構9においては、ラッチ側伝達レバー12のメインレバー12Aを回転式とし、該メインレバー12Aの一端部と他端部に第1連結部12bと第2連結部12cをそれぞれ設け、これらの第1連結部12bと第2連結部12cに上下のラッチユニット7,8の各々に連なるコントロールケーブル10,11を連結したため、2つのラッチユニット7,8を同時に操作することができる。
【0065】
更に、本発明に係るドアロック機構9においては、インナーハンドル13を軸支するベース部材17にラッチ側伝達レバー12、ハンドル側伝達レバー14、操作レバー15及び電動モータ16を配置したため、各レバー12,14,15及び電動モータ16をそれぞれ個別に配置するための専用のベース部材が不要となるとともに、複数のベース部材の車体への取付工数を削減することができるという効果が得られる。
【0066】
尚、本実施の形態においては、ラッチ側伝達レバー12、ハンドル側伝達レバー14、操作レバー15及び電動モータ16が車両1の上側に、インナーハンドル13が車両1の下側に位置するようにドアロック機構9(ベース部材17)をリヤドア4のドアパネルに固定するよう構成しているが、ドアロック機構9を上下逆向きとなるように回転させた状態(図3及び図4を180°回転させた状態)でリヤドア4のドアパネルに固定するようにしても良い。このように構成した場合には、ラッチ側伝達レバー12のメインレバー12Aの第1連結部12bに車体上側のラッチユニット7に連なるコントロールケーブル10を連結し、ラッチ側伝達レバー12のメインレバー12Aの第2連結部12cに車体下側のラッチユニット8に連なるコントロールケーブル11を連結するようにすれば良い。
【符号の説明】
【0067】
1 車両
2 乗降口
3 フロントドア
4 リヤドア
5,6 ヒンジ
7,8 ラッチユニット
9 ドアロック機構
10,11 コントロールケーブル(連結部材)
12 ラッチ側伝達レバー
12A ラッチ側伝達レバーのメインレバー
12B ラッチ側伝達レバーのサブレバー
12a ラッチ側伝達レバーのボス
12b ラッチ側伝達レバーの第1連結部
12c ラッチ側伝達レバーの第2連結部
12d ラッチ側伝達レバーの軸支孔
12e ラッチ側伝達レバーのストッパ
12f ラッチ側伝達レバーの切欠部
12g ラッチ側伝達レバーの軸部
12h ラッチ側伝達レバーの凸部
12i ラッチ側伝達レバーの係合凸部
12j ラッチ側伝達レバーのスプリング係止孔
12k ラッチ側伝達レバーの係止部
13 インナーハンドル
14 ハンドル側伝達レバー
14A ハンドル側伝達レバーの上側部
14B ハンドル側伝達レバーの下側部
14a ハンドル側伝達レバーの第1係合部
14b ハンドル側伝達レバーの第2係合部
14c ハンドル側伝達レバーの支持部
14d ハンドル側伝達レバーの係止部
15 操作レバー
15a 操作レバーの軸部
16 電動モータ(アクチュエータ)
16a 電動モータの出力軸(モータ軸)
17 ベース部材
17A ベース部材の収納部
17B ベース部材のモータ収納部
17a ベース部材のボス
17b,17c ベース部材のケーブル保持部
17d ベース部材の係止部
17e ベース部材のストッパ
17f ベース部材の係止部
18 ネジ
19 コイルスプリング(付勢手段)
20 スプリング
21 回転レバー
21A 回転レバーのボス
21a 回転レバーの軸挿通孔
21b 回転レバーの支持受部
21c 回転レバーの脚部
22 支持軸
23 スプリング
24 インナーハンドル支持部
24a インナーハンドル支持部の軸挿入孔
24b インナーハンドル支持部の連結部
25 支持軸
26 Cリング
27 ネジ
28 スプリング
29 ウォームホイールギヤ
30 ウォーム
31 ネジ
32 リッド
33 コネクタ部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
観音開き式のフロントドアとリヤドアによって乗降口を開閉する車両の前記リヤドアを車体に対してロックするドアロック機構であって、
前記リヤドアを車体に対して閉鎖状態に保持可能なラッチユニットを操作可能なラッチ側伝達レバーと、
前記リヤドアのインナーハンドルの操作によって作動して前記ラッチ側伝達レバーと連結される連結位置と前記ラッチ側伝達レバーとの連結が解除される非連結位置との間を移動可能なハンドル側伝達レバーと、
前記ハンドル側伝達レバーを連結位置又は非連結位置に移動させるとともに、該ハンドル側伝達レバーを連結位置に保持可能な操作レバーと、
該操作レバーを作動させるアクチュエータを備え、
前記ハンドル側伝達レバーに、該ハンドル側伝達レバーが連結位置にあるときには前記インナーハンドルの操作によって前記ラッチ側伝達レバーに設けられた係合凸部に係合するとともに、前記ハンドル側伝達レバーが非連結位置にあるときには前記係合凸部と係合しない第1係合部と、前記ハンドル側伝達レバーが非連結位置にあるときには前記インナーハンドルの操作によって前記ハンドル側伝達レバーが作動した後に前記係合凸部に係合可能な第2係合部を形成して成る車両のドアロック機構において、
前記ラッチ側伝達レバーを、前記ラッチユニット側に連結されたメインレバーと、該メインレバーに相対回転可能に枢支されるとともに、前記ハンドル側伝達レバーの前記第1係合部又は前記第2係合部に係合する前記係合凸部を有するサブレバーとで構成し、
該ラッチ側伝達レバーの前記サブレバーを前記メインレバーに対して相対回転する前の初期位置方向に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする車両のドアロック機構。
【請求項2】
前記ラッチ側伝達レバーのメインレバーの一端部に一方のラッチユニットに連なる連結部材が連結される第1連結部を設け、メインレバーの他端部に他方のラッチユニットに連なる連結部材が連結される第2連結部を設け、該メインレバーの回動によって2つの前記ラッチユニットを同時に操作可能としたことを特徴とする請求項1記載の車両のドアロック機構。
【請求項3】
前記インナーハンドルを軸支するベース部材を設け、前記ラッチ側伝達レバー、前記ハンドル側伝達レバー、前記操作レバー及び前記アクチュエータを前記ベース部材に配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の車両のドアロック機構。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−149406(P2012−149406A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7490(P2011−7490)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000138462)株式会社ユーシン (241)
【Fターム(参考)】