説明

車両の側部構造

【課題】プレス加工において大きな成型荷重を必要とせず、またセンタピラー部に亀裂が発生する等の品質を損なうことのない、車両の側部部材の接合構造を提供する。
【解決手段】車両のドア開口は、低強度部材と高強度部材とを組み合わせて枠状に形成されたアウタパネル部4と、前記アウタパネル部の対向するパネル上部11とパネル下部15に両端部が接合されたセンタピラー部25と、から形成され、前記センタピラー部は、前記高強度部材によって形成され、一の端部が前記車両の車室側面の外方から前記パネル下部に接合され、他の端部が前記車両の車室側面の内方から前記パネル上部に接合されるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車(以下、単に車両と記す)の側部構造にかかり、詳しくはテーラードブランク法により加工された側部部材の接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
テーラードブランク(以下「TWB」と略す:Tailor Welded Blank)法は、必要な部位に必要な強度を有するブランク材料(半加工品)を配置する工法であり、解析技術の進展に伴い、様々な分野で採用されている。TWB法は、軽量化を図ることができ、ブランク材の歩留まりを向上させて生産コストの低減にも大きく貢献することから、量産が求められる自動車産業において、車両構造等に多く適用されている。
【0003】
車両構造へのTWB法の適用では、必要な材質、板厚を有するブランク材料を組み合わせ、これらを溶接して一体化した後、プレスを行って製品形状とする、いわゆるテーラード加工技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−243770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1において開示された技術は、車両の側部構造であるアウタパネル部にTWB法を適用している。かかる技術は、複数のブランク材料を順次レーザ溶接して枠状の構造体を形成し、その後センタピラー部に相当するブランク材料をスポット溶接してプレス加工を行い、製品形状を形成している。TWB法による車両の側部構造で、側面からアウタパネル部の前側下部を構成するフロントピラーロア部と、下部を構成するサイドシル部と、センタピラー部には高強度部材を使用すると、特許文献1に開示された技術では、センタピラー部まで溶接された状態でプレス加工されているため、高強度部材を深絞りすることから、プレス成型後にセンタピラー部に亀裂が発生するおそれがあった。また、大きな成型荷重が必要であった。
【0006】
本発明は前記背景を鑑みてなされたもので、プレス加工において大きな成型荷重を必要とせず、またセンタピラー部に亀裂が発生する等の品質を損なうことのない、側部部材の接合構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車両の側部構造である。この車両のドア開口は、低強度部材と高強度部材とを組み合わせて枠状に形成されたアウタパネル部と、前記アウタパネル部の対向するパネル上部とパネル下部に両端部が接合されたセンタピラー部と、から形成されている。前記センタピラー部は、前記高強度部材によって形成され、一の端部が前記車両の車室側面の外方から前記パネル下部に接合され、他の端部が前記車両の車室側面の内方から前記パネル上部に接合されている。
【0008】
前記構成によれば、枠状に形成されたアウタパネル部に、別体の高強度部材のセンタピラー部を溶接等によって接合するため、センタピラー部を高強度かつ厚肉化できるとともに、アウタパネル部のプレス成型荷重を下げ、プレス時に発生するおそれがあったセンタピラー部の亀裂をも防止することができる。かかる構成によって、アウタパネル部として、形成するための加工を容易にするとともに、高い要求精度、高い要求品質を実現することができる。ここで、低強度部材と高強度部材とは両者を溶接することで組み合わせることができ、溶接方法は特に限定されず、例えば、スポット溶接等を適用することもできる。また、前記構成によれば、センタピラー部の下端部となる一の端部は、車両の車室側面の外方からアウタパネル部の下部の外面上に接合されるので、サイドシル内の稜線を後端から前端まで途切れなく延設できるため、例えば衝突の際に発生する前方や後方からの衝撃に対しても、高い耐性(衝突性能)を備えることができる。一方、センタピラー部の上端部となる他の端部は、車室側面の内方からアウタパネル部の上部に接合されるので、接合位置を調整しやすく、品質および生産性の向上につながる。なお、本明細書において、高強度部材とは高強度ブランク材および中強度ブランク材を総称するものであり、低強度部材とは低強度ブランク材を称している。
【0009】
前記構成において、前記アウタパネル部は前記低強度部材と高強度部材とをテーラードブランク法により組み合わせて枠状に形成し、予めプレス成型された前記センタピラー部が前記アウタパネル部に溶接される構成とすることができる。
【0010】
前記構成によれば、TWB法を適用することで、必要な材質、板厚を有するブランク材料を組み合わせることができる。ここで、センタピラー部まで溶接された状態でアウタパネル部のプレス加工が行われないため、特許文献1のようにプレス成型後にセンタピラー部に亀裂が発生するおそれはなく、また、大きな成型荷重も必要としない。
【0011】
前記構成において、前記パネル上部はルーフサイドレール部を、前記パネル下部はサイドシル部を構成し、前記一の端部は前記サイドシル部の外側面と面で接合し、前記他の端部は前記ルーフサイドレール部の下面と面で接合するように構成することができる。
【0012】
前記構成によれば、センタピラー部の上端部、下端部ともアウタパネル部と上下の面で当接した状態で接合されるため、接合部からの水の浸入を防止することができる。また、センタピラー部自体を閉空間を備えるボックス状に形成できるため、前記した接合部からの水の浸入と併せて、水密構造となるため、適用できる材料範囲が広がり、例えば塩害地域であっても防錆鋼板を使用せずに済み、素材費用の低減を図ることができる。
【0013】
前記構成において、前記アウタパネル部は、前側上部を構成するフロントピラーアッパー部と、前記ルーフサイドレール部と、後側上部を構成するリアピラー部と、後側下部を構成するリアパネル部と、前側下部を構成するフロントピラーロア部と、前記サイドシル部と、からなる枠状に形成されており、前記フロントピラーアッパー部と、前記ルーフサイドレール部と、前記リアピラー部と、リアパネル部は、前記高強度ブランク材よりも低い強度の低強度ブランク材によって形成されており、前記フロントピラーロア部は、前記高強度ブランク材よりも低く、かつ、前記低強度ブランク材よりも高い強度の中強度ブランク材によって形成されており、前記サイドシル部は、前記高強度ブランク材よりも低く、かつ、前記低強度ブランク材よりも高い強度の中強度ブランク材によって形成されることができる。前記構成によれば、必要な部位に必要な強度を有するブランク材料を配置することができる。
【0014】
前記構成において、前記サイドシル部を蔽うサイドシルガーニッシュ部を備え、前記サイドシルガーニッシュ部は、前記センタピラー部と前記パネル下部との接合部を蔽うことが好ましい。前記構成によれば、接合部がサイドシル部の蔽い(サイドシルガーニッシュ)に隠れるように構成できるため、意匠的にも高い品質を実現することできる。また、前記構成において、前記センタピラー部の他の端部は、車両の左右に配設された前記アウタパネル部間に介在するルーフアーチ部と接合されることが好ましい。この構成によれば、センタピラー部の上端部は左右のアウタパネル部間に介在する補強部材であるルーフアーチ部とも直接接合されており、接合することによってセンタピラー部からルーフアーチ部へ荷重を伝達させることができる。かかる接合は、従来設けられていた補強のためのブラケットを廃止できるとともに、衝突性能も向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、プレス加工において大きな成型荷重を必要とせず、またセンタピラー部に亀裂が発生する等の品質を損なうことのない、TWB法により加工された車両の側部部材の接合構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態にかかる4輪自動車の側面図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるアウタパネル部とセンタピラー部の側面図である。
【図3】図2のA部詳細であり、本発明の一実施形態にかかるセンタピラー下端部とアウタパネル部との接合部分の拡大図である。
【図4】図2のB部詳細であり、本発明の一実施形態にかかるセンタピラー上端部とアウタパネル部との接合部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明にかかる側部部材の接合構造を車両に適用した一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、TWB法により加工されたアウタパネル部について説明する。図1を参照すると、本実施形態にかかる車両1は5ドアハッチバックであり、左右のフロントドア2,2および左右のリアドア3,3を備えている。車両1の側面(図1の正面)には、破線で表すようにフロントドア2およびリアドア3を囲うように枠状のアウタパネル部4と、フロントドア2とリアドア3の間には、アウタパネル部4の対向する上部と下部に両端部が接合されたセンタピラー部5が設けられている。
【0018】
車両1において、乗員の安全を確保するため車室(キャビン)には、アウタパネル部4の堅牢構造が適用されている。ここで、アウタパネル部4は、ドア2,3の開口を形成するとともに、例えば超高張力鋼板が使用されたセンタピラー部5が接合されることによってキャビンの変形を抑制するように構成され、堅牢構造の一部を担っている。
【0019】
図2を参照すると、アウタパネル部4はテーラードブランク法により、前側上部を構成するフロントピラーアッパー部10と、上部を構成するルーフサイドレール部11と、後側上部を構成するリアピラー部12と、後側下部を構成するリアパネル部13と、前側下部を構成するフロントピラーロア部14と、下部を構成するサイドシル部15と、からなる枠状に形成されている。一方、アウタパネル部4と別体のセンタピラー部5は、上端がルーフサイドレール部11に、下端がサイドシル部15に接合されている。
【0020】
フロントピラーアッパー部10と、ルーフサイドレール部11と、リアピラー部12と、リアパネル部13と、フロントピラーロア部14と、サイドシル部15は、それぞれブランク材であって、レーザ溶接等で接合されている。図2には溶接箇所の一例を破線で示している。レーザ溶接は特許文献1に開示されているように突き合わせ溶接が一般的であり、熱影響が少なく、溶接範囲も小さく、応力集中も少ないという利点を有していることから、本実施形態においても好適となる。それぞれの部材が接合されて枠状に形成された後、プレス加工が施工され、アウタパネル部4が形成される。
【0021】
センタピラー部5は後記する図3,4のようにセンタピラーアウタ部25とセンタピラーインナ部26から構成されており、センタピラーアウタ部25はプレス成型後にアウタパネル部4へ接合される。なお、センタピラーアウタ部25のアウタパネル部4への接合の詳細については後記する。
【0022】
センタピラーアウタ部25には、アウタパネル部4に使用されるブランク材よりも高い強度の高強度ブランク材、例えば引張強度1500MPaの超高張力鋼を適用することができる。フロントピラーアッパー部10と、ルーフサイドレール部11と、リアピラー部12と、リアパネル部13は、前記した高強度ブランク材よりも低い強度の低強度ブランク材、例えば、引張強度270MPaの軟鋼を適用することができる。フロントピラーロア部14は、前記した高強度ブランク材よりも低く、かつ、前記した低強度ブランク材よりも高い強度の高強度ブランク材(中強度ブランク材)、例えば引張強度980MPaの高張力鋼を適用することができる。サイドシル部15は、前記した高強度ブランク材よりも低く、かつ、前記した低強度ブランク材よりも高い強度の高強度ブランク材(中強度ブランク材)、例えば引張強度980MPaの高張力鋼を適用することができる。
【0023】
前記したブランク材の構成はアウタパネル部4の下部に高い強度の部材を配し、さらに高い強度のセンタピラーアウタ部25を接合することによって、ドア取付部およびサイドシルを強化してキャビンの変形を抑制する。また、図1も併せて参照すると、それぞれのブランク部材の接合位置は、フロントドア2およびリアドア3、サイドシル部15を蔽うサイドシルガーニッシュ28(図3(b)参照)等によって隠されるため、意匠的にも高い品質を実現することできる。
【0024】
次に図3と図4を参照して、センタピラーアウタ部25のアウタパネル部4への接合について説明する。図3は図2のA部詳細であり、(a)は接合部の斜視図、(b)は接合部の側断面図である。また、図4は図2のB部詳細であり、(a)は接合部の斜視図、(b)は接合部の側断面図である。
【0025】
図3(a)を参照すると、センタピラーアウタ部25は、アウタパネル部4のサイドシル部15の上下に渡った外側面に接合される。図3(b)も併せて参照すると、センタピラー部5の車室側のパネルとなるセンタピラーインナ部26の下端部には所定の幅および高さを有する接合片51と、センタピラーアウタ部25の下端部には所定の幅および高さを有する接合片52が下方に延設されている。接合片51は車両の内側に、接合片52は車両の外側に備えられている。かかる構成は、図3(b)に示すように閉断面P,Qを構成する。ここで、サイドシル部15は、15a,15bにおいてレーザ溶接等によってブランク材が接合された構造としている。
【0026】
センタピラーアウタ部25は、図3(b)の白矢印DIRL、すなわち車両の外側(矢印OUT)からアウタパネル部4へ係合され、接合片52の内側の面は外側面152に面で当接した状態でアウタパネル部4にセットされる。図3(a)を参照すると、このように、センタピラーアウタ部25の下端部は、サイドシル部15内の稜線Lを後端から前端まで途切れることなく延設できるので、前突・後突や側突の衝突性能を向上させることができる。なお、サイドシル部15とセンタピラーアウタ部25との接合はサイドシルガーニッシュ28によって隠される。
【0027】
次に図4(a)(b)を参照すると、センタピラーアウタ部25はアウタパネル部4のルーフサイドレール部11に接合される。図4では車両は左右のアウタパネル部4の間に架けられたアーチ状のルーフアーチ部16とこのルーフアーチ部16を蔽うルーフパネル部17を備えた構成としている。ルーフアーチ部16は、キャビンの堅牢構造のための構造メンバである。以下順に説明すると、センタピラーアウタ部25は、接合箇所WH2において、白矢印DIRHすなわち車両の内側(矢印IN)から、ルーフサイドレール部11にスポット溶接される。接合箇所WH2は、ともに略水平の面となるセンタピラーアウタ部25の上端面53とルーフサイドレール部11の上部下面112とが重なり合うところである。続いて、センタピラーアウタ部25は、接合箇所WH1においても、ルーフサイドレール部11にスポット溶接される。接合箇所WH1は、センタピラーアウタ部25の第1接合面54とルーフサイドレール部11の下部接合面111とが重なり合うところである。なお、本実施形態ではルーフパネル部17と、ルーフアーチ部16の外側端部161と、ルーフサイドレール部11と、センタピラーインナ部26と、センタピラーアウタ部25とは、接合箇所WH2にスポット溶接される構成としている。
【0028】
センタピラーアウタ部25の上端の折り曲げられた上端面53の延長部EXは、接合箇所WH3において、ルーフアーチ部16に直接溶接される。この溶接によって、ルーフアーチ部16とセンタピラーアウタ部25とが接合される。そして、接合箇所WH2が溶接されることによって、ルーフサイドレール部11と、センタピラーアウタ部25とが接合される。接合箇所WH1が溶接されることによって、ルーフサイドレール部11とセンタピラーアウタ部25とが接合されて閉断面Rを形成する。溶接は、スポット溶接以外にレーザ溶接等を適宜適用することができる。このようにセンタピラーアウタ部25の延長部EXは、ルーフアーチ部16へ直接結合できるので、センタピラーアウタ部25からルーフアーチ部16へダイレクトに荷重伝達ができ、従来備えていた補強ブラケットは廃止できるとともに側突性能も向上させることができる。
【0029】
本実施形態は、このようにして、アウタパネル部4へセンタピラーアウタ部25を接合した後にインナパネル部材を接合することによって、ルーフサイドレール部11、フロントピラー部(フロントピラーアッパー部10,フロントピラーロア部14)、センタピラー部(センタピラーアウタ部25,センタピラーインナ部26)、リアピラー部12、サイドシル部15の閉断面を形成して車体の側面構造を構成する。そして、センタピラー延長部EXをルーフアーチに接合した後にルーフパネルを接合して車体の上部構造を構成する。
【0030】
また、図3(b)、図4(b)を参照すると、別体のセンタピラーアウタ部25とアウタパネル部4との合わせ面を設けることにより、上端部、下端部の接合面とも上下の面で接合し、閉断面P,Q,Rを形成していることから外からの水の浸入を防止できる構成としている。そして、センタピラーアウタ部25は外観露出部位がない構造とできるため、例えば塩害地区でも防錆鋼板(GA材等)を適用せずとも済み、コストダウン効果が期待できる。

【0031】
前記した本実施形態の構成は、センタピラーアウタ部25が別体とされることによって、プレス時の成型荷重を下げ、センタピラーアウタ部25に亀裂が入る等の不具合を防止することができるとともに、センタピラーアウタ部25およびアウタパネル部4の形成自由度を向上させる。かかる構成によって、形成は容易になるため、TWB法によるアウタパネル部4の生産性の向上を達成することができる。そして、アウタパネル部4としての要求精度、品質を損なうことなく、フロントピラーロア部14、サイドシル部15、センタピラーアウタ部25の高強度厚板化を達成することができる。また、
アウタパネル部4は一体で形成できるため、従来と同様な品質、形成精度を確保できることは言うまでもない。また、従来技術では側部構造の要求強度を満足させるために、センタピラー部に補強部材(スティフナー)を取り付ける場合があったが、本実施形態の構成では、補強部材を取り付ける必要がなくなり、生産性の向上にも寄与する。
【0032】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において改変して用いることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 車体
2 フロントドア
3 リアドア
4 アウタパネル部
5 センタピラー部
10 フロントピラーアッパー部
11 ルーフサイドレール部
12 リアピラー部
13 リアパネル部
14 フロントピラーロア部
15 サイドシル部
16 ルーフアーチ部
17 ルーフパネル部
25 センタピラーアウタ部
26 センタピラーインナ部
51,52 接合片
53 上端面
54 第1接合面
111 下部接合面
112 上部下面
151 内側面
152 外側面
161 外側端部
EX 延長部
L 稜線
P,Q,R 閉断面
WH1,WH2,WH3 接合箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の側部構造であって、
前記車両のドア開口は、
低強度部材と高強度部材とを組み合わせて枠状に形成されたアウタパネル部と、
前記アウタパネル部の対向するパネル上部とパネル下部に両端部が接合されたセンタピラー部と、から形成され、
前記センタピラー部は、高強度部材によって形成され、一の端部が前記車両の車室側面の外方から前記パネル下部に接合され、他の端部が前記車両の車室側面の内方から前記パネル上部に接合されることを特徴とする車両の側部構造。
【請求項2】
前記アウタパネル部は前記低強度部材と高強度部材とをテーラードブランク法により組み合わせて枠状に形成し、予めプレス成型された前記センタピラー部が前記アウタパネル部に溶接されることを特徴とする請求項1に記載の車両の側部構造。
【請求項3】
前記パネル上部は、ルーフサイドレール部を構成し、
前記パネル下部は、サイドシル部を構成しており、
前記一の端部は、前記サイドシル部の外側面と面で接合し、
前記他の端部は、前記ルーフサイドレール部の下面と面で接合することを特徴とする請求項2に記載の車両の側部構造。
【請求項4】
前記アウタパネル部は、前側上部を構成するフロントピラーアッパー部と、前記ルーフサイドレール部と、後側上部を構成するリアピラー部と、後側下部を構成するリアパネル部と、前側下部を構成するフロントピラーロア部と、前記サイドシル部と、からなる枠状に形成されており、
前記フロントピラーアッパー部と、前記ルーフサイドレール部と、前記リアピラー部と、リアパネル部は、前記高強度部材よりも低い強度の低強度ブランク材によって形成されており、
前記フロントピラーロア部は、前記高強度部材よりも低く、かつ、前記低強度ブランク材よりも高い強度の中強度ブランク材によって形成されており、
前記サイドシル部は、前記高強度部材よりも低く、かつ、前記低強度ブランク材よりも高い強度の中強度ブランク材によって形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両の側部構造。
【請求項5】
前記サイドシル部を蔽うサイドシルガーニッシュ部を備え、
前記サイドシルガーニッシュ部は、前記センタピラー部と前記パネル下部との接合部を蔽うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両の側部構造。
【請求項6】
車両の左右に配設された前記アウタパネル部間にはルーフアーチ部が介在されており、
前記センタピラー部の他の端部は、前記ルーフアーチ部と接合されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の車両の側部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−260536(P2010−260536A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88713(P2010−88713)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】