説明

車両の冷却装置

【課題】車両の衝突時において、分割されたラジエータを容易に分離することができ、一方のラジエータによってエンジンの冷却機能を維持することが可能な車両の冷却装置を提供すること。
【解決手段】小型車両がキャブオーバートラック1の下側に潜り込んだ場合、小型車両と下部ラジエータ5との接触によって、第1被接続管部及び第1接続管部と、第2被接続管部及び第2接続管部とを容易に分離させることができる。第1被接続管部及び第1接続管部と、第2被接続管部及び第2接続管部とがそれぞれ分離した時は、上部ラジエータ4によりエンジン冷却機能が維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
主ラジエータと補助ラジエータとを備えた車両の冷却装置として、例えば、特許文献1や特許文献2の車両の冷却装置がある。
【0003】
特許文献1には、エンジンの前方に配置される主ラジエータと、主ラジエータの下方に取付けられた補助ラジエータとが記載されている。エンジンと主ラジエータと補助ラジエータとはホースで連結され、内部を冷却水が循環している。
【0004】
特許文献2には、主ラジエータのコア部の後方に2個の冷却ファンが水平方向に並べられ、各冷却ファンを駆動する各モータ間に取付けられた補助ラジエータが記載されている。補助ラジエータは、取付フランジを介して取付ねじにより主ラジエータの上タンク及び下タンクに締結される。主ラジエータの上タンク及び下タンクの内部には補助ラジエータの上タンク及び下タンクと連通可能にするための開閉弁が設けられている。補助ラジエータを取り外した状態では、開閉弁により補助ラジエータへの通水路が遮断される。
【0005】
【特許文献1】実公昭47−1458号公報
【特許文献2】特開平7−166860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、トラック等の車高の高い車両(以下、大型車両と称する)が、乗用自動車等の車高の低い車両(以下、小型車両と称する)と前面衝突した場合、小型車両が大型車両の下側に潜り込むことがある。このため、特許文献1の冷却装置のように、単に主ラジエータと補助ラジエータとを上下方向に並べて配置した冷却装置では、潜り込んだ小型車両が大型車両の補助ラジエータと接触して、大型車両の補助ラジエータが破損等してしまう可能性がある。かかる場合において、大型車両の補助ラジエータが破損等して冷却水の漏れ等が生じると、エンジンの冷却機能を維持できなくなる。
【0007】
このような不都合は、特許文献2に記載された構造と同様に、補助ラジエータを主ラジエータに対して着脱可能に取り付け、補助ラジエータに損傷等が生じた場合に、補助ラジエータを取り外すことで回避可能である。
【0008】
しかし、補助ラジエータを主ラジエータに着脱可能に取り付ける場合、取付ネジによって補助ラジエータを主ラジエータに対して締結しなければならず、補助ラジエータの取外作業が煩雑である。また、衝突時の衝撃荷重が取付ねじに作用すると、取付ねじが変形等してしまう恐れがあり、補助ラジエータを取り外すことができなくなる可能性もある。
【0009】
そこで、本発明は、車両の衝突時において、分割されたラジエータを容易に分離することができ、一方のラジエータによってエンジンの冷却機能を維持することが可能な車両の冷却装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成すべく、本発明の第1の態様の車両の冷却装置は、循環路と、第2ラジエータと、第1接続管路と、第1弁機構と、第2接続管路と、第2弁機構とを備える。
【0011】
循環路は、第1ラジエータと分岐部と合流部とを有し、第1ラジエータはシャシフレームの前端部に設けられ、合流部は第1ラジエータ及び分岐部の下流側に設けられ、エンジンから回収した冷却水を空冷してエンジンへ循環供給する。第2ラジエータは、第1ラジエータ及びシャシフレームよりも下方に突出する下端部を有し、シャシフレームに対して支持される。
【0012】
第1接続管路は、分岐部と第2ラジエータとを第1接続部で分離可能に接続する。第1弁機構は、第1接続部が接続された状態で、分岐部と第2ラジエータとを連通して循環路から第2ラジエータへの冷却水の流入を許容するとともに、第1接続部の分離に連動して、第1接続管路を分岐部と第1接続部との間で閉止する。
【0013】
第2接続管路は、合流部と第2ラジエータとを第2接続部で分離可能に接続する。第2弁機構は、第2接続部が接続された状態で、合流部と第2ラジエータとを連通して第2ラジエータから流出した冷却水の循環路への流入を許容するとともに、第2接続部の分離に連動して、第2接続管路を合流部と第2接続部との間で閉止する。
【0014】
上記構成によれば、第1接続部及び第2接続部が接続状態のとき、エンジンから回収した冷却水が第1ラジエータ及び第2ラジエータによって空冷されてエンジンへ循環供給される。第1接続部及び第2接続部がそれぞれ分離したとき、第1接続管路及び第2接続管路が閉止されて、循環路を流れる冷却水が流出しない。すなわち、第1接続部及び第2接続部がそれぞれ分離した場合、エンジンから回収した冷却水を第1ラジエータによって空冷させてエンジンへ循環供給することができる。
【0015】
また、第2ラジエータの少なくとも下端部が、第1ラジエータ及びシャシフレームよりも下方に配置されているため、大型車両と小型車両との前面衝突時に小型車両が大型車両の下側に潜り込んだ場合、小型車両が第2ラジエータと接触し、第2ラジエータに対して衝撃荷重が作用する。第2ラジエータに作用した衝撃荷重は、第1接続管路及び第2接続管路に伝達される。第1接続管路及び第2接続管路に衝撃荷重が伝達されると、分離可能に接続された第1接続部及び第2接続部に応力が集中して、第1接続部及び第2接続部がそれぞれ他の部分よりも先に分離する。
【0016】
このように、小型車両が大型車両の下側に潜り込んだ場合、第2ラジエータに作用する衝撃荷重によって第1接続部及び第2接続部を容易に分離することができ、第1接続部及び第2接続部がそれぞれ分離したときは、第1ラジエータでエンジン冷却機能を維持することができる。
【0017】
また、第2ラジエータがシャシフレームに対して支持されているため、第2ラジエータに生じた衝撃荷重をシャシフレームに伝達することができ、衝突時における衝突エネルギを、シャシフレームにて有効に吸収することができる。
【0018】
さらに、第2ラジエータに生じた衝撃荷重によって第1接続部及び第2接続部を分離するため、衝突時における衝突エネルギを、第1接続部及び第2接続部にて有効に吸収することができる。
【0019】
本発明の第2の態様の車両の冷却装置は、上記第1の態様の車両の冷却装置であって、第2ラジエータ支持部材を備えている。
【0020】
第2ラジエータ支持部材は、第2ラジエータをシャシフレームに対して前後方向にスライド移動自在に支持し、第2ラジエータに前方からの外力が作用したときに、第2ラジエータを後方へスライド移動させる。第2ラジエータが後方へスライド移動することにより、第1接続部及び第2接続部がそれぞれ分離する。
【0021】
上記構成によれば、第2ラジエータ支持部材に前方からの外力が作用した場合、第2ラジエータ支持部材によって第2ラジエータをシャシフレームに対して後方にスライド移動させて、第1接続部及び第2接続部をそれぞれ分離することができる。従って、小型車両が大型車両の下側に潜り込んだ場合に、第2ラジエータに作用する衝撃荷重によって第1接続部及び第2接続部をより確実に分離することができる。
【発明の効果】
【0022】
車両の衝突時において、分割されたラジエータを容易に分離することができ、一方のラジエータによってエンジンの冷却機能を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は上部ラジエータ及び下部ラジエータを前方から視た斜視図、図2は上部ラジエータ及び下部ラジエータを後方から視た斜視図、図3は上部ラジエータ及び下部ラジエータの側面図である。図4は下部ラジエータが後方に移動した状態を示す側面図、図5は第1接続管部及び第1被接続管部の接続状態を示す斜視図、図6は第1接続管部及び第1被接続管部が接続された状態での冷却水の流れを示した断面図である。図7は第1接続管部及び第1被接続管部が分離した状態での冷却水の流れを示した断面図、図8は第2接続管部及び第2被接続管部が接続された状態を示した断面図、図9は第2接続管部及び第2被接続管部が分離した状態を示した断面図である。図10は冷却水経路を示す構成図、図11は保護カバーを示す斜視図である。なお、以下の説明において、前後方向は車両の進行方向前後を示し、内外方向は車幅方向の内外を示す。
【0024】
図1〜図4に示すように、本実施形態におけるキャブオーバートラック1は、シャシフレーム2とエンジン3(図10参照)と上部ラジエータ(第1ラジエータ、循環路)4と下部ラジエータ(第2ラジエータ)5とを備えている。上部ラジエータ4及び下部ラジエータ5は、シャシフレーム2の前端部且つエンジン3よりも前方に配置され、上部ブラケット6、下部ブラケット7、上部ステー(第2ラジエータ支持部材)8、下部ステー(第2ラジエータ支持部材)9及びスライドレール(第2ラジエータ支持部材)10によってシャシフレーム2に対して固定されている。
【0025】
上部ラジエータ4は、上部ラジエータ4の上端を区画する第1上タンク11と、上部ラジエータ4の下端を区画する第1下タンク12と、第1上タンク11及び第1下タンク12間に設けられた第1コア部13とを有し、互いに連通している。第1上タンク11は、シャシフレーム2よりも上方に配置され、第1下タンク12は、シャシフレーム2の前端に対向配置される。また、特に図示していないが、第1上タンク11及び第1下タンク12の後端面にはそれぞれ管接続用パイプが形成されている。
【0026】
下部ラジエータ5は、上部ラジエータ4よりも後方に配置されている。下部ラジエータ5は、下部ラジエータ5の上端を区画する第2上タンク14と、下部ラジエータ5の下端を区画する第2下タンク15と、第2上タンク14及び第2下タンク15間に設けられた第2コア部16とを有し、互いに連通している。第2上タンク14は、第1下タンク12の後方に対向配置され、第2下タンク15は、第1下タンク12及びシャシフレーム2よりも下方に配置される。第2上タンク14の前端面及び第2下タンク15の後端面にはそれぞれ管接続用パイプが形成されている。
【0027】
また、特に図示しないが、第1コア部13及び第2コア部16は、冷却水が通るチューブと放熱板であるフィンとをそれぞれ有している。第1上タンク11に導入された冷却水は、第1コア部13を流通し、第1コア部13を流通する際に走行風等により空冷され、第1下タンク12の管接続用パイプから導出される。第2上タンク14に導入された冷却水は、第2コア部16を流通し、第2コア部16を流通する際に走行風等により空冷され、第2下タンク15の管接続用パイプから導出される。
【0028】
また、上部ラジエータ4と下部ラジエータ5とに導入される冷却水の総容量は、エンジン3を最大出力させた場合に十分に冷却可能な量に設定されている。このとき、上部ラジエータ4に導入される冷却水の容量は、少なくとも総容量のおよそ半分を確保可能な寸法形状で形成されている。
【0029】
上部ブラケット6は、ラジエータ側取付部17とフレーム側取付部18と連結軸19とを有する。ラジエータ側取付部17は板状部材であり、上部ラジエータ4の車幅方向外端上部に配置されて上部ラジエータ4の車幅方向外端面に対してボルト20によって固定されている。フレーム側取付部18は板状部材であり、シャシフレーム2の上端且つ上部ラジエータ4の後方に配置されて、シャシフレーム2の上端面に対してボルト20によって固定されている。連結軸19は棒状部材であり、ラジエータ側取付部17の下端とフレーム側取付部18の前端とにそれぞれ接続されている。
【0030】
下部ブラケット7は、ラジエータ側取付ステー21とフレーム側取付ステー22とを有する。ラジエータ側取付ステー21は板状部材であり、上下方向に貫通する貫通孔(図示せず)が形成されている。ラジエータ側取付ステー21の貫通孔には上部ラジエータ4の車幅方向外端下部に設けられたゴムブッシュ23が挿通され、ゴムブッシュ23に設けられた溝(図示せず)と係止される。フレーム側取付ステー22は、ラジエータ側取付ステー21の前端及び後端にそれぞれ設けられた板状部材であり、シャシフレーム2の車幅方向内端面に対してボルト20によって固定されている。
【0031】
上部ステー8は略矩形板形状であり、前端が下部ラジエータ5の車幅方向外端上部に配置され、後端が後方に向かって延びている。下部ステー9は略矩形板形状であり、一端が下部ラジエータ5の車幅方向外端下部に配置されてボルト20により固定され、他端が上部ステー8の後端に向かって延びている。
【0032】
スライドレール10は、シャシフレーム2の車幅方向内端面で前後方向に延びている。スライドレール10の車幅方向内端面には、前後方向に延びるスライド溝(図示せず)が形成されている。スライド溝には、スライド溝に沿って前後方向に移動可能な前側係止ピン(第2ラジエータ支持部材)24の一端及び後側係止ピン(第2ラジエータ支持部材)25の一端が係止されている。前側係止ピン24の他端は、上部ステー8の前端と下部ラジエータ5の車幅方向外端上部とに係止されている。後側係止ピン25は前側係止ピン24の後方に配置されると共に、後側係止ピン25の他端は、上部ステー8の後端と下部ステー9の他端とに係止されている。
【0033】
図2〜図7及び図10に示すように、第1上タンク11の後端面には、エンジン3から延びる第1導入管(循環路)26が接続され、第1下タンク12の後端面には、前後方向に延びる第1導出管27が接続されている。なお、図2、図6、図7及び図10における矢印は、それぞれ冷却水の流通方向を示している。
【0034】
第1導出管27は管状部材であり、第1下タンク接続部(循環路)28と分岐部(循環路、分岐部)29とエンジン側分岐管(循環路)31と第2ラジエータ側分岐管(第1接続管路)32とを有する。第1下タンク接続部28は、一端が第1下タンク12に接続され、他端が拡張している。
【0035】
分岐部29は、第1下タンク接続部28よりも大きな内径及び外径で形成されている。分岐部29は、一端が第1下タンク接続部28の他端と接続し、他端が収縮している。また、分岐部29の内側面には囲部30が形成されている。
【0036】
エンジン側分岐管31は、一端が分岐部29の外側面に接続されている。エンジン側分岐管31の他端は、第2上タンク14の車幅方向外端よりも外側で屈曲して後方に向かって延びている。エンジン側分岐管31の他端の内部には逆止弁31bが設けられている。
【0037】
逆止弁31bは、エンジン側分岐管31の一端から他端へ向かって冷却水が流通する場合には、冷却水の圧力によって弁体(図示せず)が押し開かれて冷却水の流通が許容され、流通した冷却水が逆流しようとした場合には、弁体が密着してエンジン側分岐管31の一端側への冷却水の流通が規制される。なお、本実施形態では、エンジン側分岐管31の他端に逆止弁31bを設けた場合を説明するが、これは一例であって、逆止弁31bを設けなくてもよい。
【0038】
囲部30は開口板33と閉塞板34とを有する。開口板33は、円形の貫通孔33aが形成された板状部材であり、分岐部29の他端側に配置されて、一端が分岐部29の内側面に接続されている。閉塞板34は断面が略コ字状に形成され、開口板33及び分岐部29の内側面に接続されてエンジン側分岐管31との連通孔31aの周囲を覆っている。なお、開口板33の貫通孔33aが開口している時、分岐部29を流通する冷却水の連通孔31aへの流通が許容され、開口板33の貫通孔33aが閉塞している時、連通孔31aへ冷却水が流通しない。すなわち、開口板33が開口状態の時は冷却水がエンジン側分岐管31へ流通するが、開口板33が閉塞状態の時は冷却水がエンジン側分岐管31へ流通しない。
【0039】
第2ラジエータ側分岐管32は、細管部35と第1被接続管部(第1接続部)36とを有する。細管部35は、分岐部29よりも小さな内径及び外径で形成されている。細管部35は、一端が分岐部29の他端と接続し、他端が拡張している。
【0040】
第1被接続管部36は、細管部35よりも大きな内径及び外径で形成されている。第1被接続管部36は、一端が細管部35の他端と接続し、他端が開口している。
【0041】
また、第1導出管27内には栓部(第1弁機構)37が設けられている。栓部37は、上流側閉止部材38と軸39と下流側閉止部材40とバネ41とを有する。上流側閉止部材38は、分岐部29の他端側且つ開口板33から僅かに離れた位置に配置されている。上流側閉止部材38の一端は、貫通孔33aとほぼ同じ長さの径で形成されて開口板33に対向配置されている。上流側閉止部材38の他端は、上流側閉止部材38の一端よりも大きな径で形成されている。
【0042】
軸39は、上流側閉止部材38の他端よりも小さな径で形成された棒状部材である。軸39の一端は、上流側閉止部材38の他端と接続している。
【0043】
下流側閉止部材40は、第1被接続管部36内の他端側に配置されて一端が軸39の他端に接続されている。下流側閉止部材40の一端は、軸39よりも大きな径且つ第1被接続管部36の他端の内径よりも大きな径で形成されている。下流側閉止部材40の他端は、第1被接続管部36の他端の内径とほぼ同じ長さの径で形成されている。
【0044】
バネ41は、軸39の外側面に配置されている。上流側閉止部材38側に配置されるバネ41の一端は、分岐部29の内側面に予め設けられた係止溝等によって係止されている。バネ41が伸張した状態では、下流側閉止部材40の他端が第1被接続管部36の他端を閉止する。また、下流側閉止部材40が囲部30側へ移動した状態では、バネ41が収縮すると共に第1被接続管部36の他端が開口する。
【0045】
第2上タンク14の前端面には前後方向に延びる第2導入管(第1接続管路)42が接続され、第2下タンク15の後端面には第2導出管(第2接続管路)43が接続されている。さらに、第2導出管43には、エンジン3側に向かって延びるエンジン接続管(循環路)44が接続されている。
【0046】
第2導入管42は管状部材であり、第1接続管部(第1接続部)45と第2上タンク接続部48とを有する。第1接続管部45は、内径が第1被接続管部36の外径よりも大きく形成されている。第1接続管部45は、一端側の内側面にパッキン46が設けられ、他端側の内側面に断面が略L字状に形成された突起(第1弁機構)47が設けられている。第1接続管部45の一端は開口し、他端は収縮している。
【0047】
第2上タンク接続部48は、第1接続管部45よりも大きな内径及び外径で形成されている。第2上タンク接続部48の一端は第1接続管部45の他端と接続し、他端は第2上タンク14に接続されている。
【0048】
第1被接続管部36の他端に第1接続管部45が挿入されると、突起47により下流側閉止部材40の他端が押圧されて下流側閉止部材40が囲部30側へ移動する。下流側閉止部材40の囲部30側への移動に伴って、第1被接続管部36の他端が開口すると共に、貫通孔33aが上流側閉止部材38の一端によって閉止される。なお、第1接続管部45は、下部ラジエータ5に係止された前側係止ピン24がスライドレール10の前端部に配置されているときに第1被接続管部36の他端に挿入される。
【0049】
第1被接続管部36と第1接続管部45とが分離すると、バネ41の付勢力によって下流側閉止部材40が第1被接続管部36の他端側に移動して、貫通孔33aが開口すると共に第1被接続管部36の他端が下流側閉止部材40によって閉止される。すなわち、第1導出管27と第2導入管42とが接続状態の時、エンジン側分岐管31には冷却水が流通せずに第1導出管27から第2導入管42へと冷却水が流通し、第1導出管27と第2導入管42とが分離した時、第1導出管27から第2導入管42への冷却水の流通が規制されて、エンジン側分岐管31へ冷却水が流通する。なお、第1被接続管部36は、下部ラジエータ5に係止された後側係止ピン25がスライドレール10の後端部に配置されているときに第1接続管部45と分離する。
【0050】
図2、図8及び図9に示すように、第2導出管43は管状部材であり、第2下タンク接続部49と第2接続管部(第2接続部)50とを有する。第2下タンク接続部49は、一端が第2下タンク15の後端面に接続され、第2下タンク15から僅かに離れた位置で上方に向かって屈曲している。第2下タンク接続部49の他端は、第2上タンク14の後上方で前方に向かって屈曲し、第2上タンク14の上方で拡張している。
【0051】
第2接続管部50は、第2下タンク接続部49よりも大きな内径及び外径で形成されている。第2接続管部50は第2上タンク14の上方で前後方向に延びて、一端が第2下タンク接続部49の他端と接続し、他端が開口している。第2接続管部50の一端側の内側面には断面が略L字状に形成された第2突起(第2弁機構)51が設けられ、他端側の内側面にはパッキン46が設けられている。
【0052】
エンジン接続管44は管状部材であり、第2被接続管部(第2接続部、第2接続管路)52と合流管(合流部、循環路)56とを有する。第2被接続管部52は、外径が第2接続管部50の内径よりも小さく形成され、一端が開口すると共に他端が収縮している。第2被接続管部52は第2上タンク14の上方で前後方向に延び、一端側にボール(第2弁機構)53が設けられている。
【0053】
ボール53は、第2被接続管部52の一端の内径よりも大きな径で形成されている。ボール53の前方にはスプリング(第2弁機構)54が設けられ、スプリング54の前方にはスプリング支持部(第2弁機構)55が形成されている。
【0054】
スプリング54は、一端がボール53に接続され、他端がスプリング支持部55に接続されている。スプリング支持部55は、第2被接続管部52の他端側の内側面に固定されている。スプリング54が伸張した状態では、ボール53が第2被接続管部52の一端を閉止する。また、ボール53が第2被接続管部52の他端側へ移動した状態では、スプリング54が収縮すると共に第2被接続管部52の一端が開口する。
【0055】
合流管56は、上部ラジエータ4の後方に略コ字状に配設されている。合流管56は、第2接続管部50よりも小さな内径及び外径で形成されている。合流管56は、一端が第2接続管部50の他端と接続し、他端がエンジン3と接続している。また、合流管56の外側面にはエンジン側分岐管31の他端が接続されている。
【0056】
第2被接続管部52の一端に第2接続管部50が挿入されると、第2突起51によりボール53が押圧され、ボール53が第2被接続管部52の他端側へ移動する。ボール53の第2被接続管部52の他端側への移動に伴って、第2被接続管部52の一端が開口される。なお、第2接続管部50は、下部ラジエータ5に係止された前側係止ピン24がスライドレール10の前端部に配置されているときに第2被接続管部52の一端に挿入される。
【0057】
第2被接続管部52と第2接続管部50とが分離すると、スプリング54の付勢力によってボール53が第2被接続管部52の一端側に移動し、第2被接続管部52の一端がボール53により閉止される。すなわち、第2導出管43とエンジン接続管44とが接続状態の時、第2接続管部50から第2被接続管部52への冷却水の流通が許容され、第2導出管43とエンジン接続管44とが分離した時、第2接続管部50から第2被接続管部52へ冷却水が流通しない。なお、第2被接続管部52は、下部ラジエータ5に係止された後側係止ピン25がスライドレール10の後端部に配置されているときに第2接続管部50と分離する。
【0058】
次に、冷却水の流通経路を、第1被接続管部36及び第1接続管部45が接続状態且つ第2被接続管部52及び第2接続管部50が接続状態である場合の第1状態と、第1被接続管部36及び第1接続管部45が分離し且つ第2被接続管部52及び第2接続管部50が分離した第2状態と、に分けて説明する。
【0059】
図2及び図10の実線及び点線の矢印で示すように、第1状態では、エンジン3を冷却した冷却水は、第1導入管26を流通して上部ラジエータ4に導入され、上部ラジエータ4にて空冷される。上部ラジエータ4を流通した冷却水は、第1導出管27に導出され、第2導入管42を介して下部ラジエータ5に導入される。下部ラジエータ5に導入された冷却水は、下部ラジエータ5によって空冷され、第2導出管43に導出される。さらに、第2導出管43に導出された冷却水は、エンジン接続管44を介してエンジン3に導入される。
【0060】
図2及び図10の実線の矢印で示すように、第2状態では、エンジン3を冷却した冷却水は、第1導入管26を流通して上部ラジエータ4に導入され、上部ラジエータ4にて空冷される。上部ラジエータ4を流通した冷却水は、分岐部29を介してエンジン側分岐管31に導入される。エンジン側分岐管31を流通した冷却水は、合流管56を流通して、エンジン3へ導入される。
【0061】
本実施形態によれば、冷却水の流通経路が第1状態の時、エンジン3から回収した冷却水が上部ラジエータ4及び下部ラジエータ5によって空冷されてエンジン3へ循環供給される。冷却水の流通経路が第2状態の時、エンジン3から回収した冷却水が上部ラジエータ4によって空冷されてエンジン3へ循環供給される。
【0062】
また、キャブオーバートラック1が乗用車等の小型車両と前面衝突し、小型車両がキャブオーバートラック1の下側に潜り込んだ場合、小型車両は、シャシフレーム2よりも下方に配置されている下部ラジエータ5と接触する。下部ラジエータ5と小型車両との接触により、下部ラジエータ5に対して衝撃荷重が作用し、第1導出管27及び第2導入管42と、第2導出管43及びエンジン接続管44とに伝達される。これにより、応力が第1被接続管部36及び第1接続管部45と、第2被接続管部52及び第2接続管部50とに集中して、第1被接続管部36及び第2被接続管部52が第1接続管部45及び第2接続管部50と分離して、冷却水の流通経路が第2状態となる。
【0063】
このように、小型車両がキャブオーバートラック1の下側に潜り込んだ場合、小型車両と下部ラジエータ5との接触によって、第1被接続管部36及び第1接続管部45と、第2被接続管部52及び第2接続管部50とを容易に分離させることができる。また、第1被接続管部36及び第1接続管部45と、第2被接続管部52及び第2接続管部50とがそれぞれ分離した時は、冷却水の流通経路が第2状態となって上部ラジエータ4によりエンジン冷却機能を維持することができ、キャブオーバートラック1を自走させて安全な場所等へ移動することができる。
【0064】
また、下部ラジエータ5が上部ステー8、下部ステー9及びスライドレール10を介してシャシフレーム2に支持されているため、下部ラジエータ5に生じた衝撃荷重を上部ステー8、下部ステー9及びスライドレール10を介してシャシフレーム2に伝達することができる。従って、衝突時に下部ラジエータ5に生じた衝突エネルギを、シャシフレーム2にて有効に吸収することができる。
【0065】
また、下部ラジエータ5に生じた衝撃荷重によって、第1被接続管部36及び第1接続管部45と、第2被接続管部52及び第2接続管部50とを分離させているため、衝突時の衝突エネルギを有効に吸収することができる。
【0066】
さらに、下部ラジエータ5が上部ステー8及び下部ステー9を介してスライドレール10に固定されているため、下部ラジエータ5に衝撃荷重が作用した場合、下部ラジエータ5をシャシフレーム2に対して後方にスライド移動させて、下部ラジエータ5に係止された後側係止ピン25をスライドレール10の後端部に移動することができ、第1接続管部45及び第2接続管部50を、第1被接続管部36及び第2被接続管部52からより確実に分離することができる。
【0067】
また、下部ラジエータ5をシャシフレーム2よりも下方に配置しているため、下部ラジエータ5に対して、より多くの走行風を導入することができる。
【0068】
なお、図11に示すように、格子状に形成された保護カバー57を下部ラジエータ5に設けてもよい。保護カバー57を設けることで、下部ラジエータ5の前面が保護カバー57によって覆われる。これにより、衝突時において下部ラジエータ5が部分的に破損等するのを抑止することができる。すなわち、下部ラジエータ5の一部に対して衝撃荷重が生じた場合であっても、保護カバー57を介して下部ラジエータ5全体に衝撃荷重を伝達することができるので、第1接続管部45及び第2接続管部50を、第1被接続管部36及び第2被接続管部52からより確実に分離することができる。
【0069】
また、特に図示していないが、第1導出管27及びエンジン接続管44をシャシフレーム2に固定する固定ブラケットを設けてもよい。これにより、第1導出管27及びエンジン接続管44がシャシフレーム2に対して固定されるため、下部ラジエータ5が後方にスライド移動した際に、第1接続管部45及び第2接続管部50が、第1被接続管部36及び第2被接続管部52からより分離し易くなる。
【0070】
なお、本実施形態では、上部ラジエータ4が下部ラジエータ5よりも後方に配置されている場合を説明したが、上部ラジエータ4が下部ラジエータ5よりも後方である場合に限られず、例えば、上部ラジエータ4が下部ラジエータ5の後方に配置されていてもよい。かかる場合においては、前側係止ピン24がスライドレール10の前端部に配置されているときに第2接続管部50が第2被接続管部52の一端に挿入され、後側係止ピン25がスライドレール10の後端部に配置されているときに第1被接続管部36が第1接続管部45と分離し得るよう、第1下タンク接続部28、分岐部29、第2ラジエータ側分岐管32、第2導入管42、第2導出管43及びエンジン接続管44等の長さや取り回しを変更すればよい。
【0071】
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0072】
図12は上部ラジエータ及び下部ラジエータを後方から視た斜視図、図13は冷却水経路を示す構成図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
図12及び図13に示すように、本実施形態では、第1導出管27に分岐部29を設けずに、第1導入管26に第2の分岐部(循環路、分岐部)58を設け、第1下タンク接続部28の他端を合流管56の外側面と接続している。すなわち、第2の実施形態では、冷却水の流通経路が第1の実施形態と異なる。また、第1被接続管部36が第2被接続管部52と同様にボール53とスプリング54とスプリング支持部55とを備えている。なお、図12及び図13における矢印は、それぞれ冷却水の流通方向を示している。
【0074】
第2の分岐部58は、第1導入管26の上部ラジエータ4及びエンジン3間に設けられている。第2の分岐部58には、第2の分岐管(第1接続管路)59の一端が接続されている。第2の分岐管59は、上部ラジエータ4の後方に配置され、他端が第1被接続管部36の一端に接続されている。
【0075】
冷却水の流通経路が第1状態の時、図12及び図13の実線及び点線の矢印で示すように、エンジン3を冷却した冷却水は第1導入管26に導入される。第1導入管26に導入された冷却水は、上部ラジエータ4へ導入される冷却水と、第2の分岐部58を介して第2の分岐管59に導入される冷却水とに分岐される。このうち、上部ラジエータ4に導入された冷却水は、上部ラジエータ4にて空冷され、第1下タンク接続部28に導出される。第1下タンク接続部28に導出された冷却水は、合流管56を介してエンジン3に導入される。一方、第2の分岐管59に導入された冷却水は、第2導入管42を介して下部ラジエータ5に導入され、下部ラジエータ5にて空冷される。下部ラジエータ5を流通した冷却水は、第2導出管43に導出され、合流管56を介してエンジン3に導入される。すなわち、冷却水の流通経路が第1状態の時、上部ラジエータ4で冷却された冷却水と下部ラジエータ5で冷却された冷却水とが合流管56で合流し、エンジン3に導入される。
【0076】
冷却水の流通経路が第2状態の時、図12及び図13の実線の矢印で示すように、エンジン3を冷却した冷却水は第1導入管26に導入される。第1導入管26に導入された冷却水は、上部ラジエータ4へ導入される冷却水と、第2の分岐部58を介して第2の分岐管59に導入される冷却水とに分岐する。このうち、上部ラジエータ4に導入された冷却水は、上部ラジエータ4にて空冷され、第1下タンク接続部28に導出される。第1下タンク接続部28を流通した冷却水は、合流管56に導入されて、合流管56の一端側へ導入される冷却水と、合流管56の他端側へ導入される冷却水とに分岐する。このうち、合流管56の一端側へ導入された冷却水は、第2被接続管部52の一端で止水される。一方、合流管56の他端側へ導入された冷却水は、エンジン3に導入される。さらに、第2の分岐管59に導入された冷却水は、第1被接続管部36の他端で止水される。
【0077】
このように、第2の分岐管59を第1導入管26に設けた場合であっても、冷却水の流通経路が第1状態の時には、エンジン3から回収した冷却水を上部ラジエータ4及び下部ラジエータ5によって空冷してエンジン3へ循環供給することができ、冷却水の流通経路が第2状態の時には、エンジン3から回収した冷却水を上部ラジエータ4によって空冷してエンジン3へ循環供給することができる。
【0078】
次に、本発明の第3の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0079】
図14は支持パイプと上部ラジエータとを示す斜視図、図15は上部ラジエータ及び下部ラジエータの側面図、図16は下部ラジエータが後方に移動した状態を示す側面図、図17は支持ブラケットを示す斜視図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0080】
図14〜図17に示すように、本実施形態では、下部ラジエータ5が支持ブラケット60によってシャシフレーム2に固定され、上部連結ステー(第2ラジエータ支持部材)61及び下部連結ステー(第2ラジエータ支持部材)62を介してパイプ(第2ラジエータ支持部材)63と連結している。
【0081】
支持ブラケット60は略三角形状であり、一端が下部ラジエータ5の車幅方向外端に対してボルト20により固定され、他端がシャシフレーム2の車幅方向内端に対してボルト20により固定されている。支持ブラケット60は合成樹脂等で形成されると共に、キャブオーバートラック1の通常走行時の振動等によっては破断せずに、衝突時の衝撃荷重によって破断される寸法形状で形成されている。
【0082】
パイプ63は、略コ字状に形成されてシャシフレーム2の前端部且つ上部ラジエータ4よりも前方に配置されている。パイプ63の上端部は、シャシフレーム2の車幅方向内端にピン64を介して回転自在に固定されている。
【0083】
上部連結ステー61は略矩形板形状であり、一端がパイプ63の車幅方向外端にピン64を介して固定されている。上部連結ステー61の他端は、下部ラジエータ5の車幅方向外端上部に向かって延びてボルト20により固定されている。
【0084】
下部連結ステー62は略矩形板形状であり、一端がパイプ63の車幅方向外端且つ上部連結ステー61の一端にピン64を介して固定されている。下部連結ステー62の他端は、下部ラジエータ5の車幅方向外端下部に向かって延びてボルト20により固定されている。
【0085】
本実施形態によれば、小型車両がキャブオーバートラック1の下側に潜り込んだ場合、パイプ63が小型車両と接触し、パイプ63に対して衝撃荷重が作用する。パイプ63に生じた衝撃荷重は、上部連結ステー61及び下部連結ステー62を介して下部ラジエータ5に伝達され、支持ブラケット60が破断する。また、小型車両との接触により、パイプ63が後方に向かって押圧され、ピン64を中心として後方へ回転移動する。これにより、上部連結ステー61及び下部連結ステー62が後方に移動すると共に下部ラジエータ5が後方へ移動して、下部ラジエータ5に係止された後側係止ピン25がスライドレール10の後端部に移動する。後側係止ピン25がスライドレール10の後端部に移動することで、第1接続管部45及び第2接続管部50が、第1被接続管部36及び第2被接続管部52から分離する。従って、下部ラジエータ5を後方にスライド移動させることで、第1接続管部45及び第2接続管部50を、第1被接続管部36及び第2被接続管部52からより確実に分離することができる。
【0086】
このように、下部ラジエータ5を支持ブラケット60で固定し、上部連結ステー61及び下部連結ステー62を介してパイプ63と連結した場合であっても、第1接続管部45及び第2接続管部50を、第1被接続管部36及び第2被接続管部52からより確実に分離させることができる。
【0087】
また、本実施形態では、支持ブラケット60によって下部ラジエータ5をシャシフレーム2に対して固定しているため、下部ラジエータ5に生じた衝撃荷重を、支持ブラケット60を介してシャシフレーム2に伝達することができ、衝突時の衝突エネルギをシャシフレーム2にて有効に吸収することができる。
【0088】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、エンジンを有する車両に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】上部ラジエータ及び下部ラジエータを前方から視た斜視図である。
【図2】上部ラジエータ及び下部ラジエータを後方から視た斜視図である。
【図3】上部ラジエータ及び下部ラジエータの側面図である。
【図4】下部ラジエータが後方に移動した状態を示す側面図である。
【図5】第1接続管部及び第1被接続管部の接続状態を示す斜視図である。
【図6】第1接続管部及び第1被接続管部が接続された状態での冷却水の流れを示した断面図である。
【図7】第1接続管部及び第1被接続管部が分離した状態での冷却水の流れを示した断面図である。
【図8】第2接続管部及び第2被接続管部が接続された状態を示した断面図である。
【図9】第2接続管部及び第2被接続管部が分離した状態を示した断面図である。
【図10】冷却水経路を示す構成図である。
【図11】保護カバーを示す斜視図である。
【図12】上部ラジエータ及び下部ラジエータを後方から視た斜視図である。
【図13】冷却水経路を示す構成図である。
【図14】支持パイプと上部ラジエータとを示す斜視図である。
【図15】上部ラジエータ及び下部ラジエータの側面図である。
【図16】下部ラジエータが後方に移動した状態を示す側面図である。
【図17】支持ブラケットを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0091】
2 シャシフレーム
3 エンジン
4 上部ラジエータ(第1ラジエータ、循環路)
5 下部ラジエータ(第2ラジエータ)
8 上部ステー(第2ラジエータ支持部材)
9 下部ステー(第2ラジエータ支持部材)
10 スライドレール(第2ラジエータ支持部材)
24 前側係止ピン(第2ラジエータ支持部材)
25 後側係止ピン(第2ラジエータ支持部材)
26 第1導入管(循環路)
28 第1下タンク接続部(循環路)
29 分岐部(循環路、分岐部)
31 エンジン側分岐管(循環路)
32 第2ラジエータ側分岐管(第1接続管路)
36 第1被接続管部(第1接続部)
37 栓部(第1弁機構)
42 第2導入管(第1接続管路)
43 第2導出管(第2接続管路)
44 エンジン接続管(循環路)
45 第1接続管部(第1接続部)
47 突起(第1弁機構)
50 第2接続管部(第2接続部)
51 第2突起(第2弁機構)
52 第2被接続管部(第2接続部、第2接続管路)
53 ボール(第2弁機構)
54 スプリング(第2弁機構)
55 スプリング支持部(第2弁機構)
56 合流管(循環路、合流部)
58 第2の分岐部(循環路、分岐部)
59 第2の分岐管(第1接続管路)
61 上部連結ステー(第2ラジエータ支持部材)
62 下部連結ステー(第2ラジエータ支持部材)
63 パイプ(第2ラジエータ支持部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ラジエータと分岐部と合流部とを有し、前記第1ラジエータはシャシフレームの前端部に設けられ、前記合流部は前記第1ラジエータ及び前記分岐部の下流側に設けられ、エンジンから回収した冷却水を空冷して前記エンジンへ循環供給する循環路と、
前記第1ラジエータ及び前記シャシフレームよりも下方に突出する下端部を有し、前記シャシフレームに対して支持される第2ラジエータと、
前記分岐部と前記第2ラジエータとを第1接続部で分離可能に接続する第1接続管路と、
前記第1接続部が接続された状態で、前記分岐部と前記第2ラジエータとを連通して前記循環路から前記第2ラジエータへの冷却水の流入を許容するとともに、前記第1接続部の分離に連動して、前記第1接続管路を前記分岐部と前記第1接続部との間で閉止する第1弁機構と、
前記合流部と前記第2ラジエータとを第2接続部で分離可能に接続する第2接続管路と、
前記第2接続部が接続された状態で、前記合流部と前記第2ラジエータとを連通して該第2ラジエータから流出した冷却水の前記循環路への流入を許容するとともに、前記第2接続部の分離に連動して、前記第2接続管路を前記合流部と前記第2接続部との間で閉止する第2弁機構と、を備えた
ことを特徴とする車両の冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両の冷却装置であって、
前記第2ラジエータを前記シャシフレームに対して前後方向にスライド移動自在に支持し、該第2ラジエータに前方からの外力が作用したときに、該第2ラジエータを後方へスライド移動させる第2ラジエータ支持部材を備え、
前記第2ラジエータが後方へスライド移動することにより、前記第1接続部及び前記第2接続部がそれぞれ分離する
ことを特徴とする車両の冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−197668(P2009−197668A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−39592(P2008−39592)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】