説明

車両の前部構造

【課題】車両の衝突等によって骨格部材が変形する際に、変形する骨格部材がエンジン等に干渉しないようにすることにより、衝突によって生じる荷重を好適に減衰させることができる車両の前部構造を提供する。
【解決手段】フロントサイドメンバ1における長手方向途中位置には、前方座屈点13および後方座屈点14が設定されている。また、前方座屈点13および後方座屈点14は、フロンサイドメンバ1の幅方向および上下方向で異なる位置に配置されている。前方座屈点13は、フロントサイドメンバ1の外側かつ上側に配置されており、後方座屈点14は、フロントサイドメンバ1の内側かつ下側に配置されている。このため、車両が衝突等してフロントサイドメンバ1が座屈する際には、前方が下側かつ内側に屈曲し、後方が上側かつ外側に屈曲し、フロントサイドメンバ1とパワートレインユニットとの干渉が防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前部構造に係り、特に、車両の前後方向に荷重が入力された際に、骨格部材が好適に変形する車両の前部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の前部構造としては、車両が衝突した際などに受ける荷重を吸収する構造が求められている。このような荷重を好適に吸収する構造として、従来、車両の骨格を形成するフロントサイドメンバにおける前後方向延在部には、側面視において、その下方が前方に向かって傾斜する複数の座屈線が並設されている車両骨格構造が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
この車両骨格構造では、下方が前方に向かって傾斜する座屈線が形成されていることにより、衝突が生じた際に座屈線によってフロントサイドメンバを折り畳むことができる。その結果、キック部に対する上下方向のオフセット量を軽減させることができ、キック部の曲げモーメントを低減することができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−207619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に開示された車両骨格構造では、車両が衝突したときにフロントサイドメンバが折り畳まれる際、前後方向延在部が座屈線に沿って変形し、前後方向延在部の前端が下方に移動するようにフロントサイドメンバが変形する。このため、フロントサイドメンバが変形する際にエンジンやエンジンマウントに干渉してしまい、フロントサイドメンバの変形が邪魔されることがある。このようにフロントサイドメンバ等の骨格部材の変形が邪魔されることにより、衝突によって生じる荷重の減衰が妨げられることがあるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、車両の衝突等によって骨格部材が変形する際に、変形する骨格部材がエンジン等に干渉しないようにすることにより、衝突によって生じる荷重を好適に減衰させることができる車両の前部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決した本発明に係る車両の前部構造は、長尺状の骨格部材を備え、骨格部材が車両の前後方向に配置された車両の前部構造であって、骨格部材における長手方向に離間した2箇所に、それぞれ前方屈折部および後方屈折部が骨格部材の幅方向または上下方向で異なる位置に形成されており、骨格部材の長手方向に沿った荷重が骨格部材に入力した際に、前方屈折部と後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、骨格部材が凹凸状に座屈させられることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る車両の前部構造においては、骨格部材における長手方向に離間した2箇所に、それぞれ前方屈折部および後方屈折部が骨格部材の幅方向または上下方向で異なる位置に形成されている。この前方屈折部および後方屈折部を形成することにより、骨格部材の長手方向に沿った荷重が骨格部材に入力した際に、前方屈折部と後方屈折部とがそれぞれ屈曲し、骨格部材が凹凸状に座屈させられる。したがって、前方屈折部と後方屈折部の設定位置によって所望の態様で骨格部材を座屈させることができる。よって、車両の衝突等によってフロントサイドメンバが変形する際に、変形するフロントサイドメンバがエンジン等に干渉しないようにすることができ、もって衝突によって生じる荷重を好適に減衰させることができる。
【0009】
また、上記課題を解決した本発明に係る車両の前部構造は、長尺状の骨格部材を備え、骨格部材が車両の前後方向に配置された車両の前部構造であって、骨格部材における長手方向に離間した2箇所に、それぞれ前方屈折部および後方屈折部が骨格部材の幅方向または上下方向で異なる位置に形成されており、前方屈折部は、後方屈折部よりも上方に配置されており、骨格部材の長手方向に沿った荷重が骨格部材に入力した際に、前方屈折部と後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、骨格部材が凹凸状に座屈させられることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る車両の前部構造においては、前方屈折部は、後方屈折部よりも上方に配置されており、骨格部材の長手方向に沿った荷重が骨格部材に入力した際に、前方屈折部と後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、骨格部材が凹凸状に座屈させられる。このため、骨格部材の前部を下方側に折り曲げてキック部の位置に前端部を近づけることができるので、キック部の曲げモーメントを減衰させることができる。
【0011】
さらに、上記課題を解決した本発明に係る車両の前部構造は、長尺状の骨格部材を備え、骨格部材が車両の前後方向に配置された車両の前部構造であって、骨格部材における長手方向に離間した2箇所に、それぞれ前方屈折部および後方屈折部が骨格部材の幅方向または上下方向で異なる位置に形成されており、前方屈折部は、後方屈折部よりも車両内側に配置されており、骨格部材の長手方向に沿った荷重が骨格部材に入力した際に、前方屈折部と後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、骨格部材が凹凸状に座屈させられることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る車両の前部構造においては、前方屈折部は、後方屈折部よりも車両内側に配置されており、骨格部材の長手方向に沿った荷重が骨格部材に入力した際に、前方屈折部と後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、骨格部材が凹凸状に座屈させられる。このため、骨格部材における後方の側部にエンジン等が設けられている場合に、車両の衝突等によって骨格部材が変形する際に、変形する骨格部材がエンジン等に干渉しないようにすることができ、もって衝突によって生じる荷重を好適に減衰させることができる。
【0013】
また、上記課題を解決した本発明に係る車両の前部構造は、長尺状の骨格部材を備え、骨格部材が車両の前後方向に配置された車両の前部構造であって、骨格部材における長手方向に離間した2箇所に、それぞれ前方屈折部および後方屈折部が骨格部材の幅方向または上下方向で異なる位置に形成されており、前方屈折部および後方屈折部は、いずれも骨格部材における断面角部であり、互いに対角となる位置に配置されており、骨格部材の長手方向に沿った荷重が骨格部材に入力した際に、前方屈折部と後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、骨格部材が凹凸状に座屈させられることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る車両の前部構造においては、前方屈折部および後方屈折部は、いずれも骨格部材における断面角部であり、互いに対角となる位置に配置されており、骨格部材の長手方向に沿った荷重が骨格部材に入力した際に、前方屈折部と後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、骨格部材が凹凸状に座屈させられる。このため、骨格部材がその軸方向に対して斜めに屈曲することになるので、変形量を小さくするとともに、衝撃吸収性を高いものとすることができる。
【0015】
さらに、上記課題を解決した本発明に係る車両の前部構造は、長尺状の骨格部材を備え、骨格部材が車両の前後方向に配置された車両の前部構造であって、骨格部材における長手方向に離間した2箇所に、それぞれ前方屈折部および後方屈折部が骨格部材の幅方向または上下方向で異なる位置に形成されており、前方屈折部および後方屈折部は、いずれも骨格部材における断面周りの強度が他の位置よりも骨格部材の長手方向に沿った耐力が低くされることによって形成されており、骨格部材の長手方向に沿った荷重が骨格部材に入力した際に、前方屈折部と後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、骨格部材が凹凸状に座屈させられることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る車両の前部構造においては、前方屈折部および後方屈折部は、いずれも骨格部材における断面周りの強度が他の位置よりも骨格部材の長手方向に沿った耐力が低くされている。このため、前方屈折部および後方屈折部を含む骨格部材の周断面のうちで、前方屈折部および後方屈折部を好適に屈曲させることができる。したがって、骨格部材を確実に凹凸状に座屈させることができる。
【0017】
また、上記課題を解決した本発明に係る車両の前部構造は、長尺状の骨格部材を備え、骨格部材が車両の前後方向に配置された車両の前部構造であって、骨格部材における長手方向に離間した2箇所に、それぞれ前方屈折部および後方屈折部が骨格部材の幅方向または上下方向で異なる位置に形成されており、前方屈折部および後方屈折部のうちの少なくとも一方が、骨格部材の長手方向に沿った荷重を伝達する稜線が接続されて形成されており、骨格部材の長手方向に沿った荷重が骨格部材に入力した際に、前方屈折部と後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、骨格部材が凹凸状に座屈させられることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る車両の前部構造においては、前方屈折部および後方屈折部のうちの少なくとも一方が、骨格部材の長手方向に沿った荷重を伝達する稜線が接続されて形成されている。このような稜線が形成されていることにより、前方屈折部および後方屈折部に荷重を確実に伝達することができる。このため、前方屈折部および後方屈折部を好適に屈曲させることができるので、骨格部材を確実に凹凸状に座屈させることができる。
【0019】
さらに、上記課題を解決した本発明に係る車両の前部構造は、長尺状の骨格部材を備え、骨格部材が車両の前後方向に配置された車両の前部構造であって、骨格部材における長手方向に離間した2箇所に、それぞれ前方屈折部および後方屈折部が骨格部材の幅方向または上下方向で異なる位置に形成されており、骨格部材の側方に、骨格部材によって支持される支持対象物のマウント部材が取り付けられており、前方屈折部および後方屈折部のうちの少なくとも一方が、マウント部材を介して入力した荷重を伝達する稜線が接続されて形成されており、骨格部材の長手方向に沿った荷重が骨格部材に入力した際に、前方屈折部と後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、骨格部材が凹凸状に座屈させられることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る車両の前部構造においては、前方屈折部および後方屈折部のうちの少なくとも一方が、マウント部材を介して入力した荷重を伝達する稜線が接続されて形成されている。このため、マウント部材を介して入力される荷重を前方屈折部および後方屈折部に誘導することにより、確実に伝達することができる。したがって、前方屈折部および後方屈折部を好適に屈曲させることができるので、骨格部材を確実に凹凸状に座屈させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る車両の前部構造によれば、車両の衝突等によって骨格部材が変形する際に、変形する骨格部材がエンジン等に干渉しないようにすることにより、衝突によって生じる荷重を好適に減衰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】車両の前部構造におけるフロントサイドメンバの斜視図である。
【図2】車両の前部構造におけるフロントサイドメンバの側面図である。
【図3】(a)は図2のA−A線断面図、(b)は図2のB−B線断面図、(c)は図2のC−C線断面図、(d)は図2のD−D線断面図である。
【図4】車両の前部構造の要部斜視図である。
【図5】車両の前部構造の平面図である。
【図6】(a)は、車両が衝突する前のフロントサイドメンバの斜視図、(b)は、車両が衝突した時のフロントサイドメンバの例を示す斜視図である。
【図7】(a)は、車両が衝突する前のフロントサイドメンバの平面図、(b)は、車両が衝突した時のフロントサイドメンバの例を示す平面図である。
【図8】(a)は、車両が衝突する前のフロントサイドメンバの側面図、(b)は、車両が衝突した時のフロントサイドメンバの例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る車両の前部構造におけるフロントサイドメンバの斜視図、図2は、その側面図、図3(a)は図2のA−A線断面図、(b)は図2のB−B線断面図、(c)は図2のC−C線断面図、(d)は図2のD−D線断面図である。また、図4は、本発明の実施形態に係る車両の前部構造の要部斜視図、図5は、車両の前部構造の平面図である。
【0025】
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る車両の前部構造におけるフロントサイドメンバ1は、長尺状をなしており、車両の前後方向に延在するように配設されている。また、フロントサイドメンバ1の前端部には、クラッシュボックス2が設けられている。フロントサイドメンバ1におけるクラッシュボックス2との接合部分には、正面視した形状が略矩形をなす後方フランジ部材1Aが設けられている。また、クラッシュボックス2には、複数の座屈抑制ビード2Aが設けられている。座屈抑制ビード2Aは、クラッシュボックス2における外側面の後部側に設けられている。
【0026】
フロントサイドメンバ1は、内側部材11および外側部材12が接合されて形成されている。内側部材11は、車両の前後方向を向いて配置される長尺状の内側部材本体11Aを備えており、内側部材本体11Aの外側面の上側には、内側部材上接合フランジ11Bが設けられ、内側部材本体11Aの外側面の下側には、内側部材下接合フランジ11Cが設けられている。
【0027】
外側部材12は、車両の前後方向を向いて配置される長尺状の外側部材本体12Aを備えている。また、外側部材12の前端側の内側面の上側には、外側部材上接合フランジ12Bが設けられ、外側部材12の前端側の内側面の下側には、外側部材下接合フランジ12Cが設けられている。
【0028】
さらに、外側部材12の後方側は、外側部材本体12Aが板状となっており、外側部材上接合フランジ12Bおよび外側部材下接合フランジ12Cと一体的に形成されている。また、図2に示すように、外側部材12の前方側では、外側部材12が外側方向に拡幅する形状をなしている。
【0029】
外側部材12の前方側では、外側部材12が外側方向に拡幅する形状をなしているため、図3(d)に示すように、フロントサイドメンバ1の前方側における断面では、内側部材上接合フランジ11Bおよび外側部材上接合フランジ12Bがフロントサイドメンバ1の幅方向途中位置に配置される。これに対して、フロントサイドメンバ1の前方側以外の位置における断面では、図3(a)〜(c)に示すように、内側部材上接合フランジ11Bおよび外側部材上接合フランジ12Bがフロントサイドメンバ1の外側端部に配置される。
【0030】
また、フロントサイドメンバ1における長手方向途中位置には、前方屈曲部となる前方座屈点13および後方屈曲部となる後方座屈点14が設定されている。また、フロントサイドメンバ1における長手方向略中心位置には、中心点15が設定されている。前方座屈点13および後方座屈点14は、中心点15を中心として互いに対称となる位置に配置されている。
【0031】
前方座屈点13は、フロントサイドメンバ1の前端部と中心点15との間であって、内側部材上接合フランジ11Bと外側部材上接合フランジ12Bとの接合部に配置されている。このため、前方座屈点13は、フロントサイドメンバ1の外側かつ上側に配置されていることとなる。
【0032】
一方、後方座屈点14は、フロントサイドメンバ1の後端部と中心点15との間であって、内側部材11における内側部材本体11Aの一下端辺上に配置されている。このため、後方座屈点14は、フロントサイドメンバ1の内側かつ下側に配置されていることとなる。このように、前方座屈点13と後方座屈点14とは、フロントサイドメンバ1の中立線(軸線)に対して、幅方向および上下方向で異なる位置に形成されている。
【0033】
また、フロントサイドメンバ1の前端側における上側には、2本の上側稜線16,16が設けられている。2本の上側稜線16,16は、いずれも直線状であり、その後端部は、いずれも前方座屈点13に到達している。さらに、フロントサイドメンバ1の後端側における下側には、2本の下側稜線17,17が設けられている。2本の下側稜線17,17は、いずれも中央部が上方に湾曲する湾曲形状をなしており、その後端部は、いずれも後方座屈点14に到達している。
【0034】
さらに、前方座屈点13を含むフロントサイドメンバ1の断面(図2(d)に示される断面、以下「前方断面」という)1F周りの対角位置は、前方高強度部18とされている。前方高強度部18は、フロントサイドメンバ1の内側部材本体11Aを成形する際に、加工硬化が付与されて形成されている。このため、フロントサイドメンバ1が座屈して前方断面1Fが屈折する際には、前方座屈点13が圧縮変形し、前方高強度部18が引張変形することとなる。
【0035】
この前方断面1Fにおける各角部のフロントサイドメンバ1の長手方向に沿った方向に対する耐力(以下「長手方向耐力」という)を比較すると、図3(b)に示すように、前方高強度部18がもっとも長手方向耐力が高く、前方座屈点13がもっとも長手方向耐力が低くされている。また、前方高強度部18の上方に位置する角部の長手方向耐力の方が、前方座屈点13の下方に位置する角部の長手方向耐力よりも低くされている。
【0036】
さらに、後方座屈点14を含むフロントサイドメンバ1の断面(図2(a)に示される断面、以下「後方断面」という)1R周りの対角位置は、後方高強度部19とされている。後方高強度部19は、前方高強度部18と同様、フロントサイドメンバ1の内側部材本体11Aを成形する際に、加工硬化が付与されて形成されている。このため、フロントサイドメンバ1が座屈して後方断面1Rが屈折する際には、後方座屈点14が圧縮変形し、後方高強度部19が引張変形することとなる。
【0037】
この後方断面1Rにおける各角部のフロントサイドメンバ1の長手方向耐力を比較すると、図3(d)に示すように、後方高強度部19がもっとも長手方向耐力が高くされている。また、後方高強度部19の上方に位置する角部の長手方向耐力の方が、後方座屈点14の下方に位置する角部の長手方向耐力よりも低くされている。
【0038】
さらに、フロントサイドメンバ1における前方断面1Fと後方断面1Rとの比較でみると全体としては、前方断面1Fの長手方向耐力の方が、後方断面1Rの長手方向耐力よりも低くされている。ただし、前方断面1Fにおける長手方向耐力がもっとも高い前方高強度部18の長手方向耐力は、後方断面1Rにおける長手方向耐力がもっとも低い後方座屈点14における長手方向耐力よりも高くされている。
【0039】
また、図4および図5に示すように、フロントサイドメンバ1の前端部には、クラッシュボックス2を介してバンパリーンホースメント3が接合されている。さらに、フロントサイドメンバ1における前端側における側方位置には、車両の左右方向に延在するフロントクロスメンバ4が接合されている。また、フロントサイドメンバ1における後端側における側方位置には、車両の左右方向に延在するサスペンションメンバ5が接合されている。
【0040】
さらに、フロントサイドメンバ1における長手方向略中央位置における側方位置には、側方エンジンマウント6が取り付けられている。また、フロントクロスメンバ4における長手方向略中央位置には、中央エンジンマウント7が取り付けられている。これらの側方エンジンマウント6および中央エンジンマウント7には、エンジンを含む本発明の支持対象物となるパワートレインユニット8が搭載されている。このパワートレインユニット8は、側方エンジンマウント6および中央エンジンマウント7を介してフロントサイドメンバ1およびフロントクロスメンバ4によって支持されている。
【0041】
側方エンジンマウント6は、フロントサイドメンバ1における前方断面1Fと後方断面1Rとの間に接合されている。このため、前方座屈点13は、フロントサイドメンバ1におけるフロントクロスメンバ4の接合部と側方エンジンマウント6との間に配置される。また、後方座屈点14は、フロントサイドメンバ1における側方エンジンマウント6とサスペンションメンバ5との間に配置される。
【0042】
次に、本実施形態に係る車両の前部構造における作用について説明する。本実施形態に係る車両の前部構造では、車両の前方が衝突するなどしてフロントサイドメンバ1に荷重が入力した際に、前方座屈点13と後方座屈点14とがそれぞれ圧縮変形し、フロントサイドメンバ1が凹凸形状(略Z時状)に座屈させられて変形することによって、荷重の減衰を図っている。
【0043】
いま、車両が前突してバンパリーンホースメント3から荷重が入力された場合を想定する。この場合、図5に示すように、バンパリーンホースメント3に入力された荷重は、クラッシュボックス2を介してフロントサイドメンバ1の前方から入力される。さらには、中央エンジンマウント7、パワートレインユニット8および側方エンジンマウント6を介してフロントサイドメンバ1の側方から入力される。
【0044】
フロントサイドメンバ1の前方から荷重が入力されると、まず、前方断面1Fにおけるフロントサイドメンバ1の屈曲が始まる。前方断面1Fでは、図6(a)に示す前方断面1Fにおける前方座屈点13がもっとも長手方向耐力が低くされている。このため、前方断面1Fでフロントサイドメンバ1が屈曲する際には、前方座屈点13を座屈点としてフロントサイドメンバ1が屈曲する。
【0045】
ここで、前方座屈点13は、フロントサイドメンバ1の前方断面1Fにおける外側上方に配置されている。このため、フロントサイドメンバ1は、図6(b)に示すように、前方断面1Fにおいて、前方座屈点13を中心として、突出部が車両の内側かつ下側に向くようにして屈曲する。しかも、前方座屈点13の対角位置には、前方高強度部18が形成されている。このため、前方高強度部18の早期の変形が防止されるので、さらに安定して突出部が車両の内側かつ下側に向くようにして屈曲することとなる。
【0046】
このとき、前方座屈点13には、2本の上側稜線16,16が到達している。このため、前方座屈点13には、前方断面1Fにおける他の角部よりも多くの稜線が集中していることとなるので、前方座屈点13に集中する荷重が多くなる。したがって、前方断面1Fにおける前方座屈点13を好適に屈曲させることができる。この前方断面1Fの屈曲によって、フロントサイドメンバ1に入力された荷重が減衰される。
【0047】
また、前方断面1Fの長手方向耐力の方が、後方断面1Rの長手方向耐力よりも低くされているものの、前方断面1Fにおける長手方向耐力がもっとも高い前方高強度部18の長手方向耐力は、後方断面1Rにおける長手方向耐力がもっとも低い後方座屈点14における長手方向耐力よりも高くされている。このため、前方断面1Fにおける屈曲が進む傍ら、後方断面1Rにおける屈曲が始まる。
【0048】
後方断面1Rでは、図6(a)に示す後方断面1Rにおける後方座屈点14がもっとも長手方向耐力が低くされている。このため、後方断面1Rでフロントサイドメンバ1が屈曲する際には、後方座屈点14を座屈点としてフロントサイドメンバ1が屈曲する。
【0049】
ここで、後方座屈点14は、フロントサイドメンバ1の後方断面1Rにおける内側下方に配置されている。このため、フロントサイドメンバ1は、図6(b)に示すように、後方断面1Rにおいて、後方座屈点14を中心として、突出部が車両の外側かつ上側に向くようにして屈曲する。しかも、後方座屈点14の対角位置には、後方高強度部19が形成されている。このため、後方高強度部19の早期の変形が防止されるので、クラッシュボックス2の前面が、フロント方向を向いた状態を長く維持することができる。その結果、安定した荷重吸収を行わせることができる。
【0050】
このとき、後方座屈点14には、2本の下側稜線17,17が到達している。このため、後方座屈点14には、後方断面1Rにおける他の角部よりも多くの稜線が集中していることとなるので、後方座屈点14に集中する荷重が多くなる。したがって、後方断面1Rにおける後方座屈点14を好適に屈曲させることができる。この後方断面1Rの屈曲によって、フロントサイドメンバ1に入力された荷重が減衰される。
【0051】
また、後方断面1Rには、側方エンジンマウント6を経由した荷重も入力される。この側方エンジンマウント6を経由した荷重は、フロントサイドメンバ1の前方から入力された荷重とともに、後方断面1Rを屈曲させる。このときに後方断面1Rの屈曲によって、フロントサイドメンバ1の前方から入力された荷重とともに、側方エンジンマウント6を経由して入力された荷重についても減衰させることができる。
【0052】
さらに、側方エンジンマウント6を経由した荷重は、下側稜線17,17を介して後方座屈点14に入力される。このように、側方エンジンマウント6を経由した荷重は、下側稜線17,17に誘導される。したがって、側方エンジンマウント6を経由した荷重を確実に後方座屈点14に伝達することができる。
【0053】
このように、本実施形態に係る車両の前方構造では、前方断面1Fにおいて、前方断面1Fにおいて、前方座屈点13を中心として屈折し、突出部が車両の内側かつ下側に向くようにして屈曲するとともに、後方座屈点14を中心として屈折し、突出部が車両の外側かつ上側に向くようにして屈曲する。このため、図6(b)に示すように、凹凸状である略Z字状に座屈する。フロントサイドメンバ1が略Z字状に座屈することにより、入力された荷重を効率よく吸収することができる。
【0054】
また、フロントサイドメンバ1を略Z字状に座屈させるにあたって、長手方向耐力を高めるために前方断面1Fにおいて前方高強度部18を形成し、後方断面1Rにおいて後方高強度部19を形成している。このとき、これらの前方高強度部18および後方高強度部19は、いずれも加工硬化によって形成されている。このため、フロントサイドメンバ1の重量の増大を招かないようにすることができる。
【0055】
ここで、フロントサイドメンバ1を平面視した場合、図7(a)に示すように、フロントサイドメンバ1に座屈が生じる前の状態から、車両が前突等することによって、図7(b)に示すようにフロントサイドメンバ1に座屈が生じる。このとき、フロントサイドメンバ1の前方断面1Fが車両の内側に向けて屈曲するとともに、後方断面1Rが車両の外側に向けて屈曲する。
【0056】
フロントサイドメンバ1の後方断面1Rの内側側方には、パワートレインユニット8などが設けられているため、フロントサイドメンバ1の前方断面1Fの内側側方は、後方断面1Rの内側側方よりも比較的広いスペースが形成されている。このため、フロントサイドメンバ1が屈曲する際、前方断面1Fが車両の内側に向けて屈曲し、後方断面1Rが車両の外側に向けて屈曲することにより、フロントサイドメンバ1とパワートレインユニット8などとの干渉を小さくすることができる。したがって、車両の衝突によって生じる荷重を好適に減衰させることができる。
【0057】
また、フロントサイドメンバ1を側面視した際、図8(a)に示すように、フロントサイドメンバ1に座屈が生じる前の状態から、車両が前突等することによって、図8(b)に示すようにフロントサイドメンバ1に座屈が生じる。このとき、フロントサイドメンバ1の前方断面1Fが車両の下側に向けて屈曲するとともに、後方断面1Rが車両の上側に向けて屈曲する。このため、フロントサイドメンバ1が座屈した際における後方断面1Rの側方に存在するパワートレインユニット8と座屈したフロントサイドメンバ1との干渉を好適に防止することができる。その結果、車両の衝突によって生じる荷重を好適に減衰させることができる。
【0058】
さらに、本実施形態に係る車両の前部構造では、フロントサイドメンバ1における外側部材12の前方側が外側方向に拡幅する形状をなしている。このため、前方断面1Fにおける外側に配置された前方座屈点13に対する荷重の入力を、前方断面1Fにおける他の角部よりも大きくすることができる。したがって、前方座屈点13を前方断面1Fにおける他の角部よりも先に確実に屈曲させることができる。
【0059】
また、クラッシュボックス2のフロントサイドメンバ1との接合部は、フロントサイドメンバ1の先端部と略同一形状とされている。このため、前方断面1Fにおける外側に配置された前方座屈点13に対する荷重の入力を、前方断面1Fにおける他の角部よりも大きくすることができる。したがって、前方座屈点13を前方断面1Fにおける他の角部よりも先に確実に屈曲させることができる。
【0060】
しかも、クラッシュボックス2における外側面の後部側には、複数の座屈抑制ビード2Aが形成されている。このため、クラッシュボックス2からフロントサイドメンバ1に対する外側の荷重入力と内側の荷重入力よりも大きくすることができる。したがって、その分前方断面1Fにおける外側に配置された前方座屈点13に対する荷重の入力を、前方断面1Fにおける他の角部よりも大きくすることができる。したがって、前方座屈点13を前方断面1Fにおける他の角部よりも先に確実に屈曲させることができる。
【0061】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、上記実施形態では、前方高強度部18および後方高強度部19を形成するにあたり、加工硬化を行っているが、焼入れによる高強度化を図ることもできるし、補強材を設ける等による高強度化を図ることもできる。
【0062】
また、上記実施形態では、前方座屈点13および後方座屈点14にそれぞれ複数の稜線16,17を集中させることによって、前方座屈点13および後方座屈点14の長手方向耐力を低下させているがその他の態様とすることもできる。たとえば前方断面1Fおよび後方断面1Rにおける前方座屈点13および後方座屈点14以外の角部の高強度化を図ることにより、相対的に前方座屈点13および後方座屈点14の長手方向耐力を低下させることができる。
【0063】
さらに、上記実施形態では、前方座屈点13は、フロントサイドメンバ1の外側かつ上側に配置され、後方座屈点14は、フロントサイドメンバ1の内側かつ下側に配置されているが、前方座屈点13および後方座屈点14がフロントサイドメンバ1の中立線(軸線)に対して、幅方向または上下方向で異なる位置に配置されていれば、他の配置とすることもできる。たとえば、車両の前部構造の全体の構成要素等が異なり、エンジン等の支持対象物がフロントサイドメンバ1の前方側部近傍に設けられている場合には、前方座屈点13が、フロントサイドメンバ1の前方高強度部が内側かつ上側に配置され、後方座屈点14が、フロントサイドメンバ1の外側かつ下側に配置される態様とすることもできる。
ができる。
【0064】
さらには、前方座屈点13をフロントサイドメンバの幅方向中央下側に配置し、後方座屈点14をフロントサイドメンバの幅方向中央上側に配置することもできる。あるいは、前方座屈点13をフロントサイドメンバの幅方向中央上側に配置し、後方座屈点14をフロントサイドメンバの幅方向中央下側に配置することもできる。このような配置とすることにより、内側および外側への突出を企図することなく、前方断面1Fが上側または下側に突出し、後方断面1Rが下側または上側に突出してフロントサイドメンバ1を座屈させることができる。
【0065】
さらには、前方座屈点13をフロントサイドメンバの状へ方向中央左側に配置し、後方座屈点14をフロントサイドメンバの上下方向中央右側に配置することもできる。あるいは、前方座屈点13をフロントサイドメンバの上下方向中央右側に配置し、後方座屈点14をフロントサイドメンバの上下方向中央左側に配置することもできる。このような配置とすることにより、上側および下側への突出を企図することなく、前方断面1Fが右側または左に突出し、後方断面1Rが左側または右に突出してフロントサイドメンバ1を座屈させることができる。
【0066】
また、上記実施形態では、フロントサイドメンバ1が断面略矩形をなしているが、その他の形状となるフロントサイドメンバを対象とすることもできる。
【符号の説明】
【0067】
1…フロントサイドメンバ、1A…前方フランジ部材、1F…前方断面、1R…後方断面、2…クラッシュボックス、2A…座屈抑制ビード、3…バンパリーンホースメント、4…フロントクロスメンバ、5…サスペンションメンバ、6…側方エンジンマウント、7…中央エンジンマウント、8…パワートレインユニット、11…内側部材、11A…内側部材本体、11B…内側部材上接合フランジ、11C…内側部材下接合フランジ、12…外側部材、12A…外側部材本体、12B…外側部材上接合フランジ、12C…外側部材下接合フランジ、13…前方座屈点、14…後方座屈点、15…中心点、16…上側稜線、17…下側稜線、18…前方高強度部、19…後方高強度部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の骨格部材を備え、前記骨格部材が車両の前後方向に配置された車両の前部構造であって、
前記骨格部材における長手方向に離間した2箇所に、それぞれ前方屈折部および後方屈折部が前記骨格部材の幅方向または上下方向で異なる位置に形成されており、
前記骨格部材の長手方向に沿った荷重が前記骨格部材に入力した際に、前記前方屈折部と前記後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、前記骨格部材が凹凸状に座屈させられることを特徴とする車両の前部構造。
【請求項2】
長尺状の骨格部材を備え、前記骨格部材が車両の前後方向に配置された車両の前部構造であって、
前記骨格部材における長手方向に離間した2箇所に、それぞれ前方屈折部および後方屈折部が前記骨格部材の幅方向または上下方向で異なる位置に形成されており、
前記前方屈折部は、前記後方屈折部よりも上方に配置されており、
前記骨格部材の長手方向に沿った荷重が前記骨格部材に入力した際に、前記前方屈折部と前記後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、前記骨格部材が凹凸状に座屈させられることを特徴とする車両の前部構造。
【請求項3】
長尺状の骨格部材を備え、前記骨格部材が車両の前後方向に配置された車両の前部構造であって、
前記骨格部材における長手方向に離間した2箇所に、それぞれ前方屈折部および後方屈折部が前記骨格部材の幅方向または上下方向で異なる位置に形成されており、
前記前方屈折部は、前記後方屈折部よりも車両内側に配置されており、
前記骨格部材の長手方向に沿った荷重が前記骨格部材に入力した際に、前記前方屈折部と前記後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、前記骨格部材が凹凸状に座屈させられることを特徴とする車両の前部構造。
【請求項4】
長尺状の骨格部材を備え、前記骨格部材が車両の前後方向に配置された車両の前部構造であって、
前記骨格部材における長手方向に離間した2箇所に、それぞれ前方屈折部および後方屈折部が前記骨格部材の幅方向または上下方向で異なる位置に形成されており、
前記前方屈折部および前記後方屈折部は、いずれも前記骨格部材における断面角部であり、互いに対角となる位置に配置されており、
前記骨格部材の長手方向に沿った荷重が前記骨格部材に入力した際に、前記前方屈折部と前記後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、前記骨格部材が凹凸状に座屈させられることを特徴とする車両の前部構造。
【請求項5】
長尺状の骨格部材を備え、前記骨格部材が車両の前後方向に配置された車両の前部構造であって、
前記骨格部材における長手方向に離間した2箇所に、それぞれ前方屈折部および後方屈折部が前記骨格部材の幅方向または上下方向で異なる位置に形成されており、
前記前方屈折部および前記後方屈折部は、いずれも前記骨格部材における断面周りの強度が他の位置よりも前記骨格部材の長手方向に沿った耐力が低くされることによって形成されており、
前記骨格部材の長手方向に沿った荷重が前記骨格部材に入力した際に、前記前方屈折部と前記後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、前記骨格部材が凹凸状に座屈させられることを特徴とする車両の前部構造。
【請求項6】
長尺状の骨格部材を備え、前記骨格部材が車両の前後方向に配置された車両の前部構造であって、
前記骨格部材における長手方向に離間した2箇所に、それぞれ前方屈折部および後方屈折部が前記骨格部材の幅方向または上下方向で異なる位置に形成されており、
前記前方屈折部および前記後方屈折部のうちの少なくとも一方が、前記骨格部材の長手方向に沿った荷重を伝達する稜線が接続されて形成されており、
前記骨格部材の長手方向に沿った荷重が前記骨格部材に入力した際に、前記前方屈折部と前記後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、前記骨格部材が凹凸状に座屈させられることを特徴とする車両の前部構造。
【請求項7】
長尺状の骨格部材を備え、前記骨格部材が車両の前後方向に配置された車両の前部構造であって、
前記骨格部材における長手方向に離間した2箇所に、それぞれ前方屈折部および後方屈折部が前記骨格部材の幅方向または上下方向で異なる位置に形成されており、
前記骨格部材の側方に、前記骨格部材によって支持される支持対象物のマウント部材が取り付けられており、
前記前方屈折部および前記後方屈折部のうちの少なくとも一方が、前記マウント部材を介して入力した荷重を伝達する稜線が接続されて形成されており、
前記骨格部材の長手方向に沿った荷重が前記骨格部材に入力した際に、前記前方屈折部と前記後方屈折部とがそれぞれ圧縮変形し、前記骨格部材が凹凸状に座屈させられることを特徴とする車両の前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−221991(P2010−221991A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256060(P2009−256060)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】