説明

車両の動力伝達装置における圧油供給回路構造

【課題】エンジンにより駆動されるメカニカルポンプの供給流量の減少化を図り、これにより流量不足が生じる場合は電動ポンプにより補い、メカニカルポンプの無駄(ポンプロス)の減少化を図ることにある。
【解決手段】
オイルポンプ装置として、エンジンで駆動されるメカニカルポンプ120と、モータにより正逆両方向に回転駆動される電動ポンプ130とを備え、メカニカルポンプ120の駆動時に供給される圧油の低圧使用装置部位D2への供給流量が不足するときに電動ポンプ130の他方向への回転駆動により供給される圧油により不足流量を補い、メカニカルポンプ120の非駆動時には電動ポンプ130の一方向への回転駆動により圧油が特定作動機構圧力供給部位D1−1へ供給可能とされる回路構成となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両の動力伝達装置における圧油供給回路構造に関する。特に、車両用エンジンの回転動力を車輪に伝達する自動変速装置に適用されて、メカニカルポンプと電動ポンプの2種類のオイルポンプ装置を備え、自動変速装置の各種作動機構の作動制御や冷却、潤滑を行う圧油供給部位への圧油供給回路を配置する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用エンジンの回転動力を車輪に伝達する動力伝達装置としては、流体式トルクコンバータと組合わせて遊星歯車機構を用いた自動変速装置(下記特許文献1参照)や、CVTベルトを用いた無段変速装置等が知られている。
これら自動変速装置や無段変速装置は、車両用エンジンの回転動力を車輪に伝達する際、変速制御して伝えている。そして、この変速制御をするための各種作動機構等には、圧油が供給されて行われるようになっている。また、圧油はこれら機構の潤滑や冷却としても用いられている。
これら圧油が用いられる圧油供給部位の必要とする圧油特性は、使用される部位によって異なっている。一般的には、流体式トルクコンバータに供給される圧油や自動変速装置を変速切換え制御するためのクラッチ装置やブレーキ装置等の圧油供給部位に供給される作動圧油は相対的に高圧で少流量の圧油特性である。本明細書ではこの種の圧油特性を必要とする圧油供給部位を「作動機構圧油供給部位」とした。なお、自動変速装置及び無段変速装置の潤滑や冷却に用いられる圧油は相対的に低圧で多流量の圧油特性である。本明細書ではこの種の圧油特性の圧油供給部位を「低圧使用装置部位」とした。これらの作動機構圧油供給部位や低圧使用装置部位への圧油の供給は、エンジン回転状態であることから、エンジンにより駆動されるメカニカルポンプにより行われる。
【0003】
ところで、最近の車両では、エンジン燃費向上の観点から、信号停止状態等における車両の一時停止の際には、エンジンを一時停止させるアイドリングストップシステムが備えられている。このシステムにおいて、信号停止の一時停止状態から車両を素早くスムースに発進させるためには、自動変速装置等の動力伝達装置の作動機構における上述の作動機構圧油供給部位のうち、一部の作動機構の作動機構圧油供給部位には相対的に低圧の作動圧油を供給しておいて、発進待機状態とすることが行われる。この種の作動機構は自動変速装置の入力クラッチ(通称“C1クラッチ”と称されている)や無段変速装置のCVT変速機構であり、本明細書ではこの種の圧油特性を必要とする圧油供給部位を「特定作動機構圧油供給部位」とした。
しかし、いわゆるアイドリングストップ状態ではエンジンは停止した状態で回転していないため、エンジンにより駆動されるメカニカルポンプによっては、かかる特定作動機構圧油供給部位に圧油を供給することができない。このため、メカニカルポンプとは別にモータにより駆動される電動ポンプを設置して、この電動ポンプにより圧油を発生させて特定作動機構圧油供給部位に供給するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−299670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、車両走行状態における動力伝達装置の作動機構やその潤滑冷却ための圧油の供給、すなわち作動機構圧油供給部位や低圧使用装置部位への圧油の供給は、エンジンにより駆動されるメカニカルポンプにより行われる。そして、このメカニカルポンプから供給する圧油は、上記した作動機構圧油供給部位や低圧使用装置部位が必要とする供給圧油特性を常時満たしている必要があることから、高圧で多流量の圧油特性のものとなっている。このためメカニカルポンプにより発生させる供給圧油に無駄(ロス)が生じる結果となっていた。このオイルポンプの無駄はエンジンの動力損失となっている。
図7(A)はある車両走行状態における時間経緯(t)に対する各圧油供給部位が必要とする圧油の流量特性線図(A1)と、従来一般のメカニカルポンプからの供給圧油による流量特性を示す線図(A2)である。この線図からも分かるように、従来はすべての時点においてメカニカルポンプからの供給圧油の流量(A2)は必要とする流量特性(A1)を上回っており、この線図において斜線で示した領域が無駄な圧油の供給流量(ポンプロス部分)となっている。この領域はエンジンの動力損失となっている。
図8(A)はある時点におけるメカニカルポンプにより供給される圧油に対する所定圧油供給部位が必要とする油圧(P)と流量(Q)との関係を示すグラフ図である。このグラフ図において油圧PHと流量QHで示される領域が上述の作動機構圧油供給部位が必要とする圧油領域である。また、油圧PLと流量QH+QLで示される領域が上述の低圧使用装置部位が必要とする圧油領域である。そして、油圧PHと流量Qaで示される領域がメカニカルポンプから供給される圧油領域である。これらの領域で示されるグラフ図から分かるように、斜線で示される領域がメカニカルポンプからの無駄な圧油の供給流量(ポンプロス部分)となっており、エンジンの動力損失となっている。なお、図8(A)において、油圧PLと流量QLで示される破線で示される領域は、エンジン停止状態で電動ポンプにより供給される圧油領域である。
【0006】
上述したエンジンの動力損失は、図7(A)及び図8(A)における斜線箇所(ポンプロス部分)を減少させることにより少なくすることができる。そして、この斜線領域(ポンプロス)を少なくするにはメカニカルポンプからの供給流量すなわちポンプ容量を減少させることにより少なくすることができる。しかし、各圧油供給部位が必要とする圧油特性は車両走行条件等によって変化するものであるため、ある車両走行条件ではメカニカルポンプからの供給流量を所定量減少させても問題は生じないが、別の車両走行条件では問題を生じることがある。このため上述したようにすべての状態で問題ないようにメカニカルポンプから圧油を供給していたため、多くの無駄(ポンプロス)が生じていた。
【0007】
而して、本発明が解決しようとする課題は、エンジンにより駆動されるメカニカルポンプの供給流量の減少化を図り、これにより流量不足が生じる場合は電動ポンプにより補い、メカニカルポンプの無駄(ポンプロス)の減少化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、アイドリングストップシステムを備える車両においてはエンジンにより駆動されるメカニカルポンプとは別にモータにより駆動される電動ポンプが別途備えられることに着目して、メカニカルポンプからの供給流量を減少させることにより流量不足が生じる場合には、エンジン回転状態においても電動ポンプを駆動して流量不足を補う(アシストする)ことを発想した。そして、メカニカルポンプからの供給流量不足を補う圧油供給部位とエンジンアイドリングストップ状態時に発進待機状態にする圧油作動部位とは異なっていることから、電動ポンプを正逆転の両方向に回転制御して別々の圧油供給回路から所定の圧油供給部位に圧油を供給することを発想した。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は次の手段をとる。
先ず、本発明は、車両用エンジンの回転動力を車輪に伝達する動力伝達装置の圧油供給部位に圧油を供給するための圧油供給回路構造を対象とする。
そして、前記動力伝達装置の圧油供給部位として、エンジン回転状態で該動力伝達装置の作動機構を作動制御するために相対的に高圧少流量の作動圧油が供給される作動機構圧油供給部位と、該作動機構圧油供給部位のうちエンジン非回転状態において前記エンジン回転状態時より低圧油の作動圧油が供給される特定作動機構圧力供給部位と、前記エンジン回転状態で動力伝達装置において相対的に低圧多流量の圧油の供給を必要とする低圧使用装置部位とを備える。
次に、オイルポンプ装置として、前記エンジンで駆動されるメカニカルポンプと、モータにより正逆両方向に回転駆動される電動ポンプとを備える。
そして、前記メカニカルポンプからの圧油を前記各圧油供給部位に供給する圧油供給回路として、前記作動機構圧油供給部位に供給する第1圧油供給回路と、前記低圧使用装置部位に供給する第2圧油供給回路とを備え、前記電動ポンプからの圧油を前記各圧油供給部位に供給する圧油供給回路として、前記電動ポンプが正逆転の一方向への回転時に供給される圧油を前記低圧使用領域装置部位に供給する第3圧油供給回路と、前記電動ポンプの他方向への回転時に供給される圧油を前記特定作動機構圧力供給部位に供給する第4圧油供給回路とを備える。
そして、上記各構成により、前記メカニカルポンプの駆動時に供給される圧油の前記低圧使用装置部位への供給流量が不足するときに電動ポンプの前記他方向への回転駆動により供給される圧油により不足流量を補い、前記メカニカルポンプの非駆動時には電動ポンプの前記一方向への回転駆動により圧油が特定作動機構圧力供給部位へ供給可能とされる回路構成となっていることを特徴とする。
【0010】
本発明は、上述した手段であることにより、エンジン回転時におけるエンジンにより駆動されるメカニカルポンプから所定の圧油供給部位(低圧使用装置部位)に供給される圧油流量が不足するとしても、その不足分は別に設置されたモータにより駆動される電動ポンプにより補うことができる。これによりエンジンにより駆動されるメカニカルポンプのポンプ容量を可及的に少容量なものとすることができて、無駄(ポンプロス)を省き、エンジンの動力損失を少なくすることができる。
なお、電動ポンプは、エンジンが停止した非回転状態においても、モータにより駆動することができて、例えば、エンジンアイドリングストップ時に必要とされる所定の圧油供給部位(特定作動機構圧力供給部位)に圧油を供給することができる。
また、電動ポンプは、エンジンの回転状態と非回転状態では、ポンプ機能の回転方向を異ならせており、回転方向によって一つのポートを吸入ポートと吐出ポートに使い分けている。これにより一つの電動ポンプに二つの回路構成を組み込むことができて、電動ポンプの使用個数を増やすことなく、シンプルな回路構成とすることができる。
【0011】
なお、本発明の上記したメカニカルポンプと電動ポンプとは同軸線上で隣接して並列配置されているのが好ましい。
メカニカルポンプと電動ポンプをかかるように配置して設置する場合には、オイルポンプ装置全体を小型化することが可能となり、設置スペースが少なくて済む。
【発明の効果】
【0012】
上述した本発明によれば、エンジンにより駆動されるメカニカルポンプの供給流量の減少化を図り、これにより流量不足が生じる場合は電動ポンプにより補い、メカニカルポンプの無駄(ポンプロス)の減少化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施例を示し、メカニカルポンプと電動ポンプが別々に配置された自動変速装置における各圧油供給部位への圧油供給回路を示す配置図である。
【図2】本発明の第2実施例を示し、メカニカルポンプと電動ポンプが隣接して配設されたオイルポンプ装置を示す縦断面図である。
【図3】図2のオイルポンプ装置箇所を拡大して示す縦断面図である。
【図4】第2実施例の電動ポンプのモータ部の固定子を示す正面図である。
【図5】第2実施例のメカニカルポンプのインナギアとアウタギアとの噛み合い状態を示す正面図である。
【図6】第2実施例の電動ポンプのインナギアとアウタギアとの噛み合い状態を示す正面図である。
【図7】時間経緯に対する各圧油供給部位が必要とする圧油の流量特性の一例を示す線図であり、(A)図が従来例の線図であり、(B)図が本発明の実施例に基づく線図である。
【図8】オイルポンプ装置の流量と油圧の特性線図であり、(A)図が従来例の線図であり、(B)図が本発明の実施例に基づく線図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態について実施例にしたがって説明する。
先ず、第1実施例について説明する。第1実施例は図1に示されている。この第1実施例は、2種類のオイルポンプ装置のメカニカルポンプ120と電動ポンプ130が別々に配設された例である。
メカニカルポンプ120はエンジンの回転動力により回転駆動されて圧油を所定の部位に供給するようになっている。メカニカルポンプ120は周知の構成の内接ギアポンプであり、図示は省略されているが、インナギアとアウタギアが噛合って構成されており、両ギアの噛合い回転により圧油を供給するようになっている。そして、メカニカルポンプ120は吸入ポート115と吐出ポート116とを有する。吸入ポート115は油溜り50と第1吸入回路52により回路接続されている。これにより、メカニカルポンプ120の駆動回転により油溜り50から油を吸い上げて。吐出ポート116から後述する各圧油供給部位に所定の供給回路を通じて圧油を供給する。
【0015】
電動ポンプ130はモータ150により回転駆動されるものであるため前記メカニカルポンプ120の設置位置とは関係なく配置することが可能でありこの実施例ではメカニカルポンプ120の設置位置とは別の位置に設置されている。電動ポンプ130はモータ150により正転逆転の両方向に駆動回転可能な構成とされており、図1において上下位置に形成されているポート117,118は、右廻り回転(時計廻り方向)の正転回転時には、下のポート118が吸入ポートなり、上のポート117が吐出ポートとなる。逆に、左廻り回転(反時計廻り方向)の逆転回転時には、上のポート117が吸入ポートなり、下のポート118が吐出ポートとなる。そして、電動ポンプ130は、正転回転時には回路62が吸入回路となって油溜り56から吸入ポートとなる下のポート118に油を吸い上げて吐出ポートとなる上のポート117に圧油を吐出する。逆に、逆転回転時には回路60が吸入回路となって油溜り54から吸入ポートとなる上のポート117に油を吸い上げて吐出ポートとなる下のポート118に圧油を吐出する。なお、回路60及び62には、吸入回路となるときにはそれぞれの油溜り54,56から電動ポンプ130方向への流れは許容するが、電動ポンプ130から油溜り54,56方向への流れは阻止する一方向弁70,72が設けられている。
本実施例の電動ポンプ130は、エンジンが回転しておりメカニカルポンプ120も回転している状態における電動ポンプ130のポンプ機能の回転方向と、エンジンが停止しておりメカニカルポンプ120が停止している状態における電動ポンプ130のポンプ機能の回転方向は異なる回転方向となるように回転制御されている。
なお、本実施例において、メカニカルポンプ120のための油溜り50と、電動ポンプ150のための油溜り54,56は別のものとして別符号を付して説明したが、通常の自動変速装置では、自動変速装置の下部に配設されるオイルパンの油溜りであり、共通の油溜りである。
【0016】
上記したメカニカルポンプ120や電動ポンプ130から供給される圧油は、車両用エンジンの動力を車輪に伝達する動力伝達装置の各種作動機構の作動制御や冷却、潤滑を行う圧油供給部位へ供給される。この圧油が供給される動力伝達装置としては、流体式トルクコンバータ、自動変速装置、無段変速装置等がある。
これら動力伝達装置の圧油供給部位に供給される圧油が必要とされる特性は、背景技術でも述べたように圧油供給部位によって異なっている。その特性を再度説明すると、流体式トルクコンバータに供給される圧油や自動変速装置を変速切換え制御するためのクラッチ装置やブレーキ装置等の圧油供給部位に供給される作動圧油は相対的に高圧で少流量の圧油特性である。本実施例を示す図1には、この種の圧油特性を必要とする圧油供給部位を「作動機構圧油供給部位D1」と表示して図示した。なお、自動変速装置及び無段変速装置の潤滑や冷却に用いられる圧油は低圧で多流量の圧油特性である。本実施例を示す図1には、この種の圧油特性の圧油供給部位を「低圧使用装置部位D2」と表示して図示した。
ところで、最近の車両では、これも前述の背景技術で説明したが、信号停止状態等における車両の一時停止の際には、エンジンを一時停止させるアイドリングストップシステムが備えられている。このシステムにおいて、信号停止の一時停止状態から車両を素早くスムースに発進させるためには、自動変速装置等の動力伝達装置の作動機構における上述の作動機構圧油供給部位D1のうち、一部の作動機構の作動機構圧油供給部位には低圧の作動圧油を供給しておいて、発進待機状態とすることが行われる。この種の作動機構は自動変速装置の入力クラッチ(通称“C1クラッチ”と称されている)や無段変速装置のCVT変速機構であり、本実施例を示す図1には、この種の圧油特性を必要とする圧油供給部位を「特定作動機構圧油供給部位D1−1」と表示して図示した。
【0017】
上記の各圧油供給部位D1,D1−1,D2には、メカニカルポンプ120及び電動ポンプ130からの圧油が圧油供給回路を通じて供給されるようになっている。先ず、作動機構圧油供給部位D1及び低圧使用装置部位D2への圧油の供給は、エンジン回転状態の車両走行可能状態時であることから、エンジンにより駆動されるメカニカルポンプ120からの圧油が供給されるようになっている。このため、メカニカルポンプ120から作動機構圧油供給部位D1に供給する回路として第1圧油供給回路Y1が設けられており、低圧使用装置部位D2に供給する回路として第2圧油供給回路Y2が設けられている。なお、第1圧油供給回路Y1と第2圧油供給回路Y2はメカニカルポンプ120の吐出ポート116から途中までは共用回路となっている。
【0018】
次に、エンジンの回転の有無にかかわらずモータ150により駆動することのできる電動ポンプ130からは、低圧使用装置部位D2へ供給する回路として第3圧油供給回路Y3が設けられており、特定作動機構圧油供給部位D1−1へ供給する回路として第4圧油供給回路Y4が設けられている。この実施例では、低圧使用装置部位D2に通じる第3圧油供給回路Y3への電動ポンプ130からの圧油の供給は、エンジンの回転状態でメカニカルポンプ120も駆動されている状態で、電動ポンプ130のポンプ回転方向が、図1で見て、左廻り回転方向(反時計廻り回転方向)の時に供給されるようになっている。そして、特定作動機構圧油供給部位D1−1に通じる第4圧油供給回路Y4への電動ポンプ130からの圧油の供給は、エンジンの停止状態でメカニカルポンプ120も駆動されていない状態であり、電動ポンプ130のポンプ回転方向が、図1で見て、右廻り回転方向(時計廻り回転方向)の時に供給されるようになっている。
上記第3圧油供給回路Y3には一方向弁74が設けられている。この一方向弁74は電動ポンプ130から低圧使用装置部位D2方向への圧油の流通は許容するが、逆方向の圧油の流通は阻止する弁として配設されている。また、第4圧油供給回路Y4にも一方向弁76が設けられている。この一方向弁76は電動ポンプ130から特定作動機構圧油供給部位D1−1方向への圧油の流通は許容するが、逆方向の圧油の流通は阻止する弁として配設されている。
【0019】
本実施例の圧油供給回路構造は上記のように構成されていることにより、以下のように圧油の供給が行われる。
先ず、エンジンの回転状態で、通常の車両走行状態では、メカニカルポンプ120がエンジンにより駆動されて圧油を発生しており、このメカニカルポンプ120で発生した圧油は第1圧油供給回路Y1を通じて作動機構圧油供給部位D1に供給され、第2圧油供給回路Y2を通じて及び低圧使用装置部位D2に供給される。
本実施例のメカニカルポンプ120のポンプ容量は、ポンプロス及びエンジン動力損失の低減化のため、極力少容量のものとされている。このため、低圧であるが多流量を必要とする低圧使用装置部位D2に供給される圧油の流量が、車両の走行状態によっては不足する場合がある。この場合には、電動ポンプ130をモータ150により左廻り回転方向(反時計廻り回転方向)のポンプ作用により圧油を発生させて、その不足分の流量を圧油供給回路Y3を通じて供給することが行われるようになっている。
次に、車両が一時的に停止したエンジンアイドリングストップ状態では、電動ポンプ130の右廻り回転方向(時計廻り回転方向)のポンプ作用により圧油が発生されて、第4圧油供給回路Y4を通じて特定作動機構圧油供給部位D1−1に供給される。
特定作動機構圧油供給部位D1−1に必要とされる圧油特性は相対的に低圧で少流量の圧油であるため、電動ポンプ130のポンプ容量はこの要求を満たすものであれば良く、メカニカルポンプ120のポンプ容量に比べれば少容量のもので済む。そして、本実施例の回路構成では、この電動ポンプ130で発生する圧油の流量を前述の低圧使用装置部位D2に供給することが可能であるため、メカニカルポンプ120で発生させて低圧使用装置部位D2に供給する圧油の流量で不足する流量は、最大限、この電動ポンプ130のポンプ容量の流量分だけ補うことができる。逆に言えば、電動ポンプ130のポンプ容量を考慮してメカニカルポンプ120のポンプ容量を小さくすることができて、それだけポンプロスを少なくして、エンジンの動力損失を少なくすることができる。
【0020】
このことを、背景技術で説明した図7(A)及び図8(A)と対比して図示した図7(B)及び図8(B)により説明する。
図7(B)はある走行状態における時間経緯(t)に対する各圧油供給部位が必要とする圧油の流量特性線図(A1)と、メカニカルポンプにより供給される圧油の流量特性線図(A2、A3)である。A2が従来のメカニカルポンプのポンプ容量の場合の線図であり、A3が本実施例の回路構成によりメカニカルポンプ120のポンプ容量(流量)をQ1だけ小さくした場合の線図である。このA2とA3の線図の差から分かるように、各圧油供給部位が必要とする圧油の流量特性線図(A1)に対する無駄(ポンプロス)の領域(斜線で示す領域)は、従来の図7(A)に示す領域(斜線で示す領域)に比べ大幅に減少しており、無駄(ポンプロス)の領域が大幅に減少していることが分る。そして、それだけメカニカルポンプ120によるエンジンの動力損失の減少を図ることができている。
しかし、ある走行状態の時点においては、メカニカルポンプ120により供給される圧油の流量特性線図(A3)が各圧油供給部位が必要とする圧油の流量特性線図(A1)より少ないことが生じる。この不足する流量領域(供給不足部分)が図7(B)において編み線で示された部分である。そして、この不足する部分を本実施例では電動ポンプ130を作動させて補うものである。
【0021】
図8(B)は背景技術で説明した図8(A)と対比して示すものであり、ある時点におけるメカニカルポンプ120により供給される圧油に対する所定圧油供給部位が必要とする油圧(P)と流量(Q)との関係を示すグラフ図である。このグラフ図において油圧PHと流量QHで示される領域が上述の作動機構圧油供給部位D1が必要とする圧油領域である。また、油圧PLと流量QH+QLで示される領域が上述の低圧使用装置部位D2が必要とする圧油領域である。そして、本実施例ではメカニカルポンプ120のポンプ容量(流量)を従来QaからQ1だけ小さくしたQbとした場合である。この線図から分かるように、本実施例におけるメカニカルポンプ120の無駄(ポンプロス)の領域(斜線で示す領域)は、従来の図8(A)に示す領域(斜線で示す領域)に比べ大幅に減少しており、無駄(ポンプロス)の領域が大幅に減少していることが分る。
しかし、低圧使用装置部位D2が必要とする流量QH+QLよりメカニカルポンプ120から供給される流量Qbが少ない結果となっている。この不足する流量領域(供給不足部分)が図8(B)において編み線で示された部分である。そして、この不足する部分を本実施例では電動ポンプ130を作動させて補うものである。なお、図8(B)において縦線で示した領域は、電動ポンプ130により供給される圧油のうち無駄となった圧油領域を示すものである。すなわち、電動ポンプ130から供給されるトータルの流量領域は編み線で示した領域と縦線で示した領域を合計した領域である。
【0022】
次に、第2実施例について説明する。第2実施例は図2から図6に示されている。この第2実施例は、2種類のオイルポンプ装置を構成するメカニカルポンプ20と電動ポンプ30が同軸線上で隣接して並列に配置された構成のものである。このオイルポンプ装置は、例えば、流体式トルクコンバータと遊星歯車機構からなる自動変速装置との間に配置されるものであり、これら各装置の回転軸線上で隣接して並列に配置されているものである。
上記第1実施例では、メカニカルポンプには符号120を付し、電動ポンプには符号130を付して説明したが、この第2実施例では、メカニカルポンプには符号20を付し、電動ポンプには符号30を付して説明する。符号及び配置構成は第1実施例と第2実施例は異なるが、基本とするポンプ機能は同じものであり、第2実施例では図示を省略する圧油回路の基本的配置構成は第1実施例と同じ構成となっている。
【0023】
第2実施例のオイルポンプ装置は、図2に示すように、自動変速機のトルクコンバータ1の後方位置(図2では左側位置)に組み込まれて装備されている。自動変速機のケーシング(図示しない)にボルトによって固定されるポンプハウジング10は、図2において左右に分割された第1、第2の両ハウジング体11、12がボルト9によって結合されることで構成される。そして、第1、第2の両ハウジング体11、12の間には、ポンプ組込空間13が形成される。より具体的には、ポンプ組込空間13は、第1ハウジング体11の第2ハウジング体12に対向する内壁面の中心部に軸方向へ凹んで形成された組込凹部と、第2ハウジング体12の第1ハウジング体11に対向する内壁面とにより形成される。
第1ハウジング体11内壁面には、吸入ポート15と吐出ポート16がそれぞれ形成されている。第2ハウジング体12の内壁面には、ポート17と18が形成されている。このポート17と18は、後述する電動ポンプ30の正転回転時には図で見て下位置のポート18が吸入ポートなり、上位置のポート17が吐出ポートとなる。逆に、電動ポンプ30の逆転回転時には図で見て上位置のポート17が吸入ポートなり、下位置のポート18が吐出ポートとなる。
なお、第2ハウジング体12の中心部には、トルクコンバータ1のスリーブ2内に向けてステータシャフト5が形成されている。
【0024】
図3と図5に良く示されるように、ポンプハウジング10のポンプ組込空間13には、エンジンにより駆動されるメカニカルポンプ20と、モータにより駆動される電動ポンプ30とが軸方向に隣接して並列に配置されて組み込まれている。
メカニカルポンプ20は、インナギア21と、アウタギア23とを備え、ポンプ組込空間13の第1ハウジング体11側に組み込まれている。
メカニカルポンプ20のインナギア21は、トルクコンバータ1のスリーブ2に動力伝達可能に結合される中心孔を有し、外周面の周方向には複数の外歯が形成されている。
また、アウタギア23は、インナギア21の中心と偏心(図5中、偏心量Aだけ偏心)し、かつ内周面の周方向には、インナギア21の複数の外歯と噛み合う複数の内歯が形成されている。
そして、インナギア21の外歯と、アウタギア23の内歯との間にはオイル閉込め部25が形成されており、トルクコンバータ1のスリーブ2からの動力伝達を受けてインナギア21が回転し、これに伴ってアウタギア23が追従回転することでポンプ作用をなすようになっている。なお、トルクコンバータ1のスリーブ2はエンジン(図示せず)の回転がそのまま伝達される部材であるので、メカニカルポンプ20はエンジンの回転により駆動される様になっている。
また、この第2実施例において、図3に示すように、メカニカルポンプ20のアウタギア23の一側面(第1ハウジング体11の組込凹部の底面に対向する面)には、凸部23aが形成され、この凸部23aが嵌込まれて係合する凹部11aが第1ハウジング体11の組込凹部の底面に形成されている。そして、メカニカルポンプ20がポンプ組込空間13内に組み込まれ、凸部23aと凹部11aとが嵌込まれて係合することによって第1ハウジング体11にメカニカルポンプ20のアウタギア23が安定よく支持されるようになっている。
【0025】
電動ポンプ30は、図3に示されるように、メカニカルポンプ20の左側位置に隣接して並列に配設されており、ポンプ組込空間13の第2ハウジング体12側に組み込まれている。図6にも良く示されるように、電動ポンプ30はインナギア35と、アウタギア37とが噛合わされて構成されている。そして、この電動ポンプ30のアウタギア37の外周位置にモータ50を構成する部材が配設されている。
モータ50を構成する部材は、図3と図4に示すように、固定子31と回転子33とから成っている。図3に示される回転子33は電動ポンプ30のアウタギア37の外周面に円環状部材として配置されており、アウタギア37とは接着材等により一体的に固定されている。従って、モータ50の回転子33は電動ポンプ30のアウタギア37と一体に回転するようになっている。
モータ50の固定子31は、前述の回転子33の外周位置に回転子33を回転可能状態とする隙間を有して配設されている。この固定子31は、鉄心部32aと、その鉄心部32aの内周面の周方向に形成された複数のコイル装着部に装着された複数のコイル32bとを備える。さらに、固定子31は、第1、第2の両ハウジング体11、12を締結するボルト9による締め代をもって第1、第2の両ハウジング体11、12の間に固定される。
また、固定子31の鉄心部32aの外周面の複数箇所(複数のコイル32bの対応する箇所)には、円弧状の切り欠き凹部31aが形成されている。そして、第1、第2の両ハウジング体11、12を複数のボルト9によって締結する際、これら複数のボルト9のねじ部が切り欠き凹部31aを貫通して複数のボルト9のねじ部と、複数の切り欠き凹部31aとが係合する。そして、複数のボルト9のねじ部と、複数の切り欠き凹部31aとの係合力によって固定子31を強固に回り止めしている。
すなわち、第1、第2の両ハウジング体11、12を複数のボルト9によって締結すると同時に、固定子31の固定を行うことができる。また、複数のボルト9のねじ部が切り欠き凹部31aを貫通することで、第1、第2の両ハウジング体11、12を含む全体の直径寸法が過大となることを抑制することができ、電動ポンプ30の配置スペースの確保が容易となる。
なお、回転子33の外周の固定子31には、複数のコイル32bに対応するS極と、N極の磁石(図示しない)が周方向に交互に配列されている。このS極と、N極の磁石作用を制御することにより回転子33の回転方向を制御することができ、正転回転と逆転回転の両方向の回転を得ることができる。この回転子33の回転方向がそのまま電動ポンプ50のアウタギア23の回転方向となり電動ポンプ50自身の回転方向となる。
【0026】
電動ポンプ30のインナギア35は、ステータシャフト5の外周面に回転可能に嵌挿される中心孔を有し、外周面の周方向には複数の外歯が形成されている。アウタギア37は、その外周部がモータ50の回転子33の内周部に動力伝達可能に設けられ、インナギア35の中心と偏心(図6中、偏心量Bだけ偏心)し、かつ内周面の周方向には、インナギア35の複数の外歯と噛み合う複数の内歯が形成されている。
そして、インナギア35の外歯と、アウタギア37の内歯との間にはオイル閉込め部39が形成される。
そして、モータ50の回転子33の回転によりアウタギア37が回転し、これに伴ってインナギア35が追従回転することでポンプ作用をなすようになっている。
また、この第2実施例において、図3に示すように、電動ポンプ30のアウタギア37の一側面(第2ハウジング体12の内壁面に対向する面)には、凸部37aが形成され、この凸部37aが回転可能に嵌込まれて係合する凹部12aが第2ハウジング体12の内壁面に形成されている。そして、電動ポンプ30がポンプ組込空間13内に組み込まれ、凸部37aと凹部12aとが回転可能に嵌込まれて係合することによって、第2ハウジング体12に電動ポンプ30のアウタギア37が安定よく支持されるようになっている。
【0027】
また、電動ポンプ30のインナギア35及びアウタギア37は、メカニカルポンプ20のインナギア21及びアウタギア23と同径に形成されると共に、偏心量A、Bにおいても同じに設定されている。そして、電動ポンプ30はメカニカルポンプ20による供給流量の不足分を補ったり、エンジンの一時停止時におけるクラッチ機構等をいわゆる半クラッチ状態に保持するレベルの圧油であるため、その供給流量はメカニカルポンプの供給容量に比して小容量とすることができる。ポンプ容量はポンプ1回転当りの押し退け容積により決まる。このため、上記のように電動ポンプ30とメカニカルポンプ20のインナギア35、21及びアウタギア37、23が同径に形成される場合には、電動ポンプ30の必要なオイル量はメカニカルポンプ20の数分の一程度少なくて済むことから、電動ポンプ30のインナギア35及びアウタギア37のその厚み幅は、メカニカルポンプ20のインナギア21及びアウタギア23よりも数分の一程度薄く形成されている。
なお、電動ポンプ30を駆動するモータ50は、図示しない制御装置に接続され、設定されたプログラムに基づいて回転制御されるようになっている。すなわち、回転方向や回転数が制御されるようになっている。
【0028】
図3に示されるように、メカニカルポンプ20の吸入ポート15及び吐出ポート16と、電動ポンプ30のポート17,18との連通を遮蔽する円板状の遮蔽板40が配設されている。
この第2実施例において、遮蔽板40の中心孔の内周面には、ステータシャフト5の外周面に形成されたキー溝に係合して回り止めをなすキー40aが形成されている。
また、遮蔽板40の一側面には、第1ハウジング体11の吸入ポート15及び吐出ポート16とオイル圧を均等に保つために、吸入ポート15及び吐出ポート16と同じ大きさ形状のポート溝44、45が必要に応じて形成されている。さらに、遮蔽板40の他側面には、同様に第2ハウジング体12の各ポート17,18と同じ大きさ形状のポート溝46、47が必要に応じて形成されている。
【0029】
この第2実施例に係るオイルポンプ装置は上述したように構成される。この様に、メカニカルポンプ120と電動ポンプ130とが同軸線上で隣接して並列配置される構成をとることにより、オイルポンプ装置の小型化を図ることができて、容易に動力伝達装置のケーシングに組み込むことができる。
なお、第2実施例はオイルポンプ装置の設置構成が第1実施例と異なっているのみで、各圧油供給部位への圧油の供給回路等の構成は第1実施例と同じであり、第1実施例の場合と同様の圧油の供給が行われるものである。
【0030】
以上、本発明の各実施例について説明したが、本発明はその他各種の形態で実施可能なものである。
例えば、上記実施例では、オイルポンプ装置はメカニカルポンプ及び電動ポンプともギアの噛合いによりポンプ作用をなすものについて説明したが、その他、各種のポンプ機能の装置を用いることができるものである。
また、第2実施例では、電動ポンプとメカニカルポンプのインナギアとアウタギアが同径の場合について説明したが、設置箇所のスペース的制約がある場合には、その径を変えたり、厚み幅を変えて構成してもよい。
また、エンジンの作動時のメカニカルポンプの回転速度よりも電動ポンプの回転速度を、高速(例えば、1.5〜2倍程度高速)に回転制御することも可能である。この場合、電動ポンプを高速回転する分だけ、電動ポンプの小型化を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0031】
10 ポンプハウジング
11 第1ハウジング体
12 第2ハウジング体
13 ポンプ組込空間
20、120 メカニカルポンプ
30、130 電動ポンプ
D1 作動機構圧油供給部位
D1−1 特定作動機構圧油供給部位
D2 低圧使用装置部位
Y1 第1圧油供給回路
Y2 第2圧油供給回路
Y3 第3圧油供給回路
Y4 第4圧油供給回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用エンジンの回転動力を車輪に伝達する動力伝達装置の圧油供給部位に圧油を供給するための圧油供給回路構造であって、
前記動力伝達装置の圧油供給部位として、エンジン回転状態で該動力伝達装置の作動機構を作動制御するために相対的に高圧少流量の作動圧油が供給される作動機構圧油供給部位と、該作動機構圧油供給部位のうちエンジン非回転状態において前記エンジン回転状態時より低圧油の作動圧油が供給される特定作動機構圧力供給部位と、前記エンジン回転状態で動力伝達装置において相対的に低圧多流量の圧油の供給を必要とする低圧使用装置部位と、を備え、
オイルポンプ装置として、前記エンジンで駆動されるメカニカルポンプと、モータにより正逆両方向に回転駆動される電動ポンプとを備え、
前記メカニカルポンプからの圧油を前記各圧油供給部位に供給する圧油供給回路として、前記作動機構圧油供給部位に供給する第1圧油供給回路と、前記低圧使用装置部位に供給する第2圧油供給回路とを備え、
前記電動ポンプからの圧油を前記各圧油供給部位に供給する圧油供給回路として、前記電動ポンプが正逆転の一方向への回転時に供給される圧油を前記低圧使用領域装置部位に供給する第3圧油供給回路と、前記電動ポンプの他方向への回転時に供給される圧油を前記特定作動機構圧力供給部位に供給する第4圧油供給回路とを備えてなり、
前記メカニカルポンプの駆動時に供給される圧油の前記低圧使用装置部位への供給流量が不足するときに電動ポンプの前記他方向への回転駆動により供給される圧油により不足流量を補い、前記メカニカルポンプの非駆動時には電動ポンプの前記一方向への回転駆動により圧油が特定作動機構圧力供給部位へ供給可能とされる回路構成であることを特徴とする車両の動力伝達装置における圧油供給回路構造。
【請求項2】
請求項1に記載の車両の動力伝達装置における圧油供給回路構造であって、
前記メカニカルポンプと前記電動ポンプとは同軸線上で隣接して並列配置されていることを特徴とする車両の動力伝達装置における圧油供給回路構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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