説明

車両の状況管理システム及び車両の状況管理方法

【課題】低コストでありながら確実に且つ迅速に車両の状況の異常を把握することが可能となる。
【解決手段】車載ユニット12は、状況検出部14と、撮像部26と、車両BSの状況の異常を表す記録イベントに対してのセンサ16〜24とカメラ26A〜26D2との対応関係を記憶するシステムメモリ部30と、1以上のカメラで撮像された画像を記憶する第2画像メモリ部34と、記録イベントの発生時の特定及び記録イベントの種類の判別を行うとともに、記録イベントの発生前後に亘って撮像された画像を第2画像メモリ部34に記憶させるCPU部28と、携帯電話回線38により記録イベントの送信及び第2画像メモリ部34へのアクセスを可能とする移動体通信モジュール36と、を備え、管理ユニット40は、記録イベントの受信及び確認を行うとともに、第2画像メモリ部34に記憶された画像の確認が可能なPC44を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の状況管理システム及び車両の状況管理方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の状況を管理するために、特許文献1に示されるような、加速度センサの出力などに基づいて車両外部の画像などをその記憶部に記憶しておくドライブレコーダが提案されている。
【0003】
このようなドライブレコーダにおいて記憶部に記憶された内容を確認するには、記憶部(若しくは記憶部の一部)をドライブレコーダの搭載された車両を停止させた上で取り外し、その車両を管理する管理センタの端末でその記憶部に記憶された画像や音声など(状況情報)を読み取って表示・再生させることとなる。
【0004】
しかし、特許文献1で示されるようなドライブレコーダでは、記憶部に記憶される状況情報のデータ量が膨大であり記憶された状況情報から必要な情報を検索するのに時間がかかる。加えて、車両に何らかの異常な状況が生じても、このようなドライブレコーダでは、その異常な状況を記憶部が取り外せる状態、即ち異常な状況が生じた時点からかなり時間が経った状態で取り外すことが可能となる。このため、管理センタでその異常な状況をその発生時点から間をおかずに迅速に把握することは極めて困難であった。
【0005】
これに対して、例えば携帯電話回線で常時接続し、車両の状況を確認できるように動画画像を連続的に管理センタに送信するといったことが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−20485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、携帯電話回線で動画画像を連続的に送信する場合には、仮に車両において複数方向の動画画像が撮られているとすると、その接続された携帯電話回線上を移動するデータ量(通信トラフィックと称する)が極めて増加した状態となり、且つその状態が連続することとなる。即ち、携帯電話回線の常時接続が行われることで通信料金も高額となり、異常事態に備えるというにはその維持費が高額となってしまう。加えて、車両を連続的に監視するとなると、管理センタではその動画画像を絶えず注視している必要があり、見落としなどの発生で異常な状況を迅速に把握することが逆に困難となるおそれもでてくる。
【0008】
本発明は、これらの問題点を解消するべくなされたものであって、低コストでありながら確実に且つ迅速に車両の状況の異常を把握可能な車両の状況管理システム及び車両の状況管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の実施例により上記課題を解決することができる。
【0010】
(1)車両に搭載されて該車両の状況に関する状況情報を記憶する車載ユニットと、携帯電話回線により該状況情報を確認可能とされた管理ユニットと、を含む車両の状況管理システムであって、前記車載ユニットは、前記車両の状況を検出するための複数種類のセンサを有する状況検出部と、前記状況情報を構成する前記車両の内外における複数方向の画像を撮像する複数の撮像手段を有する撮像部と、前記車両の状況の異常を表す記録イベントに対しての、該記録イベントの発生を判断するために用いられる前記センサと、該記録イベントに関連する画像を撮像可能な撮像手段と、の対応関係を記憶する第1記憶部と、該複数の撮像手段のうちの1以上の撮像手段で撮像された画像を記憶する第2記憶部と、前記第1記憶部に記憶された対応関係に基づき、前記状況検出部の出力から前記記録イベントの発生時の特定及び該記録イベントの種類の判別を行うとともに、該記録イベントの種類と関連付けて前記対応関係で特定された撮像手段で該記録イベントの発生前後に亘って撮像された画像を前記第2記憶部に記憶させる制御部と、該制御部で制御され、前記携帯電話回線により該記録イベントの種類の送信及び前記管理ユニットから前記第2記憶部への接触・接続(アクセス)を可能とする移動体通信モジュールと、を備え、前記管理ユニットは、前記記録イベントの種類の受信及び確認を行うとともに、自身からの前記第2記憶部への接触・接続要求(アクセス要求)により該第2記憶部に記憶された画像の確認が可能な端末を備えることを特徴とする車両の状況管理システム。
【0011】
本実施例では、車載ユニットと管理ユニットとの接続を、携帯電話回線で行っている。携帯電話回線のカバーする通信可能な領域は広範囲なので、通信可能な領域が限定された無線LANを用いる場合に比べて、車載ユニットは広範囲な領域でほぼ絶えず管理ユニットと接続が可能である。同時に、本実施例では、衛星通信回線を使うよりも移動体通信モジュールの費用や回線使用の費用を低コストとすることができる。また、車載ユニットが送信するのは記録イベントがあったときであり、その送信内容は記録イベントの種類である。このため、管理ユニットでは記録イベントの発生を記録イベントの発生時点から間をおくことなく迅速で確実に知ることができ、且つその記録イベントから車両の状況を推定することができる。そして、管理ユニットからのアクセス要求により、第2記憶部に記憶された画像の確認が可能とされている。即ち、管理ユニットで確認される第2記憶部に記憶された画像は、管理ユニットで定められるのではなく、車載ユニットで限定される。つまり、第2記憶部に記憶された画像のデータ量は最小限とされて、携帯電話回線における通信トラフィックの増加を最小限に抑えることができる。このため、無駄な携帯電話回線の使用を回避し、通信料金の低コスト化が可能となるとともに、管理ユニットから、記録イベントの種類に応じた車両の状況の異常を迅速に安定して且つ正確に把握することができる。
【0012】
(2)前記第2記憶部に記憶された画像は一定時間おきに撮像された動画又は静止画であり、前記端末から前記第2記憶部への接触・接続要求(アクセス要求)により前記携帯電話回線が接続され、該第2記憶部に記憶された画像の前記管理ユニットへの転送終了時点に該携帯電話回線が切断されることを特徴とする(1)に記載の車両の状況管理システム。
【0013】
(3)更に、前記車載ユニットでは前記携帯電話回線を介して音声通話が可能とされていることを特徴とする(1)又は(2)に記載の車両の状況管理システム。
【0014】
(4)前記複数種類のセンサは、前記車両の加速度を感知する加速度センサ、該車両の運転席に接近する人の有無を感知する人感センサ、該車両内の所定の音圧以上を感知する音圧センサ、該車両の外側の左前方から所定の距離以内に近づく物体を感知する近接センサ、GPSモジュールのうちの2以上を含むことを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の車両の状況管理システム。
【0015】
(5)車両に搭載されて該車両の状況に関する状況情報を記憶する車載ユニットと、携帯電話回線により該状況情報を確認可能とされた管理ユニットと、を用いる車両の状況管理方法であって、前記車載ユニットに設けられた複数種類のセンサで前記車両の状況を検出する工程と、前記車両の状況の異常を表す記録イベントに対しての、該記録イベントの発生を判断するために用いられる前記センサと、該記録イベントに関連する画像を撮像可能な撮像手段と、の対応関係に基づき、前記複数種類のセンサの出力から前記記録イベントの発生時を特定し、該記録イベントの種類を判別する工程と、前記携帯電話回線により該記録イベントの種類の送信を前記車載ユニットから行う工程と、前記状況情報を構成する前記車両の内外における複数方向の画像を撮像する複数の撮像手段のうちの前記対応関係で特定された撮像手段で該記録イベントの発生前後に亘って撮像された画像を記憶させる工程と、前記管理ユニットの端末で前記記録イベントの種類の受信及び確認を行う工程と、該端末からの接触・接続要求(アクセス要求)により前記記録イベントの発生前後に亘って撮像された画像の確認を行う工程と、を含むことを特徴とする車両の状況管理方法。
【発明の効果】
【0016】
この発明は、低コストでありながら確実に且つ迅速に車両の状況の異常を把握可能にするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1に係る車両の状況管理システムを示すブロック図
【図2】同じく車両に設けられたカメラ等の位置を示す模式図
【図3】同じくシステムメモリ部に記憶された各記録イベントに対するカメラ等の対応関係を示す図
【図4】同じく車両の状況管理の手順を示すフローチャート図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
最初に、本発明の実施例1に係る車両の状況管理システムの構成について、図1〜図3を用いて説明する。
【0020】
本実施例の車両の状況管理システム10は、図1に示す如く、車両BSに搭載されて車両BSの状況に関する状況情報を記憶する車載ユニット12と、携帯電話回線38により状況情報を確認可能とされた管理ユニット40と、を含んでいる。なお、本実施例では、車両BSはバスとされているが、タクシー、列車、船舶等であってもよい。
【0021】
以下、詳細に説明する。
【0022】
前記車載ユニット12は、図1に示す如く、状況検出部14と撮像部26とCPU部28と記憶部29と移動体通信モジュール36とを有する。なお、車載ユニット12は、車両BSのバッテリで駆動されている。本実施例では、車両BSがバスであるためエンジンが停止しても、別に存在する主電源を切らない限り、車載ユニット12へ電源が供給される。
【0023】
状況検出部14は、図1、図2に示す如く、車両BSの状況を検出するための複数種類のセンサを有する。複数種類のセンサは、車両BSの加速度を感知する加速度センサ16、車両BSの運転席S(図2参照)に接近する人の有無を感知する人感センサ18、車両BS内の所定の音圧以上を感知する音圧センサ20、車両BSの外側の左前方から所定の距離以内に近づく物体を感知する近接センサ22、GPSモジュール24を含んでいる。なお、図2で、車両BSの前方向がF、後方向がB、右方向がR、左方向がLである。
【0024】
加速度センサ16は、車両BSの前後左右に作用する重力加速度を検出する。人感センサ18は、運転席Sの近傍で、且つ(運転席Sが車両BSの前方右側にあれば)そのセンサ窓が運転席Sの左側および車両BSの後方にむけられて配置されている。人感センサ18としては、例えば熱源の変化を検出する焦電型赤外線センサを用いることができる。音圧センサ20は、車両BSの前方、後方などの複数位置に配置され、車両BS内の異常を検知する。音圧センサ20はマイクロフォンであり、車両BSの内部の音を連続的に記憶部29に記憶するためにも使用されている。近接センサ22は、車両BSの左前、左中央、左後方などに配置されている。このため、特に車両BSが左折する若しくは右折する際の物体の巻き込みなどの可能性を事前に検出することができる。GPSモジュール24は、GPS衛星からの衛星信号を利用してGPSモジュール24の現在位置(緯度、経度、高度)と現在時刻を高精度に出力することができる。そのほか車両BSの車軸の回転から車速を求める車速センサなどが状況検出部14に含まれていてもよい。なお、車速は、加速度センサ16やGPSモジュール24の出力から求めてもよい。
【0025】
撮像部26は、図2に示す如く、車両BSの状況情報を構成する車両BSの内外における複数方向の画像を撮像する6台のカメラ26A〜26D2を有する。カメラ26A〜26D2は、CCDやCMOSセンサで構成することができる。具体的には、図2に示す如く、カメラ26Aは車両BSの前方を撮像可能に、カメラ26B1(26B2)は車両BSの外側の左前方(右前方)のサイドミラー付近を撮像可能に、カメラ26Cは車両BSの運転席Sと車両BS前方付近を撮像可能に、カメラ26D1、26D2は車両BS内部の後方を撮像可能に、それぞれ取付けられている。なお、カメラ26B2がなくてもよいし、カメラ26D1、26D2のうちのいずれかだけでもよい。カメラ26A〜26D2の出力は、直接的にCPU部28に入力されていてもよいし、一旦イーサネット(登録商標)信号などに変換されてCPU部28に入力されていてもよい。
【0026】
CPU部28(制御部)は、図1に示す如く、状況検出部14、撮像部26、記憶部29、並びに移動体通信モジュール36に接続され、車載ユニット12全体を制御する。具体的には、CPU部28は、記憶部29のシステムメモリ部30(後述)に記憶された対応関係に基づき、状況検出部14の出力から記録イベントの発生時の特定及び記録イベントの種類の判別を行う。そして、CPU部28は、記録イベントの種類と関連付けて前記対応関係で特定されたカメラで記録イベントの発生前後に亘って撮像された(一連の)画像を記憶部29の第2画像メモリ部34(後述)に記憶させることができる。なお、記録イベントは車両BSの状況の異常を表すこととする。
【0027】
CPU部28は、各センサ毎に定められた閾値と各センサの出力とを比較し、閾値を越えたセンサの種類(の組み合わせ)で記録イベントを特定する(ただし、人感センサ18は出力有無で記録イベントを特定する)。同時に、CPU部28は、閾値を越えた時点(人感センサ18は出力有の時点)を記録イベントの発生時として特定する。各閾値自体は、車両BSが通常の状況では出力されない値とされ、記憶部29のシステムメモリ部30(後述)に記憶されている。また、CPU部28は、撮像部26から出力される動画画像を一定時間おき(たとえば一秒間に1枚)に撮像された静止画として切り出して、記憶部29に出力することができる。CPU部28は、IPアドレスが割り振られた移動体通信モジュール36を介して、携帯電話回線38を通じたインターネット経由で管理ユニット40から遠隔操作可能とされている。このため、CPU部28は、移動体通信モジュール36を介して記憶部29に接触・接続要求(アクセス要求)された際には、上記静止画を含めた状況情報を移動体通信モジュール36から転送させることができる。これに加えて、本実施例では、CPU部28で撮像部26からの動画画像をそのまま移動体通信モジュール36に通過させることも可能とされている。
【0028】
記憶部29は、図1に示す如く、システムメモリ部30(第1記憶部)と第1画像メモリ部32と第2画像メモリ部34(第2記憶部)とを有する。
【0029】
システムメモリ部30は、車載ユニット12における各種初期値やCPU部28での制御に用いられる設定値を記憶している。また、システムメモリ部30は、通常の車両BSの運行経路上の複数の位置とその複数の位置にそれぞれ到着する到着時間(若しくは通過時間)を記憶している。また、図3で示す如く、システムメモリ部30は、記録イベントに対しての、記録イベントの発生を判断するために用いられるセンサ(閾値があれば記憶)と、記録イベントに関連する画像を撮像可能なカメラと、の対応関係を記憶している。
【0030】
具体的には、加速度センサ16の出力がその閾値以上であれば、記録イベントが発生したとして記録イベントの種類は「加速度異常」と判別される。その時は、例えば追突事故などが発生したと推定されるので、カメラ26Aで車両BS前方を撮像した画像が選択される。人感センサ18で出力がなされたのであれば、記録イベントが発生したとして記録イベントの種類は「着席異常」(運転席Sエリアに人物が不用意に接近した)と判別される。その時は、例えばバスジャックが発生したと推定されるので、カメラ26Cで車両BSの運転席Sと車両BS前方付近を撮像した画像が選択される。音圧センサ20の出力がその閾値以上となれば、記録イベントが発生したとして記録イベントの種類は「音圧異常」と判別される。その時は、例えば車両BS内で乗客同士若しくは運転手と乗客とのトラブルが発生したと推定されるので、カメラ26C、26D1、26D2で車両BSの内側を撮像した画像が選択される。近接センサ22の出力がその閾値以上となれば、記録イベントが発生したとして記録イベントの種類は「接近異常」と判別される。その時は、例えば左折時(右折時)に車、バイク、自転車などとの接触事故が発生したと推定されるので、カメラ26B1(26B2)で左折時(右折時)の接触事故を撮像した画像が選択される。GPSモジュール24の出力のうちの現在時刻が、運行経路上の同じ位置で得られる時刻とずれていれば、記録イベントが発生したとして記録イベントの種類は「時間遅延」と判別される。その時は、例えば渋滞などが発生したと推定されるので、カメラ26Aで車両BSの車両BS前方を撮像した画像が選択される。GPSモジュール24の出力のうちの現在位置が、運行経路上の位置から大きくずれていれば、記録イベントが発生したとして記録イベントの種類は「経路異常」と判別される。その時は、例えばバスジャック若しくは運転ミスなどが発生したと推定されるので、カメラ26C、26D1、26D2で車両BSの内側やカメラ26Aで道路状況を撮像した画像が選択される。なお、各センサの閾値は、携帯電話回線38を介して、外部から変更可能とされている。
【0031】
第1画像メモリ部32は、CPU部28で定められた一定時間おきに撮像された静止画を画像データとして連続的に記憶する。第1画像メモリ部32の記憶容量は、有限(例えばカメラ26A〜26D2による画像がそれぞれ数十分ずつ記憶可能な記憶容量)とされているので、記憶容量が一杯となった時点で、古い画像データ(静止画)上に新しい画像データ(静止画)が上書きされるようにされている。音圧センサ20の出力も音声データとして一定時間(例えば第2画像メモリ部34に記録される画像データの記録時間と同一)で分割され、同様に古い音声データ上に新しい音声データが上書きされている。
【0032】
第2画像メモリ部34は、カメラ26A〜26D2のうちの1以上のカメラで撮像された画像を記憶する。つまり、CPU部28で記録イベント種類の判別がなされると、システムメモリ部30に記憶された対応関係に基づき特定されたカメラの記録イベントの発生前後に亘る時間(例えば記録イベント発生前20秒間と記録イベント発生後10秒間)の静止画を、第1画像メモリ部32から第2画像メモリ部34にコピーする。このとき、カメラが複数とされた際には、複数方向の画像で1画面を構成するように画像データ(静止画)が画面合成される。同時に、特定された記録イベントに対応する時刻に記憶された音声データも第1画像メモリ部32から第2画像メモリ部34にコピーされる。なお、本実施例では状況情報が画像データと音声データとで構成されている。
【0033】
移動体通信モジュール36は、CPU部28で制御され、携帯電話回線38により判別された記録イベントの種類の送信及び管理ユニット40から第2画像メモリ部34への接触・接続(アクセス)を可能としている。移動体通信モジュール36にはスピーカとマイクロフォンの両方36Aが設けられており、携帯電話回線38を介してデータ通信及び音声通話が同時に可能とされている。なお、スピーカとマイクロフォンの両方36AはCPU部28にも接続され、音声通話の内容が記録可能とされている。即ち、車載ユニット12では、携帯電話回線38を介して音声通話が可能とされている。スピーカとマイクロフォンの両方36Aはヘッドセットの形態とされ、運転手に装着されている。移動体通信モジュール36は、各キャリアから市販されており、低コストで入手が可能である。
【0034】
前記管理ユニット40は、図1に示す如く、携帯電話回線38に接続されたサーバ42とPC44(端末)と携帯電話46とを備える。サーバ42は、車載ユニット12から送信される記録イベントの種類を示すメール(特定メール)を保存する。また、サーバ42は、車載ユニット12から転送される画像を保存する。PC44は、サーバ42にインターネット(イントラネットを含む)で接続されている。PC44からは、上記サーバ42の特定メールに常時アクセス可能とされており、特定メールの確認を自動で絶えず行うことができる。また、PC44は、サーバ42を経由して、車載ユニット12を遠隔操作可能とされている。例えば、PC44からの接触・接続要求(アクセス要求)で、CPU部28は第2画像メモリ部34の記憶内容(状況情報)をサーバ42に転送することができる。即ち、PC44は、記録イベントの受信及び確認を行うとともに、自身からの第2画像メモリ部34へのアクセス要求により第2画像メモリ部34に記憶された画像(静止画の画像データ)と音声データの確認が可能である。なお、サーバ42とPC44とは一箇所(例えば、車両BSを管理する営業所)に設けられている必要はなく、サーバ42は別の場所に配置されていてもよい。携帯電話46は、PC44の操作者が、PC44で画像データと音声データを確認しながら、スピーカとマイクロフォンの両方36Aを介して直接的に運転手に指示を行うために使用される。なお、PCではなく携帯電話を端末として特定メールにアクセスするようにしてもよい。或いは、携帯電話を使わずにPCで運転手と音声通話を行ってもよい。
【0035】
次に、車両BSの状況管理の手順について、図4を用いて以下に説明する。
【0036】
まず、車載ユニット12に設けられた複数種類のセンサで車両BSの状況を検出する。そして、車両BSの状況の異常を表す記録イベントに対しての、記録イベントの発生を判断するために用いられるセンサ(とその閾値)と、記録イベントに関連する画像を撮像可能なカメラと、の対応関係に基づき、複数種類のセンサの出力から記録イベントの発生時を特定し、記録イベントの種類を判別する。
【0037】
具体的には、まず、状況検出部14の各センサからの出力がCPU部28に入力される。このとき、予めシステムメモリ部30から各センサの閾値が読み込まれており、各センサの出力との比較が並列してなされる。即ち、加速度センサ16で得られた加速度がその閾値以上のとき(ステップS2でyes)は「加速度異常」、音圧センサ20で得られた音圧がその閾値以上のとき(ステップS8でyes)は「音圧異常」、近接センサ22で得られた出力がその閾値以上(接近しすぎている)のとき(ステップS12でyes)は「接近異常」、の記録イベントの種類にそれぞれ判別する。なお、人感センサ18の出力があるとき(ステップS4でyes)は、運転手の座席エリアに人物が不用意に入ったとして「着席異常」の記録イベントの種類に判別する。また、システムメモリ部30に記憶された通常の車両BSの運行経路上の位置とその位置に到着する到着時刻(若しくは通過時刻)と、実際のGPSモジュール24から得られる車両BSの現在位置とその現在位置における現在時刻と、をそれぞれ比較する。そして、運行経路上の同じ位置における時間の差がその閾値以上(とくに遅れ)のとき(ステップS6でyes)は、「時間遅延」の記録イベントの種類に判別する。同時に、現在位置が運行経路上の位置に該当しないとき(位置のずれが閾値以上のとき)(ステップS10でyes)は、「経路異常」の記録イベントの種類に判別する。即ち、いずれかのセンサの出力に基づき「異常」が判別された際には、上記ステップS2〜S12に従い「記録イベント有」を判断する(ステップS14でyes)。そして、GPSモジュール24から出力される現在時刻から、記録イベントの発生時を特定する。同時に、記録イベントの種類を判別する(ステップS16)。なお、ここで判断される記録イベントは各センサで独立しており、複数の記録イベントが成立する場合もでてくる。もし、いずれのセンサの出力に基づいても「異常」が判別されなければ(ステップS14でno)、終了し、次の各センサの出力を判断する。
【0038】
次に、携帯電話回線38により、判別された記録イベントの種類の送信を車載ユニット12から行う。具体的には、記録イベントの種類を記録イベントの発生時刻と併せて移動体通信モジュール36より携帯電話回線38を通じて、車載ユニット12から特定メールを送信する(ステップS18)。同時に、記録イベントの種類に応じた内容の第2画像メモリ部34への記憶を行う(ステップS20)。具体的には、図3に示した対応関係でカメラの特定を行い、その特定されたカメラで撮像された記録イベントの発生前後に亘って撮像された一連の静止画(画像データ)及び対応する音声データを第2画像メモリ部34に記憶させる。記憶の一例としては、第2画像メモリ部34に記録イベントの発生時間をフォルダ名として作成する。そして、その中に、更に記録イベントの種類をサブフォルダとして作成し、そのサブフォルダ内に10分間の一連の静止画(例えば記録イベント発生前5分間と記録イベント発生後5分間)及び音圧センサによる10分間の連続した音声データとを保存する。
【0039】
次に、サーバ42上の特定メールをPC44が自動的に取り込む。このため、PC44は、車載ユニット12から送られてきた記録イベントの種類をその発生時間と共に確認することができる。即ち、PC44で記録イベントの種類の受信及び確認を行うことができる。そして、記録イベントの種類から、車両BSの状況の異常を推定することができる。例えば、記録イベントが「加速度異常」である場合には、衝突事故などを推定できる。或いは、記録イベントが「着席異常」である場合には、バスジャックなどを推定できる。或いは、記録イベントが「時刻異常」である場合には、渋滞などを推定できる。或いは、記録イベントが「音圧異常」である場合には、乗客とのトラブルなどを推定できる。或いは、記録イベントが「経路異常」である場合には、バスジャック若しくは運転ミスなどを推定できる。或いは、記録イベントが「接近異常」である場合には、左折時あるいは右折時の巻き込み事故などを推定できる。
【0040】
次に、記録へのアクセスを行う(ステップS22でyes)。PC44で確認される特定メールには、インターネット上の特定の場所URL(サーバ42内に確保された場所)が記載されており、具体的にはPC44上でそこを選択する(クリック)ことで、ブラウザが立上り、その特定の場所URLのWEB画面が表示される。その特定の場所URLでは、第2画像メモリ部34に記憶された(一連の)静止画と音声データを有する状況情報をメニュー形式で選択することができる。即ち、各メニューを選択することで、記録イベントへのアクセス要求が発生する。即ち、PC44からのアクセス要求により記録イベントの発生前後に亘って撮像された画像の確認を行うことができる。詳しく言うならば、状況情報に関するメニューがクリックされることで、第2画像メモリ部34へのアクセス要求が発生し、車載ユニット12とサーバ42とが携帯電話回線38で接続される。そして、サーバ42がCPU部28に第2画像メモリ部34の記憶内容(状況情報)を転送するように要求する。CPU部28は、その要求に応じて第2画像メモリ部34の状況情報をサーバ42に転送する。そして、管理ユニット40のサーバ42への転送終了時点に携帯電話回線38が直ちに切断される。なお、記録イベントの種類の確認より、過去の記録イベントの発生状況から、想定される異常(事態)が生じていないとPC44の操作者が判断した際には、上記メニューが選択されない。即ち、記録イベントへアクセスはなされず(ステップS22でno)、終了する。
【0041】
第2画像メモリ部34の状況情報がサーバ42に転送されると、PC44から特定の場所URLで状況情報を確認することができる(ステップS24;記録の確認)。
【0042】
次に、PC44からアクセス終了通知を行うことで(ステップS26でyes)、第2画像メモリ部34の内容が削除される(ステップS28;記録の削除)。そして、終了する。具体的には、特定の場所URLにおいて記録を削除するためのメニューをクリックすることで、携帯電話回線38が車載ユニット12と接続され、CPU部28を操作して第2画像メモリ部34の内容が削除される。なお、アクセス終了通知がなされなければ、第2画像メモリ部34の内容はそのまま残る(ステップS26でno)。
【0043】
なお、PC44の操作者は、携帯電話46で適時、運転手に連絡をとり、音声による指示をすることができる。また、特定の場所URLでは、PC44から動画画像を選択できるようなメニューも設けてある。このため、状況に応じて、カメラの動画画像(ライブ画像)をPC44の操作者は任意に確認することもできる。
【0044】
このように本実施例では、車載ユニット12と管理ユニット40との接続を、携帯電話回線38で行っている。携帯電話回線38のカバーする通信可能な領域は広範囲なので、通信可能な領域が限定された無線LANを用いる場合に比べて、車載ユニット12は広範囲な領域でほぼ絶えず管理ユニット40と接続が可能である。同時に、本実施例では、衛星通信回線を使うよりも移動体通信モジュール36の費用や回線使用の費用を低コストとすることができる。
【0045】
また、本実施例では、車載ユニット12が送信するのは記録イベントがあったときであり、その送信内容は記録イベントの種類である。このため、管理ユニット40では記録イベントの発生を記録イベントの発生時点から間をおくことなく迅速で確実に知ることができ、且つその記録イベントから車両の状況を推定することができる。特に、本実施例では記録イベントの発生時点も特定メールに記録されて送信されるので、管理ユニット40では正確に記録イベントの発生時点を特定できる。
【0046】
そして、管理ユニットからのアクセス要求により、即ち管理ユニット40で車両BSの状況の確認が必要と判断されたときのみ、第2画像メモリ部34に記憶された静止画と音声データの確認が可能とされている。即ち、管理ユニット40で確認される第2画像メモリ部34に記憶された状況情報(静止画と音声データ)は、管理ユニット40で定められるのではなく、車載ユニット12で限定される。つまり、第2画像メモリ部34に記憶された状況情報のデータ量は最小限とされて、携帯電話回線38における通信トラフィックの増加を最小限に抑えることができる。このため、無駄な携帯電話回線38の使用を回避し通信料金の低コスト化が可能となるとともに、管理ユニット40からは、記録イベントの種類に応じた車両BSの状況の異常を、迅速に安定して且つ正確に把握することができる。
【0047】
また、第2画像メモリ部34に記憶された画像は、一定時間おきに撮像された静止画であり、PC44から第2画像メモリ部34へのアクセス要求により携帯電話回線38が接続され、第2画像メモリ部34に記憶された画像の管理ユニット40への転送終了時点で携帯電話回線38が切断される。このため、状況情報の確認をした際でも、携帯電話回線38において通信トラフィックをそれほど増加させずに、且つその状態を長く保持しないので、通信料金を更に低コストに抑えることができる。同時に、画像データ及び音声データなどの状況情報の確認を迅速に且つ確実に行うことができる。
【0048】
また、車載ユニット12では携帯電話回線38を通じて音声通話が可能とされている。このため、営業所のPC44の操作者と運転手とがより綿密にやり取りでき、より確実な事故防止が可能となる。もし、事故が起こった際に運転手が混乱していても、営業所で状況を冷静に確認できるので、事故後の処理(例えば事故後の救急車の手配、乗客の混雑等を判断するなどで、車両BSの増便などの手配など)を迅速に行うことも可能となる。また、乗客からのその場におけるクレームなどがあっても、操作者からすぐさま適切に対応するように運転手に指示を出すこともできる。
【0049】
また、複数種類のセンサは、加速度センサ16、人感センサ18、音圧センサ20、近接センサ22、GPSモジュール24を備えているので、記録イベントの種類を正確に判別できる。即ち、記録イベントの確認に適した画像の選択がなされることで、転送される状況情報(画像データ)の量を少なく抑えることができる。即ち、通信料金の更なる低コスト化を促進すると共に、状況情報の確認を迅速に且つ確実に行うことができる。
【0050】
即ち、本実施例においては、(通信料金を増大させずに)低コストでありながら確実に且つ迅速に車両BSの状況の異常を把握することが可能となる。
【0051】
本発明について実施例1を挙げて説明したが、本発明は実施例1に限定されるものではない。即ち、本発明の要旨を逸脱しない範囲においての改良並びに設計の変更が可能なことは言うまでも無い。
【0052】
例えば、実施例1においては、第2画像メモリ部34に記憶された画像は一定時間おきに撮像された静止画であり、PC44から第2画像メモリ部34へのアクセス要求により携帯電話回線38が接続され、第2画像メモリ部34に記憶された画像の管理ユニット40への転送終了時点に携帯電話回線38が切断されていたが、本発明はこれに限定されない。たとえば、第2画像メモリ部に記憶された画像が、一定時間の圧縮された動画画像(動画)であってもよい。その場合であっても、必要に応じてしかその動画画像は携帯電話回線を介して転送されず、転送されても相応に通信トラフィックの増大を回避することができる。このため、本発明の効果を相応に奏することができる。
【0053】
また、実施例1においては、移動体通信モジュール36にマイクとスピーカの両方36Aが設けられデータ通信と音声通話が同時に可能とされていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、移動体通信モジュールがデータ通信のみが可能とされて、運転手に音声通話用の携帯電話が別に備えられていてもよい。その場合にも実施例と同様の効果を得ることができるとともに、車載ユニットのCPU部の制御負荷を低減でき、車載ユニットにおける通信負荷を低減することができる。或いは、車載ユニットでは音声通話が可能とされていなくてもよい。その場合であっても、少なくとも、車載ユニットを介して、管理ユニットから確実に且つ迅速に車両BSの状況の異常を把握することが可能であり、実施例1よりも車両BSの状況管理システムを低コスト化することが可能である。
【0054】
また、実施例1においては、複数種類のセンサが、加速度センサ、人感センサ、音圧センサ、近接センサ、GPSモジュールを含むとされていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数種類のセンサが、加速度センサ、人感センサ、音圧センサ、近接センサ、GPSモジュールのうちの2以上含めばよい。その場合には、複数の記録イベントの種類の判別が可能であり、本発明の効果を相応に奏することができる。もちろん、実施例1で記載されたセンサ以外を用いることでもよい。その場合には、更に別の記録イベントの種類が判別可能となる。
【0055】
また、実施例1においては6台のカメラを撮像部が備えていたが、2台以上であればよい。その場合には、記録イベントの種類を判別する意義があり、本発明の相応の効果を得ることができる。
【0056】
なお、実施例1は、通常のドライブレコーダとの併用を否定するものではない。併用した際には、画像情報を後に詳細に確認できるとともに、ドライブレコーダに付随した複数のセンサやカメラを兼用とすることができる。即ち、ドライブレコーダを標準装備するような際には、本発明を導入するコストを低減でき、ドライブレコーダ単体では得られない本発明の効果を得ることができる。
【0057】
また、実施例1では、第2画像メモリ部34に記憶された一連の静止画は10分間(一定時間)とされ、その長さの画像データがサーバ42に転送されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2画像メモリ部に記憶される一連の静止画は数十秒程度とされていてもよい。そして、記録イベントの発生前後の時間の割り振りは等分でなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、車両、特に多数の乗客を乗せるバス等の状況を迅速に把握するための車両の状況管理システム及び車両の状況管理方法として好適である。
【符号の説明】
【0059】
10…車両の状況管理システム
12…車載ユニット
14…状況検出部
16…加速度センサ
18…人感センサ
20…音圧センサ(マイクロフォン)
22…近接センサ
24…GPSモジュール
26…撮像部
28…CPU部(制御部)
29…記憶部
30…システムメモリ部(第1記憶部)
32…第1画像メモリ部
34…第2画像メモリ部(第2記憶部)
36…移動体通信モジュール
38…携帯電話回線
40…管理ユニット
42…サーバ
44…PC(端末)
46…携帯電話
BS…車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されて該車両の状況に関する状況情報を記憶する車載ユニットと、携帯電話回線により該状況情報を確認可能とされた管理ユニットと、を含む車両の状況管理システムであって、
前記車載ユニットは、
前記車両の状況を検出するための複数種類のセンサを有する状況検出部と、
前記状況情報を構成する前記車両の内外における複数方向の画像を撮像する複数の撮像手段を有する撮像部と、
前記車両の状況の異常を表す記録イベントに対しての、該記録イベントの発生を判断するために用いられる前記センサと、該記録イベントに関連する画像を撮像可能な撮像手段と、の対応関係を記憶する第1記憶部と、
該複数の撮像手段のうちの1以上の撮像手段で撮像された画像を記憶する第2記憶部と、
前記第1記憶部に記憶された対応関係に基づき、前記状況検出部の出力から前記記録イベントの発生時の特定及び該記録イベントの種類の判別を行うとともに、該記録イベントの種類と関連付けて前記対応関係で特定された撮像手段で該記録イベントの発生前後に亘って撮像された画像を前記第2記憶部に記憶させる制御部と、
該制御部で制御され、前記携帯電話回線により該記録イベントの種類の送信及び前記管理ユニットから前記第2記憶部への接触・接続を可能とする移動体通信モジュールと、を備え、
前記管理ユニットは、前記記録イベントの種類の受信及び確認を行うとともに、自身からの前記第2記憶部への接触・接続要求により該第2記憶部に記憶された画像の確認が可能な端末を備える
ことを特徴とする車両の状況管理システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2記憶部に記憶された画像は一定時間おきに撮像された動画又は静止画であり、
前記端末から前記第2記憶部への接触・接続要求により前記携帯電話回線が接続され、該第2記憶部に記憶された画像の前記管理ユニットへの転送終了時点に該携帯電話回線が切断される
ことを特徴とする車両の状況管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2において、更に、
前記車載ユニットでは前記携帯電話回線を介して音声通話が可能とされている
ことを特徴とする車両の状況管理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記複数種類のセンサは、前記車両の加速度を感知する加速度センサ、該車両の運転席に接近する人の有無を感知する人感センサ、該車両内の所定の音圧以上を感知する音圧センサ、該車両の外側の左前方から所定の距離以内に近づく物体を感知する近接センサ、GPSモジュールのうちの2以上を含む
ことを特徴とする車両の状況管理システム。
【請求項5】
車両に搭載されて該車両の状況に関する状況情報を記憶する車載ユニットと、携帯電話回線により該状況情報を確認可能とされた管理ユニットと、を用いる車両の状況管理方法であって、
前記車載ユニットに設けられた複数種類のセンサで前記車両の状況を検出する工程と、
前記車両の状況の異常を表す記録イベントに対しての、該記録イベントの発生を判断するために用いられる前記センサと、該記録イベントに関連する画像を撮像可能な撮像手段と、の対応関係に基づき、前記複数種類のセンサの出力から前記記録イベントの発生時を特定し、該記録イベントの種類を判別する工程と、
前記携帯電話回線により該記録イベントの種類の送信を前記車載ユニットから行う工程と、
前記状況情報を構成する前記車両の内外における複数方向の画像を撮像する複数の撮像手段のうちの前記対応関係で特定された撮像手段で該記録イベントの発生前後に亘って撮像された画像を記憶させる工程と、
前記管理ユニットの端末で前記記録イベントの種類の受信及び確認を行う工程と、
該端末からの接触・接続要求により前記記録イベントの発生前後に亘って撮像された画像の確認を行う工程と、
を含むことを特徴とする車両の状況管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−190072(P2012−190072A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50594(P2011−50594)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(391008445)株式会社レゾナント・システムズ (2)
【Fターム(参考)】