説明

車両の車輪用タイヤを製造するための方法及びプラント

【課題】高品質のタイヤを製造する。
【解決手段】仕上げステーションにおいて、トレッドバンドを備えるスリーブを製造するステップが、1)第1の作業位置Aにおいて、仕上げステーションの第1の補助ドラムに第1のベルト構造体を組み立てるステップと、2)第2の作業位置Bにおいて、仕上げステーションの第2の補助ドラムに予め組み立てられた第2のベルト構造体に対して半径方向外側位置に、トレッドバンドを貼り付けるステップと、3)第1のベルト構造体を支持する第1の補助ドラムを第2の作業位置Bに位置決めするステップと、4)円筒状のスリーブを支持する第2の補助ドラムを仕上げステーションの持ち上げ位置に位置決めするステップと、を含む。ステップ1)〜4)が周期的に繰り返され、ステップ1)と2)が互いに少なくとも部分的に同時に行われ、ステップ3)と4)が互いに少なくとも部分的に同時に行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、車両の車輪用タイヤを製造するための方法に関する。
【0002】
本発明はまた、上記製造方法を行うために使用し得る車両用タイヤを製造するためのプラントと、車両の車輪用タイヤを製造するためのプラントとに関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術
車両の車輪用タイヤは、一般に、環状固定構造体の周りでループ状に折り返された端部フラップを両側にそれぞれ有する少なくとも1つのカーカスプライを含むカーカス構造体を備え、前記固定構造体の各々は、通常、実質的に周方向の環状インサートから成り、前記固定構造体の半径方向外側位置において、前記環状インサートに少なくとも1つの充填インサートが貼り付けられる。
【0004】
互いにまたカーカス構造体に半径方向に重ね合わせられた関係で配置された補強繊維コード又は補強金属コードを有する1つ以上のベルト層を備えるベルト構造体が、カーカス構造体に関連付けられる(associated)。タイヤを構成する他の半完成品と同様にエラストマー材料から製造されたトレッドバンドは、ベルト構造体の半径方向外側位置でベルト構造に貼り付けられる。
【0005】
本発明の説明の枠内においてまた冒頭の特許請求の範囲において、「エラストマー材料」という用語は、少なくとも1つのエラストマーポリマーと少なくとも1つの補強充填剤とを含む組成物を示すために用いられる。このような組成物は、例えば、架橋剤及び/又は可塑剤のような添加剤をさらに含むことが好ましい。架橋剤が存在することによって、このような材料は、完成品を形成するように熱によって架橋することができる。
【0006】
さらに、エラストマー材料のそれぞれのサイドウォールもカーカス構造体の側面に貼り付けられる。前記サイドウォールの各々は、トレッドバンドの側縁の一方からビードのそれぞれの環状固定構造体まで延在し、このサイドウォールは、異なる実施形態に応じて、通常「上層サイドウォール」と呼ばれるタイプの構造スキームを形成するようにトレッドバンドの側縁に重ね合わせられるか、又は「下層サイドウォール」と呼ばれるタイプの構造スキームに従ってカーカス構造体とトレッドバンド自体の側縁との間に挿入されたそれぞれの半径方向外側端縁を有することができる。
【0007】
タイヤを製造するための従来の工程の大部分において、カーカス構造体と、レッドバンドを伴うベルト構造体とは、それぞれのワークステーションで互いに別々に製造され、その後、互いに組み立てられることが規定される。
【0008】
より詳しくは、カーカス構造体の構築は構築ステーションで行われ、この構築ステーションにおいて、最初に、ほぼ円筒状のスリーブを形成するために、「構築ドラム」として通常特定される第1のドラムへの1つ又は複数のカーカスプライの付着(deposition)が行われる。ビードの環状固定構造体は、1つ又は複数のカーカスプライの両側の端部フラップに装着又は形成され、次に、この端部フラップは、ある種のループで環状構造体を囲むように環状構造体自体の周りで折り返される。
【0009】
それと同時に、第2のドラム(概して補助ドラムという用語で示されている)が設けられた仕上げステーションにおいて、同様にほぼ円筒状である外側スリーブが製造される。この外側スリーブは、互いに半径方向に重ね合わせられた関係で置かれたベルト層と、ベルト層の半径方向外側位置においてベルト層に貼り付けられたトレッドバンドとを備える。
【0010】
次に、外側スリーブは、カーカススリーブに結合されるために、補助ドラムから持ち上げられる。このために、外側スリーブがカーカススリーブの周りに同軸関係に配置され、次に、タイヤのカーカス構造体の半径方向外側位置においてベルト/トレッドバンドのスリーブを前記カーカス構造体に貼り付けることを決定するように、ビードを互いに近接するように軸方向に移動させ、それと同時に、圧力下にある流体をカーカススリーブに収容することによって、1つ又は複数のカーカスプライが円環状の形態に成形される。
【0011】
カーカススリーブを構築するために用いられる同一のドラムにおいて、カーカススリーブと外側スリーブとの組立を行うことができ、この場合、「単一段階の製造工程」が参照される。このタイプの製造工程は、例えば、米国特許第3,990,931号明細書に記載されている。
【0012】
代わりに、例えば、欧州特許第0613757号明細書に記載されているように、いわゆる「2段階製造工程」に従ってタイヤを製造すべく、カーカススリーブ及び外側スリーブが移送されるいわゆる「成形ドラム」において組立を行ってもよい。
【0013】
従来の製造方法では、トレッドバンドは、通常、連続的に押出し成形されたセクション部材(section member)から製造され、この連続的に押出し成形されたセクション部材は、その幾何学的形状を安定化させるように冷却された後、適切なベンチ又はリールに蓄積される。次に、セクション又は連続ストリップ形状の半完成品が供給ユニットに送られ、この供給ユニットが、セクションを持ち上げるか又は連続ストリップを所定の長さのセクションに切断し、各セクションが、製造中のタイヤのベルト構造体に周方向に貼り付けられてトレッドバンドを構成する。
【0014】
機械的特性とタイヤの品質とをさらに向上させるために、予め押出し成形されかつベンチに又はリールに蓄積された連続ストリップを巻回して所定のサイズに切断するのではなく、代替方法で、すなわち、ベルト構造体に直接並んで配置されたコイル状に(according to coils)、連続する細長要素を巻回することによって、トレッドバンドを実現することが最近提案された。
【0015】
実用的な観点から、このことは、例えば、同一出願人の名義の国際特許出願、国際公開第2004/041521号パンフレットに記載されているように、以下の3つのステップを含む組立工程によって達成することができる。
i)少なくとも1つのベルト層を備えるベルト構造体を補助ドラムに配置するステップ、
ii)連続する周方向コイル状に、エラストマー材料の少なくとも1つの連続する細長要素をベルト構造体に巻回することによって、トレッドバンドをベルト構造体に貼り付けるステップ、
iii)ベルト構造体とトレッドバンドとを含む円筒状スリーブを補助ドラムから持ち上げて、カーカススリーブに対して同軸にセンタリングされた位置に前記スリーブを移送するステップ。
【0016】
このような連続する細長要素は、その場(in situ)で得られ、また複数のコイルを形成し、この複数のコイルの配向及び相互の重ね合わせパラメータは、電子計算機で予め設定された所定の付着スキームに基づいて、製造中にトレッドバンドに付与すべき厚さを変更することを制御するように適切に管理され、このようにして、トレッドバンドの品質特性が著しく向上し、このことにより、次に、タイヤの性能及び寿命に好影響が与えられる。
【0017】
しかし、製造の観点から、タイヤの機械的特性及び品質特性のこの向上には、解決すべき困難な問題、すなわち、ベルト構造体とトレッドバンドとを備えるほぼ円筒状のスリーブが製造される仕上げステーションの生産性(単位時間で製造できる部片の数を意味する)に、カーカス構造体の構築ステーションの通常高い生産性を適合させるという問題が含まれる。
【0018】
実際に、仕上げステーションの生産性は、未加硫エラストマー材料の連続する細長要素のコイル巻回ステップの固有の遅さの影響を非常に受ける。
【0019】
カーカス構造体の構築ステーションの生産性と、ベルト構造体/トレッドバンドのスリーブが製造される仕上げステーションの生産性との不一致は、無視できず、特に、トレッドバンドが、例えば、基部と、地面に係合するように意図された半径方向外側部分とのような、少なくとも2つの部分を備える場合、管理上、重要である。より正確には、構築ステーションで構築されたカーカス構造体は、上記スリーブを収容するために待機しているあいだ、そのセンタリング状態を失わないように固定されたままであり、上記部分の製造に起因して、前記待機により、次のカーカス構造体を構築することを妨げる状態が、数分のオーダの期間だけ継続してしまうので、グリーンタイヤを製造するのに必要な全サイクル時間が延長される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
発明の基礎となる課題
本出願人は、トレッドバンドのスリーブが、少なくとも1つの連続する細長要素をコイルに巻回することによって製造されたトレッドバンドを含む場合でも、カーカス構造体の構築ステーションの異なる生産速度と、ほぼ円筒状のベルト構造体/トレッドバンドのスリーブを製造するように意図された仕上げステーションとの異なる生産速度とを適合させつつ、高品質のタイヤを製造する、という課題を解決することを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
発明の概要
本発明によれば、本出願人は、以下の3つの手法を用いることによって、半完成品の組立を提供するタイヤ製造工程の枠組みにおいて、製品の生産性及び品質全体に関して著しい向上が実現されることを見出した。
−少なくとも2つの補助ドラムにおいて、仕上げステーションで実現される種々の半完成品を支持すること、
−ベルト構造体とトレッドバンドとを含むスリーブを製造するように意図された仕上げステーションにおいて、周期的に繰り返される製造ステップ及びドラム位置決めステップの特別なスーケンスを行うこと、
−仕上げステーションの異なる領域に画定された2つの作業位置において、互いに少なくとも部分的に同時に行われる動作ステップによって、カーカス構造体とトレッドバンド(未加硫エラストマー材料の少なくとも1つの連続する細長要素をコイル状に巻回することによって)とを実現すること。
【0022】
より詳しくは、本発明は、その第1の態様によれば、車両の車輪用タイヤを製造するための方法であって、
a)構築ステーションにおいて、軸方向に互いに離間した環状固定構造体に動作可能に結合された少なくとも1つのカーカスプライを備えるほぼ円筒状のカーカス構造体を構築するステップと、
b)仕上げステーションにおいて、少なくとも1つのベルト層を備えるベルト構造体に対して半径方向外側位置に貼り付けられたトレッドバンドを備えるほぼ円筒状のスリーブを製造するステップであって、
b1)第1の作業位置において、仕上げステーションの第1の補助ドラムに第1のベルト構造体を組み立てるステップと、
b2)第2の作業位置において、仕上げステーションの第2の補助ドラムに予め組み立てられた第2のベルト構造体に対して半径方向外側位置にトレッドバンドを貼り付けるステップであって、該貼付ステップが、それぞれの所定の経路に沿って、未加硫エラストマー材料の第1及び第2の連続する細長要素を、前記第2のベルト構造体に対して半径方向外側位置に置くことによって行われる貼付ステップと、
b3)第1のベルト構造体を支持する第1の補助ドラムを前記第2の作業位置に位置決めするステップと、
b4)このようにして得られたほぼ円筒状のスリーブを支持する前記第2の補助ドラムを仕上げステーションの持ち上げ位置に位置決めするステップと、
を含むステップb)と、
c)前記ほぼ円筒状のスリーブを仕上げステーションの前記持ち上げ位置から、構築ステーションでその間に(in the meantime)構築されたカーカス構造体に対して半径方向外側位置に移送するステップとを含み、
前記ステップb1)〜b4)が周期的に繰り返され、
前記ステップb1)とb2)が互いに少なくとも部分的に同時に行われ、
前記ステップb3)とb4)が互いに少なくとも部分的に同時に行われる方法に関する。
【0023】
本発明による製造方法の好ましい特徴は、その内容全体が参照により本明細書に援用されている添付された従属請求項2〜24で規定されている。
【0024】
本発明の別の態様によれば、上記方法は、
a)軸方向に互いに離間した環状固定構造体に動作可能に結合された少なくとも1つのカーカスプライを備えるほぼ円筒状のカーカス構造体を構築するための構築ステーションと、
b)少なくとも1つのベルト層を備えるベルト構造体に対して半径方向外側位置に貼り付けられたトレッドバンドを備えるほぼ円筒状のスリーブを製造するための仕上げステーションであって、
b1)第1の補助ドラムと、
b2)第2の補助ドラムと、
b3)前記補助ドラムを支持するように、また前記ベルト構造体が組み立てられる第1の作業位置に、前記トレッドバンドが貼り付けられる第2の作業位置に、及び前記ほぼ円筒状のスリーブの持ち上げ位置に、前記補助ドラムを位置決めするように構成された移動装置であって、前記第1の作業位置及び前記第2の作業位置が、仕上げステーションの異なる領域に画定される、移動装置と、
b4)前記補助ドラムの一方と動作可能に相互作用するために(operatively interacting)前記第2の作業位置に配置された、未加硫エラストマー材料(green elastomeric material)のそれぞれの連続する細長要素の少なくとも2つの供給部材と、
を備える仕上げステーションと、
c)構築ステーションで構築されたカーカス構造体に対して半径方向外側位置に、仕上げステーションで製造された前記ほぼ円筒状のスリーブを移送するために、前記持ち上げ位置で前記補助ドラムの一方と動作可能に相互作用するように構成された、前記ほぼ円筒状のスリーブの少なくとも1つの移送装置と、
を備える、車両の車輪用タイヤを製造するためのプラントによって行うことができる。
【0025】
本発明による製造プラントの好ましい特徴は、その内容全体が参照により本明細書に援用されている添付された従属請求項26〜40で規定されている。
【0026】
本発明の別の態様によれば、本発明は、上記製造プラントと、上記製造プラントで製造されたタイヤを加硫するための少なくとも1つの加硫ステーションとを備える、車両の車輪用タイヤを製造するためのプラントに関する。
【0027】
本発明の追加の特徴及び利点は、本発明に基づく、車両の車輪用タイヤを製造するための方法及びプラントの、好ましいが、限定的でない実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0028】
例示的でありかつ限定的でない添付図面を参照して、本発明について以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に基づく、タイヤを製造するためのプラントの第1の好ましい実施形態の概略平面図である。
【図2】本発明の方法及びプラントに従って得ることが可能なタイヤの概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
好ましい実施形態の詳細な説明
図1を参照すると、本発明の好ましい実施形態による製造方法を行うように構成された、車両の車輪用タイヤを製造するためのプラントが、概して1で示されている。
プラント1によって製造できるタイヤは、図2において概して2で示されており、車両の車輪又は重車両の車輪に備えられるように意図されたタイヤであることができる。
【0031】
タイヤ2は、本質的にほぼ円環状の形態を有するカーカス構造体3と、カーカス構造体3の周りに周方向に延在するほぼ円筒状の形態を有するベルト構造体4と、ベルト構造体4の半径方向外側位置においてベルト構造体4に貼り付けられたトレッドバンド5と、カーカス構造体3の両側に横方向に貼り付けられ、かつトレッドバンド5の側縁からカーカス構造体3の半径方向内縁まで各々が延在する、一対のサイドウォール6とを備える。
【0032】
各サイドウォール6は、本質的に、図2の実線で示されているように、通常「下層サイドウォール」として特定される種類の構造スキームに従って、適切な厚さを有するエラストマー材料の層を備え、またトレッドバンド5の軸方向端部によって少なくとも部分的に覆われた半径方向外端テールピース6aを有し得る。
【0033】
代わりに、図2の一点破線で示されているように、通常「上層サイドウォール」として特定される種類の構造スキームを実現するために、サイドウォール6の半径方向外端テールピース6aをトレッドバンド5の対応する軸方向端部に横方向に重ね合わせてもよい。
【0034】
カーカス構造体3は、通常「ビード」として特定される領域に一体化された一対の環状固定構造体7を備え、これらの一対の環状固定構造体の各々は、例えば、通常「ビードコア」と呼ばれる実質的に周方向の環状インサート8から成り、また前記一対の環状固定構造体の半径方向外側位置でエラストマー充填材9を支持する。環状固定構造体7の各々の周りにおいて、2つの環状固定構造体7の間の所定の傾斜にできるだけ従ってタイヤ2の周方向伸長部に対して横断方向に延在する繊維コード又は金属コードを備える1つ以上のカーカスプライ10の端部フラップ10aが折り返される。
【0035】
次に、ベルト構造体4は、適切な材料、例えば金属コード又は繊維コードから製造された補強コードを備える少なくとも1つのベルト層、好ましくは、少なくとも2つのベルト層11a、11bを備える。
【0036】
上記補強コードは、一方のベルト層と他方のベルト層との間でそれぞれ交差する方向に、タイヤ2の周方向伸長部に対して適切に傾斜することが好ましい。
【0037】
好ましい実施形態では、ベルト構造体4は、ベルト層11a、11bに対して半径方向外側位置に少なくとも1つのベルト層12をさらに備え、この少なくとも1つのベルト層は、少なくとも1つの補強コード、好ましくは、軸方向に並んで配置されたコイル状に周方向に巻回され、かつ関連技術で通常「0度のコード」と呼ばれる、複数のコードを含む。
【0038】
好ましい実施形態では、ベルト構造体4は、ベルト構造体4の横断方向伸長部全体に実質的に延在する0度のコードを含むベルト層12を備えることができる。代わりに、ベルト構造体4は、図2に概略的に示されているように、タイヤ2の両側ショルダ領域の近くに配置されかつ制限された幅の一部に沿って軸方向に延在する、0度のコードを各々が含む一対のベルト層12を備えてもよい。
【0039】
トラック及び大型輸送車両用タイヤのような重作業用タイヤ(heavy-duty tyres)において、ベルト構造体4は、エラストマー材料から製造された別の層13を、ベルト層11a、11bに対して半径方向外側位置に組み込むことも可能である。別の層13は、異物が下層ベルト層に入ることを防止するように意図された、通常「ブレーカ層」と呼ばれる複数の補強コードを含むことが好ましい。
【0040】
トレッドバンド5は、本質的に、1つのエラストマー材料から成るか、又はその代わりに、適切な組成と適切な機械的特性及び物理化学的特性とを有するそれぞれのエラストマー材料から成るいくつかの部分を備えてもよい。
【0041】
これらの部分は、適切な厚さを有する半径方向に重ね合わせられた1つ以上の層によって、所定の構造に従ってトレッドバンドの軸方向伸長部に沿って配置された適切に成形されたセクターによって、又は両方の組み合わせによって構成することが可能である。
【0042】
このようにして、例えば、トレッドバンド5は、例えばタイヤの転がり抵抗を低減するように構成された適切な組成及び機械的特性及び物理化学的特性を有する第1のエラストマー材料から本質的に成る半径方向内側層又は基層と、例えば湿潤路面におけるグリップ性能とタイヤの耐摩耗性とを最適化するように構成されると共に第1のエラストマー材料とは異なる組成及び機械的特性及び物理化学的特性を有する第2のエラストマー材料から本質的に成る半径方向外側層とを含んでもよい。
【0043】
特に、環状固定構造体7、カーカスプライ10、ベルト層11a、11b、及び少なくとも1つの補強コードを含みかつベルト層12、選択的にブレーカ層13を形成するように意図されたエラストマー材料の要素(ストリップ状要素)のような、カーカス構造体3及びベルト構造体4の個々の構成要素が、以下に説明するステップに従って互いに適切に組み立てられるように、先行する製造ステップ中に製造された半完成品形状でプラント1に供給される。
【0044】
次に、図1を参照して、車両の車輪用タイヤを製造するための、例えば、上記種類のタイヤ2を製造するための、本発明によるプラント1の第1の好ましい実施形態について説明する。
【0045】
以下の説明において、半完成品の状態のタイヤ2の種々の構成要素について、また未加硫状態、すなわち、種々の半完成品を共に結合して最終的なタイヤ2を提供する加硫作業の前の状態で使用される種々のエラストマー材料に関して、言及する。
【0046】
プラント1は、軸方向に互いに離間した環状固定構造体7に動作可能に結合された1つ以上のカーカスプライ10を備えるほぼ円筒状のカーカス構造体3を構築するように意図された構築ステーション14を備える。
【0047】
構築ステーション14は、1つ又は複数のカーカスプライ10が好ましくは巻回される一次ドラム15(任意の都合の良い方法で製造できるので、詳細に説明されていない)を備える。前記プライが供給ライン16から来ると、ほぼ円筒状のいわゆる「カーカススリーブ」を形成するように一次ドラム15に貼り付けられる前に、前記供給ラインに沿って、前記プライが、一次ドラム15の周方向延長部に関連する適切な長さのセクションに切断される。
【0048】
構築ステーション14は、サイドウォール6を供給するためのライン(図示せず)も備え、このラインは、エラストマー材料の連続ストリップ形状の半完成品を供給する。この半完成品から、所定の長さのセクションが切断される。前記長さは、一次ドラム15及び製造すべきタイヤ2の周方向延長部に関連する。
【0049】
代わりに、構築ステーション14に、カーカス構造体3の構成要素の組立、及び、可能であればサイドウォール6の構成要素の組立も行う別の構築ドラム(図示せず)と、組み立てられたカーカススリーブを一次ドラム15に移送するための移送装置(同様に図示せず)とを設けてもよい。
【0050】
プラント1は、
i)1つ以上の未加硫エラストマー材料を含むトレッドバンド5であって、ベルト構造体4に対して半径方向外側位置に貼り付けられるトレッドバンド5と、
ii)一方のベルト層と他方の層との間でそれぞれ交差する方向に従って前記スリーブの周方向伸長方向に対して適切に傾斜した補強コードを含む層11a、11bを含み、前記ほぼ円筒状のスリーブの周方向伸長方向に対して実質的に平行な補強コードを含む層12であって、この好ましい別形態では、層11a、11bに対して半径方向外側位置に貼り付けられる層12を選択的に含み、この好ましい別形態では、層12に対して半径方向外側位置に貼り付けられるブレーカ層13を選択的に含む、ベルト構造体4と、
を備えるほぼ円筒状のスリーブを製造するように意図された仕上げステーション17をさらに備える。
【0051】
次に、仕上げステーション17は、第1の補助ドラム19と第2の補助ドラム20とを支持するように、また上記ほぼ円筒状のスリーブを製造するために必要な動作ステップが行われる複数の作業位置に、前記補助ドラム19、20を位置決めするように構成された移動装置18を備える。
【0052】
より詳しくは、移動装置18は、ベルト構造体4が組み立てられる図1の符号Aで示されている第1の作業位置に、トレッドバンド5が貼り付けられる図1の符号Bで示されている少なくとも1つの第2の作業位置に、また仕上げステーション17で製造されたほぼ円筒状のスリーブの持ち上げ位置Cに、補助ドラム19、20を位置決めするように構成される。
【0053】
この好ましい実施形態では、ほぼ円筒状のスリーブの持ち上げ位置Cは第1の作業位置Aと実質的に一致する。
【0054】
第1の作業位置A及び第2の作業位置Bは、仕上げステーション17の異なる領域に画定され、好ましくは、移動装置18の反対側に画定される。
【0055】
さらに、図1に示されている好ましい実施形態では、持ち上げ位置Cにおいて、移動装置18によって持ち上げ位置Cに位置決めされた補助ドラム19、20が、構築ステーション14の一次ドラム15と同軸整列関係となるように配置されることが提供される。
【0056】
仕上げステーション17は、移動装置18によって第1の作業位置Aに配置された補助ドラム19、20と動作可能に相互作用するように構成された、概して21で示されている、同一の補助ドラムにベルト構造体4を貼り付けるための装置を備える。
【0057】
次に、貼付装置21は、移動装置18によって第1の作業位置Aに配置された補助ドラム19、20と動作可能に相互作用するために前記作業位置に配置された、ベルト層11a、11bの少なくとも1つの供給装置24を備える。
【0058】
例としては、供給装置24は、それ自体既知であるように、連続ストリップ形状の半完成品を前方に移動させる少なくとも1つの供給ライン24aを含むことが可能である。ここで、前記ストリップは、補助ドラム19、20の周方向伸長部に対応する長さのセクションに切断され、同時に、それぞれのベルト層11a、11bが同一のドラムに形成される。
【0059】
好ましい実施形態では、仕上げステーション17の貼付装置21は、少なくとも1つの補強コード、好ましくは複数の補強繊維コード又は補強金属コードを含む未加硫エラストマー材料のストリップ状要素23の少なくとも1つの供給装置22をさらに備える。ストリップ状要素23は、ベルト層12を形成するように意図された軸方向に連続する周方向コイルを形成するためにベルト層11a、11bに対して半径方向外側位置に貼り付けられる。
【0060】
このために、供給装置22は、移動装置18によって第1の作業位置Aに配置された補助ドラム19、20と動作可能に相互作用するために前記作業位置に配置される。
【0061】
好ましい実施形態では、装置21は、上記ブレーカ層13を形成するために移動装置18によって第1の作業位置Aに配置された補助ドラム19、20と動作可能に相互作用するために前記作業位置に配置された、複数の補強コードを含むことが好ましい別のベルト層の少なくとも1つの供給装置をさらに備える。
【0062】
仕上げステーション17は、未加硫エラストマー材料のそれぞれ連続する細長要素27、28の少なくとも2つの供給部材25、26をさらに備え、これらの供給部材は、移動装置18によって第2の作業位置Bに配置された補助ドラム19、20と動作可能に相互作用するために前記作業位置に配置される。
【0063】
図1に示されている好ましい実施形態では、連続する細長要素27、28の供給部材25、26は、移動装置18によって第2の作業位置Bに配置された補助ドラム19、20の両側で(at opposite sides)動作可能に相互作用するために前記作業位置に配置される。
【0064】
供給部材25、26は、第2の作業位置Bに配置された補助ドラム19又は20に予め組み立てられたベルト構造体4に、連続する周方向コイル状に、連続する細長要素27、28を置くように構成される。
【0065】
より詳しくは、供給部材25、26は、以下にさらに分かりやすく説明するように、細長要素自体をベルト構造体4に対して半径方向外側位置に巻回するのと同時に、第2の作業位置Bで補助ドラム19又は20によって支持されたベルト構造体4に対して半径方向外側位置に、連続する細長要素27、28を供給するように構成された、例えば押出機あるいはその代わりに貼付ローラ又は他の部材を備えることができる。
【0066】
供給部材25、26の各々は、図1の参照番号29、30で示されている少なくとも1つの押出機を備えることが好ましい。
【0067】
押出機29、30によって供給された連続する細長要素を、ベルト構造体4に対して半径方向外側位置に巻回するために、図1に示されている好ましい実施形態の移動装置18は、補助ドラム19、20の幾何学的軸線を中心に補助ドラム19、20を回転させるように構成された少なくとも1つのドラム回転ユニット、好ましくは一対の回転ユニット31、32を備える。
【0068】
このようにして、ベルト構造体4に対する半径方向外側位置において、連続する細長要素27、28の制御された付着を効果的に行うことが有利に可能である。
【0069】
図1に示されているものによれば、移動装置18は、ほぼタレット状のタイプ(turret-like type)であり、互いに角度的にオフセットされた(angularly offset with each other)、例えば約180°の角度でオフセットされた位置で、補助ドラム19、20を支持するように構成されることが好ましい。
【0070】
移動装置18には、補助ドラム19、20を上記第1の作業位置A及び上記第2の作業位置Bに位置決めするように、実質的に垂直な回転軸線Y−Yを中心に移動装置18全体を回転させるべく構成された、少なくとも1つの駆動ユニット35がさらに設けられることが好ましい。
【0071】
補助ドラム19、20及びそれぞれの駆動ユニット31、32は、支持キャリッジ(図1にはあまり明確に示されていない)に沿って移動装置18によって摺動可能に支持され、次に、前記支持キャリッジは、移動装置18の回転可能な支持プラットフォーム39に摺動可能に取り付けられることが好ましい。
【0072】
各補助ドラム19、20は、回転可能な支持プラットフォーム39に沿って、対応する回転ユニット31、32と共に一体的に移動することが好ましい。
【0073】
好ましい実施形態では、移動装置18は、作業位置A、Bにおいて、又は仕上げステーション17で製造されたベルト構造体4とトレッドバンド5とを含むほぼ円筒状のスリーブの持ち上げ位置Cにおいて、ドラム19、20の制御された軸方向移動を行うように構成された少なくとも1つのドラム移動ユニットを備える。
【0074】
上記ドラム移動ユニットにより、補助ドラム19、20の制御された軸方向移動のみならず、関連付けられた回転ユニット31、32の制御された軸方向移動も行われることが好ましい。
【0075】
図1に示されている好ましい実施形態では、移動装置18は、例えば、補助ドラム19、20を支持する上記キャリッジに関連付けられた対応するナットのねじ山に係合するように構成されたウォームねじを備えたタイプの、一対のドラム移動ユニット33、34を備える。
【0076】
明確に、ドラム移動ユニットは、例として上述されたものとは異なる作動機構であって、特定用途の要求に基づき当業者によって選択可能な作動機構を備えることができる。
【0077】
移動装置18のドラム移動ユニット33、34は、作業位置A、B又は持ち上げ位置Cと、前記位置A、B、Cから移動装置18の回転軸線Y−Yまでの間に画定された待機位置との間で、ドラム19、20を移動することが好ましい。
【0078】
補助ドラム19、20の上記待機位置は、回転可能な支持プラットフォーム39の外周の内側に画定されることが好ましい。
【0079】
ドラム移動ユニット33、34が、図1の二重矢印F3、F4で示されているように、移動装置18の回転軸線Y−Yを通過する半径方向に沿って、ドラム19、20を移動することが好ましい。
【0080】
このようにして、ドラム移動ユニット33、34により、以下の有利な技術的効果を達成することが可能になる。
i)供給部材25、26に対して補助ドラム19、20を適切に移動させる効果、
ii)高い品質レベルを有するトレッドバンド5を製造するために必要なものに従って、ベルト構造体4に対する半径方向外側位置において、部分的に並んで配置され及び/又は部分的に互いに重ね合わせられたコイル状に、連続する細長要素27、28の制御された付着を行う効果、
iii)例えば、タイヤ2の任意の構造の非対称性を補償するために、貼付装置21によって供給されるベルト層の所定のオフセットを行う効果、
iv)移動装置18の回転軸線Y−Yに近接するように補助ドラム19、20を移動させることによって、作業位置Aと作業位置Bとの間における補助ドラム19、20の移動中の横断寸法と慣性力とを減少させる効果。
【0081】
さらに有利なことに、ドラム移動ユニット33、34により、供給部材25、26の固定を維持しつつ、連続する細長要素27、28の制御された付着を行うことが可能になって、連続する細長要素の機械的貼付システムが簡略化され、これにより、プラント1を実現するためのコストが低減される。
【0082】
プラント1は、仕上げステーション17で製造されたほぼ円筒状のスリーブを、構築ステーション14で構築されたカーカス構造体3に対して半径方向外側位置に移送するために、上記で特定されている持ち上げ位置C(本例の場合、第1の作業位置Aと実質的に一致する)で補助ドラム19、20の一方と動作可能に相互作用するように構成された、仕上げステーション17で製造されたほぼ円筒状のスリーブの少なくとも1つの移送装置36をさらに備える。
【0083】
移送装置36は、好ましくは、ほぼ環状の構造を有し、仕上げステーション17で製造されたベルト構造体4とトレッドバンド5とを含むほぼ円筒状のスリーブを持ち上げるために及び構築ステーション14で構築されたカーカス構造体3に対して同軸となるように前記スリーブを移送するために持ち上げ位置Cに位置決めされた補助ドラム19、20の周りに配置されるように、既知の方法(図示せず)で動作される。
【0084】
簡単にするために図示されていない好ましい代替実施形態では、プラント1は、移動装置18によって持ち上げ位置Cに位置決めされた補助ドラム19、20と動作可能に相互作用するために、仕上げステーション17で製造されたほぼ円筒状のスリーブの持ち上げ位置C(例えば第1の作業位置Aと一致する)に配置された、未加硫エラストマー材料のそれぞれ連続する細長要素の第3の供給部材をさらに備えることが可能である。
【0085】
本例において、特定用途の要求を満たすために必要な場合には常に、プラント1により、作業位置B及びほぼ円筒状のスリーブの持ち上げ位置C(例えば第1の作業位置Aと一致する)の両方において、トレッドバンド5を付与することが可能である。
【0086】
プラント1は、仕上げステーション17で製造されたベルト構造体4とトレッドバンド5とを備えるほぼ円筒状のスリーブをカーカス構造体3に関連付けるために、ほぼ円環状の形状に従ってカーカス構造体3を成形するための少なくとも1つの装置(それ自体既知であるので図示せず)をさらに備える。
【0087】
この成形装置は、以下にさらに分かりやすく説明するように、いわゆる単一段階製造工程を行うべく、構築ステーション14内で一次ドラム15と動作可能に相互作用するように構成されることが好ましい。
【0088】
プラント1は、最後に、制御ユニット37を備え、この制御ユニットによって、オペレータ38は、同一の製造プラントで行うことができる種々の動作ステップをプログラムして管理することができる。
【0089】
次に、上記プラント1を参照して、車両の車輪用タイヤ、例えば上記タイヤ2を製造するための、本発明による方法の第1の好ましい実施形態について説明する。
【0090】
特に、図1に示されているような定常状態動作状態(steady-state working conditions)に基づく方法について説明する。この場合、補助ドラム19は、第1の作業位置Aにあり、半完成品を支持せず、これに対して、補助ドラム20は、第2の作業位置Bにあり、当該方法の以前のステップにおいて前記ドラムに組み立てられたベルト構造体4を支持する。
【0091】
本方法の第1のステップでは、軸方向に互いに離間した環状固定構造体7に動作可能に結合された少なくとも1つのカーカスプライ10を備えるほぼ円筒状のカーカス構造体3が、構築ステーション14で構築される。
【0092】
このステップでは、供給ライン16から来た1つ又は複数のカーカスプライ10が、一次ドラム15に貼り付ける前に、一次ドラム15の周方向伸長部に関連付けられる適切な長さのセクションに切断され、ほぼ円筒状のいわゆる「カーカススリーブ」を形成するように一次ドラム15に巻回される。
【0093】
その後に、環状固定構造体7が1つ又は複数のプライ10の端部フラップ10aの上に装着され、それに続き、端部フラップ自体の折り返しが行われて、固定構造体7が、折り返された1つ又は複数のプライ10によってこのように形成されたループに係合させられる。また、タイヤのサイドウォール6をカーカススリーブに貼り付けることが可能であり、このサイドウォールは、エラストマー材料の連続ストリップ形状の半完成品を供給するそれぞれの少なくとも1つのサイドウォール供給ライン(図示せず)から来る。前記半完成品から、所定の長さのセクションが切断され、前記長さは、一次ドラム15及び製造すべきタイヤ2の周方向伸長部に関連する。
【0094】
本発明の方法により、仕上げステーション17において、少なくとも1つのベルト層、この好ましい実施形態において、ベルト層11a、11b、12、選択的に13を含むベルト構造体4に対して半径方向外側位置に貼り付けられたトレッドバンド5を備えるほぼ円筒状のスリーブを製造することが可能になる。
【0095】
このほぼ円筒状のスリーブの製造は、円筒状スリーブの形状のカーカス構造体3(又はカーカススリーブ)の構成要素が一次ドラム15に組み立てられるのと少なくとも部分的に同時に行われる。
【0096】
より詳しくは、仕上げステーション17で行われる、ベルト構造体4とトレッドバンド5とを含むほぼ円筒状のスリーブの製造は、以下に説明する動作ステップを含む。
【0097】
本発明によれば、これらのステップは、少なくとも部分的に同時に行われる。
【0098】
第1のステップでは、第1のベルト構造体4は、第1の作業位置Aにおいて、仕上げステーション17の第1の補助ドラム19に組み立てられる。
【0099】
好ましい実施形態では、第1のベルト構造体4の組立ステップは、第1の位置において、スリーブの周方向伸長方向に対して傾斜したそれぞれの補強コードを備える第1のベルト層11aを、第1の補助ドラム19に対して半径方向外側位置に貼り付けるステップと、第1のベルト層11aに属する前記補強コードに対して交差する方向に沿って傾斜した補強コードを備える第2のベルト層11bを、第1のベルト層11aに対して半径方向外側位置に貼り付けるステップとを行うことを提供する。
【0100】
これらのステップは、ベルト層の供給装置24を使用して行われることが有利である。供給装置24は、移動装置18によって、また種々の半完成品を貼り付けている間に補助ドラム19の幾何学的軸線を中心に補助ドラム19を回転させる回転ユニット31によって第1の作業位置Aに位置決めされた補助ドラム19と動作可能に相互作用する。
【0101】
より具体的には、供給装置24の供給ライン24aは、連続ストリップ形状の半完成品を供給し、次に、前記半完成品が、補助ドラム19の周方向伸長部に対応する長さのセクションに切断され、同時に、それぞれのベルト層11a、11bが、回転ユニット31によって同時に回転される同ドラムに形成される。
【0102】
したがって、好ましい実施形態では、第1のベルト構造体4の組立ステップは、製造中のほぼ円筒状のスリーブの周方向伸長方向に対して実質的に平行な補強コードを含むベルト層12を得るように、1つ又は複数の補強コードを含む未加硫エラストマー材料の少なくとも1つのストリップ状要素23を、第1の補助ドラム19に対して半径方向外側位置に貼り付けて、軸方向に連続する周方向コイルを形成するステップを行うことを提供する。
【0103】
上記ストリップ状要素23は、第1のベルト構造体4の横断方向伸長部全体に実質的に沿って第2のベルト層11bに対して半径方向外側位置に貼り付けられるか、又はその代わりに、下層ベルト層11a、11bの対向する軸方向端部のみに貼り付けられることが好ましい。
【0104】
このステップは、貼付装置21の供給装置22によって行われることが有利である。供給装置22もまた、移動装置18によって第1の作業位置Aに配置された補助ドラム19と動作可能に相互作用するために第1の作業位置Aに配置される。
【0105】
好ましい実施形態では、第1のベルト構造体4の組立ステップは、最後に、好ましくはスリーブの周方向伸長方向に対して傾斜した好ましくは複数の補強コードを含む未加硫エラストマー材料のブレーカ層13を、下層ベルト層に対して半径方向外側位置に、この場合、ベルト層12に対して半径方向外側位置に貼り付けるステップを行うことを提供する。
【0106】
このステップは、好ましくは複数の補強コードを含むベルト層の別の供給装置(供給装置は簡単にするために図1には示されていない)によって行われることが有利である。かかる別の供給装置は、移動装置18によって第1の作業位置Aに配置された補助ドラム19と動作可能に相互作用するために第1の作業位置Aに配置される。
【0107】
ベルト構造体とトレッドバンドとを含むほぼ円筒状のスリーブの製造は、本方法の以前の動作ステップにおいて第2の補助ドラム20に組み立てられた第2のベルト構造体4に対して半径方向外側位置に、トレッドバンド5を形成することを提供する。
【0108】
本発明によれば、第2の作業位置Bに配置された第2の補助ドラム20におけるトレッドバンド5のこの形成ステップは、第1の作業位置Aに配置された第1の補助ドラム19に第1のベルト構造体4を組み立てるステップと少なくとも部分的に同時に行われる。
【0109】
より詳しくは、本発明の方法は、第2の作業位置Bにおいて、第1の作業位置Aで仕上げステーション17の第2の補助ドラム20に予め組み立てられた第2のベルト構造体4に対して半径方向外側位置に、トレッドバンド5を貼り付けることを提供する。
【0110】
トレッドバンド5の貼付ステップは、第2の作業位置Bにおいて、それぞれの所定の経路に沿って、第2の補助ドラム20に組み立てられた第2のベルト構造体4に対して半径方向外側位置に、未加硫エラストマー材料の前記少なくとも2つの連続する細長要素27、28を置くことによって行われることが有利である。
【0111】
連続する細長要素27、28は、移動装置18によって第2の作業位置Bに配置された第2の補助ドラム20の両側に置かれることが好ましい。
【0112】
連続する細長要素27、28は、所望の性能をトレッドバンド5に付与するように、異なる機械的特性及び/又は物理化学的特性を有するそれぞれのエラストマー材料から成ることが好ましい。
【0113】
トレッドバンド5の貼付ステップは、移動装置18によって第2の作業位置Bに配置された補助ドラム20と動作可能に相互作用するために第2の作業位置Bに配置された供給部材25、26によって行われることが有利である。
【0114】
代替実施形態では、供給部材25、26の少なくとも一方は、トレッドバンド5の半径方向内側層のようなトレッドバンド5の部分を形成するように、連続ストリップ形状のエラストマー材料から製造された半完成品形状の上記連続する細長要素27、28の少なくとも一方を供給できる。このストリップは、トレッドバンド5の横断方向伸長部に実質的に等しい幅を有することが好ましく、補助ドラム20の周方向伸長部に対応する長さのセクションに切断され、同時に、トレッドバンド5の少なくとも一部が、回転ユニット32によって同時に回転される同ドラムに形成されることが好ましい。
【0115】
しかし、連続する細長要素27、28の供給は、供給部材25、26の押出機29、30で押出し成形することによって行われることが好ましい。
【0116】
好ましくは、各押出機29、30によって供給された連続する細長要素27、28は、下層表面に対して、連続コイルの重ね合わせ量、及び/又は、対応する押出機29、30から来る各細長要素27、28の横断方向に沿ったプロファイルの方向を変更することによって、連続する細長要素27、28によってベルト構造体4に対して半径方向外側位置に形成されたエラストマー層の厚さを調整するように、平坦部を有利に有することができる。
【0117】
連続する細長要素27、28は、軸方向に並んで配置され及び/又は半径方向に重ね合わせられた連続する周方向コイル状に、第2の作業位置Bで補助ドラム20によって支持された第2のベルト構造体4に対して半径方向外側位置に置かれることが好ましい。
【0118】
この好ましい実施形態では、トレッドバンド5の貼付ステップは、第2の作業位置Bで第2の補助ドラム20の近くに配置された供給部材25、26を使用して、連続する細長要素27、28を供給し、同時に、連続する細長要素27、28を前記ドラムに巻回することによって行われる。
【0119】
特に、このような巻回は、連続する細長要素27、28を貼り付けるのと同時に、以下のステップを行うことによって達成される。
−連続する細長要素27、28を、第2のベルト構造体4に対して半径方向外側位置に周方向に分配するように、第2のベルト構造体4を支持する第2の補助ドラム20に、第2の補助ドラム20の幾何学的軸線を中心とする回転運動を与えるステップ、
−第2の補助ドラム20と供給部材25、26との間における制御された相対移動を行って、連続する細長要素27、28を用いて、トレッドバンド5の少なくとも一部を画定するように互いに並んだ関係で配置される複数のコイルを形成するステップ。
【0120】
この好ましい実施形態では、第2の補助ドラム20と供給部材25、26との間における制御された相対移動は、前記供給部材に対して第2の補助ドラム20を移動させることによって行われることが好ましい。
【0121】
補助ドラム20の幾何学的軸線を中心とする補助ドラム20の制御された回転運動と、供給部材25、26に対して、例えば前記軸線に対して実質的に平行な方向に沿って前記ドラムの制御された平行移動とが行われるのと同時に、連続する細長要素27、28が、押出機29、30によって供給されることが好ましい。
【0122】
補助ドラム20のこの回転運動・平行移動は、移動装置18によって、特に、このような装置の回転ユニット32の及び移動ユニット34の動作によって行われることが有利である。
【0123】
本発明の方法のこの好ましい実施形態において、2つの連続する細長要素27、28を供給することによって、製造の観点から非常に柔軟に、タイヤ2の所望の性能を実現できる構造上の特徴を有するトレッドバンド5を形成することが有利に可能である。
【0124】
このようにして、例えば、好ましい実施形態では、「キャップ・アンド・ベース」という用語で関連技術で知られている構造に従って、半径方向に重ね合わせられた一対の層、すなわち内側層及び外側層をそれぞれ含むトレッドバンド5を形成することが有利に可能である。
【0125】
この好ましい実施形態によれば、トレッドバンド5の貼付ステップは、第2の作業位置Bにおいて、トレッドバンド5の半径方向内側層を形成するように、補助ドラム20によって支持された第2のベルト構造体4に対して半径方向外側位置に、第2のベルト構造体4の横断方向伸長部全体に実質的に沿って、上記連続する細長要素の一方、例えば、連続する細長要素27を置くことによって行われる。
【0126】
その後に、トレッドバンド5の貼付ステップは、このように形成されたトレッドバンド5の半径方向内側層に対して半径方向外側位置に、第2の連続する細長要素28を置くことを提供する。
【0127】
第2の連続する細長要素28を置くことは、トレッドバンド5の半径方向外側層を形成するように、上記半径方向内側層の横断方向伸長部全体に実質的に沿って行われることが有利である。
【0128】
したがって、この好ましい実施形態では、軸方向に並んで配置され及び/又は半径方向に重ね合わせられた連続する周方向コイル状に、連続する細長要素27、28を置くことが、2つの連続ステップで行われる。
【0129】
また、別の好ましい代替実施形態では、例えば、タイヤ2の使用中にトレッドバンド5に作用する横断方向応力に対する抵抗性の向上や、トレッドバンド5がすり減るときにタイヤ2のグリップ性能を実質的に一定に維持することを可能にするなどの、有利な複数の技術的効果を達成することを可能にする構造に従って、特定の機械的特性を有する軸方向に整列された2つ以上のセクターを含むトレッドバンド5を形成することが有利に可能である。
【0130】
この好ましい代替実施形態によれば、トレッドバンド5の貼付ステップは、第2の作業位置Bにおいて、トレッドバンド5の対応する部分を形成するように、補助ドラム20によって支持された第2のベルト構造体4の少なくとも一部に対して半径方向外側位置に、上記連続する細長要素の一方、例えば、連続する細長要素27を置くことによって行われる。
【0131】
その後に、トレッドバンド5の貼付ステップは、トレッドバンド5の別の部分を形成するように、連続する細長要素27によって形成された上記対応する部分に対して軸方向に整列された位置に、第2の連続する細長要素28を置くことを提供する。
【0132】
このようにして、異なる機械的特性及び異なる物理化学的特性を有する軸方向に整列された少なくとも2つの部分又はセクターを有するトレッドバンド5を形成することが可能である。
【0133】
この好ましい代替実施形態では、連続する細長要素27、28を置くことは、連続ステップで行うか、または少なくとも部分的に同時に行うことができる。
【0134】
第1のベルト構造体4を第1の補助ドラム19に組み立てる上記ステップと、第2の補助ドラム20に予め組み立てられた第2のベルト構造体4に対して半径方向外側位置にトレッドバンド5を貼り付ける上記ステップとが完了すると、本発明の方法は、第1のベルト構造体4を支持する第1の補助ドラム19を第2の作業位置Bに位置決めするステップと、第2のベルト構造体4に対して半径方向外側位置に貼り付けられたトレッドバンド5を含むほぼ円筒状のスリーブを支持する第2の補助ドラム20を仕上げステーション17の持ち上げ位置Cに位置決めするステップとを行うことを提供する。
【0135】
上記のように、本発明の好ましい実施形態では、このように製造されたほぼ円筒状のスリーブの持ち上げ位置Cが第1の作業Aと実質的に一致する。
【0136】
本発明の方法によれば、補助ドラム19と20を第2の作業位置B及び第1の作業位置Aにそれぞれ位置決めする上記ステップは、互いに少なくとも部分的に同時に行われる。
【0137】
特に、このようなステップは、移動装置18によって行われることが好ましい。
【0138】
好ましい実施形態において、移動装置18が、ほぼタレット状のタイプであり、好ましくは互いに角度的にオフセットされた位置で補助ドラム19、20を支持することによって、補助ドラム19と20の上記位置決めステップは、実質的に垂直な回転軸線Y−Yを中心に移動装置18を回転させることによって行われる。特に、このような回転運動は、駆動ユニット35によって行われる。
【0139】
言い換えれば、この好ましい実施形態では、例えば、2つの回転方向、すなわち、図1のそれぞれの矢印F1とF2で示されている時計回り方向及び反時計回り方向の一方に沿って、移動装置18を回転軸線Y−Yを中心に単純に回転させることによって、補助ドラム19と20の位置が実質的に同時に効果的に入れ替えられる。
【0140】
好ましい実施形態において、補助ドラム19、20が、移動装置18によって摺動可能に支持されることによって、本発明の方法は、このような装置を回転させるステップを行う前に、補助ドラム19、20を移動装置18の回転軸線Y−Yに向かって移動させるさらなるステップを含む。
【0141】
上記ステップは、補助ドラム19、20、及びそれらのドラムと好ましくは一体的に平行移動する関連回転ユニット31、32の両方を、ドラム移動ユニット33と34で移動させることによって行われることが好ましい。
【0142】
このようにして、作業位置Aと作業位置Bとの間における補助ドラム19、20の移動中に、プラント1の安全性を向上させつつ、また移動装置18を回転させるための駆動ユニット35に必要な駆動力を減少させつつ、横断寸法及び慣性力の両方を減少させることが有利に可能である。
【0143】
補助ドラム19、20、及びそれに関連付けられた回転ユニット31、32は、移動装置18の回転軸線Y−Yに向かって移動され、該装置の回転可能な支持プラットフォーム39の外周の内側に画定された上記待機位置に配置されることが好ましい。
【0144】
移動装置18の補助ドラム19、20は、本例の場合、図1の一点破線で概略的に示されているように、移動装置18の回転中に、制御ユニット37及びオペレータ38の両方から安全な距離に配置されることが有利である。
【0145】
第2の作業位置Bにおける第1の補助ドラム19、及び持ち上げ位置C(この場合第1の作業位置Aと一致する)における第2の補助ドラムの実質的に同時のこれらの位置決めステップが行われると、仕上げステーション17は、以下のような動作状態になる。
i)第2の補助ドラム20から取り外しできる状態にある、第2のベルト構造体4とトレッドバンド5とを含むほぼ円筒状のスリーブが、持ち上げ位置C(この場合、同一の作業位置Aと一致する)に配置される。
ii)第1の作業位置Aで予め組み立てられた第1のベルト構造体4が、第1の補助ドラム19によって支持され、第2の作業位置Bで新たなトレッドバンド5を収容できる状態にある。
【0146】
ここで、本発明の方法は、ほぼ円筒状のスリーブを、仕上げステーション17の持ち上げ位置Cから、構築ステーション14でその間に構築されたカーカス構造体3に対して半径方向外側位置に移送するステップを提供する。
【0147】
この移送ステップは、関連技術でそれ自体知られている方法に従って、ほぼリング形状の移送装置36によって行われることが有利である。
【0148】
上記移送ステップの後に、仕上げステーション17は、第2の補助ドラム20が、第1の作業位置Aに既に配置され、上記作業位置Aに配置された貼付装置21と相互作用して動作することによって、新たなベルト構造体4を支持できる状態にある、動作状態になる。
【0149】
したがって、上記動作が行われると、仕上げステーション17は、2つの補助ドラム19、20の位置が互いに入れ替えられていることを除いて、上記開始状態と完全に同一の動作状態になる。
【0150】
ここで、本発明の方法は、第1の作業位置Aにおいて、新たなベルト構造体4を第2の補助ドラム20に組み立て、実質的に同時に、第2の作業位置Bにおいて、第1の補助ドラム19に予め組み立てられたベルト構造体4に対して半径方向外側位置に、新たなトレッドバンド5を貼り付け、これらの組立ステップ及び貼付ステップ等の終了時に、2つのドラムの位置を入れ替えることによって、ベルト構造体4とトレッドバンド5とを含むほぼ円筒状のスリーブを製造するように構成される上記ステップを、周期的に繰り返すことを提供する。
【0151】
上記ステップの各々の周期的な繰り返しの終了時に、持ち上げ位置C(この場合位置A)において、仕上げステーション17の2つの補助ドラム19、20の一方によって交互に支持された、ベルト構造体4とトレッドバンド5とを含む新たなほぼ円筒状のスリーブが得られる。
【0152】
次に、このようなスリーブは、上記方法に従って、仕上げステーション17の持ち上げ位置Cから、構築ステーション14で構築された新たなカーカス構造体3に対して半径方向外側位置に移送される。
【0153】
トレッドバンド5とベルト構造体4とを含むほぼ円筒状のスリーブを製造するステップ、及びこのようなスリーブを仕上げステーション17の持ち上げ位置Cから移送するステップは、構築ステーション14でカーカス構造体3を構築するステップを行うための時間に実質的に等しいか又はそれよりも短い時間間隔で行われることが好ましい。
【0154】
このようにして、構築ステーション14でカーカス構造体3を構築するために用いられるサイクル時間において、トレッドバンド5とベルト構造体4とを含むほぼ円筒状のスリーブを製造して移送することが有利に可能であり、これにより、工程時間が最適化されて、製造プラント1の生産性が向上する。
【0155】
本発明の特に好ましい実施形態では、トレッドバンド5及びベルト構造体4を含むほぼ円筒状のスリーブと、未だ円環状に成形されていないカーカス構造体3(さもなければ「カーカススリーブ」と呼ばれる)との組立は、カーカススリーブを構築するために使用されるのと同じ構築ステーション14の一次ドラム15で行われ、このようにして、単一段階の製造工程に統合する。
【0156】
このようにして、有利なことに、製造中のタイヤ2の高い品質レベルが、未だ実質的に可塑状態の未加硫半完成品の組立中における制限された数の動作によって保証される。このようにして、このような半完成品は、それに応じて制限された数の、変形させ得る応力(potentially deforming stresses)を受け、したがって、製造中のグリーンタイヤの望ましくない構造変化の危険性が有利に制限される。
【0157】
上記単一段階の製造工程の枠内で、ほぼ環状の構造を有する移送装置36は、ベルト構造体4とトレッドバンド5とを含むほぼ円筒状のスリーブを補助ドラム19又は20から持ち上げるために、持ち上げ位置Cに配置された同ドラムの周りに配置されるように動作される。それ自体知られている方法において、補助ドラム19、20は、上記スリーブを解放し、次に、このスリーブは、カーカススリーブを支持する一次ドラム15の同軸にセンタリングされた位置に配置されるように、移送装置36によって軸方向に移動される。
【0158】
代わりに、いわゆる「2段階製造工程」に従ってタイヤを製造するために、カーカススリーブ及びトレッドバンド5/ベルト構造体4のスリーブが移送されるいわゆる成形ドラムにおいて、カーカススリーブとトレッドバンド5/ベルト構造体4のスリーブとの組立を行ってもよい。
【0159】
好ましい実施形態では、本方法は、カーカス構造体に対して半径方向外側位置に移送されたトレッドバンド5とベルト構造体4とを含むほぼ円筒状のスリーブに、ほぼ円筒状のカーカス構造体3を関連付けるように、上記移送ステップの後に、ほぼ円環状の形状に従って、ほぼ円筒状のカーカス構造体3を成形するステップをさらに含む。
【0160】
この成形ステップは、移送装置36によって保持されたベルト構造体4の内面に1つ又は複数のカーカスプライ10を接触させるように配置すべく、互いに近接する環状固定構造体7を軸方向に移動させ、それと同時に、カーカス構造体3と、トレッドバンド5及びベルト構造体4を含むほぼ円筒状のスリーブとから成る組立体に、圧力下にある流体を収容することによって行われることが好ましい。
【0161】
このようにして、グリーンタイヤが製造され、かかるグリーンタイヤは、上記製造プラント1を備えるタイヤ製造用プラント(図示せず)の加硫ステーション(図示せず)で行われる通常の加硫ステップを受けるために、一次ドラム15又は成形ドラムから取り外すことができる。
【0162】
明確に、上記方法と上記装置とにより、例えば、第1の作業位置A及び/又は第2の作業位置B及び/又は持ち上げ位置Cにおいて、別の層又は要素を貼り付けることによって、異なる構造を有するタイヤ2を製造することが可能になる。
【0163】
これらのすべてのことは、移動装置18によって上記位置A、B、Cに配置された補助ドラム19、20と動作可能に相互作用するように構成された適切な供給設備を上記位置A、B、Cに配置することによって達成することができる。
【0164】
このようにして、例えば、代替実施形態では、本発明の方法は、持ち上げ位置Cでトレッドバンド5を作り始めるか又は完成させるように、持ち上げ位置C(例えば第1の作業位置Aと一致する)において、それぞれの所定の経路に沿って、持ち上げ位置Cに配置された補助ドラム19、20によって支持されたベルト構造体4に対して半径方向外側位置に、未加硫エラストマー材料の最初又は最後の追加の連続する細長要素を貼り付けるさらなるステップを提供する。
【0165】
この場合、第2の作業位置Bに配置された供給部材25、26によって、及び、仕上げステーション17の持ち上げ位置Cに配置された供給部材によって供給される3つの異なるエラストマー材料を使用して、トレッドバンド5を形成することが有利に可能である。
【0166】
この貼付ステップは、上記方法に従って、すなわち、持ち上げ位置C(例えば第1の作業位置Aと一致する)においてそこに配置された補助ドラム19、20の近くに配置された別の供給部材の押出機(図示せず)を使用して、そのような連続する細長要素を供給することによって、そして、連続する細長要素を前記ドラムに巻回することによって行われることが好ましい。
【0167】
また、この場合、このような巻回は、連続する細長要素を貼り付けるのと同時に、以下のステップを行うことによって達成される。
−連続する細長要素を、ベルト構造体4に対して半径方向外側位置に周方向に分配するように、ベルト構造体4を支持する補助ドラム19又は20に、その幾何学的軸線を中心とする回転運動を与えるステップ、
−補助ドラム19又は20と供給部材との間における制御された相対移動を行って、連続する細長要素を用いて、トレッドバンド5の少なくとも一部を画定するように互いに並んだ関係で配置された複数のコイルを形成するステップ。
【0168】
有利なことに、この別の供給部材には、ベルト構造体4とトレッドバンド5とを含むほぼ円筒状のスリーブの引き続く持ち上げ動作を妨害しないように、持ち上げ位置C(例えば第1の作業位置Aと一致する)に配置された補助ドラム19、20に対し、またそこから、かかる部材を移動させるように構成されたそれぞれのアクチュエータ群(図示せず)を設けることが可能である。
【0169】
本出願人が行った繰り返し試験により、本発明による製造方法及び装置が、それらの可能な代替実施形態において、カーカス構造体の構築ステーション14と、少なくとも1つの連続する細長要素のコイルを巻回することによって形成されたトレッドバンド5、少なくとも1つのベルト層が設けられたベルト構造体4を含むほぼ円筒状のスリーブを製造するように意図された仕上げステーション17との、異なる生産速度を適合させつつ、高品質のタイヤを製造する目的を完全に達成することが確認されている。
【0170】
さらに、本発明による方法が、構造的に簡単でありかつ管理の容易な製造プラント1で行うことができる一連の動作ステップによって、上記目的を達成することに留意されたい。
【0171】
有利なことに、カーカス構造体を構築するための存在するステーションの下流に(downstream of)、本発明の製造プラント1を配置でき、それにより、本発明の製造プラントを組み込んでいるタイヤ製造プラントの生産性が向上する。
【0172】
さらに、有利なことに、カーカススリーブを構築するために使用される同一のドラムにおいて、カーカススリーブと外側ベルト構造体/トレッドバンドのスリーブとの組立を行うことができ、これにより、単一段階製造工程に統合でき、このようにして、製造プラントの生産性、及び製造プラントで製造されたタイヤの品質特性を最大限に向上できる。
【0173】
最後に、特定用途の要求に応じて、仕上げステーション17に画定された補助ドラムの及び作業位置の数を2つよりも多くすることができることに留意されたい。
【0174】
この場合、補助ドラムは、約360°/n(この場合、nが補助ドラムの総数である)に実質的に等しい角度で互いに角度的にオフセットされた位置で、移動装置18によって支持されることが好ましい。
【0175】
この場合、プラント1は、ベルト層の適切な数の貼付装置21、及び/又は移動装置18によって作業位置に配置された補助ドラムと動作可能に相互作用するために、仕上げステーション17に画定された作業位置に配置された、それぞれ連続する細長要素の適切な数の供給部材を備える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車輪用タイヤを製造するための方法であって、
a)構築ステーション(14)において、軸方向に互いに離間した環状固定構造体(7)に動作可能に結合された少なくとも1つのカーカスプライ(10)を備えるほぼ円筒状のカーカス構造体(3)を構築するステップと、
b)仕上げステーション(17)において、少なくとも1つのベルト層(11a、11b、12)を備えるベルト構造体(4)に対して半径方向外側位置に貼り付けられたトレッドバンド(5)を備えるほぼ円筒状のスリーブを製造するステップであって、
b1)第1の作業位置(A)において、前記仕上げステーション(17)の第1の補助ドラム(19)に第1のベルト構造体(4)を組み立てるステップと、
b2)第2の作業位置(B)において、前記仕上げステーション(17)の第2の補助ドラム(20)に予め組み立てられた第2のベルト構造体(4)に対して半径方向外側位置に、トレッドバンド(5)を貼り付けるステップであって、該貼付ステップが、それぞれの所定の経路に沿って、未加硫エラストマー材料の第1の連続する細長要素(27)及び第2の連続する細長要素(28)を、前記第2のベルト構造体(4)に対して半径方向外側位置に置くことによって行われる、貼付ステップと、
b3)前記第1のベルト構造体(4)を支持する前記第1の補助ドラム(19)を前記第2の作業位置(B)に位置決めするステップと、
b4)このようにして得られた前記ほぼ円筒状のスリーブを支持する前記第2の補助ドラム(20)を前記仕上げステーション(17)の持ち上げ位置(C)に位置決めするステップと、
を含むステップb)と、
c)前記ほぼ円筒状のスリーブを前記仕上げステーション(17)の前記持ち上げ位置(C)から、前記構築ステーション(14)でその間に構築されたカーカス構造体(3)に対して半径方向外側位置に移送するステップと、
を含む方法において、
前記ステップb1)〜b4)が周期的に繰り返され、
前記ステップb1)とb2)が互いに少なくとも部分的に同時に行われ、
前記ステップb3)とb4)が互いに少なくとも部分的に同時に行われる方法。
【請求項2】
前記ステップb)とc)が、前記カーカス構造体(3)を構築する前記ステップa)を行うための時間に実質的に等しいか又はそれよりも短い時間間隔で行われる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップb1)が、
i)前記スリーブの周方向伸長方向に対して傾斜した第1の補強コードを含む第1のベルト層(11a)を、前記第1の補助ドラム(19)に対して半径方向外側位置に貼り付けるステップと、
ii)前記第1の補強コードに対して交差する方向に沿って傾斜した第2の補強コードを備える第2のベルト層(11b)を、前記第1のベルト層(11a)に対して半径方向外側位置に貼り付けるステップとをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップb1)が、
iii)前記スリーブの前記周方向伸長方向に対して実質的に平行な補強コードを含むベルト層(12)を得るように、少なくとも1つの補強コードを含む未加硫エラストマー材料のストリップ状要素(23)を、前記第1の補助ドラム(19)に対して半径方向外側位置に貼り付けて、軸方向に連続する周方向コイルを形成するステップをさらに含む請求項1又は3に記載の方法。
【請求項5】
未加硫エラストマー材料の前記ストリップ状要素(23)が、前記第2のベルト層(11b)に対して半径方向外側位置に貼り付けられる請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップb1)が、
iv)複数の補強コードを備える未加硫エラストマー材料の別の層(13)を、前記少なくとも1つのベルト層(11a、11b、12)に対して半径方向外側位置に貼り付けるステップをさらに含む請求項1、3、4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップb2)が、前記第2の作業位置(B)において、トレッドバンド(5)の半径方向内側層を形成するように、前記第2のベルト構造体(4)の全体横断方向伸長部に実質的に沿って、未加硫エラストマー材料の前記第1の連続する細長要素(27)を、前記第2のベルト構造体(4)に対して半径方向外側位置に置くことによって行われる請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ステップb2)が、前記第2の作業位置(B)において、トレッドバンド(5)の半径方向外側層を形成するように、前記トレッドバンド(5)の前記半径方向内側層の全体横断方向伸長部に実質的に沿って、前記第2の連続する細長要素(28)を、前記トレッドバンド(5)の前記半径方向内側層に対して半径方向外側位置に置くことによって行われる請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ステップb2)が、前記第2の作業位置(B)において、前記トレッドバンド(5)の対応する部分を形成するように、前記第1の連続する細長要素(27)を、前記第2のベルト構造体(4)の少なくとも一部に対して半径方向外側位置に置くことによって行われる請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ステップb2)が、前記第2の作業位置(B)において、前記トレッドバンド(5)の別の部分を形成するように、前記第1の連続する細長要素(27)によって形成された前記トレッドバンド(5)の前記少なくとも一部に対して軸方向に整列された位置に、前記第2の連続する細長要素(28)を置くことによって行われる請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ステップb)が、
b5)前記持ち上げ位置(C)において、それぞれの所定の経路に沿って、未加硫エラストマー材料の第3の連続する細長要素を、前記第2のベルト構造体(4)に対して半径方向外側位置に貼り付けるステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の連続する細長要素(27)及び前記第2の連続する細長要素(28)が前記第2の補助ドラム(20)の両側に置かれる請求項7〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ステップb2)が、前記第2の作業位置(B)で前記第2の補助ドラム(20)の近くに配置されたそれぞれの供給部材(25、26)から、前記第1の連続する細長要素(27)及び前記第2の連続する細長要素(28)を供給し、同時に、前記連続する細長要素(27、28)を前記ドラム(20)に巻回することによって行われる請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ステップb5)が、前記持ち上げ位置(C)で前記補助ドラム(19、20)の一方の近くに配置されたそれぞれの供給部材から、前記第3の連続する細長要素を供給し、同時に、前記連続する細長要素を前記補助ドラム(19、20)の一方に巻回することによって行われる請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記連続する細長要素(27、28)の供給が、前記供給部材(25、26)で押出し成形することによって行われる請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記ステップb2)又はb5)が、前記連続する細長要素(27、28)を貼り付けるのと同時に、
d)前記連続する細長要素(27、28)を、前記第1又は前記第2のベルト構造体(4)に対して半径方向外側位置に周方向に分配するように、前記第1又は第2のベルト構造体(4)を支持する前記補助ドラム(19、20)の少なくとも一方に、前記補助ドラムの幾何学的軸線を中心とする回転運動を与えるステップと、
e)前記少なくとも1つの補助ドラム(19、20)と前記供給部材(25、26)との間における制御された相対移動を行って、前記連続する細長要素(27、28)を用いて、前記トレッドバンド(5)を画定するように互いに並んだ関係で配置された複数のコイルを形成するステップと、
を行うことによって達成される請求項13又は14に記載の方法。
【請求項17】
前記移動が、前記供給部材(25、26)に対して前記少なくとも1つの補助ドラム(19、20)を移動させることによって行われる請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ステップd)とe)が、前記少なくとも1つの補助ドラム(19、20)に作用する移動装置(18)によって行われる請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記仕上げステーション(17)の前記作業位置が互いに角度的にオフセットされる請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記補助ドラム(19、20)が、互いに角度的にオフセットされた位置で、ほぼタレット状の移動装置(18)によって支持され、前記ステップb3)とb4)が、実質的に垂直な回転軸線(Y−Y)を中心に前記移動装置(18)を回転させることによって行われる請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記補助ドラム(19、20)の少なくとも一方が、前記移動装置(18)によって摺動可能に支持され、前記方法が、前記装置(18)による前記回転ステップの実行の前に、前記移動装置(18)の前記回転軸線(Y−Y)に向かって前記少なくとも1つの補助ドラム(19、20)を移動させるさらなるステップを含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記円筒状スリーブの前記持ち上げ位置(C)が前記第1の作業位置(A)と実質的に一致する請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記ステップc)の後に、前記ほぼ円筒状のスリーブを前記カーカス構造体(3)に関連付けるように、前記カーカス構造体(3)と、前記カーカス構造体に対して半径方向外側位置に移送された前記スリーブとを、ほぼ円環状の形状に従って成形するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記連続する細長要素(27、28)の少なくとも一方の供給が、前記供給部材(25、26)の少なくとも一方を使用して、連続ストリップ形状の未加硫エラストマー材料の少なくとも1つの半完成品を供給することによって行われる請求項13又は14に記載の方法。
【請求項25】
車両の車輪用タイヤを製造するためのプラント(1)であって、
a)軸方向に互いに離間した環状固定構造体(7)に動作可能に結合された少なくとも1つのカーカスプライ(10)を備えるほぼ円筒状のカーカス構造体(3)を構築するための構築ステーション(14)と、
b)少なくとも1つのベルト層(11a、11b、12)を備えるベルト構造体(4)に対して半径方向外側位置に貼り付けられたトレッドバンド(5)を備えるほぼ円筒状のスリーブを製造するための仕上げステーション(17)であって、
b1)第1の補助ドラム(19)と、
b2)第2の補助ドラム(20)と、
b3)前記補助ドラム(19、20)を支持するように、及び、前記ベルト構造体(4)が組み立てられる第1の作業位置(A)に、前記トレッドバンド(5)が貼り付けられる第2の作業位置(B)に、及び前記ほぼ円筒状のスリーブの持ち上げ位置(C)に、前記補助ドラム(19、20)を位置決めするように構成された移動装置(18)であって、前記第1の作業位置(A)及び前記第2の作業位置(B)が前記仕上げステーション(17)の異なる領域に画定される、移動装置(18)と、
b4)前記補助ドラム(19、20)の一方と動作可能に相互作用するために前記第2の作業位置(B)に配置された、未加硫エラストマー材料のそれぞれの連続する細長要素(27、28)の少なくとも2つの供給部材(25、26)と、
を備える、仕上げステーション(17)と、
c)前記構築ステーション(14)で構築されたカーカス構造体(3)に対して半径方向外側位置に、前記仕上げステーション(17)で製造された前記ほぼ円筒状のスリーブを移送するために、前記持ち上げ位置(C)で前記補助ドラム(19、20)の一方と動作可能に相互作用するように構成された、前記ほぼ円筒状のスリーブの少なくとも1つの移送装置(36)と、
を備えるプラント(1)。
【請求項26】
前記補助ドラム(19、20)の一方と動作可能に相互作用するために前記第1の作業位置(A)に配置された、ベルト層の少なくとも1つの供給装置(24)をさらに備える請求項25に記載のプラント(1)。
【請求項27】
前記スリーブの前記周方向伸長方向に対して実質的に平行な補強コードを含むベルト層(12)を形成するように、前記補助ドラム(19、20)の一方と動作可能に相互作用するために前記第1の作業位置(A)に配置された、少なくとも1つの補強コードを含む未加硫エラストマー材料のストリップ状要素(23)の少なくとも1つの供給装置(22)をさらに備える請求項25又は26に記載のプラント(1)。
【請求項28】
前記補助ドラム(19、20)の一方と動作可能に相互作用するために前記第1の作業位置(A)に配置された、複数の補強コードを備えるベルト層(13)の少なくとも1つの別の供給装置を備える請求項25〜27のいずれか一項に記載のプラント(1)。
【請求項29】
前記補助ドラム(19、20)の一方と動作可能に相互作用するために前記持ち上げ位置(C)に配置された、未加硫エラストマー材料のそれぞれの第3の連続する細長要素の少なくとも1つの第3の供給部材をさらに備える請求項25〜28のいずれか一項に記載のプラント(1)。
【請求項30】
前記連続する細長要素(27、28)の前記供給部材(25、26)が少なくとも1つの押出機(29、30)を備える請求項25又は29に記載のプラント(1)。
【請求項31】
前記連続する細長要素(27、28)の前記供給部材(25、26)の少なくとも一方が、前記連続する細長要素を、連続ストリップ形状の未加硫エラストマー材料の半完成品として供給する請求項25又は29に記載のプラント(1)。
【請求項32】
前記移動装置(18)が、前記補助ドラム(19、20)の幾何学的軸線を中心に前記補助ドラムを回転させるように構成された少なくとも1つのドラム回転ユニット(31、32)を備える請求項25又は29に記載のプラント(1)。
【請求項33】
前記補助ドラム(19、20)が、前記移動装置(18)によって摺動可能に支持される請求項25又は29に記載のプラント(1)。
【請求項34】
前記移動装置(18)が、前記作業位置(A、B)において又は前記持ち上げ位置(C)において前記補助ドラム(19、20)の制御された軸方向移動を行うように構成された少なくとも1つのドラム移動ユニット(33、34)を備える請求項25又は29に記載のプラント(1)。
【請求項35】
前記移動装置(18)が、ほぼタレット状のタイプであり、互いに角度的にオフセットされた位置で前記補助ドラム(19、20)を支持するように構成される請求項25又は29に記載のプラント(1)。
【請求項36】
実質的に垂直な回転軸線(Y−Y)を中心に前記移動装置(18)を回転させるように構成された少なくとも1つの駆動ユニット(35)をさらに備える請求項35に記載のプラント(1)。
【請求項37】
前記移動装置(18)の前記ドラム移動ユニット(33、34)が、前記作業位置(A、B)又は前記持ち上げ位置(C)と、前記作業位置(A、B、C)又は前記持ち上げ位置(C)から、前記移動装置(18)の回転軸線(Y−Y)までの間に画定された待機位置との間で、前記補助ドラム(19、20)を移動させる請求項34に記載のプラント(1)。
【請求項38】
前記連続する細長要素(27、28)の前記供給部材(25、26)が、前記補助ドラム(19、20)の一方の両側で動作可能に相互作用するために前記第2の作業位置(B)に配置される請求項25に記載のプラント(1)。
【請求項39】
前記円筒状スリーブの前記持ち上げ位置(C)が前記第1の作業位置(A)と実質的に一致する請求項25に記載のプラント(1)。
【請求項40】
前記ベルト構造体(4)と前記トレッドバンド(5)とを備える前記ほぼ円筒状のスリーブを前記カーカス構造体(3)に関連付けるように、ほぼ円環状の形状に従って前記カーカス構造体(3)を成形するための、少なくとも1つの装置をさらに備える請求項25に記載のプラント(1)。
【請求項41】
車両の車輪用タイヤを製造するためのプラント(1)であって、請求項25〜40のいずれか一項に記載の製造プラント(1)と、前記製造プラント(1)で得られたタイヤを加硫するための少なくとも1つの加硫ステーションとを備えるプラント(1)。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−45951(P2012−45951A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−264354(P2011−264354)
【出願日】平成23年12月2日(2011.12.2)
【分割の表示】特願2007−546310(P2007−546310)の分割
【原出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(598164186)ピレリ・タイヤ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ (123)
【Fターム(参考)】