説明

車両の障害物検知装置

【課題】乗員が煩わしさを感じるのを抑制する。
【解決手段】車両の障害物検知装置2は、自車両前方の障害物を検知するミリ波レーダ3と、このミリ波レーダ3からの障害物検知情報を受けて自車両1の作動機器14,15を制御する作動機器制御手段10aと、ミリ波レーダ3により検知された障害物が静止物体であるか否かを判定する静止物体判定手段10bと、この静止物体判定手段10bによりその障害物が静止物体であると判定されたときに、その障害物が先行車両の通過位置又はその近傍にあるか否かを判定する位置判定手段10cとを備える。そして、作動機器制御手段10aは、位置判定手段10cによりその障害物が先行車両の通過位置又はその近傍にあると判定されたときには、作動機器14,15を作動させない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の障害物検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の障害物検知装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置は、自車両前方の障害物を検知する障害物検知手段と、この障害物検知手段からの障害物検知情報を受けて自車両の作動機器(例えば、ブレーキ手段やシートベルトプリテンショナ等)を制御する作動機器制御手段とを備えている。これにより、乗員の安全性を向上させている。
【特許文献1】特開2004−136785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、自車両前方の障害物が、マンホールや道路標識や高架橋等の静止物体である場合、その障害物は自車両の走行に支障を来たさないので、作動機器を作動させないのが望ましい。
【0004】
しかしながら、上記車両の障害物検知装置では、自車両前方の障害物を検知すると、その障害物の如何に拘わらず、一様に作動機器を作動させるので、その障害物が自車両の走行に差し障りのないものであっても、作動機器が作動してしまう。このため、乗員が煩わしさを感じていた。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、乗員が煩わしさを感じるのを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、自車両前方の障害物を検知する障害物検知手段と、該障害物検知手段からの障害物検知情報を受けて上記自車両の作動機器を制御する作動機器制御手段とを備えた車両の障害物検知装置であって、上記障害物検知手段により検知された障害物が静止物体であるか否かを判定する静止物体判定手段と、上記静止物体判定手段により上記障害物が静止物体であると判定されたときに、該障害物が先行車両の通過位置又はその近傍にあるか否かを判定する位置判定手段とをさらに備え、上記作動機器制御手段は、上記位置判定手段により上記障害物が上記先行車両の通過位置又はその近傍にあると判定されたときには、上記作動機器を作動させないように構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
これにより、自車両前方の障害物が静止物体であるか否かを判定し、その障害物が静止物体であると判定されたときには、その障害物が先行車両の通過位置又はその近傍にあるか否かを判定し、その障害物が先行車両の通過位置又はその近傍にあると判定されたときには、作動機器を作動させない。つまり、自車両前方の障害物を検知しても、その障害物が静止物体で、かつ先行車両の通過位置又はその近傍にあると判定したときには、その障害物は自車両の走行に支障を来たさないものであると考えられるので、作動機器を作動させない。このため、乗員が煩わしさを感じるのを抑制することができる。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記障害物検知手段により検知された障害物が上記作動機器を作動させるべきエリア内に入ったのを検知する侵入検知手段をさらに備え、上記作動機器制御手段は、上記静止物体判定手段により上記障害物が静止物体でないと判定され、又は上記位置判定手段により上記障害物が上記先行車両の通過位置若しくはその近傍にないと判定された場合であって、上記侵入検知手段により該障害物が上記エリア内に入ったと検知されたときには、上記作動機器を作動させる一方、上記位置判定手段により上記障害物が上記先行車両の通過位置又はその近傍にあると判定されたときには、上記侵入検知手段により該障害物が上記エリア内に入ったと検知されても、上記作動機器を作動させないように構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
これにより、自車両前方の障害物が静止物体でないと判定され、又は静止物体である自車両前方の障害物が先行車両の通過位置若しくはその近傍にないと判定された場合であって、その障害物が作動機器を作動させるべきエリア内に入ったと検知されたときには、作動機器を作動させる。つまり、この場合、自車両がその障害物と衝突する可能性があると考えられるので、作動機器を作動させる。このため、乗員の安全性を確保することができる。
【0010】
一方、静止物体である車両前方の障害物が先行車両の通過位置又はその近傍にあると判定されたときには、その障害物が作動機器を作動させるべきエリア内に入ったと検知されても、作動機器を作動させない。つまり、自車両前方の障害物を検知しても、その障害物が静止物体で、かつ先行車両の通過位置又はその近傍にあると判定したときには、その障害物は自車両の走行に支障を来たさないものであると考えられるので、その障害物がそのエリア内に入ったと検知されても、作動機器を作動させない。このため、乗員が煩わしさを感じるのを抑制することができる。
【0011】
以上により、乗員の安全性を確保しながら、乗員が煩わしさを感じるのを抑制することができる。
【0012】
第3の発明は、上記第1又は2の発明において、上記障害物検知手段は、ミリ波レーダであることを特徴とするものである。
【0013】
これにより、雨や霧等の状態でも安定して障害物を検知することができる。
【0014】
第4の発明は、上記第1〜3のいずれか1つの発明において、上記作動機器は、車両に制動力を加えるブレーキ手段であることを特徴とするものである。
【0015】
これにより、自車両前方の障害物が自車両の走行に支障を来たさないものであると考えられる場合、ブレーキ手段を作動させないので、乗員が煩わしさを感じるのを確実に抑制することができる。
【0016】
第5の発明は、上記第1〜3のいずれか1つの発明において、上記作動機器は、シートベルトを強制的に引き込むシートベルトプリテンショナであることを特徴とするものである。
【0017】
これにより、自車両前方の障害物が自車両の走行に支障を来たさないものであると考えられる場合、シートベルトプリテンショナを作動させないので、乗員が煩わしさを感じるのを確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、自車両前方の障害物を検知しても、その障害物が静止物体で、かつ先行車両の通過位置又はその近傍にあると判定したときには、その障害物は自車両の走行に支障を来たさないものであると考えられるので、作動機器を作動させないため、乗員が煩わしさを感じるのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1に本発明の実施形態に係る車両の障害物検知装置2を備えた車両1を示し、図2に車両の障害物検知装置2のブロック図を示す。この障害物検知装置2は、図1及び図2に示すように、自車両1の前方の障害物50(図3参照)を検知するミリ波レーダ3(障害物検知手段、侵入検知手段)を備えている。ミリ波は、鋭い指向性を持たせることができたり、高速な通信用に広帯域を確保できたり、部品を小型化・マイクロ化できたりする等の特長を有している。図3に太線で示すように、ミリ波レーダ3の検知範囲は、距離が略100m以内で、放射状に広がるものとなっている。また、ミリ波レーダ3は、車両1の幅方向中心よりも右側にオフセットして配置されている。さらに、ミリ波レーダ3は、障害物50が車両1の作動機器を作動させるべきエリアA1〜A3内に入ったのを検知する。作動機器及びエリアA1〜A3については後述する。
【0021】
図1及び図2に示すように、障害物検知装置2は、上記ミリ波レーダ3からの障害物検知情報を受けて作動機器を制御する作動機器制御手段10aを有する制御ユニット10を備えている。この制御ユニット10は、衝突センサー11や車速センサー12等の各種センサーからの情報により、作動機器を作動させる役割を有している。
【0022】
車両1は、作動機器として車両1に制動力を加えるブレーキ手段14やシートベルト16のたるみを取って乗員の拘束力を高めるシートベルトプリテンショナ15を備えている。
【0023】
以下、本実施形態の特徴について説明する。
【0024】
制御ユニット10は、静止物判定手段10b、位置判定手段10c、及びマーク手段10dをさらに有している。この静止物判定手段10bは、ミリ波レーダ3により検知された障害物50が静止物体であるか否かを判定する。具体的には、静止物判定手段10bは、ミリ波レーダ3からの出力に基づいて、その障害物50の車両1に対する相対速度を求め、この相対速度及び車速センサー12からの検出値に基づいて、その障害物50が静止物体であるか否かを判断する。
【0025】
位置判定手段10cは、静止物体判定手段10bにより障害物50が静止物体であると判定されたときには、その障害物50が車両1よりも先に行く先行車両4(図4参照)の通過位置又はその近傍にあるか否かを判定する。具体的には、位置判定手段10cは、ミリ波レーダ3からの出力に基づいて、その障害物50の位置及びその先行車両4が過去に通り過ぎたところを求め、その障害物50がその先行車両4が過去に通り過ぎたところ又はその近くにあるか否かを判断する。ここで、先行車両4の通過位置又はその近傍とは、例えば、先行車両4の走行車線5a(図4参照)の、先行車両4がすでに走行した部分若しくはその側方近傍、又はこれらの上方空間である。
【0026】
マーク手段10dは、位置判定手段10cにより静止物体である障害物50が先行車両4の通過位置又はその近傍にあると判定されたときには、その障害物50は車両1の走行に支障を来たさないもの、例えば、道路5に配設されたマンホールや道路5を跨いで高い所に設置された道路標識6(図4参照)や道路5を跨いで高い所に架設された高架橋等であるとして、その障害物50を後述するPCS(PRE CLASH SAFTY SYSYTEM )制御の対象外(作動機器の制御の対象外)としてマークする。
【0027】
そして、作動機器制御手段10aは、静止物体判定手段10bにより障害物50が静止物体でない(移動物体である)と判定され、又は位置判定手段10cにより静止物体である障害物50が先行車両4の通過位置又はその近傍にない(先行車両4の通過位置の遠方にある)と判定された場合であって、ミリ波レーダ3によりその障害物50がエリアA1〜A3内に入ったと検知されたときには、ブレーキ手段14やシートベルトプリテンショナ15を作動させる。
【0028】
具体的には、図1〜図3に示すように、ミリ波レーダ3が、障害物50が車両1から所定距離(衝突までT1秒の点P1)の範囲内に侵入したと判断したときに、作動機器制御手段10aによって、ブレーキ手段14に信号が送られ、比較的弱い、運転者に注意を促すための一次ブレーキが作動されるようになっている。さらに、ミリ波レーダ3が障害物50がさらに車両1から近距離(衝突までT2秒の点P2)の範囲内に侵入したと判断したときに、作動機器制御手段10aによって、ブレーキ手段14に信号が送られ、衝突を回避するための強い二次ブレーキが作動されるようになっている。これら一次ブレーキ及び二次ブレーキの検知範囲A1,A2は左右先端側がカットされている。具体的には、一次ブレーキエリアA1は、車両1の車幅方向端部からのオフセット10%の操舵回避時間の点(図示せず)と、オフセット40%かつ衝突までT1秒までの点P1とを結んだ線よりも外側がカットされた車両1の先端までの山形の範囲となっている。二次ブレーキエリアA2は、オフセット10%の操舵回避時間の点(図示せず)と、オフセット40%かつ衝突までT2秒の点P2とを結んだ線よりも外側がカットされた車両1の先端までの山形の範囲となっている。また、二次ブレーキエリアA2は、衝突後T4秒の点P4までの範囲も含まれている。これは、ミリ波レーダ3の計測のばらつきを吸収するための制御継続時間であり、衝突後にブレーキ手段14の制動が解除されることを防ぐ等の理由により設けられている。
【0029】
また、シートベルトプリテンショナ15は、第1シートベルトプリテンショナ15aと第2シートベルトプリテンショナ15bとで構成されており、ミリ波レーダ3によって、障害物50が車両1から所定距離(衝突までT3秒の点P3)の範囲(以下、シートベルトエリアA3という)内に侵入したことを検知したときに第1シートベルトプリテンショナ15aによってシートベルト16をリトラクタ(図示せず)に引き込んで乗員を所定の張力(衝突回避操作に影響しない程度)で拘束するようになっている。第2シートベルトプリテンショナ15bは、車両が衝突したことを衝突センサー11によって検出したときに、さらにシートベルト16を引き込んで乗員を強い拘束力で拘束するものである。なお、第1シートベルトプリテンショナ15aは電動モータ(図示せず)によってシートベルト16を引き込むように構成されている。第2シートベルトプリテンショナ15bは火薬などのインフレータ(図示せず)によってシートベルト16を引き込むように構成されている。
【0030】
一方、作動機器制御手段10aは、ミリ波レーダ3により、マーク手段10dによってPCS制御の対象外としてマークされた障害物50がエリアA1〜A3内に入ったと検知されても、ブレーキ手段14やシートベルトプリテンショナ15を作動させない。なお、作動機器制御手段10aは、PCS制御の対象外としてマークされた障害物50とPCS制御の対象である障害物50とがエリアA1〜A3内に入ったと検知されたときには、ブレーキ手段14やシートベルトプリテンショナ15を作動させるようになっている。
【0031】
−PCS制御−
以下、図5のフローチャートを参照しながら、車両の障害物検知装置2の制御ユニット10が行うPCS制御について説明する。
【0032】
まず、ステップS1では、障害物50を検知したか否かを判定する。ステップS1の判定結果がYESの場合はステップS2に進み、NOの場合はステップS1に戻る。ステップS2では、その障害物50が静止物体であるか否かを判定する。ステップS2の判定結果がYESの場合はステップS3に進み、NOの場合(移動物体である場合)はステップS5に進む。
【0033】
ステップS3では、静止物体である障害物50が先行車両4の通過位置又はその近傍にあるか否かを判定する。ステップS3の判定結果がYESの場合はステップS4に進み、NOの場合(先行車両4の通過位置の遠方にある場合)はステップS5に進む。ステップS4では、その障害物50をPCS制御の対象外としてマークする。その後、ステップS5に進む。
【0034】
ステップS5では、障害物50が一次ブレーキエリアA1、二次ブレーキエリアA2、又はシートベルトエリアA3内にあるか否かを判定する。ステップS5の判定結果がYESの場合はステップS6に進み、NOの場合(一次ブレーキエリアA1、二次ブレーキエリアA2、及びシートベルトエリアA3外にある場合)はリターンに進む。ステップS6では、一次ブレーキエリアA1、二次ブレーキエリアA2、又はシートベルトエリアA3内にある障害物50がPCS制御の対象外としてマークされているか否かを判定する。ステップS6の判定結果がYESの場合(その障害物50がPCS制御の対象外である場合)はリターンに進み、NOの場合(その障害物50がPCS制御の対象である場合)はステップS7に進む。
【0035】
ステップS7では、PCS制御を開始する。その詳細は前述した。その後、リターンに進む。
【0036】
−効果−
以上により、本実施形態によれば、自車両前方の障害物50が静止物体でないと判定され、又は静止物体である自車両前方の障害物50が先行車両4の通過位置若しくはその近傍にないと判定された場合であって、その障害物50が作動機器14,15を作動させるべきエリアA1〜A3内に入ったと検知されたときには、作動機器14,15を作動させる。つまり、この場合、自車両1がその障害物50と衝突する可能性があると考えられるので、作動機器14,15を作動させる。このため、乗員の安全性を確保することができる。
【0037】
一方、静止物体である車両前方の障害物50が先行車両4の通過位置又はその近傍にあると判定されたときには、その障害物50が作動機器14,15を作動させるべきエリアA1〜A3内に入ったと検知されても、作動機器14,15を作動させない。つまり、自車両前方の障害物50を検知しても、その障害物50が静止物体で、かつ先行車両4の通過位置又はその近傍にあると判定したときには、その障害物50は自車両1の走行に支障を来たさないものであると考えられるので、その障害物50がそのエリアA1〜A3内に入ったと検知されても、作動機器14,15を作動させない。このため、乗員が煩わしさを感じるのを抑制することができる。
【0038】
以上により、乗員の安全性を確保しながら、乗員が煩わしさを感じるのを抑制することができる。
【0039】
また、障害物検知手段をミリ波レーダ3で構成しているので、雨や霧等の状態でも安定して障害物50を検知することができる。
【0040】
また、自車両前方の障害物50が自車両1の走行に支障を来たさないものであると考えられる場合、ブレーキ手段14を作動させないので、乗員が煩わしさを感じるのを確実に抑制することができる。
【0041】
また、自車両前方の障害物50が自車両1の走行に支障を来たさないものであると考えられる場合、シートベルトプリテンショナ15を作動させないので、乗員が煩わしさを感じるのを確実に抑制することができる。
【0042】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、静止物体である障害物50が先行車両4の通過位置又はその近傍にあると判定されたときに、その障害物50をPCS制御の対象外としてマークし、そのマークされた障害物50がエリアA1〜A3内に入ったと検知されても、ブレーキ手段14やシートベルトプリテンショナ15を作動させないようにしているが、静止物体である障害物50が先行車両4の通過位置又はその近傍にあると判定された時点で、ブレーキ手段14やシートベルトプリテンショナ15を作動させないようにしても良い。つまり、図5のフローチャートで、ステップS3の判定結果がYESの場合、リターンに進んでも良い。
【0043】
また、上記実施形態では、静止物体である障害物50が先行車両4の通過位置又はその近傍にあると判定されたときに、その障害物50をPCS制御の対象外としてマークし、そのマークされた障害物50がエリアA1〜A3内に入ったと検知されても、ブレーキ手段14やシートベルトプリテンショナ15を作動させないようにしているが、その障害物50が先行車両4の通過位置又はその近傍にあると判定されたときに、その障害物50がエリアA1〜A3内に入ったと検知されても、ブレーキ手段14やシートベルトプリテンショナ15を作動させない限り、その手段は如何なるものであっても良い。
【0044】
また、上記実施形態では、ミリ波レーダ3は、車両1の幅方向中心よりも右側にオフセットして配置されているが、必ずしもオフセットされている必要はない。
【0045】
また、上記実施形態では、障害物検知手段及び侵入検知手段をミリ波レーダ3で構成しているが、これに限らず、例えば赤外線レーザーなどで構成してもよい。
【0046】
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
【0047】
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上説明したように、本発明に係る車両の障害物検知装置は、乗員が煩わしさを感じるのを抑制するための用途等について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態に係る車両の障害物検知装置を備えた車両の概念図である。
【図2】車両の障害物検知装置を示すブロック図である。
【図3】ミリ波レーダの検出範囲を示す概念図である。
【図4】道路を示す平面図である。
【図5】PCS制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
1 車両
2 障害物検知装置
3 ミリ波レーダ(障害物検知手段、侵入検知手段)
4 先行車両
10 制御ユニット
10a 作動機器制御手段
10b 静止物判定手段
10c 位置判定手段
10d マーク手段
14 ブレーキ手段(作動機器)
15 シートベルトプリテンショナ(作動機器)
50 障害物
A1 一次ブレーキエリア
A2 二次ブレーキエリア
A3 シートベルトエリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両前方の障害物を検知する障害物検知手段と、該障害物検知手段からの障害物検知情報を受けて上記自車両の作動機器を制御する作動機器制御手段とを備えた車両の障害物検知装置であって、
上記障害物検知手段により検知された障害物が静止物体であるか否かを判定する静止物体判定手段と、
上記静止物体判定手段により上記障害物が静止物体であると判定されたときに、該障害物が先行車両の通過位置又はその近傍にあるか否かを判定する位置判定手段とをさらに備え、
上記作動機器制御手段は、上記位置判定手段により上記障害物が上記先行車両の通過位置又はその近傍にあると判定されたときには、上記作動機器を作動させないように構成されていることを特徴とする車両の障害物検知装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両の障害物検知装置において、
上記障害物検知手段により検知された障害物が上記作動機器を作動させるべきエリア内に入ったのを検知する侵入検知手段をさらに備え、
上記作動機器制御手段は、
上記静止物体判定手段により上記障害物が静止物体でないと判定され、又は上記位置判定手段により上記障害物が上記先行車両の通過位置若しくはその近傍にないと判定された場合であって、上記侵入検知手段により該障害物が上記エリア内に入ったと検知されたときには、上記作動機器を作動させる一方、
上記位置判定手段により上記障害物が上記先行車両の通過位置又はその近傍にあると判定されたときには、上記侵入検知手段により該障害物が上記エリア内に入ったと検知されても、上記作動機器を作動させないように構成されていることを特徴とする車両の障害物検知装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の車両の障害物検知装置において、
上記障害物検知手段は、ミリ波レーダであることを特徴とする車両の障害物検知装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両の障害物検知装置において、
上記作動機器は、車両に制動力を加えるブレーキ手段であることを特徴とする車両の障害物検知装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両の障害物検知装置において、
上記作動機器は、シートベルトを強制的に引き込むシートベルトプリテンショナであることを特徴とする車両の障害物検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−168698(P2008−168698A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2084(P2007−2084)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】