説明

車両充電ケーブル用ソケットコネクタ

【課題】 車両充電ケーブル用ソケットコネクタにおいて、電気的な接続信頼性を長期間にわたって持続させること。
【解決手段】 ソケットコンタクト110の内部からハウジング130の外部へと至るコンタクト貫通穴112、およびハウジング貫通穴134cを通して、ソケットコンタクト110の内部へ否応なく侵入した粉塵、あるいは雨滴を外部へ排出することを可能としたことで、粉塵、あるいは雨滴による電気的接触への悪影響を防ぎ、高い接続信頼性を長期間にわたって持続させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車など、二次電池を搭載した車両を充電するために用いられる充電ケーブルのコネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、電気自動車、あるいは、プラグインハイブリッドタイプの自動車などのように、駆動力の主な発生源としてモーターを用い、かつ、このモーターへの電力供給手段として二次電池を搭載した環境配慮型の車両の普及が進んできている。このような車両に搭載されている二次電池を充電する方法として典型的なものは、車両と所定の充電器との間を充電ケーブルで接続して、充電器から車両へ電力供給を行うことで充電を行う方法である。このような充電方法においては、車両側の充電口と充電ケーブルとの間を着脱自在に係合し、相互間の電気的な接続を得るためのコネクタを設ける必要がある。
【0003】
尚、以後の説明の便宜上、車両に設けられる側のコネクタを「プラグコネクタ」、充電ケーブルの先端に設けられる方のコネクタを「ソケットコネクタ」と称することとし、それぞれに設けられる電気接続端子を、それぞれ「プラグコンタクト」、「ソケットコンタクト」と称することとする。
【0004】
ソケットコンタクトの形状は、筒状である場合が多い。この筒状のソケットコンタクトの内部へ、対向するプラグに設けられたピン状のプラグコンタクトが挿入されることで、ソケットコンタクトの内周面と、プラグコンタクトの外周面とが接触し、相互間が電気的に導通する。ソケットコンタクトの形状について、さらに詳しくは、例えば特許文献1の充電コネクタ用11に示されているように、雄端子21が挿入される側へは開口している一方で、挿入方向の奥側は塞がれており、その後方に位置する電線接続部23によって、ケーブルへ至る電線25の先端と接続されているものが一般的である。
【0005】
通常、車両への充電は屋外で行われる。高電圧かつ大電流での電力供給を行う充電ケーブル用コネクタの電気的な接続信頼性を得るためには、ソケットコンタクト、プラグコンタクト間の電気的導通を阻害する要因となる粉塵や、ソケットコンタクト、プラグコンタクトそれぞれの接触面の腐食を進行させる要因となる雨滴に対する対策が不可欠である。この点に関して、従来から様々な提案がなされており、例えば、特許文献1には、充電コネクタ用端子11の挿入開口15付近にOリング31を設け、雄端子21が充電コネクタ用端子11へ挿入される際、Oリング31によって、雄端子21の外周面に付着した泥水などの進入を防ぐ例が開示されている。(図8参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3195181号公報(図1〜図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されているような方法では、充電ケーブルを着脱する際、Oリングにて取り除くことができずにソケットコンタクト内へ進入してしまった泥水などを排出することができないため、前述のような不都合を来たす可能性を払拭できていない。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、車両充電ケーブル用ソケットコネクタにおいて、ソケットコンタクト内部へ侵入した粉塵、あるいは雨滴による電気的接触への悪影響を回避し、屋外で使用される場合であっても、高い電気的接続信頼性を長期間にわたって持続させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するために、本発明による請求項1記載の車両充電ケーブル用ソケットコネクタは、プラグコンタクトと接触するソケットコンタクトと、当該ソケットコンタクトを保持する保持部を有するハウジングとを有し、前記ソケットコンタクトは、ハウジングに保持される部分である基部と、当該基部から延び、プラグコネクタ側コンタクトと弾性接触する弾性接触片とを有し、前記基部は、内部に設けられた空洞部と、空洞部から前記ソケットコンタクトの外側へ至るように貫通するソケットコンタクト貫通穴とを有し、前記ハウジングは、前記ソケットコンタクトを収容するソケットコンタクト収容部と、一方が前記ソケットコンタクト貫通穴に対向して開口し、他方がソケットコネクタの外部へ向けて開口するハウジング貫通穴を有することによって、ソケットコンタクトの内部からソケットコネクタの外部へ至る貫通穴が設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明による請求項2記載の車両充電ケーブル用ソケットコネクタは、さらに、前記弾性接触片の外周面がコンタクトカバーによって覆われており、当該コンタクトカバーは、弾性接触片が収容される弾性接触片収容部と、当該弾性接触片収容部の先端に設けられ、プラグコンタクトが通過する挿通穴と、当該挿通穴の周囲に設けられた先端環状部とを有し、前記コンタクト収容部は、その先端にプラグコネクタ側コンタクトが通過する開口を設けた先端狭口部を有しており、先端環状部が先端狭口部に当接していることを特徴とする。
【0011】
本発明による請求項3記載の車両充電ケーブル用ソケットコネクタは、前記弾性接触片が、前記ソケットコンタクトの先端から延在する分割部によって、ソケットコンタクトの先端部を分割することによって形成されており、前記コンタクトカバーは、弾性接触片収容部内に、前記分割部の配置に対応して設けられたリブ部を有しており、このリブ部が、前記分割部の端面と密着していることを特徴とする。
【0012】
本発明による請求項4記載の車両充電ケーブル用ソケットコネクタは、前記基部が円筒形であって、当該円筒状の基部の外周面の一部を切り欠いた切欠部を有し、前記保持部は、当該切欠部を有する基部の外周形状に対応した形状をなしていることで、前記ソケットコンタクトが、前記ハウジングに対して回転を規制されて保持されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の本発明によれば、ソケットコンタクトの内部からハウジングの外部へと至る貫通穴を通して、ソケットコンタクト内へ侵入した粉塵、あるいは雨滴を外部へと排出することが可能となるため、防塵性、防滴性を確保するための部材の追加を伴わずとも、高い電気的な接続信頼性を長期間にわたって持続させることができる。
【0014】
請求項2記載の本発明によれば、弾性接触片をコンタクトカバーで覆い、かつ、コンタクトカバーの先端環状部をコンタクト収容部の先端狭口部の内側に当接させていることによって、粉塵、あるいは雨滴がコンタクト収容部へ侵入することを効果的に防ぐことができる。これによって、コンタクト収容部に粉塵、あるいは雨滴が滞留することがなくなり、これらが再び弾性接触片の内部に戻ってきて、電気的接触に対して悪影響を与えることを防ぐことができるため、高い電気的な接続信頼性をさらに長期間にわたって持続させることができる。
【0015】
請求項3記載の本発明によれば、ソケットコンタクトの先端部分を分割して弾性接触片を形成する構造の場合において、分割部をコンタクトカバーに設けられたリブ部によって塞ぐことができる。これによって、ソケットコンタクトの内部へ侵入した粉塵、あるいは雨滴が、分割部に滞留することなく前述の貫通穴へ導かれ、ソケットコンタクトの内部が常にきれいな状態に保たれるため、高い電気的な接続信頼性をさらに長期間にわたって持続させることができる。
【0016】
請求項4記載の本発明によれば、ソケットコンタクトの基部を円筒形とした場合において、ハウジングに対するソケットコンタクトの回転が規制されるため、ソケットコネクタを組み立てる際に、コンタクト貫通穴とハウジング貫通穴とを確実に対向させることができる。これによって、ソケットコンタクトの内部へ侵入した粉塵、あるいは雨滴を、スムーズに外部へ排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両充電ケーブル用ソケットコネクタの外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車両充電ケーブル用ソケットコネクタの正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る車両充電ケーブル用ソケットコネクタの外観を別の角度から示す斜視図であり、プラグコネクタ(車両側)と共に示した図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る車両充電ケーブル用ソケットコネクタのソケットコンタクトを示す図であり、(a)は外観の斜視図、(b)は中央縦断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る車両充電ケーブル用ソケットコネクタのソケットコンタクトをコンタクトカバーと共に示す図であり、(a)は外観の斜視図、(b)は中央縦断面図である。(c)は要部断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る車両充電ケーブル用ソケットコネクタのA−A線断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る車両充電ケーブル用ソケットコネクタのB−B線断面図である。
【図8】従来の車両充電ケーブル用ソケットコネクタの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態に係る車両充電ケーブル用ソケットコネクタ100について、図1ないし図7を用いて説明する。尚、各図において、充電ケーブル200は、その一部のみを示している。充電ケーブル200の他端側は、図示しない充電器へと接続されている。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態に係る車両充電ケーブル用ソケットコネクタ100の外観を示している。ソケットコネクタ100は、充電ケーブル200の先端に、弾性を有するブッシュ170を介して、水密を保って取り付けられている。ソケットコネクタ100の先端部分には、円筒形状をなすハウジング130の一部が露出している。この円筒形状の先端部分の内部は、後述するプラグコネクタ300を接続した際に、プラグコネクタ300が収容されるプラグコネクタ収容部131である。
【0020】
本実施例では、プラグコネクタ収容部131からブッシュ170へ至る本体部分は、中央線に沿って左右に分割された右カバー150と左カバー160とを組み合わせることによって構成されており、ハウジング130とブッシュ170の外周面を、右カバー150と左カバー160とによって挟み込み、右カバー150と左カバー160とをビス止めすることで組み立てることができるようになっている。尚、本実施例においては、プラグコネクタ300へソケットコネクタ100を挿入する際、あるいはプラグコネクタ300からソケットコネクタ100を抜去する際の応力に対する破壊強度向上を図るべく、プラグコネクタ収容部131の内周部に、ハウジング130とは別体のリング部材140を用いているが、このリング部材140は必須なものではない。
【0021】
図2に示すように、プラグコネクタ収容部131内には、円筒形状をなすコンタクト収容部132a〜132eが、共通規格で定められている所定の位置関係で配設されている。本実施例では、供給電源プラス電極、グランド電極、充電制御信号電極など、全部で5つのコンタクト収容部132a〜132eが配設されている。コンタクト収容部132a〜132e内には、それぞれ、ソケットコンタクト110が収容されている。
【0022】
ソケットコネクタ100の上部には、プラグコネクタ300との接続状態を確実に維持するためのロックレバー180が設けられている。ロックレバー180の先端には、下側へ向けて突出する係止部181が設けられている。ロックレバー180は、前述の右カバー150、左カバー160のそれぞれに設けられた軸受穴によって軸支され、シーソー状に可動するように構成されており、後述するコイルスプリング182によって、係止部181が前述のプラグコネクタ収容部131へ近づく方向へ向けて付勢されている。
【0023】
ここまで述べた、ハウジング130、リング部材140、右カバー150、左カバー160、およびロックレバー180は、いずれも、絶縁性合成樹脂を用いて成形されている。
【0024】
図3は、本実施例の外観を、接続相手であるプラグコネクタ300と共に、背面方向から示している。プラグコネクタ300は、車両側に固定されており、プラグコネクタ収容部131を形成する円筒形状部分が挿入される円環形状の凹部310を有している。また、ソケットコネクタ100の各コンタクト収容部132a〜132eに対応した位置に、プラグコンタクト配設穴320a〜320eが設けられており、このプラグコンタクト配設穴320a〜320eの奥に、図示しないピン状のプラグコンタクトが配設されている。
【0025】
プラグコネクタ300の上部には、被係止部330が設けられている。プラグコネクタ300へソケットコネクタ100が挿入された際、この被係止部330と、前述の係止部181とが係合することで、プラグコネクタ300とソケットコネクタ100とが、離脱不能に保持される。プラグコネクタ300からソケットコネクタ100を抜去するには、ロックレバー180のブッシュ170寄りの部分を把持し、コイルスプリング182の付勢力に抗してロックレバー180を押し下げることによって、係止部181が上方向へ移動し、被係止部330との係合が解除されることで、抜去が可能となる。
【0026】
図4は、1つのソケットコンタクト110を示している。ソケットコンタクト110は、弾性を有する導電性金属を用いて形成されている。ソケットコンタクト110は、円筒形状をなしており、先端側(プラグコンタクトが挿入される側)から順に、弾性接触片113a〜113d、基部111、ワイヤ接続部117からなる。弾性接触片113a〜113dは、ソケットコンタクト110の先端側を、先端から延びる4つの分割部114a〜114dによって十字状に分割することで形成されており、基部111側を支点として、先端が径方向の外側へ向けて弾性変位できるよう構成されている。プラグコンタクト(図示しない)は、円柱形のピン状であり、その直径は弾性接触片113a〜113dの内周面が形成する円の直径よりもやや大きい。従って、プラグコンタクトがソケットコンタクト110へ挿入されると、弾性接触片113a〜113dが、それぞれ、プラグコンタクトの外周面と弾性接触し、相互間が電気的に導通する。
【0027】
基部111の内部には、弾性接触片113a〜113dの支点付近から、基部111の中央付近まで伸びる空洞部115が設けられている。また、基部111の中央付近には、基部111の外周面から、空洞部115へ至るコンタクト貫通穴112が形成されている。また、本実施例では、基部111の外周に2つの鍔形状部分が設けられており、そのうちの先端側に位置する鍔の上側の一部を切り落とし、いわゆるDカット形状とすることで、切欠部116が形成されている。ワイヤ接続部117は、基部111から円筒状に延設されて形成されている。この内部に、充電ケーブル200に内包される個々のワイヤ210の先端を挿入し、半田付けを行うことで、ソケットコンタクト110とワイヤ210とを接続する。
【0028】
図5は、コンタクトカバー120に覆われた状態のソケットコンタクト110を示している。本実施例におけるコンタクトカバー120は、絶縁性の弾性材料であるシリコンゴムを用いて成形されている。コンタクトカバー120は、概ね円筒形状であり、円筒内部の弾性接触片収容部121の中に弾性接触片113a〜113dを収め、先端から基部111外周面のコンタクト貫通穴112の付近にかけて、ソケットコンタクト110を覆っている。コンタクトカバー120の先端部分には、プラグコンタクトが通過するための挿通穴122が設けられており、その挿通穴122の周囲には、ソケットコンタクト110の長さ方向に対して垂直な平面で構成される先端環状部123が形成されている。
【0029】
図5(c)から分かるように、弾性接触片収容部121内には、コンタクトカバー120の内周面から垂直に、分割部114a〜114dの配置に対応した4つのリブ部124a〜124dが立設されている。4つのリブ部124a〜124dの厚さは、全て、コンタクトカバー120の個品状態(ソケットコンタクトに被せてない状態)において、プラグコンタクトがソケットコンタクト110に挿入された状態における分割部114a〜114dの幅よりもやや広く設定されている。このようにリブ部124a〜124dの幅を設定することによって、プラグコンタクトがソケットコンタクト110に挿入された状態においても、分割部114a〜114dの端面とリブ部124a〜124dとが密着した状態を保つことができ、分割部114a〜114dの端面とリブ部124a〜124dとの間に、粉塵や雨滴が滞留することを効果的に防ぐことができる。
【0030】
図6は、本実施例の長さ方向に沿った中央断面図である。以下、正面視、中央下段に配設されているコンタクト収容部132cの部分を例として詳述するが、他のコンタクト収容部132a,132b,132d,132eについても同様な構成となっている。
【0031】
図6から分かるように、基部111の周辺において、空洞部115からコンタクト貫通穴112を介し、さらにハウジング貫通穴134を経て、プラグコネクタ収容部131へ至る貫通穴が形成されている。ソケットコンタクト110内部に進入した粉塵、あるいは雨滴は、この貫通穴を通って、ソケットコネクタ100の外部へ排出されるため、これらが電気的接触に対して悪影響を与えることがない。
【0032】
ハウジング130には、高電圧が供給されるソケットコンタクト110にユーザーが触れて感電することを防ぐために、先端側へ向けて円筒状に突出させて設けたコンタクト収容部132cが一体に設けられている。コンタクト収容部132cの先端部分は、ソケットコンタクト110の先端を、先端狭口部133cによって覆うことで、露出を防いでいる。本実施例では、この先端部分において、先端狭口部133cの内側の面と、コンタクトカバー120の先端環状部123とが当接した状態となっている。このようにすることによって、先端狭口部133cの内側の面と、コンタクトカバー120の先端環状部123との隙間から粉塵あるいは雨滴が、コンタクト収容部132cの内部へ侵入することを防ぐことができる。このため、コンタクト収容部132c内に粉塵、あるいは雨滴が滞留することがなくなり、これらが再び弾性接触片113a〜113dの接触部分に戻ってきて、電気的接触に対して悪影響を与えることを防ぐことができる。
【0033】
ソケットコンタクト110は、ハウジング130の背面側から先端側へ向けて、基部111を保持部135cへ圧入することで固定されている。基部111と保持部135cの形状については、後述する。コイルスプリング182は、ロックレバー180を前述したように付勢するためのものであり、一端は右カバー150と左カバー160とを組み合わせた際に設けられる穴に固定され、他端はロックレバー180の下側に設けられた穴に固定されている。
【0034】
図7は、本実施例における切欠部116を含む箇所の要部断面図である。5つのソケットコンタクト110それぞれの基部111は、それぞれ前述したものと同様な切欠部116を有し、同様な形状となっている。一方、保持部135a〜135eは、ハウジング130に、切欠部116を含む基部111の外周形状と同一な形状の穴を設けることで形成されている。ソケットコンタクト110を、この保持部135a〜135eのそれぞれへ圧入すると、ソケットコンタクト110が回転不能に固定される。これによって、コンタクト貫通穴112と、ハウジング貫通穴134a〜134eとが良好に対向し、その状態が維持される。
【0035】
以上、実施例として、ソケットコネクタの先端から充電ケーブルに至る形状が真っ直ぐな、いわゆるストレートタイプのソケットコネクタの例を挙げたが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、ソケットコネクタの先端から充電ケーブルに至る形状が略L字状に折れ曲がったタイプのソケットコネクタであっても、好適に応用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、電気自動車など、二次電池を搭載した車両を充電するために用いられる充電ケーブル用ソケットコネクタに利用でき、コネクタ内部へ侵入した粉塵、雨滴などに起因する充電のトラブルを低減することに寄与する。
【符号の説明】
【0037】
100 ソケットコネクタ
110 ソケットコンタクト
111 基部
112 コンタクト貫通穴
113a〜113d 弾性接触片
114a〜114d 分割部
115 空洞部
116 切欠部
117 ワイヤ接続部
120 コンタクトカバー
121 弾性接触片収容部
122 挿通穴
123 先端環状部
124a〜124d リブ部
130 ハウジング
131 プラグコネクタ収容部
132a〜132e コンタクト収容部
133a〜133e 先端狭口部
134a〜134e ハウジング貫通穴
135a〜135e 保持部
140 リング部材
150 右カバー
160 左カバー
170 ブッシュ
180 ロックレバー
181 係止部
182 コイルスプリング
200 充電ケーブル
210 ワイヤ
300 プラグコネクタ
310 凹部
320a〜320e プラグコンタクト配設穴
330 被係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両を充電するために用いられる充電ケーブルの先端に設けられ、前記電動車両側に設けられたプラグコネクタと接続することで、電気的接続を得るための電動車両充電ケーブル用ソケットコネクタであって、
当該ソケットコネクタは、
プラグコネクタ側コンタクトと接触するソケットコンタクトと、
当該コンタクトを保持する保持部を有するハウジングと、
を有し、
前記ソケットコンタクトは、
ハウジングに保持される部分である基部と、
当該基部から延び、プラグコネクタ側コンタクトと弾性接触する弾性接触片と、
を有し、
前記基部は、
内部に設けられた空洞部と、
当該空洞部から、基部の外側へ至るように貫通するコンタクト貫通穴と、
を有し、
前記ハウジングは、
前記ソケットコンタクトを収容するコンタクト収容部と、
一方が前記コンタクト貫通穴と対向して開口し、他方がソケットコネクタの外部へ向けて開口するハウジング貫通穴と、
を有する
ことを特徴とする電動車両充電ケーブル用ソケットコネクタ。
【請求項2】
前記弾性接触片の外周面が、コンタクトカバーによって覆われており、
当該コンタクトカバーは、
弾性接触片が収容される弾性接触片収容部と、
当該弾性接触片収容部の先端に設けられ、プラグコネクタ側コンタクトが通過する挿通穴と、
当該挿通穴の周囲に設けられた先端環状部と、
を有し、
前記コンタクト収容部は、
その先端に、プラグコネクタ側コンタクトが通過する開口を設けた先端狭口部
を有しており、
前記先端環状部が前記先端狭口部に当接していること
を特徴とする請求項1記載の電動車両充電ケーブル用ソケットコネクタ。
【請求項3】
前記弾性接触片は、
前記ソケットコンタクトの先端から延在する分割部によって、ソケットコンタクトの先端部を分割することによって形成されており、
前記コンタクトカバーは、
前記弾性接触片収容部内に、前記分割部の配置に対応して設けられたリブ部
を有しており、
当該リブ部が、前記分割部の端面と密着している
ことを特徴とする、請求項2記載の電動車両充電ケーブル用ソケットコネクタ。
【請求項4】
前記基部は、
円筒形であって、外周面の一部を切り欠いた切欠部を有し、
前記保持部は、
当該切欠部を有する基部の外周形状に対応した形状をなしており、
前記ソケットコンタクトが、前記ハウジングに対する回転を規制されて保持されていること
を特徴とする、請求項1ないし請求項3記載の電動車両充電ケーブル用ソケットコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−190769(P2012−190769A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73487(P2011−73487)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000102500)SMK株式会社 (528)
【Fターム(参考)】