説明

車両室内意匠の発光構造

【課題】光源を少なくできるともに、発光する意匠を容易に追加できる車両室内意匠の発光構造を提供する。
【解決手段】自動車1の室内2には、室内2の天井部Cから所定の照射範囲Kに向けて紫外線を照射するマップランプ装置60と、前記照射範囲K内に互いに離れて配置された意匠部としてのコンビネーションメータ10、ナビゲーション装置20、エアコン操作部30、パワーウィンドウスイッチ部40、及び、小物載置部50と、が設けられている。これら意匠部には、それぞれ前記紫外線を照射されることによって発光するように形成された発光意匠が設けられており、そして、マップランプ装置60によって紫外線が照射されると、各発光意匠が発光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などの車両の室内に設けられた意匠である車両室内意匠の発光構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、車両のインスツルメントパネルに設けられる速度メータ等のメータ装置は、数値や目盛の形状をした透光性意匠としての指標が設けられた文字板と、この文字板を背面から照らす光源と、を備えている。このようなメータ装置では、車両の前照灯又は車幅灯の点灯に連動して、光源から文字板に向けて光が照射され、この光が文字板の透光性意匠を透過して、該透光性意匠を発光させていた。
【0003】
また、インスツルメントパネルには、上記メータ装置以外にも、カーナビゲーション装置やオーディオ装置、エアコン操作部などの各種車載装置が設けられており、これら各種車載装置などにおいても、上記メータ装置と同様に透光性意匠及び光源を設けて、透光性意匠を発光させていた。
【0004】
また、メータ装置については、上記以外にも、例えば、特許文献1に示されるように、蛍光体によって形成された数値や目盛の形状をした蛍光意匠としての指標が前面に設けられた文字板(表示部)と、文字板の前面に紫外線を照射する光源(紫外線LED)と、を備えて、該光源が照射する紫外線によって文字板の指標を発光させるメータ装置、なども用いられていた。
【0005】
このように、インスツルメントパネルに設けられるメータ装置及び各種車載装置は、それらが備える意匠を発光させることにより、夜間などにおける意匠の視認性や美観を向上させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−17039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したメータ装置及び各種車載装置は、互いに離れて(独立して)配置されているので、それぞれに設けられた意匠を発光させるために、それぞれが個別に光源を備える必要があり、そのため、多くの光源を必要として、部品数が増加するとともに配線が複雑になって、製造コストが増加してしまうという問題があった。また、車両の室内における各種装置の操作性や美観を向上させるために、例えば、車両ドアの内装パネルに設けられたパワーウィンドウスイッチ部の操作スイッチに発光する機能表示意匠を施したり、運転席と助手席との間に設けられたセンターコンソールに発光する装飾意匠を施したりするなどの、発光する意匠を追加する設計変更を行う場合には、さらに多くの光源を必要として、部品数がさらに増加するとともに配線などの設計がより複雑になって、そのため、発光する意匠を追加することが困難であった。
【0008】
本発明は、上記課題に係る問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、光源を少なくできるともに、発光する意匠を容易に追加できる車両室内意匠の発光構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、車両の室内に設けられた意匠の発光構造であって、前記室内の天井部から所定の照射範囲に向けて紫外線を照射する紫外線光源と、前記照射範囲内に互いに離れて設けられた、前記紫外線を照射されることによって発光するように形成された発光意匠を有する、複数の意匠部と、を備えていることを特徴とする車両室内意匠の発光構造である。
【0010】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記紫外線光源が、紫外線の照射強度を調節する調光機能を備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載された発明によれば、車両の室内の天井部から所定の照射範囲に向けて紫外線を照射する紫外線光源と、前記照射範囲内に互いに離れて設けられた、前記紫外線を照射されることによって発光するように形成された発光意匠を有する、複数の意匠部と、を備えているので、紫外線光源が所定の照射範囲に向けて紫外線を照射すると、該照射範囲内に設けられた複数の意匠部の発光意匠が該紫外線で照らされて発光し、そのため、複数の意匠部ごとに光源を設けることなく、複数の意匠部の発光意匠を1つの紫外線光源によって発光させることができ、光源を少なくすることができる。また、紫外線光源の照射範囲内に上記意匠部を追加して設けることで、追加した意匠部が有する発光意匠を発光させることができるので、発光する意匠を容易に追加できる。また、天井部からの紫外線照射範囲内、つまり、天井部から見通せる範囲に意匠部が設けられているので、障害物などによって意匠部に対する紫外線の照射が妨げられることを防ぐことができる。また、発光意匠が紫外線によって発光するので、乗員が眩しく感じるほどの高輝度で発光することが無く、そのため、乗員の不快感を防ぐことができる。また、天井部から紫外線を照射するので、乗員の目に対して直接紫外線が照射されることを防ぐことができる。
【0012】
請求項2に記載された発明によれば、紫外線光源が、紫外線の照射強度を調節する調光機能を備えているので、車両室内に設けられた複数の意匠部の発光意匠に対して一括して輝度調節をすることができ、そのため、複数の意匠部毎に個別に発光意匠の輝度調節を行う必要が無くなり、輝度調節が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る車両室内意匠の発光構造の一実施形態である自動車の内装の斜視図である。
【図2】図1に示すコンビネーションメータの正面図である。
【図3】図1に示すナビゲーション装置の正面図である。
【図4】図1に示すエアコン操作部の正面図である。
【図5】図1に示すパワーウィンドウスイッチ部の斜視図である。
【図6】図1に示すセンターコンソールの斜視図である。
【図7】図6のセンターコンソールに設けられた小物載置部の正面図(紫外線が照射された状態)である。
【図8】図1に示すマップランプ装置の正面図である。
【図9】図8のマップランプ装置によって紫外線が照射される照射範囲を模式的に示す図である。
【図10】図8のマップランプ装置によって紫外線が照射される照射範囲の他の例を模式的に示す図である。
【図11】小物載置部に設けられた装飾プレートのコンソール装飾意匠の発光状態の遷移を説明するための図である。
【図12】図8のマップランプ装置の他の構成例を示す拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る車両室内意匠の発光構造の一実施形態を示す自動車の内装を、図1〜図12を参照して説明する。
【0015】
図1に示すように、車両としての自動車1における室内2には、インスツルメントパネル(以下、「インパネ」という)3と、センターコンソール5と、が設けられている。また、運転席ドアDには、その室内側の面にドア内装パネル4が設けられている。もちろん、他のドアにも同様にドア内装パネルが設けられている。また、天井部Cには、その室内側の面に天井内装パネル6が設けられている。
【0016】
インパネ3は、自動車1の前方側に設けられたウインドシールドガラスWの下方に配置されており、その運転席S1の正面部分にはコンビネーションメータ10が設けられ、その運転席S1と助手席S2との間に位置する中央部分には、ナビゲーション装置20とエアコン操作部30とが設けられている。
【0017】
コンビネーションメータ10には、図2に示すように、メータ装置としての速度メータ11、エンジン回転数メータ12、水温メータ13、及び、燃料メータ14が設けられている。速度メータ11は、文字板11aを備えており、この文字板11aの前面には、指針11bによって指示されることにより、自動車1が備える図示しない速度センサによる計測値を表示するための数値及び目盛並びに前記数値の単位を示すメータ指標11cが設けられている。また、エンジン回転数メータ12、水温メータ13、及び、燃料メータ14についても、上述した速度メータ11と同様に構成されており、それぞれが備える文字板12a、13a、14aには、メータ指標12c、13c、14cが設けられている。
【0018】
ナビゲーション装置20は、公知であるように、自動車1の乗員に対して、現在自動車1が走行している付近の地図画像を表示し、その地図画像上に車両の現在位置及び車両の進行方向を表示する装置である。ナビゲーション装置20は、その前面である表示操作部21を室内2側に向けてインパネ3内に埋設されている。表示操作部21には、図3に示すように、液晶ディスプレイ装置22及び複数の操作スイッチ23が設けられている。
【0019】
液晶ディスプレイ装置22には、上述した地図画像や車両の現在位置を示すマーク、機能選択メニュー等が表示される。複数の操作スイッチ23は、図示例では、それぞれ押しボタンスイッチからなるナビゲーション装置20の機能選択メニュー等を表示するメニューボタン、メニューの選択項目等の移動操作を行う移動ボタン、及び、液晶ディスプレイ装置22に表示する画像等の入力ソース(例えば、地図画像、テレビ画像、DVD画像など)を切り替える入力ソース切替ボタンと、ロータリースイッチからなる音量調節ツマミと、があり、それぞれが表示操作部21の右側端部に縦方向に沿って一列に配設されている。これら複数の操作スイッチ23には、スイッチの機能を示すナビゲーション機能表示意匠23aが設けられている。また、表示操作部21の下側端部には、装置名称などを示すナビゲーション装飾意匠21aが設けられている。
【0020】
エアコン操作部30は、自動車1が備えるエアコン装置の操作を入力する部位であり、インパネ3の中央部分のナビゲーション装置20の下方の位置に設けられている。エアコン操作部30には、図4に示すように、押しボタンスイッチからなるエアコンON/OFFボタン31及び室内空気循環切替ボタン32と、ロータリースイッチからなる空気吹出口切替ツマミ33、室温調節ツマミ34、及び、風量調節ツマミ35と、が設けられている。各ボタン31、32には、ボタンの機能を示すエアコン機能表示意匠31a、32aが設けられている。また、各ツマミ33、34、35の周囲には、各ツマミによって選択される機能や室温などを示すエアコン機能表示意匠33a、34a、35aが設けられている。
【0021】
ドア内装パネル4には、自動車1の各ドアが備えるウィンドウガラスの開閉操作を入力するためのパワーウィンドウスイッチ部40が設けられている。パワーウィンドウスイッチ部40には、図5に示すように、シーソースイッチからなる、各ドアが備えるウィンドウガラスに対応する4つの開閉スイッチ41〜44と、運転席ドアD以外に設けられた他のパワーウィンドウスイッチ部への操作入力を無効にするロックスイッチ45と、が設けられている。これら各スイッチ41〜45のそれぞれには、スイッチの機能を示すパワーウィンドウ機能表示意匠41a〜45aが設けられている。
【0022】
上述した、(1)コンビネーションメータ10に設けられたメータ指標11c〜14c、(2)ナビゲーション装置20に設けられたナビゲーション装飾意匠21a及びナビゲーション機能表示意匠23a、(3)エアコン操作部30に設けられたエアコン機能表示意匠31a〜35a、並びに、(4)パワーウィンドウスイッチ部40に設けられたパワーウィンドウ機能表示意匠41a〜45aは、それぞれ暗色地の上に一般的に用いられる明色の通常インクで形成されているとともに、該通常インクに、紫外線を照射されることによって発光する蛍光インクが重ねて塗布されている。蛍光インクが可視光下で十分に視認可能であれば、蛍光インクのみで上記(1)〜(4)を形成しても良い。上記(1)〜(4)は、請求項中の発光意匠に相当する。また、コンビネーションメータ10、ナビゲーション装置20、エアコン操作部30、及び、パワーウィンドウスイッチ部40は、それぞれ請求項中の意匠部に相当する。
【0023】
センターコンソール5は、その一端がインパネ3の中央部分に連接され、運転席S1と助手席S2との間を通り、これら座席の背もたれ近傍まで延設された略角筒状の部位である。センターコンソール5には、図6に示すように、インパネ3側から順に、自動車1が備える変速機を切り替えるためのシフトレバーSと、小物などを置くための小物載置部50と、が設けられている。
【0024】
小物載置部50は、センターコンソール5の上面を、四隅の角が丸められた長方形の皿状に窪ませて形成された部位である。小物載置部50の底面51には、帯状の装飾プレート52が配設されている。装飾プレート52には、図7に示すように、可視光下で視認不可能で且つ紫外線を照射されることによって視認可能に発光する蛍光インクを用いて形成されたコンソール装飾意匠53が設けられている。このコンソール装飾意匠53は、請求項中の発光意匠に相当し、小物載置部50は、請求項中の意匠部に相当する。
【0025】
天井内装パネル6の中央部には、マップランプ装置60が設けられている。マップランプ装置60には、図8に示すように、平面視略楕円形状のドーム形に形成された正面カバー60aが設けられている。正面カバー60aには、運転席側発光部61と、運転席側発光スイッチ62と、助手席側発光部63と、助手席側発光スイッチ64と、紫外線発光部65と、輝度調節スイッチ67、68と、が設けられている。
【0026】
運転席側発光部61は、運転席S1に着座した乗員の手元を照らすように発光する部位であって、図示しないランプと該ランプを覆う半透明樹脂製のカバー61aとで構成されており、運転席側発光スイッチ62を操作することによって点灯及び消灯される。また、助手席側発光部63も、上記運転席側発光部61と同様に、助手席S2に着座した乗員の手元を照らすように発光する部位であって、図示しないランプと該ランプを覆う半透明樹脂製のカバー63aとで構成されており、助手席側発光スイッチ64を操作することによって点灯及び消灯される。運転席側発光部61及び助手席側発光部63は、正面カバー60aの前方(図8上方)側端部に設けられている。
【0027】
紫外線発光部65は、所定の波長の紫外線を照射する図示しない紫外線LEDと、該紫外線LEDを覆うとともに該紫外線LEDから照射される紫外線を透過する導光部66と、を備えている。紫外線発光部65は、正面カバー60aの中央部分から後方(図8下方)側端部に向けて延びる帯状に形成されている。この紫外線LEDが照射する紫外線は、上述した蛍光インクを発光させるものであればよく、例えば、380nm〜400nm程度の波長の紫外線を照射するものを用いる。この紫外線LEDは、自動車1の前照灯又は車幅灯(以下、前照灯等という)の点灯に連動して、紫外線を照射する。なお、紫外線LEDに代えて、所定の波長の紫外線を照射するブラックライト管を備えていても良い。
【0028】
導光部66は、紫外線LEDが照射した紫外線が、運転席S1及び助手席S2の背もたれを境界として前後二分割した室内2の空間のうち、前方寄りの空間におけるインパネ3の上端3aより下方の部分である、図9に斜線で示す所定の照射範囲Kに照射されるように、例えば、レンズ状に形成されていたり、紫外線が拡散するように表面に粗面化処理が施されていたりする。これにより、インパネ3、ドア内装パネル4、及び、センターコンソール5に紫外線が照射される。また、これに限らず、導光部66は、インパネ3、ドア内装パネル4、及び、センターコンソール5のそれぞれの一部を含む、図10に斜線で示す所定の照射範囲K1〜K3のそれぞれに対して、個別に紫外線が照射(スポット照射)されるように形成されていても良い。
【0029】
輝度調節スイッチ67、68は、上記紫外線LEDが照射する紫外線の強度(即ち、輝度)を調節する押しボタンスイッチであり、正面カバー60aの中央部分に設けられている。輝度調節スイッチ67は、押下される毎に紫外線の強度を高くする押しボタンスイッチであり、表面に「+」が印字されている。輝度調節スイッチ68は、押下される毎に紫外線の強度を低くする押しボタンスイッチであり、表面に「−」が印字されている。なお、マップランプ装置60は、請求項中の紫外線光源に相当する。
【0030】
次に、上述した自動車1の内装における本発明に係る作用について、図11(a)〜(d)に示す。
【0031】
自動車1の前照灯等が消灯しているとき、図11(a)に示すように、センターコンソール5の小物載置部50に設けられた装飾プレート52のコンソール装飾意匠53は、視認されない。また、コンビネーションメータ10、ナビゲーション装置20、エアコン操作部30、及び、パワーウィンドウスイッチ部40のそれぞれが備える、(1)メータ指標11c〜14c、(2)ナビゲーション装飾意匠21a及びナビゲーション機能表示意匠23a、(3)ボタン機能表示意匠31a、32a、及び、ツマミ機能表示意匠33a、34a、35a、並びに、(4)パワーウィンドウ機能表示意匠41a〜45a、は、可視光下で視認可能に表示されている。
【0032】
そして、自動車1の前照灯等が点灯されると、マップランプ装置60が備える紫外線LEDによって、所定の照射範囲Kに紫外線が照射される。このとき照射範囲K内に設けられている装飾プレート52に紫外線が照射されて、そのコンソール装飾意匠53が発光して、視認可能に浮かび上がる。また、装飾プレート52と同様に照射範囲K内に設けられている、コンビネーションメータ10、ナビゲーション装置20、エアコン操作部30、及び、パワーウィンドウスイッチ部40についても、紫外線が照射されて、それぞれが備える、(1)メータ指標11c〜14c、(2)ナビゲーション装飾意匠21a及びナビゲーション機能表示意匠23a、(3)エアコン機能表示意匠31a〜35a、並びに、(4)パワーウィンドウ機能表示意匠41a〜45a、が発光する。
【0033】
そして、マップランプ装置60の輝度調節スイッチ67(即ち、「+」ボタン)が押下されると、紫外線の強度が高くなって、図11(c)に示すように、上記各意匠の輝度が一括して高くなる。または、輝度調節スイッチ68(即ち、「−」ボタン)が押下されると、紫外線の強度が低くなって、図11(d)に示すように、上記各意匠の輝度が一括して低くなる。また、前照灯等が消灯されると、上記各意匠が発光しなくなり、当初の状態(図11(a))に戻る。
【0034】
また、マップランプ装置60の照射範囲K内に、蛍光インクで形成された意匠(即ち、発光意匠)を有する車載装置や装飾部材などの他の意匠部を追加することで、該他の意匠部の意匠にも紫外線が照射されて発光させることができる。
【0035】
以上より、本発明によれば、自動車1の室内2の天井内装パネル6から所定の照射範囲Kに向けて紫外線を照射するマップランプ装置60と、前記照射範囲K内に互いに離れて設けられた、前記紫外線を照射されることによって発光するように形成された発光意匠(即ち、(1)メータ指標11c〜14c、(2)ナビゲーション装飾意匠21a及びナビゲーション機能表示意匠23a(3)エアコン機能表示意匠31a〜35a、(4)パワーウィンドウ機能表示意匠41a〜45a(5)コンソール装飾意匠53)を有する、複数の意匠部(即ち、コンビネーションメータ10、ナビゲーション装置20、エアコン操作部30、パワーウィンドウスイッチ部40、及び、小物載置部50)と、を備えているので、マップランプ装置60が所定の照射範囲Kに向けて紫外線を照射すると、該照射範囲K内に設けられた上記複数の意匠部の発光意匠が該紫外線で照らされて発光し、そのため、複数の意匠部ごとに光源を設けることなく、複数の意匠部の発光意匠を1つのマップランプ装置60によって発光させることができ、光源を少なくすることができる。また、マップランプ装置60の照射範囲K内に、上記紫外線が照射されることによって発光する発光意匠を有する意匠部を追加して設けることで、追加した意匠部が有する発光意匠を発光させることができるので、発光する意匠を容易に追加できる。また、天井部Cからの紫外線の照射範囲K内、つまり、天井部Cから見通せる範囲に意匠部が設けられているので、障害物などによって意匠部に対する紫外線の照射が妨げられることを防ぐことができる。また、発光意匠が紫外線によって発光するので、乗員が眩しく感じる程の高輝度で発光することが無く、そのため、乗員の不快感を防ぐことができる。また、天井部Cから紫外線を照射するので、乗員の目に対して直接紫外線が照射されることを防ぐことができる。
【0036】
また、マップランプ装置60が、紫外線の照射強度を調節する調光機能としての輝度調節スイッチ67、68を備えているので、自動車1の室内2に設けられた複数の意匠部の発光意匠に対して一括して輝度調節をすることができ、そのため、複数の意匠部毎に個別に発光意匠の輝度調節を行う必要が無くなり、輝度調節が容易にできる。
【0037】
上述した本実施形態においては、紫外線光源としてのマップランプ装置60が天井部Cから直接的に照射範囲K(即ち、各意匠部)に向けて紫外線を照射するものであったが、これに限定されるものではなく、例えば、インパネ3又はセンターコンソール5などに、天井部Cに向けて紫外線を照射する紫外線光源を設けて、該紫外線光源が照射する紫外線を天井部Cで反射させて、間接的に照射範囲Kに向けて紫外線を照射するものであっても良い。
【0038】
また、本実施形態においては、マップランプ装置60の紫外線発光部65が、自動車1の前照灯等の点灯に連動して紫外線を照射するものであったが、これに限定されるものではなく、例えば、図12に示すように、マップランプ装置60に紫外線ON/OFFスイッチ69を設けて、この紫外線ON/OFFスイッチ69の操作に応じて、紫外線発光部65が紫外線を照射するようにしても良い。但し、この場合、上述したコンビネーションメータ10が有する各メータ指標11c〜14c用の別光源を設けて、これらメータ指標11c〜14cが自動車1の前照灯等の点灯に連動して発光するようにする必要がある。
【0039】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 自動車(車両)
2 室内
3 インスツルメントパネル
4 ドア内装パネル
5 センターコンソール
6 天井内装パネル
10 コンビネーションメータ(意匠部)
11c〜14c メータ指標(発光意匠)
20 ナビゲーション装置(意匠部)
21a ナビゲーション装飾意匠(発光意匠)
23a ナビゲーション機能表示意匠(発光意匠)
30 エアコン操作部(意匠部)
31a〜35a エアコン機能表示意匠(発光意匠)
40 パワーウィンドウスイッチ部(意匠部)
41a〜45a パワーウィンドウ機能表示意匠(発光意匠)
50 小物載置部(意匠部)
53 コンソール装飾意匠(発光意匠)
60 マップランプ装置(紫外線光源)
67、68 輝度調節スイッチ(調光機能)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の室内に設けられた意匠の発光構造であって、
前記室内の天井部から所定の照射範囲に向けて紫外線を照射する紫外線光源と、
前記照射範囲内に互いに離れて設けられた、前記紫外線を照射されることによって発光するように形成された発光意匠を有する、複数の意匠部と、を備えている
ことを特徴とする車両室内意匠の発光構造。
【請求項2】
前記紫外線光源が、紫外線の照射強度を調節する調光機能を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両室内意匠の発光構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−152873(P2011−152873A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16335(P2010−16335)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】