説明

車両用シート

【課題】後突時のバネ弾力の増加によるヘッドレストが後方へ戻ることによる頸部衝撃緩和の不足。
【解決手段】ヘッドレスト6を上側リンク11により背凭フレーム3に前後移動可能に取付ける。背凭フレーム3には後突時の着座者の腰部付近の後方移動を感知する後突感知体27を設ける。後突感知体27と上側リンク11とをリンク機構Lにより連結する。後突感知体27の後方移動によりヘッドレスト6を前方移動させて着座者の頭部を支持するように構成する。上側リンク11には、ヘッドレスト6を常時後方に移動するように付勢するバネ18を設ける。バネ18は、一端19Aを上側リンク11に係止し、他端19Bはリンク機構Lに係止した車両用シート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後方からの衝突を受けて慣性により着座者が後方移動する所謂「後突(こうとつ)」のときに、前方移動して頭部を支持するヘッドレストを設けた車両用シートに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘッドレストを上側リンクにより背凭フレームに前後移動可能に取付け、前記背凭フレームには後突時の着座者の腰部付近の後方移動を感知する後突感知体を設け、後突感知体と上側リンクとをリンク機構により連結して後突感知体の後方移動によりヘッドレストを前方移動させて着座者の頭部を支持するように構成し、後突感知体から上側リンクへの伝達経路中には、ヘッドレストを常時後方に移動するように付勢するバネを設け、該バネは一端をリンク機構に係止し、他端を背凭フレームの固定部に係止した構成は、公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−122297号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例は、通常時にはヘッドレストが前後に移動しないようにバネで保持しているが、後突時に、後突感知体の後方移動に連動させてヘッドレストを前方移動させて着座者の頭部を支持しているとき、前記バネがヘッドレストを後側に戻すように作用するため、ヘッドレストの前方移動速度が遅くなるという課題がある。
本願は、バネの取付構成を工夫して、アクティブヘッドレスト機構による頭部の積極的に支持を、一層、良好にしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ヘッドレスト6を上側リンク11により背凭フレーム3に前後移動可能に取付け、前記背凭フレーム3には後突時の着座者の腰部付近の後方移動を感知する後突感知体27を設け、該後突感知体27と前記上側リンク11とをリンク機構Lにより連結して前記後突感知体27の後方移動により前記ヘッドレスト6を前方移動させて着座者の頭部を支持するように構成し、前記上側リンク11には、前記ヘッドレスト6を常時後方に移動するように付勢するバネ18を設け、該バネ18は、コイル部19からアーム状に一端19Aと他端他端19Bを突出させて形成し、前記バネ18の一端19Aは前記上側リンク11に係止し、前記他端19Bは前記リンク機構Lに係止した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記バネ18はのコイル部19はバネ取付軸22に挿通して前記上側リンク11に取付け、前記バネ18の一端19Aは前記上側リンク11の係合孔23に係止した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記バネ18の他端19Bは前記後突感知体27の後方移動を前記上側リンク11に伝達する伝動部材20の係合孔24に係止した車両用シートとしたものである。
本発明は、前記バネ18の一端19Aと他端19Bとは、コイル部19の同じ側から接線方向に突出させて、前記一端19Aはコイル部19の軸芯中心とする回転方向の一方側に付勢し、前記他端19Bは回転方向の他方側に付勢するように構成した車両用シートとしたものである。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明では、バネ18の一端19Aは上側リンク11に係止し、他端19Bはリンク機構Lに係止しているので、ヘッドレスト6の前方移動によりバネ18の一端19Aが上側リンク11と共に軸17中心に前方回動してコイル部19を巻き締めようとすると、バネ18の他端19Bは伝動部材20の係合孔24が軸17中心に後方回動することによりコイル部19を弛め、それゆえ、バネ18によるヘッドレスト6の後方へ戻す弾力が増加するのを抑制して着座者の頭部を良好に支持する。
請求項2の発明では、バネ18のコイル部19はバネ取付軸22に挿通して上側リンク11に取付け、バネ18の一端19Aは上側リンク11に係止しているので、バネ18の取付を容易にすることができる。
請求項3の発明では、バネ18の他端19Bは伝動部材20に係止しているので、バネ18の一端19Aが上側リンク11と共に軸17中心に回動してコイル部19を巻き締めると、バネ18の他端19Bは伝動部材20との係止部が軸17中心に回動してコイル部19を弛め、それゆえ、バネ18によるヘッドレスト6の後方へ戻す弾力が増加するのを抑制して着座者の頭部を良好に支持する。
請求項4の発明では、バネ18の一端19Aと他端19Bとを、常時ヘッドレスト6を後方移動するように付勢させると共に、一端19Aと他端19Bとが互いに反対に移動して、バネ18によるヘッドレスト6の後方へ戻す弾力の増加を抑制させるように、簡単に構成でき、また、バネ18の取付および作動のスペースを小さく、かつ、他の部材と干渉しないように設置でき、合理的構成にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施例を図面により説明すると、1は車両用シート、2は車両用シート1の背凭シートである。該背凭シート2は背凭フレーム3にクッション材4を取付け、クッション材4の外周は表皮部材5により包囲して構成している。
背凭シート2の上部にはヘッドレスト6を設ける。ヘッドレスト6の構成は任意であり、ヘッドレスト6は少なくとも着座者の頭部を支持する頭部支持部7と、前記背凭シート2に装着するためピラー8とを設けて構成している。
ヘッドレスト6のピラー8は、後方から衝撃を受けて慣性で着座者が後方へ移動したとき、ヘッドレスト6を背凭シート2に対して前方移動させて頭部を積極的に支持するアクティブヘッドレスト機構Aを介して、背凭シート2に取付ける。
【0007】
アクティブヘッドレスト機構Aは、前記ピラー8を支持するピラー支持部材9を取付けた左右方向のヘッドレスト取付杆10と、該ヘッドレスト取付杆10を背凭シート2の背凭フレーム3に対して前方移動させる上側リンク11により構成する。
前記ピラー支持部材9はピラー8を支持固定するものであるが、ピラー8とピラー支持部材9の間に公知の高さ調節機構を設けると、ピラー8を所望高さに固定してヘッドレスト6の高さ調節できる。高さ調節機構の構成は公知であり、図示は省略するが、ピラー8に形成した係合凹部にピラー支持部材9に設けた係合部材を係合させて保持すればよい。
【0008】
ヘッドレスト取付杆10の左右両側には、上側リンク11の一端のブラケット部12を固定する。ブラケット部12は、一方板13と中間板14と他方板15により断面「コの字」形状に形成する。ブラケット部12の一方板13と中間板14と他方板15により包囲された空間内に、パイプ形状に形成したヘッドレスト取付杆10の端部を嵌合させて固定する。上側リンク11はブラケット部12にリンク部16を一体的に形成し、リンク部16は背凭フレーム3に軸17により回動自在に取付ける。
したがって、前記上側リンク11の一端にはヘッドレスト取付杆10を固定し、前記上側リンク11の他端には、アクティブヘッドレスト機構Aを作動させるエネルギーを伝達入力する伝動部材(ロッド)20の上部を軸21により連結する。
この場合、上側リンク11は背凭フレーム3に軸17中心に回動自在に取付けられればよく、取付構成は任意であり、図2では上側リンク11を直接背凭フレーム3に取り付けているが、図3ではブラケットを介して取り付けている。
【0009】
しかして、前記上側リンク11には、ヘッドレスト6を常時後方に移動するように付勢するバネ18を設ける。バネ18は、コイル部19からアーム状に一端19Aと他端19Bを突出させて形成する。バネ18はバネ取付軸22にコイル部19を挿通し、バネ取付軸22は上側リンク11のリンク部16の軸21より斜め後下方に取り付ける。バネ18の一端19Aは上側リンク11の一方板13に形成した係合孔23に係止する。バネ18の他端19Bは伝動部材20の上部に設けた係合孔24に係止する。
【0010】
即ち、バネ18の一端19Aと他端19Bとは、アクティブヘッドレスト機構Aの作動時に、何れも移動する移動部(上側リンク11と伝動部材20)にそれぞれ取付け、後突時の一端19Aと他端19Bとの移動がコイル部19に与えるねじりモーメントを極力増加させないように取り付けるのである。
アクティブヘッドレスト機構Aは、後突時にヘッドレスト6を前方移動させるから、一端19Aの係合孔23は必ずバネ取付軸22中心に前方回動するので、この一端19Aに対して他端19Bの係合孔24はバネ取付軸22中心に後方移動して、バネ18の一端19Aと他端19Bとが互いに反対に移動し、コイル部19に与えるねじりモーメントが増加しないように取り付ける。
【0011】
したがって、アクティブヘッドレスト機構Aの作動時、ヘッドレスト6が前方移動して着座者の頭部を支持しているときに、バネ18のヘッドレスト6を後方に戻す弾力の増加を抑制して着座者の頭部の支持を良好にする。
実施例では、バネ18の一端19Aと他端19Bとは、コイル部19の同じ側から接線方向に突出するようにし、前記一端19Aはコイル部19の軸芯中心とする回転方向の一方側(時計回転)に付勢し、前記他端19Bは回転方向の他方側(反時計回転)に付勢するように構成する。
【0012】
この場合、係合孔23は軸17より上方の上側リンク11に形成し、バネ取付軸22は軸17より下方でかつ軸21より後方には位置すると、伝動部材20が上側リンク11を回動させるエネルギーの伝達効率を良好にすると共に、バネ18のコイル部19の取付スペースを確保でき、好適である。
【0013】
しかして、伝動部材20の下部は、下側リンク25に軸26により連結する。下側リンク25は縦板部材により形成し、下側リンク25には、後方から衝突された着座者の後方移動を感知する後突感知体27を取付ける。後突感知体27は、その両側を前記下側リンク25に軸28により取付ける。後突感知体27は着座者の後方移動により後方移動し、後突感知体27の後方移動のエネルギーは下側リンク25と伝動部材20を介して上側リンク11に伝達される。上側リンク11は後突のエネルギーによりヘッドレスト6を前方移動させ、着座者の頭部を支持する。
【0014】
下側リンク25は背凭シート2の側部フレーム31に軸33より回動自在に取り付ける。下側リンク25の軸33より後方部分は規制板部37に形成する。規制板部37は、下側リンク25のアーム部35がアクティブヘッドレスト機構Aを作動させた後に後突感知体27により引っ張られたとき、規制板部37が側部フレーム31の内面に当接してアーム部35の撓みを抑制させる。
【0015】
即ち、後突感知体27が後方移動すると、下側リンク25を回動させ、下側リンク25はアクティブヘッドレスト機構Aを作動させてヘッドレスト6により頭部を支持し、アクティブヘッドレスト機構Aの作動後に、後突感知体27が更に後方移動すると、既に回動している下側リンク25は回動方向に対して交差方向の内側に向けて引っ張られる。
下側リンク25のアーム部35が内側に引っ張られると、下側リンク25を変形させるが、本願では、アーム部35の反対の下側リンク25の規制板部37が側部フレーム31の内面に当接して支持するので、下側リンク25の撓みを抑制する。
【0016】
しかして、前記背凭フレーム3は、左右の側部フレーム31の上部を上部連結フレーム40により連結し、前記側部フレーム31の下部を下部連結フレーム41により連結して、四角枠形状に形成する。
前記上部連結フレーム40はパイプ部材により形成する。上部連結フレーム40は横杆部42の左右側に縦杆部43を一体的に形成して下向きの「コの字」形状に形成する。縦杆部43は所定長さ有して形成し、縦杆部43に前記上側リンク11のリンク部16を軸17により取付ける。
【0017】
しかして、前記背凭フレーム3には、板状支持材50を設ける。板状支持材50は着座者の上体(腰部を含む上半身)を支持するものである。板状支持材50は着座者の上体を「面」で支持して、着座姿勢を安定させ、ヘッドレスト6による頭部の支持を良好にさせる。
即ち、従来の上下に並設したジグザグバネ構成では、着座者の上体は荷重により後方移動する各ジグザグバネにより「線」で支持されるので、着座姿勢が安定せず、後突のとき前方移動するヘッドレスト6が頭部を支持しても、着座者の上体が後方移動してしまって、頭部と上体との位置関係がかえって不安定になるが、本願では、板状支持材50により着座者の上体全体を「面」で支持できて、前方移動するヘッドレスト6が頭部を支持しているときに、板状支持材50が着座者の上体を「面」で支持するので、頭部を含めた着座者の着座姿勢を極めて安定させる。
【0018】
前記板状支持材50は、略四角形の一枚板状のプレート体51により形成し、プレート体51は、ポリプロピレン等の合成樹脂により、着座者を支持しうる所定の強度を有しつつ、着座者からの後方荷重(体重の場合も含む)を受けたときある程度弾性変形しながら荷重支持するように構成すると、所謂「当たり」と呼ばれる背当たり時の感触を柔軟にできて、好適である。
【0019】
板状支持材50は、前記プレート体51をジグザグスプリングやフォームドワイヤスプリング等のワイヤスプリング52を介して背凭フレーム3に前後移動自在に取付けて構成し、板状支持材50は面状態を保持したまま前後して着座者を支持する。
この場合、前記ワイヤスプリング52は、所定の弾性を有しており、プレート体51に荷重が掛かったときに、プレート体51全体が面形状を保持したまま後方移動しうるように構成する。
また、プレート体51の後方に、後突感知体27を位置させる。
【0020】
即ち、背凭フレーム3に板状支持材50を設けたことで、板状支持材50の上端から下端の何れかの部分の後方に後突感知体27を設ければ後突を感知できるようになる点、板状支持材50のプレート中間部分は後方移動量が大きく後突のとき後突感知体27を大きく移動させて確実に後突を感知できる点、また、後突感知体27を上方に設けると、その部分の板状支持材50を所定量後方移動させることになって、着座者の上体の支持が不足してしまう点等の理由から、プレート中間部分の後方に後突感知体27を位置させる。
したがって、板状支持材50による着座者の支持と、後突感知体27による後突の感知の確実性とを両立させられる。
【0021】
(実施例の作用)
背凭シート2の背凭フレーム3の四角枠内には板状支持材50を設け、板状支持材50は略四角形の一枚板状に形成したプレート体51をワイヤスプリング52を介して背凭フレーム3に前後移動自在に取付けて構成しているから、板状支持材50は、プレート体51およびワイヤスプリング52の弾性により、その板形状を略保持したまま前後移動して着座者を支持する。
【0022】
また、板状支持材50のプレート体51は略四角形の一枚板状に形成しているから、プレート体51の所定部分にのみ掛かる荷重も、プレート体51全体が後方に移動することで上下左右に荷重を分散させ、確実に支持する。
しかして、上側リンク11には、ヘッドレスト6を常時後方に移動するように付勢するバネ18を設けているから、通常、ヘッドレスト6は着座者の頭部後方に位置して、着座姿勢に影響しない。
【0023】
即ち、バネ18は、コイル部19からアーム状に一端19Aと他端19Bを突出させて形成し、バネ18はコイル部19を挿通させたバネ取付軸22を上側リンク11に取付け、バネ18の一端19Aは上側リンク11の一方板13に形成した係合孔23に係止し、バネ18の他端19Bは伝動部材20の上部に設けた係合孔24に係止しており、伝動部材20はアクティブヘッドレスト機構Aが非作動時には固定状態となっているから、バネ18の一端19Aと他端19Bはコイル部19の捻りモーメントによりヘッドレスト6を常時後方移動するように付勢する。
【0024】
しかして、後方からの衝撃による慣性で着座者が後方へ移動すると、プレート体51全体が後方に移動し、プレート体51の後方移動により後突感知体27が後方移動し、後突感知体27の後方移動により下側リンク25が回動して伝動部材20を下方に牽引し、伝動部材20は上側リンク11を軸17中心に回動させ、上側リンク11はヘッドレスト取付杆10を軸17中心に前方回動させ、ヘッドレスト6は軸17中心に前方移動する。
したがって、ヘッドレスト6はアクティブヘッドレスト機構Aにより前方回動して頭部を支持し、頸部衝撃緩和性能を向上させる。
【0025】
この場合、バネ18は、コイル部19と一端19Aおよび他端19Bとを有する捻りバネにより構成し、バネ18の一端19Aと他端19Bが、アクティブヘッドレスト機構Aの作動時に、何れも移動する移動部分に取付けられているから、後突時の一端19Aと他端19Bとの互いの移動によりコイル部19に与えるねじりモーメントの増加させないようにして、アクティブヘッドレスト機構Aが着座者の頭部を支持しているとき、ヘッドレスト6が後方に戻るのを抑制して着座者の頭部の支持を良好にする。
【0026】
バネ18は、コイル部19からアーム状に一端19Aと他端19Bを突出させて形成し、バネ18はコイル部19を挿通させたバネ取付軸22を上側リンク11に取付け、バネ18の一端19Aは上側リンク11の一方板13に形成した係合孔23に係止し、バネ18の他端19Bは伝動部材20の上部に設けた係合孔24に係止しているから、上側リンク11がバネ18の一端19Aを軸17中心に前方回動させるとき、バネ18の他端19Bは伝動部材20の軸21と共に軸17中心に後方回動する。
【0027】
したがって、バネ18の一端19Aが上側リンク11と共に軸17中心に前方回動してコイル部19を巻き締めようとすると、バネ18の他端19Bは伝動部材20の係合孔24が軸17中心に後方回動するのでコイル部19を弛め、それゆえ、バネ18によるヘッドレスト6の後方へ戻す弾力が増加するのを抑制して着座者の頭部を良好に支持する。
仮に、他端19Bを固定部に係止すると、バネ18の一端19Aが上側リンク11と共に軸17中心に前方回動してコイル部19を巻き締めたとき、巻き締めた分、一端19Aがヘッドレスト6を後方に戻す弾力を増加させるが、本願は、ヘッドレスト6を後方に戻すバネ18の弾力の変化を抑制して、アクティブヘッドレスト機構Aを有効に作動させて、着座者の頭部を良好に支持する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】背凭シートおよびヘッドレストの斜視図。
【図2】背凭フレームの分解斜視図。
【図3】同側面図。
【図4】同正面図。
【図5】同一部拡大図。
【符号の説明】
【0029】
1…車両用シート、2…背凭シート、3…背凭フレーム、4…クッション材、8…ピラー、9…支持部材、10…ヘッドレスト取付杆、11…上側リンク、12…ブラケット部、13…一方板、14…中間板、15…他方板、16…リンク部、17…軸、18…バネ、19…コイル部、19A…バネ一端、19B…バネ他端、20…伝動部材、21…軸、22…バネ取付軸、23…係合孔、24…係合孔、25…下側リンク、26…軸、27…後突感知体、28…軸、31…側部フレーム、33…軸、37…規制板部、40…上部連結フレーム、41…下部連結フレーム、42…横杆部、43…縦杆部、50…板状支持材、51…プレート体、52…ワイヤスプリング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドレスト6を上側リンク11により背凭フレーム3に前後移動可能に取付け、前記背凭フレーム3には後突時の着座者の腰部付近の後方移動を感知する後突感知体27を設け、該後突感知体27と前記上側リンク11とをリンク機構Lにより連結して前記後突感知体27の後方移動により前記ヘッドレスト6を前方移動させて着座者の頭部を支持するように構成し、前記上側リンク11には、前記ヘッドレスト6を常時後方に移動するように付勢するバネ18を設け、該バネ18は、コイル部19からアーム状に一端19Aと他端他端19Bを突出させて形成し、前記バネ18の一端19Aは前記上側リンク11に係止し、前記他端19Bは前記リンク機構Lに係止した車両用シート。
【請求項2】
請求項1において、前記バネ18はのコイル部19はバネ取付軸22に挿通して前記上側リンク11に取付け、前記バネ18の一端19Aは前記上側リンク11の係合孔23に係止した車両用シート。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記バネ18の他端19Bは前記後突感知体27の後方移動を前記上側リンク11に伝達する伝動部材20の係合孔24に係止した車両用シート。
【請求項4】
請求項1または請求項2または請求項3において、前記バネ18の一端19Aと他端19Bとは、コイル部19の同じ側から接線方向に突出させて、前記一端19Aはコイル部19の軸芯中心とする回転方向の一方側に付勢し、前記他端19Bは回転方向の他方側に付勢するように構成した車両用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−6949(P2008−6949A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−178848(P2006−178848)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(000220066)テイ・エス テック株式会社 (625)
【Fターム(参考)】