車両用ダイエット装置
【課題】 車を日常的に使用する者に対し、容易かつ継続的にダイエットに取り組むことができる車両用のダイエット装置を提供する。
【解決手段】 車両用ダイエット装置100において、車両のシート1に座した乗員の身体に接触する身体接触部を有したシート1及び該シート1のウェビング6のいずれか又は双方において、身体接触部のうち予め定められた身体接触部を負荷伝達部とし、当該負荷伝達部を乗員の身体を振動ないし加圧するように駆動させる負荷駆動部2,3を備えることを特徴とする。
【解決手段】 車両用ダイエット装置100において、車両のシート1に座した乗員の身体に接触する身体接触部を有したシート1及び該シート1のウェビング6のいずれか又は双方において、身体接触部のうち予め定められた身体接触部を負荷伝達部とし、当該負荷伝達部を乗員の身体を振動ないし加圧するように駆動させる負荷駆動部2,3を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に乗りながらにして、いわゆるダイエットと称される体重削減行動が可能な車両用のダイエット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2007−283004号公報
【0003】
肥満が様々な病気の要因となることは既に広く知られている。また、近年では、「メタボリックシンドローム」と称される内臓脂肪型肥満についても問題視されている。そのため、ジムなどに通って本格的にダイエットに取り組む人もいるし、運動ではなく食の改善や食事制限を試みる人もいる。また、近年では、ダイエット装置として様々な運動器具の提案もある(特許文献1)。ダイエット食品やダイエット用のエクササイズ等も、既に多数のものが世に出ている。中には、ヒット商品となって全国的に家庭に普及した例もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ダイエットに取り組む時の大きな問題として、長続きしないという問題が挙げられる。つまり、どんなに面白そうで簡単そうなダイエットメニューに取り組んだところで、これを日課として定着させることは困難なのであり、たいていの場合は自らの意志の弱さによって途中で投げ出してしまうことが多い。
【0005】
本発明の課題は、車を日常的に使用する者に対し、容易かつ継続的にダイエットに取り組むことができる車両用のダイエット装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車両用ダイエット装置は、
車両のシートに座した乗員の身体に接触する身体接触部を有したシート及び該シートのシートベルトのいずれか又は双方において、身体接触部のうち予め定められた身体接触部を負荷伝達部とし、当該負荷伝達部を乗員の身体を振動ないし加圧するように駆動させる負荷駆動部を備えることを特徴とする。
【0007】
上記本発明の構成によれば、車両のシートに座るだけで乗員にカロリーを消費させるための負荷が与えられる。これにより、乗員は、これに抵抗する反射動作を強いられるから、その結果カロリーを消費する。つまり、日常的に車を使うものであれば、車に乗るだけでダイエットを行うことができるから、例えば通勤時などに習慣的にダイエットに取り組むことができる。
【0008】
本発明において、負荷伝達部は、シートベルトに設けることができる。シートベルトは車両運転中には必ず装着されるものであるから、乗員は余計な操作負担を感じることなく車両走行中にダイエットを行える。
【0009】
また、負荷伝達部は、シートベルトにおいて乗員の腰前側を横切る形で装着されるラップベルトに設けることができる。胸部等よりも腹部の方が脂肪のつきやすいので、ショルダーベルト部分ではなくラップベルト部分に振動や圧を与えることでより大きなダイエット効果が得られるし、上半身への影響が現れにくい。具体的にいえば、負荷駆動部を、ラップベルトの両端位置のいずれか又は双方に設け、ラップベルトの端部から当該ラップベルトを駆動する形で、乗員の身体を振動ないし加圧するように構成すればよい。この場合、負荷駆動部を、バイブレータを備える形で構成して、ラップベルトの端部から中央に振動を伝達するようにしてもよい。
【0010】
また、シートベルトを負荷伝達部とする場合には、負荷駆動部を、シートベルトの緊迫力の増減を繰り返す駆動部とし、緊迫力の増減を繰り返すことで該シートベルトを振動させるように構成してもよい。
【0011】
また、負荷伝達部は負荷駆動部自身として構成することもできる。この場合、当該記負荷駆動部は、少なくともシートベルトに沿って移動可能に取り付けられ、当該負荷駆動部自身が直接駆動する形で、乗員の身体を振動するように駆動するように構成できる。これにより、負荷を加える箇所をユーザーが任意に決めることができる。例えば、ラップベルトに設けられているのであれば、負荷駆動部が腹部中心となるようにラップベルトの中心位置に配置することができる。これにより、より大きなダイエット効果が得られる。この場合、負荷駆動部は、バイブレータを備えるものとして設けることができる。
【0012】
一方で、負荷駆動部は、乗員の身体を振動するのではなく乗員の身体を加圧するものであってもよい。例えば、負荷駆動部をシートベルトの端部に設けて、当該負荷駆動部が当該シートベルトの緊迫力を増すように駆動することで乗員の身体を加圧するものとすることができる。この場合、振動音などが気にならなくなるし、身体に振動が生じることもない。
【0013】
また、負荷伝達部は、シートに設けることもできる。この場合、負荷駆動部もシートに設けて、当該負荷駆動部を、シートベルトで拘束された乗員の身体背面を振動ないし加圧するように駆動するものとすることができる。この構成によれば、シートベルトの場合よりも広範囲にわたって負荷伝達部を設けることができるので、より大きなダイエット効果が得られる。
【0014】
ところで、本発明においては、乗員の身体への負荷を可変できるよう負荷駆動部の駆動レベルを可変可能に設定する駆動レベル設定手段と、設定された駆動レベルに基づいて、当該負荷駆動部を駆動制御する駆動制御手段とを設けることができる。この構成によると、必要に応じて負荷駆動部の駆動レベルを切り替えることができる。
【0015】
なお、駆動レベル設定手段は、所定時間内における負荷駆動部の駆動レベルの変化量に対し上限を設定しており、当該上限を超えないように駆動レベルを設定するようにできる。これにより、駆動レベルの急激な変化によって乗員の身体に過負荷を与えることが無くなる。
【0016】
また、駆動レベル設定手段は、予め定められた最大駆動レベルから最小駆動レベルの範囲内にて駆動レベルを設定するようにできる。これにより、乗員に過大な負荷がかかるような駆動レベルが設定されないようにできるし、カロリー消費に影響のないような駆動レベルでの無駄な駆動を行わないようにできる。
【0017】
また、本発明においては、負荷駆動部の駆動によって乗員に与えられている現在の負荷レベルを検出する負荷レベル検出手段を設けることができる。そして、駆動レベル設定手段は、検出されている現在の負荷レベルに基づいて、駆動レベルを可変して設定するものとできる。この構成によれば、乗員が現在受けている負荷に応じて駆動レベルを調整できるので、例えば現在の負荷が乗員に対しわりと大き目の負担がかかるようなものであれば、これを減じることができるし、乗員が全く気にならないような小さな負担しかかかっていないのであれば、これを増大することができる。
【0018】
なお、負荷レベル検出手段は、負荷駆動部の駆動によって負荷が与えられている乗員の、当該負荷の影響が反映される生体情報を負荷レベルとして検出する生体情報検出手段とすることができる。負荷は人によって感じ方が異なるものであるし、時間経過に伴い徐々にきつく感じるようになるものでもある。従って、上記構成のように、生体情報をモニタする形で乗員が感じる現在の負荷の程度を把握することができれば、これを負荷駆動部の駆動制御に反映させ、負荷が乗員のとって適切なレベルとなるように調整できる。なお、生体情報としては、心電、心拍、脈拍、発汗、呼吸数、体温のうちのいずれか又は複数を用いることができる。また、生体情報検出手段は、シートの座部、シートの背もたれ、シートのアームレスト、シートベルト、ステアリング、座部に着座した乗員が操作可能な位置にある座席周辺操作部のいずれか又は複数に設けることができる。
【0019】
また、本発明においては、負荷駆動部の駆動によって乗員に与えられる負荷に対し目標負荷レベルを設定する目標負荷レベル設定手段を設けることができる。この場合の駆動レベル設定手段は、設定された目標負荷レベルと、検出されている現在の負荷レベルとの差分に基づいて、次に設定すべき駆動レベルを算出して設定するようにできる。これにより、乗員に与えている負荷を目標負荷レベルに対し漸近するように制御することができ、乗員に一定の負荷を掛け続けることができる。
【0020】
また、目標負荷レベル設定手段は、車室内に設けられた目標負荷レベル設定操作部への操作入力内容に基づいて、目標負荷レベルを設定するものとできる。例えば、強・中・弱等の複数段階で目標負荷レベルをマニュアル設定できるようにしておけば、ユーザーに応じた負荷レベルを設定可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の車両用ダイエット装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の車両用ダイエット装置の構成を示すブロック図である。図1の車両用ダイエット装置100は、その主制御部をなすシートECU10に対し、シート1に設けられたシート駆動部2と、シート1に対応するシートベルトに設けられたシートベルト駆動部3と、それら駆動部2,3の駆動によって乗員に与えられている現在の負荷レベルを検出するための負荷レベル検出部(負荷レベル検出手段)4と、当該シート1に座する乗員に加えられる負荷の目標レベル(目標負荷レベル)を設定するための目標負荷レベル設定操作部5と、が接続する構成を有している。
【0023】
なお、本実施形態においては、車両に設けられた全てのシート1(1A〜1D)にシート駆動部2(2A〜2D)と、シートベルト駆動部3(3A〜3D)と、負荷レベル検出部4(4A〜4D)と、目標負荷レベル設定操作部5(5A〜5D)とが設けられている。これらの符号において、後ろに続くA〜Dは、シート1(1A〜1D)との対応関係を示すものであって、本実施形態においてはAが運転席のドア、Bが助手席のドア、Cが後席左のドア、Dが後席右のドアに対応している。総称する場合にはA〜Dは省略するものとする。
【0024】
図2は、シート1及びシートベルトに設けられた駆動部2,3の配置を簡略的に示した斜視図である。
【0025】
本実施形態におけるシートベルトは、乗員の身体を座席に拘束して乗員が座席外へ投げ出されて負傷することを防ぐ周知のベルト状の安全装置である。本実施形態においては、周知の三点式シートベルト装置であって、シートベルトのウェビング6は、ベルト挿通口としてスリップジョイントを備えるリトラクタ部7aから引き出される形で使用される。ウェビング6は、その一端部が、リトラクタ部7a内において、フォースリミッタ(図示なし)を有するリトラクタの巻取軸(図示なし)に係止され、その中間部がセンターピラー上部ないしはシート1の背もたれ部の肩部に固定されたスリップジョイントを介して下方に折り返されている。なお、巻取軸は、ばね部材の付勢力によってウェビング6の巻取回転方向に常時付勢されている。一方で、他端部がアンカー部7c内にてアンカープレート(図示なし)に係止されている。このウェビング6のアンカープレートと巻取軸との間における中間部には、タングプレート(図示なし)が取り付けられている。タングプレートは、自身の挿通孔にウェビング6を挿通する形で取り付けられており、当該ウェビング6に沿って摺動可能となっている。ウェビング6がリトラクタ部7aから引き出され、このタングプレートが座部1aの側方に配置されたバックル部7bに係止されることにより、タングプレートはバックルに支持され、乗員はシートベルトを装着した状態となる。このシートベルト装着状態においては、ウェビング6のスリップジョイントとタングプレート(バックル部7b)との間における第一ベルト区間部(以下、ショルダーベルトという)6bが乗員の上体を拘束するとともに、ウェビング6のタングプレート(バックル部7b)とアンカープレート7cとの間における第二ベルト区間部(以下、ラップベルトという)6aが乗員の腰部を拘束する。
【0026】
なお、本発明におけるシートベルトは、上記装着状態において法規に従う形で乗員を拘束するものであればよく、上記三点式シートベルト装置のものに限定されるものではない。
【0027】
シートベルト駆動部3は、ウェビング6を駆動してシート1に座した乗員にカロリー消費のための負荷を与えるためのアクチュエータである。本実施形態においては、アンカー部7c内にて、アンカープレートに係止されたウェビング6の端部に接触する形で配置されたバイブレータ(振動発生手段)である。シートベルト駆動部3が駆動することでウェビング6に振動が伝達されるとともに、ウェビング6の身体接触部(負荷伝達部)30を介してシート1に座した乗員の身体に振動が伝達される。さらにいえば、シートベルト駆動部3にて生ずる振動は、当該駆動部3に近いところで大きく振動し、遠方ほど振動は減衰するので、主にはラップベルト6aの身体接触部(負荷伝達部)30を介して、シート1に座した乗員の身体に振動が伝達される。
【0028】
なお、バックル部7bのバックルは、ゴムや樹脂、制振鋼板、制振合金等の制振材料にて構成することができる。これにより、ショルダーベルト6bへの振動伝達を抑制でき、主にはラップベルト6aのみが乗員の身体を振動させるようにできる。
【0029】
シート駆動部2は、シート1を駆動して座した乗員にカロリー消費のための負荷を与えるためのアクチュエータである。本実施形態においては、シート1の背もたれ部1b内に設けられた電動の加圧手段であり、背もたれ部1bにもたれかかる乗員に対し、身体接触部(負荷伝達部)30をなすシートクッションを介する形で背中を加圧する。具体的には、背もたれ部1bに内蔵されたシートバックフレームに回転可能に支持された回転軸と、当該回転軸と一体回転可能に取り付けられたカム部材であってその外周面が背もたれ部1bの表面を被うシートクッションと裏面側から接触する形で配置された押圧部材と、当該回転軸をその軸線周りに回転駆動するモータとを備えて構成されており、カム部材をなす押圧部材の回転に伴いその形状を反映した周期にて、背もたれ部1bの表面を被うシートクッションが裏面側から表面に突起を生ずる形で押圧されて、この突起(押圧部)が背もたれ部1bにもたれかかる乗員の背中を加圧するようになっている。
【0030】
図3〜図5は、シート1周辺の、乗員が接触可能な位置に設けられた負荷レベル検出部4の配置を簡略的に示した図である。図2は、シート1に設けられた負荷レベル検出部4の配置を簡略的に示した斜視図であり、図3は、ステアリングホイール11に設けられた負荷レベル検出部4の配置を簡略的に示した図であり、図4は、シート1周辺の操作部に設けられた負荷レベル検出部4の配置を簡略的に示した図である。
【0031】
負荷レベル検出部4は、駆動部2ないし3の駆動によって負荷が与えられている乗員の、当該負荷の影響が反映される生体情報を負荷レベルとして検出するセンサ(生体情報検出手段)である。ここでの生体情報としては、心電、心拍、脈拍、発汗、呼吸数、体温等とすることができ、それらを検出する負荷レベル検出部4は、シート1の座部1a、シート1の背もたれ1b、シート1のアームレスト1d,1d、シートベルトの身体接触部、ステアリング11、座部1aに着座した乗員が操作可能な位置にある座席周辺操作部12のいずれかに設けられている。
【0032】
本実施形態の負荷レベル検出部4は、図3に示すように、シート1の座部1aと、背もたれ部1bと、アームレスト1dとに設けられている。
【0033】
座部1aの負荷レベル検出部4a及び背もたれ部1bの負荷レベル検出部4bは、周知の湿度センサであってシートクッションの表面近傍に設けられており、シート1に座した乗員の発汗レベルを検出するものである。
【0034】
背もたれ部1bの負荷レベル検出部4bは、圧力センサである。具体的にいえば圧電型フィルムセンサであって、これと接触する乗員の背部の圧力変化を信号(背部生体信号)として検出するものである。この背部生体信号からは、心拍信号、脈波信号、呼吸信号等の波形成分を含むものであるから、これらを抽出して、心拍、脈拍、呼吸数等を検出することができる。
【0035】
アームレスト1d,1dの負荷レベル検出部4d,4dは、心電信号、心拍信号を検出するための金属電極である。心電信号、心拍信号は、対をなす左右のアームレストに設けられたそれぞれの電極4d,4dの双方を同時に接触することによって、心電位信号を検出するものである。各電極間に生じる電位差を検出することで、運転者の心電信号、心拍信号を測定することが可能となる(特開2000−14653号公報参照)。
【0036】
なお、負荷レベル検出部4dは、心電信号、心拍信号を検出するものではなく、脈波信号を検出するための検出部としてもよい。この場合、負荷レベル検出部4dは、発光素子(例えば発光ダイオード)及び受光素子(フォトダイオード)を有して構成される周知の光学式反射型センサとすることができ、発光素子から人体(センサ4dに接触ないし近接する手)に向かって光を照射し、小・細動脈で反射した光を受光素子で検出して、その受光量の変化を脈波信号として検出する。
【0037】
具体的にいえば、照射された光は、その一部が人体の内部を通る小・細動脈(毛細動脈)にあたって小・細動脈を流れる血液中のヘモグロビンに吸収され、残りの光が小・細動脈で反射して散乱し、その一部が受光素子に入射する。このとき、血液の脈動により小・細動脈にあるヘモグロビンの量が波動的に変化するので、ヘモグロビンに吸収される光も波動的に変化する。その結果、小・細動脈で反射して受光素子で検出される受光量が変化し、その受光量の変化を脈波信号(例えば電圧信号)として検出する。
【0038】
なお、図4に示すように、心電信号、心拍信号を検出する負荷レベル検出部4は、運転者が座するシートにおいては、車両のステアリングホイール11にも設けることができる。この負荷レベル検出部4は、例えば、ステアリングホイール11のリング部11aや、該リング部11aと中央のボス部11cとの連結部をなすスポーク部11bの左右に、対をなす金属電極として設けることができる。これにより、車両運転者がこれら各電極部を左右の手で把持した際に各電極間に生じる電位差を検出することで、運転者の心電信号、心拍信号を測定することが可能となる。本実施形態においては、負荷レベル検出部4fがステアリングホイール11のリング部11aの左右に振り分けられる形で配置されており、さらにいえば、図4(b)に示すように、ステアリングホイールの外周面側で、かつ運転席側表面に配置されている。この位置は、運転者がステアリングホイールの左右を把持した際に、運転者の手において、最も皮膚が薄くなっている親指の付け根部分が接触しやすい部分であるから、生体信号をより検出し易く、生体情報の測定精度を向上できる。
【0039】
また、心電信号、心拍信号を検出する検出部4fは、各々が対をなす金属電極(対電極)4f1,4f2として構成されており、互いに非接触な形で対向配置されている。これにより、乗員が接触している電極の特定が可能となる。これより、電極と手の接触状態が最も良い電極を選択するように構成できる。また、ステアリングホイール11に対電極4fを設ける場合には、リング部11aの外周側で、かつ運転席側の位置に双方の電極4f1,4f2が取り付けられることが望ましく、これにより、車両運転時に双方の電極4f1,4f2を把持しやすくなる。
【0040】
また、心電信号、心拍信号を検出する検出部(電極)4は、左右のそれぞれの手で異なる対電極4fの双方を接触した状態でなければ検出が行えないので、例えば、ステアリングホイール11だけでなく、シート1に着座した乗員が当該着座状態にて操作可能な操作部12に、もう一方の検出部(電極)4を設けるようにしてもよい。つまり、一方の手をステアリングホイール11に、他方の手を操作部12に置く形でも心電信号、心拍信号を検出することが可能となる。当該操作部12としては、接触操作型の操作部であればどのようなものでもよいが、例えば、ハプティックデバイスのように、手と長時間接触する形で操作がなされるものが望ましい。図5では、ハプティックデバイス12の操作ノブ(ここではトラックボール)12aを指示する支持体12bに、心電信号、心拍信号を検出する検出部(電極)4hが設けられている。なお、このハプティックデバイス12には、上記と同様の手法にて脈波信号を検出する検出部4iも設けられている。
【0041】
また、脈波信号を検出する負荷レベル検出部4も、運転者が座するシートにおいては、車両のステアリングホイール11にも設けることができ、例えば、ステアリングホイール11のリング部11aやスポーク部11bに設けることができる。ここでは、図4の(a)に示すように、上記と同様の手法にて脈波信号を検出する検出部4gがスポーク部11bに設けられている。
【0042】
目標負荷レベル設定操作部5は、駆動部2ないし3の駆動によって乗員に与えられる負荷に対し目標となる負荷レベル(目標負荷レベル)を複数段階に設定するために車室内に設けられた操作部である(目標負荷レベル設定操作部)。本実施形態においては、座部1aの側面に設けられており、強、中、弱の三段階の負荷レベルを設定することができる。ECU10は、これらの設定に基づいて、駆動部2ないし3の駆動レベルを切り替えることが可能となる。
【0043】
ECU10は、CPU、ROM、RAM等を備える周知の構成を有している。また、通信手段(車内LAN)50を介して車速情報等の必要な情報を他の制御部や検出部から取得可能に構成されている。
【0044】
ところで、本発明においては、ECU10が、乗員の身体への負荷を可変できるよう駆動部2,3の駆動レベルを可変可能に設定することができ(駆動レベル設定手段)、設定された駆動レベルに基づいて、当該駆動部2,3を駆動制御することができる(駆動制御手段)。ただし、駆動レベルの設定は、所定の操作部へのユーザーのマニュアル操作により任意に設定可能に構成することもできるが、本実施形態においては、負荷レベル検出部4により検出されている乗員の現在の負荷レベルに基づいて、駆動レベルを可変して設定するように構成されている。これにより、乗員が現在受けている負荷に応じて駆動レベルが調整される。
【0045】
以下、シート1及びシートベルトのウェビング6に設けられた駆動部2,3を駆動制御するための処理について、図6及び図7のフローチャート及び処理フロー図を用いて説明する。なお、当該処理は、ECU10の所定記憶部に格納されたプログラムをCPUが実行する形で実施される。
【0046】
S1では、ECU10が駆動部2,3を駆動に伴う負荷の影響が反映される予め定められた生体情報を取得する。生体情報は、負荷レベル検出部4の検出結果として取得することができ、上記全ての負荷レベル検出部4の検出結果を取得し、以下の処理にて使用してもよいが、ここでは、乗員の心拍情報のみを取得するものとして説明をする。なお、ここでは、背もたれ部1bに設けられた負荷レベル検出部4b(圧電型フィルムセンサ)の検出結果を取得するものとする。ECU10は、検出された生体波形信号(背部生体信号)の入力を受けて、この信号から心拍を反映した心拍信号を抽出・増幅する処理を行って、その心拍信号に基づいて心拍数をカウントすることで、現在の心拍数(所定の基準時間(例えば1分)内でカウントされた心拍数)を計測する。
【0047】
S2では、ECU10が目標負荷レベルを取得する。ECU10は、自身の所定記憶部に、目標負荷レベル設定操作部5により設定された目標負荷レベルを記憶しているので、これを読み出すことにより目標負荷レベルを取得する。なお、本実施形態における目標負荷レベルとは、負荷を与える乗員に対しどの程度の負荷レベルを与えるかを定めるものである。つまり、駆動部2,3の駆動レベル(駆動パラメータ)を一義的に定めるものではなく、あくまでS1にて検出された乗員の生体情報(負荷レベル)をどの程度とするかを定めるためのものである。ここでの目標負荷レベルは、心拍数の目標値(目標心拍数)という形で設定されており、目標負荷レベルが「強」に設定されている場合は例えば目標心拍数を120に設定し、「中」に設定されている場合は例えば目標心拍数を100に設定し、「弱」に設定されている場合には例えば目標心拍数80に設定する。なお、本実施形態に限れば、心拍のみが生体情報として必要とされているので、心拍を取得するための検出部4以外は省略して構成してよい。
【0048】
S3では、ECU10が現在の駆動レベルを取得する。駆動レベルは、本実施形態においては、駆動部2,3の振動数と振幅、加圧圧力といった駆動パラメータの設定値であり、それぞれ駆動部2,3毎にECU10に記憶されている。ここでは、ECU10に記憶されている各駆動パラメータの設定値を読み出す形で駆動レベルを取得する。
【0049】
S4では、S2で取得した目標負荷レベルと、S1で取得した乗員の現在の負荷レベルとの差分に基づいて、次に設定すべき駆動レベルを算出して設定する。ここでは、S1で取得した乗員の現在の負荷レベルが、S2で取得した目標負荷レベルに一致するように、これから実行する駆動部2,3の駆動レベルを決定する。具体的にいえば、S1で取得した乗員の現在の負荷レベルとの差を負荷変化量とし、これを現在の負荷レベルに加算する形で次回の負荷レベルを算出し、これに対応する駆動部2,3の駆動レベル(駆動パラメータの設定値)を決定する。
【0050】
ただし、本実施形態においては、駆動レベルの急変を抑制するために、現在の負荷レベルに加算される負荷変化量に制限を設けている。具体的にいえば、図8に示すような形で負荷変化量の上限値・下限値(急変ガード値)が設定されており、これらを上回るあるいは下回る負荷変化が禁止されている。S2で取得した目標負荷レベルと、S1で取得した乗員の現在の負荷レベルとの差が、これら負荷変化量の上限値・下限値により規定される負荷変化許容範囲から外れる場合には、強制的に上限値ないし下限値が負荷変化量として設定される。
【0051】
また、S4では、決定される駆動レベルにも上下限が設定されており、身体への影響が過大であると想定される駆動レベルや、身体への影響が過小であると想定される駆動レベルが設定できないようになっている(図9参照)。S1で取得した乗員の現在の負荷レベルが、目標負荷レベルから大きくかけ離れていたとしても、この駆動レベルの上下限を上回るような変化量が設定された場合には、その設定が無効化されて、それら上下限の駆動レベルが決定されるようになっている。
【0052】
S5では、決定された駆動レベル(振動数、振幅、加圧圧力)に基づいて、駆動部2,3が駆動制御される。S5にて本処理は終了となるが、本処理は所定周期で繰り返される。このため、S4で決定された駆動レベルでの駆動制御は次周期の到来を待つ間継続して実施され、次周期のS4が到来するに伴い新たに駆動レベルが設定される。
【0053】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【0054】
例えば、シートベルト駆動部3は、上記実施形態においては、アンカー部7cに設けられているが、リトラクタ部7a、バックル部7bに設けてもよい。
【0055】
また、シートベルト駆動部3は、上記実施形態においては、バイブレータとして構成され、発生する振動をシートベルトに伝達させ、これにより乗員の身体を振動させる構成であるが、シートベルトの緊迫力を増減する形で乗員の身体を振動させる構成であってもよい。具体的にいえば、リトラクタ部7a、バックル部7b、アンカー部7c内のいずれか又は複数に、シートベルトのウェビング6を引き込むためのモータ等からなる引き込み機構を設けて、これによって引き込み/開放を繰り返す駆動を行う形で、実行してもよい。この引き込み機構として、例えば、ブレーキ操作や衝突検知と連動してシートベルトのウェビング6のたるみを除くように駆動するプリプリテンショナー機構を利用することもできるし、これとは別に装備しもよい。
【0056】
また、シートベルト駆動部3は、上記実施形態においては、乗員に振動を負荷するものであったが、乗員に加圧を負荷するものであってもよい。この場合、例えば、上記した引き込み機構を設け、当該引き込み機構に、ウェビング6の緊迫力が増した状態が保持されるよう所定の引き込み力にてウェビング6を継続して引き込む駆動を行わせてもよい。
【0057】
シート駆動部2は、上記実施形態においては、背もたれ部1bにのみ設けられていたが、同様の加圧手段を座部1aに設けてもよい。また、背もたれ部1b内にバイブレータを設けて、上記シートベルト駆動部3と同様に、振動を乗員の背中に与える構成でも良いし、同様にして、シート1の座部1a内にもバイブレータを設けて、振動を乗員の臀部に与える構成でも良い。
【0058】
また、シート駆動部2とシートベルト駆動部3とは少なくとも一方が設けられていればよい。
【0059】
ところで、上記した実施形態においては、乗員の現在の負荷レベルを検出する負荷レベル検出部4として、心拍を検出する検出部4を利用し、検出される心拍数に基づいて、駆動部2,3の駆動制御を実行していたが、他にも、脈拍、発汗、呼吸数、体温等を検出して、これらのうちのいずれか又は複数に基づいて、駆動部2,3の駆動制御(図6及び図7)を実行してもよい。
【0060】
生体情報として脈拍を使用する場合は、乗員の脈拍情報を取得する負荷レベル検出部4(例えば符号4b等)を用いる。具体的には、図6の処理において、まずS1にて、当該検出部4の検出結果に基づいて、現在の脈拍数(所定の基準時間(例えば1分)内でカウントされた脈拍数)を計測し、S2にて、この脈拍数というパラメータを用いて定められている目標負荷レベルを取得する。そして、S3〜S5にて、これら負荷レベルの差分と、現在の駆動部2,3の駆動レベルとに基づいて、次回の駆動レベルを決定し、決定された駆動レベルにより駆動部2,3を駆動制御する。
【0061】
生体情報として発汗を使用する場合も同様であり、乗員の発汗情報を取得する負荷レベル検出部4(例えば符号4a、4c等)を用い、図6の処理において、S1にて、当該検出部4の検出結果に基づき乗員の身体とシートとの間の現在の湿度を計測し、S2にて、この湿度というパラメータを用いて定められている目標負荷レベルを取得する。S3〜S5の処理は上記と同様である。
【0062】
また、生体情報として呼吸数を使用する場合も同様である。乗員の呼吸数情報を取得する負荷レベル検出部4(例えば符号4b等)を用い、図6の処理において、S1にて、当該検出部4の検出結果に基づき現在の呼吸数(所定の基準時間(例えば1分)内でカウントされた呼吸数)を計測し、S2にて、この呼吸数というパラメータを用いて定められている目標負荷レベルを取得する。S3〜S5の処理は上記と同様である。
【0063】
また、生体情報として体温を使用する場合も同様である。乗員の体温情報を取得する負荷レベル検出部4(例えば符号4bを接触式の体温検出部としたり、車室内にサーモグラフィを設け、画像分析により体温を検出してもよい)を用い、図6の処理において、S1にて、当該検出部4の検出結果に基づいて、乗員の現在の体温を計測し、S2にて、この体温というパラメータを用いて定められている目標負荷レベルを取得する。S3〜S5の処理は上記と同様である。
【0064】
ただし、これらのいずれにおいても、既に述べた実施形態と同様、S4にて、次回の負荷レベルを決定する際に、現在検出されている負荷レベルに負荷変化量(目標負荷レベルと現在の負荷レベル)を加算するにあたって、加算される当該負荷変化量に制限が設けられる(図8)。さらに、S4にて決定される駆動レベルにも、既に述べた実施形態と同様、上下限が設定されている(図9)。
【0065】
また、既に述べた実施形態においては、目標負荷レベル設定操作部5により設定される目標負荷レベルは、負荷レベル検出部4により検出される生体情報のパラメータ(生体パラメータ)の固定値として定められていたが、負荷レベル検出部4により検出される生体情報は個人差があるから、目標負荷レベル設定操作部5により乗員個人に応じて目標負荷レベルが定められるようにしてもよい。例えば、車両に周知の車両乗員認証装置を搭載し、これを用いて乗員を特定するとともに、当該乗員が基準生体情報(基準生体パラメータ)をECU10の所定記憶部に登録済みであれば、当該基準生体情報に対し一定の負荷を加算する形で目標となる生体情報(目標生体パラメータ)を決定するようにしてもよい。また、車両搭乗後の予め決められたタイミングから所定時間が経過した後、負荷レベル検出部4により乗員の生体情報の取得を行い、取得された生体情報を基準生体情報とするようにしてもよい。
【0066】
ところで、上記実施形態においては、シートベルト駆動部3は、シートベルトに振動を伝達し、シートベルトを介して乗員の身体に振動を加えるものであったが、図10に示すように、自身を振動するように構成して、少なくともシートベルトに沿って移動可能に取り付けたものとしてもよい。この場合、負荷伝達部30はシートベルト駆動部3自身として構成され、当該シートベルト駆動部3自身が直接駆動する形で、乗員の身体を振動することができる。この場合のシートベルト駆動部3は、電源線及び信号線を有してなる配線3lに接続しており、これらから駆動電圧供給及び駆動信号を受ける形で、内蔵されたバイブレータが駆動するようになっている。なお、ここでのシートベルト駆動部3は、ラップベルト6aに対し移動可能に取り付けられている。さらにいえば、図11に示すように、ウェビング6をクランプするクランプ部3aが設けられており、ウェビング6に対し着脱可能に取り付けられている。
【0067】
また、上記のような車両用ダイエット装置は、全シートに設ける必要は無い。例えば、運転席のみとすることができる。運転席には必ず乗員がいるから、運転者のダイエットに貢献できる。また、後部座席のいずれかであってもよく、例えば要人の座する所定の後部座席にのみ設けてもよい。これにより、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の車両用ダイエット装置の一実施形態を示すブロック図。
【図2】本発明の負荷駆動部の配置を簡略的に示すシート斜視図。
【図3】本発明の負荷レベル検出部の配置を簡略的に示すシート斜視図。
【図4】本発明の負荷レベル検出部の配置を簡略的に示すステアリングホイールの正面図。
【図5】本発明の負荷レベル検出部の配置を簡略的に示す操作部の斜視図。
【図6】負荷駆動部の駆動処理の流れを示すフローチャート。
【図7】負荷駆動部の駆動処理の流れを示す処理フロー図。
【図8】次回の負荷レベルの決定に際して設けられる制限を説明するための図。
【図9】次回の駆動レベルの決定に際して設けられる制限を説明するための図。
【図10】本発明の負荷駆動部の、図2とは異なる配置を示すシート斜視図。
【図11】図10の負荷駆動部の側面図。
【符号の説明】
【0069】
100 車両用ダイエット装置
1 シート
2 シート駆動部(負荷駆動部)
3 シートベルト駆動部(負荷駆動部)
4 負荷レベル検出部(負荷レベル検出手段)
5 目標負荷レベル設定操作部(目標負荷レベル設定手段)
6 ウェビング
6a ラップベルト
10 ECU(駆動レベル設定手段、駆動制御手段、)
30 身体接触部(負荷伝達部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に乗りながらにして、いわゆるダイエットと称される体重削減行動が可能な車両用のダイエット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2007−283004号公報
【0003】
肥満が様々な病気の要因となることは既に広く知られている。また、近年では、「メタボリックシンドローム」と称される内臓脂肪型肥満についても問題視されている。そのため、ジムなどに通って本格的にダイエットに取り組む人もいるし、運動ではなく食の改善や食事制限を試みる人もいる。また、近年では、ダイエット装置として様々な運動器具の提案もある(特許文献1)。ダイエット食品やダイエット用のエクササイズ等も、既に多数のものが世に出ている。中には、ヒット商品となって全国的に家庭に普及した例もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ダイエットに取り組む時の大きな問題として、長続きしないという問題が挙げられる。つまり、どんなに面白そうで簡単そうなダイエットメニューに取り組んだところで、これを日課として定着させることは困難なのであり、たいていの場合は自らの意志の弱さによって途中で投げ出してしまうことが多い。
【0005】
本発明の課題は、車を日常的に使用する者に対し、容易かつ継続的にダイエットに取り組むことができる車両用のダイエット装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車両用ダイエット装置は、
車両のシートに座した乗員の身体に接触する身体接触部を有したシート及び該シートのシートベルトのいずれか又は双方において、身体接触部のうち予め定められた身体接触部を負荷伝達部とし、当該負荷伝達部を乗員の身体を振動ないし加圧するように駆動させる負荷駆動部を備えることを特徴とする。
【0007】
上記本発明の構成によれば、車両のシートに座るだけで乗員にカロリーを消費させるための負荷が与えられる。これにより、乗員は、これに抵抗する反射動作を強いられるから、その結果カロリーを消費する。つまり、日常的に車を使うものであれば、車に乗るだけでダイエットを行うことができるから、例えば通勤時などに習慣的にダイエットに取り組むことができる。
【0008】
本発明において、負荷伝達部は、シートベルトに設けることができる。シートベルトは車両運転中には必ず装着されるものであるから、乗員は余計な操作負担を感じることなく車両走行中にダイエットを行える。
【0009】
また、負荷伝達部は、シートベルトにおいて乗員の腰前側を横切る形で装着されるラップベルトに設けることができる。胸部等よりも腹部の方が脂肪のつきやすいので、ショルダーベルト部分ではなくラップベルト部分に振動や圧を与えることでより大きなダイエット効果が得られるし、上半身への影響が現れにくい。具体的にいえば、負荷駆動部を、ラップベルトの両端位置のいずれか又は双方に設け、ラップベルトの端部から当該ラップベルトを駆動する形で、乗員の身体を振動ないし加圧するように構成すればよい。この場合、負荷駆動部を、バイブレータを備える形で構成して、ラップベルトの端部から中央に振動を伝達するようにしてもよい。
【0010】
また、シートベルトを負荷伝達部とする場合には、負荷駆動部を、シートベルトの緊迫力の増減を繰り返す駆動部とし、緊迫力の増減を繰り返すことで該シートベルトを振動させるように構成してもよい。
【0011】
また、負荷伝達部は負荷駆動部自身として構成することもできる。この場合、当該記負荷駆動部は、少なくともシートベルトに沿って移動可能に取り付けられ、当該負荷駆動部自身が直接駆動する形で、乗員の身体を振動するように駆動するように構成できる。これにより、負荷を加える箇所をユーザーが任意に決めることができる。例えば、ラップベルトに設けられているのであれば、負荷駆動部が腹部中心となるようにラップベルトの中心位置に配置することができる。これにより、より大きなダイエット効果が得られる。この場合、負荷駆動部は、バイブレータを備えるものとして設けることができる。
【0012】
一方で、負荷駆動部は、乗員の身体を振動するのではなく乗員の身体を加圧するものであってもよい。例えば、負荷駆動部をシートベルトの端部に設けて、当該負荷駆動部が当該シートベルトの緊迫力を増すように駆動することで乗員の身体を加圧するものとすることができる。この場合、振動音などが気にならなくなるし、身体に振動が生じることもない。
【0013】
また、負荷伝達部は、シートに設けることもできる。この場合、負荷駆動部もシートに設けて、当該負荷駆動部を、シートベルトで拘束された乗員の身体背面を振動ないし加圧するように駆動するものとすることができる。この構成によれば、シートベルトの場合よりも広範囲にわたって負荷伝達部を設けることができるので、より大きなダイエット効果が得られる。
【0014】
ところで、本発明においては、乗員の身体への負荷を可変できるよう負荷駆動部の駆動レベルを可変可能に設定する駆動レベル設定手段と、設定された駆動レベルに基づいて、当該負荷駆動部を駆動制御する駆動制御手段とを設けることができる。この構成によると、必要に応じて負荷駆動部の駆動レベルを切り替えることができる。
【0015】
なお、駆動レベル設定手段は、所定時間内における負荷駆動部の駆動レベルの変化量に対し上限を設定しており、当該上限を超えないように駆動レベルを設定するようにできる。これにより、駆動レベルの急激な変化によって乗員の身体に過負荷を与えることが無くなる。
【0016】
また、駆動レベル設定手段は、予め定められた最大駆動レベルから最小駆動レベルの範囲内にて駆動レベルを設定するようにできる。これにより、乗員に過大な負荷がかかるような駆動レベルが設定されないようにできるし、カロリー消費に影響のないような駆動レベルでの無駄な駆動を行わないようにできる。
【0017】
また、本発明においては、負荷駆動部の駆動によって乗員に与えられている現在の負荷レベルを検出する負荷レベル検出手段を設けることができる。そして、駆動レベル設定手段は、検出されている現在の負荷レベルに基づいて、駆動レベルを可変して設定するものとできる。この構成によれば、乗員が現在受けている負荷に応じて駆動レベルを調整できるので、例えば現在の負荷が乗員に対しわりと大き目の負担がかかるようなものであれば、これを減じることができるし、乗員が全く気にならないような小さな負担しかかかっていないのであれば、これを増大することができる。
【0018】
なお、負荷レベル検出手段は、負荷駆動部の駆動によって負荷が与えられている乗員の、当該負荷の影響が反映される生体情報を負荷レベルとして検出する生体情報検出手段とすることができる。負荷は人によって感じ方が異なるものであるし、時間経過に伴い徐々にきつく感じるようになるものでもある。従って、上記構成のように、生体情報をモニタする形で乗員が感じる現在の負荷の程度を把握することができれば、これを負荷駆動部の駆動制御に反映させ、負荷が乗員のとって適切なレベルとなるように調整できる。なお、生体情報としては、心電、心拍、脈拍、発汗、呼吸数、体温のうちのいずれか又は複数を用いることができる。また、生体情報検出手段は、シートの座部、シートの背もたれ、シートのアームレスト、シートベルト、ステアリング、座部に着座した乗員が操作可能な位置にある座席周辺操作部のいずれか又は複数に設けることができる。
【0019】
また、本発明においては、負荷駆動部の駆動によって乗員に与えられる負荷に対し目標負荷レベルを設定する目標負荷レベル設定手段を設けることができる。この場合の駆動レベル設定手段は、設定された目標負荷レベルと、検出されている現在の負荷レベルとの差分に基づいて、次に設定すべき駆動レベルを算出して設定するようにできる。これにより、乗員に与えている負荷を目標負荷レベルに対し漸近するように制御することができ、乗員に一定の負荷を掛け続けることができる。
【0020】
また、目標負荷レベル設定手段は、車室内に設けられた目標負荷レベル設定操作部への操作入力内容に基づいて、目標負荷レベルを設定するものとできる。例えば、強・中・弱等の複数段階で目標負荷レベルをマニュアル設定できるようにしておけば、ユーザーに応じた負荷レベルを設定可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の車両用ダイエット装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の車両用ダイエット装置の構成を示すブロック図である。図1の車両用ダイエット装置100は、その主制御部をなすシートECU10に対し、シート1に設けられたシート駆動部2と、シート1に対応するシートベルトに設けられたシートベルト駆動部3と、それら駆動部2,3の駆動によって乗員に与えられている現在の負荷レベルを検出するための負荷レベル検出部(負荷レベル検出手段)4と、当該シート1に座する乗員に加えられる負荷の目標レベル(目標負荷レベル)を設定するための目標負荷レベル設定操作部5と、が接続する構成を有している。
【0023】
なお、本実施形態においては、車両に設けられた全てのシート1(1A〜1D)にシート駆動部2(2A〜2D)と、シートベルト駆動部3(3A〜3D)と、負荷レベル検出部4(4A〜4D)と、目標負荷レベル設定操作部5(5A〜5D)とが設けられている。これらの符号において、後ろに続くA〜Dは、シート1(1A〜1D)との対応関係を示すものであって、本実施形態においてはAが運転席のドア、Bが助手席のドア、Cが後席左のドア、Dが後席右のドアに対応している。総称する場合にはA〜Dは省略するものとする。
【0024】
図2は、シート1及びシートベルトに設けられた駆動部2,3の配置を簡略的に示した斜視図である。
【0025】
本実施形態におけるシートベルトは、乗員の身体を座席に拘束して乗員が座席外へ投げ出されて負傷することを防ぐ周知のベルト状の安全装置である。本実施形態においては、周知の三点式シートベルト装置であって、シートベルトのウェビング6は、ベルト挿通口としてスリップジョイントを備えるリトラクタ部7aから引き出される形で使用される。ウェビング6は、その一端部が、リトラクタ部7a内において、フォースリミッタ(図示なし)を有するリトラクタの巻取軸(図示なし)に係止され、その中間部がセンターピラー上部ないしはシート1の背もたれ部の肩部に固定されたスリップジョイントを介して下方に折り返されている。なお、巻取軸は、ばね部材の付勢力によってウェビング6の巻取回転方向に常時付勢されている。一方で、他端部がアンカー部7c内にてアンカープレート(図示なし)に係止されている。このウェビング6のアンカープレートと巻取軸との間における中間部には、タングプレート(図示なし)が取り付けられている。タングプレートは、自身の挿通孔にウェビング6を挿通する形で取り付けられており、当該ウェビング6に沿って摺動可能となっている。ウェビング6がリトラクタ部7aから引き出され、このタングプレートが座部1aの側方に配置されたバックル部7bに係止されることにより、タングプレートはバックルに支持され、乗員はシートベルトを装着した状態となる。このシートベルト装着状態においては、ウェビング6のスリップジョイントとタングプレート(バックル部7b)との間における第一ベルト区間部(以下、ショルダーベルトという)6bが乗員の上体を拘束するとともに、ウェビング6のタングプレート(バックル部7b)とアンカープレート7cとの間における第二ベルト区間部(以下、ラップベルトという)6aが乗員の腰部を拘束する。
【0026】
なお、本発明におけるシートベルトは、上記装着状態において法規に従う形で乗員を拘束するものであればよく、上記三点式シートベルト装置のものに限定されるものではない。
【0027】
シートベルト駆動部3は、ウェビング6を駆動してシート1に座した乗員にカロリー消費のための負荷を与えるためのアクチュエータである。本実施形態においては、アンカー部7c内にて、アンカープレートに係止されたウェビング6の端部に接触する形で配置されたバイブレータ(振動発生手段)である。シートベルト駆動部3が駆動することでウェビング6に振動が伝達されるとともに、ウェビング6の身体接触部(負荷伝達部)30を介してシート1に座した乗員の身体に振動が伝達される。さらにいえば、シートベルト駆動部3にて生ずる振動は、当該駆動部3に近いところで大きく振動し、遠方ほど振動は減衰するので、主にはラップベルト6aの身体接触部(負荷伝達部)30を介して、シート1に座した乗員の身体に振動が伝達される。
【0028】
なお、バックル部7bのバックルは、ゴムや樹脂、制振鋼板、制振合金等の制振材料にて構成することができる。これにより、ショルダーベルト6bへの振動伝達を抑制でき、主にはラップベルト6aのみが乗員の身体を振動させるようにできる。
【0029】
シート駆動部2は、シート1を駆動して座した乗員にカロリー消費のための負荷を与えるためのアクチュエータである。本実施形態においては、シート1の背もたれ部1b内に設けられた電動の加圧手段であり、背もたれ部1bにもたれかかる乗員に対し、身体接触部(負荷伝達部)30をなすシートクッションを介する形で背中を加圧する。具体的には、背もたれ部1bに内蔵されたシートバックフレームに回転可能に支持された回転軸と、当該回転軸と一体回転可能に取り付けられたカム部材であってその外周面が背もたれ部1bの表面を被うシートクッションと裏面側から接触する形で配置された押圧部材と、当該回転軸をその軸線周りに回転駆動するモータとを備えて構成されており、カム部材をなす押圧部材の回転に伴いその形状を反映した周期にて、背もたれ部1bの表面を被うシートクッションが裏面側から表面に突起を生ずる形で押圧されて、この突起(押圧部)が背もたれ部1bにもたれかかる乗員の背中を加圧するようになっている。
【0030】
図3〜図5は、シート1周辺の、乗員が接触可能な位置に設けられた負荷レベル検出部4の配置を簡略的に示した図である。図2は、シート1に設けられた負荷レベル検出部4の配置を簡略的に示した斜視図であり、図3は、ステアリングホイール11に設けられた負荷レベル検出部4の配置を簡略的に示した図であり、図4は、シート1周辺の操作部に設けられた負荷レベル検出部4の配置を簡略的に示した図である。
【0031】
負荷レベル検出部4は、駆動部2ないし3の駆動によって負荷が与えられている乗員の、当該負荷の影響が反映される生体情報を負荷レベルとして検出するセンサ(生体情報検出手段)である。ここでの生体情報としては、心電、心拍、脈拍、発汗、呼吸数、体温等とすることができ、それらを検出する負荷レベル検出部4は、シート1の座部1a、シート1の背もたれ1b、シート1のアームレスト1d,1d、シートベルトの身体接触部、ステアリング11、座部1aに着座した乗員が操作可能な位置にある座席周辺操作部12のいずれかに設けられている。
【0032】
本実施形態の負荷レベル検出部4は、図3に示すように、シート1の座部1aと、背もたれ部1bと、アームレスト1dとに設けられている。
【0033】
座部1aの負荷レベル検出部4a及び背もたれ部1bの負荷レベル検出部4bは、周知の湿度センサであってシートクッションの表面近傍に設けられており、シート1に座した乗員の発汗レベルを検出するものである。
【0034】
背もたれ部1bの負荷レベル検出部4bは、圧力センサである。具体的にいえば圧電型フィルムセンサであって、これと接触する乗員の背部の圧力変化を信号(背部生体信号)として検出するものである。この背部生体信号からは、心拍信号、脈波信号、呼吸信号等の波形成分を含むものであるから、これらを抽出して、心拍、脈拍、呼吸数等を検出することができる。
【0035】
アームレスト1d,1dの負荷レベル検出部4d,4dは、心電信号、心拍信号を検出するための金属電極である。心電信号、心拍信号は、対をなす左右のアームレストに設けられたそれぞれの電極4d,4dの双方を同時に接触することによって、心電位信号を検出するものである。各電極間に生じる電位差を検出することで、運転者の心電信号、心拍信号を測定することが可能となる(特開2000−14653号公報参照)。
【0036】
なお、負荷レベル検出部4dは、心電信号、心拍信号を検出するものではなく、脈波信号を検出するための検出部としてもよい。この場合、負荷レベル検出部4dは、発光素子(例えば発光ダイオード)及び受光素子(フォトダイオード)を有して構成される周知の光学式反射型センサとすることができ、発光素子から人体(センサ4dに接触ないし近接する手)に向かって光を照射し、小・細動脈で反射した光を受光素子で検出して、その受光量の変化を脈波信号として検出する。
【0037】
具体的にいえば、照射された光は、その一部が人体の内部を通る小・細動脈(毛細動脈)にあたって小・細動脈を流れる血液中のヘモグロビンに吸収され、残りの光が小・細動脈で反射して散乱し、その一部が受光素子に入射する。このとき、血液の脈動により小・細動脈にあるヘモグロビンの量が波動的に変化するので、ヘモグロビンに吸収される光も波動的に変化する。その結果、小・細動脈で反射して受光素子で検出される受光量が変化し、その受光量の変化を脈波信号(例えば電圧信号)として検出する。
【0038】
なお、図4に示すように、心電信号、心拍信号を検出する負荷レベル検出部4は、運転者が座するシートにおいては、車両のステアリングホイール11にも設けることができる。この負荷レベル検出部4は、例えば、ステアリングホイール11のリング部11aや、該リング部11aと中央のボス部11cとの連結部をなすスポーク部11bの左右に、対をなす金属電極として設けることができる。これにより、車両運転者がこれら各電極部を左右の手で把持した際に各電極間に生じる電位差を検出することで、運転者の心電信号、心拍信号を測定することが可能となる。本実施形態においては、負荷レベル検出部4fがステアリングホイール11のリング部11aの左右に振り分けられる形で配置されており、さらにいえば、図4(b)に示すように、ステアリングホイールの外周面側で、かつ運転席側表面に配置されている。この位置は、運転者がステアリングホイールの左右を把持した際に、運転者の手において、最も皮膚が薄くなっている親指の付け根部分が接触しやすい部分であるから、生体信号をより検出し易く、生体情報の測定精度を向上できる。
【0039】
また、心電信号、心拍信号を検出する検出部4fは、各々が対をなす金属電極(対電極)4f1,4f2として構成されており、互いに非接触な形で対向配置されている。これにより、乗員が接触している電極の特定が可能となる。これより、電極と手の接触状態が最も良い電極を選択するように構成できる。また、ステアリングホイール11に対電極4fを設ける場合には、リング部11aの外周側で、かつ運転席側の位置に双方の電極4f1,4f2が取り付けられることが望ましく、これにより、車両運転時に双方の電極4f1,4f2を把持しやすくなる。
【0040】
また、心電信号、心拍信号を検出する検出部(電極)4は、左右のそれぞれの手で異なる対電極4fの双方を接触した状態でなければ検出が行えないので、例えば、ステアリングホイール11だけでなく、シート1に着座した乗員が当該着座状態にて操作可能な操作部12に、もう一方の検出部(電極)4を設けるようにしてもよい。つまり、一方の手をステアリングホイール11に、他方の手を操作部12に置く形でも心電信号、心拍信号を検出することが可能となる。当該操作部12としては、接触操作型の操作部であればどのようなものでもよいが、例えば、ハプティックデバイスのように、手と長時間接触する形で操作がなされるものが望ましい。図5では、ハプティックデバイス12の操作ノブ(ここではトラックボール)12aを指示する支持体12bに、心電信号、心拍信号を検出する検出部(電極)4hが設けられている。なお、このハプティックデバイス12には、上記と同様の手法にて脈波信号を検出する検出部4iも設けられている。
【0041】
また、脈波信号を検出する負荷レベル検出部4も、運転者が座するシートにおいては、車両のステアリングホイール11にも設けることができ、例えば、ステアリングホイール11のリング部11aやスポーク部11bに設けることができる。ここでは、図4の(a)に示すように、上記と同様の手法にて脈波信号を検出する検出部4gがスポーク部11bに設けられている。
【0042】
目標負荷レベル設定操作部5は、駆動部2ないし3の駆動によって乗員に与えられる負荷に対し目標となる負荷レベル(目標負荷レベル)を複数段階に設定するために車室内に設けられた操作部である(目標負荷レベル設定操作部)。本実施形態においては、座部1aの側面に設けられており、強、中、弱の三段階の負荷レベルを設定することができる。ECU10は、これらの設定に基づいて、駆動部2ないし3の駆動レベルを切り替えることが可能となる。
【0043】
ECU10は、CPU、ROM、RAM等を備える周知の構成を有している。また、通信手段(車内LAN)50を介して車速情報等の必要な情報を他の制御部や検出部から取得可能に構成されている。
【0044】
ところで、本発明においては、ECU10が、乗員の身体への負荷を可変できるよう駆動部2,3の駆動レベルを可変可能に設定することができ(駆動レベル設定手段)、設定された駆動レベルに基づいて、当該駆動部2,3を駆動制御することができる(駆動制御手段)。ただし、駆動レベルの設定は、所定の操作部へのユーザーのマニュアル操作により任意に設定可能に構成することもできるが、本実施形態においては、負荷レベル検出部4により検出されている乗員の現在の負荷レベルに基づいて、駆動レベルを可変して設定するように構成されている。これにより、乗員が現在受けている負荷に応じて駆動レベルが調整される。
【0045】
以下、シート1及びシートベルトのウェビング6に設けられた駆動部2,3を駆動制御するための処理について、図6及び図7のフローチャート及び処理フロー図を用いて説明する。なお、当該処理は、ECU10の所定記憶部に格納されたプログラムをCPUが実行する形で実施される。
【0046】
S1では、ECU10が駆動部2,3を駆動に伴う負荷の影響が反映される予め定められた生体情報を取得する。生体情報は、負荷レベル検出部4の検出結果として取得することができ、上記全ての負荷レベル検出部4の検出結果を取得し、以下の処理にて使用してもよいが、ここでは、乗員の心拍情報のみを取得するものとして説明をする。なお、ここでは、背もたれ部1bに設けられた負荷レベル検出部4b(圧電型フィルムセンサ)の検出結果を取得するものとする。ECU10は、検出された生体波形信号(背部生体信号)の入力を受けて、この信号から心拍を反映した心拍信号を抽出・増幅する処理を行って、その心拍信号に基づいて心拍数をカウントすることで、現在の心拍数(所定の基準時間(例えば1分)内でカウントされた心拍数)を計測する。
【0047】
S2では、ECU10が目標負荷レベルを取得する。ECU10は、自身の所定記憶部に、目標負荷レベル設定操作部5により設定された目標負荷レベルを記憶しているので、これを読み出すことにより目標負荷レベルを取得する。なお、本実施形態における目標負荷レベルとは、負荷を与える乗員に対しどの程度の負荷レベルを与えるかを定めるものである。つまり、駆動部2,3の駆動レベル(駆動パラメータ)を一義的に定めるものではなく、あくまでS1にて検出された乗員の生体情報(負荷レベル)をどの程度とするかを定めるためのものである。ここでの目標負荷レベルは、心拍数の目標値(目標心拍数)という形で設定されており、目標負荷レベルが「強」に設定されている場合は例えば目標心拍数を120に設定し、「中」に設定されている場合は例えば目標心拍数を100に設定し、「弱」に設定されている場合には例えば目標心拍数80に設定する。なお、本実施形態に限れば、心拍のみが生体情報として必要とされているので、心拍を取得するための検出部4以外は省略して構成してよい。
【0048】
S3では、ECU10が現在の駆動レベルを取得する。駆動レベルは、本実施形態においては、駆動部2,3の振動数と振幅、加圧圧力といった駆動パラメータの設定値であり、それぞれ駆動部2,3毎にECU10に記憶されている。ここでは、ECU10に記憶されている各駆動パラメータの設定値を読み出す形で駆動レベルを取得する。
【0049】
S4では、S2で取得した目標負荷レベルと、S1で取得した乗員の現在の負荷レベルとの差分に基づいて、次に設定すべき駆動レベルを算出して設定する。ここでは、S1で取得した乗員の現在の負荷レベルが、S2で取得した目標負荷レベルに一致するように、これから実行する駆動部2,3の駆動レベルを決定する。具体的にいえば、S1で取得した乗員の現在の負荷レベルとの差を負荷変化量とし、これを現在の負荷レベルに加算する形で次回の負荷レベルを算出し、これに対応する駆動部2,3の駆動レベル(駆動パラメータの設定値)を決定する。
【0050】
ただし、本実施形態においては、駆動レベルの急変を抑制するために、現在の負荷レベルに加算される負荷変化量に制限を設けている。具体的にいえば、図8に示すような形で負荷変化量の上限値・下限値(急変ガード値)が設定されており、これらを上回るあるいは下回る負荷変化が禁止されている。S2で取得した目標負荷レベルと、S1で取得した乗員の現在の負荷レベルとの差が、これら負荷変化量の上限値・下限値により規定される負荷変化許容範囲から外れる場合には、強制的に上限値ないし下限値が負荷変化量として設定される。
【0051】
また、S4では、決定される駆動レベルにも上下限が設定されており、身体への影響が過大であると想定される駆動レベルや、身体への影響が過小であると想定される駆動レベルが設定できないようになっている(図9参照)。S1で取得した乗員の現在の負荷レベルが、目標負荷レベルから大きくかけ離れていたとしても、この駆動レベルの上下限を上回るような変化量が設定された場合には、その設定が無効化されて、それら上下限の駆動レベルが決定されるようになっている。
【0052】
S5では、決定された駆動レベル(振動数、振幅、加圧圧力)に基づいて、駆動部2,3が駆動制御される。S5にて本処理は終了となるが、本処理は所定周期で繰り返される。このため、S4で決定された駆動レベルでの駆動制御は次周期の到来を待つ間継続して実施され、次周期のS4が到来するに伴い新たに駆動レベルが設定される。
【0053】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【0054】
例えば、シートベルト駆動部3は、上記実施形態においては、アンカー部7cに設けられているが、リトラクタ部7a、バックル部7bに設けてもよい。
【0055】
また、シートベルト駆動部3は、上記実施形態においては、バイブレータとして構成され、発生する振動をシートベルトに伝達させ、これにより乗員の身体を振動させる構成であるが、シートベルトの緊迫力を増減する形で乗員の身体を振動させる構成であってもよい。具体的にいえば、リトラクタ部7a、バックル部7b、アンカー部7c内のいずれか又は複数に、シートベルトのウェビング6を引き込むためのモータ等からなる引き込み機構を設けて、これによって引き込み/開放を繰り返す駆動を行う形で、実行してもよい。この引き込み機構として、例えば、ブレーキ操作や衝突検知と連動してシートベルトのウェビング6のたるみを除くように駆動するプリプリテンショナー機構を利用することもできるし、これとは別に装備しもよい。
【0056】
また、シートベルト駆動部3は、上記実施形態においては、乗員に振動を負荷するものであったが、乗員に加圧を負荷するものであってもよい。この場合、例えば、上記した引き込み機構を設け、当該引き込み機構に、ウェビング6の緊迫力が増した状態が保持されるよう所定の引き込み力にてウェビング6を継続して引き込む駆動を行わせてもよい。
【0057】
シート駆動部2は、上記実施形態においては、背もたれ部1bにのみ設けられていたが、同様の加圧手段を座部1aに設けてもよい。また、背もたれ部1b内にバイブレータを設けて、上記シートベルト駆動部3と同様に、振動を乗員の背中に与える構成でも良いし、同様にして、シート1の座部1a内にもバイブレータを設けて、振動を乗員の臀部に与える構成でも良い。
【0058】
また、シート駆動部2とシートベルト駆動部3とは少なくとも一方が設けられていればよい。
【0059】
ところで、上記した実施形態においては、乗員の現在の負荷レベルを検出する負荷レベル検出部4として、心拍を検出する検出部4を利用し、検出される心拍数に基づいて、駆動部2,3の駆動制御を実行していたが、他にも、脈拍、発汗、呼吸数、体温等を検出して、これらのうちのいずれか又は複数に基づいて、駆動部2,3の駆動制御(図6及び図7)を実行してもよい。
【0060】
生体情報として脈拍を使用する場合は、乗員の脈拍情報を取得する負荷レベル検出部4(例えば符号4b等)を用いる。具体的には、図6の処理において、まずS1にて、当該検出部4の検出結果に基づいて、現在の脈拍数(所定の基準時間(例えば1分)内でカウントされた脈拍数)を計測し、S2にて、この脈拍数というパラメータを用いて定められている目標負荷レベルを取得する。そして、S3〜S5にて、これら負荷レベルの差分と、現在の駆動部2,3の駆動レベルとに基づいて、次回の駆動レベルを決定し、決定された駆動レベルにより駆動部2,3を駆動制御する。
【0061】
生体情報として発汗を使用する場合も同様であり、乗員の発汗情報を取得する負荷レベル検出部4(例えば符号4a、4c等)を用い、図6の処理において、S1にて、当該検出部4の検出結果に基づき乗員の身体とシートとの間の現在の湿度を計測し、S2にて、この湿度というパラメータを用いて定められている目標負荷レベルを取得する。S3〜S5の処理は上記と同様である。
【0062】
また、生体情報として呼吸数を使用する場合も同様である。乗員の呼吸数情報を取得する負荷レベル検出部4(例えば符号4b等)を用い、図6の処理において、S1にて、当該検出部4の検出結果に基づき現在の呼吸数(所定の基準時間(例えば1分)内でカウントされた呼吸数)を計測し、S2にて、この呼吸数というパラメータを用いて定められている目標負荷レベルを取得する。S3〜S5の処理は上記と同様である。
【0063】
また、生体情報として体温を使用する場合も同様である。乗員の体温情報を取得する負荷レベル検出部4(例えば符号4bを接触式の体温検出部としたり、車室内にサーモグラフィを設け、画像分析により体温を検出してもよい)を用い、図6の処理において、S1にて、当該検出部4の検出結果に基づいて、乗員の現在の体温を計測し、S2にて、この体温というパラメータを用いて定められている目標負荷レベルを取得する。S3〜S5の処理は上記と同様である。
【0064】
ただし、これらのいずれにおいても、既に述べた実施形態と同様、S4にて、次回の負荷レベルを決定する際に、現在検出されている負荷レベルに負荷変化量(目標負荷レベルと現在の負荷レベル)を加算するにあたって、加算される当該負荷変化量に制限が設けられる(図8)。さらに、S4にて決定される駆動レベルにも、既に述べた実施形態と同様、上下限が設定されている(図9)。
【0065】
また、既に述べた実施形態においては、目標負荷レベル設定操作部5により設定される目標負荷レベルは、負荷レベル検出部4により検出される生体情報のパラメータ(生体パラメータ)の固定値として定められていたが、負荷レベル検出部4により検出される生体情報は個人差があるから、目標負荷レベル設定操作部5により乗員個人に応じて目標負荷レベルが定められるようにしてもよい。例えば、車両に周知の車両乗員認証装置を搭載し、これを用いて乗員を特定するとともに、当該乗員が基準生体情報(基準生体パラメータ)をECU10の所定記憶部に登録済みであれば、当該基準生体情報に対し一定の負荷を加算する形で目標となる生体情報(目標生体パラメータ)を決定するようにしてもよい。また、車両搭乗後の予め決められたタイミングから所定時間が経過した後、負荷レベル検出部4により乗員の生体情報の取得を行い、取得された生体情報を基準生体情報とするようにしてもよい。
【0066】
ところで、上記実施形態においては、シートベルト駆動部3は、シートベルトに振動を伝達し、シートベルトを介して乗員の身体に振動を加えるものであったが、図10に示すように、自身を振動するように構成して、少なくともシートベルトに沿って移動可能に取り付けたものとしてもよい。この場合、負荷伝達部30はシートベルト駆動部3自身として構成され、当該シートベルト駆動部3自身が直接駆動する形で、乗員の身体を振動することができる。この場合のシートベルト駆動部3は、電源線及び信号線を有してなる配線3lに接続しており、これらから駆動電圧供給及び駆動信号を受ける形で、内蔵されたバイブレータが駆動するようになっている。なお、ここでのシートベルト駆動部3は、ラップベルト6aに対し移動可能に取り付けられている。さらにいえば、図11に示すように、ウェビング6をクランプするクランプ部3aが設けられており、ウェビング6に対し着脱可能に取り付けられている。
【0067】
また、上記のような車両用ダイエット装置は、全シートに設ける必要は無い。例えば、運転席のみとすることができる。運転席には必ず乗員がいるから、運転者のダイエットに貢献できる。また、後部座席のいずれかであってもよく、例えば要人の座する所定の後部座席にのみ設けてもよい。これにより、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の車両用ダイエット装置の一実施形態を示すブロック図。
【図2】本発明の負荷駆動部の配置を簡略的に示すシート斜視図。
【図3】本発明の負荷レベル検出部の配置を簡略的に示すシート斜視図。
【図4】本発明の負荷レベル検出部の配置を簡略的に示すステアリングホイールの正面図。
【図5】本発明の負荷レベル検出部の配置を簡略的に示す操作部の斜視図。
【図6】負荷駆動部の駆動処理の流れを示すフローチャート。
【図7】負荷駆動部の駆動処理の流れを示す処理フロー図。
【図8】次回の負荷レベルの決定に際して設けられる制限を説明するための図。
【図9】次回の駆動レベルの決定に際して設けられる制限を説明するための図。
【図10】本発明の負荷駆動部の、図2とは異なる配置を示すシート斜視図。
【図11】図10の負荷駆動部の側面図。
【符号の説明】
【0069】
100 車両用ダイエット装置
1 シート
2 シート駆動部(負荷駆動部)
3 シートベルト駆動部(負荷駆動部)
4 負荷レベル検出部(負荷レベル検出手段)
5 目標負荷レベル設定操作部(目標負荷レベル設定手段)
6 ウェビング
6a ラップベルト
10 ECU(駆動レベル設定手段、駆動制御手段、)
30 身体接触部(負荷伝達部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のシートに座した乗員の身体に接触する身体接触部を有したシート及び該シートのシートベルトのいずれか又は双方において、前記身体接触部のうち予め定められた身体接触部を負荷伝達部とし、当該負荷伝達部を前記乗員の身体を振動ないし加圧するように駆動させる負荷駆動部を備えることを特徴とする車両用ダイエット装置。
【請求項2】
前記負荷伝達部は、前記シートベルトに設けられている請求項1記載の車両用ダイエット装置。
【請求項3】
前記負荷伝達部は、前記シートベルトにおいて前記乗員の腰前側を横切る形で装着されるラップベルトに設けられている請求項2記載の車両用ダイエット装置。
【請求項4】
前記負荷駆動部は、前記ラップベルトの両端位置のいずれか又は双方に設けられ、前記ラップベルトの端部から当該ラップベルトを駆動する形で、前記乗員の身体を振動ないし加圧するものである請求項3記載の車両用ダイエット装置。
【請求項5】
前記負荷駆動部は、前記シートベルトの緊迫力の増減を繰り返すことで該シートベルトを振動させるものである請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用ダイエット装置。
【請求項6】
前記負荷伝達部は前記負荷駆動部自身であり、当該記負荷駆動部は、少なくとも前記シートベルトに沿って移動可能に取り付けられ、当該負荷駆動部自身が直接駆動する形で、前記乗員の身体を振動するように駆動するものである請求項2又は請求項3に記載の車両用ダイエット装置。
【請求項7】
前記負荷駆動部は、バイブレータを備えるものである請求項6記載の車両用ダイエット装置。
【請求項8】
前記負荷駆動部は、前記シートベルトの端部に設けられ、当該シートベルトの緊迫力を増すように駆動することで前記乗員の身体を加圧するものである請求項2又は請求項3に記載の車両用ダイエット装置。
【請求項9】
前記負荷伝達部及び前記負荷駆動部は、前記シートに設けられ、前記負荷駆動部は、前記シートベルトで拘束された乗員の身体背面を振動ないし加圧するように駆動するものである請求項1記載の車両用ダイエット装置。
【請求項10】
前記乗員の身体への負荷を可変できるよう前記負荷駆動部の駆動レベルを可変可能に設定する駆動レベル設定手段と、設定された駆動レベルに基づいて、当該負荷駆動部を駆動制御する駆動制御手段とを備える請求項1ないし請求項9のいずれ1項に記載の車両用ダイエット装置。
【請求項11】
前記駆動レベル設定手段は、所定時間内における前記負荷駆動部の前記駆動レベルの変化量に対し上限を設定しており、当該上限を超えないように前記駆動レベルを設定するものである請求項10記載の車両用ダイエット装置。
【請求項12】
前記駆動レベル設定手段は、予め定められた最大駆動レベルから最小駆動レベルの範囲内にて前記駆動レベルを設定するものである請求項10又は請求項11に記載の車両用ダイエット装置。
【請求項13】
前記負荷駆動部の駆動によって前記乗員に与えられている現在の負荷レベルを検出する負荷レベル検出手段を備え、
前記駆動レベル設定手段は、検出されている現在の前記負荷レベルに基づいて、前記駆動レベルを可変して設定するものである請求項10ないし請求項12のいずれか1項に記載の車両用ダイエット装置。
【請求項14】
前記負荷駆動部の駆動によって前記乗員に与えられている負荷に対し目標負荷レベルを設定する目標負荷レベル設定手段を備え、
前記駆動レベル設定手段は、設定された前記目標負荷レベルと、検出されている現在の前記負荷レベルとの差分に基づいて、次に設定すべき前記駆動レベルを算出して設定するものである請求項13記載の車両用ダイエット装置。
【請求項15】
前記目標負荷レベル設定手段は、車室内に設けられた目標負荷レベル設定操作部への操作入力内容に基づいて、前記目標負荷レベルを設定するものである請求項14記載の車両用ダイエット装置。
【請求項16】
前記負荷レベル検出手段は、負荷駆動部の駆動によって負荷が与えられている前記乗員の、当該負荷が反映される生体情報を前記負荷レベルとして検出する生体情報検出手段である請求項13ないし請求項15のいずれか1項に記載の車両用ダイエット装置。
【請求項17】
前記生体情報は、心電、心拍、脈拍、発汗、呼吸数、体温のうちのいずれか又は複数である請求項16記載の車両用ダイエット装置。
【請求項18】
前記生体情報検出手段は、シートの座部、シートの背もたれ、シートのアームレスト、シートベルト、ステアリング、座部に着座した乗員が操作可能な位置にある座席周辺操作部のいずれか又は複数に設けられている請求項17記載の車両用ダイエット装置。
【請求項1】
車両のシートに座した乗員の身体に接触する身体接触部を有したシート及び該シートのシートベルトのいずれか又は双方において、前記身体接触部のうち予め定められた身体接触部を負荷伝達部とし、当該負荷伝達部を前記乗員の身体を振動ないし加圧するように駆動させる負荷駆動部を備えることを特徴とする車両用ダイエット装置。
【請求項2】
前記負荷伝達部は、前記シートベルトに設けられている請求項1記載の車両用ダイエット装置。
【請求項3】
前記負荷伝達部は、前記シートベルトにおいて前記乗員の腰前側を横切る形で装着されるラップベルトに設けられている請求項2記載の車両用ダイエット装置。
【請求項4】
前記負荷駆動部は、前記ラップベルトの両端位置のいずれか又は双方に設けられ、前記ラップベルトの端部から当該ラップベルトを駆動する形で、前記乗員の身体を振動ないし加圧するものである請求項3記載の車両用ダイエット装置。
【請求項5】
前記負荷駆動部は、前記シートベルトの緊迫力の増減を繰り返すことで該シートベルトを振動させるものである請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用ダイエット装置。
【請求項6】
前記負荷伝達部は前記負荷駆動部自身であり、当該記負荷駆動部は、少なくとも前記シートベルトに沿って移動可能に取り付けられ、当該負荷駆動部自身が直接駆動する形で、前記乗員の身体を振動するように駆動するものである請求項2又は請求項3に記載の車両用ダイエット装置。
【請求項7】
前記負荷駆動部は、バイブレータを備えるものである請求項6記載の車両用ダイエット装置。
【請求項8】
前記負荷駆動部は、前記シートベルトの端部に設けられ、当該シートベルトの緊迫力を増すように駆動することで前記乗員の身体を加圧するものである請求項2又は請求項3に記載の車両用ダイエット装置。
【請求項9】
前記負荷伝達部及び前記負荷駆動部は、前記シートに設けられ、前記負荷駆動部は、前記シートベルトで拘束された乗員の身体背面を振動ないし加圧するように駆動するものである請求項1記載の車両用ダイエット装置。
【請求項10】
前記乗員の身体への負荷を可変できるよう前記負荷駆動部の駆動レベルを可変可能に設定する駆動レベル設定手段と、設定された駆動レベルに基づいて、当該負荷駆動部を駆動制御する駆動制御手段とを備える請求項1ないし請求項9のいずれ1項に記載の車両用ダイエット装置。
【請求項11】
前記駆動レベル設定手段は、所定時間内における前記負荷駆動部の前記駆動レベルの変化量に対し上限を設定しており、当該上限を超えないように前記駆動レベルを設定するものである請求項10記載の車両用ダイエット装置。
【請求項12】
前記駆動レベル設定手段は、予め定められた最大駆動レベルから最小駆動レベルの範囲内にて前記駆動レベルを設定するものである請求項10又は請求項11に記載の車両用ダイエット装置。
【請求項13】
前記負荷駆動部の駆動によって前記乗員に与えられている現在の負荷レベルを検出する負荷レベル検出手段を備え、
前記駆動レベル設定手段は、検出されている現在の前記負荷レベルに基づいて、前記駆動レベルを可変して設定するものである請求項10ないし請求項12のいずれか1項に記載の車両用ダイエット装置。
【請求項14】
前記負荷駆動部の駆動によって前記乗員に与えられている負荷に対し目標負荷レベルを設定する目標負荷レベル設定手段を備え、
前記駆動レベル設定手段は、設定された前記目標負荷レベルと、検出されている現在の前記負荷レベルとの差分に基づいて、次に設定すべき前記駆動レベルを算出して設定するものである請求項13記載の車両用ダイエット装置。
【請求項15】
前記目標負荷レベル設定手段は、車室内に設けられた目標負荷レベル設定操作部への操作入力内容に基づいて、前記目標負荷レベルを設定するものである請求項14記載の車両用ダイエット装置。
【請求項16】
前記負荷レベル検出手段は、負荷駆動部の駆動によって負荷が与えられている前記乗員の、当該負荷が反映される生体情報を前記負荷レベルとして検出する生体情報検出手段である請求項13ないし請求項15のいずれか1項に記載の車両用ダイエット装置。
【請求項17】
前記生体情報は、心電、心拍、脈拍、発汗、呼吸数、体温のうちのいずれか又は複数である請求項16記載の車両用ダイエット装置。
【請求項18】
前記生体情報検出手段は、シートの座部、シートの背もたれ、シートのアームレスト、シートベルト、ステアリング、座部に着座した乗員が操作可能な位置にある座席周辺操作部のいずれか又は複数に設けられている請求項17記載の車両用ダイエット装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−247650(P2009−247650A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−100079(P2008−100079)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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