説明

車両用ドア・ミラー

【課題】 車両のドアに直接取り付ける必要がなく、他種類の車両用ドア・ミラーが取り付け可能な構造を提供する。
【解決手段】 本発明の車両用ドア・ミラーは、(A)第1通路(12)が形成されたネック(11)を有するケース(10)と、(B)前記ネック(11)に適合する第2通路(22)が形成されたアダプタ(20)と、(C)前記第1通路(12)と前記第2通路(22)とを貫通して、回転運動と軸方向運動が可能なように搭載された連結ステム(30)と、(D)前記連結ステム(30)と一体に形成されたまたは取り付けられた突起部(42)とケース(10)との間に配置される弾性部材(50)とを有する。更に、前記アダプタ(20)は、(E)第1位置決め構造と、(F)第1保持構造体(27a、27b)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ドア・ミラーに関し、特に、車両の外側パネルに関連する(取り付けられる)支持シート部材に直接固定するのに適した自動車用ドア・ミラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車ドア・ミラーは、第1と第2の2つのユニットから構成される。第1ユニットは、ケース(シャーシ)を有し、このケース内に、方向調整機構と少なくとも1枚のミラーとを搭載する。第2ユニットは、車両の外側パネルにネジと内部強化要素の手段により固定される支持ベースを有する。第1ユニット(即ちケース)を第2ユニット(即ち支持ベース)に取り付けるため、取り外し可能な取り付けシステムを有する。この取り付けシステムは、ケースの開口を介して搭載されるステムを有し、その下端にバヨネット型のロックを構成する支持ベースの開口の周囲に形成される相補的構造体に固定されるような構造物を搭載する。ステムは、ステムが軸方向に移動しその軸の周囲を限られた範囲で回転できるように組み立てられる。ステムの周囲には、ステムをケースの内側に押しつけるようスプリングを圧縮して搭載され、これによりバヨネット・ロックを確保する。
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願第A−1038730号明細書
【特許文献2】米国特許出願第A−6371619号明細書
【特許文献3】米国特許出願第A−6609800号明細書
【0004】
上記の特許文献は、車両のドアに直接固定される単一のユニットからなる自動車ドア・ミラーを開示する。ミラーのケースは、回転可能に結合された脚部を有し、車両のドアの外側パネルに当たるよう配置される下表面を有するカップ状の中間部材内に挿入される。上記の構造に類似するステムは、前記脚部と前記中間部材と自動車の外側パネルの開口を貫通し、外側パネルよりもより内側のレベルで、自動車のドアの内側フレームへのフックを有するロック手段により結合される。ケースの脚部とステムとの間に搭載されるスプリングにより、中間部材は自動車の外側シートに押しつけられる。上記の包囲体は、フック形状の構造体を有する。このフック形状の構造体は、ステムの下端で円周方向に配置されて、ドアの内側フレーム内の孔の周囲上で相補形状をした構造体と係合する。さらに、ステムのフック形状をした構造体を内側フレームの相補形状の構造体に係合させることは、ステムの軸移動と回転移動を組み合わせて、実行され、これにより、ステムが内側フレームに対し回転するのを阻止する。中間部材が外側パネルに対し回転するのを阻止するのは、外側パネルの表面の不規則な外径(そこに中間部材の下表面が当たる)により行われる。中間部材の底部に形成された相補形状をした構造体に結合される階段状の構造体は、脚部の端部に形成され、ケースが中間部材に対し安定した位置を提供する。
【0005】
上記のドア・ミラーの構造を車両に適用する際の問題点は、多くの車両において、外側パネルは比較的薄いシート材料で形成されている点である。この薄いシート材料は、ドア・ミラーのケースにかかる風の力等の過剰なストレスによる中間部品にかかる圧力に耐えられない。かくして、使用中に中間部材が当たる外側パネルの領域が凹むことがあり、ミラーの固定が緩み、その位置が変わってしまう。別の欠点は、ステムの下端のフック形状をした構造体は、ドアの内側フレームの周囲に形成された相補構造との結合から外れることがある、あるいはドアの内側フレームがミラーの組み立て時にかかるトルクにより変形することがある。別の欠点は、中間部材は各車両モデルの外側パネルの外径に適合しなければならず、外側パネルの上にそのシート内に固定されなければならない。上記の欠点とは別に、このような中間部材は、その他端である上部部分でミラーを囲うケースの形状に合わなければならず、前記中間部材がこのようなケースと共に全体を構成する上記の脚部を突っ張る際にその回転ができなければならない。この最後の要件は、上記の特許文献で述べられた提案の利用可能性を大きく制限することになる。さらに、中間部材を構成するカップの底部の上記の階段状の構造は、整形するのが難しく、その製造は高価となる。上記の特許文献1の図2、4、5に示す補助シートすなわち内側パネル34を使用することは、この内側パネル34内にステムをつなぎ止めるための搭載ホールが規定され、同じ欠点を有する。その理由は、ミラーを車両に結合することは、ステム内の上記の係合構造とホール内の周囲の相補的構造との結合に依存する。この場合、補助シートすなわちパネル内に形成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の欠点あるいはその他の欠点を解決することである。本発明によれば、1個のユニットで構成され、強化シート要素例えば車両の外側パネルに取り付けられる強化シートに、この外側パネルの介在なしに固定される自動車ドア・ミラーを提供することである。このため、本発明の自動車ドア・ミラーは、ケースとアダプタと連結ステムとスプリングとを有する。これらは、上記の強化シート要素にすぐに固定できる単一のユニットとして予め搭載可能な状態で手動で結合されて、提供される。これは、前記ドアあるいはボディの一部の製造業者により車両のドアあるいは別のボディシステムの外側パネルに予め組み込むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書において、「外側パネル」は、自動車の「表面」を形成する自動車の一部で、一般的に使用されるシートの形態の要素である。例えばスチール製のシートあるいは別の金属のシート例えばアルミ製シート、プラスチック材料製の剛性シート例えばグラス・ファイバーで強化したポリエステル・レジン製のシートである。
【0008】
上記のケースは、ネックを有する。このネックを介して第1通路が形成され、前記アダプタがこのネックに適合する。アダプタは、第2通路と当接する表面とを有する。第2通路はケースの第1通路と整合する。当接表面は、車両の外側パネルに取り付けられる強化シート要素に当たる。この強化シート要素は、第1と第2の通路と整合する開口を有する。上記の連結ステムは、ネックの第1通路とアダプタの第2通路を貫通し、軸方向に動けるよう搭載される。連結ステムは、第1端を有し、そこに半径方向外側に伸びるアンカー構造が形成される。連結ステムの第1端と前記アンカー構造は、強化シート要素の開口を貫通して伸びる。連結ステムは、さらに第2端近傍に結合されるリング形状のフランジを有する。圧縮されたスプリングが、ステムに結合されたリング形状のフランジと前記ケースの間に配置されて、連結ステムをケースの内側に押しつける。
【0009】
ミラーが、強化シート要素に、連結ステムにより、その開口に対し所定の方向を向いて固定されると、開口の周囲にある強化シート要素の少なくとも一部が、前記アダプタの当接する表面と前記連結ステムのアンカー構造との間に前記スプリングの力により閉じこめられる。これにより、連結ステムが、強化シート要素の開口から引き出されるのを阻止する。
【0010】
アダプタは、さらに第1配置構造と第1の保持構造とを有する。この第1の配置構造は、前記強化シート要素の第2結合構造に係合し、前記アダプタが強化シート要素の開口に対し正確に配置されるのを保証する。第1保持構造は、連結ステムの第2保持構造と共働して連結ステムがアダプタに対し動かないようにする。かくして、連結ステムを、強化シート要素の開口に対し所定の方向に動かないようにする。
【0011】
本発明の一実施例によれば、連結ステムに結合されるリング形状のフランジは、個別の制限部品として形成される。この制限部品は、連結ステムの第2端近傍の少なくとも一部に形成された雄ネジに噛み合う雌ネジを有する。このネジの切られた取り付け部品がケースとアダプタと連結ステムとスプリングを予め搭載した状態での組み立てを容易にする。特に、この制限部品をステムから取り外すことにより、ドア・ミラーを容易に分解できる。このため制限部品は把持構造部を有する。この把持構造部は、第1通路と連通するケースのスペースを介して導入される分解工具の結合を受け入れる。ケースの蓋あるいは他の要素を取り外して、前記スペースへ容易にアクセスできる。
【0012】
この構成により本発明の自動車ドア・ミラーは多くの利点を有する。第1の利点は、ドア・ミラーの組立体を固定する際、力を車両の外側パネルにかけることはない。その理由は、このような固定は、必要とされる応力に耐えるよう設計された強化シート要素上で行われるからである。第2の利点は、ミラーは予め搭載された状態で単一のユニットとして供給できる。これにより製造と管理コストが下がるが、それは部品とユニットの数が減り組み立てコストも下がり、更に車両にドア・ミラーを固定する際の操作あるいは操作回数が減るからである。さらに、分解が容易なために、既に搭載されたミラーの修理コストと交換コストが下がり、従来のミラーに比較するとオペレータの安全性が増す。
【実施例】
【0013】
本明細書において、用語「上」、「下」、「上方」、「下方」は、ドア・ミラーの要素を図面に示した状態の位置について用い、且つドア・ミラーを自動車に実際に組み込む際と同じ方向を意味する。
【0014】
図1A、1B、2に従来の自動車ドア・ミラーの例を示す。図1Aのミラーは、完全に別部品である2個のユニット110、120で構成される。これらは図1Aでは手で組立られている。第1ユニット110はケース111を有する。ケース111内に少なくとも1個のミラー112が搭載される。ケース111は、ミラー112の方向を調整するモーター駆動機構(図示せず)を有する。第2ユニット120は支持ベース121を有する。この支持ベース121は、車の外側パネルに固定手段を介して固定される。この固定手段は、例えば外側パネルの孔を通過し、外側パネルの内側に配置された強化部材に固定されるネジである。第2ユニット120は、装飾的なトリム122を有する。この装飾的トリム122の機能は、支持ベース121をカバーし、最終的に第2ユニット120であるネジ部材を包囲する車の外側パネルにガスケット(図示せず)を押し当てることである。
【0015】
第1ユニット110は、第2ユニット120に取り付けるべき取り外し可能な取り付けシステム(図示せず)を有する。この取り付けシステムは、従来と同様なものであり、ケースの通路を貫通して搭載されるステムにより行われ、その下端で支持ベースの上部部分に形成された開口の周囲に形成された相補的構造に固定される構造を具備する。これにより、バヨネット型のロックを構成する。図1Aに示す従来の構造は、車両のドアの窓のフレームの下部部分、あるいは車のフェンダーに、ドア・ミラーを搭載し組み立てるのに適したものである。
【0016】
図1Bに示すミラーも2個のユニット130、140で構成される。これらは、完全な別個のユニットであり、図1Bでは手で組み立てられる。図1Aと同様に、第1ユニット130はケース131を有する。このケース131内にミラー132が方向調整機構を具備して搭載される。第2ユニット140は支持ベース141を有する。この支持ベース141は、車の外側パネルに固定手段(例、ネジ)で固定される。第2ユニット140は、装飾トリム142を有する。この装飾トリム142の機能は、支持ベース141をカバーし、車両の外側パネルにガスケット(図示せず)を押し当てることである。第1ユニット130は、取り外し可能な取り付けシステム(図示せず)を有する。これは、第2ユニット140に取り付けるバヨネット型のロックに基づき前述したものと等価である。図1Bに示す従来の構成は、車両のドアの窓フレームの下側フロントコーナーに、ミラーを取り付けるのに適したものである。
【0017】
図2に一部示すミラーは、特許文献1、2、3に記載されたものに対応する。このミラーは、1個のユニット150として構成される。このユニット150は、ケース151を有する。このケース151内に、少なくとも1個のミラー152が方向調整機構を含めて搭載される。ケース151は、中央通路を有するフート153を有する。このフート153は、中間部材154の内側に配置され、フート153は固定された中間部材154に回転可能に結合される。中間部材154は下側表面と上側表面とを有する。下側表面は車のドアの外側パネル160に当たる。上側表面はミラーを包囲するケースの特定の構造に適合しなければならない。この適合により、様々なドア・ミラーに適用される場合には様々な中間部材を必要とする。連結ステム155は、フート153と、中間部材154の通路と、外側パネル160の開口を貫通し、連結構造体156と連結構造体162により、ドアの内側フレーム161に結合される。
【0018】
連結ステム155の連結構造体156は、フック形状をし、内側フレーム161の連結構造体162と係合する。これは、連結ステム155の軸方向移動と回転とを組み合わせることにより、行われる。スプリング157が、ケース151のフート153と連結ステム155の間に搭載され、スプリング157が、連結ステム155をケース151の内側の方向に押して、これにより、ステムの連結構造体156を連結構造体162と係合するよう維持し、中間部材154が車両の連結構造体162を押すよう維持する。ステムの連結構造体156と内側フレーム161の連結構造体162の係合により、連結ステム155が内側フレーム161に対し回転するのを阻止する。中間部材154の内側表面が車両ドアの外側パネル160に当たることにより、中間部材154が外側パネル160に対し回転するのを阻止する。これは、この外側パネル160は不規則な外径を有するからである。
【0019】
従来の方法においては、相補的な階段状構造体158、163は、それぞれフート153と中間部材154に形成されが、ケース151が中間部材154に対し回転するのを阻止する。これは、スプリング157の力に打ち勝つような所定のトルクを超えた力が、ケース151にかからない限り、守られる。
【0020】
図3に本発明の自動車用ドア・ミラーを示す。このドア・ミラーは、1個のユニットとして提供される。このドア・ミラー・ユニットは、ケース10と、アダプタ20と、連結ステム30と、弾性要素(例、スプリング)50とを含む。このケース10は、少なくとも1個のミラー(図示せず)とこのミラーの位置を調整する機構(図示せず)を搭載する。以下に詳述するように、上記のドア・ミラー・ユニットは、車両の外側パネルに取り付けられる強化シート要素60に固定される。この強化シート要素60は、ドア・ミラー・ユニットが取り付けられるが、ドア・ミラー・ユニットの一部を構成しない。
【0021】
ケース10はネック11を有する。このネック11に第1通路12が形成される。ケース10は、第1通路12と連通するスペース15を有する。スペース15は、第1通路12への容易なアクセスを提供するためである。アダプタ20は、第2通路22と壁21とを有する。この第2通路22は第1通路12と整合する。壁21は第2通路22を包囲する。アダプタ20は、図6とその上面図に示すように、ケース10のネック11に適合する。この円筒状の壁21が第1通路12内に挿入されて、アダプタ20がケース10に対し回転するためのガイドとして機能する。このような性能/機能により、1個のアダプタが、ネック11とケース10の両方の特定の構造(通常、両者は一体品で形成されている)の様々なドア・ミラー用に用いることができる。言い換えると、ネック11は、その第1通路12にアダプタの壁21が挿入できるような適宜の直径を有する限り、いかなる外側形状も有することができる。
【0022】
図6に示すように、アダプタ20の壁21は、切りかきで形成された第1と第2の制限部材29a、29bを有する。この制限部材29a、29bは、内側停止部材17(図3で点線で示す)と共働する。この内側停止部材17は、第1通路12の壁から内側に向かって伸び、ケース10がアダプタ20に対し回転するのを制限する。ケース10のネック11は、第1通路12の第1端の周囲に形成された第1連結構造体14を有する。アダプタ20は、壁21の周囲に形成された第2連結構造体23を有する。第1連結構造体14と第2連結構造体23とは、それぞれ相補的であり、円周方向に階段状に形成される平面状表面の形態をし、それらの間で傾斜した移行表面14a、23aを有する。第1連結構造体14と第2連結構造体23は、ケース10がアダプタ20に対し所定の方向を向いた時に、結合され、ケース10がアダプタ20に対し回転できるようになる。これは、移行表面14a、23aの相互作用により強制されたケース10の軸方向の移動により、行われる。この第1連結構造体14は、ネック11の本体そのものとして形成されるか、あるいは強化部品に形成される。
【0023】
図9、10に詳細に示すように、アダプタ20は、その下側部分に当接表面24を有する。この当接表面24は、車両の外側パネル70に取り付けられる強化シート要素60に当たる。必須事項ではないが、この当接表面24と強化シート要素60の上部表面とは平面状態が好ましい。図3に示すように、強化シート要素60は開口62を有する。この開口62は、ケース10の第1通路12とアダプタ20の第2通路22と整合する。一対の第1位置決め構造体25a、25bは、アダプタ20の当接表面24から下側方向に伸びる。この第1位置決め構造体25a、25bは、強化シート要素60に形成された第2相補的連結構造体61a、61bと結合する。ここに示した実施例においては、第1位置決め構造体25a、25bは、ほぼ円筒形状の第1と第2のピンである。これらのピンは、異なった直径を有し軸方向に伸びる。第2連結構造体61a、61bは、第1と第2の孔であり、その直径は第1位置決め構造体25a、25bのそれぞれの直径に合っている。かくして第1と第2のピン25a、25bは、対応する第1と第2の孔61a、61b内に適合するよう配置される。この正しい適合が行われるのは、アダプタ20が強化シート要素60の開口62に対し正しく唯一の位置を確保するために、強化シート要素60に対し所定の方向に配置された時である。図に示した以外の様々な形状あるいは様々な位置に配置される2つの第1と第2の結合構造で同じような効果を達成できる。あるいは1個の第1と第2の結合構造、さらにはまた3個以上の第1と第2の結合構造で達成することもできる。
【0024】
図9、10に詳細に示すように、アダプタ20は、さらにその下側部分に一対の第1保持構造体27a、27bを2個有する。この機能を以下詳述する。第1保持構造体27a、27bの各対は、それぞれ連結壁26により接続される。この連結壁26は、直径方向に対向して配置されたメーロン((merlon)銃の眼の間の凸壁)のような2個の構造体を形成する。強化シート要素60は、その詳細を図8に示すが、前記開口62の周辺エッジに形成された2個のノッチ63a、63bを有する。これにより、アダプタ20の第1保持構造体27a、27bの1つの対の通路ができ、それぞれの連結壁26がそこを通る。第1保持構造体27a、27bとノッチ第1ノッチ63aの数は、いくつでもよいが、一対で十分ある。
【0025】
本発明のドア・ミラーは、連結ステム30を有する。この連結ステム30は、ネック11の第1通路12とアダプタ20の第2通路22を貫通して、軸方向と円周方向の動きが可能となるよう、搭載される。上記の連結ステム30は、第1端(すなわち図7、9、10に詳細を示すように下端)を有する。そこに、2つの対の突起部34a、34bが等しい角度で交互に半径方向外側に向いて形成される。図7に示すように、前記突起部34a、34bの各1つがアンカー面31を規定する。このアンカー面31は、連結ステム30のセンターライン90に直交する上部平面である。第1の突起部34a、34bは、2つの対の第2保持構造体32a、32bを形成する。各対の第2保持構造体の一方は、第1突起部34aの一方に形成される。第1突起部34aは、センターライン90に平行な第2保持構造体32aを形成する。ここで、第2保持構造体32a、32bの他方は、第2突起部34bの1つに形成され、センターライン90にほぼ並行な第2保持構造体32bを形成する。各対の第2保持構造体32a、32bは、円周方向で互いに向き合い、それぞれアダプタ20の第1保持構造体27a、27bの2つの対と共働する。これに関しては以下説明する。明らかに、連結ステム30の第2保持構造体32a、32bの対の数は、アダプタ20の第1保持構造体27a、27bの対の数に対応するが、少なくとも1対で十分である。
【0026】
図6において、アダプタ20は、一対の溝28a、28bを2個有する。これらは第2通路22の内側表面に沿って軸方向に伸びる。溝28a、28bは、連結ステム30の突起部34a、34bの通路を形成し、連結ステム30の下端がアダプタ20の第2通路22を通過できるようにする。各第1溝28aの形成は、第1溝28aが第1保持構造体27a、27bとの間の連結壁26の一方内にその一部を有するよう形成される。第2溝28bは第1溝28aの間で90°の位置に形成される。
【0027】
図8において、強化シート要素60は、2個の第2ノッチ63bを有する。この第2ノッチ63bは、一対の第1ノッチ63aの間に配置される。第2ノッチ63bは、連結ステム30の第2突起部34bの通路を形成する。第1突起部34aは、第1保持構造体27a、27bと連結壁26と共に、第1ノッチ63aを通過する。本発明の目的では、2個の対のノッチ63a、63bのうちの一方のノッチで十分である。その数は第1保持構造体27a、27b;第2保持構造体32a、32bの数と一致する。
【0028】
弾性部材(スプリング)50は、連結ステム30に結合されるリング状フランジ42の形態の突起部とケース10との間に搭載される。前記弾性部材50は、連結ステム30をケース10の内側(上)方向に押すように圧縮されている。特に、弾性部材50はコイル・スプリングであり、連結ステム30の周りに配置される。ケース10のネック11は、第1座部13を有する。この第1座部13は、第1通路12の第2端すなわち上端部周囲に形成されて、弾性部材50の第1端51を収納し、スプリングの力に抗する。一方、連結ステム30に結合されたリング状フランジ42は、第2シートを形成する。この第2シートは、弾性部材50の第2端52の力に抗する。リング状フランジ42は、従来と同様、連結ステム30と一体に形成される(図3に示す)。但し、連結ステム30を2つの部品で構成することは好ましい。これは図5に示す。一方、連結ステム30は、外側スレッド33を有する。この外側スレッド33は、第2端すなわち上端に近い少なくとも一部に形成される。リング状フランジ42が制限部材40に形成される。この制限部材40は、雌ネジ41を有する。この雌ネジ41は、連結ステム30の雄ネジ33に結合される。この制限部材40は、さらに把持部43を有する。この把持部43に、第1通路12と連通するスペース15を通して、分解ツール(図示せず)が結合される。かくして、ケース10を強化シート要素60から切り離すことができる。これは、ドア・ミラーの後部部分から簡単に行うことができる。図3、4に示す実施例においては、ケース10の後部は、取り外し可能な保護カバー(図示せず)が取り付けられる。
【0029】
図9−12に、ドア・ミラー・ユニットを強化シート要素60に取り付けるシステムの操作を説明する。この際に、強化シート要素60は、図9、10では、図を明瞭にするために省いてある。
【0030】
図9、10に示すように、アダプタ20の一対の第1保持構造体27a、27bは、第1保持構造体27a、27bが当接表面24から、第2通路22に隣り合って下方向に突出するよう形成される、第1保持構造体27a、27bの向かい合う表面の間の円周方向の距離は、第2保持構造体32a、32bの間の円周方向の距離に等しい。この第2保持構造体32a、32bが、連結ステム30の下端に、第2の保持構造を形成する。アダプタ20の第1の保持構造の各対において、第1保持構造体27aは第1保持構造体27bよりも軸方向長さは短い。かくしてケース10のネック11がアダプタ20と適合すると、アダプタ20は強化シート要素60に結合される。連結ステム30は、第1通路12と、第2通路22と、開口62とを貫通し、ケース10の外側方向で軸方向に動き、かくして、弾性部材50を、突起部34a、34bが強化シート要素60の下側から飛び出すまで圧縮する。この飛び距離は、第1突起部34aがアダプタ20の第1保持構造体27aの長さを超えるのに十分な距離である(図11)。軸方向の連結壁26の長さは、第1保持構造体27aの軸方向長さに等しい。
【0031】
図9に矢印で示すように、その後、連結ステム30を第1方向に回転すると、第1溝28a内に挿入された第1突起部34aは、第1保持構造体27aの下端の下を通り、第1溝28aを横側から出る。第1保持構造体27bの軸方向長さは、連結ステム30が第2方向(第1(矢印)方向と反対側)に回転するのを阻止するのに適した長さである。第1(矢印)方向の回転は、第2保持構造体32bが第1保持構造体27bに接触した時に、止まる。このことは、連結ステム30がアダプタ20に対し所定の方向を向いており、第1保持構造体32aが円周方向で第1保持構造体27aを超えた時に、起こる。連結ステム30は、その後軸方向に、ケース10の内側方向に向かって、弾性部材50の力により再び動き出すが、これは、アンカー面31が強化シート要素60の下面に接触すると止まる。強化シート要素60の開口62の周囲部分は、当接表面24とアンカー面31との間に、弾性部材50の力により、挟まれる。これにより、連結ステム30が開口62に対し所定の方向にある間は、連結ステム30が開口62から抜け出ることはない。この状態(図10)において、第1保持構造体27a、27bは、第2保持構造体32a、32bの間に配置される。これにより、連結ステム30がアダプタ20に対し回転しないようにし、両者の結合が偶発的にはずれるのを阻止する。
【0032】
図11、12において、ドア・ミラー・ユニットの車両への搭載を容易にするために、ケース10のネック11は、1個あるいは複数個の第1搭載前保持構造体16を有する。この第1搭載前保持構造体16は、第1通路12の内側に向かって半径方向に突出する。連結ステム30は、1個または複数個の半径方向外側に突出する第2の搭載前保持構造体35を有する(図3、5)。図11に示すように、連結ステム30がケース10に対し搭載前の軸方向位置と回転位置にある時に、第1搭載前保持構造体16は第2搭載前保持構造体35に結合される。この搭載前の軸方向と回転位置において、連結ステム30はケース10から外側に動かされ、弾性部材50は圧縮されて、アンカー面31は、当接表面24から、第1保持構造体27aの下を通過するのに十分な距離分だけ、突出する。連結ステム30がアダプタ20に対し所定の方向に回転した時、第1搭載前保持構造体16は、保持構造体35からはずれる。かくして、ドア・ミラー・ユニットは、組み立てられ、車両に搭載する前の状態で、保管にされ、供給される。
【0033】
上記したように用意されたドア・ミラー・ユニットが以下の手順で車両に搭載される。連結ステム30の下端を強化シート要素60の開口62内に最初に通す。アダプタ20の第1位置決め構造体(ピン)25a、25bを強化シート要素60の第2相補的連結構造体(孔)61a、61b内に、アダプタ20の当接表面24が強化シート要素60の上面に当たるまで、挿入する(図11)。その後、連結ステム30を所定方向に対し第1方向に回転させる。すると、第2の搭載前の保持構造体35は、第1搭載前保持構造体16との結合から外れ、スプリング50の力により、連結ステム30をケース10の内側に押す。これは、連結ステム30のアンカー面31が強化シート要素60の下面に当たるまで行われる(図12)。かくして、ドア・ミラー・ユニットは、車両に予め搭載されていた強化シート要素60に固定される。
【0034】
ドア・ミラー・ユニットが搭載されると、アダプタ20は強化シート要素60に対し所定の方向を向いており、ケース10はアダプタ20に対し所定の方向を向いている。所定値以上の外力がケース10にかかった時のみ、ケース10はアダプタ20に対し回転する。回転と同時に、ケース10は、弾性部材50の力に抗して、ケース10のネック11の第1連結構造体14とアダプタ20の第1連結構造体23との間にある移行表面14a、23a(図3)の存在により、軸方向に少し動く。
【0035】
図11、12によれば、車両の外側パネル70は開口71を有する。この開口71は、強化シート要素60の開口62に対向している。かくして、アダプタ20は、この開口71を通して、強化シート要素60にアクセスできる。この強化シート要素60は、車両の外側パネル70に対し下のレベル即ち内側位置にあり、その結果、アダプタ20は、少なくとも部分的に車両の外側パネル70に対し沈み込む。リング型ガスケット80を配置して、開口71の周辺エッジとネック11又はアダプタ20との間にあるギャップをシールする。
【0036】
図13は、強化シート要素60が車のドアのウィンドウ・フレームの下部分に配置されたドア・ミラーの一例を示す。この場合、ネック11は、ほぼ垂直下方向に伸びる。図15に示すように、開口71の周囲の拡大領域を規定する構造体72が、車両の外側パネル70に形成される。この構造体72は、開口71を包囲する内側壁73を有し、強化シート要素60の上面と接触するあるいは非常に近づく下端を有する。最後に、車両の外側パネル70の内側壁73の下端と強化シート要素60との間にいくつかの溶接ポイントがあり、そこでは厚さが異なる。内側壁73と強化シート要素60は、一体となってハウジングを形成する。このハウジング内にガスケット81が配置される。ガスケット81は、この場合、強化シート要素60の開口62と孔61a、61bと一致する開口を有する円盤の形態である。ドア・ミラー・ユニットが搭載されると、ガスケット81は、当接表面24と強化シート要素60の間に挿入される。軸方向の圧縮により引き起こされたガスケット81の弾性材料の横方向の膨張が、ガスケット81の周辺領域を内側壁73に当たって押しつけ、かくして開口71の周辺エッジとアダプタ20との間のギャップをシールする。構造体72は、ケース10のネック11の形状とはまり合う形状を有する。構造体72は、別の構成として、取り外し可能な部品の一部を形成することができる。例えば、外側パネル70に適宜の固定手段(弾性タブ)により固定されるプラスチック・カバーである。図11−13に示す搭載例においては、ミラーのケース10と車両の外側パネル70との間にギャップH(図13)があり、そのためミラーは、ストレスを外側パネル70に伝達することはない。
【0037】
図14に示す第2の実施例においては、強化シート要素60は、車両のウィンドウ・フレームの前下側コーナーに配置される。この場合、ケース10のネック11は、車両ドアに向かって傾斜した方向に、下方向に伸びる。強化シート要素60は、車両の外側パネル70に対し外側に伸びて、プラスチック・カバー74でカバーされる。プラスチック・カバー74は、外側パネル70に固定される、あるいは車両のウィンドウ・フレームに固定される。ミラーにかかるどのような力も外側パネル70に伝達するのは困難である。プラスチック・カバー74は、強化シート要素60の開口62に向かい合った開口を有する。ケース10のネック11は、プラスチック・カバー74の開口周辺の領域に面した場所に配置される。プラスチック・カバー74の開口の周辺エッジとネック11の周辺領域の間に存在するギャップをシールするために、リング型ガスケット82が配置される。これは、図11、12に示したのと同様である。プラスチック・カバー74は、ネック11と適合する形状を有する。
【0038】
前述したリング型ガスケット80、81、82は、ほぼ共通の形状をして、様々な搭載形状あるいは配置形状に適合できるようになっている。
【0039】
図16−25に本発明のドア・ミラーの他の実施例を示す。この実施例は、上記の実施例と同一原理に基づくが、ミラーを搭載前の状態で配置する点が異なる。両方の実施例に対し同一の参照番号を同一部品あるいは類似部品に付す。
【0040】
図16は、連結ステム30とアダプタ20を示す。図5、6、7、9、10の第1実施例で説明したように、この第2実施例のアダプタ20は、壁21を有する。この壁21は、ケース10の第1通路12に整合した第2通路22を包囲する(図25)。一対の連結壁26が、アダプタ20下端に形成された当接表面24から突出する。各連結壁26が、第1停止部材27aと第2停止部材27bの間の連結関係を規定する。第1と第2の溝28a、28bの2つの対が、第2通路22の内側表面上に形成されて、連結ステム30の端部に形成された第1と第2の突起部34a、34bの通過する通路となる。第1溝28aは、第1と第2の停止部材27a,27bの間に配置されて、連結壁26の一部に伸びる。第1と第2の突起部34a、34bは、アンカー面31と第2保持構造体32a、32bの対を有する。アンカー面31は、連結ステム30のセンターライン90に直交する平面である。第2保持構造体32a、32bは、前記センターライン90に平行な第1と第2の側面表面である。連結壁26を有する第1と第2の停止部材27a、27bと、第1と第2の突起部34a、34bを有する連結ステム30の端部は、図8に記載したのと類似する強化シート要素60の開口62を貫通する。連結ステム30の第1と第2の突起部34a、34bは、第1実施例と同様に、開口62の端部の領域に係合する。
【0041】
第1実施例とは異なり、第2実施例では、レッジ(棚)210が、各連結壁26から半径方向内側に突出して第1溝28aに当たり、第1停止部材27aは、円周方向で、レッジ210の一端に形成される。その結果、前記レッジ210の上部表面と当接表面24との間で、第1溝28aと連通する通路227が、第1停止部材27a上方で円周方向に形成される。レッジ210の上部表面から当接表面24までの軸方向距離は、連結ステム30の第1突起部34aの軸方向の厚さよりも、若干大きい。その結果、第1溝28aに挿入された第1突起部34aは、第1溝28aから通路227を通り、飛び出す。これは連結ステム30を回転することにより、行われる。この状態を図18、21に示す。その後、第1突起部34aが第1溝28aから飛び出すと、以下に説明するいくつかの操作により、連結ステム30は、アダプタ20に対し搭載前の状態に配置され(図20、22)、この状態で、第1突起部34aはレッジ210上に静止し、ステムを圧縮した状態に維持する。
【0042】
図21、22に示すように、レッジ210は下面を有する。この下面は、搭載前の保持構造体216を規定する。この搭載前の保持構造体216は、連結ステム30がアダプタ20に対し搭載前の位置にある時に、アンカー面31に係合する(図22)。この搭載前の状態においては、連結ステム30は、ケース10とアダプタ20に対し搭載前の軸位置と方向位置にあり、その結果、第1突起部34aは、レッジ210に当たり、弾性部材(図3に記載したものと類似する)50は、連結ステム30に結合されたリング状フランジ42とケース10との間に圧縮される。さらに、この搭載前の状態においては、第1と第2の突起部34a、34bは、アダプタの第1と第2の溝28a、28bに整合し、アダプタ20と連結ステム30が、ドア・ミラーが図22に示す予め搭載状態にある時に、強化シート要素60の開口62内に挿入されるのを容易にする。
【0043】
図23は、アダプタ20が、搭載前の状態の第1と第2の突起部34a、34bを搭載する連結ステム30と共に、強化シート要素60の開口62内に挿入された状態を示す。この位置において、当接表面24は、強化シート要素60の表面と接触している。強化シート要素60の厚さが、通路227を一部閉鎖し、これにより、連結ステム30が図24に示した搭載した状態に配置された時に、第1突起部34aが通り抜けるのを阻止する。この状態においては、第1と第2の突起部34a、34bは、強化シート要素60に当たり、連結ステム30の回転は阻止又は制限される。この連結ステム30の回転の阻止又は制限は、突起部34a、34bの第2保持構造体32a、32bと連結壁26に具備された第1と第2の停止部材27a、27bとの干渉により行われる。これが可能なのは、レッジ210の上部表面から当接表面24までの軸方向距離は、第1突起部34aの厚さと強化シート要素60の厚さの和よりも、小さいからである。
【0044】
図24から分かるように、この第2実施例においては、第2保持構造体32a、32bと第1保持構造体27a、27bとの間にクリアランスが存在する。このクリアランスは、適宜の大きさを有し、連結ステム30がアダプタに対し回転するのができないほど十分小さいものである。
【0045】
図17−20に、連結ステム30をアダプタ20に対し、搭載前の状態で配置するのに適した操作のシーケンスをさらに示す。レッジ210と当接表面24との間の軸方向距離により、アダプタ20と連結ステム30が強化シート要素60の開口62内に挿入されない時には、連結ステム30は、搭載前の状態に配置される。
【0046】
図17に示すように、本発明の組み立てシーケンスの第1ステップは、連結ステム30を、ケース10の外側に弾性部材50の力にに抗して、第1突起部34aが当接表面24を超えるまで、軸方向に動かす。その後、図18に示すように、連結ステム30を第1(矢印)方向に回転しなければならない。これにより、第1突起部34aを第1溝28aから、レッジ210と当接表面24との間の通路227を通って、飛び出させる。この回転は、第1突起部34aが第1保持構造体27aを円周方向で超えるまで、行われる。その後、図19に示すように、連結ステム30を、ケース10の更に外側に弾性部材50の力に抗して、軸方向に動かす。この軸方向の動きは、第1突起部34aが第1保持構造体27aを軸方向で超えるまで行われる。最後に、図20に示すように、このシーケンスは、連結ステム30を第1方向とは反対方向の第2方向に回転させる。この回転は、第1突起部34aのアンカー面31がレッジ210の保持構造体216に向かい合うまで、行われ、この位置から連結ステム30を解放する。その結果、弾性部材50の力が、連結ステム30を軸方向にケース10の内側に押しつける。この押しつけは、第1突起部34aのアンカー面31がレッジ210の保持構造体216に当たって保持されるまで、行われる。
【0047】
第1突起部34aがレッジ210上で安定した位置を確保するために、即ちドア・ミラー・ユニットが搭載前の状態で安定した位置を確保するために、レッジ210の搭載前保持構造体216は、連結ステム30のセンターライン90に直交する面を規定する。この面は、図16と図21に示すように、第1停止部材27aに隣接する外側に且つ下側に傾斜した傾斜部分217に接続する。傾斜部分217と適合するように、第1突起部34aのアンカー面31は、傾斜エッジ331を有する。この傾斜エッジ331は、前記傾斜部分217と適合する。両者は、アンカー面31がレッジ210の搭載前保持構造体216と係合した時に、適合する。これにより、第1突起部34aが、偶発的にレッジ210から出てきてしまうのを阻止する。
【0048】
第1実施例と同様に、本発明の自動車ドア・ミラーは、上記した搭載前の状態で供給され、強化シート要素60は車内に搭載されている。本発明によれば、ドア・ミラー・ユニットを車両に搭載するためには、第1と第2の停止部材27a、27bとアダプタ20の連結壁26と第1と第2の突起部34a、34bを有する連結ステム30の端部を、強化シート要素60の開口62内に挿入するだけでよい。当接表面24が強化シート要素60に接触すると、連結ステム30をアダプタ20に対し第1方向へ回転することにより、第1突起部34aは、レッジ210から離れ、弾性部材50の力により連結ステム30をケース10の内側方向に動かす。この内側方向への移動は、第1と第2の突起部34a、34bのアンカー面31により形成されるアンカー形状が、アダプタの当接表面24に対向する強化シート要素60の側に押しつけるまで行われ、かくして、ドア・ミラー・ユニットを、車両に搭載した状態にある強化シート要素60に固定する。
【0049】
第2実施例の図24に示すこの搭載した位置においては、当接表面24と第1と第2の突起部34a、34bの間の強化シート要素60の厚さにより、第1突起部34aはレッジ210と当接表面24との間に存在する通路227を通過することができず、これにより、連結ステム30の第1突起部34aの第1側面32aにより形成された保持構造が、アダプタ20の第1停止部材27aに向かい合い干渉しあったままになり、同時に連結ステム30の第2突起部34bの第2側面32bにより形成された保持構造は、アダプタ20の第2停止部材27bに向かい合い干渉することになり、かくして、連結ステム30のアダプタ20に対する回転は、制限されるあるいは阻止される。
【0050】
図25に示すように、この第2実施例は、連結ステム30がアダプタ20に対し回転するのを容易にする手段を組み込む。この目的は、ドア・ミラー・ユニットを搭載前の状態から解放するためである。連結ステム30は、このため駆動構造体320(図16にも示す)を有する。この駆動構造体320は、第1と第2の突起部34a、34bが配置される第1端から離れた位置に配置される。上記の駆動構造体320は、連結ステム30から外側に突出し、駆動チャネル170内に挿入される。この駆動チャネル170は、ケース10のネック11の第1通路12内に形成され、ドア・ミラー・ユニットが前記搭載前の状態にある時に、挿入される。この駆動チャネル170は、ケース10がアダプタ20に対し回転する時に、駆動構造体320を駆動する。これにより、連結ステム30を回転させるが、この回転は、アンカー面31がレッジ210の保持構造体216の搭載前の位置から切り離されるまで、行われる。これにより、ドア・ミラー・ユニットは、搭載前の位置から搭載済みの位置に変化する。
【0051】
この第2実施例のアダプタ20は、強化シート要素60に対し車両の外側パネルの開口(強化シート要素60の開口62に向かい合っている)を介して、アクセスできるよう構成される。アダプタ20は、車両の外側パネルに対し少なくとも一部が沈み込んでいる。アダプタ20は、それに固定された周辺オーバーレイ75を有する。この周辺オーバーレイ75は、ケース10のネック11と前記開口周囲の外側パネルの領域とはまり合う形状を有する。この周辺オーバーレイ75は、アダプタ20に、このアダプタ20に固定される支持部材76の手段で、固定される。ドア・ミラー・ユニットは、上記の搭載前の状態が、アダプタ20と周囲のオーバーレイ75に対しケース10が折りたたんだ位置、すなわちパーキングの位置と一致するように、提供される(図25)。このドア・ミラー・ユニットは、搭載前の状態から搭載済みの状態に、ケース10を折りたたんだ位置すなわちパーキング位置から使用位置に回転することにより、変わる。
【0052】
連結ステム30の駆動構造体320は、ケース10の駆動チャネル170から出るように適合される。これは、第1突起部34aの面31が、搭載前保持構造体216から出て、搭載前位置から搭載済みの位置に変わった時に、弾性部材50の力により連結ステム30がケース10の内側に向かって軸方向に動いた結果である。それ故に、ドア・ミラー・ユニットは、搭載済みの強化シート要素60に結合されると、ケース10は、使用位置と折りたたんだ位置(即ち、パーキング位置)との間で、車両へのドア・ミラー・ユニットの固定に影響を及ぼすことなく、自由に変化できる。
【0053】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1A】車両に取り付けるために2つのユニットで構成された従来のドア・ミラーの斜視図。
【図1B】車両に取り付けるために2つのユニットで構成された従来のドア・ミラーの斜視図。
【図2】車両に取り付けるために単一のユニットで構成された従来のドア・ミラーの部分切りかき断面図。
【図3】車両の強化シート要素に取り付けられる本発明の一実施例の車両用ドア・ミラーの展開斜視図。
【図4】車両の強化シート要素に取り付けられ組み立てられた図3のドア・ミラーの斜視図。
【図5】図1の組立体の連結ステムの別の構造を示す斜視図。
【図6】図1のアダプタの拡大上部斜視図。
【図7】図1または図5の連結ステムの第1端を示す部分拡大上部斜視図。
【図8】図1の強化シート要素の拡大上部斜視図。
【図9】アダプタに結合される前の連結ステムの第1端を示す部分拡大下部斜視図。
【図10】アダプタに結合された連結ステムの第1端を示す拡大下部斜視図。
【図11】車両の外側パネル内の強化シート要素に搭載前の状態の図1のドア・ミラーの部分断面図。
【図12】車両の外側パネル内の強化シート要素に取り付けられた後のドア・ミラーの部分断面図。
【図13】第1の搭載例で、ドア・ミラーが取り付けられる強化シート要素が、車両のドアのウィンドウ・フレームの下側部分の隣に配置された状態の部分拡大断面図。
【図14】第2の搭載例で、ドア・ミラーが取り付けられる強化シート要素が、車両のドアのウィンドウ・フレームの下側部分に配置された状態の部分拡大断面図。
【図15】図13の第1搭載例の詳細を示す部分展開斜視図。
【図16】本発明の他の実施例による自動車ドア・ミラーの一部を構成する連結ステムとアダプタの展開斜視図。
【図17】搭載前の状態で図16の連結ステムとアダプタを組み立てる際の一連の操作の部分斜視図。
【図18】搭載前の状態で図16の連結ステムとアダプタを組み立てる際の一連の操作の部分斜視図。
【図19】搭載前の状態で図16の連結ステムとアダプタを組み立てる際の一連の操作の部分斜視図。
【図20】搭載前の状態で図16の連結ステムとアダプタを組み立てる際の一連の操作の部分斜視図。
【図21】内側通路から見た図16−20のアダプタの平面状の展開を部分的に示し、連結ステムの突起部が搭載前の準備段階にある状態を表す図。
【図22】内側通路から見た図16−20のアダプタの平面状の展開を部分的に示し、連結ステムの突起部が搭載前の状態を表す図。
【図23】図21に類似し、強化シート要素に結合されたアダプタと連結ステムの突起部が搭載前の状態を表す図。
【図24】図22に類似し、強化シート要素に結合されたアダプタと連結ステムの突起部が既に搭載した状態を表す図。
【図25】前記搭載前の状態の図16−20の連結ステムとアダプタを有する本発明の他の実施例の自動車ドア・ミラーの部分斜視図。
【符号の説明】
【0055】
10 ケース
11 ネック
12 第1通路
13 第1座部
14 第1連結構造体
14a 移行表面
15 スペース
16 第1搭載前保持構造体
17 内側停止部材
20 アダプタ
21 壁
22 第2通路
23 第2連結構造体
23a 移行表面
24 当接表面
25a、25b 第1位置決め構造体
26 連結壁
27 停止部材
27a、27b 第1保持構造体
28 溝
28a 第1溝
28b 第2溝
29a 第1制限部材
29b 第2制限部材
30 連結ステム
31 アンカー面
32 保持構造体
32a、32b 第2保持構造体
33 外側スレッド
34 突起部
34a 第1突起部
34b 第2突起部
35 保持構造体
40 制限部材
41 内側ネジ
42 リング状フランジ
43 把持構造体
43a 第1突起部
43b 第2突起部
50 弾性部材
51 第1端
52 第2端
60 強化シート要素
61 孔
61a、61b 第2相補的連結構造体
62 開口
63 ノッチ
63a 第1ノッチ
63b 第2ノッチ
70 外側パネル
71 開口
72 構造体
73 内側壁
74 プラスチック・カバー
75 オーバーレイ
76 支持部材
80、82 リング型ガスケット
81 ガスケット
90 センターライン
110 第1ユニット
120 第2ユニット
111 ケース
112 ミラー
121 支持ベース
122 トリム
130 第1ユニット
140 第2ユニット
131 ケース
132 ミラー
141 支持ベース
142 装飾トリム
150 ユニット
151 ケース
152 ミラー
153 フート
154 中間部材
155 連結ステム
156,162 連結構造体
157 スプリング
158,159 階段状構造体
160 外側パネル
161 内側フレーム
170 駆動チャネル
210 レッジ
216 保持構造体
217 傾斜部分
227 通路
331 傾斜エッジ
320 駆動構造体
50 スプリング
70 外側パネル




【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ドア・ミラーにおいて、
(A) 第1通路(12)が形成されたネック(11)を有するケース(10)と、
(B) 前記ネック(11)に適合するアダプタ(20)と、
前記アダプタ(20)は、前記第1通路(12)と整合する第2通路(22)と、車両の強化シート要素(60)に当たる当接表面(24)とを有し、
前記強化シート要素(60)の開口(62)は、前記第1と第2の通路(12、22)と整合し、
(C) 前記第1通路(12)と前記第2通路(22)とを貫通して、回転運動と軸方向運動が可能なように搭載された連結ステム(30)と、
前記連結ステム(30)は、半径方向外側に伸びる少なくとも1個のアンカー面(31)を有する第1端を有し、前記第1端とアンカー面(31)とは、前記支持シート要素(60)の開口(62)を貫通し、
(D) 前記連結ステム(30)と一体に形成されたまたは取り付けられた突起部(42)とケース(10)との間に配置される弾性部材(50)と、
前記弾性部材(50)は、連結ステム(30)を前記ケース(10)の内側に押し込め、
前記開口(62)の周囲の支持シート要素(60)の少なくとも一部は、前記当接表面(24)と前記アンカー面(31)との間に、前記弾性部材(50)の力により、挟持され、
これにより、連結ステム(30)が開口(62)に対し所定方向を向いている時には、前記連結ステム(30)が、前記支持シート要素(60)の開口(62)からはずれることがなく、
前記アダプタ(20)は、
(E)第1位置決め構造と、
前記第1位置決め構造は、前記支持シート要素(60)の第2の結合構造に適合し、これにより、アダプタ(20)が支持シート要素(60)に対し回転するのを制限もしくは阻止し、
(F) 第1保持構造体(27a、27b)と、
前記第1保持構造体(27a、27b)は、前記連結ステム(30)の第2保持構造体(32a、32b)と共働し、これにより、連結ステム(30)がアダプタ(20)に対し回転するのを制限もしくは阻止し、これにより、連結ステム(30)が支持シート要素(60)に対し、前記所定の方向では、回転するのを阻止または制限し、
を有する
ことを特徴とする車両用ドアミラー。
【請求項2】
前記突起(34a、34b)は、一対の第1と第2突起(34a、34b)を有し、
前記第1と第2突起(34a、34b)は、アンカー面(31)を前記連結ステム(30)のセンターライン(90)に直交する面であり、前記第2保持構造体(32a、32b)を前記センターライン(90)に平行な第1と第2表面(32a、32b)であり、前記第2保持構造の第1と第2表面(32a、32b)は、円周方向で向かい合っている
ことを特徴とする請求項1記載の車両用ドアミラー。
【請求項3】
前記アダプタ(20)の第1保持構造体(27a、27b)は、前記当接表面(24)から第2通路(22)に隣接して下方向に突出した第1と第2の停止部材(27a、27b)であり、
前記第1と第2の停止部材(27a、27b)の円周方向に向かい合った面の間の距離は、前記連結ステム(30)の第2の保持構造体の第1と第2の表面(32a、32b)の間の距離に等しい
ことを特徴とする請求項2記載の車両用ドアミラー。
【請求項4】
前記第1と第2の停止部材(27a、27b)を接続する連結壁(26)の形態の部材(26)をさらに有する
ことを特徴とする請求項3記載の車両用ドアミラー。
【請求項5】
前記支持シート要素(60)は、第1と第2のノッチ(63a、63b)を有し、
前記第1ノッチ(63a)は、前記開口(62)の周辺に形成され、前記アダプタ(20)の連結壁(26)と前記連結ステム(30)の第1突起部(34a)が通過し、
前記第2ノッチ(63b)は、前記開口(62)の周辺に形成され、前記連結ステム(30)の第2突起部(34b)が通過する
ことを特徴とする請求項4記載の車両用ドアミラー。
【請求項6】
前記アダプタ(20)は、前記第2通路(22)の内側周囲に沿って軸方向に伸びる第1と第2の溝(28a、28b)を有し、
前記第1と第2の溝(28a、28b)は、連結ステム(30)の第1と第2の突起部(34a、34b)の通路ができるよう構成され、
前記第1溝(28a)が、第1と第2と停止部材(27a、27b)との間に配置され、
前記第1溝(28a)の少なくとも一部は、前記連結壁(26)に沿って伸びる
ことを特徴とする請求項5記載の車両用ドアミラー。
【請求項7】
前記第1停止部材(27a)は、一端で、レッジ(210)の円周方向に形成され、
前記レッジ(210)は、第1溝(28a)を遮り、前記連結壁(26)から半径方向内側に伸び、
前記第1溝(28a)と連通する通路(227)が、前記第1停止部材(27a)上方で円周方向に形成され、
前記レッジ(210)の上部表面から当接表面(24)までの軸方向距離は、前記連結ステム(30)の第1突起部(34a)の軸方向の厚さよりも大きいが、前記連結ステム(30)の第1突起部(34a)の軸方向の厚さと支持シート要素(60)の軸方向の厚さの和よりも小さい
ことを特徴とする請求項6記載の車両用ドアミラー。
【請求項8】
前記レッジ(210)の下側表面は、搭載前の保持構造体(216)を規定し、
前記保持構造体(216)は、前記アンカー面(31)と、搭載前の状態で係合し、搭載前の状態では、連結ステム(30)がアダプタ(20)に対し搭載前の軸方向位置と方向にあり、
前記連結ステム(30)の第1と第2の突起部(34a、34b)は、それぞれ、前記アダプタ(20)の第1と第2の溝(28a、28b)と前記搭載前の方向で整合している
ことを特徴とする請求項7記載の車両用ドアミラー。
【請求項9】
前記レッジ(210)の搭載前の保持構造体(216)は、前記連結ステム(30)のセンターライン(90)に直交し、第1停止部材(27a)に隣接する突起した傾斜部分(217)と結合する表面を規定し、
前記連結ステム(30)のアンカー面(31)は、傾斜エッジ(331)を有し、前記傾斜エッジ(331)は、前記連結ステム(30)のアンカー面(31)が、前記レッジ(210)の搭載前の保持構造体(216)と係合した時に、前記傾斜部分(217)に適合する
ことを特徴とする請求項8記載の車両用ドアミラー。
【請求項10】
前記連結ステム(30)は、駆動構造体(320)を有し、
前記駆動構造体(320)は、その第1端から離れる方向で半径方向外側に突出し、
前記ネック(11)の第1通路(12)内に形成された駆動チャネル(170)内に前記搭載前の状態で挿入され、
前記駆動チャネル(170)は、前記駆動構造体(320)を駆動し、これにより、前記アダプタ(20)と連結ステム(30)が支持シート要素(60)の開口(62)内に挿入され、前記ケース(10)がアダプタ(20)に対し搭載前の状態から搭載後の状態に回転した時、連結ステム(30)を、連結ステム(30)のアンカー面(31)がレッジ(210)の搭載前の保持構造体(216)から離れるまで、回転させる
ことを特徴とする請求項8記載の車両用ドアミラー。
【請求項11】
前記駆動構造体(320)は、前記駆動チャネル(170)から飛び出すのは、前記アンカー面(31)がアダプタ(20)のレッジ(210)の搭載前の保持構造体(216)から出た時に、前記連結ステム(30)が軸方向にケース(10)の内側方向に向かって、弾性部材(50)の力により動いた結果である
ことを特徴とする請求項10記載の車両用ドアミラー。
【請求項12】
前記第1停止部材(27a)は、前記当接表面(24)から軸方向にある長さを有し、
この長さは、前記連結ステム(30)がアダプタ(20)の第2通路(22)に挿入され、支持シート要素(60)の開口(62)が、前記弾性部材(50)を圧縮しながら、前記ケース(10)外側に向かって軸方向に移動し、第1方向に回転した時に、連結ステム(30)の第1突起部(34a)が、円周方向で第1溝(28a)から出て、第1停止部材(27a)の端部の下を通ることができる長さである
ことを特徴とする請求項6記載の車両用ドアミラー。
【請求項13】
前記第1停止部材(27a)の軸方向長さは、第1停止部材(27a)が連結ステム(30)の第1突起部(34a)の第1表面(32a)と接触するような長さであり、これは、連結ステム(30)の第1表面(32a)が、第1停止部材(27a)の下を円周方向に、連結ステム(30)が第1方向に回転したことにより通過した後、連結ステム(30)がケース(10)の内側方向に向かって軸方向に動くが、これは、弾性部材(50)の力により、連結ステム(30)のアンカー面(31)が、開口(62)の周囲にある支持シート要素(60)の前記部分に接触するまで、行われ、これにより、第1と第2の停止部材(27a、27b)が、連結ステム(30)の第1と第2の突起部(34a、34b)の第1と第2表面(32a、32b)の間に配置され、かくして、連結ステム(30)が、アダプタ(20)に対し回転しないようにし、前記アダプタ(20)と連結ステム(30)が、支持シート要素(60)に固定されるようにする
ことを特徴とする請求項12記載の車両用ドアミラー。
【請求項14】
前記第2停止部材(27b)は、前記当接表面(24)から軸方向長さを有し、この軸方向長さは、連結ステム(30)の第1突起部(34a)が第1停止部材(27a)の下を通過するのに適した軸方向位置にある時に、前記第1方向とは反対の第2方向に、連結ステム(30)が回転できない長さである
ことを特徴とする請求項13記載の車両用ドアミラー。
【請求項15】
前記ネック(11)は、第1搭載前の第1の搭載前の保持構造体(16)を有し、
前記第1の搭載前の保持構造体(16)は、第1通路(12)の内側で半径方向に突出し、
前記連結ステム(30)は、第2の搭載前の保持構造体(35)を有し、
前記第2の搭載前の保持構造体(35)は、半径方向外側に突出し、
前記第1搭載前保持構造体(16)は、前記第2の搭載前の保持構造体(35)に係合し、これは、連結ステム(30)が、ケース(10)に対し搭載前の軸方向位置にあり、傾斜している時である
ことを特徴とする請求項13記載の車両用ドアミラー。
【請求項16】
前記連結ステム(30)のケース(10)に対する搭載前の軸方向位置と方向において、前記アンカー面(31)は、前記アダプタ(20)と連結ステム(30)が支持シート要素(60)の開口(62)に挿入され、連結ステム(30)がアダプタ(20)に対して回転した時、前記アダプタ(20)の当接表面(24)から、アダプタ(20)の第1停止部材(27a)の下を通過できるよう十分な軸方向距離だけ突出する
ことを特徴とする請求項15記載の車両用ドアミラー。
【請求項17】
前記連結ステム(30)がアダプタ(20)に対し所定の方向に回転した時、前記第1の搭載前の第1搭載前保持構造体(16)は、前記第2の搭載前の保持構造体(35)から切り離される
ことを特徴とする請求項16記載の車両用ドアミラー。
【請求項18】
前記アダプタ(2お0)は、前記当接表面(24)から軸方向に伸びる少なくとも1本のピンの形態の第1の位置決め構造を有し、
前記支持シート要素(60)は、孔の形態の第2の結合構造を有し、
前記アダプタ(20)が第1搭載前保持構造体(16)に対し所定の方向にある時、前記ピンは、前記孔内に入る
ことを特徴とする請求項1記載の車両用ドアミラー。
【請求項19】
前記アダプタ(20)は、前記当接表面(24)から軸方向に伸びる第1と第2ピン(25a、25b)を有し、
前記アダプタ(20)が支持シート要素(60)に対し所定の方向にある時、前記第1と第2のピン(25a、25b)は、前記支持シート要素(60)内に形成された第1と第2の孔(61a、61b)内に入り、
前記第1と第2の孔(61a、61b)は、前記支持シート要素(60)の第2の固定構造を構成する
ことを特徴とする請求項1記載の車両用ドアミラー。
【請求項20】
前記ネック(11)は、前記第1通路(12)の第1端の周囲に形成された第1連結構造体(14)を有し、
前記アダプタ(20)は、第2通路(22)の周囲の壁(21)に形成された第2連結構造体(23)を有し、
前記第1と第2の連結構造体(14、23)は、前記ケース(10)がアダプタ(20)に対し所定の方向にある時に相互に結合され、
前記ケース(10)に加わる外部回転力が所定の値を超えた時、前記ケース(10)がアダプタ(20)に対し回転し、同時に前記ケース(10)が弾性部材(50)の力に抗して軸方向に動く
ことを特徴とする請求項1記載の車両用ドアミラー。
【請求項21】
前記ネック(11)は、第1通路(12)の第2端周囲に第1座部(13)を有し、 前記第1座部(13)は、前記弾性部材(50)の第1端(51)に当たり、
前記突起部(42)は、前記弾性部材(50)の第2端(52)に当たる第2座部を形成する
ことを特徴とする請求項1記載の車両用ドアミラー。
【請求項22】
前記突起部(42)は、制限部材(40)に形成されたフランジ(42)であり、
前記制限部材(40)は、前記連結ステム(30)の第2端近傍部分に形成された雄ネジ(33)に結合される雌ネジ(41)を有する
ことを特徴とする請求項21記載の車両用ドアミラー。
【請求項23】
前記突起部(42)は、把持構造体(43)を有し、
前記把持構造体(43)は、前記ケース(10)のスペース(15)を通して導入された分解ツールの結合を受け入れ、
前記スペース(15)は第1通路(12)と連通する
ことを特徴とする請求項21,22のいずれかに記載の車両用ドアミラー。
【請求項24】
前記アダプタ(20)は、直径方向に対向して配置された2個の停止部材群を有し、
前記各停止部材群は、前記連結壁(26)と第1と第2の停止部材(27a、27b)の一方により形成され、
前記第1溝(28a)の2個は、半径方向に向かい合い、
前記第2溝(28b)の2個は、半径方向に向かい合い、
前記連結ステム(30)は、前記第1と第2の突起部(34a、34b)の半径方向に対向した2個のグループを有し、
前記支持シート要素(60)は、半径方向に対向した2個のノッチ(63a)を有し、
前記2個のノッチ(63b)は、前記開口(62)の周辺に形成される
ことを特徴とする請求項6記載の車両用ドアミラー。
【請求項25】
前記アダプタ(20)の周囲壁(21)は、切り取られた第1と第2の制限部材(29a、29b)を有し、
前記第1と第2の制限部材(29a、29b)は、内側停止部材(17)と共働し、
前記内側停止部材(17)は、前記ネック(11)から第1通路(12)の内側方向に伸びて、前記ケース(10)がアダプタ(20)に対し回転するのを制限する
ことを特徴とする請求項20記載の車両用ドアミラー。
【請求項26】
前記支持シート要素(60)は、車両の外側パネル(70)に固定された強化シート要素であり、
前記アダプタ(20)は、前記強化シート要素(60)の開口(62)に面する車両の外側パネル(70)の開口(71)を介して、前記強化シート要素(60)に近づくことを特徴とする請求項1記載の車両用ドアミラー。
【請求項27】
前記ネック(11)は、車両の外側パネル(70)の開口(71)の周囲に形成される構造体(72)に面するよう構成され、
前記構造体(72)は、前記ネック(11)の形状に適合する形状を有する
ことを特徴とする請求項25記載の車両用ドアミラー。
【請求項28】
前記ネック(11)は、車両の外側パネル(70)の開口(71)の周囲に固定された装飾トリム(74)に面するよう、構成され、
前記装飾トリム(74)は、前記ネック(11)に適合する形状を有する
ことを特徴とする請求項26記載の車両用ドアミラー。
【請求項29】
前記アダプタ(20)は、オーバーレイ(75)を有し、
前記オーバーレイ(75)は、前記ネック(11)の形状と開口(71)の周囲の外側パネル(70)の領域に適合する形状を有する
ことを特徴とする請求項26記載の車両用ドアミラー。
【請求項30】
前記強化シート要素(60)は、車両の外側パネル(70)に対し外側に伸び、装飾トリム(74)によりカバーされ、
前記装飾トリム(74)は、前記強化シート要素(60)の開口(62)に面する開口を有する
ことを特徴とする請求項1記載の車両用ドアミラー。
【請求項31】
前記アダプタ(20)は、第2通路(22)を包囲する壁(21)を有し、
前記アダプタ(20)は、前記第1通路(12)の内側で回転できるよう挿入される
ことを特徴とする請求項1記載の車両用ドアミラー。
【請求項32】
前記ネック(11)は、前記ケース(10)の延長部であり、前記ケース(10)と一体に形成される
ことを特徴とする請求項1記載の車両用ドアミラー。
【請求項33】
ガスケット(80)をさらに有し、
前記ガスケット(80)は、前記アダプタ(20)と車両の外側パネル(70)の開口(71)の間のギャップをシールし、前記アダプタ(20)と/またはケース(10)のネック(11)の間のギャップをシールする
ことを特徴とする請求項26−28のいずれかに記載の車両用ドアミラー。
【請求項34】
ガスケット(81)をさらに有し、
前記ガスケット(81)は、アダプタ(20)の当接表面(24)と強化シート要素(60)との間に配置され、車両の外側パネル(70)の開口(71)とアダプタ(20)との間のギャップをシールする
ことを特徴とする請求項26−28のいずれかに記載の車両用ドアミラー。
【請求項35】
ガスケット(82)をさらに有し、
前記ガスケット(82)は、装飾トリム(74)の開口とアダプタ(20)との間のギャップと/またはケース(10)のネック(11)との間のギャップをシールする
ことを特徴とする請求項28記載の車両用ドアミラー。
【請求項36】
前記支持シート要素(60)は、外側パネル(70)に取り付けられた強化シート要素である
ことを特徴とする請求項1記載の車両用ドアミラー。
【請求項37】
前記弾性要素(50)は、圧縮されたコイル状バネである
ことを特徴とする請求項1記載の車両用ドアミラー。
【請求項38】
前記壁(21)は、円筒状の壁である
ことを特徴とする請求項20記載の車両用ドアミラー。
【請求項39】
前記連結ステム(30)のアダプタ(20)に対する回転は、前記第1保持構造体(27a、27b)と第2保持構造体(32a、32b)との干渉により、制限される
ことを特徴とする請求項1記載の車両用ドアミラー。



【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2009−536118(P2009−536118A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−550872(P2008−550872)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【国際出願番号】PCT/IB2007/000238
【国際公開番号】WO2007/085960
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(506282104)フィコ ミラーズ,エスエー (7)
【Fターム(参考)】