車両用フード
【課題】前突時の座屈を促す効果に加えて、上方からの荷重入力時に適切な荷重吸収を実現することを可能にする。
【解決手段】車両用フードのフードフレーム16が、フードフレーム16の開閉基端側に設けられ左右のヒンジを取付ける左右のヒンジ取付部101,101と、左右のヒンジ取付部101,101からフードフレーム16の先端に向かって延出した左右の補強ビーム部103,103と、左右の補強ビーム部103,103上に設けられる左右の折れ点104,104と、左の補強ビーム部103と右の補強ビーム部103との間に渡って左右の折れ点104,104の仮想連結線上に設けられた開口部105と、開口部105の車体前方に設けられ、フードスキンに向かって後傾して延出している縦壁部106と、からなり、縦壁部106は、車幅方向左右に切り欠き116,116を備えた。
【解決手段】車両用フードのフードフレーム16が、フードフレーム16の開閉基端側に設けられ左右のヒンジを取付ける左右のヒンジ取付部101,101と、左右のヒンジ取付部101,101からフードフレーム16の先端に向かって延出した左右の補強ビーム部103,103と、左右の補強ビーム部103,103上に設けられる左右の折れ点104,104と、左の補強ビーム部103と右の補強ビーム部103との間に渡って左右の折れ点104,104の仮想連結線上に設けられた開口部105と、開口部105の車体前方に設けられ、フードスキンに向かって後傾して延出している縦壁部106と、からなり、縦壁部106は、車幅方向左右に切り欠き116,116を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、意匠面を形成するフードスキンと、フードスキンの裏面に設けられるフードフレームとからなり、車体に対し左右のヒンジによって開閉可能に取付けられる車両用フードに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用フードは、車体に対し左右のヒンジによって開閉可能に取付けられ、フードスキンと、このフードスキンを補強するために、フードスキンの裏面におけるほぼ全面にわたって重ねられた板材のフードインナ(フードフレーム)とからなり、フードインナに、フードインナの開閉基端側に設けられ左右のヒンジを取付ける左右のヒンジ取付部と、これら左右のヒンジ取付部からフードインナの開閉先端へ向かって延びた左右の補強ビーム部と、左の補強ビーム部と右の補強ビーム部との間に渡ってフードインナの中央部に開けられた、車幅方向に細長い貫通孔と、貫通孔から開閉先端にわたって形成されたインナ先端部と、を備える。
【0003】
この車両用フードによれば、フードインナに貫通孔を有している部位においては、フードスキンの面方向の剛性を低減することが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−79386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の車両用フードでは、ある程度のフード前後長さが確保されている。
しかし、特許文献1の車両用フードに比べて、車体前後方向の長さがもっと短い車両用フードでは、フードフレーム上に補強のためのリーンフォースメント等を設定するスペースが取れない場合が有る。
【0006】
特許文献1の車両用フードに比べて車体前後長が短い形状であって、フードフレーム上に補強のためのリーンフォースメント等を設定するなどスペースが取れない場合であっても、上方からの荷重吸収を適切に行う必要がある。また、前突時に衝撃荷重を吸収するとともに車室内へのフードの飛び込みを防止する配慮が望まれる。
【0007】
本発明は、前突時の座屈を促す効果に加えて、上方からの荷重入力時に適切な荷重吸収を実現することができる車両用フードを提供することを課題とする。
また、前突時に衝撃荷重を吸収することができるとともに、車室内へのフードの飛び込みを防止することができる車両用フードを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、意匠面を形成するフードスキンと、フードスキンの裏面に設けられるフードフレームとからなり、車体に対し左右のヒンジによって開閉可能に取付けられた車両用フードにおいて、フードフレームが、フードフレームの開閉基端側に設けられ左右のヒンジを取付ける左右のヒンジ取付部と、左右のヒンジ取付部からフードフレームの先端に向かって延出した左右の補強ビーム部と、左右の補強ビーム部上に、且つフードフレームの先端とヒンジ取付部の後端との中点に設けられる左右の折れ点と、左の補強ビーム部と右の補強ビーム部との間に渡って左右の折れ点の仮想連結線上に設けられた開口部と、開口部の車体前方に設けられ、フードスキンに向かって後傾して延出している縦壁部と、からなり、縦壁部は、車幅方向左右に切り欠きを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、縦壁部のフードスキン側の端部が直線状をなしていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、フードフレームに、切り欠きの先端近傍に補強ビードを設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、フードフレームに、車幅方向中央位置に開口部の車両前後方向に掛け渡される第1連結片を有し、第1連結片に、左右の折れ点の仮想連結線上に第1折れビードを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、フードフレームに、左右の切り欠きの上部近傍に開口部の車両前後方向に掛け渡される第2連結片を有し、第2連結片に、左右の折れ点の仮想連結線上に第2折れビードを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明では、車両用フードが、意匠面を形成するフードスキンと、フードスキンの裏面に設けられるフードフレームとからなり、車体に対し左右のヒンジによって開閉可能に取付けられる。
フードフレームが、開口部の車体前方に設けられ、フードスキンに向かって後傾して延出している縦壁部を備え、車幅方向左右に切り欠きを備えているので、前突時の座屈を促す効果に加え、上方からの荷重入力時に後方に倒れることができ、適切な荷重吸収を実現することができる。
左右の折れ点が左右の補強ビーム部上に、且つフードフレームの先端とヒンジ取付部の後端との中点に設けられ、開口部が左右の折れ点の仮想連結線上に設けられているので、前突時にフードを上方にく字状に座屈させることができる。これにより、前突時に衝撃荷重を吸収することができるとともに、車室内へのフードの飛び込みを防止することができる。
【0014】
請求項1に記載の効果をより発揮させるために、請求項2に係る発明では、縦壁部のフードスキン側の端部が直線状をなしているので、前突時の座屈を促す効果に加え、さらに、上方からの荷重入力時に後方に倒れることができ、適切な荷重吸収を実現することができる。
具体的には、縦壁部のフードスキン側の端部はシーラー(マスチックシーラー;アサヒゴム株式会社の商品名)が所定の間隔で塗付されフードスキンと接着されており、同端部を直線状とすることで、上方からの荷重入力時にフードスキンに均等に押されて、後倒れが阻害されることなく適切に行われる。
【0015】
請求項1に記載の効果を発揮させるために、請求項3に係る発明では、フードフレームに、切り欠きの先端近傍に補強ビードを設けたので、必要以上にフード剛性が低下することを抑制することができる。
【0016】
請求項4に係る発明では、フードフレームに、車幅方向中央位置に開口部の車両前後方向に掛け渡される第1連結片を有し、第1連結片に、左右の折れ点の仮想連結線上に第1折れビードを備える。
すなわち、第1連結片が車幅方向中央位置に開口部の車両前後方向に掛け渡されているので、例えば、左右に長い開口部を有していても、折り曲げ成形時に成形歪みが生じるのを防止することができる。この結果、良好にフードフレームの形状を保持することができる。
なお、仮想連結線上に第1折れビードを有しており、前突座屈時と上方荷重入力時に影響を与えないように配慮されている。
【0017】
請求項5に係る発明では、フードフレームに、左右の切り欠きの上部近傍に開口部の車両前後方向に掛け渡される第2連結片を有し、第2連結片に、左右の折れ点の仮想連結線上に第2折れビードを備える。
すなわち、第2連結片が左右の切り欠きの上部近傍に開口部の車両前後方向に掛け渡されているので、フードフレームの形状を保持する効果と周辺のマスチックシーラーの剥がれを防止する効果を有する。
なお、仮想連結線上に第2折れビードを有しており、前突座屈時と上方荷重入力時に影響を与えないように配慮されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る車両用フードが採用された車体の前部を示す斜視図である。
【図2】図1に示された車両用フードにフロントグリルを組み付けた車両用フード組立体を裏面から見た斜視図である。
【図3】図2に示された車両用フード組立体のフードフレーム及びグリルサポートの裏面から見た斜視図である。
【図4】図1の4−4線断面図である。
【図5】図4の5部拡大図である。
【図6】図4の6部拡大図である。
【図7】図2に示された車両用フード組立体のグリルサポートの斜視図である。
【図8】図7の8−8線断面図である。
【図9】図2の9部拡大図である。
【図10】図2の10部拡大図である。
【図11】図1に示された車両用フードにフロントグリルを組み付けた車両用フード組立体の斜視図である。
【図12】図2に示された車両用フード組立体のフードフレーム及びグリルサポートの斜視図である。
【図13】図3の13部拡大図である。
【図14】図3の14部拡大図である。
【図15】図1に示された車両用フードのフードフレームの平面図である。
【図16】図15の16−16線断面図である。
【図17】図15の17−17線断面図である。
【図18】図15の18−18線断面図である。
【図19】図15の19−19線断面図である。
【図20】図1に示された車両用フードの上方衝突解析結果(車幅方向中央且つ前方位置)を示す解析図である。
【図21】図1に示された車両用フードの上方衝突解析結果(車幅方向中央且つフード中央位置)を示す解析図である。である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0020】
図1〜図4に示されたように、車両10は、車体11の前部に、エンジンルーム13を閉塞するフードスキン15及びフードスキン15の裏面に設けられるフードフレーム16からなる車両用フード(エンジンフード)17と、フードフレーム16前方下面から下方に延出するグリルサポート18と、グリルサポート18前面に設けられるフロントグリル19と、車両用フード17下方且つフロントグリル19の左右に備えられる灯体21,21と、フロントグリル19及び灯体21,21の下方に設けられたフロントバンパフェイス22と、灯体21及びフロントバンパフェイス22の側方に車体側方を覆うフロントフェンダ23と、グリルサポート18及びフロントバンパフェイス22の後方に設けられるバルクヘッド24(図4参照)と、を備える。
なお、図4は図1の4−4線断面図であり、フロントグリル19を除く。
【0021】
フロントグリル(グリル)19は、グリルサポート18前面に設けられる意匠部品であるとともに、エンジンルーム13に走行風を導入する導入口でもある。
【0022】
バルクヘッド(フロントバルクヘッド)24は、上部に、フード閉時に車両用フード17が支持される左右のフードストッパ26,26(一方不図示)と、車両用フード17を係止するフードロック27と、が設けられている。さらに、エンジン冷却のためのラジエータ25が支持される。
なお、フードストッパ26は、車幅中央から300mm程度外方に設定されている。
【0023】
車両用フード(エンジンフード)17は、図1及び図2に示されたように、エンジンルーム13を閉塞するフードスキン15と、フードスキン15の裏面に設けられるフードフレーム16と、から構成されている。車両用フード17のフードフレーム16にグリルサポート18をボルト固定ではなく、スポット溶接とすることで、歩行者保護性能に有利な車両用フード組立体31が実現されている。
【0024】
また、車両用フード組立体31では、図2に示されたように、車体前方から見えない位置に配置されたフードシール(フードシールラバー)34をフードフレーム16の先端16a(車両用フード前端17a(図11参照))の左右に配置し、フード強閉時の入力荷重の吸収と外観性向上とを両立した。
【0025】
エンジンフード組立体31は、エンジンルーム13を閉塞するフードスキン15と、フードスキン15の裏面に設けられるフードフレーム16と、フードフレーム16前方下面から下方に延出するグリルサポート18と、グリルサポート18前面に設けられるフロントグリル(グリル)19と、フードフレーム16下面とグリルサポート18とに跨って設けられたストライカ32と、フードフレーム16下面とグリルサポート18とに跨って設けられた左右のサポート補強部材(グリルサポートスチフナ)33,33と、フードフレーム16の先端16aの左右に設けられ衝撃荷重を吸収するフードシール34,34と、からなる。
なお、左右のサポート補強部材33,33は、左右対称の部材である。
【0026】
エンジンフード組立体31は、通常車体側に備えられるフロントグリル19とその背面にあるグリルサポート18が、フードフレーム16の下方に備えられる特異な形状を有する。
【0027】
車両用フード17は、エンジンルーム13を閉塞するフードスキン15及びフードスキン15の裏面に設けられるフードフレーム16からなる。
【0028】
図3〜図7に示されたように、フードフレーム16は、板厚0.5tの冷間圧延材(JSC270D鋼材)で形成される。さらに、フードフレーム16は、グリルサポート18が接合されるフードフレーム側接合部36と、フードフレーム16の左右前方に設けられフードシール34を取付けるシール取付部37,37と、シール取付部37,37の前方に上方からの荷重入力時にフードシール34を圧潰するシール押圧部38,38と、フード手付き時のフードスキン15への荷重補強をするリーンフォースメント39と、を備える。
シール取付部37には、フードシール34をクリップ止めする複数のクリップ孔(不図示)が設けられている。
【0029】
なお、フードフレーム16は、前方下面(車体前方下面)から下方に延出するグリルサポート18と、グリルサポート18前面に設けられるフロントグリル19と、を備えたものともいうことができる。
【0030】
フードフレーム16(フードフレーム側接合部36)は、サポート接合部45a〜45e(図7参照)に対峙する部分(接合対峙部)44がフードフレーム16の先端16a(図2参照)より後方に位置するとともに、サポート接合部45a〜45eに対峙する部分(接合対峙部44)が後傾している(後傾斜に形成した)。
【0031】
すなわち、フードフレーム側接合部36は、フードフレーム16の先端16aから後方に位置し、フードフレーム側接合部36自体も後傾させることで、グリルサポート18の回転を容易にし、上方からの荷重入力時に受け面となる平面部分を確保するとともに、グリルサポート18前面にフロントグリル(グリル)19の取付スペースを確保する。
【0032】
リーンフォースメント39は、フードフレーム16に接合される前脚接合部41及び後脚接合部42を備える。詳細には、図12に示されたように、前脚接合部41は2つの脚に分割構成され、後脚接合部42は4つの脚に分割構成されている。
【0033】
グリルサポート18(図1、図2参照)は、フードフレーム16且つ灯体21,21の間に位置するとともに、フードフレーム16前方下面から下方に延出する部材である。板厚0.8tの冷間圧延材(JSC270D鋼材)で形成される。
【0034】
グリルサポート18は、フードフレーム16に溶接固定され、車体後方に折り曲げられた複数のサポート接合部45a〜45eと、複数のサポート接合部45a〜45e間に設けられたサポート切り欠き46a〜46dと、車両用フード17を両側部で支持するフードストッパ26が当接するフードストッパ当て面47と、外気をエンジンルーム13に流入させる左右の吸気口部48,48と、左右の吸気口部48,48に挟まれるように形成された中央補強部49と、が形成されている。
なお、フードストッパ26は、バルクヘッド24上部に形成されている(図4参照)。
【0035】
さらに、グリルサポート18には、グリルサポート18の下端18aに沿って取付けられる耐熱シール51と、フードストッパ当て面47上方に、フードフレーム16下面とグリルサポート18とに跨って備えられる左右のサポート補強部材33,33と、グリルサポート18の車幅中央に設けられ、バルクヘッド24上部に備えられるフードロック27に係合するストライカ32と、が設けられる。
【0036】
複数のサポート接合部45a〜45eは、フードフレーム16下面に、8点のスポット溶接で接合される。これは、ボルト止めにすると強度が高すぎて上方からの荷重吸収が悪化するからである。
サポート接合部45a〜45eを後傾(後傾斜)にすることで上方からの荷重入力時にグリルサポート18自体が回転することで適切な荷重吸収を実現できる。
【0037】
サポート切り欠き46a〜46dは、上方からの衝撃荷重に悪影響を与えないようにするためのものであり、グリルサポート18は、サポート接合部45a〜45e以外の部分を切り欠いた。すなわち、フードフレーム16から浮いた形になることで、フードフレーム16の変形を許容し、荷重入力点からのストロークを確保することができる。
【0038】
フードストッパ当て面47は、フード閉時にバルクヘッド24(フードストッパ26)でフード全体(エンジンフード組立体31)を支えるとともに、上方からの荷重入力時に後方に回転する中心軸となる。フードストッパ当て面47は、水平ないし略後傾(略後傾斜)に形成される。
【0039】
吸気口部48は、上部に潰し加工(スタンプ加工)が施され、搬送用の作業用治具固定用に端部が補強されている。すなわち、吸気口部48は、前方からの走行風をラジエータ25(図4参照)に当てるための吸気機能とともに、グリルサポート18の軽量化、作業用治具挿入孔の役割をなす。
【0040】
中央補強部49は、断面視ハット形状に形成され、グリルサポート18の自重、前方からの走行風圧およびフード開閉時にかかる荷重に対する強度を向上している。
【0041】
図7及び図8に示されたように、耐熱シール(シール材)51は、板厚2tのPP(ポリプロピレン)発泡材が用いられる。バルクヘッド24に支持されるラジエータ25(図4参照)の熱を受け、車両用フード17が、フード開時に熱くならないように設けられた。さらに、耐熱シール51は、複数のクリップ54で上部が固定され、常時グリルサポート18の下端18aに沿って押圧可能に支持されている。これにより、荷重入力や振動でズレることなく、車両用フード17を開閉する作業者を保護できる。
【0042】
図9に示されたように、サポート補強部材(グリルサポートスチフナ)33は、断面視コ字状かつ上下端が開放形状である。さらに、板厚0.75tの冷間圧延材(JSC270C鋼材)が用いられ、半端な板厚は上方からの荷重吸収と必要強度のバランスの結果決定されている。
【0043】
サポート補強部材33の上方は、フードフレーム16に2点でスポット溶接され、下方はグリルサポート18に3点でスポット溶接され、サポート補強部材33は、上方からの荷重入力時に荷重が立ち上がる部分であるフードストッパ26(図4参照)の上方に位置している。必要な補強をしつつ上方からの荷重吸収に悪影響を与えないようにする必要があり、板厚、形状及び溶接打点位置を調整することで、そのバランスをとっている。
【0044】
サポート補強部材33では、上方の溶接点(溶接フランジ)58a,58bは、グリルサポート18同様に後傾としている。下方の溶接点(溶接フランジ)59a〜59cは、特に内方上部の溶接点位置(溶接点59c、図9参照)により、上方からの荷重吸収と必要強度のバランスを取っている。
【0045】
上方の溶接点58a,58bの間及び下方の溶接点59a,59bの間はそれぞれ間隙S1,S2が設けられる。すなわち、サポート補強部材33の上部とフードフレーム16との間には間隙S1が形成され、サポート補強部材33の下部とグリルサポート18との間には間隙S2が形成されている。
【0046】
また、サポート補強部材33は、フードフレーム16からグリルサポート18に向かって、概ね開放型断面視薄型ハット形状に形成される。これにより、グリルサポート18の自重、前方からの走行風圧およびフード開時にかかる荷重に対する強度向上をする。さらに、上下端開放するとともに薄型ハット形状とすることで、上方からの荷重吸収と必要強度のバランスを取っている。
【0047】
図10に示されたように、ストライカ32は、フードロック27と係合するループ56と、ループ56を支持するループブラケット57と、からなり、ループブラケット57は、板厚1.2tの冷間圧延材(JSC270C45−45鋼材)が用いられ、フードフレーム16下面とグリルサポート18とに跨って取付けられる。
ループ56は、グリルサポート18の下方に設置される。ループブラケット57は、側面断面では断面視略S字状とも見ることができる。
【0048】
ループブラケット57は、フードフレーム16に接合される上部接合部61と、グリルサポート18に接合される下部接合部62と、車体上下方向中央近傍に設けた開口部63と、スタンプ加工により強度及び剛性の向上が図られる左スタンプ部64a、右スタンプ部64b及び中央スタンプ部64cと、開口部63の左右に設けられ、前方に突出したビード65,65と、開口部63からフードフレーム16に延ばした補強脚66と、ループ56の一端56aが取付けられるブラケット段部67と、を備える。なお、ループ56の他端56bは、下部接合部62のグリルサポート18側に取付けられている。
【0049】
詳細には、ループ56の一端56aは、ブラケット段部67に挟み込まれ、ブラケット段部67にMIG溶接され、ループ56の他端56bは、下部接合部62に挟み込まれ、下部接合部62にMIG溶接される。
【0050】
上部接合部61は、フードフレーム16に4点でスポット溶接され、グリルサポート18同様に後傾としている。上部接合部61は、リーンフォースメント39の後脚接合部42と同位置に接合され(図4、図6参照)、上方からの荷重入力時の補強の役割も果たす。下部接合部62は、グリルサポート18に3点でスポット溶接される。
左、右及び中央スタンプ部64a,64b,64cは、上方からの荷重入力時や強閉時にループブラケット57にかかる荷重に対する強度を向上する。
【0051】
ビード65は、上方からの荷重入力時に折れることで適切に荷重吸収を促進する。
補強脚66は、フードフレーム16にグリルサポート18が組み付けれ、グリルサポート18付きのフードフレーム16の搬出時に、グリルサポート18がゆがんだりずれたりすることを防止するものである。
【0052】
脆弱部68は、車体上下方向中央近傍に設けるものであり、開口部63及びビード65,65で構成されている。脆弱部68は、ループブラケット57の軽量化と上方からの荷重入力を適切に吸収する機能を有する。
【0053】
前述したように、車両用フード17(図4参照)は、意匠面を形成するフードスキン15と、フードスキン15の裏面15aに設けられるフードフレーム16とから構成され、さらに、図12に示されたように、車体11に対し左右のヒンジ91,91によって開閉可能に取付けられている。
【0054】
このような車両用フード17では、前突時の座屈を促す効果に加えて、上方からの荷重入力時に適切な荷重吸収を図ることが求められるとともに、車室12(図1参照)内への車両用フード17の飛び込みを防止することも求められる。
そこで、図11及び図12に示されたように、意匠面であるフードスキン15を支えるフードフレーム16に、目的の性能を発揮できるような座屈性能や荷重吸収機能を付加する必要がある。
以下、フードフレーム16の詳細形状を説明する。
【0055】
図11〜図15に示されたように、フードフレーム16は、フードスキン15に接合する枠部(周縁)93と、この枠部93内に設けられるフレーム本体部94とから構成される。
枠部(周縁)93は、ヘミング加工によりフードスキン15とフードフレーム16を接合しているため開閉時の必要強度を確保しフード形状を保持する一定の剛性を保っている。
【0056】
フレーム本体部94は、先に説明したフードフレーム側接合部36(図5参照)、シール取付部37,37(図2参照)、シール押圧部38,38、リーンフォースメント39の他に、フードフレーム16の開閉基端102側に設けられ左右のヒンジ91,91を取付ける左右のヒンジ取付部101,101と、左右のヒンジ取付部101,101からフードフレーム16の先端16aに向かって延出した左右の補強ビーム部103,103と、左右の補強ビーム部103,103上に、且つフードフレーム16の先端16aとヒンジ取付部101の後端101bとの中点に設けられる左右の折れ点104,104と、
左の補強ビーム部103と右の補強ビーム部103との間に渡って左右の折れ点104,104の仮想連結線L1上に設けられた開口部105と、開口部105の車体前方に設けられ、フードスキン15に向かって後傾して延出している縦壁部106と、を備える。
【0057】
リーンフォースメント39は、先にも説明したように、作業者が車両用フード17に手付きをする際に、フードスキン15が凹まないように補強するものである。詳細には、前方(前脚接合部41)2点、後方(後脚接合部42)4点で(フードフレーム16に)溶接固定され、フードスキン15にはマスチックシーラー(アサヒゴム株式会社の商品名)で接着固定される。
【0058】
左右のヒンジ取付部101,101(図19も参照)には、それぞれ補強スチフナ109,109が設けられる。補強スチフナ109は、荷重負荷の高いヒンジ取付部101周辺を補強する役割をなす。補強スチフナ109は、フードフレーム16に複数箇所で溶接されている。
【0059】
補強ビーム部103(図19も参照)は、ヒンジ取付部101から連続的にフードフレーム16の先端16aに向かって延ばされる部分であり、上ビーム部107、折れ点104及び下ビーム部108で階段状に形成される。
【0060】
折れ点104は、補強ビーム部103上に設けられ、車両10の前突時に車両用フード17を、上方にく字状に座屈させるきっかけとするものである。車両用フード17を、く字状に座屈させることで前突時に衝撃荷重を吸収するとともに車室12内(図1参照)への車両用フード17の飛び込みを防止する。フードフレーム16の先端16aとヒンジ取付部101の後端101bとの中点に設定される。
【0061】
図15に示されたように、フードフレーム16の先端16aから仮想連結線L1までの車体前後方向の距離をE1、仮想連結線L1からヒンジ取付部101の後端101bまでの車体前後方向の距離をE2とするときに、車体前後方向の距離E1,E2は略同一寸法に設定される。
【0062】
開口部105は、中央に且つ車体前後方向に第1連結片111が渡され、この第1連結片111の左右に且つ車体前後方向に第2連結片112,112が渡されている。
従って、開口部105は、第1連結片111を挟んで形成される左右の中央開口113,113と、第2連結片112,112の車幅外方に形成される左右の側部開口114,114との4つの開口に分割形成されている。
【0063】
左右の中央開口113,113は、車体中心C1に対称の開口であり、左右の側部開口114,114も、車体中心C1に対称の開口である。
左右の側部開口114,114は、縦壁部106を切り欠くとともに、左右の側部開口114,114と連通された左右の切り欠き116,116が形成されている。
【0064】
左右の切り欠き116,116は、切り欠き116,116の先端近傍(下方)にそれぞれ左右の補強ビード117,117が設けられる。
左右の補強ビード117,117は、図18に示されたように、切り欠き116,116の先端近傍(下方)を盛り上げ、切り欠き116,116周辺の強度を上げている。
【0065】
開口部105は、フードフレーム16の左右の折れ点104,104を繋いだ仮想連結線L1上に延在させることで、座屈しやすくするとともにフードフレーム16自体の軽量化にも効果がある。開口部105(左右の中央開口113,113及び左右の側部開口114,114)の車体後方には、後壁127を介して車幅方向に延ばした横骨部123が形成される。この横骨部123で車両用フード17全体の剛性(特に車両用フード17の車幅方向の剛性)が確保される。
【0066】
横骨部123は、略車幅方向に延びる平行部124と、この平行部124の左右端が拡大された左右の拡大部125,125を備え、左右のヒンジ取付部101,101の周辺を補強している。
【0067】
左右の側部開口114,114の車体側方には、絞り形状とした左右の補強壁(開口部左右壁)126,126が形成され、左右の側部開口114,114を補強するとともに、横骨部123の左右の拡大部125,125の剛性の向上に寄与している。
【0068】
さらに、開口部105の後壁127は、平行部124の剛性の向上に寄与し、横骨部123の後方に形成される最後部壁128も、平行部124及び左右の拡大部125,125の剛性の向上に寄与している。すなわち、左右の補強壁(開口部左右壁)126,126、後壁127及び最後部壁128は、横骨部123の構成部分とみることもできる。
【0069】
図15及び図16に示されたように、フードフレーム16には、先にも述べたように、車幅方向中央位置に開口部105の車両前後方向に掛け渡される第1連結片111を有し、第1連結片111に、左右の折れ点104,104の仮想連結線L1上に第1折れビード121を備える。
【0070】
第1連結片111は、開口部105が左右に長いので折り曲げ成形時に成形歪みが生じるのを防止する効果とフードフレーム16の形状を保持する効果とを有する。第1連結片111は、フードフレーム16を補強する効果はほとんどない。すなわち、前突座屈時と上方荷重入力時に影響を与えないよう左右の折れ点104,104を結ぶ仮想連結線L1上に第1折れビード121を有しているからである。
【0071】
また、図15及び図17に示されたように、フードフレーム16には、左右の切り欠き116,116の上部近傍に開口部105の車両前後方向に掛け渡される第2連結片112,112を有し、第2連結片112,112に、左右の折れ点104,104の仮想連結線L1上に第2折れビード122,122を備える。
【0072】
第2連結片112,112は、フードフレーム16の形状を保持する効果と周辺のマスチックシーラーの剥がれを防止する効果を有する。フードフレーム16を補強する効果はほとんどない。すなわち、前突座屈時と上方荷重入力時に影響を与えないよう左右の折れ点104,104を結ぶ仮想連結線L1上に第2折れビード122,122を有しているからである。
【0073】
図11〜図15に示されたように、左右の側部開口114,114は、縦壁部106を切り欠くとともに左右の側部開口114,114と連通された左右の切り欠き116,116が形成されている。すなわち、縦壁部106は、車幅方向左右に切り欠き116,116を備えたものということができる。
縦壁部106のフードスキン15側の端部(上部)106aは、車幅方向に直線状をなしている。
【0074】
縦壁部106は、開口部105の前方に且つ車幅方向に、延在し車両斜め後方に立設している。前突時の座屈を促す効果に加え、上方からの荷重入力時に後方に倒れることで適切な歩行者保護を実現する。上端部が仮想連結線L1に沿って直線状に設定されており、左右の切り欠き116,116も相まって倒れやすくなっている。第1連結片111及び第2連結片112,112は一定の長さがあり、且つ縦壁部106の変形を許容する第1折れビード121及び第2折れビード122,122を備えるので、縦壁部106の後倒れには影響しない。
【0075】
図20(a)〜(d)に、車両用フード17の車幅方向中央且つ前方位置における上方衝突解析結果が示される。なお、tの単位は秒である。
(a)に初期状態の車体11が示される(t=0)。
車両用フード17に、テスト球129を矢印c1の如く当てる。
【0076】
(b)t=5経過後の車体11の状態が示される。t=5でフードスキン15とフードフレーム16が当接し、フードフレーム16は矢印c2の如く略平行に押される。
縦壁部106の端部(上部)106aは、車幅方向に関しては第1連結片111(図12参照)の近傍でフードスキン15とフードフレーム16が離れ、縦壁部106は矢印c3の如く後方に倒れる。
【0077】
(c)t=8経過後の車体11の状態が示される。t=8でもフードフレーム16が押され続け、これに追従して縦壁部106が矢印c4の如く倒れ続ける。
【0078】
(d)t=13経過後の車体11の状態が示される。さらに、フードフレーム16が押され続け、荷重吸収が促進される。
【0079】
図21(a)〜(d)に、車両用フード17の車幅方向中央且つフード中央位置における上方衝突解析結果が示される。なお、tの単位は秒である。
(a)に初期状態の車体11が示される(t=0)。
車両用フード17に、テスト球129を矢印d1の如く当てる。
【0080】
(b)t=5経過後の車体11の状態が示される。t=5でフードスキン15とフードフレーム16が当接し、フードフレーム16は矢印d2の如く車体後方且つ斜め下方に向けて略平行に押される。
縦壁部106(図21(a)参照)の車幅方向左右に切り欠き116,116(図12参照)を設けているので縦壁部106が荷重吸収を阻害することなく、縦壁部106は後方に倒れることができる。
【0081】
(c)t=8経過後の車体11の状態が示される。t=8でもフードフレーム16が押され続け、縦壁部106(図12参照)の端部(上部)106aにテスト球129が達しても第1連結片111(図12参照)が荷重吸収に影響を与えないため、車両用フード17による適切な荷重吸収が実現できる。
【0082】
(d)t=11経過後の車体11の状態が示される。さらに、フードフレーム16が押され続け、荷重吸収が促進される。
【0083】
図11〜図15及び図19に示されたように、車両用フード17では、意匠面を形成するフードスキン15と、フードスキン15の裏面15aに設けられるフードフレーム16とからなり、車体11に対し左右のヒンジ91,91によって開閉可能に取付けられる。
フードフレーム16が、開口部105の車体前方に設けられ、フードスキン15に向かって後傾して延出している縦壁部106を備え、車幅方向左右に切り欠き116,116を備えているので、前突時の座屈を促す効果に加え、上方からの荷重入力時に後方に倒れることができ、適切な荷重吸収を実現することができる。
【0084】
左右の折れ点104,104が左右の補強ビーム部103,103上に、且つフードフレーム16の先端16aとヒンジ取付部101の後端101bとの中点に設けられ、開口部105が左右の折れ点104,104の仮想連結線L1上に設けられているので、前突時に車両用フード17を上方にく字状に座屈させることができる。これにより、前突時に衝撃荷重を吸収することができるとともに、車室12(図1参照)内への車両用フード17の飛び込みを防止することができる。
【0085】
車両用フード17では、縦壁部106のフードスキン15側の端部が直線状をなしているので、前突時の座屈を促す効果に加え、さらに、上方からの荷重入力時に後方に倒れることができ、適切な荷重吸収を実現することができる。
【0086】
具体的には、縦壁部106のフードスキン15側の端部はシーラー(マスチックシーラー;アサヒゴム株式会社の商品名)が所定の間隔で塗付されフードスキン15と接着されており、同端部を直線状とすることで、上方からの荷重入力時にフードスキン15に均等に押されて、後倒れが阻害されることなく適切に行われる。
【0087】
図11〜図15及び図18に示されたように、車両用フード17では、フードフレーム16に、切り欠き116,116の先端近傍に補強ビード117,117を設けたので、必要以上にフード剛性が低下することを抑制することができる。
【0088】
図11〜図15及び図16に示されたように、車両用フード17では、フードフレーム16に、車幅方向中央位置に開口部105の車両前後方向に掛け渡される第1連結片111を有し、第1連結片111に、左右の折れ点104,104の仮想連結線L1上に第1折れビード121を備える。
【0089】
すなわち、第1連結片111が車幅方向中央位置に開口部105の車両前後方向に掛け渡されているので、例えば、左右に長い開口部105を有していても、折り曲げ成形時に成形歪みが生じるのを防止することができる。この結果、良好にフードフレーム16の形状を保持することができる。
なお、仮想連結線L1上に第1折れビード121を有しており、前突座屈時と上方荷重入力時に影響を与えないように配慮されている。
【0090】
図11〜図15及び図17に示されたように、車両用フード17では、フードフレーム16に、左右の切り欠き116,116の上部近傍に開口部105の車両前後方向に掛け渡される第2連結片112,112を有し、第2連結片112,112に、左右の折れ点104,104の仮想連結線L1上に第2折れビード122,122を備える。
【0091】
すなわち、第2連結片112,112が左右の切り欠き116,116の上部近傍に開口部105の車両前後方向に掛け渡されているので、フードフレーム16の形状を保持する効果と周辺のマスチックシーラーの剥がれを防止する効果を有する。
なお、仮想連結線L1上に第2折れビード122,122を有しており、前突座屈時と上方荷重入力時に影響を与えないように配慮されている。
【0092】
尚、本発明に係る車両用フードは、図11に示すように、車体前後長が短い形状のフードであったが、車体前後長が確保されたフードに採用することを妨げるものではない。
【0093】
本発明に係る車両用フードでは、明細書中「車両用フード前端17a」及び「フードフレーム16の先端16a」と記載した箇所があるが、これらの位置は同位置である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明に係る車両用フードは、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適であり、特に車両用フードの車体前後長が短い軽自動車に採用するのには最適である。
【符号の説明】
【0095】
11…車体、15…フードスキン、15a…フードスキンの裏面、16…フードフレーム、16a…フードフレームの先端、17…車両用フード、91…左右のヒンジ、101…左右のヒンジ取付部、101b…ヒンジ取付部の後端、103…左右の補強ビーム部、
104…折れ点、105…開口部、106…縦壁部、111…第1連結片、112…第2連結片、116…切り欠き、117…補強ビード、121…第1折れビード、122…第2折れビード。
【技術分野】
【0001】
本発明は、意匠面を形成するフードスキンと、フードスキンの裏面に設けられるフードフレームとからなり、車体に対し左右のヒンジによって開閉可能に取付けられる車両用フードに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用フードは、車体に対し左右のヒンジによって開閉可能に取付けられ、フードスキンと、このフードスキンを補強するために、フードスキンの裏面におけるほぼ全面にわたって重ねられた板材のフードインナ(フードフレーム)とからなり、フードインナに、フードインナの開閉基端側に設けられ左右のヒンジを取付ける左右のヒンジ取付部と、これら左右のヒンジ取付部からフードインナの開閉先端へ向かって延びた左右の補強ビーム部と、左の補強ビーム部と右の補強ビーム部との間に渡ってフードインナの中央部に開けられた、車幅方向に細長い貫通孔と、貫通孔から開閉先端にわたって形成されたインナ先端部と、を備える。
【0003】
この車両用フードによれば、フードインナに貫通孔を有している部位においては、フードスキンの面方向の剛性を低減することが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−79386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の車両用フードでは、ある程度のフード前後長さが確保されている。
しかし、特許文献1の車両用フードに比べて、車体前後方向の長さがもっと短い車両用フードでは、フードフレーム上に補強のためのリーンフォースメント等を設定するスペースが取れない場合が有る。
【0006】
特許文献1の車両用フードに比べて車体前後長が短い形状であって、フードフレーム上に補強のためのリーンフォースメント等を設定するなどスペースが取れない場合であっても、上方からの荷重吸収を適切に行う必要がある。また、前突時に衝撃荷重を吸収するとともに車室内へのフードの飛び込みを防止する配慮が望まれる。
【0007】
本発明は、前突時の座屈を促す効果に加えて、上方からの荷重入力時に適切な荷重吸収を実現することができる車両用フードを提供することを課題とする。
また、前突時に衝撃荷重を吸収することができるとともに、車室内へのフードの飛び込みを防止することができる車両用フードを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、意匠面を形成するフードスキンと、フードスキンの裏面に設けられるフードフレームとからなり、車体に対し左右のヒンジによって開閉可能に取付けられた車両用フードにおいて、フードフレームが、フードフレームの開閉基端側に設けられ左右のヒンジを取付ける左右のヒンジ取付部と、左右のヒンジ取付部からフードフレームの先端に向かって延出した左右の補強ビーム部と、左右の補強ビーム部上に、且つフードフレームの先端とヒンジ取付部の後端との中点に設けられる左右の折れ点と、左の補強ビーム部と右の補強ビーム部との間に渡って左右の折れ点の仮想連結線上に設けられた開口部と、開口部の車体前方に設けられ、フードスキンに向かって後傾して延出している縦壁部と、からなり、縦壁部は、車幅方向左右に切り欠きを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、縦壁部のフードスキン側の端部が直線状をなしていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、フードフレームに、切り欠きの先端近傍に補強ビードを設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、フードフレームに、車幅方向中央位置に開口部の車両前後方向に掛け渡される第1連結片を有し、第1連結片に、左右の折れ点の仮想連結線上に第1折れビードを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、フードフレームに、左右の切り欠きの上部近傍に開口部の車両前後方向に掛け渡される第2連結片を有し、第2連結片に、左右の折れ点の仮想連結線上に第2折れビードを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明では、車両用フードが、意匠面を形成するフードスキンと、フードスキンの裏面に設けられるフードフレームとからなり、車体に対し左右のヒンジによって開閉可能に取付けられる。
フードフレームが、開口部の車体前方に設けられ、フードスキンに向かって後傾して延出している縦壁部を備え、車幅方向左右に切り欠きを備えているので、前突時の座屈を促す効果に加え、上方からの荷重入力時に後方に倒れることができ、適切な荷重吸収を実現することができる。
左右の折れ点が左右の補強ビーム部上に、且つフードフレームの先端とヒンジ取付部の後端との中点に設けられ、開口部が左右の折れ点の仮想連結線上に設けられているので、前突時にフードを上方にく字状に座屈させることができる。これにより、前突時に衝撃荷重を吸収することができるとともに、車室内へのフードの飛び込みを防止することができる。
【0014】
請求項1に記載の効果をより発揮させるために、請求項2に係る発明では、縦壁部のフードスキン側の端部が直線状をなしているので、前突時の座屈を促す効果に加え、さらに、上方からの荷重入力時に後方に倒れることができ、適切な荷重吸収を実現することができる。
具体的には、縦壁部のフードスキン側の端部はシーラー(マスチックシーラー;アサヒゴム株式会社の商品名)が所定の間隔で塗付されフードスキンと接着されており、同端部を直線状とすることで、上方からの荷重入力時にフードスキンに均等に押されて、後倒れが阻害されることなく適切に行われる。
【0015】
請求項1に記載の効果を発揮させるために、請求項3に係る発明では、フードフレームに、切り欠きの先端近傍に補強ビードを設けたので、必要以上にフード剛性が低下することを抑制することができる。
【0016】
請求項4に係る発明では、フードフレームに、車幅方向中央位置に開口部の車両前後方向に掛け渡される第1連結片を有し、第1連結片に、左右の折れ点の仮想連結線上に第1折れビードを備える。
すなわち、第1連結片が車幅方向中央位置に開口部の車両前後方向に掛け渡されているので、例えば、左右に長い開口部を有していても、折り曲げ成形時に成形歪みが生じるのを防止することができる。この結果、良好にフードフレームの形状を保持することができる。
なお、仮想連結線上に第1折れビードを有しており、前突座屈時と上方荷重入力時に影響を与えないように配慮されている。
【0017】
請求項5に係る発明では、フードフレームに、左右の切り欠きの上部近傍に開口部の車両前後方向に掛け渡される第2連結片を有し、第2連結片に、左右の折れ点の仮想連結線上に第2折れビードを備える。
すなわち、第2連結片が左右の切り欠きの上部近傍に開口部の車両前後方向に掛け渡されているので、フードフレームの形状を保持する効果と周辺のマスチックシーラーの剥がれを防止する効果を有する。
なお、仮想連結線上に第2折れビードを有しており、前突座屈時と上方荷重入力時に影響を与えないように配慮されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る車両用フードが採用された車体の前部を示す斜視図である。
【図2】図1に示された車両用フードにフロントグリルを組み付けた車両用フード組立体を裏面から見た斜視図である。
【図3】図2に示された車両用フード組立体のフードフレーム及びグリルサポートの裏面から見た斜視図である。
【図4】図1の4−4線断面図である。
【図5】図4の5部拡大図である。
【図6】図4の6部拡大図である。
【図7】図2に示された車両用フード組立体のグリルサポートの斜視図である。
【図8】図7の8−8線断面図である。
【図9】図2の9部拡大図である。
【図10】図2の10部拡大図である。
【図11】図1に示された車両用フードにフロントグリルを組み付けた車両用フード組立体の斜視図である。
【図12】図2に示された車両用フード組立体のフードフレーム及びグリルサポートの斜視図である。
【図13】図3の13部拡大図である。
【図14】図3の14部拡大図である。
【図15】図1に示された車両用フードのフードフレームの平面図である。
【図16】図15の16−16線断面図である。
【図17】図15の17−17線断面図である。
【図18】図15の18−18線断面図である。
【図19】図15の19−19線断面図である。
【図20】図1に示された車両用フードの上方衝突解析結果(車幅方向中央且つ前方位置)を示す解析図である。
【図21】図1に示された車両用フードの上方衝突解析結果(車幅方向中央且つフード中央位置)を示す解析図である。である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0020】
図1〜図4に示されたように、車両10は、車体11の前部に、エンジンルーム13を閉塞するフードスキン15及びフードスキン15の裏面に設けられるフードフレーム16からなる車両用フード(エンジンフード)17と、フードフレーム16前方下面から下方に延出するグリルサポート18と、グリルサポート18前面に設けられるフロントグリル19と、車両用フード17下方且つフロントグリル19の左右に備えられる灯体21,21と、フロントグリル19及び灯体21,21の下方に設けられたフロントバンパフェイス22と、灯体21及びフロントバンパフェイス22の側方に車体側方を覆うフロントフェンダ23と、グリルサポート18及びフロントバンパフェイス22の後方に設けられるバルクヘッド24(図4参照)と、を備える。
なお、図4は図1の4−4線断面図であり、フロントグリル19を除く。
【0021】
フロントグリル(グリル)19は、グリルサポート18前面に設けられる意匠部品であるとともに、エンジンルーム13に走行風を導入する導入口でもある。
【0022】
バルクヘッド(フロントバルクヘッド)24は、上部に、フード閉時に車両用フード17が支持される左右のフードストッパ26,26(一方不図示)と、車両用フード17を係止するフードロック27と、が設けられている。さらに、エンジン冷却のためのラジエータ25が支持される。
なお、フードストッパ26は、車幅中央から300mm程度外方に設定されている。
【0023】
車両用フード(エンジンフード)17は、図1及び図2に示されたように、エンジンルーム13を閉塞するフードスキン15と、フードスキン15の裏面に設けられるフードフレーム16と、から構成されている。車両用フード17のフードフレーム16にグリルサポート18をボルト固定ではなく、スポット溶接とすることで、歩行者保護性能に有利な車両用フード組立体31が実現されている。
【0024】
また、車両用フード組立体31では、図2に示されたように、車体前方から見えない位置に配置されたフードシール(フードシールラバー)34をフードフレーム16の先端16a(車両用フード前端17a(図11参照))の左右に配置し、フード強閉時の入力荷重の吸収と外観性向上とを両立した。
【0025】
エンジンフード組立体31は、エンジンルーム13を閉塞するフードスキン15と、フードスキン15の裏面に設けられるフードフレーム16と、フードフレーム16前方下面から下方に延出するグリルサポート18と、グリルサポート18前面に設けられるフロントグリル(グリル)19と、フードフレーム16下面とグリルサポート18とに跨って設けられたストライカ32と、フードフレーム16下面とグリルサポート18とに跨って設けられた左右のサポート補強部材(グリルサポートスチフナ)33,33と、フードフレーム16の先端16aの左右に設けられ衝撃荷重を吸収するフードシール34,34と、からなる。
なお、左右のサポート補強部材33,33は、左右対称の部材である。
【0026】
エンジンフード組立体31は、通常車体側に備えられるフロントグリル19とその背面にあるグリルサポート18が、フードフレーム16の下方に備えられる特異な形状を有する。
【0027】
車両用フード17は、エンジンルーム13を閉塞するフードスキン15及びフードスキン15の裏面に設けられるフードフレーム16からなる。
【0028】
図3〜図7に示されたように、フードフレーム16は、板厚0.5tの冷間圧延材(JSC270D鋼材)で形成される。さらに、フードフレーム16は、グリルサポート18が接合されるフードフレーム側接合部36と、フードフレーム16の左右前方に設けられフードシール34を取付けるシール取付部37,37と、シール取付部37,37の前方に上方からの荷重入力時にフードシール34を圧潰するシール押圧部38,38と、フード手付き時のフードスキン15への荷重補強をするリーンフォースメント39と、を備える。
シール取付部37には、フードシール34をクリップ止めする複数のクリップ孔(不図示)が設けられている。
【0029】
なお、フードフレーム16は、前方下面(車体前方下面)から下方に延出するグリルサポート18と、グリルサポート18前面に設けられるフロントグリル19と、を備えたものともいうことができる。
【0030】
フードフレーム16(フードフレーム側接合部36)は、サポート接合部45a〜45e(図7参照)に対峙する部分(接合対峙部)44がフードフレーム16の先端16a(図2参照)より後方に位置するとともに、サポート接合部45a〜45eに対峙する部分(接合対峙部44)が後傾している(後傾斜に形成した)。
【0031】
すなわち、フードフレーム側接合部36は、フードフレーム16の先端16aから後方に位置し、フードフレーム側接合部36自体も後傾させることで、グリルサポート18の回転を容易にし、上方からの荷重入力時に受け面となる平面部分を確保するとともに、グリルサポート18前面にフロントグリル(グリル)19の取付スペースを確保する。
【0032】
リーンフォースメント39は、フードフレーム16に接合される前脚接合部41及び後脚接合部42を備える。詳細には、図12に示されたように、前脚接合部41は2つの脚に分割構成され、後脚接合部42は4つの脚に分割構成されている。
【0033】
グリルサポート18(図1、図2参照)は、フードフレーム16且つ灯体21,21の間に位置するとともに、フードフレーム16前方下面から下方に延出する部材である。板厚0.8tの冷間圧延材(JSC270D鋼材)で形成される。
【0034】
グリルサポート18は、フードフレーム16に溶接固定され、車体後方に折り曲げられた複数のサポート接合部45a〜45eと、複数のサポート接合部45a〜45e間に設けられたサポート切り欠き46a〜46dと、車両用フード17を両側部で支持するフードストッパ26が当接するフードストッパ当て面47と、外気をエンジンルーム13に流入させる左右の吸気口部48,48と、左右の吸気口部48,48に挟まれるように形成された中央補強部49と、が形成されている。
なお、フードストッパ26は、バルクヘッド24上部に形成されている(図4参照)。
【0035】
さらに、グリルサポート18には、グリルサポート18の下端18aに沿って取付けられる耐熱シール51と、フードストッパ当て面47上方に、フードフレーム16下面とグリルサポート18とに跨って備えられる左右のサポート補強部材33,33と、グリルサポート18の車幅中央に設けられ、バルクヘッド24上部に備えられるフードロック27に係合するストライカ32と、が設けられる。
【0036】
複数のサポート接合部45a〜45eは、フードフレーム16下面に、8点のスポット溶接で接合される。これは、ボルト止めにすると強度が高すぎて上方からの荷重吸収が悪化するからである。
サポート接合部45a〜45eを後傾(後傾斜)にすることで上方からの荷重入力時にグリルサポート18自体が回転することで適切な荷重吸収を実現できる。
【0037】
サポート切り欠き46a〜46dは、上方からの衝撃荷重に悪影響を与えないようにするためのものであり、グリルサポート18は、サポート接合部45a〜45e以外の部分を切り欠いた。すなわち、フードフレーム16から浮いた形になることで、フードフレーム16の変形を許容し、荷重入力点からのストロークを確保することができる。
【0038】
フードストッパ当て面47は、フード閉時にバルクヘッド24(フードストッパ26)でフード全体(エンジンフード組立体31)を支えるとともに、上方からの荷重入力時に後方に回転する中心軸となる。フードストッパ当て面47は、水平ないし略後傾(略後傾斜)に形成される。
【0039】
吸気口部48は、上部に潰し加工(スタンプ加工)が施され、搬送用の作業用治具固定用に端部が補強されている。すなわち、吸気口部48は、前方からの走行風をラジエータ25(図4参照)に当てるための吸気機能とともに、グリルサポート18の軽量化、作業用治具挿入孔の役割をなす。
【0040】
中央補強部49は、断面視ハット形状に形成され、グリルサポート18の自重、前方からの走行風圧およびフード開閉時にかかる荷重に対する強度を向上している。
【0041】
図7及び図8に示されたように、耐熱シール(シール材)51は、板厚2tのPP(ポリプロピレン)発泡材が用いられる。バルクヘッド24に支持されるラジエータ25(図4参照)の熱を受け、車両用フード17が、フード開時に熱くならないように設けられた。さらに、耐熱シール51は、複数のクリップ54で上部が固定され、常時グリルサポート18の下端18aに沿って押圧可能に支持されている。これにより、荷重入力や振動でズレることなく、車両用フード17を開閉する作業者を保護できる。
【0042】
図9に示されたように、サポート補強部材(グリルサポートスチフナ)33は、断面視コ字状かつ上下端が開放形状である。さらに、板厚0.75tの冷間圧延材(JSC270C鋼材)が用いられ、半端な板厚は上方からの荷重吸収と必要強度のバランスの結果決定されている。
【0043】
サポート補強部材33の上方は、フードフレーム16に2点でスポット溶接され、下方はグリルサポート18に3点でスポット溶接され、サポート補強部材33は、上方からの荷重入力時に荷重が立ち上がる部分であるフードストッパ26(図4参照)の上方に位置している。必要な補強をしつつ上方からの荷重吸収に悪影響を与えないようにする必要があり、板厚、形状及び溶接打点位置を調整することで、そのバランスをとっている。
【0044】
サポート補強部材33では、上方の溶接点(溶接フランジ)58a,58bは、グリルサポート18同様に後傾としている。下方の溶接点(溶接フランジ)59a〜59cは、特に内方上部の溶接点位置(溶接点59c、図9参照)により、上方からの荷重吸収と必要強度のバランスを取っている。
【0045】
上方の溶接点58a,58bの間及び下方の溶接点59a,59bの間はそれぞれ間隙S1,S2が設けられる。すなわち、サポート補強部材33の上部とフードフレーム16との間には間隙S1が形成され、サポート補強部材33の下部とグリルサポート18との間には間隙S2が形成されている。
【0046】
また、サポート補強部材33は、フードフレーム16からグリルサポート18に向かって、概ね開放型断面視薄型ハット形状に形成される。これにより、グリルサポート18の自重、前方からの走行風圧およびフード開時にかかる荷重に対する強度向上をする。さらに、上下端開放するとともに薄型ハット形状とすることで、上方からの荷重吸収と必要強度のバランスを取っている。
【0047】
図10に示されたように、ストライカ32は、フードロック27と係合するループ56と、ループ56を支持するループブラケット57と、からなり、ループブラケット57は、板厚1.2tの冷間圧延材(JSC270C45−45鋼材)が用いられ、フードフレーム16下面とグリルサポート18とに跨って取付けられる。
ループ56は、グリルサポート18の下方に設置される。ループブラケット57は、側面断面では断面視略S字状とも見ることができる。
【0048】
ループブラケット57は、フードフレーム16に接合される上部接合部61と、グリルサポート18に接合される下部接合部62と、車体上下方向中央近傍に設けた開口部63と、スタンプ加工により強度及び剛性の向上が図られる左スタンプ部64a、右スタンプ部64b及び中央スタンプ部64cと、開口部63の左右に設けられ、前方に突出したビード65,65と、開口部63からフードフレーム16に延ばした補強脚66と、ループ56の一端56aが取付けられるブラケット段部67と、を備える。なお、ループ56の他端56bは、下部接合部62のグリルサポート18側に取付けられている。
【0049】
詳細には、ループ56の一端56aは、ブラケット段部67に挟み込まれ、ブラケット段部67にMIG溶接され、ループ56の他端56bは、下部接合部62に挟み込まれ、下部接合部62にMIG溶接される。
【0050】
上部接合部61は、フードフレーム16に4点でスポット溶接され、グリルサポート18同様に後傾としている。上部接合部61は、リーンフォースメント39の後脚接合部42と同位置に接合され(図4、図6参照)、上方からの荷重入力時の補強の役割も果たす。下部接合部62は、グリルサポート18に3点でスポット溶接される。
左、右及び中央スタンプ部64a,64b,64cは、上方からの荷重入力時や強閉時にループブラケット57にかかる荷重に対する強度を向上する。
【0051】
ビード65は、上方からの荷重入力時に折れることで適切に荷重吸収を促進する。
補強脚66は、フードフレーム16にグリルサポート18が組み付けれ、グリルサポート18付きのフードフレーム16の搬出時に、グリルサポート18がゆがんだりずれたりすることを防止するものである。
【0052】
脆弱部68は、車体上下方向中央近傍に設けるものであり、開口部63及びビード65,65で構成されている。脆弱部68は、ループブラケット57の軽量化と上方からの荷重入力を適切に吸収する機能を有する。
【0053】
前述したように、車両用フード17(図4参照)は、意匠面を形成するフードスキン15と、フードスキン15の裏面15aに設けられるフードフレーム16とから構成され、さらに、図12に示されたように、車体11に対し左右のヒンジ91,91によって開閉可能に取付けられている。
【0054】
このような車両用フード17では、前突時の座屈を促す効果に加えて、上方からの荷重入力時に適切な荷重吸収を図ることが求められるとともに、車室12(図1参照)内への車両用フード17の飛び込みを防止することも求められる。
そこで、図11及び図12に示されたように、意匠面であるフードスキン15を支えるフードフレーム16に、目的の性能を発揮できるような座屈性能や荷重吸収機能を付加する必要がある。
以下、フードフレーム16の詳細形状を説明する。
【0055】
図11〜図15に示されたように、フードフレーム16は、フードスキン15に接合する枠部(周縁)93と、この枠部93内に設けられるフレーム本体部94とから構成される。
枠部(周縁)93は、ヘミング加工によりフードスキン15とフードフレーム16を接合しているため開閉時の必要強度を確保しフード形状を保持する一定の剛性を保っている。
【0056】
フレーム本体部94は、先に説明したフードフレーム側接合部36(図5参照)、シール取付部37,37(図2参照)、シール押圧部38,38、リーンフォースメント39の他に、フードフレーム16の開閉基端102側に設けられ左右のヒンジ91,91を取付ける左右のヒンジ取付部101,101と、左右のヒンジ取付部101,101からフードフレーム16の先端16aに向かって延出した左右の補強ビーム部103,103と、左右の補強ビーム部103,103上に、且つフードフレーム16の先端16aとヒンジ取付部101の後端101bとの中点に設けられる左右の折れ点104,104と、
左の補強ビーム部103と右の補強ビーム部103との間に渡って左右の折れ点104,104の仮想連結線L1上に設けられた開口部105と、開口部105の車体前方に設けられ、フードスキン15に向かって後傾して延出している縦壁部106と、を備える。
【0057】
リーンフォースメント39は、先にも説明したように、作業者が車両用フード17に手付きをする際に、フードスキン15が凹まないように補強するものである。詳細には、前方(前脚接合部41)2点、後方(後脚接合部42)4点で(フードフレーム16に)溶接固定され、フードスキン15にはマスチックシーラー(アサヒゴム株式会社の商品名)で接着固定される。
【0058】
左右のヒンジ取付部101,101(図19も参照)には、それぞれ補強スチフナ109,109が設けられる。補強スチフナ109は、荷重負荷の高いヒンジ取付部101周辺を補強する役割をなす。補強スチフナ109は、フードフレーム16に複数箇所で溶接されている。
【0059】
補強ビーム部103(図19も参照)は、ヒンジ取付部101から連続的にフードフレーム16の先端16aに向かって延ばされる部分であり、上ビーム部107、折れ点104及び下ビーム部108で階段状に形成される。
【0060】
折れ点104は、補強ビーム部103上に設けられ、車両10の前突時に車両用フード17を、上方にく字状に座屈させるきっかけとするものである。車両用フード17を、く字状に座屈させることで前突時に衝撃荷重を吸収するとともに車室12内(図1参照)への車両用フード17の飛び込みを防止する。フードフレーム16の先端16aとヒンジ取付部101の後端101bとの中点に設定される。
【0061】
図15に示されたように、フードフレーム16の先端16aから仮想連結線L1までの車体前後方向の距離をE1、仮想連結線L1からヒンジ取付部101の後端101bまでの車体前後方向の距離をE2とするときに、車体前後方向の距離E1,E2は略同一寸法に設定される。
【0062】
開口部105は、中央に且つ車体前後方向に第1連結片111が渡され、この第1連結片111の左右に且つ車体前後方向に第2連結片112,112が渡されている。
従って、開口部105は、第1連結片111を挟んで形成される左右の中央開口113,113と、第2連結片112,112の車幅外方に形成される左右の側部開口114,114との4つの開口に分割形成されている。
【0063】
左右の中央開口113,113は、車体中心C1に対称の開口であり、左右の側部開口114,114も、車体中心C1に対称の開口である。
左右の側部開口114,114は、縦壁部106を切り欠くとともに、左右の側部開口114,114と連通された左右の切り欠き116,116が形成されている。
【0064】
左右の切り欠き116,116は、切り欠き116,116の先端近傍(下方)にそれぞれ左右の補強ビード117,117が設けられる。
左右の補強ビード117,117は、図18に示されたように、切り欠き116,116の先端近傍(下方)を盛り上げ、切り欠き116,116周辺の強度を上げている。
【0065】
開口部105は、フードフレーム16の左右の折れ点104,104を繋いだ仮想連結線L1上に延在させることで、座屈しやすくするとともにフードフレーム16自体の軽量化にも効果がある。開口部105(左右の中央開口113,113及び左右の側部開口114,114)の車体後方には、後壁127を介して車幅方向に延ばした横骨部123が形成される。この横骨部123で車両用フード17全体の剛性(特に車両用フード17の車幅方向の剛性)が確保される。
【0066】
横骨部123は、略車幅方向に延びる平行部124と、この平行部124の左右端が拡大された左右の拡大部125,125を備え、左右のヒンジ取付部101,101の周辺を補強している。
【0067】
左右の側部開口114,114の車体側方には、絞り形状とした左右の補強壁(開口部左右壁)126,126が形成され、左右の側部開口114,114を補強するとともに、横骨部123の左右の拡大部125,125の剛性の向上に寄与している。
【0068】
さらに、開口部105の後壁127は、平行部124の剛性の向上に寄与し、横骨部123の後方に形成される最後部壁128も、平行部124及び左右の拡大部125,125の剛性の向上に寄与している。すなわち、左右の補強壁(開口部左右壁)126,126、後壁127及び最後部壁128は、横骨部123の構成部分とみることもできる。
【0069】
図15及び図16に示されたように、フードフレーム16には、先にも述べたように、車幅方向中央位置に開口部105の車両前後方向に掛け渡される第1連結片111を有し、第1連結片111に、左右の折れ点104,104の仮想連結線L1上に第1折れビード121を備える。
【0070】
第1連結片111は、開口部105が左右に長いので折り曲げ成形時に成形歪みが生じるのを防止する効果とフードフレーム16の形状を保持する効果とを有する。第1連結片111は、フードフレーム16を補強する効果はほとんどない。すなわち、前突座屈時と上方荷重入力時に影響を与えないよう左右の折れ点104,104を結ぶ仮想連結線L1上に第1折れビード121を有しているからである。
【0071】
また、図15及び図17に示されたように、フードフレーム16には、左右の切り欠き116,116の上部近傍に開口部105の車両前後方向に掛け渡される第2連結片112,112を有し、第2連結片112,112に、左右の折れ点104,104の仮想連結線L1上に第2折れビード122,122を備える。
【0072】
第2連結片112,112は、フードフレーム16の形状を保持する効果と周辺のマスチックシーラーの剥がれを防止する効果を有する。フードフレーム16を補強する効果はほとんどない。すなわち、前突座屈時と上方荷重入力時に影響を与えないよう左右の折れ点104,104を結ぶ仮想連結線L1上に第2折れビード122,122を有しているからである。
【0073】
図11〜図15に示されたように、左右の側部開口114,114は、縦壁部106を切り欠くとともに左右の側部開口114,114と連通された左右の切り欠き116,116が形成されている。すなわち、縦壁部106は、車幅方向左右に切り欠き116,116を備えたものということができる。
縦壁部106のフードスキン15側の端部(上部)106aは、車幅方向に直線状をなしている。
【0074】
縦壁部106は、開口部105の前方に且つ車幅方向に、延在し車両斜め後方に立設している。前突時の座屈を促す効果に加え、上方からの荷重入力時に後方に倒れることで適切な歩行者保護を実現する。上端部が仮想連結線L1に沿って直線状に設定されており、左右の切り欠き116,116も相まって倒れやすくなっている。第1連結片111及び第2連結片112,112は一定の長さがあり、且つ縦壁部106の変形を許容する第1折れビード121及び第2折れビード122,122を備えるので、縦壁部106の後倒れには影響しない。
【0075】
図20(a)〜(d)に、車両用フード17の車幅方向中央且つ前方位置における上方衝突解析結果が示される。なお、tの単位は秒である。
(a)に初期状態の車体11が示される(t=0)。
車両用フード17に、テスト球129を矢印c1の如く当てる。
【0076】
(b)t=5経過後の車体11の状態が示される。t=5でフードスキン15とフードフレーム16が当接し、フードフレーム16は矢印c2の如く略平行に押される。
縦壁部106の端部(上部)106aは、車幅方向に関しては第1連結片111(図12参照)の近傍でフードスキン15とフードフレーム16が離れ、縦壁部106は矢印c3の如く後方に倒れる。
【0077】
(c)t=8経過後の車体11の状態が示される。t=8でもフードフレーム16が押され続け、これに追従して縦壁部106が矢印c4の如く倒れ続ける。
【0078】
(d)t=13経過後の車体11の状態が示される。さらに、フードフレーム16が押され続け、荷重吸収が促進される。
【0079】
図21(a)〜(d)に、車両用フード17の車幅方向中央且つフード中央位置における上方衝突解析結果が示される。なお、tの単位は秒である。
(a)に初期状態の車体11が示される(t=0)。
車両用フード17に、テスト球129を矢印d1の如く当てる。
【0080】
(b)t=5経過後の車体11の状態が示される。t=5でフードスキン15とフードフレーム16が当接し、フードフレーム16は矢印d2の如く車体後方且つ斜め下方に向けて略平行に押される。
縦壁部106(図21(a)参照)の車幅方向左右に切り欠き116,116(図12参照)を設けているので縦壁部106が荷重吸収を阻害することなく、縦壁部106は後方に倒れることができる。
【0081】
(c)t=8経過後の車体11の状態が示される。t=8でもフードフレーム16が押され続け、縦壁部106(図12参照)の端部(上部)106aにテスト球129が達しても第1連結片111(図12参照)が荷重吸収に影響を与えないため、車両用フード17による適切な荷重吸収が実現できる。
【0082】
(d)t=11経過後の車体11の状態が示される。さらに、フードフレーム16が押され続け、荷重吸収が促進される。
【0083】
図11〜図15及び図19に示されたように、車両用フード17では、意匠面を形成するフードスキン15と、フードスキン15の裏面15aに設けられるフードフレーム16とからなり、車体11に対し左右のヒンジ91,91によって開閉可能に取付けられる。
フードフレーム16が、開口部105の車体前方に設けられ、フードスキン15に向かって後傾して延出している縦壁部106を備え、車幅方向左右に切り欠き116,116を備えているので、前突時の座屈を促す効果に加え、上方からの荷重入力時に後方に倒れることができ、適切な荷重吸収を実現することができる。
【0084】
左右の折れ点104,104が左右の補強ビーム部103,103上に、且つフードフレーム16の先端16aとヒンジ取付部101の後端101bとの中点に設けられ、開口部105が左右の折れ点104,104の仮想連結線L1上に設けられているので、前突時に車両用フード17を上方にく字状に座屈させることができる。これにより、前突時に衝撃荷重を吸収することができるとともに、車室12(図1参照)内への車両用フード17の飛び込みを防止することができる。
【0085】
車両用フード17では、縦壁部106のフードスキン15側の端部が直線状をなしているので、前突時の座屈を促す効果に加え、さらに、上方からの荷重入力時に後方に倒れることができ、適切な荷重吸収を実現することができる。
【0086】
具体的には、縦壁部106のフードスキン15側の端部はシーラー(マスチックシーラー;アサヒゴム株式会社の商品名)が所定の間隔で塗付されフードスキン15と接着されており、同端部を直線状とすることで、上方からの荷重入力時にフードスキン15に均等に押されて、後倒れが阻害されることなく適切に行われる。
【0087】
図11〜図15及び図18に示されたように、車両用フード17では、フードフレーム16に、切り欠き116,116の先端近傍に補強ビード117,117を設けたので、必要以上にフード剛性が低下することを抑制することができる。
【0088】
図11〜図15及び図16に示されたように、車両用フード17では、フードフレーム16に、車幅方向中央位置に開口部105の車両前後方向に掛け渡される第1連結片111を有し、第1連結片111に、左右の折れ点104,104の仮想連結線L1上に第1折れビード121を備える。
【0089】
すなわち、第1連結片111が車幅方向中央位置に開口部105の車両前後方向に掛け渡されているので、例えば、左右に長い開口部105を有していても、折り曲げ成形時に成形歪みが生じるのを防止することができる。この結果、良好にフードフレーム16の形状を保持することができる。
なお、仮想連結線L1上に第1折れビード121を有しており、前突座屈時と上方荷重入力時に影響を与えないように配慮されている。
【0090】
図11〜図15及び図17に示されたように、車両用フード17では、フードフレーム16に、左右の切り欠き116,116の上部近傍に開口部105の車両前後方向に掛け渡される第2連結片112,112を有し、第2連結片112,112に、左右の折れ点104,104の仮想連結線L1上に第2折れビード122,122を備える。
【0091】
すなわち、第2連結片112,112が左右の切り欠き116,116の上部近傍に開口部105の車両前後方向に掛け渡されているので、フードフレーム16の形状を保持する効果と周辺のマスチックシーラーの剥がれを防止する効果を有する。
なお、仮想連結線L1上に第2折れビード122,122を有しており、前突座屈時と上方荷重入力時に影響を与えないように配慮されている。
【0092】
尚、本発明に係る車両用フードは、図11に示すように、車体前後長が短い形状のフードであったが、車体前後長が確保されたフードに採用することを妨げるものではない。
【0093】
本発明に係る車両用フードでは、明細書中「車両用フード前端17a」及び「フードフレーム16の先端16a」と記載した箇所があるが、これらの位置は同位置である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明に係る車両用フードは、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適であり、特に車両用フードの車体前後長が短い軽自動車に採用するのには最適である。
【符号の説明】
【0095】
11…車体、15…フードスキン、15a…フードスキンの裏面、16…フードフレーム、16a…フードフレームの先端、17…車両用フード、91…左右のヒンジ、101…左右のヒンジ取付部、101b…ヒンジ取付部の後端、103…左右の補強ビーム部、
104…折れ点、105…開口部、106…縦壁部、111…第1連結片、112…第2連結片、116…切り欠き、117…補強ビード、121…第1折れビード、122…第2折れビード。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
意匠面を形成するフードスキンと、該フードスキンの裏面に設けられるフードフレームとからなり、車体に対し左右のヒンジによって開閉可能に取付けられた車両用フードにおいて、
前記フードフレームは、該フードフレームの開閉基端側に設けられ前記左右のヒンジを取付ける左右のヒンジ取付部と、前記左右のヒンジ取付部から前記フードフレームの先端に向かって延出した左右の補強ビーム部と、前記左右の補強ビーム部上に、且つ前記フードフレームの先端と前記ヒンジ取付部の後端との中点に設けられる左右の折れ点と、前記左の補強ビーム部と前記右の補強ビーム部との間に渡って前記左右の折れ点の仮想連結線上に設けられた開口部と、前記開口部の車体前方に設けられ、前記フードスキンに向かって後傾して延出している縦壁部と、からなり、
前記縦壁部は、車幅方向左右に切り欠きを備えたことを特徴とする車両用フード。
【請求項2】
前記縦壁部は、前記フードスキン側の端部が直線状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の車両用フード。
【請求項3】
前記フードフレームは、前記切り欠きの先端近傍に補強ビードを設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の車両用フード。
【請求項4】
前記フードフレームは、車幅方向中央位置に前記開口部の車両前後方向に掛け渡される第1連結片を有し、
前記第1連結片は、前記左右の折れ点の仮想連結線上に第1折れビードを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用フード。
【請求項5】
前記フードフレームは、前記左右の切り欠きの上部近傍に前記開口部の車両前後方向に掛け渡される第2連結片を有し、
前記第2連結片は、前記左右の折れ点の仮想連結線上に第2折れビードを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用フード。
【請求項1】
意匠面を形成するフードスキンと、該フードスキンの裏面に設けられるフードフレームとからなり、車体に対し左右のヒンジによって開閉可能に取付けられた車両用フードにおいて、
前記フードフレームは、該フードフレームの開閉基端側に設けられ前記左右のヒンジを取付ける左右のヒンジ取付部と、前記左右のヒンジ取付部から前記フードフレームの先端に向かって延出した左右の補強ビーム部と、前記左右の補強ビーム部上に、且つ前記フードフレームの先端と前記ヒンジ取付部の後端との中点に設けられる左右の折れ点と、前記左の補強ビーム部と前記右の補強ビーム部との間に渡って前記左右の折れ点の仮想連結線上に設けられた開口部と、前記開口部の車体前方に設けられ、前記フードスキンに向かって後傾して延出している縦壁部と、からなり、
前記縦壁部は、車幅方向左右に切り欠きを備えたことを特徴とする車両用フード。
【請求項2】
前記縦壁部は、前記フードスキン側の端部が直線状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の車両用フード。
【請求項3】
前記フードフレームは、前記切り欠きの先端近傍に補強ビードを設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の車両用フード。
【請求項4】
前記フードフレームは、車幅方向中央位置に前記開口部の車両前後方向に掛け渡される第1連結片を有し、
前記第1連結片は、前記左右の折れ点の仮想連結線上に第1折れビードを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用フード。
【請求項5】
前記フードフレームは、前記左右の切り欠きの上部近傍に前記開口部の車両前後方向に掛け渡される第2連結片を有し、
前記第2連結片は、前記左右の折れ点の仮想連結線上に第2折れビードを備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車両用フード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2013−43471(P2013−43471A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180519(P2011−180519)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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