説明

車両用ブレーキ装置

【課題】前輪ブレーキ操作子の操作によって第1ブレーキディスクを押圧する複数の第1シリンダを有する第1ディスクブレーキと、前輪ブレーキ操作子の操作によって第2ブレーキディスクを押圧する第2シリンダならびに後輪ブレーキ操作子の操作によって第2ブレーキディスクを押圧する第3シリンダを有する第2ディスクブレーキとを備える車両用ブレーキ装置において、第1および第2ブレーキパッドの摩耗の度合いを同程度としつつ、偏摩耗が生じ難いようにする。
【解決手段】第2シリンダ27のシリンダ径2R2が第1シリンダ15のシリンダ径2R1よりも大きく設定され、第2ブレーキパッド25のライニングの初期厚みD2が第1ブレーキパッド14のライニングの初期厚D1みよりも大きく設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前輪ブレーキ操作子と、後輪ブレーキ操作子と、前記前輪ブレーキ操作子の操作によって第1ブレーキパッドを介して第1ブレーキディスクを押圧する複数の第1シリンダを有する第1ディスクブレーキと、前記前輪ブレーキ操作子の操作によって第2ブレーキパッドを介して第2ブレーキディスクを押圧する第2シリンダならびに前記後輪ブレーキ操作子の操作によって第2ブレーキパッドとは別部材である第3ブレーキパッドを介して第2ブレーキディスクを押圧する第3シリンダを有する第2ディスクブレーキとを備える車両用ブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前輪に第1および第2ディスクブレーキが装着されており、ブレーキレバーの操作時には、第1ディスクブレーキが備える一対の第1シリンダが第1ブレーキパッドを介して第1ブレーキディスクを押圧するとともに第2ディスクブレーキが備える第2シリンダが第2ブレーキパッドを介して第2ブレーキディスクを押圧し、ブレーキペダルの操作時には、後輪に装着されたディスクブレーキが作動するとともに第2ディスクブレーキが備える第3シリンダが第3ブレーキパッドを介して第2ブレーキディスクを押圧するようにした自動二輪車用のブレーキ装置が、特許文献1で知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4480620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1で開示されるものでは、第2ブレーキパッドを押圧する第2シリンダのシリンダ径を、第1ブレーキパッドを押圧する一対の第1シリンダのシリンダ径よりも大きくすることで、第1および第2ブレーキパッドの摩耗の度合いをほぼ同一とし、ブレーキパッドの交換時期をほぼ同じとすることで、ブレーキパッドの交換効率の向上を図っている。
【0005】
しかるに上記特許文献1で開示されるブレーキ装置は、ブレーキペダルの操作によって後輪および前輪を制動するようにした連動ブレーキ装置であり、ブレーキペダルの操作によって第3シリンダが第2ブレーキパッドを介して第2ブレーキディスクを押圧するように構成されており、このような連動ブレーキ装置では、第3シリンダの使用頻度によっては第2ブレーキパッドに偏摩耗が生じる可能性がある。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、第1および第2ブレーキパッドの摩耗の度合いを同程度としつつ、偏摩耗が生じ難いようにした車両用ブレーキ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、前輪ブレーキ操作子と、後輪ブレーキ操作子と、前記前輪ブレーキ操作子の操作によって第1ブレーキパッドを介して第1ブレーキディスクを押圧する複数の第1シリンダを有する第1ディスクブレーキと、前記前輪ブレーキ操作子の操作によって第2ブレーキパッドを介して第2ブレーキディスクを押圧する第2シリンダならびに前記後輪ブレーキ操作子の操作によって第2ブレーキパッドとは別部材である第3ブレーキパッドを介して第2ブレーキディスクを押圧する第3シリンダを有する第2ディスクブレーキとを備える車両用ブレーキ装置において、第2シリンダのシリンダ径が第1シリンダのシリンダ径よりも大きく設定され、第2ブレーキパッドのライニングの初期の厚みが第1ブレーキパッドのライニングの初期の厚みよりも大きく設定されることを第1の特徴とする。
【0008】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、第2ブレーキパッドのライニングの初期の厚みをD2、第1ブレーキパッドのライニングの初期の厚みをD1としたときに、D2:D1が1:0.9〜0.5に設定されることを第2の特徴とする。
【0009】
本発明は、第2の特徴の構成に加えて、第1シリンダの内半径をR1、第3シリンダの内半径をR3とし、第3ブレーキパッドのライニングの初期の厚みをD3、第1ブレーキパッドのライニングの初期の厚みをD1としたときに、R1:R3が1:0.4〜0.9に設定されるとともに、D3<D1に設定されることを第3の特徴とする。
【0010】
本発明は、第3の特徴の構成に加えて、D1:D3が1:0.9〜0.4に設定されることを第4の特徴とする。
【0011】
さらに本発明は、第1または2の特徴の構成に加えて、第2ブレーキパッドおよび第3ブレーキパッドが共用部品であることを第5の特徴とする。
【0012】
実施の形態のブレーキレバー5が本発明の前輪ブレーキ操作子に対応し、実施の形態のブレーキペダル8が本発明の後輪ブレーキ操作子に対応する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の特徴によれば、第2シリンダのシリンダ径が第1シリンダのシリンダ径よりも大きく設定され、第2ブレーキパッドのライニングの初期の厚みが第1ブレーキパッドのライニングの初期の厚みよりも大きく設定されるので、第1および第2ブレーキパッドの摩耗の度合いをほぼ同一とし、ブレーキパッドの交換時期をほぼ同じとしてブレーキパッドの交換効率の向上を図ることができる。しかも第2および第3ブレーキパッドが別部材であるので、偏摩耗が生じ難くなる。
【0014】
また本発明の第2の特徴によれば、第2ブレーキパッドのライニングの初期の厚みD2を、第1ブレーキパッドのライニングの初期の厚みD1に対して、D2:D1が1:0.9〜0.5となるようにすることで、第1および第2ブレーキパッドの交換タイミングをより近づけることができる。
【0015】
本発明の第3の特徴によれば、第1シリンダの内半径R1および第3シリンダの内半径R3を、R1:R3=1:0.4〜0.9と設定し、第3ブレーキパッドのライニングの初期の厚みD3および第1ブレーキパッドのライニングの初期の厚みD1を、D3<D1と設定することで、後輪ブレーキ操作子の操作によって第3シリンダで第2ブレーキディスク側に押圧される第3ブレーキパッドの交換タイミングを、第1および第2ブレーキパッドと同程度とすることができる。
【0016】
本発明の第4の特徴によれば、D1:D3=1:0.9〜0.4とすることで、第3ブレーキパッドの交換タイミングを、第1および第2ブレーキパッドの交換時期により近づけることができる。
【0017】
さらに本発明の第5の特徴によれば、第2および第3ブレーキパッドを共用部品とすることで汎用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態を自動二輪車用ブレーキ装置の構成を示す図である。
【図2】前輪用第1ディスクブレーキを示す縦断面図である。
【図3】前輪用第2ディスクブレーキを示す縦断面図であって図4の3−3線に沿う断面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】第2の実施の形態の図4に対応した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0020】
本発明の第1の実施の形態について図1〜図4を参照しながら説明すると、先ず図1において、自動二輪車が備えるブレーキ装置は、前輪ブレーキ操作子であるブレーキレバー5の操作に応じて作動する前輪用第1ディスクブレーキ6と、前記ブレーキレバー5の操作に応じて作動するとともに後輪ブレーキ操作子であるブレーキペダル8の操作に応じても作動する前輪用第2ディスクブレーキ7と、前記ブレーキペダル8の操作に応じて作動する後輪用ディスクブレーキ9とを備える。前輪用第1ディスクブレーキ6および前輪用第2ディスクブレーキ7は、図示しない前輪の左右両側に分かれて配設され、後輪用ディスクブレーキ9は、図示しない後輪の左右いずれか一側に配設される。
【0021】
前記ブレーキレバー5は、自動二輪車の乗員の手動操作に応じて回動するようにしてバー状の操向ハンドル10の端部に回動可能に取付けられており、このブレーキレバー5の回動操作量に応じた液圧が第1マスタシリンダ11から出力される。また前記ブレーキペダル8は、自動二輪車の乗員の踏み込み操作に応じて回動するようにして図示しない車体フレームに回動可能に取付けられており、このブレーキペダル8の回動操作量に応じた液圧が第2マスタシリンダ12から出力される。
【0022】
前輪用第1ディスクブレーキ6は、前記前輪とともに回転する第1ブレーキディスク13と、第1ブレーキディスク13の両側に配置される一対の第1ブレーキパッド14,14と、前記ブレーキレバー5の操作によって第1マスタシリンダ11から出力される液圧に応じて作動することで第1ブレーキパッド14…を介して第1ブレーキディスク13を押圧する複数たとえば4個の第1シリンダ15,15…を有する第1キャリパ16とを備える。
【0023】
図2を併せて参照して、第1キャリパ16は、第1ブレーキディスク13を跨ぐように形成される。また第1シリンダ15,15…は、第1ブレーキディスク13側に向けて開口して第1キャリパ16に設けられる有底の第1シリンダ孔17,17…に第1キャリパ16との間に第1液圧室19,19…を形成する第1ピストン18,18…がそれぞれ摺動可能に嵌合されて成るものであり、第1ブレーキディスク13の片側に一対ずつ合計4個の第1シリンダ15,15…が第1キャリパ16に配設される。また第1液圧室19,19…には、前記ブレーキレバー5の操作によって作動する第1マスタシリンダ11が並列に接続される。
【0024】
第1ブレーキパッド14は、第1ブレーキディスク13の周方向に並ぶ一対の第1シリンダ15,15に共通な金属製の裏板20と、第1シリンダ15…に個別に対応して前記裏板20に設けられるライニング21,21とから成るものであり、第1シリンダ15,15…は、第1ブレーキディスク13の両側にそれぞれ配置される第1ブレーキパッド14,14を介して第1ブレーキディスク13を押圧することになる。
【0025】
前輪用第2ディスクブレーキ7は、前記前輪とともに回転する第2ブレーキディスク24と、第2ブレーキディスク24の両側に一対ずつ配置される第2ブレーキパッド25,25および第3ブレーキパッド26A,26Aと、前記ブレーキレバー5の操作によって第1マスタシリンダ11から出力される液圧に応じて作動することで第2ブレーキパッド25…を介して第1ブレーキディスク13を押圧する一対の第2シリンダ27,27ならびに前記ブレーキペダル8の操作によって第2マスタシリンダ12から出力される液圧に応じて作動することで第3ブレーキパッド26A…を介して第2ブレーキディスク24を押圧する一対の第3シリンダ28,28を有する第2キャリパ29とを備える。
【0026】
図3および図4を併せて参照して、第2キャリパ29は、第2ブレーキディスク24を跨ぐように形成される。また第2シリンダ27…は、第2ブレーキディスク24側に向けて開口して第2キャリパ29に設けられる有底の第2シリンダ孔30,30に第2キャリパ29との間に第2液圧室32,32を形成する第2ピストン31,31がそれぞれ摺動可能に嵌合されて成るものであり、第3シリンダ28…は、第2ブレーキディスク24側に向けて開口して第2キャリパ29に設けられる有底の第3シリンダ孔33,33に第2キャリパ29との間に第3液圧室35,35を形成する第3ピストン34,34がそれぞれ摺動可能に嵌合されて成るものである。而して、一対の第2シリンダ27…が第2ブレーキディスク24の両側に配置され、一対の第3シリンダ28…が、第2シリンダ27…とは第2ブレーキディスク24の周方向にずれた位置で第2ブレーキディスク24の両側に配置される。
【0027】
第2ブレーキパッド25…は、金属製の裏板36,36と、ライニング37,37とから成るものであり、第2シリンダ27…の第2ピストン31…および第2ブレーキディスク24間にそれぞれ介装される。また第3ブレーキパッド26A…は、第2ブレーキパッド25…とは別部材のものであり、金属製の裏板38,38と、ライニング39,39とから成り、第3シリンダ28…の第3ピストン34…および第2ブレーキディスク24間にそれぞれ介装される。
【0028】
また第2シリンダ27…の第2液圧室32…には、前記ブレーキレバー5の操作によって作動する第1マスタシリンダ11が並列に接続され、第3シリンダ28…の第3液圧室35…には、前記ブレーキペダル8の操作によって作動する第2マスタシリンダ12が遅延弁40(図1参照)を介して並列に接続される。
【0029】
再び図1において、後輪用ディスクブレーキ9は、後輪とともに回転する第3ブレーキディスク41と、第3ブレーキディスク41の両側に配置される一対の第4ブレーキパッド42,42と、前記ブレーキペダル8の操作によって第2マスタシリンダ12から出力される液圧に応じて作動することで第3ブレーキパッド42…を介して第3ブレーキディスク41を押圧する複数たとえば4個の第4シリンダ43,43…を有する第3キャリパ44とを備え、第4シリンダ43,43…には、第2マスタシリンダ12が比例減圧弁45を介して並列に接続される。
【0030】
本発明に従えば、前輪用第2ディスクブレーキ7における第2シリンダ27…のシリンダ径(2×R2)が前輪用第1ディスクブレーキ6における第1シリンダ15…のシリンダ径(2×R1)よりも大きく設定され、第2ブレーキパッド25…のライニング37…の初期の厚みD2が第1ブレーキパッド14…のライニング21…の初期の厚みD1よりも大きく設定される。すなわち第1シリンダ15…の内半径をR1、第2シリンダ27…の内半径をR2としたときに、R2>R1であり、第2ブレーキパッド25…のライニング37…の初期の厚みをD2、第1ブレーキパッド14…のライニング21…の初期の厚みをD1としたときに、D2>D1であり、望ましくはD2:D1が1:(0.9〜0.5)に設定される。
【0031】
また第1シリンダ15…の内半径をR1、第3シリンダ28…の内半径をR3とし、第3ブレーキパッド26…のライニング39…の初期の厚みをD3としたときに、R1:R3が1:(0.4〜0.9)に設定されるとともに、D3<D1に設定され、望ましくはD1:D3が1:(0.9〜0.4)に設定される。
【0032】
次にこの第1の実施の形態の作用について説明すると、ブレーキレバー5の操作によって第1ブレーキパッド14…を介して第1ブレーキディスク13を押圧する複数(この実施の形態では4個)の第1シリンダ15…を有する前輪用第1ディスクブレーキ6と、前記ブレーキレバー5の操作によって第2ブレーキパッド25…を介して第2ブレーキディスク24を押圧する一対の第2シリンダ27…ならびにブレーキペダル8の操作によって第2ブレーキパッド25…とは別部材である第3ブレーキパッド26A…を介して第2ブレーキディスク24を押圧する一対の第3シリンダ28…を有する前輪用第2ディスクブレーキ7とが前輪の両側に配置されており、第2シリンダ27…のシリンダ径が第1シリンダ15…のシリンダ径よりも大きく設定され、第2ブレーキパッド25…のライニング37…の初期の厚みD2が第1ブレーキパッド14…のライニング21…の初期の厚みD1よりも大きく設定されるので、第1および第2ブレーキパッド14…,25…のライニング21…,37…の摩耗の度合いをほぼ同一とし、第1および第2ブレーキパッド14…,25…の交換時期をほぼ同じとしてブレーキパッドの交換効率の向上を図ることができる。しかも第2および第3ブレーキパッド25…,26A…が別部材であるので、偏摩耗が生じ難くなる。
【0033】
また第2ブレーキパッド25…のライニング37…の初期の厚みをD2、第1ブレーキパッド14…のライニング21…の初期の厚みをD1としたときに、D2:D1が1:0.9〜0.5に設定されることにより、第1および第2ブレーキパッド14…,25…の交換タイミングをより近づけることができることを、本願の発明者が実験によって確認している。
【0034】
また第1シリンダ15…の内半径をR1、第3シリンダ28…の内半径をR3とし、第3ブレーキパッド26…のライニング39…の初期の厚みをD3、第1ブレーキパッド14…のライニング21…の初期の厚みをD1としたときに、R1:R3が1:0.4〜0.9に設定されるとともに、D3<D1に設定されるので、ブレーキペダル8の操作によって第3シリンダ28…で第2ブレーキディスク24側に押圧される第3ブレーキパッド26A…の交換タイミングを、第1および第2ブレーキパッド14…,25…と同程度とすることができる。
【0035】
さらにD1:D3=1:0.9〜0.4とすることで、第3ブレーキパッド26A…の交換タイミングを、第1および第2ブレーキパッド14…,25…の交換時期により近づけることができることを本願発明者が実験によって確認している。
【0036】
本発明の第2の実施の形態として、図5で示すように、前輪用第2ディスクブレーキ7において、第3シリンダ28…の第3ピストン34…および第2ブレーキディスク24間にそれぞれ介装される第3ブレーキパッド26B…が、第2シリンダ27…の第2ピストン31…および第2ブレーキディスク24間にそれぞれ介装される第2ブレーキパッド25…との共用部品である。すなわち第3ブレーキパッド26B…は、第2ブレーキパッド25…と同様に、金属製の裏板36…と、ライニング37…とから成る。
【0037】
この第2の実施の形態によれば、第2および第3ブレーキパッド25,26Bを共用部品とすることで汎用性が向上する。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0039】
たとえば本発明は、自動二輪車以外の三輪車等の小型車両にも適用可能である。
【符号の説明】
【0040】
5・・・前輪ブレーキ操作子であるブレーキレバー
8・・・後輪ブレーキ操作子であるブレーキペダル
13・・・第1ブレーキディスク
14・・・第1ブレーキパッド
15・・・第1シリンダ
16・・・第1キャリパ
21,37,39・・・ライニング
24・・・第2ブレーキディスク
25・・・第2ブレーキパッド
26A,26B・・・第3ブレーキパッド
27・・・第2シリンダ
28・・・第3シリンダ
29・・・第2キャリパ
2R1・・・第1シリンダのシリンダ径
2R2・・・第2シリンダのシリンダ径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪ブレーキ操作子(5)と、後輪ブレーキ操作子(8)と、前記前輪ブレーキ操作子(5)の操作によって第1ブレーキパッド(14)を介して第1ブレーキディスク(13)を押圧する複数の第1シリンダ(15)を有する第1キャリパ(16)と、前記前輪ブレーキ操作子(5)の操作によって第2ブレーキパッド(25)を介して第2ブレーキディスク(24)を押圧する第2シリンダ(27)ならびに前記後輪ブレーキ操作子(8)の操作によって第2ブレーキパッド(25)とは別部材である第3ブレーキパッド(26A,26B)を介して第2ブレーキディスク(24)を押圧する第3シリンダ(28)を有する第2キャリパ(29)とを備える車両用ブレーキ装置において、第2シリンダ(27)のシリンダ径(2R2)が第1シリンダ(15)のシリンダ径(2R1)よりも大きく設定され、第2ブレーキパッド(25)のライニング(37)の初期の厚み(D2)が第1ブレーキパッド(14)のライニング(21)の初期の厚み(D1)よりも大きく設定されることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
【請求項2】
第2ブレーキパッド(25)のライニング(37)の初期の厚みをD2、第1ブレーキパッド(14)のライニング(21)の初期の厚みをD1としたときにD2:D1が1:0.9〜0.5に設定されることを特徴とする請求項1記載の車両用ブレーキ装置。
【請求項3】
第1シリンダ(15)の内半径をR1、第3シリンダ(28)の内半径をR3とし、第3ブレーキパッド(26A,26B)のライニング(39)の初期の厚みをD3、第1ブレーキパッド(14)のライニング(21)の初期の厚みをD1としたときに、R1:R3が1:0.4〜0.9に設定されるとともに、D3<D1に設定されることを特徴とする請求項2記載の車両用ブレーキ装置。
【請求項4】
D1:D3が1:0.9〜0.4に設定されることを特徴とする請求項3記載の車両用ブレーキ装置。
【請求項5】
第2ブレーキパッド(25)および第3ブレーキパッド(26B)が共用部品であることを特徴とする請求項1または2記載の車両用ブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−197021(P2012−197021A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62214(P2011−62214)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】