車両用周辺監視装置
【課題】移動体検出のための画像処理負荷を効率的に低減しつつ誤検知を低減する車両用周辺監視装置を提供する。
【解決手段】移動体検出部は、ソナーが障害物を検出していないときの近接領域Aの輝度(路面の輝度と推定)と、遠方領域B、Cの輝度とを比較し、輝度の差が小さい遠方領域B、C(路面と推定)での前記移動体の検知感度を高くし、輝度の差が大きい遠方領域B、C(路面だけではない。)での前記移動体の検知感度を低くするようにしたので、移動体検出のための画像処理負荷を効率的に低減しつつ誤検知を低減することができる。
【解決手段】移動体検出部は、ソナーが障害物を検出していないときの近接領域Aの輝度(路面の輝度と推定)と、遠方領域B、Cの輝度とを比較し、輝度の差が小さい遠方領域B、C(路面と推定)での前記移動体の検知感度を高くし、輝度の差が大きい遠方領域B、C(路面だけではない。)での前記移動体の検知感度を低くするようにしたので、移動体検出のための画像処理負荷を効率的に低減しつつ誤検知を低減することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に搭載された撮像部により取得された画像を用いて、前記車両の周辺を監視する車両用周辺監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両に搭載されたカメラにより取得された画像を用いて、前記車両の周辺を監視する周辺監視装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に係る周辺監視装置には、カメラの撮像画像中、運転者の死角領域での移動体の検出感度を高く設定し、残りの領域での移動体の検出感度を低く設定することで、画像処理負荷量を低減する技術が記載されている。
【0004】
しかし、撮像画像中、運転者の死角領域には、壁など道路ではない部分が存在する場合があり、その道路ではない部分で移動体の検出感度を高く設定すると、その分、画像処理負荷量が増大するので、特許文献1に係る技術は改良の余地がある。
【0005】
特許文献2に係る道路領域判定装置には、自車両の直前の画像領域の輝度を道路領域の輝度とみなし、他の領域の輝度とを比較し、他の領域が路面領域であるか否か判定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−303095号公報([要約]、[0018])
【特許文献2】特開2000−306097号公報([要約])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に係る道路領域判定装置では、自車両の直前の画像領域を、常に路面領域とみなしているので、仮に、自車両の直前に立体物が存在する場合には、他の領域が路面領域であるか否かを正確に判定することが不可能となり、この特許文献2に係る技術においても改良の余地がある。
【0008】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、確実に路面(道路の表面)領域を検出して、移動体検出のための画像処理負荷を効率的に低減しつつ誤検知を低減することを可能とする車両用周辺監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る車両用周辺監視装置は、車両に搭載され、前記車両周辺の近接領域の障害物を検出する超音波センサと、車両に搭載され、前記車両周辺の撮像画像を取得する撮像部と、前記撮像画像に基づき、前記車両周辺の遠方領域の移動体を検出する移動体検出部と、前記撮像画像を表示する表示部と、前記超音波センサ、又は、前記移動体検出部にて検出した前記障害物、又は、前記移動体を前記車両の運転者に通知する通知部と、からなる車両用周辺監視装置であって、
前記移動体検出部は、前記超音波センサが障害物を検出していないときの前記近接領域の輝度と、前記遠方領域の輝度とを比較し、輝度の差が小さい遠方領域での前記移動体の検知感度を高くし、輝度の差が大きい遠方領域での前記移動体の検知感度を低くすることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、車両周辺の近接領域の障害物を検出する超音波センサが障害物を検出していないときの前記近接領域の輝度(すなわち、より確実に路面領域と推定される輝度)と、遠方領域の輝度とを比較し、輝度の差が小さい遠方領域(すなわち、路面領域と推定される領域)での移動体の検知感度を高くし、輝度の差が大きい遠方領域(すなわち、路面領域と推定されない領域)での前記移動体の検知感度を低くするようにしたので、移動体検出のための画像処理負荷を効率的に低減しつつ誤検知を低減することができる。
【0011】
この場合、前記移動体検出部は、前記輝度の差が大きい遠方領域での縦エッジを抽出し、前記縦エッジの面積が小さい場合は、輝度の差が大きい遠方領域での縦エッジの面積と前記輝度の差が大きい遠方領域に隣接する車高方向の領域における縦エッジの面積とを比較し、差が小さい場合は、前記輝度の差が大きい遠方領域において前記移動体の検出を実行しないことを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、輝度の差が大きい遠方領域での縦エッジの面積と前記輝度の差が大きい遠方領域に隣接する車高方向の領域における縦エッジの面積とを比較し、差が小さい場合は、前記輝度の差が大きい遠方領域において前記移動体の検出を実行しないようにしたので、移動体検出の画像処理負荷を低減しつつ誤検知を低減することができる。
【0013】
この場合、前記超音波センサは、前記車両の後方の障害物を検出し、前記撮像部は、前記車両の後方の撮像画像を取得するように設けられることが好ましい。この構成では、車両後退運転時における後方視認支援として有用である。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、車両周辺の近接領域の障害物を検出する超音波センサが障害物を検出していないときの前記近接領域の輝度(より確実に路面領域と推定される輝度)と、遠方領域の輝度とを比較し、輝度の差が小さい遠方領域(路面領域と推定される領域)での移動体の検知感度を高くし、輝度の差が大きい遠方領域(路面領域と推定されない領域)での前記移動体の検知感度を低くするようにしたので、移動体を検出するための画像処理負荷を効率的に低減しつつ誤検知を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この実施形態に係る車両用周辺監視装置が搭載された車両の模式的ブロック図である。
【図2】車両後方のワイドビュー画像(カメラ画像)の例を示す説明図である。
【図3】図3Aは、画面に表示されるガイド線の説明図である。図3Bは、ガイド線位置と車両位置との一例の対応説明図である。
【図4】車両後方のワイドビュー画像中、路面推定処理を実施する領域の説明図である。
【図5】移動体を検出するフレーム間差分処理の説明図である。
【図6】路面推定処理の説明に供されるフローチャート(1/2)である。
【図7】路面推定処理の説明に供されるフローチャート(2/2)である。
【図8】路面とみなした近接領域の輝度に基づき、遠方領域が路面か否かを推定する処理に供される説明図である。
【図9】画像の縦エッジを検出する微分フィルタの例の構成図である。
【図10】図10Aは、他の例のワイドビュー画像の説明図、図10Bは、遠方領域内の画像に対して縦エッジ強調処理を行った縦エッジ強調画像の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、この実施形態に係る車両用周辺監視装置10が搭載された車両11の模式的ブロック図である。
【0018】
車両用周辺監視装置10は、移動体等を撮影する撮像部としてのカメラ(リアカメラ)12と、障害物等を検出する超音波センサ(音波探知部)としてのソナー(バックソナー)14とを備える。
【0019】
この実施形態において、カメラ12は、ミニバン等のテールゲートの外側中央部近傍又はセダン等のトランクの後面側中央部近傍に設けられる。ソナー14は、リアバンパーの両角部に設けられたソナー14cと、リアバンパーの中央部に2個設けられたソナー14mとから構成されている。
【0020】
両角のソナー14cは、車両11の後側方に中心角90゜程度で半径DcがDc=60[cm]程度までの扇形状の破線で示す感知範囲102を有する。中央部の2つのソナー14mは、車両11の後方に長さ方向の長さDdがDd=1.5[m]程度(この実施形態では、Dd=1[m])、幅方向の長さDwがDw=車幅程度までの台形状の破線で示す感知範囲104を有する。車両11の車高方向の感知範囲は、路面から車高程度までの感知範囲を有する。なお、カメラ12の撮影視野範囲については後述する。
【0021】
車両用周辺監視装置10は、マイクロコンピュータを含む計算機としてのECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)として、画像処理ECU16、ナビゲーションECU(ナビECUという。)18、メータECU20、及びソナーECU22を備える。
【0022】
各ECU16、18、20、22は、CPU(中央処理装置)、メモリであるROM(EEPROMも含む。)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、その他、A/D変換器、D/A変換器等の入出力装置、計時部としてのタイマ等を有しており、CPUがROMに記録されているプログラムを読み出し実行することで各種機能実現部(機能実現手段)、たとえば制御部、演算部、及び処理部等として機能する。
【0023】
この実施形態において、画像処理ECU16は、移動体検出部52等として機能する。
【0024】
これらECU16、18、20、22は、CAN(Controller Area Network)等の通信ネットワークに係る通信線24を通じて相互に通信可能に接続されている。
【0025】
メータECU20には、ギアポジションスイッチ28と、図示しないメータ類(計器類)と、警報器及び通知部等として機能するスピーカ34等と、が接続されている。メータECU20は、主に、ダッシュボード上の上記メータ類の表示制御等を司る。
【0026】
カメラ(リアカメラ)12と画像処理ECU16とが接続線33を介して接続され、リアカメラ12で撮像された映像(画像)が、NTSC信号等の映像信号Sv1として接続線33を通じて画像処理ECU16に伝送される。
【0027】
画像処理ECU16には、液晶ディスプレイ等の表示部30が接続されている。なお、表示部30も通知部としても機能する。
【0028】
さらに、車両11の位置検出装置としてのGPS受信機を含むナビECU18から画像処理ECU16に対して地図画像等の画像信号Sqが入力されている。
【0029】
ギアポジションスイッチ28がリア位置(車両11の後退位置であるリバースポジション)に切り替えられたことが、メータECU20により検出され、通信線24を介して、画像処理ECU16に伝達されると、表示部30には、地図画像等が担持された画像信号Sqに優先して、カメラ12の映像信号Sv1に画像処理ECU16でガイド線表示(後述する。)等が重畳処理された映像信号Sv2が供給される。
【0030】
すなわち、ギアポジションスイッチ28がリア位置に切り替えられると、表示部30上には、カメラ(リアカメラ)12により撮像され、ガイド線等が重畳表示された車両11の後方の映像(画像)が優先的にリアルタイムに表示される。
【0031】
ギアポジションスイッチ28の選択位置が後退位置以外の位置に選択されている場合には、表示部30には、ナビECU18に係る地図画面等又はAV(オーディオ・ビジュアル)に係るタイトル画面等が表示される。
【0032】
車両11に取り付けられているカメラ12のレンズとしては、広い視野範囲で撮像が可能な、いわゆる魚眼レンズ等の水平方向で約180゜程度の画角を持つ超広角レンズが装着されている。そのため、カメラ12から出力される映像信号Sv1は、いわゆるワイドビュー画面表示モードに対応した信号となっている。
【0033】
図2は、カメラ12で撮像したワイドビュー(Wide View)画面表示モードで表示部30に表示された例としてのワイドビュー画像(カメラ画像)112を示している。
【0034】
ワイドビュー画面表示モードでの表示視野範囲は、カメラ12の撮影視野範囲に対応し、車両11の背面より後方であって、路面(地面)58を含む両側方水平線64が見える範囲、かつ路面(地面)を含む後方水平線64が見える範囲である。
【0035】
ワイドビュー画像112上には、車両11のバンパー80の撮影画像が固定的に表示されるとともに、ガイド線100の画像と、ソナー14による障害物(移動体含む)の検知が可能であることを示す検知可アイコン120が重畳表示される。
【0036】
このワイドビュー画像112上には、カメラ12により撮像された路面58及び水平線64の他、車両11の方向に向かってきている自動車等の移動体60と、背景62とが表示されている。
【0037】
また、撮像画像に重畳表示されるガイド線100の画像は、図3Aの画像表示と図3Bの実際の状況の各説明図から分かるように、車両11の車幅より若干大きめの車幅ガイド線100a、100bと、トランク開口時ガイド線100c(車種によって異なるが、この例では、車両11の背面より0.5[m]と、約1[m]、約2[m]、約3[m]の各ガイド線100d、100e、100fが半透明の黄色い線で表示される。
【0038】
[移動体検知範囲の説明]
ここで、この実施形態に係る車両用周辺監視装置10での移動体の検知範囲について説明する。移動体の検知範囲は狭い程かつ、検知範囲の検知感度が低い程、画像処理ECU16の負荷量(処理時間等)が低減できることに留意して、後方の検知範囲を決定する。
【0039】
まず、図4のワイドビュー画像(リアワイドビュー画像)112において、バンパ−80の真後ろの撮影領域であって、幅方向の長さDw(図1参照)の範囲で後方1[m]のガイド線100dまでの車両11の近接領域A内は、ソナー14mで、障害物(移動体を含む)を検出する。
【0040】
次に、車両11の真後ろ側であって、近接領域Aより後方(車両11から離れる方向)の領域は、基本的に運転者が確認できる範囲であるので、検知範囲としない。
【0041】
そして、近接領域Aの両側方の撮像範囲であって、車両11の後方50[cm]〜数[m](この実施形態では、約3[m])の遠方領域B、Cの領域を、画像処理ECU16の移動体検出部52による移動体の検知範囲とする。
【0042】
図3では、分かり難いが、遠方領域B、Cの車高方向上方の撮像範囲であって、車高程度までの遠方高領域D、Eの領域は、移動体の検知範囲としないが、後述する一定条件下で、遠方領域B、Cの検知範囲の検知感度(検知しない場合も含む)を決定するために利用される領域である。
【0043】
以上のように、この実施形態において、画像処理ECU16の移動体検出部52によって、移動体を検出する検知範囲は、図4のワイドビュー画像112中、遠方領域B、Cの範囲である。検知範囲を極力絞り込むことにより、処理時間の短縮と誤検知の低減を同時に達成することができる。
【0044】
[フレーム間差分法と検知感度の説明]
遠方領域B、Cでの移動体の検出処理は、この実施形態において、公知のフレーム間差分法を用いて行う。ここで、フレーム間差分法と検知感度について簡略的に説明する。
【0045】
図5は、フレーム間差分法による移動体検出処理の説明図である。シーンイメージは、図5中、左側の平面図に示されるが、図5中、中央部の画像に示すように、車両11のカメラ12で、時刻t0、時刻t0+1(1は、微小時間Δt、ここでは、Δt=1/30秒)、及び時刻t0+2で、3枚のカメラ画像i0、i1、i2を順次得る。
【0046】
カメラ12の模式的に描いた撮像視野範囲92中には、時刻t0において、他車両である移動体90が存在していない(撮像されていない)ことに留意する。時刻t0+1において、カメラ12により移動体90が撮像され、時刻t0+2において、車両(自車両)11に接近する移動体90′がより大きく撮像される。
【0047】
ここでは、理解の便宜のために、3枚のカメラ画像i0、i1、i2において、背景の変化がないものとする。実用上は、車両11の後退速度が5[km/h]以下で、この実施形態に係る移動体検出処理のシステムが動作するように設定しているので、移動体90に対して背景を静止物体とみなすことができる。
【0048】
移動体検出部52は、まず、カメラ画像i0、i1の各画素データの引き算(i01=i1−i0)を行なうことで、背景画像が削除された移動体90の画像(第1差分画像i01)を抽出する。
【0049】
次に、移動体検出部52は、第2差分画像i02を、i02=i2−i1+i01で得る。この場合、カメラ画像i2からカメラ画像i1を差し引くことで(i2−i1)、背景画像を削除して移動体90、90´の画像を残すが、さらに、残った移動体90、90´中、移動体90の画像i01を(i2−i1)+i01として除去することで、第2差分画像i02には、時刻t0+2における移動体90´の画像のみが抽出される。
【0050】
この実施形態において、図5を参照して説明したフレーム間差分法による移動体検出処理は、上述したように、図4中、遠方領域B、Cのみに適用する。適用する際に、遠方領域B、C内の全画素を対象してフレーム間差分処理を行うと、より小さな移動物体を検出することができて、検出感度を高くすることができるが、画像処理負荷が大きくなるので、例えば、それほど小さな移動物体を検出する必要がないと判断した場合(後述する。)には、遠方領域B、C内の全画素中、例えば、画素を間引き、残った画素を対象として処理を行うようにすれば、検出感度が適当な感度とされ、画像処理負荷を小さくすることができる。あるいは、検出感度を低くする場合、特許文献1に開示されているように、遠方領域B、C内をブロック分割し、ブロック内画素の平均値のフレーム間差分を求め、フレーム間差分の絶対値が閾値より大きいブロックを抽出し、抽出したブロックの集合よりなる領域を移動体が映り込まれている領域として検出するようにしてもよい。
【0051】
以上の説明が、この実施形態に係る車両用周辺監視装置10の構成並びに基本的な画像処理についての説明である。
【0052】
次に、図6、図7のフローチャートを参照して、移動体検出部52による、移動体検出処理のより詳細な動作について説明する。
【0053】
ギアポジションスイッチ28の選択位置が後退位置、かつ図示しないソナースイッチがオン状態にされ、さらに、後退時車速が5[km/h]未満であるときに、移動体検出部52による移動体の検出処理が実施される。
【0054】
ステップS1において、参照範囲であるソナ−14(14m)の感知範囲104内で立体物(障害物)が検知されているか否かが判断され、立体物が検知されていない場合、ワイドビュー画像112中、近接領域A{概ね、ソナー14(14m)の感知範囲104と重複している。}は、路面領域であるとみなす。
【0055】
次に、ステップS2において、ワイドビュー画像112中の近接領域Aの平均輝度Iav(みなし路面領域の平均輝度)を、ワイドビュー画像112(カラー画像)のグレイスケール画像から算出する。なお、以下のステップの画像処理は、グレイスケール画像により実施される。
【0056】
次いで、ステップS3において、図8に示すように、遠方領域Bの各画素の輝度が、近接領域Aの平均輝度Iav(路面領域の平均輝度)の±10[%]以内の輝度であるか否かを判定し、以内の輝度である場合に値「1」、それ以外の輝度である場合に値「0」として2値化処理する。なお、グレイスケール画像の階調は、この実施形態では、8ビット(値0〜値255まで)である。
【0057】
次に、ステップS4において、近接領域Aの平均輝度Iav(路面領域の平均輝度)の±10[%]以内の輝度を有する画素(値「1」を有する画素)が閾値面積(閾値画素数)以上であるか否かを判定し、閾値面積以上である場合には、遠方領域Bは、路面であると決定し、ステップS5において、移動体検出部52の検知感度(検出感度)を高くする。そして、ステップS6において、この高い検知感度で、遠方領域Bでの移動体検知処理を行う。
【0058】
上述したステップS3、S4、S4(YES)、S5、S6までの処理は、遠方領域Cでも、略同時に実施される。
【0059】
さらに、ステップS7において、近接領域Aについての移動体検出がソナー14によって実施される。
【0060】
このようにして、近接領域Aは、ソナー14により、みなし路面とされた遠方領域B、Cは、移動体検出部52により高感度、短時間に移動体を検出することができる。また、移動体検出部52による検知範囲を遠方領域B、Cに限定しているので、従来技術に比較して、処理時間(処理負荷)を小さくすることができる。
【0061】
一方、上述したステップS4の、近接領域Aの平均輝度Iav(路面領域の平均輝度)の±10[%]以内の輝度を有する画素が閾値面積以上であるか否かの判定において、閾値面積未満である場合には、遠方領域Bは、路面ではないあるいは路面のみではないとみなし、図7に示す、ステップS8において、その遠方領域Bについて、移動体検知処理をどのように行うかを確定するために、立体物抽出処理(線分面積算出処理)を行う。
【0062】
立体物抽出処理は、立体物のエッジが縦方向に出やすいことに着目し、縦方向のエッジのみを強調することで、例えば、路面に描かれた描画(路面物ともいう。)と立体物を分離することができる。
【0063】
そこで、ステップS8の処理は、ステップS8aの処理とステップS8bの処理により構成され、まず、ステップS8aの処理は、縦エッジ強調処理及び2値化処理を行う。
【0064】
縦エッジ強調処理は、例えば、図9に示す、横方向の微分を行う(横方向の差分を求める)微分フィルタ70を、遠方領域B内の画像に適用することで、画像の縦方向のエッジ線分を求め、ステップS8bで、所定長さ以下のエッジ線分を除去することでノイズを除去し、所定長さ以上のエッジ線分を抽出することができる。
【0065】
図10Aは、縦エッジ強調処理を説明するための他の例のワイドビュー画像112aを示し、図10Bは、そのワイドビュー画像112a中、遠方領域B内の画像に対して微分フィルタ70により縦エッジ強調処理を行った縦エッジ強調画像114を示している。縦エッジ強調画像114には、建築物115の前に駐車中の車両116が含まれている。
【0066】
次いで、ステップS9において、縦エッジ強調画像114中、縦方向の所定長さ以上のエッジ線分の面積(画素面積)が、閾値面積以上であるか否かを判断し、閾値面積以上である場合には、遠方領域Bには、複雑な立体物、例えば、車両(図10B例では、車両116)、植木、又は柵等の静止立体物が存在するものとみなし、ステップS10において、検知感度を低くする。
【0067】
次に、ステップS6において、低くした検知感度で移動体検出部52により図10Aに示したワイドビュー画像112a中の遠方領域Bでの移動体検知処理を実施する。
【0068】
この場合、ステップS9の判定において、静止立体物が存在するものとみなしている遠方領域Bには、新たな移動体が検知される可能性が少なく、低い検知感度で移動体検知処理を実施しても実用上十分である。
【0069】
上述したステップS8、S9、S9(YES)、S10の処理は、遠方領域Bに対応する遠方領域Cにおいても略同時に実施される。
【0070】
次に、上述したステップS9の判定が否定的であるとき、すなわち、遠方領域B内の画像の横方向の微分画像中、縦方向の所定長さ以上のエッジ線分の面積(画素面積)が、閾値面積未満である場合には、遠方領域Bには、単純な立体物、例えば、高い壁や、低いポール等の静止立体物が存在するものとみなし、高い静止立体物であるか否かを判定するために、ステップS11において、遠方領域Bに車高方向で隣接する領域E(遠方領域Cの場合には、領域D)を選択する。
【0071】
そして、ステップS12において、領域Eについて、ステップS8で説明した立体物抽出処理を再び実施する。このステップS12においても、ステップS8aで、縦エッジ強調処理及び2値化処理を行い、ステップS8bで、所定長さ以下のエッジ線分を除去することでノイズを除去し、所定長さ以上のエッジ線分を抽出する。
【0072】
次いで、ステップS13において、ステップS12で求めた領域Eでの縦エッジの線分面積と、ステップS8で求めてある遠方領域Bでの縦エッジの線分面積とを比較し、略等しいか否かを判断する。
【0073】
略等しくない場合には、静止障害物は、低いポール等である判断し、低いポール等であれば、人等の移動体が出てくる可能性を否定できないので、ステップS10にて検知感度を低くして遠方領域Bについて移動体検出部52により移動体の検出処理を実施する。
【0074】
この場合にも、ステップS7において、近接領域Aについてのソナー14による移動体の検出処理を行う。
【0075】
その一方、ステップS13において、ステップS12で求めた領域Eでの縦エッジの線分面積と、ステップS8で求めてある遠方領域Bでの縦エッジの線分面積とが、略等しいと判断したには、静止障害物は、遠方領域Bから領域Eに延びて存在する高い壁等であると判断し、高い壁等であれば、移動体の検出対象物としている車両や人が、その高い壁等から飛び出てくることはないものとみなし、遠方領域Bについては移動体の検出処理を行うことなく、ステップS7で、近接領域Aについてのソナー14による移動体の検出処理を行う(ステップS13:YES→ステップS7)。
【0076】
なお、ステップS6で遠方領域B、Cに移動体検出部52により移動体が検出されたとき、表示部30に前記移動体が表示されるとともに、スピーカ34から検出したことを示す音(音声も含む)が発生され、運転者に通知される。又、ステップS7で、近接領域Aに移動体が検出されたときにも、スピーカ34から検出したことを示す音(音声も含む)が発生されて運転者に通知される。
【0077】
この際、例えば、表示部30中の遠方領域B、C、近接領域Aを、併せてフラッシュ点滅させることで、運転者に通知することもできる。
【0078】
以上説明したように、上述した車両用周辺監視装置10は、車両11に搭載され、前記車両周辺の近接領域Aの障害物(移動体)を検出するソナー14(超音波センサ)と、車両11に搭載され、前記車両周辺の撮像画像を取得するカメラ12(撮像部)と、前記撮像画像に基づき、前記車両周辺の遠方領域B、Cの移動体を検出する移動体検出部52と、前記撮像画像を表示する表示部30と、ソナー14又は移動体検出部52にて検出した前記障害物、又は、前記移動体を車両11の運転者に通知する表示部30(通知部)又はスピーカ34(通知部)と、を備える。
【0079】
移動体検出部52は、ソナー14が障害物を検出していないときの近接領域Aの輝度(路面の輝度と推定)と、遠方領域B、Cの輝度とを比較し、輝度の差が小さい(ステップS4:YES)遠方領域B、C(路面と推定)での前記移動体の検知感度を高くし(ステップS5)、輝度の差が大きい(ステップS4:NO)遠方領域B、C(非路面)での前記移動体の検知感度を低くする(ステップS10)ようにしたので、移動体検出のための画像処理負荷を効率的に低減しつつ誤検知を低減することができる。
【0080】
この場合、移動体検出部52は、前記輝度の差が大きい遠方領域B、Cでの縦エッジを抽出し(ステップS8)、前記縦エッジの面積が小さい場合は(ステップS9:NO)、輝度の差が大きい遠方領域B、Cでの縦エッジの面積と前記輝度の差が大きい遠方領域B、Cに隣接する車高方向の領域E、Dにおける縦エッジの面積とを比較し、差が小さい場合は(ステップS13:YES)、前記輝度の差が大きい遠方領域B、Cにおいて前記移動体の検出を実行しないようにしたので、移動体検出の画像処理負荷を低減しつつ誤検知を低減することができる。
【0081】
ソナー14は、車両11の後方の障害物を検出し、カメラ12は、車両11の後方の撮像画像を取得するように設けられているので、車両後退運転時における後方視認支援として有用である。
【0082】
上述したように、この実施形態では、車両11の後方の路面(近接領域A)の特徴と、側方の路面部分(遠方領域B、C)とを比較し(ステップS4)、明らかに相関がある場合には(ステップS4:YES)、側方の路面部分(遠方領域B、C)を路面とみなして、通常の高感度での移動体検出処理を行う(ステップS5、S6)。その一方、車両11の後方の路面(近接領域A)の特徴と、側方の路面部分(遠方領域B、C)とを比較し(ステップS4)、相関がない場合は、遠方領域B、Cの画像の煩雑さから駐車車両、柵といった複雑な静止障害物(立体物)か、低いポール、高い壁等の単純な静止障害物かを判別する(ステップS9)。複雑な静止障害物(立体物)であれば、遠方領域B、Cについて低感度での移動体検出処理を行う(ステップS10)。単純な静止障害物(立体物)である場合、低いポール等であれば、遠方領域B、Cについて低感度での移動体検出処理を行い(ステップS13:NO、ステップS10)、高い壁等であれば、移動体が出てくる可能性がないので、移動体検出部52により移動体検出処理を行わないようにした(ステップS13:YES)。このため、移動体検出部52による検知範囲を極力絞り込むことによる処理時間の短縮と同時に誤検知の発生を低減することができる。
【0083】
なお、この発明は、上述の実施形態に限らず、車両11の前方(前側方)を撮影するカメラ等の撮像部と前方(前側方)の障害物を検出するソナー等の超音波センサとを設けて、車両11の前方(近接領域)及び前側方(遠方領域)の障害物(移動体)を検出する場合に適用する等、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0084】
10…車両用周辺監視装置 11…車両
12…カメラ(撮像部) 14…ソナー
30…表示部 52…移動体検出部
A…近接領域 B、C…遠方領域
D、E…遠方領域の車高方向の領域
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に搭載された撮像部により取得された画像を用いて、前記車両の周辺を監視する車両用周辺監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両に搭載されたカメラにより取得された画像を用いて、前記車両の周辺を監視する周辺監視装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に係る周辺監視装置には、カメラの撮像画像中、運転者の死角領域での移動体の検出感度を高く設定し、残りの領域での移動体の検出感度を低く設定することで、画像処理負荷量を低減する技術が記載されている。
【0004】
しかし、撮像画像中、運転者の死角領域には、壁など道路ではない部分が存在する場合があり、その道路ではない部分で移動体の検出感度を高く設定すると、その分、画像処理負荷量が増大するので、特許文献1に係る技術は改良の余地がある。
【0005】
特許文献2に係る道路領域判定装置には、自車両の直前の画像領域の輝度を道路領域の輝度とみなし、他の領域の輝度とを比較し、他の領域が路面領域であるか否か判定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−303095号公報([要約]、[0018])
【特許文献2】特開2000−306097号公報([要約])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に係る道路領域判定装置では、自車両の直前の画像領域を、常に路面領域とみなしているので、仮に、自車両の直前に立体物が存在する場合には、他の領域が路面領域であるか否かを正確に判定することが不可能となり、この特許文献2に係る技術においても改良の余地がある。
【0008】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、確実に路面(道路の表面)領域を検出して、移動体検出のための画像処理負荷を効率的に低減しつつ誤検知を低減することを可能とする車両用周辺監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る車両用周辺監視装置は、車両に搭載され、前記車両周辺の近接領域の障害物を検出する超音波センサと、車両に搭載され、前記車両周辺の撮像画像を取得する撮像部と、前記撮像画像に基づき、前記車両周辺の遠方領域の移動体を検出する移動体検出部と、前記撮像画像を表示する表示部と、前記超音波センサ、又は、前記移動体検出部にて検出した前記障害物、又は、前記移動体を前記車両の運転者に通知する通知部と、からなる車両用周辺監視装置であって、
前記移動体検出部は、前記超音波センサが障害物を検出していないときの前記近接領域の輝度と、前記遠方領域の輝度とを比較し、輝度の差が小さい遠方領域での前記移動体の検知感度を高くし、輝度の差が大きい遠方領域での前記移動体の検知感度を低くすることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、車両周辺の近接領域の障害物を検出する超音波センサが障害物を検出していないときの前記近接領域の輝度(すなわち、より確実に路面領域と推定される輝度)と、遠方領域の輝度とを比較し、輝度の差が小さい遠方領域(すなわち、路面領域と推定される領域)での移動体の検知感度を高くし、輝度の差が大きい遠方領域(すなわち、路面領域と推定されない領域)での前記移動体の検知感度を低くするようにしたので、移動体検出のための画像処理負荷を効率的に低減しつつ誤検知を低減することができる。
【0011】
この場合、前記移動体検出部は、前記輝度の差が大きい遠方領域での縦エッジを抽出し、前記縦エッジの面積が小さい場合は、輝度の差が大きい遠方領域での縦エッジの面積と前記輝度の差が大きい遠方領域に隣接する車高方向の領域における縦エッジの面積とを比較し、差が小さい場合は、前記輝度の差が大きい遠方領域において前記移動体の検出を実行しないことを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、輝度の差が大きい遠方領域での縦エッジの面積と前記輝度の差が大きい遠方領域に隣接する車高方向の領域における縦エッジの面積とを比較し、差が小さい場合は、前記輝度の差が大きい遠方領域において前記移動体の検出を実行しないようにしたので、移動体検出の画像処理負荷を低減しつつ誤検知を低減することができる。
【0013】
この場合、前記超音波センサは、前記車両の後方の障害物を検出し、前記撮像部は、前記車両の後方の撮像画像を取得するように設けられることが好ましい。この構成では、車両後退運転時における後方視認支援として有用である。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、車両周辺の近接領域の障害物を検出する超音波センサが障害物を検出していないときの前記近接領域の輝度(より確実に路面領域と推定される輝度)と、遠方領域の輝度とを比較し、輝度の差が小さい遠方領域(路面領域と推定される領域)での移動体の検知感度を高くし、輝度の差が大きい遠方領域(路面領域と推定されない領域)での前記移動体の検知感度を低くするようにしたので、移動体を検出するための画像処理負荷を効率的に低減しつつ誤検知を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この実施形態に係る車両用周辺監視装置が搭載された車両の模式的ブロック図である。
【図2】車両後方のワイドビュー画像(カメラ画像)の例を示す説明図である。
【図3】図3Aは、画面に表示されるガイド線の説明図である。図3Bは、ガイド線位置と車両位置との一例の対応説明図である。
【図4】車両後方のワイドビュー画像中、路面推定処理を実施する領域の説明図である。
【図5】移動体を検出するフレーム間差分処理の説明図である。
【図6】路面推定処理の説明に供されるフローチャート(1/2)である。
【図7】路面推定処理の説明に供されるフローチャート(2/2)である。
【図8】路面とみなした近接領域の輝度に基づき、遠方領域が路面か否かを推定する処理に供される説明図である。
【図9】画像の縦エッジを検出する微分フィルタの例の構成図である。
【図10】図10Aは、他の例のワイドビュー画像の説明図、図10Bは、遠方領域内の画像に対して縦エッジ強調処理を行った縦エッジ強調画像の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、この実施形態に係る車両用周辺監視装置10が搭載された車両11の模式的ブロック図である。
【0018】
車両用周辺監視装置10は、移動体等を撮影する撮像部としてのカメラ(リアカメラ)12と、障害物等を検出する超音波センサ(音波探知部)としてのソナー(バックソナー)14とを備える。
【0019】
この実施形態において、カメラ12は、ミニバン等のテールゲートの外側中央部近傍又はセダン等のトランクの後面側中央部近傍に設けられる。ソナー14は、リアバンパーの両角部に設けられたソナー14cと、リアバンパーの中央部に2個設けられたソナー14mとから構成されている。
【0020】
両角のソナー14cは、車両11の後側方に中心角90゜程度で半径DcがDc=60[cm]程度までの扇形状の破線で示す感知範囲102を有する。中央部の2つのソナー14mは、車両11の後方に長さ方向の長さDdがDd=1.5[m]程度(この実施形態では、Dd=1[m])、幅方向の長さDwがDw=車幅程度までの台形状の破線で示す感知範囲104を有する。車両11の車高方向の感知範囲は、路面から車高程度までの感知範囲を有する。なお、カメラ12の撮影視野範囲については後述する。
【0021】
車両用周辺監視装置10は、マイクロコンピュータを含む計算機としてのECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)として、画像処理ECU16、ナビゲーションECU(ナビECUという。)18、メータECU20、及びソナーECU22を備える。
【0022】
各ECU16、18、20、22は、CPU(中央処理装置)、メモリであるROM(EEPROMも含む。)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、その他、A/D変換器、D/A変換器等の入出力装置、計時部としてのタイマ等を有しており、CPUがROMに記録されているプログラムを読み出し実行することで各種機能実現部(機能実現手段)、たとえば制御部、演算部、及び処理部等として機能する。
【0023】
この実施形態において、画像処理ECU16は、移動体検出部52等として機能する。
【0024】
これらECU16、18、20、22は、CAN(Controller Area Network)等の通信ネットワークに係る通信線24を通じて相互に通信可能に接続されている。
【0025】
メータECU20には、ギアポジションスイッチ28と、図示しないメータ類(計器類)と、警報器及び通知部等として機能するスピーカ34等と、が接続されている。メータECU20は、主に、ダッシュボード上の上記メータ類の表示制御等を司る。
【0026】
カメラ(リアカメラ)12と画像処理ECU16とが接続線33を介して接続され、リアカメラ12で撮像された映像(画像)が、NTSC信号等の映像信号Sv1として接続線33を通じて画像処理ECU16に伝送される。
【0027】
画像処理ECU16には、液晶ディスプレイ等の表示部30が接続されている。なお、表示部30も通知部としても機能する。
【0028】
さらに、車両11の位置検出装置としてのGPS受信機を含むナビECU18から画像処理ECU16に対して地図画像等の画像信号Sqが入力されている。
【0029】
ギアポジションスイッチ28がリア位置(車両11の後退位置であるリバースポジション)に切り替えられたことが、メータECU20により検出され、通信線24を介して、画像処理ECU16に伝達されると、表示部30には、地図画像等が担持された画像信号Sqに優先して、カメラ12の映像信号Sv1に画像処理ECU16でガイド線表示(後述する。)等が重畳処理された映像信号Sv2が供給される。
【0030】
すなわち、ギアポジションスイッチ28がリア位置に切り替えられると、表示部30上には、カメラ(リアカメラ)12により撮像され、ガイド線等が重畳表示された車両11の後方の映像(画像)が優先的にリアルタイムに表示される。
【0031】
ギアポジションスイッチ28の選択位置が後退位置以外の位置に選択されている場合には、表示部30には、ナビECU18に係る地図画面等又はAV(オーディオ・ビジュアル)に係るタイトル画面等が表示される。
【0032】
車両11に取り付けられているカメラ12のレンズとしては、広い視野範囲で撮像が可能な、いわゆる魚眼レンズ等の水平方向で約180゜程度の画角を持つ超広角レンズが装着されている。そのため、カメラ12から出力される映像信号Sv1は、いわゆるワイドビュー画面表示モードに対応した信号となっている。
【0033】
図2は、カメラ12で撮像したワイドビュー(Wide View)画面表示モードで表示部30に表示された例としてのワイドビュー画像(カメラ画像)112を示している。
【0034】
ワイドビュー画面表示モードでの表示視野範囲は、カメラ12の撮影視野範囲に対応し、車両11の背面より後方であって、路面(地面)58を含む両側方水平線64が見える範囲、かつ路面(地面)を含む後方水平線64が見える範囲である。
【0035】
ワイドビュー画像112上には、車両11のバンパー80の撮影画像が固定的に表示されるとともに、ガイド線100の画像と、ソナー14による障害物(移動体含む)の検知が可能であることを示す検知可アイコン120が重畳表示される。
【0036】
このワイドビュー画像112上には、カメラ12により撮像された路面58及び水平線64の他、車両11の方向に向かってきている自動車等の移動体60と、背景62とが表示されている。
【0037】
また、撮像画像に重畳表示されるガイド線100の画像は、図3Aの画像表示と図3Bの実際の状況の各説明図から分かるように、車両11の車幅より若干大きめの車幅ガイド線100a、100bと、トランク開口時ガイド線100c(車種によって異なるが、この例では、車両11の背面より0.5[m]と、約1[m]、約2[m]、約3[m]の各ガイド線100d、100e、100fが半透明の黄色い線で表示される。
【0038】
[移動体検知範囲の説明]
ここで、この実施形態に係る車両用周辺監視装置10での移動体の検知範囲について説明する。移動体の検知範囲は狭い程かつ、検知範囲の検知感度が低い程、画像処理ECU16の負荷量(処理時間等)が低減できることに留意して、後方の検知範囲を決定する。
【0039】
まず、図4のワイドビュー画像(リアワイドビュー画像)112において、バンパ−80の真後ろの撮影領域であって、幅方向の長さDw(図1参照)の範囲で後方1[m]のガイド線100dまでの車両11の近接領域A内は、ソナー14mで、障害物(移動体を含む)を検出する。
【0040】
次に、車両11の真後ろ側であって、近接領域Aより後方(車両11から離れる方向)の領域は、基本的に運転者が確認できる範囲であるので、検知範囲としない。
【0041】
そして、近接領域Aの両側方の撮像範囲であって、車両11の後方50[cm]〜数[m](この実施形態では、約3[m])の遠方領域B、Cの領域を、画像処理ECU16の移動体検出部52による移動体の検知範囲とする。
【0042】
図3では、分かり難いが、遠方領域B、Cの車高方向上方の撮像範囲であって、車高程度までの遠方高領域D、Eの領域は、移動体の検知範囲としないが、後述する一定条件下で、遠方領域B、Cの検知範囲の検知感度(検知しない場合も含む)を決定するために利用される領域である。
【0043】
以上のように、この実施形態において、画像処理ECU16の移動体検出部52によって、移動体を検出する検知範囲は、図4のワイドビュー画像112中、遠方領域B、Cの範囲である。検知範囲を極力絞り込むことにより、処理時間の短縮と誤検知の低減を同時に達成することができる。
【0044】
[フレーム間差分法と検知感度の説明]
遠方領域B、Cでの移動体の検出処理は、この実施形態において、公知のフレーム間差分法を用いて行う。ここで、フレーム間差分法と検知感度について簡略的に説明する。
【0045】
図5は、フレーム間差分法による移動体検出処理の説明図である。シーンイメージは、図5中、左側の平面図に示されるが、図5中、中央部の画像に示すように、車両11のカメラ12で、時刻t0、時刻t0+1(1は、微小時間Δt、ここでは、Δt=1/30秒)、及び時刻t0+2で、3枚のカメラ画像i0、i1、i2を順次得る。
【0046】
カメラ12の模式的に描いた撮像視野範囲92中には、時刻t0において、他車両である移動体90が存在していない(撮像されていない)ことに留意する。時刻t0+1において、カメラ12により移動体90が撮像され、時刻t0+2において、車両(自車両)11に接近する移動体90′がより大きく撮像される。
【0047】
ここでは、理解の便宜のために、3枚のカメラ画像i0、i1、i2において、背景の変化がないものとする。実用上は、車両11の後退速度が5[km/h]以下で、この実施形態に係る移動体検出処理のシステムが動作するように設定しているので、移動体90に対して背景を静止物体とみなすことができる。
【0048】
移動体検出部52は、まず、カメラ画像i0、i1の各画素データの引き算(i01=i1−i0)を行なうことで、背景画像が削除された移動体90の画像(第1差分画像i01)を抽出する。
【0049】
次に、移動体検出部52は、第2差分画像i02を、i02=i2−i1+i01で得る。この場合、カメラ画像i2からカメラ画像i1を差し引くことで(i2−i1)、背景画像を削除して移動体90、90´の画像を残すが、さらに、残った移動体90、90´中、移動体90の画像i01を(i2−i1)+i01として除去することで、第2差分画像i02には、時刻t0+2における移動体90´の画像のみが抽出される。
【0050】
この実施形態において、図5を参照して説明したフレーム間差分法による移動体検出処理は、上述したように、図4中、遠方領域B、Cのみに適用する。適用する際に、遠方領域B、C内の全画素を対象してフレーム間差分処理を行うと、より小さな移動物体を検出することができて、検出感度を高くすることができるが、画像処理負荷が大きくなるので、例えば、それほど小さな移動物体を検出する必要がないと判断した場合(後述する。)には、遠方領域B、C内の全画素中、例えば、画素を間引き、残った画素を対象として処理を行うようにすれば、検出感度が適当な感度とされ、画像処理負荷を小さくすることができる。あるいは、検出感度を低くする場合、特許文献1に開示されているように、遠方領域B、C内をブロック分割し、ブロック内画素の平均値のフレーム間差分を求め、フレーム間差分の絶対値が閾値より大きいブロックを抽出し、抽出したブロックの集合よりなる領域を移動体が映り込まれている領域として検出するようにしてもよい。
【0051】
以上の説明が、この実施形態に係る車両用周辺監視装置10の構成並びに基本的な画像処理についての説明である。
【0052】
次に、図6、図7のフローチャートを参照して、移動体検出部52による、移動体検出処理のより詳細な動作について説明する。
【0053】
ギアポジションスイッチ28の選択位置が後退位置、かつ図示しないソナースイッチがオン状態にされ、さらに、後退時車速が5[km/h]未満であるときに、移動体検出部52による移動体の検出処理が実施される。
【0054】
ステップS1において、参照範囲であるソナ−14(14m)の感知範囲104内で立体物(障害物)が検知されているか否かが判断され、立体物が検知されていない場合、ワイドビュー画像112中、近接領域A{概ね、ソナー14(14m)の感知範囲104と重複している。}は、路面領域であるとみなす。
【0055】
次に、ステップS2において、ワイドビュー画像112中の近接領域Aの平均輝度Iav(みなし路面領域の平均輝度)を、ワイドビュー画像112(カラー画像)のグレイスケール画像から算出する。なお、以下のステップの画像処理は、グレイスケール画像により実施される。
【0056】
次いで、ステップS3において、図8に示すように、遠方領域Bの各画素の輝度が、近接領域Aの平均輝度Iav(路面領域の平均輝度)の±10[%]以内の輝度であるか否かを判定し、以内の輝度である場合に値「1」、それ以外の輝度である場合に値「0」として2値化処理する。なお、グレイスケール画像の階調は、この実施形態では、8ビット(値0〜値255まで)である。
【0057】
次に、ステップS4において、近接領域Aの平均輝度Iav(路面領域の平均輝度)の±10[%]以内の輝度を有する画素(値「1」を有する画素)が閾値面積(閾値画素数)以上であるか否かを判定し、閾値面積以上である場合には、遠方領域Bは、路面であると決定し、ステップS5において、移動体検出部52の検知感度(検出感度)を高くする。そして、ステップS6において、この高い検知感度で、遠方領域Bでの移動体検知処理を行う。
【0058】
上述したステップS3、S4、S4(YES)、S5、S6までの処理は、遠方領域Cでも、略同時に実施される。
【0059】
さらに、ステップS7において、近接領域Aについての移動体検出がソナー14によって実施される。
【0060】
このようにして、近接領域Aは、ソナー14により、みなし路面とされた遠方領域B、Cは、移動体検出部52により高感度、短時間に移動体を検出することができる。また、移動体検出部52による検知範囲を遠方領域B、Cに限定しているので、従来技術に比較して、処理時間(処理負荷)を小さくすることができる。
【0061】
一方、上述したステップS4の、近接領域Aの平均輝度Iav(路面領域の平均輝度)の±10[%]以内の輝度を有する画素が閾値面積以上であるか否かの判定において、閾値面積未満である場合には、遠方領域Bは、路面ではないあるいは路面のみではないとみなし、図7に示す、ステップS8において、その遠方領域Bについて、移動体検知処理をどのように行うかを確定するために、立体物抽出処理(線分面積算出処理)を行う。
【0062】
立体物抽出処理は、立体物のエッジが縦方向に出やすいことに着目し、縦方向のエッジのみを強調することで、例えば、路面に描かれた描画(路面物ともいう。)と立体物を分離することができる。
【0063】
そこで、ステップS8の処理は、ステップS8aの処理とステップS8bの処理により構成され、まず、ステップS8aの処理は、縦エッジ強調処理及び2値化処理を行う。
【0064】
縦エッジ強調処理は、例えば、図9に示す、横方向の微分を行う(横方向の差分を求める)微分フィルタ70を、遠方領域B内の画像に適用することで、画像の縦方向のエッジ線分を求め、ステップS8bで、所定長さ以下のエッジ線分を除去することでノイズを除去し、所定長さ以上のエッジ線分を抽出することができる。
【0065】
図10Aは、縦エッジ強調処理を説明するための他の例のワイドビュー画像112aを示し、図10Bは、そのワイドビュー画像112a中、遠方領域B内の画像に対して微分フィルタ70により縦エッジ強調処理を行った縦エッジ強調画像114を示している。縦エッジ強調画像114には、建築物115の前に駐車中の車両116が含まれている。
【0066】
次いで、ステップS9において、縦エッジ強調画像114中、縦方向の所定長さ以上のエッジ線分の面積(画素面積)が、閾値面積以上であるか否かを判断し、閾値面積以上である場合には、遠方領域Bには、複雑な立体物、例えば、車両(図10B例では、車両116)、植木、又は柵等の静止立体物が存在するものとみなし、ステップS10において、検知感度を低くする。
【0067】
次に、ステップS6において、低くした検知感度で移動体検出部52により図10Aに示したワイドビュー画像112a中の遠方領域Bでの移動体検知処理を実施する。
【0068】
この場合、ステップS9の判定において、静止立体物が存在するものとみなしている遠方領域Bには、新たな移動体が検知される可能性が少なく、低い検知感度で移動体検知処理を実施しても実用上十分である。
【0069】
上述したステップS8、S9、S9(YES)、S10の処理は、遠方領域Bに対応する遠方領域Cにおいても略同時に実施される。
【0070】
次に、上述したステップS9の判定が否定的であるとき、すなわち、遠方領域B内の画像の横方向の微分画像中、縦方向の所定長さ以上のエッジ線分の面積(画素面積)が、閾値面積未満である場合には、遠方領域Bには、単純な立体物、例えば、高い壁や、低いポール等の静止立体物が存在するものとみなし、高い静止立体物であるか否かを判定するために、ステップS11において、遠方領域Bに車高方向で隣接する領域E(遠方領域Cの場合には、領域D)を選択する。
【0071】
そして、ステップS12において、領域Eについて、ステップS8で説明した立体物抽出処理を再び実施する。このステップS12においても、ステップS8aで、縦エッジ強調処理及び2値化処理を行い、ステップS8bで、所定長さ以下のエッジ線分を除去することでノイズを除去し、所定長さ以上のエッジ線分を抽出する。
【0072】
次いで、ステップS13において、ステップS12で求めた領域Eでの縦エッジの線分面積と、ステップS8で求めてある遠方領域Bでの縦エッジの線分面積とを比較し、略等しいか否かを判断する。
【0073】
略等しくない場合には、静止障害物は、低いポール等である判断し、低いポール等であれば、人等の移動体が出てくる可能性を否定できないので、ステップS10にて検知感度を低くして遠方領域Bについて移動体検出部52により移動体の検出処理を実施する。
【0074】
この場合にも、ステップS7において、近接領域Aについてのソナー14による移動体の検出処理を行う。
【0075】
その一方、ステップS13において、ステップS12で求めた領域Eでの縦エッジの線分面積と、ステップS8で求めてある遠方領域Bでの縦エッジの線分面積とが、略等しいと判断したには、静止障害物は、遠方領域Bから領域Eに延びて存在する高い壁等であると判断し、高い壁等であれば、移動体の検出対象物としている車両や人が、その高い壁等から飛び出てくることはないものとみなし、遠方領域Bについては移動体の検出処理を行うことなく、ステップS7で、近接領域Aについてのソナー14による移動体の検出処理を行う(ステップS13:YES→ステップS7)。
【0076】
なお、ステップS6で遠方領域B、Cに移動体検出部52により移動体が検出されたとき、表示部30に前記移動体が表示されるとともに、スピーカ34から検出したことを示す音(音声も含む)が発生され、運転者に通知される。又、ステップS7で、近接領域Aに移動体が検出されたときにも、スピーカ34から検出したことを示す音(音声も含む)が発生されて運転者に通知される。
【0077】
この際、例えば、表示部30中の遠方領域B、C、近接領域Aを、併せてフラッシュ点滅させることで、運転者に通知することもできる。
【0078】
以上説明したように、上述した車両用周辺監視装置10は、車両11に搭載され、前記車両周辺の近接領域Aの障害物(移動体)を検出するソナー14(超音波センサ)と、車両11に搭載され、前記車両周辺の撮像画像を取得するカメラ12(撮像部)と、前記撮像画像に基づき、前記車両周辺の遠方領域B、Cの移動体を検出する移動体検出部52と、前記撮像画像を表示する表示部30と、ソナー14又は移動体検出部52にて検出した前記障害物、又は、前記移動体を車両11の運転者に通知する表示部30(通知部)又はスピーカ34(通知部)と、を備える。
【0079】
移動体検出部52は、ソナー14が障害物を検出していないときの近接領域Aの輝度(路面の輝度と推定)と、遠方領域B、Cの輝度とを比較し、輝度の差が小さい(ステップS4:YES)遠方領域B、C(路面と推定)での前記移動体の検知感度を高くし(ステップS5)、輝度の差が大きい(ステップS4:NO)遠方領域B、C(非路面)での前記移動体の検知感度を低くする(ステップS10)ようにしたので、移動体検出のための画像処理負荷を効率的に低減しつつ誤検知を低減することができる。
【0080】
この場合、移動体検出部52は、前記輝度の差が大きい遠方領域B、Cでの縦エッジを抽出し(ステップS8)、前記縦エッジの面積が小さい場合は(ステップS9:NO)、輝度の差が大きい遠方領域B、Cでの縦エッジの面積と前記輝度の差が大きい遠方領域B、Cに隣接する車高方向の領域E、Dにおける縦エッジの面積とを比較し、差が小さい場合は(ステップS13:YES)、前記輝度の差が大きい遠方領域B、Cにおいて前記移動体の検出を実行しないようにしたので、移動体検出の画像処理負荷を低減しつつ誤検知を低減することができる。
【0081】
ソナー14は、車両11の後方の障害物を検出し、カメラ12は、車両11の後方の撮像画像を取得するように設けられているので、車両後退運転時における後方視認支援として有用である。
【0082】
上述したように、この実施形態では、車両11の後方の路面(近接領域A)の特徴と、側方の路面部分(遠方領域B、C)とを比較し(ステップS4)、明らかに相関がある場合には(ステップS4:YES)、側方の路面部分(遠方領域B、C)を路面とみなして、通常の高感度での移動体検出処理を行う(ステップS5、S6)。その一方、車両11の後方の路面(近接領域A)の特徴と、側方の路面部分(遠方領域B、C)とを比較し(ステップS4)、相関がない場合は、遠方領域B、Cの画像の煩雑さから駐車車両、柵といった複雑な静止障害物(立体物)か、低いポール、高い壁等の単純な静止障害物かを判別する(ステップS9)。複雑な静止障害物(立体物)であれば、遠方領域B、Cについて低感度での移動体検出処理を行う(ステップS10)。単純な静止障害物(立体物)である場合、低いポール等であれば、遠方領域B、Cについて低感度での移動体検出処理を行い(ステップS13:NO、ステップS10)、高い壁等であれば、移動体が出てくる可能性がないので、移動体検出部52により移動体検出処理を行わないようにした(ステップS13:YES)。このため、移動体検出部52による検知範囲を極力絞り込むことによる処理時間の短縮と同時に誤検知の発生を低減することができる。
【0083】
なお、この発明は、上述の実施形態に限らず、車両11の前方(前側方)を撮影するカメラ等の撮像部と前方(前側方)の障害物を検出するソナー等の超音波センサとを設けて、車両11の前方(近接領域)及び前側方(遠方領域)の障害物(移動体)を検出する場合に適用する等、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0084】
10…車両用周辺監視装置 11…車両
12…カメラ(撮像部) 14…ソナー
30…表示部 52…移動体検出部
A…近接領域 B、C…遠方領域
D、E…遠方領域の車高方向の領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、前記車両周辺の近接領域の障害物を検出する超音波センサと、
車両に搭載され、前記車両周辺の撮像画像を取得する撮像部と、
前記撮像画像に基づき、前記車両周辺の遠方領域の移動体を検出する移動体検出部と、
前記撮像画像を表示する表示部と、
前記超音波センサ、又は、前記移動体検出部にて検出した前記障害物、又は、前記移動体を前記車両の運転者に通知する通知部と、
からなる車両用周辺監視装置であって、
前記移動体検出部は、
前記超音波センサが障害物を検出していないときの前記近接領域の輝度と、前記遠方領域の輝度とを比較し、輝度の差が小さい遠方領域での前記移動体の検知感度を高くし、輝度の差が大きい遠方領域での前記移動体の検知感度を低くする
ことを特徴とする車両用周辺監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用周辺監視装置において、
前記移動体検出部は、前記輝度の差が大きい遠方領域での縦エッジを抽出し、前記縦エッジの面積が小さい場合は、輝度の差が大きい遠方領域での縦エッジの面積と前記輝度の差が大きい遠方領域に隣接する車高方向の領域における縦エッジの面積とを比較し、差が小さい場合は、前記輝度の差が大きい遠方領域において前記移動体の検出を実行しない
ことを特徴とする車両用周辺監視装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用周辺監視装置において、
前記超音波センサは、前記車両の後方の障害物を検出し、
前記撮像部は、前記車両の後方の撮像画像を取得する
ことを特徴とする車両用周辺監視装置。
【請求項1】
車両に搭載され、前記車両周辺の近接領域の障害物を検出する超音波センサと、
車両に搭載され、前記車両周辺の撮像画像を取得する撮像部と、
前記撮像画像に基づき、前記車両周辺の遠方領域の移動体を検出する移動体検出部と、
前記撮像画像を表示する表示部と、
前記超音波センサ、又は、前記移動体検出部にて検出した前記障害物、又は、前記移動体を前記車両の運転者に通知する通知部と、
からなる車両用周辺監視装置であって、
前記移動体検出部は、
前記超音波センサが障害物を検出していないときの前記近接領域の輝度と、前記遠方領域の輝度とを比較し、輝度の差が小さい遠方領域での前記移動体の検知感度を高くし、輝度の差が大きい遠方領域での前記移動体の検知感度を低くする
ことを特徴とする車両用周辺監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用周辺監視装置において、
前記移動体検出部は、前記輝度の差が大きい遠方領域での縦エッジを抽出し、前記縦エッジの面積が小さい場合は、輝度の差が大きい遠方領域での縦エッジの面積と前記輝度の差が大きい遠方領域に隣接する車高方向の領域における縦エッジの面積とを比較し、差が小さい場合は、前記輝度の差が大きい遠方領域において前記移動体の検出を実行しない
ことを特徴とする車両用周辺監視装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用周辺監視装置において、
前記超音波センサは、前記車両の後方の障害物を検出し、
前記撮像部は、前記車両の後方の撮像画像を取得する
ことを特徴とする車両用周辺監視装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−165295(P2012−165295A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25609(P2011−25609)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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