説明

車両用変圧器の冷却装置

【課題】冷却能力を低下させずに、小型軽量化を図った車両用変圧器の冷却装置を提供する。
【解決手段】車両の床下に装備された変圧器に接続され、油によって変圧器の熱を除去する冷却器4、冷却器4内部の油を循環させる油循環ポンプ3とを有する。冷却器4が、変圧器近傍の車両下部に設置され、冷却器4には、油が流通するチューブの外側に空気と接するフィンを取り付けたフィンチューブ6が、車両の幅方向に設置され、フィンチューブ6は、少なくとも車両の進行方向に複数本配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、軌道を走行する車両に設置される変圧器の冷却装置に係り、特に、冷却構造と小型化に改良を施した車両用変圧器の冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、在来線や新幹線で代表される軌道を走行する車両には、車両用変圧器が搭載されている。かかる車両用変圧器においては、車両の加速・減速時に電流が流れ、内部の鉄心および巻線において熱が発生するため、放熱構造が必要となる。そこで、通常は、変圧器を冷媒(油)で満たし、外部に冷却器を接続してポンプにより油を循環させることにより、発生した熱を冷却器に運び、外気との熱交換を行って、変圧器の温度上昇を抑えている。
【0003】
ここで、変圧器の容量が大きく、発生熱量が大きい場合の熱交換の方式として、特許文献1に示すように、送風機を設置して冷却器に空気を送る、強制冷却方式が存在する。この強制冷却方式の場合、車両の速度や状態によらず一定の冷却性能を維持することが可能であり、変圧器容量に応じた冷却能力の冷却器と送風機を選定することができる。これは、新幹線などでも採用されており、最も一般的な冷却装置である。特に、上記の例では変圧器タンクの下部にフィンを設置して冷却能力向上を図っている。
【0004】
これに対し、変圧器の容量が小さく、発生熱量が少ない場合の熱交換の方式としては、特許文献2に示す方式がある。これは、特許文献1の技術における送風機をなくし、冷却器を走行時に風の当たる車両外部に設置したものである。かかる場合には、送風機を省略できるので、コンパクトで軽量というメリットがある。そして、特許文献3には、走行風を冷却器に取込むための空気誘導板を構成したものが開示されており、これは、車両走行方向によらず安定した風速を得られる技術である。
【0005】
また、変圧器とは異なるが、車両用電力装置の冷却装置として、特許文献4、5に記載された技術が存在する。これらは、電力変換装置を水で冷却し、その水をラジエータと送風機により空気で強制冷却するというものである。これらの技術は、特に、ラジエータを車体の床面に平行、あるいは側面に平行に設置するなど、配置の自由度が向上するとともに、冷却能力も向上するというメリットがある。
【0006】
さらに、同じ車両用電力装置の従来技術として、特許文献6に示すように、車体下部に面した電力装置の下面に放熱フィンを設置し、走行によって得られる走行風を利用して冷却するものがある。この場合には、送風機を省略できるので、上記の特許文献2と同様に、コンパクトで軽量というメリットがある。
【0007】
【特許文献1】特開平7−57939号公報
【特許文献2】特開2000−158938号公報
【特許文献3】特開平10−258738号公報
【特許文献4】特開平9−219904号公報
【特許文献5】特開平9−246767号公報
【特許文献6】特開2003−48533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、車両用電力装置のように、発生熱量が比較的少ない機器においては、上記の従来技術で示したように、冷却フィンを増やして冷却能力を向上させ、送風機をなくすなど、軽量化を図ることは比較的簡単である。しかし、変圧器の冷却装置においては、変圧器の発生熱量が大きいため、冷却装置が大きくなったり、大型の送風機が必要だったりすることが多く、重量が重くなる問題がある。しかも、車両に搭載する変圧器には、冷却性能向上もさることながら、より一層のコンパクト化や軽量化が重要な課題となっており、全てを満たす機器の開発が望まれている。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために提案されたものであり、冷却能力を低下させずに、小型軽量化を図った車両用変圧器の冷却装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、車両の床下に装備された変圧器に接続され、冷媒によって変圧器の熱を除去する冷却器と、前記冷却器内部の冷媒を循環させるポンプとを有する車両用変圧器の冷却装置において、単体若しくは複数の前記冷却器が、前記変圧器の下部若しくは前記変圧器近傍の車両下部に設置され、前記冷却器には、前記冷媒が流通するチューブの外側に空気と接するフィンを取り付けたフィンチューブが、車両の幅方向に設置され、前記フィンチューブは、少なくとも車両の進行方向に複数本配置されていることを特徴とする。
【0011】
以上のような本発明では、フィンチューブ式の冷却器を用いることにより、車両の走行による走行風を利用して、効率良く冷却させることができるので、冷却能力を維持させつつ、送風機を省略してコンパクト化が可能になり、全体として小型で、車両用変圧器に適した装置を構成できる。
【発明の効果】
【0012】
以上のような本発明によれば、冷却能力を低下させずに、小型軽量化を図った車両用変圧器の冷却装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態とする)を、図面を参照して、具体的に説明する。
【0014】
[第1の実施形態…図1〜10]
[構成]
[全体構成]
まず、本実施形態の全体構成を、図1及び図2を参照して説明する。すなわち、本実施形態は、車体1の下部に、変圧器本体タンク2、油循環ポンプ3、冷却器4及びこれらを接続する油配管5が配置されている。これらの機器は、車両床面Fより下で、車体下限基準線Uより上に収納されている。変圧器本体タンク2の内部に満たされ、変圧器本体タンク2内の巻線や鉄心(図示せず)を冷却して温度が上昇した油は、油循環ポンプ3により冷却器4に送られ、ここで空気と熱交換して温度を下げ、変圧器本体タンク2に戻るように構成されている。なお、図中Sは車両側面、Dは車両進行方向を示す。
【0015】
[冷却器の構成]
次に、冷却器の具体的な構成を、図3〜6を参照して説明する。
[フィンチューブ式冷却器]
まず、フィンチューブ式の冷却器を用いた場合の一例を、図3、図4を参照して説明する。すなわち、図3に示すように、冷却器4aは、チューブの外側にフィンを取り付けたフィンチューブ6を車両の幅方向に水平に設置し、これを車両の進行方向に6本、垂直方向に1列(2列若しくはそれ以上でもよい)配置したものである。ここで、フィンは、図4(a)に示すように、各チューブ単独のもので構成されても、図4(b)に示すように、複数本にまたがるものでもよい。そして、フィンチューブ6の下部と側面には保護カバー7aが設置されている。なお、図3における8aは油の流入部であり、9aは油の流出部である。
【0016】
このようなフィンチューブ式の冷却器4aを用いた場合の油の流れとしては、油配管から流入部8aに流入し、ここから6本のフィンチューブ6内に分流し、反対側の流出部9aで合流して油配管に流出していくことになる(図中、黒矢印Oで示す)。また、空気の流れとしては、車両の進行方向に対して逆向きの流れが発生するため、図中の白矢印Aで示すように、フィンチューブ6の軸方向に対して直角に流れる。ここで、フィンはチューブ軸方向に対して直角に設置されているため、空気はフィン間を流れることになる。
【0017】
[フィンプレート式冷却器]
また、フインプレート式の冷却器を用いた場合の一例を、図5、図6を参照して説明する。すなわち、図5に示すように、冷却器4bは、プレート間に波形のフィンを取り付けたフィンプレート10を垂直方向に複数段積層したものであり、各段毎にフィンの向きを変え、油と空気が交互に流れるようにしたものを2セット積層したものである。最上段と最下段のプレートは、空気が流れるため省略することも可能であるが、本例では、図6に示すように、遮熱板11と保護カバー7bを兼ねている。なお、流入部8b、流出部9bは上記と同様である。
【0018】
このようなフィンプレート式の冷却器4bを用いた場合の油の流れとしては、油配管から流入部8bに流入し、2段目と4段目のフィンプレート10間に分流し、車両の幅方向に流れた後、反対側の流出部9bで合流して油配管に流出していくことになる。また空気の流れとしては、油が流れるフィンプレート10の間あるいはその上下のフィンプレート10内に、車両の進行方向に対して逆向きに流れることになる。
【0019】
[冷却器の配置]
ここで、本実施形態が対象とする車両であるが、床下の機器が車両下部でむき出しになっている場合は、車両の進行方向に対して逆向きの空気の流れが発生するので問題はない。しかし、新幹線で代表されるような、床下の機器を飛び石などから保護するための車体カバーを備えた車両では、空気の流入がスムーズではない。
【0020】
この場合には、図7〜図9に示すように、車両進行方向に対して冷却器の前面及び後面に、十分な空気流入(流出)空間12を設ける必要がある。まず、図7に示すように、保護カバー7cをルーバー形として、空気流入範囲および空気流出範囲を広げることが考えられる。かかる場合には、フィンチューブ式の冷却器4aに対して有効である。また、プレートフィン形冷却器4bの場合は、図8に示すように、プレートの幅を小さくして、車両進行方向に分割した場合に有効となる。さらに、図9に示すように、車両下面にスロープ13をつけて空気を流入しやすくすることも考えられる(7dは保護カバー)。この場合には、上記の両タイプの冷却器において有効である。なお、図中Bは車体下面、RHはレール高さを示す。
【0021】
[作用]
以上のような構成を有する本実施形態の作用は、以下の通りである。すなわち、冷却器4aの場合、フィンチューブの外径が一定の場合でも、フィンの外形寸法は容易に変えることが可能なため、冷却器4aの高さを自由に調整できることになる。また、冷却器4bの場合においても、プレート間のフィンの高さおよび積層段数を容易に変えることができるため、冷却器4bの高さを自由に調整できることになる。このため、冷却器4(4a,4b)の高さを小さくして、変圧器本体タンク2の下部に設置することが可能になり、レイアウト上コンパクトな車両用変圧器の冷却装置を得ることができる。
【0022】
また、車両進行方向に対して逆向きに空気が流れるようにしているため、車両が走行することによって発生する風(走行風)が冷却器内にも自動的に流れることになる。従って、送風機を省略することが可能となり、車両用変圧器としての全体重量の削減とコンパクト化が推進できる。
【0023】
ここで、車体カバーを備えた車両において、冷却器前面に空気流入空間12を設けた場合の空気の流入角度を流体解析により調査した結果を、図10に示す。この調査結果から、最大で角度10〜11度、比較的流速の大きい(主流速度の50%以上)領域は、角度6度で流入していくことが判明した。このことから、高さHの冷却器4の前面および後面に、H/tan11°=5.1H 、すなわち冷却器4の高さHの5倍以上の長さをもつ空気流入空間を設けることで、冷却器4の最上部及び変圧器本体タンク2の下面の風速も確保できることになり、冷却性能を最大にできることがわかる。これは、図9に示したスロープ13を付けた場合に関しても同様である。なお、本発明では冷却器の高さを10cm程度以下、前後の空気流入流出空間は長さ50cm程度で想定しており、十分現実的な値である。
【0024】
[効果]
以上のような本実施形態によれば、冷却器4を変圧器本体タンク2の下部に設置することが可能となり、レイアウト上コンパクトな車両用変圧器の冷却装置を得ることができる。また、走行風を最大限に有効利用できるので、送風機を省略することができ、変圧器全体の重量削減とコンパクト化にも繋がる。
【0025】
[第2の実施形態…図11、図12]
[構成]
次に、本発明の第2の実施形態を、図12及び図13の構成図を参照して説明する。すなわち、本実施形態においては、車体の下部に変圧器本体タンク2と油循環ポンプ3、冷却器4f及びこれらを接続する油配管5が配置されており、車両床面より下に収納されている。この場合、冷却器4fは、変圧器本体タンク2の横に設置されており、冷却器4fに空気を送り込むための送風機15が、さらにその横に設置されている。
【0026】
そして、本実施形態においては、冷却器4fに空気が流れる領域を上下に分割する仕切板16が、車両底面17に接続されている。このように車両底面17に仕切板16を接続することにより、冷却器4fの下部を車体底面に露出させている。さらに、冷却器4fの上部は、送風機15に接続され、冷却風の吸込口が変圧器本体タンク2側に設けられ、排出口が車体側面S側に設けられている。
【0027】
[作用]
以上のような構成を有する本実施形態の作用は、以下の通りである。すなわち、空気は、図中の白矢印Aで示すように、変圧器本体タンク2付近から吸込まれ、冷却器4fの上部で油を冷やし、送風機15を通って車外に排出されることになる。また、冷却器4fの下部は、車両底面に露出しているため、車両の進行方向に対して逆向きの流れが発生することになる。この場合、車両が停止中は送風機15による強制冷却で油を冷やし、走行中はこれに走行風による冷却も加わることになる。これにより、送風機15が分担する風量を減少させることが可能になり、送風機15の小型・軽量化が実現できる。
【0028】
[効果]
以上のような本実施形態によれば、冷却器4fの一部を、走行風で冷却できるようにしたため、送風機15による必要冷却能力を下げることが可能となる。従って、冷却能力を維持させつつ、送風機15を小型、軽量なものとすることにより、全体としてコンパクトな装置を構成できる。
【0029】
[第3の実施形態…図13〜15]
[構成]
本発明の第3の実施形態を、図13〜15を参照して説明する。すなわち、本実施形態は、図13及び図14に示すように、車体の下部に変圧器本体タンク2、油循環ポンプ3、冷却器4(上記実施形態と同様の方式であっても、他の方式であってもよい)、これらを接続する油配管5a及び送風機15が配置されており、車両床面Fより下に収納されている。この場合、図15の断面図に示すように、油配管5aは車両底板17aに沿うように配置されており、両者は伝熱体19を介してボルトなどの結合部で固定されている。また、変圧器本体タンク2の底板や冷却器4の底板などの一部も車両底板17aにボルトなどの結合部で固定されている。
【0030】
[作用]
以上のような構成を有する本実施形態の作用は、以下の通りである。すなわち、変圧器内で発生した熱が、変圧器本体タンク2の底板、油配管5a、冷却器4の底板などから、車両底板17aに熱伝導で伝わることになる。車両底板17aは表面積が広く、車両底板17aから走行風により空気に熱が伝達されることより、冷却効率の大幅な向上が期待できる。
【0031】
[効果]
以上のような本実施形態によれば、変圧器内で発生した熱の一部を、表面積の広い車両底板17aを介して放熱できるようになるため、冷却器4が分担する放熱量を減らすことが可能となる。従って、冷却器4の必要冷却能力を下げることができ、冷却器4若しくは送風機15の小型化、軽量化が実現できる。なお、図15に示すように、本実施形態の車両底板17aは、スリットをもつスノコ状を示しているが、平板状でも効果は同様である。
【0032】
[他の実施形態]
本発明は上記のような実施形態に限定されるものではない。例えば、フィンチューブ、フィンプレート、冷却器の数や方向、配置位置等は自由である。冷却器に用いる冷媒(単なる冷却材も含む広義の冷媒)としては、現在又は将来において利用可能なあらゆる媒体を含む。また、上記の第1の実施形態における冷却器4bは、保護カバー7bと遮熱板11を、上下のプレートと兼用させているが、独自に設置することも可能である。また、フィンチューブ形の冷却器4aに、保護カバー7aに加えて遮熱板11を設置することも可能であり、同様な効果が得られる。
【0033】
保護カバーの形状に関しても、上述のルーバー状以外に、平板状、網状、スリット状などが考えられる。さらに、遮熱板は、冷却器の熱を変圧器タンクに伝えないことが目的であるため、熱伝導率の悪いプラスチック若しくはFRPなどの非金属とすることが望ましい。この場合、遮熱板の遮熱特性が上がるため、変圧器本体タンクとの間に、温度が上がっていない新鮮な空気が流れることになり、タンク下面からの放熱が期待できることになる。
【0034】
また、図16に示すように、冷却器4dを2つに分け、変圧器本体タンク2の前面側と後面側に設置すると、前面側の冷却器4dから流出した温度の高い空気は周囲の空気と攪拌され、温度がある程度低下することになる。このため、後面側の冷却器4dへの流入空気温度が下がることになり、同冷却器4dの冷却性能の低下を防ぐことができる。したがって、冷却器4dのトータルの冷却性能を向上させることができる。なお、図中、7eは保護カバーである。
【0035】
また、図17及び図18に示すように、冷却器4eを4つに分け、途中に集合・分岐部14を設けてお互いを接続した構成とすることも可能である。これにより、集合・分岐部14において、油の流れが反転するため、車両の幅方向の目一杯に冷却器4eを配置でき、スペースを有効に利用できる。特に、本例では、車両側面の曲面に合わせて冷却器4eも曲げているが、最外に設ける保護カバーを、車両の側面S(車体の側板)と兼ねた構造にすることもできる。また、工作性を考慮すると、冷却器4eの曲線部は直線にし、途中で折れ曲がった形状にすることも考えられる。
【0036】
さらに、上記の第3の実施形態において、図19及び図20に示すように、変圧器本体タンク2の回りに下面が開いた囲い18を設け、これと冷却器4fの空気吸込み口を接続すると、車両下部より吸込んだ空気が変圧器本体タンク2の周囲を流れてから冷却器4fに吸込まれるようになる。この場合、変圧器本体タンク2からの冷却が強制風冷になるため、タンクからの放熱量を大幅に上げることができる。これにより、冷却能力が向上するため、冷却器4fの小型・軽量化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態における車両用変圧器の冷却装置の構成を示す平面図
【図2】図1の実施形態の正面断面図
【図3】図1の実施形態の冷却器の一例の詳細を示す斜視図
【図4】図3の冷却器におけるフィンチューブのフィンを独立させた場合(a)と共有させた場合(b)を示す詳細図
【図5】図1の実施形態の冷却器の他の一例の詳細を示す斜視図
【図6】図5のX部詳細図
【図7】図1の実施形態の冷却器の配置の一例を示す側面断面図
【図8】図1の実施形態の冷却器の配置の他の一例を示す側面断面図
【図9】図1の実施形態の冷却器の配置の他の一例を示す側面断面図
【図10】図5の構成における流れパターン解析結果を示す説明図
【図11】本発明の第2の実施形態における車両用変圧器の冷却装置の構成を示す平面図
【図12】図12の実施形態の正面断面図
【図13】本発明の第3の実施形態における車両用変圧器の冷却装置の構成を示す平面図
【図14】図13の実施形態の側面断面図
【図15】図14の油配管と車両底板を示すY−Y断面図
【図16】本発明の他の実施形態を示す側面断面図
【図17】本発明の他の実施形態を示す平面図
【図18】図17の実施形態の正面断面図
【図19】本発明の他の実施形態を示す平面図
【図20】図19の実施形態を示す側面断面図
【符号の説明】
【0038】
1…車体
2…変圧器本体タンク
3…油循環ポンプ
4,4a,4b,4e,4f…冷却器
5,5a…油配管
6…フィンチューブ
7a,7b,7c,7d,7e…保護カバー
8a,8b…流入部
9a,9b…流出部
10…フィンプレート
11…遮熱板
12…空気流入空間
13…スロープ
14…集合・分岐部
15…送風機
16…仕切板
17…車両底面
17a…車両底板
18…囲い
19…伝熱体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の床下に装備された変圧器に接続され、冷媒によって変圧器の熱を除去する冷却器と、前記冷却器内部の冷媒を循環させるポンプとを有する車両用変圧器の冷却装置において、
単体若しくは複数の前記冷却器が、前記変圧器の下部若しくは前記変圧器近傍の車両下部に設置され、
前記冷却器には、前記冷媒が流通するチューブの外側に空気と接するフィンを取り付けたフィンチューブが、車両の幅方向に設置され、
前記フィンチューブは、少なくとも車両の進行方向に複数本配置されていることを特徴とする車両用変圧器の冷却装置。
【請求項2】
車両の床下に装備された変圧器に接続され、冷媒によって変圧器の熱を除去する冷却器と、前記冷却器内部の冷媒を循環させるポンプとを有する車両用変圧器の冷却装置において、
単体若しくは複数の前記冷却器が、前記変圧器の下部若しくは前記変圧器近傍の車両下部に設置され、
前記冷却器には、フィンが取り付けられたプレートフィンが垂直方向に複数段積層して構成され、
前記プレートは、前記プレート間に、前記冷媒と空気とが交互に流通されるとともに、前記冷媒は車両の幅方向、空気は車両の進行方向に対して逆方向に流れるように構成されていることを特徴とする車両用変圧器の冷却装置。
【請求項3】
前記冷却器は2分割され、前記変圧器の進行方向と後退方向それぞれに設置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用変圧器の冷却装置。
【請求項4】
前記冷媒の流れる方向が反転するように、前記冷却器における前記冷媒の出入口以外の途中に、集合分岐部が少なくとも1個所設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用変圧器の冷却装置。
【請求項5】
前記冷却器の下部及び車両幅方向の両端は、板状、網状、ルーバー状若しくはスリット状の保護カバーで覆われていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用変圧器の冷却装置。
【請求項6】
前記冷却器の上部と前記変圧器の下部との間に、遮熱板が設置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用変圧器の冷却装置。
【請求項7】
前記遮熱板は、非金属であることを特徴とする請求項6記載の車両用変圧器の冷却装置。
【請求項8】
前記冷却器の進行方向の前面及び後面には、前記冷却器の高さの5倍以上の長さをもつ空気流入流出空間が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両用変圧器の冷却装置。
【請求項9】
車両の床下に装備された変圧器に接続され、冷媒によって変圧器の熱を除去する冷却器と、前記冷却器内部の冷媒を循環させるポンプと、前記冷却器に空気を送る送風機と、冷却風の取込口と排出口とを有する車両用変圧器の冷却装置において、
内部の空気の流れが車両の進行方向若しくはその逆向きになるように、前記冷却器が設置され、
前記冷却器の空気側を上下に分割するように、仕切板が設けられ、
前記冷却器の下部が車体底面に剥き出しになるように、前記仕切板と車両底板とが接続され、
前記冷却器の上部のみに、前記送風機が接続されていることを特徴とする車両用変圧器の冷却装置。
【請求項10】
車両の床下に装備された変圧器に接続され、内部の配管を循環する冷媒によって変圧器の熱を除去する冷却器と、前記冷却器内部の冷媒を循環させるポンプと、前記冷却器に空気を送る送風機と、冷却風の取込口と排出口とを有する車両用変圧器の冷却装置において、
前記変圧器の底面、前記配管及び前記冷却器の底面のいずれかにおける一部と、車両底板、車体の下部構造物及び車体カバーのいずれかにおける一部とを結合する結合部を有することを特徴とする車両用変圧器の冷却装置。
【請求項11】
前記結合部には、隙間を埋める伝熱部が挟み込まれていることを特徴とする請求項10記載の車両用変圧器の冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−273777(P2007−273777A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−98351(P2006−98351)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】