車両用敷設内装材及び車両フロア構造
【課題】成形精度が低い場合であっても、車体パネルに対する追従性及び見栄えを高めて透過損失の低下を抑制することができる車両用敷設内装材を提供する。
【解決手段】本内装材(フロアカーペット2)は、車体パネル3上に敷設される車両用敷設内装材であって、磁性体12を含み且つ拡縮可能なギャザー部14a〜14jを有する遮音層10を備える。上記車体パネルの上面側及び遮音層の下面側のうちの少なくとも一方には吸音層9が積層されていることが好ましい。
【解決手段】本内装材(フロアカーペット2)は、車体パネル3上に敷設される車両用敷設内装材であって、磁性体12を含み且つ拡縮可能なギャザー部14a〜14jを有する遮音層10を備える。上記車体パネルの上面側及び遮音層の下面側のうちの少なくとも一方には吸音層9が積層されていることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用敷設内装材及び車両フロア構造に関し、さらに詳しくは、成形精度が低い場合であっても、車体パネルに対する追従性及び見栄えを高めて透過損失の低下を抑制することができる車両用敷設内装材及び車両フロア構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両フロア構造として、フロアカーペットやダッシュサイレンサ等の車両用敷設内装材を車体パネル上に敷設してなるものが一般に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来の車両フロア構造101としては、例えば、図13に示すように、車体パネル103とフロアカーペット102の遮音層との間にフェルト等からなる吸音層109を介在させてなるものが知られている。また、他の従来の車両フロア構造121としては、例えば、図14に示すように、車体パネル123とダッシュサイレンサ122の遮音層との間にフェルト等からなる吸音層129を介在させてなるものが知られている。これらの車両フロア構造101,121では、高通気性の吸音層109,129(バネに相当)と非通気性又は低通気性の遮音層(マスに相当)との積層により、バネマス共振の防振領域を利用して透過損失を向上させて防音性を高めるようにしている。
【0004】
しかし、上記従来の車両フロア構造101,121では、フロアカーペット102やダッシュサイレンサ122の組付け作業性を考慮して、車体パネル103,123と遮音層との間には複数の空気層Sが設けられている。そのため、これら空気層Sでは、吸音層109,129によるダンピング作用が生じず透過損失が低下してしまう。特に、空気層Sを介して車内に侵入する中周波(例えば、100〜400Hz等)での車内騒音を改善できないことが現状である。
【0005】
ここで、従来の防音材として、防音材の表面に軟質磁性体を設けてなり、軟質磁性体の磁力により防音材を被着体に被着させるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。そして、この従来の防音材を車体パネル上に密着状態で敷設して空気層をなくし透過損失の低下を抑制することが考えられる。
【0006】
しかし、上記従来の車両フロア構造101,121では、車体パネル103,123は複雑な表面形状を有しており、また車体パネル103,123と防音材(遮音層)との間には複数の吸音層109,129が部分的に配置されているため、防音材を車体パネル103,123に追従させるには防音材に極めて高い成形精度が要求される。一方、防音材の成形精度が低い場合には、防音材を本体パネルに追従させることが困難となり、防音材の表面側にシワがよる等して見栄えが悪くなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−276781号公報
【特許文献2】特開2001−312281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、成形精度が低い場合であっても、車体パネルに対する追従性及び見栄えを高めて透過損失の低下を抑制することができる車両用敷設内装材及び車両フロア構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の通りである。
1.車体パネル上に敷設される車両用敷設内装材であって、磁性体を含み且つ拡縮可能なギャザー部を有する遮音層を備えることを特徴とする車両用敷設内装材。
2.前記車体パネルの上面側及び前記遮音層の下面側のうちの少なくとも一方には吸音層が積層されている上記1.記載の車両用敷設内装材。
3.前記ギャザー部は、前記車体パネルに設けられた凸部の稜線に沿うように前記遮音層に設けられている上記1.又は2.に記載の車両用敷設内装材。
4.前記ギャザー部は、前記車体パネルに設けられた座席の下方側に位置するように前記遮音層に設けられている上記1.乃至3.のいずれか一項に記載の車両用敷設内装材。
5.前記遮音層の上面側にはカーペット表皮が設けられている上記1.乃至4.のいずれか一項に記載の車両用敷設内装材。
6.上記1.乃至5.のいずれか一項に記載の車両用敷設内装材と、前記車両用敷設内装材が敷設されている車体パネルと、を備えることを特徴とする車両フロア構造。
【発明の効果】
【0010】
本発明の車両用敷設内装材及び車両フロア構造によると、遮音層は、磁性体を含み且つ拡縮可能なギャザー部を有するので、磁性体の磁力により車体パネル上に遮音層が密着状態で接触されると共に、ギャザー部の拡縮により遮音層のシワ等の余剰部が吸収される。これにより、車両用敷設内装材の成形精度が低い場合であっても、車体パネルに対する追従性及び見栄えを高めて透過損失の低下を抑制することができる。特に、車体パネルと車両用敷設内装材との間の空気層をなくせる又は低減させることができるので、中周波(例えば、100〜400Hz等)での透過損失の低下を抑制できる。
また、前記車体パネルの上面側及び前記遮音層の下面側のうちの少なくとも一方に吸音層が積層されている場合は、吸音層による吸音効果により防音性を高めることができる。
また、前記ギャザー部が、前記車体パネルに設けられた凸部の稜線に沿うように前記遮音層に設けられている場合は、車体パネル上に遮音層を敷設したときにギャザー部が縮んで立壁状となるため、凸部の稜線が際立ち高級感が与えられ見栄えをより高めることができる。
また、前記ギャザー部が、前記車体パネルに設けられた座席の下方側に位置するように前記遮音層に設けられている場合は、車体パネル上に遮音層を敷設したときにギャザー部が座席の下方側に隠れて見え難くなるため、見栄えをより高めることができる。
さらに、前記遮音層の上面側にカーペット表皮が設けられている場合は、フロアカーペットの車体パネルに対する追従性及び見栄えを高めて透過損失の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
【図1】実施例1に係る車両フロア構造を模式的に示す縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】実施例1に係るフロアカーペットの作用を説明するための説明図である。
【図4】上記フロアカーペットを模式的に示す縦断面図である。
【図5】実施例1及び比較例に係る車両フロア構造の騒音評価(前座席のロードノイズ)を示すグラフである。
【図6】実施例1及び比較例に係る車両フロア構造の騒音評価(後座席のロードノイズ)を示すグラフである。
【図7】実施例2に係る車両フロア構造を模式的に示す縦断面図である。
【図8】図7の要部拡大図である。
【図9】その他の形態のフロアカーペットを示す縦断面図である。
【図10】更にその他の形態のフロアカーペットを示す縦断面図である。
【図11】その他の形態の車両フロア構造を模式的に示す縦断面図である。
【図12】その他の形態のダッシュサイレンサを模式的に示す縦断面図である。
【図13】従来の車両フロア構造を模式的に示す縦断面図である。
【図14】他の従来の車両フロア構造を模式的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0013】
1.車両用敷設内装材
本実施形態1.に係る車両用敷設内装材は、車体パネル上に敷設される車両用敷設内装材であって、磁性体を含み且つ拡縮可能なギャザー部を有する遮音層を備える。この車両用敷設内装材の用途等は特に問わないが、車両用敷設内装材としては、例えば、カーペット、ダッシュサイレンサ等を挙げることができる。
【0014】
上記「車体パネル」の構成、形状、大きさ等は特に問わない。この車体パネルは、通常、金属製である。この車体パネルの厚さは、例えば、0.6〜1.2mm(好ましくは0.8〜1.0mm)であることができる。また、この車体パネルは、例えば、凸部及び/又は立壁を有していることができる。この凸部は、例えば、車両の幅方向に延びるクロスメンバー部であることができる。また、この立壁としては、例えば、ヒールキック部、ダッシュパネル部等を挙げることができる。
【0015】
上記「遮音層」の構成、形状、大きさ、材質等は特に問わない。この遮音層の一面側は車体パネルに接触する。この遮音層としては、例えば、(1)ゴムシート、樹脂シート等を用いてなる形態、(2)フェルト、樹脂発泡体、不織布等を用いてなる形態等を挙げることができる。
【0016】
上記(1)形態では、遮音層は、通常、非通気性を有する。また、上記(1)形態では、遮音層の密度は、例えば、100〜6000g/cm3(好ましくは200〜5100g/cm3)であることができる。また、上記(1)形態では、例えば、上記遮音層の厚さは、0.5〜3.5mm(好ましくは1.0〜3.0mm)であることができる。さらに、上記(1)形態において、ゴムシートの材質としては、例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等を挙げることができる。また、樹脂シートの材質としては、例えば、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアセテート(EVA)等を挙げることができる。
【0017】
上記(2)形態では、遮音層は、通常、非通気性又は低通気性を有する。この低通気性を有する遮音層の通気量は、例えば、JIS L 1096 8.27.1[A法(フラジール形法)]により測定したときに3〜30cc/cm2・sec(好ましくは5〜25cc/cm2・sec)であることができる。また、上記(2)形態では、遮音層の密度は、例えば、200〜1500g/cm3(好ましくは300〜1000g/cm3)であることができる。また、上記(2)形態では、上記遮音層の厚さは、例えば、0.5〜8.0mm(好ましくは1.0〜5.0mm)であることができる。さらに、上記(2)形態において、フェルトの材質としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維等を挙げることができる。また、樹脂発泡体の材質としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。さらに、上記不織布を用いる場合、遮音層は、例えば、複数枚の不織布を積層してなることができる。
【0018】
上記遮音層の上面側には、例えば、カーペット表皮が設けられていることができる(例えば、図4参照)。このカーペット表皮としては、例えば、(1)ニードルパンチにより不織布を毛羽立たせてなる形態、(2)タフト機により基布にパイル糸を植設してなる形態等を挙げることができる。
【0019】
上記「磁性体」の構成、形状、大きさ、材質等は特に問わない。この磁性体は、例えば、遮音層を100質量%とした場合、この遮音層に5〜50質量%(好ましくは10〜30質量%)の磁性体が含まれていることができる。また、磁性体は、例えば、遮音層の車体パネルの上面側に接触する部位にのみ含まれてもよいが、磁性体が遮音層の略全体に含まれていることが好ましい。遮音層の生産効率を高め得るためである。また、磁性体の材質としては、例えば、アルニコ磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジム鉄ボロン磁石、サマリウム鉄窒素磁石等を挙げることができる。また、磁性体の形状としては、例えば、粉状、粒状、繊維状等を挙げることができる。上記遮音層がフェルト又は不織布を用いてなる場合、繊維状磁性体を用いることが好ましい。遮音層に磁性体を確実に保持させ得るためである。
【0020】
上記「ギャザー部」の構成、形状、大きさ等は特に問わない。このギャザー部は、例えば、車両の幅方向に沿って延びており、その幅方向と交差する方向(例えば、車両の前後方向等)に拡縮することができる。また、ギャザー部は、例えば、車体パネル側に向かって突出していることができる。この場合、ギャザー部の突出高さ(h1)は、例えば、3〜20mm(好ましくは5〜15mm)であることができる(例えば、図3参照)。また、ギャザー部は、例えば、車体パネルと反対側に向かって突出していることができる。この場合、ギャザー部の突出高さ(h2)は、例えば、3〜20mm(好ましくは5〜15mm)であることができる(例えば、図3参照)。
【0021】
上記ギャザー部としては、例えば、(1)車体パネルに設けられた凸部(例えば、クロスメンバー部等)の稜線に沿うように遮音層に設けられている形態(例えば、図2参照)、(2)車体パネルに設けられた座席の下方側に位置するように遮音層に設けられている形態(例えば、図1参照)等を挙げることができる。上記(2)形態では、例えば、上記ギャザー部は、車体パネルに対する座席の投影面内に位置していることができる。
【0022】
ここで、例えば、上記車体パネルの上面側及び遮音層の下面側のうちの少なくとも一方には吸音層が積層されていることができる。
【0023】
上記「吸音層」は、通常、通気性を有している。その通気量は、例えば、JIS L 1096 8.27.1[A法(フラジール形法)]により測定したときに20〜100cc/cm2・sec(好ましくは30〜80cc/cm2・sec)であることができる。また、吸音層の密度は、例えば、0.01〜0.15g/cm3(好ましくは0.03〜0.10g/cm3)であることができる。また、吸音層は、例えば、各種のフェルト、樹脂発泡体、不織布等を用いてなることができる。フェルトの材質としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維等を挙げることができる。また、樹脂発泡体の材質としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。さらに、上記不織布を用いる場合、遮音層は、例えば、複数枚の不織布を積層してなることができる。
【0024】
上述のように吸音層を備える場合、上記ギャザー部は、例えば、車体パネル側に向かって突出し且つ車体パネルに設けられた凸部の側面又は立壁の壁面と吸音層の側端面との対向空間に位置するように遮音層に設けられていることができる。これにより、凸部又は立壁と吸音層との対向空間において空気層をより確実になくせる又は低減させることができる。
【0025】
2.車両フロア構造
本実施形態2.に係る車両フロア構造は、上記実施形態1.に係る車両用敷設内装材と、この車両用敷設内装材が敷設されている上記車体パネルと、を備える。この車両フロア構造は、例えば、車体パネルと車両用敷設内装材の遮音層との間に配置されている上記吸音層を更に備えることができる。
【実施例】
【0026】
以下、図面を用いて実施例1及び2により本発明を具体的に説明する。
【0027】
<実施例1>
(1)車両フロア構造の構成
本実施例1に係る車両フロア構造1は、図1に示すように、フロアカーペット2(本発明に係る「車両用敷設内装材」として例示する。)と、このフロアカーペット2が敷設される金属製の車体パネル3と、を備えている。
【0028】
上記車体パネル3には、車両の前後方向Aの中央部に車両の幅方向に沿って延びる複数(図1中2個)の凸状のクロスメンバー部5が設けられている。これらクロスメンバー部5には、車両の前後方向Aに延びるレール(図示省略)が懸架されており、このレールに沿って前座席6aがスライド可能に設けられている。また、車体パネル3には、車両の前方側に立壁状のダッシュパネル部7が設けられており、車両の後方側に立壁状のヒールキック部8が設けられている。さらに、車体パネル3上には、クロスメンバー部5、ダッシュパネル部7及びヒールキック部8を避けるようにして複数の吸音層9(図1中3個)が部分的に積層されている。これら各吸音層9は、フェルトを用いてなり、通気性を有している。
【0029】
(2)フロアカーペットの構成
本実施例1に係る上記フロアカーペット2は、図4に示すように、ポリ塩化ビニル製の樹脂シートからなる非通気性の遮音層10と、この遮音層10上に接着されたカーペット表皮11とを備えている。この遮音層10の平面全域には、粉末状の磁性体12(例えば、アルニコ磁石の粉末等)が含まれている。この遮音層10を100質量%とした場合、この遮音層10には約30質量%の磁性体12が含まれている。また、カーペット表皮11は、ニードルパンチにより不織布を毛羽立たせてなされている。
【0030】
上記遮音層10には、図1及び図2に示すように、車両の幅方向(図1の紙面方向)に沿って延びており、車両の前後方向Aに拡縮可能な複数(図1中で8個)のギャザー部14a〜14jが設けられている。このギャザー部14aは、車体パネル3側に向かって突出し且つダッシュパネル部7の壁面と吸音層9の側端面との対向間隔に位置するように遮音層10に設けられている。また、ギャザー部14b,14e,14f,14iは、車体パネル3側に向かって突出し且つクロスメンバー部5の側面5aと吸音層9の側端面9aとの対向間隔に位置するように遮音層10に設けられている。また、ギャザー部14jは、車体パネル3側に向かって突出し且つヒールキック部8の壁面と吸音層9の側端面との対向間隔に位置するように遮音層10に設けられている。さらに、ギャザー部14c,14d,14g,14hは、車体パネル3の反対側に向かって突出し且つクロスメンバー部5の稜線5bに沿うように遮音層10に設けられている。また、ギャザー部14c,14d,14e,14f,14g,14hは、前座席6aの下方側に位置するように遮音層10に設けられている。さらに、ギャザー部14a,14b,14e,14f,14i,14jの突出高さh1は約5mmとされている(図3参照)。また、ギャザー部14c,14d,14g,14hの突出高さh2は約3mmとされている(図3参照)。
【0031】
(3)車両フロア構造の作用
次に、上記構成の車両フロア構造1の作用について説明する。図3に示すように、車体パネル3上にフロアカーペット2を敷設すると、図2に示すように、磁性体12の磁力によりフロアカーペット2の遮音層10が車体パネル3上に密着状態で接触されると共に、ギャザー部14a〜14jの拡縮により遮音層10のシワ等の余剰部が吸収される。なお、フロアカーペット2の敷設時には、クロスメンバー部5の近傍において、ギャザー部14b,14e,14f,14iが車両の前後方向Aに拡大し且つギャザー部14c,14d,14g,14hが車両の前後方向Aに縮小することとなる。
【0032】
(4)実施例1及び比較例に係る車両フロア構造の騒音評価
次に、実施例1に係る上述の車両フロア構造1と比較例に係る車両フロア構造との騒音評価について説明する。なお、比較例に係る車両フロア構造として、図13に示すように、吸音層109を介して車体パネル103上にフロアカーペット102を敷設してなり、車体パネル103とフロアカーペット102との間におけるクロスメンバー部105、ダッシュパネル部及びヒールキック部108に空気層Sが形成された構造101を採用する。
【0033】
上記車両フロア構造1,101において、前座席6a及び後座席6bに乗車した人間の耳の位置近傍にマイクロフォン(図示省略)を設置しておく。そして、上記車両フロア構造1,101を備える自動車を時速60kmで粗面路を走行させ、その際の1/3オクターブバンドの騒音レベル(dB)の周波数特性を上記マイクロフォンで測定した。その結果、図5に示すように、実施例1の車両フロア構造1の前座席6aでは、比較例の車両フロア構造101の前座席6aに比べて、中周波(特に200〜400Hz)での騒音レベルが減少していることがわかる。また、図6に示すように、実施例1の車両フロア構造1の後座席6bでは、比較例の車両フロア構造101の後座席6bに比べて、中周波(特に250〜400Hz)での騒音レベルが減少していることがわかる。
【0034】
(5)実施例の効果
本実施例1のフロアカーペット2によると、遮音層10は、磁性体12を含み且つ拡縮可能なギャザー部14a〜14jを有するので、磁性体12の磁力により車体パネル3上に遮音層10が密着状態で接触されると共に、ギャザー部14a〜14jの拡縮により遮音層10のシワ等の余剰部が吸収される。これにより、フロアカーペット2の成形精度が低い場合であっても、車体パネル3に対する追従性及び見栄えを高めて透過損失の低下を抑制することができる。特に、車体パネル3とフロアカーペット2との間の空気層をなくせる又は低減させることができるので、中周波(例えば、100〜400Hz等)での透過損失の低下を抑制できる。
【0035】
また、本実施例1では、車体パネル3の上面側に吸音層9が積層されているので、吸音層9の吸音効果により防音性を高めることができる。
【0036】
また、本実施例1では、ギャザー部14c,14d,14g,14hが、車体パネル3のクロスメンバー部5の稜線5bに沿うように遮音層10に設けられているので、車体パネル3上に遮音層10を敷設したときにギャザー部14c,14d,14g,14hが縮んで立壁状となるため、クロスメンバー部5の稜線5bが際立ち高級感が与えられ見栄えをより高めることができる。
【0037】
また、本実施例1では、ギャザー部14c,14d,14e,14f,14g,14hが、車体パネル3に設けられた前座席6aの下方側に位置するように遮音層10に設けられているので、車体パネル3上に遮音層10を敷設したときにギャザー部14c,14d,14e,14f,14g,14hが前座席6aの下方側に隠れて見え難くなるため、見栄えをより高めることができる。
【0038】
また、本実施例1では、ギャザー部14b,14e,14f,14iが、車体パネル3側に向かって突出し且つ車体パネル3のクロスメンバー部5の側面5aと吸音層9の側端面9aとの対向空間に位置するように遮音層10に設けられているので、クロスメンバー部5と吸音層9との対向空間における空気層をより確実になくす又は低減することができる。
【0039】
また、本実施例1では、ギャザー部14a,14jが、車体パネル3側に向かって突出し且つ車体パネル3のダッシュパネル部7やヒールキック部8の壁面と吸音層9の側端面9aとの対向空間に位置するように遮音層10に設けられているので、ダッシュパネル部7やヒールキック部8と吸音層9との対向空間における空気層をより確実になくす又は低減することができる。
【0040】
さらに、本実施例1では、遮音層10の上面側にカーペット表皮11が設けられているので、フロアカーペット2の車体パネル3に対する追従性及び見栄えを高めて透過損失の低下を抑制することができる。
【0041】
<実施例2>
(1)車両フロア構造の構成
本実施例2に係る車両フロア構造21は、図7に示すように、ダッシュサイレンサ22(本発明に係る「車両用敷設内装材」として例示する。)と、このダッシュサイレンサ22が敷設される金属製の車体パネル23と、を備えている。
【0042】
上記車体パネル23には、複数の吸音層29(図7中2個)が部分的に積層されている。これら各吸音層29は、フェルトを用いてなり、通気性を有している。
【0043】
(2)ダッシュサイレンサの構成
本実施例2に係る上記ダッシュサイレンサ22は、図8に示すように、EPDM製のゴムシートからなる非通気性の遮音層30を備えている。この遮音層30の平面全域には、粉末状の磁性体32(例えば、アルニコ磁石の粉末等)が含まれている。この遮音層30を100質量%とした場合、この遮音層30には約30質量%の磁性体32が含まれている。
【0044】
上記遮音層30には、図7に示すように、車両の幅方向(図7の紙面方向)に沿って延びており、その幅方向と直交する方向に拡縮可能な複数(図7中で4個)のギャザー部34が設けられている。これらギャザー部34は、車体パネル23の反対側に向かって突出し且つ吸音層29の稜線29aに沿うように遮音層30に設けられている。
【0045】
(3)車両フロア構造の作用
次に、上記構成の車両フロア構造21の作用について説明する。車体パネル23上にダッシュサイレンサ22を敷設すると、図7に示すように、磁性体32の磁力によりダッシュサイレンサ22の遮音層30が車体パネル23上に密着状態で接触されると共に、ギャザー部34の拡縮により遮音層30のシワ等の余剰部が吸収される。
【0046】
(4)実施例の効果
本実施例2のダッシュサイレンサ22によると、遮音層30は、磁性体32を含み且つ拡縮可能なギャザー部34を有するので、磁性体32の磁力により車体パネル23上に遮音層が密着状態で接触されると共に、ギャザー部34の拡縮により遮音層30のシワ等の余剰部が吸収される。これにより、ダッシュサイレンサ22の成形精度が低い場合であっても、車体パネル23に対する追従性及び見栄えを高めて透過損失の低下を抑制することができる。特に、車体パネル23とダッシュサイレンサ22との間の空気層をなくせる又は低減させることができるので、中周波(例えば、100〜400Hz等)での透過損失の低下を抑制できる。
【0047】
また、本実施例2では、車体パネル23の上面側に吸音層29が積層されているので、吸音層29の吸音効果により防音性を高めることができる。
【0048】
さらに、本実施例2では、磁性体32の磁力により遮音層30を車体パネル23上に密着状態で接触させているので、従来のダッシュサイレンサ122(図14参照)のように車体パネル123に対する接合用のマジックテープ147(登録商標;面ファスナ)やクリップ148を必要とせず部品点数を低減することができる。
【0049】
尚、本発明においては、上記実施例1及び2に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例1では、クロスメンバー部5の稜線5bに沿うように設けられたギャザー部14c,14d,14g,14hを例示したが、これに限定されず、例えば、図9に示すように、クロスメンバー部5の上面で車両幅方向に延びるギャザー部14’としたり、クロスメンバー部の側面で車両幅方向に延びるギャザー部としたりすることができる。
【0050】
また、上記実施例1及び2では、車体パネル3,23上に吸音層9,29を積層してなる形態を例示したが、これに限定されず、例えば、図10に示すように、遮音層10(30)の下面側に吸音層9(29)を積層してなる形態としてもよい。
【0051】
また、上記実施例2では、遮音層30の吸音層29と接触する部位にギャザー部34を設ける形態を例示したが、これに限定されず、例えば、図11に示すように、遮音層30の車体パネル23に接触する部位にギャザー部34’を設けるようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施例2では、EPDM製のゴムシートからなる遮音層30を例示したが、これに限定されず、例えば、図12に示すように、高密度フェルトからなる遮音層30’としてもよい。この場合、粉末状の磁性体を混入した樹脂から形成される繊維(磁性体32’)をニードルパンチ等でフェルトに混合させることができる。
【0053】
さらに、上記実施例1及び2では、1重折りのギャザー部14,34を例示したが、これに限定されず、例えば、2以上に折り込まれたギャザー部としてもよい。
【0054】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0055】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
乗用車、バス、トラック等の他、列車、汽車等の鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両などの車体パネルに敷設される車両用敷設内装材に関する技術として広く利用される。
【符号の説明】
【0057】
1,21;車両フロア構造、2;フロアカーペット、3,23;車体パネル、5;クロスメンバー部、6a;前座席、9,29;吸音層、10,30;遮音層、11;カーペット表皮、12,32;磁性体、14a〜14j,14’,34,34’;ギャザー部、22;ダッシュサイレンサ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用敷設内装材及び車両フロア構造に関し、さらに詳しくは、成形精度が低い場合であっても、車体パネルに対する追従性及び見栄えを高めて透過損失の低下を抑制することができる車両用敷設内装材及び車両フロア構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両フロア構造として、フロアカーペットやダッシュサイレンサ等の車両用敷設内装材を車体パネル上に敷設してなるものが一般に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来の車両フロア構造101としては、例えば、図13に示すように、車体パネル103とフロアカーペット102の遮音層との間にフェルト等からなる吸音層109を介在させてなるものが知られている。また、他の従来の車両フロア構造121としては、例えば、図14に示すように、車体パネル123とダッシュサイレンサ122の遮音層との間にフェルト等からなる吸音層129を介在させてなるものが知られている。これらの車両フロア構造101,121では、高通気性の吸音層109,129(バネに相当)と非通気性又は低通気性の遮音層(マスに相当)との積層により、バネマス共振の防振領域を利用して透過損失を向上させて防音性を高めるようにしている。
【0004】
しかし、上記従来の車両フロア構造101,121では、フロアカーペット102やダッシュサイレンサ122の組付け作業性を考慮して、車体パネル103,123と遮音層との間には複数の空気層Sが設けられている。そのため、これら空気層Sでは、吸音層109,129によるダンピング作用が生じず透過損失が低下してしまう。特に、空気層Sを介して車内に侵入する中周波(例えば、100〜400Hz等)での車内騒音を改善できないことが現状である。
【0005】
ここで、従来の防音材として、防音材の表面に軟質磁性体を設けてなり、軟質磁性体の磁力により防音材を被着体に被着させるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。そして、この従来の防音材を車体パネル上に密着状態で敷設して空気層をなくし透過損失の低下を抑制することが考えられる。
【0006】
しかし、上記従来の車両フロア構造101,121では、車体パネル103,123は複雑な表面形状を有しており、また車体パネル103,123と防音材(遮音層)との間には複数の吸音層109,129が部分的に配置されているため、防音材を車体パネル103,123に追従させるには防音材に極めて高い成形精度が要求される。一方、防音材の成形精度が低い場合には、防音材を本体パネルに追従させることが困難となり、防音材の表面側にシワがよる等して見栄えが悪くなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−276781号公報
【特許文献2】特開2001−312281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、成形精度が低い場合であっても、車体パネルに対する追従性及び見栄えを高めて透過損失の低下を抑制することができる車両用敷設内装材及び車両フロア構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の通りである。
1.車体パネル上に敷設される車両用敷設内装材であって、磁性体を含み且つ拡縮可能なギャザー部を有する遮音層を備えることを特徴とする車両用敷設内装材。
2.前記車体パネルの上面側及び前記遮音層の下面側のうちの少なくとも一方には吸音層が積層されている上記1.記載の車両用敷設内装材。
3.前記ギャザー部は、前記車体パネルに設けられた凸部の稜線に沿うように前記遮音層に設けられている上記1.又は2.に記載の車両用敷設内装材。
4.前記ギャザー部は、前記車体パネルに設けられた座席の下方側に位置するように前記遮音層に設けられている上記1.乃至3.のいずれか一項に記載の車両用敷設内装材。
5.前記遮音層の上面側にはカーペット表皮が設けられている上記1.乃至4.のいずれか一項に記載の車両用敷設内装材。
6.上記1.乃至5.のいずれか一項に記載の車両用敷設内装材と、前記車両用敷設内装材が敷設されている車体パネルと、を備えることを特徴とする車両フロア構造。
【発明の効果】
【0010】
本発明の車両用敷設内装材及び車両フロア構造によると、遮音層は、磁性体を含み且つ拡縮可能なギャザー部を有するので、磁性体の磁力により車体パネル上に遮音層が密着状態で接触されると共に、ギャザー部の拡縮により遮音層のシワ等の余剰部が吸収される。これにより、車両用敷設内装材の成形精度が低い場合であっても、車体パネルに対する追従性及び見栄えを高めて透過損失の低下を抑制することができる。特に、車体パネルと車両用敷設内装材との間の空気層をなくせる又は低減させることができるので、中周波(例えば、100〜400Hz等)での透過損失の低下を抑制できる。
また、前記車体パネルの上面側及び前記遮音層の下面側のうちの少なくとも一方に吸音層が積層されている場合は、吸音層による吸音効果により防音性を高めることができる。
また、前記ギャザー部が、前記車体パネルに設けられた凸部の稜線に沿うように前記遮音層に設けられている場合は、車体パネル上に遮音層を敷設したときにギャザー部が縮んで立壁状となるため、凸部の稜線が際立ち高級感が与えられ見栄えをより高めることができる。
また、前記ギャザー部が、前記車体パネルに設けられた座席の下方側に位置するように前記遮音層に設けられている場合は、車体パネル上に遮音層を敷設したときにギャザー部が座席の下方側に隠れて見え難くなるため、見栄えをより高めることができる。
さらに、前記遮音層の上面側にカーペット表皮が設けられている場合は、フロアカーペットの車体パネルに対する追従性及び見栄えを高めて透過損失の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
【図1】実施例1に係る車両フロア構造を模式的に示す縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】実施例1に係るフロアカーペットの作用を説明するための説明図である。
【図4】上記フロアカーペットを模式的に示す縦断面図である。
【図5】実施例1及び比較例に係る車両フロア構造の騒音評価(前座席のロードノイズ)を示すグラフである。
【図6】実施例1及び比較例に係る車両フロア構造の騒音評価(後座席のロードノイズ)を示すグラフである。
【図7】実施例2に係る車両フロア構造を模式的に示す縦断面図である。
【図8】図7の要部拡大図である。
【図9】その他の形態のフロアカーペットを示す縦断面図である。
【図10】更にその他の形態のフロアカーペットを示す縦断面図である。
【図11】その他の形態の車両フロア構造を模式的に示す縦断面図である。
【図12】その他の形態のダッシュサイレンサを模式的に示す縦断面図である。
【図13】従来の車両フロア構造を模式的に示す縦断面図である。
【図14】他の従来の車両フロア構造を模式的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0013】
1.車両用敷設内装材
本実施形態1.に係る車両用敷設内装材は、車体パネル上に敷設される車両用敷設内装材であって、磁性体を含み且つ拡縮可能なギャザー部を有する遮音層を備える。この車両用敷設内装材の用途等は特に問わないが、車両用敷設内装材としては、例えば、カーペット、ダッシュサイレンサ等を挙げることができる。
【0014】
上記「車体パネル」の構成、形状、大きさ等は特に問わない。この車体パネルは、通常、金属製である。この車体パネルの厚さは、例えば、0.6〜1.2mm(好ましくは0.8〜1.0mm)であることができる。また、この車体パネルは、例えば、凸部及び/又は立壁を有していることができる。この凸部は、例えば、車両の幅方向に延びるクロスメンバー部であることができる。また、この立壁としては、例えば、ヒールキック部、ダッシュパネル部等を挙げることができる。
【0015】
上記「遮音層」の構成、形状、大きさ、材質等は特に問わない。この遮音層の一面側は車体パネルに接触する。この遮音層としては、例えば、(1)ゴムシート、樹脂シート等を用いてなる形態、(2)フェルト、樹脂発泡体、不織布等を用いてなる形態等を挙げることができる。
【0016】
上記(1)形態では、遮音層は、通常、非通気性を有する。また、上記(1)形態では、遮音層の密度は、例えば、100〜6000g/cm3(好ましくは200〜5100g/cm3)であることができる。また、上記(1)形態では、例えば、上記遮音層の厚さは、0.5〜3.5mm(好ましくは1.0〜3.0mm)であることができる。さらに、上記(1)形態において、ゴムシートの材質としては、例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等を挙げることができる。また、樹脂シートの材質としては、例えば、ポリ塩化ビニル、エチレンビニルアセテート(EVA)等を挙げることができる。
【0017】
上記(2)形態では、遮音層は、通常、非通気性又は低通気性を有する。この低通気性を有する遮音層の通気量は、例えば、JIS L 1096 8.27.1[A法(フラジール形法)]により測定したときに3〜30cc/cm2・sec(好ましくは5〜25cc/cm2・sec)であることができる。また、上記(2)形態では、遮音層の密度は、例えば、200〜1500g/cm3(好ましくは300〜1000g/cm3)であることができる。また、上記(2)形態では、上記遮音層の厚さは、例えば、0.5〜8.0mm(好ましくは1.0〜5.0mm)であることができる。さらに、上記(2)形態において、フェルトの材質としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維等を挙げることができる。また、樹脂発泡体の材質としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。さらに、上記不織布を用いる場合、遮音層は、例えば、複数枚の不織布を積層してなることができる。
【0018】
上記遮音層の上面側には、例えば、カーペット表皮が設けられていることができる(例えば、図4参照)。このカーペット表皮としては、例えば、(1)ニードルパンチにより不織布を毛羽立たせてなる形態、(2)タフト機により基布にパイル糸を植設してなる形態等を挙げることができる。
【0019】
上記「磁性体」の構成、形状、大きさ、材質等は特に問わない。この磁性体は、例えば、遮音層を100質量%とした場合、この遮音層に5〜50質量%(好ましくは10〜30質量%)の磁性体が含まれていることができる。また、磁性体は、例えば、遮音層の車体パネルの上面側に接触する部位にのみ含まれてもよいが、磁性体が遮音層の略全体に含まれていることが好ましい。遮音層の生産効率を高め得るためである。また、磁性体の材質としては、例えば、アルニコ磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、ネオジム鉄ボロン磁石、サマリウム鉄窒素磁石等を挙げることができる。また、磁性体の形状としては、例えば、粉状、粒状、繊維状等を挙げることができる。上記遮音層がフェルト又は不織布を用いてなる場合、繊維状磁性体を用いることが好ましい。遮音層に磁性体を確実に保持させ得るためである。
【0020】
上記「ギャザー部」の構成、形状、大きさ等は特に問わない。このギャザー部は、例えば、車両の幅方向に沿って延びており、その幅方向と交差する方向(例えば、車両の前後方向等)に拡縮することができる。また、ギャザー部は、例えば、車体パネル側に向かって突出していることができる。この場合、ギャザー部の突出高さ(h1)は、例えば、3〜20mm(好ましくは5〜15mm)であることができる(例えば、図3参照)。また、ギャザー部は、例えば、車体パネルと反対側に向かって突出していることができる。この場合、ギャザー部の突出高さ(h2)は、例えば、3〜20mm(好ましくは5〜15mm)であることができる(例えば、図3参照)。
【0021】
上記ギャザー部としては、例えば、(1)車体パネルに設けられた凸部(例えば、クロスメンバー部等)の稜線に沿うように遮音層に設けられている形態(例えば、図2参照)、(2)車体パネルに設けられた座席の下方側に位置するように遮音層に設けられている形態(例えば、図1参照)等を挙げることができる。上記(2)形態では、例えば、上記ギャザー部は、車体パネルに対する座席の投影面内に位置していることができる。
【0022】
ここで、例えば、上記車体パネルの上面側及び遮音層の下面側のうちの少なくとも一方には吸音層が積層されていることができる。
【0023】
上記「吸音層」は、通常、通気性を有している。その通気量は、例えば、JIS L 1096 8.27.1[A法(フラジール形法)]により測定したときに20〜100cc/cm2・sec(好ましくは30〜80cc/cm2・sec)であることができる。また、吸音層の密度は、例えば、0.01〜0.15g/cm3(好ましくは0.03〜0.10g/cm3)であることができる。また、吸音層は、例えば、各種のフェルト、樹脂発泡体、不織布等を用いてなることができる。フェルトの材質としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維等を挙げることができる。また、樹脂発泡体の材質としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。さらに、上記不織布を用いる場合、遮音層は、例えば、複数枚の不織布を積層してなることができる。
【0024】
上述のように吸音層を備える場合、上記ギャザー部は、例えば、車体パネル側に向かって突出し且つ車体パネルに設けられた凸部の側面又は立壁の壁面と吸音層の側端面との対向空間に位置するように遮音層に設けられていることができる。これにより、凸部又は立壁と吸音層との対向空間において空気層をより確実になくせる又は低減させることができる。
【0025】
2.車両フロア構造
本実施形態2.に係る車両フロア構造は、上記実施形態1.に係る車両用敷設内装材と、この車両用敷設内装材が敷設されている上記車体パネルと、を備える。この車両フロア構造は、例えば、車体パネルと車両用敷設内装材の遮音層との間に配置されている上記吸音層を更に備えることができる。
【実施例】
【0026】
以下、図面を用いて実施例1及び2により本発明を具体的に説明する。
【0027】
<実施例1>
(1)車両フロア構造の構成
本実施例1に係る車両フロア構造1は、図1に示すように、フロアカーペット2(本発明に係る「車両用敷設内装材」として例示する。)と、このフロアカーペット2が敷設される金属製の車体パネル3と、を備えている。
【0028】
上記車体パネル3には、車両の前後方向Aの中央部に車両の幅方向に沿って延びる複数(図1中2個)の凸状のクロスメンバー部5が設けられている。これらクロスメンバー部5には、車両の前後方向Aに延びるレール(図示省略)が懸架されており、このレールに沿って前座席6aがスライド可能に設けられている。また、車体パネル3には、車両の前方側に立壁状のダッシュパネル部7が設けられており、車両の後方側に立壁状のヒールキック部8が設けられている。さらに、車体パネル3上には、クロスメンバー部5、ダッシュパネル部7及びヒールキック部8を避けるようにして複数の吸音層9(図1中3個)が部分的に積層されている。これら各吸音層9は、フェルトを用いてなり、通気性を有している。
【0029】
(2)フロアカーペットの構成
本実施例1に係る上記フロアカーペット2は、図4に示すように、ポリ塩化ビニル製の樹脂シートからなる非通気性の遮音層10と、この遮音層10上に接着されたカーペット表皮11とを備えている。この遮音層10の平面全域には、粉末状の磁性体12(例えば、アルニコ磁石の粉末等)が含まれている。この遮音層10を100質量%とした場合、この遮音層10には約30質量%の磁性体12が含まれている。また、カーペット表皮11は、ニードルパンチにより不織布を毛羽立たせてなされている。
【0030】
上記遮音層10には、図1及び図2に示すように、車両の幅方向(図1の紙面方向)に沿って延びており、車両の前後方向Aに拡縮可能な複数(図1中で8個)のギャザー部14a〜14jが設けられている。このギャザー部14aは、車体パネル3側に向かって突出し且つダッシュパネル部7の壁面と吸音層9の側端面との対向間隔に位置するように遮音層10に設けられている。また、ギャザー部14b,14e,14f,14iは、車体パネル3側に向かって突出し且つクロスメンバー部5の側面5aと吸音層9の側端面9aとの対向間隔に位置するように遮音層10に設けられている。また、ギャザー部14jは、車体パネル3側に向かって突出し且つヒールキック部8の壁面と吸音層9の側端面との対向間隔に位置するように遮音層10に設けられている。さらに、ギャザー部14c,14d,14g,14hは、車体パネル3の反対側に向かって突出し且つクロスメンバー部5の稜線5bに沿うように遮音層10に設けられている。また、ギャザー部14c,14d,14e,14f,14g,14hは、前座席6aの下方側に位置するように遮音層10に設けられている。さらに、ギャザー部14a,14b,14e,14f,14i,14jの突出高さh1は約5mmとされている(図3参照)。また、ギャザー部14c,14d,14g,14hの突出高さh2は約3mmとされている(図3参照)。
【0031】
(3)車両フロア構造の作用
次に、上記構成の車両フロア構造1の作用について説明する。図3に示すように、車体パネル3上にフロアカーペット2を敷設すると、図2に示すように、磁性体12の磁力によりフロアカーペット2の遮音層10が車体パネル3上に密着状態で接触されると共に、ギャザー部14a〜14jの拡縮により遮音層10のシワ等の余剰部が吸収される。なお、フロアカーペット2の敷設時には、クロスメンバー部5の近傍において、ギャザー部14b,14e,14f,14iが車両の前後方向Aに拡大し且つギャザー部14c,14d,14g,14hが車両の前後方向Aに縮小することとなる。
【0032】
(4)実施例1及び比較例に係る車両フロア構造の騒音評価
次に、実施例1に係る上述の車両フロア構造1と比較例に係る車両フロア構造との騒音評価について説明する。なお、比較例に係る車両フロア構造として、図13に示すように、吸音層109を介して車体パネル103上にフロアカーペット102を敷設してなり、車体パネル103とフロアカーペット102との間におけるクロスメンバー部105、ダッシュパネル部及びヒールキック部108に空気層Sが形成された構造101を採用する。
【0033】
上記車両フロア構造1,101において、前座席6a及び後座席6bに乗車した人間の耳の位置近傍にマイクロフォン(図示省略)を設置しておく。そして、上記車両フロア構造1,101を備える自動車を時速60kmで粗面路を走行させ、その際の1/3オクターブバンドの騒音レベル(dB)の周波数特性を上記マイクロフォンで測定した。その結果、図5に示すように、実施例1の車両フロア構造1の前座席6aでは、比較例の車両フロア構造101の前座席6aに比べて、中周波(特に200〜400Hz)での騒音レベルが減少していることがわかる。また、図6に示すように、実施例1の車両フロア構造1の後座席6bでは、比較例の車両フロア構造101の後座席6bに比べて、中周波(特に250〜400Hz)での騒音レベルが減少していることがわかる。
【0034】
(5)実施例の効果
本実施例1のフロアカーペット2によると、遮音層10は、磁性体12を含み且つ拡縮可能なギャザー部14a〜14jを有するので、磁性体12の磁力により車体パネル3上に遮音層10が密着状態で接触されると共に、ギャザー部14a〜14jの拡縮により遮音層10のシワ等の余剰部が吸収される。これにより、フロアカーペット2の成形精度が低い場合であっても、車体パネル3に対する追従性及び見栄えを高めて透過損失の低下を抑制することができる。特に、車体パネル3とフロアカーペット2との間の空気層をなくせる又は低減させることができるので、中周波(例えば、100〜400Hz等)での透過損失の低下を抑制できる。
【0035】
また、本実施例1では、車体パネル3の上面側に吸音層9が積層されているので、吸音層9の吸音効果により防音性を高めることができる。
【0036】
また、本実施例1では、ギャザー部14c,14d,14g,14hが、車体パネル3のクロスメンバー部5の稜線5bに沿うように遮音層10に設けられているので、車体パネル3上に遮音層10を敷設したときにギャザー部14c,14d,14g,14hが縮んで立壁状となるため、クロスメンバー部5の稜線5bが際立ち高級感が与えられ見栄えをより高めることができる。
【0037】
また、本実施例1では、ギャザー部14c,14d,14e,14f,14g,14hが、車体パネル3に設けられた前座席6aの下方側に位置するように遮音層10に設けられているので、車体パネル3上に遮音層10を敷設したときにギャザー部14c,14d,14e,14f,14g,14hが前座席6aの下方側に隠れて見え難くなるため、見栄えをより高めることができる。
【0038】
また、本実施例1では、ギャザー部14b,14e,14f,14iが、車体パネル3側に向かって突出し且つ車体パネル3のクロスメンバー部5の側面5aと吸音層9の側端面9aとの対向空間に位置するように遮音層10に設けられているので、クロスメンバー部5と吸音層9との対向空間における空気層をより確実になくす又は低減することができる。
【0039】
また、本実施例1では、ギャザー部14a,14jが、車体パネル3側に向かって突出し且つ車体パネル3のダッシュパネル部7やヒールキック部8の壁面と吸音層9の側端面9aとの対向空間に位置するように遮音層10に設けられているので、ダッシュパネル部7やヒールキック部8と吸音層9との対向空間における空気層をより確実になくす又は低減することができる。
【0040】
さらに、本実施例1では、遮音層10の上面側にカーペット表皮11が設けられているので、フロアカーペット2の車体パネル3に対する追従性及び見栄えを高めて透過損失の低下を抑制することができる。
【0041】
<実施例2>
(1)車両フロア構造の構成
本実施例2に係る車両フロア構造21は、図7に示すように、ダッシュサイレンサ22(本発明に係る「車両用敷設内装材」として例示する。)と、このダッシュサイレンサ22が敷設される金属製の車体パネル23と、を備えている。
【0042】
上記車体パネル23には、複数の吸音層29(図7中2個)が部分的に積層されている。これら各吸音層29は、フェルトを用いてなり、通気性を有している。
【0043】
(2)ダッシュサイレンサの構成
本実施例2に係る上記ダッシュサイレンサ22は、図8に示すように、EPDM製のゴムシートからなる非通気性の遮音層30を備えている。この遮音層30の平面全域には、粉末状の磁性体32(例えば、アルニコ磁石の粉末等)が含まれている。この遮音層30を100質量%とした場合、この遮音層30には約30質量%の磁性体32が含まれている。
【0044】
上記遮音層30には、図7に示すように、車両の幅方向(図7の紙面方向)に沿って延びており、その幅方向と直交する方向に拡縮可能な複数(図7中で4個)のギャザー部34が設けられている。これらギャザー部34は、車体パネル23の反対側に向かって突出し且つ吸音層29の稜線29aに沿うように遮音層30に設けられている。
【0045】
(3)車両フロア構造の作用
次に、上記構成の車両フロア構造21の作用について説明する。車体パネル23上にダッシュサイレンサ22を敷設すると、図7に示すように、磁性体32の磁力によりダッシュサイレンサ22の遮音層30が車体パネル23上に密着状態で接触されると共に、ギャザー部34の拡縮により遮音層30のシワ等の余剰部が吸収される。
【0046】
(4)実施例の効果
本実施例2のダッシュサイレンサ22によると、遮音層30は、磁性体32を含み且つ拡縮可能なギャザー部34を有するので、磁性体32の磁力により車体パネル23上に遮音層が密着状態で接触されると共に、ギャザー部34の拡縮により遮音層30のシワ等の余剰部が吸収される。これにより、ダッシュサイレンサ22の成形精度が低い場合であっても、車体パネル23に対する追従性及び見栄えを高めて透過損失の低下を抑制することができる。特に、車体パネル23とダッシュサイレンサ22との間の空気層をなくせる又は低減させることができるので、中周波(例えば、100〜400Hz等)での透過損失の低下を抑制できる。
【0047】
また、本実施例2では、車体パネル23の上面側に吸音層29が積層されているので、吸音層29の吸音効果により防音性を高めることができる。
【0048】
さらに、本実施例2では、磁性体32の磁力により遮音層30を車体パネル23上に密着状態で接触させているので、従来のダッシュサイレンサ122(図14参照)のように車体パネル123に対する接合用のマジックテープ147(登録商標;面ファスナ)やクリップ148を必要とせず部品点数を低減することができる。
【0049】
尚、本発明においては、上記実施例1及び2に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例1では、クロスメンバー部5の稜線5bに沿うように設けられたギャザー部14c,14d,14g,14hを例示したが、これに限定されず、例えば、図9に示すように、クロスメンバー部5の上面で車両幅方向に延びるギャザー部14’としたり、クロスメンバー部の側面で車両幅方向に延びるギャザー部としたりすることができる。
【0050】
また、上記実施例1及び2では、車体パネル3,23上に吸音層9,29を積層してなる形態を例示したが、これに限定されず、例えば、図10に示すように、遮音層10(30)の下面側に吸音層9(29)を積層してなる形態としてもよい。
【0051】
また、上記実施例2では、遮音層30の吸音層29と接触する部位にギャザー部34を設ける形態を例示したが、これに限定されず、例えば、図11に示すように、遮音層30の車体パネル23に接触する部位にギャザー部34’を設けるようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施例2では、EPDM製のゴムシートからなる遮音層30を例示したが、これに限定されず、例えば、図12に示すように、高密度フェルトからなる遮音層30’としてもよい。この場合、粉末状の磁性体を混入した樹脂から形成される繊維(磁性体32’)をニードルパンチ等でフェルトに混合させることができる。
【0053】
さらに、上記実施例1及び2では、1重折りのギャザー部14,34を例示したが、これに限定されず、例えば、2以上に折り込まれたギャザー部としてもよい。
【0054】
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
【0055】
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
乗用車、バス、トラック等の他、列車、汽車等の鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両などの車体パネルに敷設される車両用敷設内装材に関する技術として広く利用される。
【符号の説明】
【0057】
1,21;車両フロア構造、2;フロアカーペット、3,23;車体パネル、5;クロスメンバー部、6a;前座席、9,29;吸音層、10,30;遮音層、11;カーペット表皮、12,32;磁性体、14a〜14j,14’,34,34’;ギャザー部、22;ダッシュサイレンサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体パネル上に敷設される車両用敷設内装材であって、
磁性体を含み且つ拡縮可能なギャザー部を有する遮音層を備えることを特徴とする車両用敷設内装材。
【請求項2】
前記車体パネルの上面側及び前記遮音層の下面側のうちの少なくとも一方には吸音層が積層されている請求項1記載の車両用敷設内装材。
【請求項3】
前記ギャザー部は、前記車体パネルに設けられた凸部の稜線に沿うように前記遮音層に設けられている請求項1又は2に記載の車両用敷設内装材。
【請求項4】
前記ギャザー部は、前記車体パネルに設けられた座席の下方側に位置するように前記遮音層に設けられている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用敷設内装材。
【請求項5】
前記遮音層の上面側にはカーペット表皮が設けられている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両用敷設内装材。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両用敷設内装材と、
前記車両用敷設内装材が敷設されている車体パネルと、を備えることを特徴とする車両フロア構造。
【請求項1】
車体パネル上に敷設される車両用敷設内装材であって、
磁性体を含み且つ拡縮可能なギャザー部を有する遮音層を備えることを特徴とする車両用敷設内装材。
【請求項2】
前記車体パネルの上面側及び前記遮音層の下面側のうちの少なくとも一方には吸音層が積層されている請求項1記載の車両用敷設内装材。
【請求項3】
前記ギャザー部は、前記車体パネルに設けられた凸部の稜線に沿うように前記遮音層に設けられている請求項1又は2に記載の車両用敷設内装材。
【請求項4】
前記ギャザー部は、前記車体パネルに設けられた座席の下方側に位置するように前記遮音層に設けられている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用敷設内装材。
【請求項5】
前記遮音層の上面側にはカーペット表皮が設けられている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両用敷設内装材。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両用敷設内装材と、
前記車両用敷設内装材が敷設されている車体パネルと、を備えることを特徴とする車両フロア構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−234896(P2010−234896A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83335(P2009−83335)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
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