説明

車両用消火器

固体プロペラント消火器またはハイブリッド消火器が、車両火災抑制システム中に組み入れられる。前記システムは、加速、減速、速度、時間、温度、燃料、燃料レベル、火焔、煙、光伝達および光学的指標からなる群から選択される、少なくとも1つの状態にしたがって作動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願とのクロスリファレンス
本出願は2003年4月15日に出願された仮出願第60/463,485号(その全体は参照してここに組み込まれる)の利益を主張する。
この出願は、2003年4月15日出願の仮出願60/463,485号の利益を宣言する。前記仮出願をここに引用したことによって前記仮出願の開示事項は、全体が本件に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、車両用火災抑制システム、および前記火災抑制システムにおいて用いられるハイブリッド消火器に関する。
発明の背景
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】US特許第5,423,384号明細書
【0003】
【特許文献2】US特許第5,449,041号明細書
【0004】
【特許文献3】US特許第6,045、637号明細書
【0005】
【特許文献4】US特許第6,513,602号明細書
【0006】
【特許文献5】US特許第6,076,468号明細書
【0007】
【特許文献6】US特許第5,613,562号明細書
【0008】
【特許文献7】US特許第6,217,788号明細書
【0009】
【特許文献8】US特許第6,024,889号明細書
【0010】
【特許文献9】WO00/57959号 NFPAの1996年データによると、車両火災はアメリカ合衆国消防局に報告されている全火災の21%を占め、火災に関連する死亡者数の14.2%を占める。全物的損害は13億ドルを越えるものであった。自動車は車両火災の74%を占める。このデータは、自動車火災による死亡の80%は後部衝突の結果として起こることも示している。前部衝突やエンジン部分の火災に対して、後部衝突の結果起こる火災のパーセンテージが高いのは、後部衝突で起こり得る事象のためである。これらの事象が起こる可能性は、速度が増大するにつれて増大する。衝突した車両のトランク部分は、エネルギーを吸収するためにぺしゃんこになるように設計されているが、非常に高速な衝撃によって、一部の車両のトランク部分は後車軸の前方へつぶれることが知られている。車両の燃料タンクは、この衝突の結果として損傷を受け、その結果、燃料が流出する。タンクは破裂するか、破砕するか、または他の方法で破裂し、これにより燃料の流出が起こるか、または燃料がいずれかの燃料連結部での漏れによって、または破損したホースより流出する。他の燃料の流出は、車両に搭載されているタンクにおける漏れの結果である。いずれかの原因で燃料が流出する場合、燃料は車両の下の表面上に流出するであろう。車両が依然として動いている場合、燃料の痕跡が後に残され、車両が停止すると、燃料は前記車両の下に燃料だまりを作りはじめる。前記の燃料だまりは車両の下に急速に広がり得る。場合によっては、燃料は、道路上を滑る金属からの火花か、または電気回路の短絡により着火する。その後の火焔は迅速に車両の残りに広がり、車両全体を数分で包み込む。意識不明であるか、または車両を離れることができない乗客は、火災の結果として重傷を負うかまたは死亡する危険性がある。したがって、適切な火災抑制システムが開発されたならば、このようなシステムが新規車両において、または既存の車両に後から取り付けられるシステムとして一般人に利用可能であるならば、相当な安全性に関する利益が実現できる。
【0011】
エアバッグインフレータは、不活性ガス、典型的には窒素、あるいは窒素、水蒸気、および二酸化炭素ガスの混合物のいずれかを排出するように設計される。これらのガスは、有効な火災抑制剤である。小さく、軽量の火災抑制システムが必要とされ、ハロン(Halon)1301の置換が望まれるので、火災抑制に固体プロペラント技能を適用する試みがなされてきた。これらの試みの結果、火災抑制用途に理想的に適したガス発生プロペラントが得られた。不活性火災抑制ガスを生成するために固体プロペラントを用いる消火器は、固体プロペラント消火器(SPFE)と呼ばれる。様々な不活性および化学的に活性なガスを産生するプロペラントが開発されている。SPFEは多くの用途を有するが、ある顕著な欠点は、液体燃料の表面上に、再着火の防止を意味する消火用物質のフィルムまたは層を提供できないことである。SPFEにおいて液体火災抑制剤がないことは、前記火災抑制剤によりほとんど冷却が起こらないことも意味する。
【0012】
結果として、別の消火技術が開発されている。広範囲の火災抑制用途は、増大した冷却能または液体抑制剤のみがもたらすことのできる残留効果から、恩恵を受けることができる。これらの技術のうちの1つは、固体プロペラントガス発生器を液体火災抑制剤と組み合わせることに存する。流動性火災抑制剤を促進するために固体プロペラントガス発生器を使用する消火器は、ハイブリッド消火器(HFE)として知られている。
【0013】
ハイブリッド消火器は、フレオン(FREON)22、フレオン(FREON)32、ハロン(HALON)1301、CO、アンモニア、水および水性溶液、およびフルオロカーボン、例えばHFC−227ea(ヘプタフルオロプロパン)、ヘキサフルオロプロパンおよびペンタフルオロペンタン、またはフルオロケトン、例えばパーフルオロブチルトリフルオロメチルケトンをはじめとする、様々な気体または液体火災抑制剤を使用する。ハイブリッド消火器は、不活性ガスを生成するために少量の固体プロペラントを使用する。液体または気体状火災抑制剤をタンクから加圧、気化、および噴射させるために、固体または液体プロペラントまたは高圧ガスシリンダから、これらの不活性ガスを生成させることができる。様々な不活性および化学的に活性なハイブリッド火災抑制構造が開発されている。しかしながら、今日まで、車両用に開発された固体プロペラント消火器またはハイブリッド消火器はない。特に、車両の衝突が原因の火焔の再着火を消火し、防止するために理想的に好適である、固体プロペラント消火器またはハイブリッド消火器は開発されていない。本発明は、この必要性を満たし、さらに関連した利点をもたらすものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
発明の概要
本発明は、車両火災抑制システムの固体プロペラント消火器またはハイブリッド消火器のいずれかを提供する。本発明は、界面活性剤を有する前記消火器、消火器を使用する火災抑制システム、および車両火災を抑制する方法に関する。
【0015】
本発明のハイブリッド消火器は、プロペラントおよび流動性火災抑制剤を有する容器を含み、前記プロペラントは流動性火災抑制剤を容器から押し出す働きをする。流動性火災抑制剤は、前記流動性火災抑制剤と燃料のフィルム形成、混和性、または乳化性を増大させるために選択される界面活性剤も含む。燃料は、ガソリンまたはディーゼルを含むことができるが、炭化水素燃料も含む。火災抑制システムは、前記システムの信頼性を増大するために、衝突および/または火災の徴候である多数の状態に関して自動的に作動するように構成することができる。
【0016】
車両用火災抑制システムは、消火器および1つ以上の装置を含み、前記装置は、消火器の作動につながるであろう状態を表示することができる。前記火災抑制システムを作動させ得る状態は、これらに限定されないが、急速な加速または減速、速度または速度不足、時間、時間遅延、指定時刻に起こる事象または作用、火災の徴候である温度、火災の徴候である煙、タンク中の燃料レベル、流出する燃料を示す燃料蒸気、および火焔を表示する任意の他の装置を含む。前記火災抑制システムは、所定の論理的順序に基づいて前記火災抑制システムを作動させるために、前記装置の信号を処理できるコンピュータを介して前記装置に連結されている。
【0017】
車両火災を抑制するための本発明の方法は、前記の状態の1つにしたがって前記火災抑制システムを作動させることを含む。
【0018】
代表的車両は、乗用車、例えば、セダン、軽トラック、バン、ミニバン、SUV、ステーションワゴンなどを含む。車両とは、バス、トラック、タンク車、貨車、またはタンクまたは容器からの燃料の流出による火災の可能性がある他の輸送様式も意味する。
【0019】
一実施形態において、車両用火災抑制システムは、プロペラント、流動性火災抑制剤、および界面活性剤を含み、前記プロペラントは、火災抑制剤および界面活性剤を、分配システムにより火焔に推進するガスを発生することができる。一実施形態において、前記プロペラントは、車両の衝突および/または火災の徴候である装置の信号に基づいて作動する。前記センサは加速センサであってもよい。タイマーは、適当な時間、前記消火器システムの作動を遅らせ、これにより前記車両を減速させるか、または停止させる。遅延時間は、衝突の激しさにしたがって調節される。例えば、低エネルギー衝突は高速で起こる衝突と比較して遅延時間が短い。衝突の激しさは、衝突前の速度により測定することもできる。このようにして、衝突後、前記火災抑制システムが作動する前に、前記車両を減速または停止させるために十分な時間の余裕ができる。
【0020】
別の実施形態において、既存のエアバッグを備えた車両は、火災抑制システムを後から取り付けることができる。前記システムは、急速な加速を検出する加速センサ、および前記加速センサからの信号を処理してエアバッグを作動させるプロセッサを含む。前記プロセッサは、エアバッグ作動後の適当な遅延期間後に、固体プロペラント消火器またはハイブリッド消火器のいずれかを作動させることもできる。
【0021】
本発明のまた別の実施形態において、車両火災を消火する方法が提供される。前記方法は、車両の衝突の徴候である急速な加速を検出することを含む。加速は負の加速、すなわち減速もあり得ると理解される。例えば、動いている車両が静止した物体に衝突することにより受ける運動は、前記車両の減速を引き起こし得る。一方、静止している車両は後方から衝突されて、前記車両の正の加速を引き起こす。急速な加速および急速な減速(正および負の加速)は、どちらも消火器の作動の必要性を示唆する。前記方法は、車両に搭載された固体プロペラント火災抑制システムまたはハイブリッド火災抑制システムの、いずれかの作動を遅らせることを含み得る。前記抑制システムの作動の遅れは、衝突後の所定の期間、前記車両が減速または停止する時間を提供する。
【0022】
本発明の他の実施形態において、方法は、消火器を作動させるための点火ロジックを提供する。一方法において、前記消火器は、2つの独立した異なる、または重複した、状態の感知様式に基づいて作動する。例えば、急速な加速の検出の後には、前記消火器が作動する前に熱、煙、または火焔が検出され得る。熱、煙、または火焔は、光または熱感受性装置により感知することができる。他の実施形態は、点火ロジックがマニュアルスイッチを操作可能にするならば、前記消火器をマニュアルで始動させることができる、ダッシュボードに組み込まれたスイッチの使用を含む。他の実施形態において、マニュアルスイッチは、前記消火器の機能を中断することができる。点火ロジックは、前記消火器の機能を可能にするかまたは防止するかのいずれかである連動装置を備えることができる。前記連動装置は、加速、減速、速度、時間、温度、燃料、燃料レベル、火焔、煙、光伝達および光学的指標を検出するセンサまたはマニュアルスイッチに依存する。
【0023】
前記消火システムの実施形態において、多くの配管構成を設置することができる。例えば、一実施形態は、燃料タンク付近に位置する車体の下側に向けられた複数のノズルを提供する。このようにして、いかなる燃料火災も迅速かつ効率的に消火することができる。本発明の火災抑制システムは、点火を防止するために、あるいは火災が発生し消火された場合には、燃料の再点火を防止するために、燃料/空気界面の表面でフィルムを形成できる界面活性剤を含む。本明細書において用いられる場合、「燃料」とは、ガソリンなどの燃料を包含する可燃性液体を意味するが、他の輸送形式用燃料も包含し、また燃料とは、車両を推進するために使用されるか、またはタンク中で車両に搭載されている任意の可燃性液体も意味する。
【0024】
本発明は、車体底部の燃料だまりの火災を消火することができることを含む、1つ以上の利点を提供する。本発明のシステムは、一旦消火された後に燃料が再点火するのを防止するか、または燃料/空気界面間にフィルムまたは層を提供することにより、燃料の初期点火を防止することができる。前記システムは、火焔を検出し、条件がそろったら自動的に作動することができるか、またはマニュアル制御下にある。前記システムは、最小の修正を加えて既存の車両に適合する。前記火災抑制システムを作動させるために電力が必要であるならば、前記システムは車両のバッテリーまたは他の蓄積エネルギー装置中に組み入れることができる。前記システムは、20年以上車両に搭載されるという厳しい状態を切り抜け、必要時に確実に機能するように設計される。前記システムは搭載された期間中、ほとんどまたは全くメンテナンスを必要としない。前記システムは、セルフチェックまたは試験を定期的に行い、前記システムが注意を必要とするか、またはもはや機能しない場合にこの状態を告知することができる(健康管理能力)。前記システムの全成分は、取り扱い、搭載、および維持するのに安全である。
【0025】
本発明のハイブリッド消火器(HFE)は、流動性火災抑制剤と、化学的に活性であるかまたは不活性な固体プロペラント消火器(SPFE)の利点を、組み合わせたものである。HFEは、流動性火災抑制剤を含むタンクとガス発生カートリッジを備える。流動性火災抑制剤は、ほとんどの加圧火災抑制システムに典型的な加圧窒素ガスの代わりに、高圧ガス発生装置排出物によりタンクから推進される。ガス発生装置ガスと流動性火災抑制剤間の熱伝達により、低温でも多相抑制剤放出が促進される。ガスは液体よりも容易に物体の周りに広がり火焔に到達することができるので、多相放出物は有利である。液体は燃えている燃料上にフィルムまたは層で広がることができるので有利である。ガス発生装置設計の調節は、時間依存性火災抑制剤放出物の流速および蒸気の質を決定する。HFEの主な利点としては、増大した火災抑制剤流速制御、改善された火災抑制剤分布、消火時間の短縮、高圧窒素加圧物質の排除、高いフィル密度、改善された低温性能、位置に対する非感受性、増大した安定性、メンテナンスの必要性の軽減、および高速作動ソレノイドバルブの排除が挙げられる。流動性火災抑制剤において提供される界面活性剤は、再点火を防止するために燃焼可能な燃料/空気界面でのフィルムの形成を促進する。本発明において使用される代表的界面活性剤は、アルキルスルホネートおよびアミン塩である。界面活性剤は、フルオロカーボンおよび/または炭化水素界面活性剤の混合物と、アルキルポリグリコシドおよび/またはグリコールから構成される、ブレンドであり得る。
【0026】
ハイブリッド消火器は、従来のシステムよりも必要な火災抑制剤が少ない。固体プロペラントガス発生装置は、流動性火災抑制剤の蒸気化を促進し、排出に際しての分散を改善する。ハイブリッド消火器に関連する火災抑制剤の気化および分布の結果、窒素加圧ビンと比較して、必要とされる薬剤濃度が軽減される。さらに、液体火災抑制剤の貯蔵体積は、気体状抑制剤よりもかなり小さい。加圧ガス発生装置は、作動まで固体形態において貯蔵されるので、HFEは窒素チャージを必要としない。したがって、貯蔵圧はずっと低い。熱力学的に、流動性火災抑制剤装填密度は、高い貯蔵温度での過剰圧力の危険を招くこと無く著しく増大させることができる。その結果、車両消火器は、小体積において包装することができる。固体プロペラントガス発生装置による液体火災抑制剤の分散、必要とされる薬剤濃度が減少すること、窒素加圧物質の排除、および液体剤の体積の減少の組み合わせは、ハイブリッドシステムを車両において使用するのに非常に適したものにする。
【0027】
ハイブリッド消火器は、その全火災抑制剤装填物を数百ミリ秒(msec)で放出することができる。場合によっては、放出時間は150ミリ秒未満である。この高い放出速度は、流動性火災抑制剤に、火焔前方の浸透を助ける相当のモーメントをもたらし、また抑制剤の優れた分散をもたらし、その結果、消火時間が速くなる。
【0028】
HFEは、追加の火災抑制効果を得、システム重量を減少させ、性能を増大させるために、化学的に「活性な」固体プロペラントガス発生装置を利用することができる。化学的に「活性な」プロペラントは、様々な軍事基盤で使用されることが知られており、40%から60%の火災抑制剤重量の減少をもたらすことができる。HFEは重量を減少させ、性能を向上させるためにも、化学的に「活性な」液体火災抑制剤を利用することができる。
【0029】
高速HFE放出の性質は、液体抑制剤が放出中に相を変化させるようなものである。抑制剤放出の初期パルスは、主として非常に微細な液滴である。これらの液滴は、相当のモーメントを有するために十分な大きさであり、これは分散距離および火焔の前方浸透を助け、さらに火焔からの熱抽出のための相当な表面積を提供するのに十分なほど小さい。HFEが放出を続けるにつれ、液体抑制剤は、固体プロペラントガス発生装置により発生する熱ガスから熱を吸収する時間が長くなる。したがって、この抑制剤の質は変化し、さらに高い蒸気含量に達する。抑制剤蒸気は、ガス発生装置により発生する化学的に活性なガスと共に、ガスのように挙動し、障害物の周りを進むことができ、火焔が放出物噴流から逃れられないことを確実にする。この二重相放出は、ハイブリッド消火器技術の特徴である。ハイブリッド消化器タンクおよび前記タンク内部の固体プロペラントガス発生装置は、どちらも均一な大きさのオリフィスを組み入れ、放出性能/タイミングおよび環境的溶接密閉を制御するためにディスクを破壊する。
【0030】
界面活性剤は、燃料の再点火を防止するために、燃料/空気界面でのフィルムまたはブランケットの形成を促進する。水系火災抑制剤は、凍結防止保護のための添加剤も含むことができる。HFEは貯蔵圧がないかまたは非常に低く、したがって、作業員は、高度に加圧された鋼鉄製または複合タンクを取り扱う必要はない。その設計は、作業員にとって本質的に安全である。貯蔵圧がないと、その結果、漏れ、疲労応力およびメンテナンスの必要性が減少し、その結果、貯蔵寿命およびライフサイクルコストが改善される。加圧物質としての窒素が必要ないので、溶解度の問題がない。その結果、システム寿命が長くなる。加圧されたシステムに比べて、ハイブリッド消火器は操作温度範囲全体にわたって無視できない物質流速(性能)変化がある。窒素加圧消火器と異なり、ハイブリッド消火器は、その位置に関係なく同様に動作する。全固体プロペラントガス発生装置は、新規ユニットと置換することができ(古い固体プロペラント、または全ハイブリッド消火器は廃棄することができる)、前記タンクに液体火災抑制剤および界面活性剤を詰め替えることができる。HFEは生分解性であり、非オゾン消耗/非毒性火災抑制剤を含むことができる。
【0031】
本発明の前記態様および多くの付随する利点は、添付の図面と関連させると、以下の詳細な記載を参照することによってより良く理解されるので、さらに容易に理解できるようになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0032】
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
好ましい具体例の詳細な説明
次の特許および特許出願は、火災抑制システムに対して行われた試みのいくつかを記載する。米国特許第5,423,384号、第5,449,041号、第6,045,637号、第6,513,602号、第6,076,468号、第5,613,562号、第6,217,788号、第6,024,889号、および国際公開第00/57959号。これらの特許は全てその全体が参照してここに組み込まれる。これらの特許は、固体プロペラント消火器として使用できる、代表的な化学的に活性および不活性な固体プロペラントを記載する。固体プロペラントは、ハイブリッド消火器においてプロペラント供給源として使用できるガスも発生させる。
【0034】
本発明の火災抑制システムは、衝突、衝撃、実際の火災、または燃料不足あるいは、加速、減速、速度、時間、温度、燃料、燃料レベル、火焔、煙、光伝達および光学的指標から選択される、任意の他の状態または状態の組み合わせの場合に、火災抑制剤を送達するように構成された、固体消火器またはハイブリッド消火器のいずれかを有する。加えて、加速、減速、速度、時間、温度、燃料、燃料レベル、火焔、煙、光伝達および光学的指標を感知するための装置を、所定のロジックにしたがって消火器を作動させるためのプロセッサを介して、固体またはハイブリッド消火器に連結させることができる。適当な装置としては、これらに限定されるわけではないが、加速メーター、タイマー、熱電対、レベルスイッチ、レベルトランスミッタ、赤外線センサ、光センサ、コンタクトスイッチ、速度計およびビデオセンサが挙げられる。
【0035】
本発明の一実施形態によると、固体プロペラント消火器は、前記火災抑制システムにおいて用いることができる。化学的に活性な固体プロペラント消火器は、2”の直径および入れられる薬剤に応じて15”までの長さを有し得るカートリッジに入れられる。固体消火器ガスは200ミリ秒以内に前記カートリッジから完全に放出される。この高速の放出は、相当のモーメントを有する抑制剤を提供し、これは火焔前方の浸透を助け、前記抑制剤の優れた分散をもたらし、その結果消火時間が早くなる。試験により、これは車両の床下用途に典型的な抑制しがたい火災を抑制するために、非常に有効であることが示された。しかしながら、前記消火器の意図される用途に適するように、放出速度を200ミリ秒以上または以下に調節することが可能である。
【0036】
固体プロペラント消火器(SPFE)は多くの利点を有する。SPFEは少ない重量中により多くの火災抑制剤を充填する。さらに、固体プロペラントは、ガスを貯蔵するための最大体積有効手段を提供する。最終的な効果は、従来の窒素加圧貯蔵された薬剤システムで達成できるよりも、ずっと小さく軽い装置である。SPFEは、典型的な自動車温度要件の範囲にわたって、一定した火災抑制剤放出特性を提供する。SPFEは、火災抑制剤を送達するために窒素加圧物質を必要とせず、したがって、関連する漏れがない。SPFEの内圧は、前記消化器が作動するまでは常圧のままである。SPFEは、典型的な窒素加圧貯蔵された試薬ビンに関連する、ロジスティック、持続性、取り扱い性、および安全性の問題を排除する。SPFEは、質量を減少させ、消火および抑制特性を増大させるために、「活性な」薬剤を使用することができる。化学的に活性な薬剤は、火災を広げる燃焼中間体と相互作用し、除去する成分を組み入れることにより、通常のSPFEの冷却、不活性化、および火災抑制に有利になる。代表的添加剤としては、カリウム塩、ナトリウム塩、臭化物および/またはヨウ化物を包含するハロゲン化物塩、または炭酸水素塩を包含する炭酸塩が挙げられる。化学的に活性なプロペラントは、様々な軍事基盤に使用される既に制限された火災抑制プロペラントに基づいており、40%から60%の抑制剤重量の軽減をもたらす。追加のSPFE特性は、位置および加速非感受性であることを含む。SPFEは密閉することができ(保存寿命20年)、メンテナンスをほとんどまたは全く必要とせず、使い捨て可能であり、非毒性、非腐食性で、環境に優しい。本発明の方法で車両に組み入れることができるSPFEの代表的な例は、米国特許第6,045,637号、第5,613,562号、第6,217,788号、および第6,024,889号(全体が参照してここに組み込まれる)に記載されている。
【0037】
SPFEに関する1つの欠点は、任意の残存するためられた燃料の再点火の可能性を、適切に排除できない可能性があることである。再点火の可能性を軽減することを望むならば、燃料だまりの表面を、界面活性剤または前記燃料の可燃性を変更する物質を含有する溶液で覆うことができる、流体、フィルムまたは泡状物を放出するのが望ましい。選択された界面活性剤溶液をハイブリッド消火器中の液体火災抑制剤に添加することができる。前記界面活性剤は、前記燃料の再点火を防止するために、燃料/空気界面でのフィルムまたはブランケットの形成を促進する。あるいは、界面活性剤は、燃料の初期点火を防止することができる。界面活性剤は、固体プロペラント消火器中よりもずっと容易に、流動性火災抑制剤においてハイブリッド消火器(HFE)中に組み入れることができる。
【0038】
図1を参照すると、本発明の火災抑制システム102を有する車両100の図が示されている。図示されるように、前記火災抑制システム102は、衝突に耐えるために好適な任意の位置で前記車両の後部に搭載され、このことは、前記火災抑制システム102またはその補助装置が搭載されている構造部材が、前記火災抑制システム102の機能を妨害するような実質的な変形を受けないことを意味する。一実施形態において、前記火災抑制システムは、車両のトランク区画中に搭載することができる。既存の構造に加えて任意の強化構造部材を提供し、前記火災抑制システム102に構造一体性を提供することができる。
【0039】
本発明の前記火災抑制システムは、固体プロペラントガス発生カートリッジと、多量の流動性火災抑制剤と、添加剤または界面活性剤とを含む、タンク104を含む。タンクの放出物110は、地面またはその付近の位置に向かう放出ノズル108につながる、パイプ106に連結している。あるいは、他の実施形態は、客室における火災を抑制するために上方に、例えば客室中に向かうノズルを有し得る。図1は、テレスコーピングノズル108としてのノズルの一実施形態を示す。テレスコーピングノズル108は、多相流動性火災抑制剤および固体プロペラントにより発生した不活性ガスが、これより放出されて、火焔の前、典型的には車両100の車台に向かうことが可能になるように、完全に伸ばしきった状態である。非作動状態において、テレスコーピング放出ノズル108はパイプ末端112の内部に縮められる。テレスコーピングノズル108は、パイプ末端112の内部に縮めて、通常の走行中に車両の車台を打つ道路の破片から受ける損害を回避するようにすることができる。前記火災抑制システムが作動する場合、ガスにより生じる圧力は、前記テレスコーピング放出ノズル108を下方に押しやって、多相流動性火災抑制剤および不活性ガスが、前記放出ノズル108に設けられた間隙から逃散することを可能にするために、十分である。
【0040】
図2を参照すると、本発明の車両用火災抑制システムが図示されている。さらに明らかにわかるように、左側の放出ノズル108は、パイプ末端112中にいっぱいに縮められて図示されている。テレスコーピングノズル108は、前記パイプ末端112の内径とほぼ同寸法であるスリーブ114を含んでよい。スリーブ114は、前記テレスコーピングノズル108の上端に連結している。スリーブ114は、前記テレスコーピングノズル108を、パイプ末端112中の孔を通して、右側のテレスコーピングノズルにおいて示される位置であって、同じ参照番号108で示される位置へと下方に導く。タンク104内の前記固体プロペラントにより十分な圧力が発生し、前記テレスコーピングノズル108を前記の完全に縮んだ位置から前記の完全に伸びきった位置まで伸ばし、前記多相流動性火災抑制剤および不活性ガスを、前記放出ノズル108中に設けられた前記開口部から排出させることが可能になる。
【0041】
図3を参照すると、本発明の消火器は、前記タンク300の一端のタンク開口部328で前記タンク300と結合した、ガス発生砲尾部(breech)314を含む。固体プロペラントチューブ312は、前記ガス発生砲尾部314内に設置されている。固体プロペラントチューブ312およびガス発生砲尾部は、どちらも作動に際してガスを通過させる孔を有する。前記砲尾部314は、エンクロージャ314により閉じられている。エンクロージャ304は、前記チューブ312内で前記プロペラントと接触しているプライマまたはイニシエータ306を内蔵している。プライマまたはイニシエータ306は、電子または機械的開始システムに連結させることができる。一実施形態において、前記ハイブリッド消火器は、エアバッグシステムにおいて用いられているイニシエータと類似した電気信号を受け取ると機能する点火イニシエータを用いて、作動させることができる。前記タンク300は、以下にさらに記載するような界面活性剤または添加剤を含有する、多量の流動性火災抑制剤302を含む。
【0042】
固体プロペラントチューブ312は、ブースタープロペラント308を含む。固体プロペラントチューブ312は前記メインプロペラント310も格納している。前記固体プロペラントチューブ312は、前記タンク300の内部のガス発生砲尾部314内に収容されている。前記チューブ312は、ガスを逃がすためにこれの壁に沿って分布する孔を有する。ガス発生砲尾部314は、その円周に沿って放射状にオリフィス318を備えている。バーストシム316はオリフィス318を覆うために前記砲尾部314に溶接されるか、蝋付けされるか、または他の方法で接着されている。前記バーストシム316は、前記タンク300中に不活性ガスを逃散させ、ここで前記ガスは前記タンクを加圧して、前記流動性火災抑制剤をここから押し出すために、十分な圧力がプロペラントの点火後に砲尾部314内に生じた場合に破裂する。前記流動性火災抑制剤および界面活性剤は、前記固体プロペラントチューブ312を前記流動性火災抑制剤および界面活性剤302から分離する前記バーストシム316により、前記固体プロペラントと接触するのを防止されている。前記タンク300はさらに、前記タンク300の内容物を任意の適当な流動性火災抑制剤および界面活性剤302と置換し、詰め替えるための、任意で好適な都合の良い位置に設置することができるフィルポート320を含む。
【0043】
前記タンク300は、前記火災抑制システムの作動に際して、これを多相が通過し得る出口330を含む。前記固体プロペラントにより発生したガス、ならびに前記流動性火災抑制剤および界面活性剤に起因する任意の蒸発ガス、および任意の霧化液体または液体は、出口330を通って押し出される。図示されるように、前記出口330は、この板322が破裂または開口する所定の圧力限界を有する破裂板322を含む。あるいは、圧力逃しバルブまたはポペットバルブを破裂板の代わりに用いることもできる。破裂板を用いるならば、破裂により破片が生じないのが好ましく、配管または放出ノズルの目詰まりを防止する。オリフィスプレート324も前記出口320の内部に組み込まれる。前記オリフィスプレート面積は、所定の放出速度または所定の時間で任意のガスまたは液体を抑制するように、蒸気および液体の流れを決定する。前記タンク300中の前記出口320は、前記消火タンク300を、車体の下側または任意の他の所望の位置の有利な位置に配置された配管および放出ノズルを含むシステム成分の残りと結合させるために、パイプ取付用具326にも接続している。
【0044】
前記火災抑制システムおよび配管は、衝突の衝撃により損傷を受けない可能性を増大させる、車両衝撃吸収帯の外側の都合の良い位置に取り付けることができる。分布線に用いられる配管は、急速な放出に関連する高い物質流速に適応するために十分な流量範囲を有し、放出に関連する内圧に対して設計される。ノズルは、前記放出噴流が可能な燃料だまり領域全体を適切に覆うように、車両の下側に位置する。理想的には、前記ノズルは後車軸より前方に、または車体の衝撃吸収帯の外側の任意の位置に取り付けられ、衝突の衝撃および結果として車体がつぶれる際に損傷を受けないようにする。前記ノズルは破片が侵入しないように設計されたキャップを有し、放出時にはじけるかまたは開くように設計される。
【0045】
図1および図2に示す火災抑制システムにおける消火器104としての操作に関して、前記タンク104は、前記ガス発生チューブ312から発生する熱燃焼ガスと接触すると完全にまたは部分的に気化する、流動性火災抑制剤112を含有する。好適な火災抑制剤は、国際特許出願第PCT/US00/05953号ならびに前述の他の出願および特許において開示されている。代表的な火災抑制剤は、パーフルオロカーボン(PFC)およびヒドロフルオロカーボン(HFC)を包含する。好ましい火災抑制剤は、HFC−227ea(CFCHFCF)(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)として知られているか、またはその任意の等価物である。水系火災抑制剤も、設計、性能、および環境的評価が未解決のハイブリッド消火器において使用することができる。好ましい水系火災抑制剤は、水、酢酸カリウム(凝固点降下剤)、および界面活性剤を含む。
【0046】
前記液体火災抑制剤は、その冷却特性に関して選択することができ、凝固点を降下させ、界面活性剤または燃料の点火特性を変更するための他の化学的手段により燃料の再点火を軽減する、添加剤を含むことができる。界面活性剤の作用を向上させ、泡形成を促進し、長期貯蔵中のブレンドを安定化させ、生分解性を改善する添加剤を、任意に含めることができる。
【0047】
ガソリン火災などの液体炭化水素燃料火災の抑制に用いられる流動性火災抑制剤は、理想的には、火災を消火でき、火災の再点火を防止できる。消火は、典型的には、火災抑制剤の初期放出により達成されるが、燃料の気化性の減少により再点火される。これは、典型的には、火焔を冷却できる抑制剤、例えば水、フルオロカーボンを用いることにより達成することができる。本発明によると、減少した気化性は、燃料表面上に層を形成し、燃料気化を抑制する、湿潤および/または泡形成添加剤および界面活性剤を用いて行うことができる。従来のフルオロカーボン消火剤、例えばハロン(Halon)−1301は、消火にある程度の有効性を示すが、火焔の再点火に対しての防御にはあまり有効でない。これは、典型的なフルオロカーボンの低い沸点と、その結果として急速に気化し、燃料ゾーンから拡散してしまうことに起因する。水系火災抑制剤は、火焔の消火に有効であるが、水と炭化水素燃料の混和性が低いので、大量の水を使用しなければ、再点火を抑制する水の効果は制限される。本発明によると、表面活性剤、または界面活性剤は水または他の液体火災抑制剤中に混合して、水−炭化水素/燃料混合を仲介することができる。この混合は、炭化水素燃料だまりの上の水の均一な層の形態をとり得る。理想的には、これらの界面活性剤は、例えば水と自動車用燃料との混合を促進するために最適化される。さらに、これらの界面活性剤は、商業的自動車用途の低温放出要件を満たすために凍結防止剤で修飾される水系システムにおいて有効である。凍結防止剤は、典型的には、これらが混合される液体中の凝固点を降下させる。代表的な凍結防止剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、または酢酸カリウム、塩化カルシウム、乳酸カリウムおよび酢酸アンモニウムを包含する塩が挙げられる。界面活性剤ブレンドは、水系であり、好ましくは不燃性であり、石油およびスルホネートのオレオケミカル誘導体およびアミン塩、長鎖脂肪族カルボン酸、およびその塩、非イオン性界面活性剤、例えばプロピレンオキシド/エチレンオキシドのブロックコポリマー、両性界面活性剤、例えばベタイン、ならびに異なる界面活性剤の混合物が挙げられる。界面活性剤は、フルオロカーボンおよび/または炭化水素界面活性剤と、アルキルポリグリコシドおよび/またはグリコールと混合することができる。本発明において用いられる好適な界面活性剤、カーク・オズマー、化学技術の簡潔辞典、第4版、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社出版、1999年、1949ページから1953ページ(Kirk-Othmer CONCICE ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY, 4th ed., John Wiley & Sons, Inc., pub., 1999, pp1949-1953)(その全体が参照してここに組み込まれる)に記載されている。
【0048】
代表的な固体プロペラント310は、窒素含有固体燃料、例えば5−アミノテトラゾール、固体酸化剤、例えば硝酸ストロンチウム、および固体冷却剤、例えば炭酸マグネシウムの、圧縮された混合物を含む。代表的な燃料としては、アミノテトラゾール、5−アミノ−テトラゾールおよびこれらのカリウム塩、硝酸グアニジン、硝酸アミノグアニジン、硝酸トリアミノグアニジン、ニトログアニジン、硝酸アンモニウム、ジシアノジアミド、オキサミドおよびこれらの組み合わせが挙げられる。代表的な酸化剤としては、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムおよび/または硝酸ストロンチウム、過塩素酸アンモニウムおよび/または過塩素酸カリウム、硝酸セリウムアンモニウムおよびこれらの組み合わせが挙げられる。代表的な冷却剤としては、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムおよびその組み合わせが挙げられる。
【0049】
冷却剤は、近くの人が偶然接触した場合に比較的安全な温度で前記消火器104から放出される前記流動性火災抑制剤302を保つために、火災抑制剤の望まない程度の気化または熱分解を回避するように、燃焼ガスの温度を十分低い温度に保つ働きをする。好ましいプロペラント310は、アエロジェット(レドモンド、ワシントン)(Aerojet of Redmond、Washington)からFS01−00、FS01−40、PAC3304、およびPAC3303の名前で供給される。前記プロペラントチューブ312において使用するための他の好適なプロペラントおよびアジュバント、ならびにその量は、米国特許第6,024,889号、第5,613,562号、第5,449,041号、第5,423,384号、および第6,217,788号ならびに国際特許出願第PCT/US94/06622号および第PCT/US00/05952号に記載されている。
【0050】
固体プロペラント310および/またはブースタープロペラント308は、提供されると、イニシエータアセンブリ306により点火される。好適なイニシエータアセンブリ306は、国際特許出願第PCT/US00/05953号に記載されている。イニシエータ306は、前記プロペラントの点火を引き起こす十分な熱および/または衝撃波を起こす。
【0051】
図4を参照すると、本発明の火災抑制システムの発火システムの概略図が示されている。発火システム400は、プロセッサ402を含み、ある事象または状態の計時のための内部クロック404を含むことができる。前記プロセッサ402は、火災抑制システム406が作動することを示す前記火災抑制システム406に伝達される信号を生成する。前記プロセッサ402は1つ以上の装置408から430から入力を受けることができる。議決ロジックを前記プロセッサ402中に軟ワイヤまたは硬ワイヤで取り付けることができる。議決ロジックは、1つ以上の装置により表示されるように満足された1つ以上の状態、ならびに1つ以上の条件が満たされた後の指定時刻の事象またはタイミングに依存する。前記プロセッサを供給する装置は、これらに限定されないが、加速度計、クロック、熱電対、レベルスイッチ、レベルトランスミッタ、赤外線センサ、光センサ、コンタクトスイッチ、速度計およびビデオセンサを包含する。
【0052】
前記消火器の操作および機能を制御する前記プロセッサ402は、ビルトインテストロジック、状態表示、および点火ロジック(手動および自動)を含むことができる。末端に向かって、前記火災抑制システムは、加速、減速、速度、時間、温度、燃料、燃料レベル、火焔、煙、光伝達および光学的指標を表示できる1つ以上の装置に連結される。手動で操作されるダッシュボードに搭載された「クラッシュ」スイッチは、点火ロジックおよび装置が前記火災抑制システムの作動が望ましいと表示した場合にでも、前記火災抑制システムの機能を無効にすることができる。あるいは、点火ロジックおよび装置が前記火災抑制システムの作動が望ましくないと表示する場合でも、前記火災抑制システムを作動させるために、同一または異なるマニュアルスイッチを用いることができる。前記スイッチは、前記消火器を機能させるために操作できるか、または前記スイッチは前記消火器の機能を中断するために使用することができる。
【0053】
加速センサ408はまたは減速センサ410は、衝突を検出するために提供することができる。静止しているかまたは動いている車両は、別のさらに速く動いている車両より衝突された場合に急速に加速する。あるいは、動いている車両は停止している物体と衝突すると急速に減速する。加速または減速センサはこれらの状態のいずれかを検出することができる。単独または他の装置との組み合わせのいずれかにおいて、前記加速センサおよび/または減速センサは、前記火災抑制システム406を作動させることができる。
【0054】
さらに、または代替として、速度センサ410は前記プロセッサ402に信号を送るように構成されてよい。速度センサ410は、車両が停止または停止しようとする場合を表示できる。このような時での前記火災抑制システムの作動は、燃料がこぼれるか、または車両の下に蓄積することが最も起こりやすい場合に起こるので、衝突後にいつ車両が停止するかまたは停止しようとするかを知ることは重要である。この点に関して、前記速度センサ410の信号は任意の他の装置、例えば加速センサと組み合わせることができる。あるいは、前記速度センサ410はまず前記火災抑制システムの機能を有効にするために使用することができる。例えば、前記プロセッサ402は、衝突直前の前記車両の速度が所定の速度より速いかどうかを決定するために、速度を連続してモニタするように構成されてよい。前記車両が最低速度に達していない場合、前記火災抑制システムは、そうでなければ前記火災抑制システムを作動させる加速が検出されるかどうかにかかわらず機能を無効にされる。例えば、衝突の直前に車両の速度が35mphであるならば、加速センサまたは減速センサが実際に衝突が起こったことを表示する場合でも、前記火災抑制システムは機能しない。しかしながら、前記速度センサが40mphを超える前記車両の速度をモニタするならば、前記火災抑制システム406は適当な加速または減速状態に関して機能する。前記火災抑制システム406をまず機能するようにする速度の下限は、5mphから60mphまでの範囲であり得る。前記火災抑制システムの他の実施形態は、5mphから40mphの範囲を有し得る。それ以下の速度では、衝突が起こったかどうかに関係なく、車両の速度が非常に遅いので前記燃料タンクの砲尾部が機能する可能性が低い速度があるので、到達すべき最低速度を必要とするのは、火災抑制システムの偶発的な作動から防御するためである。さらに、時間遅延が衝突を示す加速状態または減速状態をモニタした後に使用されるならば、時間遅延は最低以上の速度増加ごとに増加し得る。例えば、車両が1mph速く走るごとに、前記火災抑制システムの作動に1/10秒の時間遅延が加えられる。エネルギーは速度の二乗の関数であり、したがって速度から時間遅延をコンピュータで計算するために平方根関数を用いることができるので、時間遅延は速度に関して直線状である必要はない。
【0055】
温度センサ414は、実際の火焔を表示する前記プロセッサ402に追加の信号を提供することができる。前記温度センサ414の信号は、前記火災抑制システム406を作動させるために、単独または他の装置条件との組み合わせにおいて用いることができる。例えば、加速または減速状態後、温度センサは、前記火災抑制システムの信頼性を向上させるために実際の火焔の存在を確認するために使用することができる。
【0056】
燃料センサ416またはガソリン検出器は、こぼれた燃料の存在を確認する前記プロセッサ402に追加の信号を提供することができる。前記燃料センサ416は、前記火災抑制システム406を作動させるために、単独または他の装置との組み合わせにおいて使用することができる。前述したように、1つでも火焔を消火することが重要であるが、まず点火を防止するか、あるいは再点火を防止することも等しく重要である。燃料センサは、実際に火焔が存在しない場合でも、衝突後にこぼれた燃料を検出することができる。燃料の損失の検出は、容器中の燃料のレベルをモニタする装置により行うことができるか、あるいは蒸気アナライザが燃料に起因する可燃性蒸気の存在を検出することができる。燃料センサ416は燃料がこぼれたことを表示する周囲環境における可燃性蒸気の存在を検出する。前記燃料センサ416は、それ自体を空気燃料界面間に挿入して前記燃料の点火を防止する、界面活性剤を好ましくは含有する流動性火焔抑制剤でこぼれた燃料を覆うために、前記火災抑制システムが作動すべきであることを表示できる。
【0057】
あるいは、車両の燃料タンクに取り付けられた燃料レベルセンサ418は、衝突後に燃料がこぼれたという信号を前記プロセッサ402に送るために使用できる。前記燃料レベルセンサは、単独または前記火災抑制システム406を作動させるための他の装置との組み合わせにおいて用いることができる。燃料レベルセンサ418は、前記燃料センサ416による燃料の検出の代替物であり、したがって燃料レベルセンサ418は前記燃料センサ416と置換またはバックアップすることができる。燃料レベルセンサ418は、例えば燃料タンクレベルにおいて急速な減少が検出されたならば、あるいは前記燃料タンクレベルが、燃料が存在しないことを表示するならば、前記火災抑制システムを作動させるための条件を表示することができる。
【0058】
燃料センサ420は、前記プロセッサ402に、実際の火焔を表示する信号を提供することができる。火焔センサは、温度の測定または煙の検出に関連させることができるが、火焔センサは火焔を検出する任意の他の方法を意味することもあり得る。このようなセンサとしては、例えば、ビデオカメラ、赤外線センサ、ある種のスプリンクラーシステムにおいて見られるような可溶性の物質が挙げられる。火焔センサ420は、単独または前記火災抑制システムを作動させる他の装置との組み合わせにおいて用いることができる。例えば、加速または減速状態後、火焔センサを実際の火焔の存在を確認するために使用することができる。
【0059】
煙センサ422は、前記プロセッサ402に、実際の火焔を表示する信号を提供することができる。煙センサは、火焔からの煙を、滑るまたは横滑りする車両により生じる粉塵と識別できなければならない。前記煙センサ422は、単独または前記火災抑制システム406を作動させる他の装置との組み合わせにおいて使用することができる。例えば、加速状態または減速状態の後、煙センサ422は実際の火焔の存在を確認するために使用できる。
【0060】
マニュアル中断スイッチ424は、任意の他の装置が火焔、衝突または燃料が漏れた状態を表示するかどうかに関係なく、前記火災抑制システム406の機能を無効にするために使用できる。加えて、マニュアル中断スイッチ422は、前記火災抑制システム406が、前記火災抑制システムの偶発的作動から前記車両の操縦者に対する起こり得る傷害を防止する働きをする場合に、前記火災抑制システム406の機能を無効にすることができる。しかしながら、マニュアル中断スイッチは、前記マニュアル中断スイッチ条件にかかわらず火災抑制システムの作動を必要とする状態があるならば、前記火災抑制システムの作動を完全に停止しないことも可能である。マニュアル中断スイッチは、前記装置またはシステムが人間の制御下にあるのが望ましい場合に、様々な潜在的に危険な装置またはシステムの機能を無効にすることが知られており、広く使用される。
【0061】
マニュアル始動スイッチ426は、任意の他の装置が燃料のもれ、火焔、または衝突状態を表示しないかどうかにかかわらず、前記火災抑制システム406を作動させるために使用できる。しかしながら、マニュアル始動スイッチ424は、前記火災抑制システムがある条件を満たさないならば作動しないことを示す状態があるならば、全ての他の装置を無効にすることができない可能性がある。
【0062】
光伝達センサ428および光学的指標センサ430は、光または大気の質または性質を測定するための装置である。光伝達センサ428または光学的指標センサ430は、単独または前記火災抑制システム406を作動させる他の装置との組み合わせにおいて用いることができる。例えば、加速または減速状態後、実際の火焔の存在を確認するために光伝達センサ428または光学的指標センサ430を使用することができる。
【0063】
最後に、条件がいつ満たされるかを追跡し、時間依存性作用の時間を測定するためのタイマーも提供することができる。例えば、前述のように、急速な加速または減速状態は、時間遅延期間が経過するまで単独で前記火災抑制システムを作動させない。前記火災抑制システムの活性化における遅延は、車両が燃料の大部分がたまることがかなり確実である場所に減速するかまたは停止するようになる時間を提供するものである。前記火災抑制システムの作動を遅らせることにより、前記流動性火焔抑制剤と界面活性剤は、たまった燃料の大部分に適用されることが予想される。
【0064】
この開示から容易に明らかになるように、1つ以上の装置は、単独または他の状態の他の装置の検出との組み合わせにおいてのいずれかで、前記火災抑制システムの作動を保証する加速、減速、速度、時間、温度、燃料、燃料レベル、火焔、煙、光伝達および光学的指標を表すことができる状態を検出できる。コンピュータとプロセッサの使用により、任意の1つ以上の装置条件をとるために所定の点火ロジックを使用し、前記火災抑制システム406の信頼できる自動的作動を可能にするために好適な連動装置に関する議決ロジックおよび時間遅延を使用することを可能にする。
【0065】
いくつかの可能な点火ロジックアルゴリズムが本明細書において記載される。開示された装置に基づく他の点火ロジックシーケンスは本発明の範囲内であると考えられる。
(実施例)
燃料の量を変えること、および停止している車両対動いている車両、および様々な再点火条件の使用を包含する様々な条件下で、車両を使用して火焔試験を行った。
【0066】
【表1】

実施例は、固体プロペラント消火器(SPFE)が火災を消火できるが、再点火事象の防止にはあまり有効でないことを示す。残存する燃料だまり上に界面活性剤コーティングを提供する液体または泡ベースのシステムは、より有効な技術である。試験された界面活性剤は、前記液体消火または抑制剤に添加することができる通常の液体食器洗い用洗剤を含む。さらに、この実施例は、固体プロペラントベースの技術により提供される前記の迅速な放出および優れた分散の利点を示す。
【0067】
ハイブリッド消火器は、火焔消火または抑制剤および界面活性剤を、シリンダから加圧し、蒸発化させ、押し出すために使用される、固体プロペラントガス発生装置を含む。一実施形態において、前記ガス発生装置は、化学的に活性なプロペラントと、火災を抑制し、前記車両の下側に残存する任意の燃料の再点火を防止するのを助けるために、化学的活性+界面活性剤とを含む、液体火災抑制剤を組み入れる。
【0068】
本発明の好ましい実施形態を説明し、記載したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく様々な変更を行うことができると理解される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】車両に搭載された本発明の火災抑制システムの図である。
【図2】本発明の車両用火災抑制システムの図であある。
【図3】本発明の車両用火災抑制システムにおける使用に適したハイブリッド消火器の図である。
【図4】本発明の車両用火災抑制システムの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロペラントおよび流動性火災抑制剤を含有する容器であって、前記プロペラントは流動性火災抑制剤を前記容器から推進する働きをする、容器と、
流動性火災抑制剤の燃料上へのフィルム形成能を向上させるための前記流動性火災抑制剤中の界面活性剤と、
を備える、消火器。
【請求項2】
前記界面活性剤は、流動性火災抑制剤の燃料との混和性を増大させる、請求項1に記載の消火器。
【請求項3】
前記燃料はガソリンである、請求項1に記載の消火器。
【請求項4】
前記火災抑制剤は、水性流動性火災抑制剤を備える、請求項1に記載の消火器。
【請求項5】
前記火災抑制剤は凍結防止組成物を備える、請求項1に記載の消火器。
【請求項6】
前記凍結防止剤は、エチレングリコールまたはプロピレングリコールの少なくとも1つを備える、請求項5に記載の消火器。
【請求項7】
前記凍結防止剤は、酢酸カリウム、塩化カルシウム、乳酸カリウムまたは酢酸アンモニウムあるいはその組み合わせのうち、少なくとも1つから選択される塩を備える、請求項5に記載の消火器。
【請求項8】
前記火災抑制剤は、パーフルオロカーボンまたはヒドロフルオロカーボンまたはその組み合わせを備える、請求項1に記載の消火器。
【請求項9】
前記火災抑制剤は、ヘプタフルオロプロパン、ヘキサフルオロプロパン、ペンタフルオロペンタンまたはその組み合わせのうち、少なくとも1つから選択されるフルオロカーボンを備える、請求項1に記載の消火器。
【請求項10】
前記火災抑制剤はフルオロケトンを備える、請求項1に記載の消火器。
【請求項11】
前記火災抑制剤は、パーフルオロブチルトリフルオロメチルケトンを備える、請求項1に記載の消火器。
【請求項12】
前記火災抑制剤は、水および酢酸カリウムを備える、請求項1に記載の消火器。
【請求項13】
前記プロペラントは、固体、液体または気体である、請求項1に記載の消火器。
【請求項14】
前記プロペラントは、少なくとも二酸化炭素、水および窒素を生成する、請求項1に記載の消火器。
【請求項15】
前記プロペラントは、窒素含有燃料、酸化剤、および冷却剤を備える、請求項1に記載の消火器。
【請求項16】
前記窒素含有燃料は、アミノテトラゾール、5−アミノ−テトラゾールおよびこれらのカリウム塩、硝酸グアニジン、硝酸アミノグアニジン、硝酸トリアミノグアニジン、ニトログアニジン、硝酸アンモニウム、ジシアノジアミド、オキサミドおよびこれらの組み合わせのうち、少なくとも1つを備える、請求項15に記載の消火器。
【請求項17】
前記酸化剤は、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムおよび/または硝酸ストロンチウム、過塩素酸アンモニウムおよび/または過塩素酸カリウム、硝酸セリウムアンモニウムおよびこれらの組み合わせのうち、少なくとも1つを備える、請求項15に記載の消火器。
【請求項18】
前記冷却剤は、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウムおよびこれらの組み合わせのうち、少なくとも1つを備える、請求項15に記載の消火器。
【請求項19】
前記プロペラントは、5−アミノテトラゾール、硝酸ストロンチウム、および炭酸マグネシウムを備える、請求項1に記載の消火器。
【請求項20】
前記プロペラントは、火災抑制を増大させる添加剤を備える、請求項1に記載の消火器。
【請求項21】
前記添加剤は、カリウム塩、ナトリウム塩およびこれらの組み合わせのうち、少なくとも1つを備える、請求項20に記載の消火器。
【請求項22】
前記添加剤は、ハロゲン化物、臭化物、炭酸塩、炭酸水素、ヨウ化物およびこれらの組み合わせのうち、少なくとも1つを備える、請求項20に記載の消火器。
【請求項23】
前記界面活性剤はスルホン化アルキルを備える、請求項1に記載の消火器。
【請求項24】
前記界面活性剤はアミン塩を備える、請求項1に記載の消火器。
【請求項25】
前記界面活性剤は、フルオロカーボンおよび/または炭化水素界面活性剤と、アルキルポリグリコシドおよび/またはグリコールの混合物を備える、請求項1に記載の消火器。
【請求項26】
請求項1に記載の消火器と、
加速、減速、速度、時間、温度、燃料、燃料レベル、火焔、煙、光伝達および光学的指標からなる群から選択される条件を表示できる装置と、
1つ以上の条件の表示に基づいて前記消火器を作動させるプロセッサと、
を備える、車両用火災抑制システム。
【請求項27】
燃料流出物上に放出するための位置に設置されたノズルに流動性火災抑制剤を送達するために、前記消火器容器に接続された配管をさらに備える、請求項26に記載の火災抑制システム。
【請求項28】
前記流動性火災抑制剤をテレスコーピングノズルへ送達するために前記消火器容器に連結された配管をさらに備え、前記テレスコーピングノズルは前記流動性火災抑制剤を送達するために配管およびテレスコープ中に引き込まれる、請求項26に記載の火災抑制システム。
【請求項29】
前記装置は、加速または減速センサおよびタイマーを備え、前記プロセッサは、少なくとも、衝突の徴候である加速状態または減速状態、および加速状態または減速状態後の時間遅延にしたがって前記消火器を作動させる、請求項26に記載の火災抑制システム。
【請求項30】
前記装置は、加速センサまたは減速センサおよび温度センサを備え、前記プロセッサは、少なくとも衝突の徴候である加速状態または減速状態、および火災の徴候である温度状態にしたがって前記消火器を作動させる、請求項26に記載の火災抑制システム。
【請求項31】
前記装置は、加速センサまたは減速センサおよび煙センサを備え、前記プロセッサは、少なくとも衝突の徴候である加速状態または減速状態、および火災の徴候である煙状態にしたがって前記消火器を作動させる、請求項26に記載の火災抑制システム。
【請求項32】
前記装置は、加速センサまたは減速センサおよび速度センサを備え、前記プロセッサは、少なくとも衝突の徴候である加速状態または減速状態、および車両の減速の徴候である速度状態にしたがって前記消火器を作動させる、請求項26に記載の火災抑制システム。
【請求項33】
前記装置は、速度センサを備え、前記プロセッサは、車両の停止の徴候である速度状態にしたがって前記消火器を作動させる、請求項26に記載の火災抑制システム。
【請求項34】
前記装置は、速度センサを備え、前記プロセッサは、車両の減速の徴候である速度状態にしたがって前記消火器を作動させる、請求項26に記載の火災抑制システム。
【請求項35】
前記装置がその他の方法では作動させない状態を表示している場合でも、前記火災抑制システムを作動させるマニュアル始動スイッチをさらに備える、請求項26に記載の火災抑制システム。
【請求項36】
前記プロセッサは、加速センサ、減速センサ、速度センサ、タイマー、温度センサ、燃料センサ、燃料レベルセンサ、火焔センサおよび煙センサからなる群から選択される装置からの、任意の2つの状態に関して前記火災抑制システムを作動させる、請求項26に記載の火災抑制システム。
【請求項37】
前記装置は、加速センサ、減速センサ、速度センサ、およびタイマーを備え、車両が最低速度状態に達した場合に前記プロセッサが前記火災抑制システムを作動させ、衝突の徴候である加速状態または減速状態後の時間遅延が、衝突の時間での最低速度を超える速度にしたがって調節される、請求項26に記載の火災抑制システム。
【請求項38】
前記装置は加速センサまたは減速センサおよび燃料センサを備え、前記プロセッサは、衝突の徴候である加速または減速の状態、および燃料流出の徴候であると検出された燃料の状態にしたがって前記火災抑制システムを作動させる、請求項26に記載の火災抑制システム。
【請求項39】
前記装置は加速センサまたは減速センサおよび燃料レベルセンサを備え、前記プロセッサは、衝突の徴候である加速または減速の状態、および燃料流出の徴候である燃料レベルの状態にしたがって前記火災抑制システムを作動させる、請求項26に記載の火災抑制システム。
【請求項40】
前記装置は加速センサまたは減速センサおよび火焔センサを備え、前記プロセッサは、衝突の徴候である加速または減速の状態および火焔が検出される状態にしたがって前記火災抑制システムを作動させる、請求項26に記載の火災抑制システム。
【請求項41】
加速、減速、速度、時間、温度、燃料、燃料レベル、火焔、煙、光伝達および光学的指標からなる群から選択される少なくとも1つの状態にしたがって、火災抑制システムを作動させることを備え、前記火災抑制システムは請求項1に記載の消火器を備える、車両火災を抑制する方法。
【請求項42】
衝突の徴候である加速または減速の状態の期間満了後に前記火災抑制システムを作動させることをさらに備え、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
衝突の徴候である加速または減速の状態、および火災の徴候である温度の状態に関して、前記火災抑制システムを作動させることをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
衝突の徴候である加速または減速の状態、および火災の徴候である煙の状態に関して、前記火災抑制システムを作動させることをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
衝突の徴候である加速または減速の状態、および車両の減速の徴候である速度の状態に関して、前記火災抑制システムを作動させることをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
衝突の徴候である加速または減速の状態、および車両の停止の徴候である速度の状態に関して、前記火災抑制システムを作動させることをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
1つ以上の装置が別の方法では作動を引き起こす状態を表示している場合でも作動しないように、前記火災抑制システムを中断することをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
前記装置が別の方法では作動を引き起こさない状態を表示している場合でも、マニュアル始動スイッチで前記火災抑制システムを作動させることをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
加速、減速、温度、速度、煙、燃料レベル、燃料、時間および火焔からなる群から選択される任意の2つの状態に関して、火災抑制システムを作動させることをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
車両が最低速度状態に達し、衝突の徴候である加速または減速状態後の時間遅延が、衝突の時間での最低速度を超える速度にしたがって調節されるならば、加速または減速の状態および速度の状態および時間の状態に関して、前記火災抑制システムを作動させることをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項51】
衝突の徴候である加速または減速状態、および燃料の流出の徴候であると検出される燃料の状態に関して、前記火災抑制システムを作動させることをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項52】
衝突の徴候である加速または減速状態、および燃料流出を示す燃料レベルの状態に関して、前記火災抑制システムを作動させることをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項53】
衝突の徴候である加速または減速状態および火焔が検出される状態に関して、前記火災抑制システムを作動させることをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項54】
固体プロペラント消火器と、
加速、減速、速度、時間、温度、燃料、燃料レベル、火焔、煙、光伝達および光学的指標からなる群から選択される状態を表示できる装置と、
1つ以上の状態の表示に基づいて前記消火器を作動させるプロセッサと、
を備える、車両用火災抑制システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−523514(P2006−523514A)
【公表日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−510055(P2006−510055)
【出願日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/011572
【国際公開番号】WO2004/091729
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(303036588)エアロジェット−ジェネラル・コーポレーション (4)
【Fターム(参考)】