説明

車両用灯具

【課題】部品費を削減でき、ターミナル板をベースハウジングへ固定する際の作業負荷を軽減し得る車両用灯具を提供する。
【解決手段】サイドターンランプ1(車両用灯具)は、ベースハウジング10と、LED22〜24(発光体)に通電するターミナル板27を有するフレキシブル基板20(基板)と、LED22〜24の光を透過させる開口部32a,32b(透光窓)を有するリフレクタ30とを備える。ベースハウジング10にはターミナル板27を載置する載置部12が形成され、リフレクタ30にはベースハウジング10側へ突出する突出部31b,31cが形成され、リフレクタ30がベースハウジング10に保持された状態で、ベースハウジング10の載置部12とリフレクタ30の突出部31b,31cとの間にターミナル板27が挟み込まれて固定され、かつ位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関し、例えば自動車のドアミラー装置に取り付けられるサイドターンランプに好適な車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自車両が右左折又は進路変更することを他の交通対象(車両又は歩行者)に視認させるために、車両の両側面に設けられたドアミラー装置に、車両が右左折又は進路変更する際に点滅するサイドターンランプを組み込んだものが広く知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
このサイドターンランプは、ミラー本体部のハウジング(車両)に対する取付けのベースとなるベースハウジングと、そのベースハウジングに装着され、複数のLED(発光体)、その駆動のための配線部及び回路部が実装されるとともに端部に各LEDに通電するためのリード線を備えたフレキシブル基板(基板)とを含んで構成されている。リード線はコネクタにより束ねられ、フレキシブル基板がコネクタを介してベースハウジングに固定されるようになっている。あるいは、例えば図10に示すように、ターミナル板101に取付ねじ102を挿通させるねじ穴101aが形成され、ベースハウジング103に取付ねじ102を取り付けるためのねじ穴部103aが形成され、取付ねじ102がターミナル板101のねじ穴101aを挿通した状態でベースハウジング103のねじ穴部103aと螺合することでターミナル板101がベースハウジング103に固定され、かつ位置決めされるようになっている。さらに、ベースハウジングに係止突起が形成され、ターミナル板にその係止突起を挿通させる被係止穴が形成され、ベースハウジングの係止突起がターミナル板の被係止穴を挿通した状態で係止突起の先端部を特殊の溶着機を使用して溶着することでターミナル板をベースハウジングに固定することも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−285025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、取付ねじを部品として用いたり、特殊の溶着機を使用してベースハウジングの一部を溶着する構成では製造コストの増加を招来し、またターミナル板をベースハウジングに固定する専用の作業工程が必要であるため、作業負荷も増大するという課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に対処するためになされたものであり、その目的は、部品費の削減を図り、しかもターミナル板をベースハウジングへ固定する際の作業負荷を軽減することが可能な車両用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の車両用灯具は、
車両に対する取付けのベースとなるベースハウジングと、
そのベースハウジングに装着され、複数の発光体、その駆動のための配線部及び回路部が実装されるとともに端部に発光体に通電するための金属板状のターミナル板を備えた基板と、
その基板を外側から被うように、かつ発光体の光を透過させる透光窓を有する、ベースハウジングに保持されるリフレクタと、
そのリフレクタを外側から被うように、かつ透光窓を透過した発光体の光を拡散して外側に投光する、ベースハウジング上に配置されるレンズカバーと、を備え、
ベースハウジングにはターミナル板を載置する載置部が形成され、リフレクタにはベースハウジング側へ突出する突出部が形成され、リフレクタがベースハウジングに保持された状態で、ベースハウジングの載置部とリフレクタの突出部との間にターミナル板が挟み込まれて固定され、かつ位置決めされることを特徴とする。
【0008】
本発明の車両用灯具では、リフレクタがベースハウジングに保持された状態で、ベースハウジングの載置部とリフレクタの突出部との間にターミナル板が挟み込まれて固定され、かつ位置決めされる。つまり、リフレクタをベースハウジングに組み付けるのとほぼ同時に、ベースハウジングの載置部とリフレクタの突出部とによってターミナル板が固定されるようになる。
【0009】
これにより、ターミナル板をベースハウジングに固定する専用の作業工程が不要となるため、作業負荷を低減することができる。また、ターミナル板をベースハウジングに固定するための部品としての取付ねじや、特殊な溶着機を使用しなくて済み、製造コストを削減することもできる。
【0010】
また、本発明の車両用灯具において、ベースハウジングの載置部にはリフレクタ側へ突出する係止突起が形成され、ターミナル板にはその係止突起を挿通させる被係止穴が形成され、ベースハウジングの係止突起がターミナル板の被係止穴を挿通することで該ターミナル板がベースハウジングに対して位置決めされるように構成することができる。あるいは、ベースハウジングの載置部にはリフレクタ側へ突出する係止突起が形成され、ターミナル板にはその係止突起に係合する被係止凹部が形成され、ベースハウジングの係止突起がターミナル板の被係止凹部と係合することで該ターミナル板がベースハウジングに対して位置決めされるように構成することもできる。
【0011】
これによれば、ベースハウジングの係止突起がターミナル板の被係止穴を挿通することや、ベースハウジングの係止突起がターミナル板の被係止凹部と係合することでターミナル板がベースハウジングに対して位置決めされる。このため、ターミナル板のベースハウジングに対する位置決めを、ベースハウジング及びターミナル板での簡易な形状の改良により実現することができる。
【0012】
また、本発明の車両用灯具において、リフレクタの突出部は先端側が小径部とされた段付き柱状に形成され、ベースハウジングの載置部には突出部の小径部に係合する被係止凹部が形成され、ターミナル板には突出部の小径部を挿通させる被係止穴が形成されており、突出部の小径部がターミナル板の被係止孔を挿通し、さらにベースハウジングの被係止凹部と係合することで、ターミナル板がベースハウジングに対して位置決めされ、かつ突出部の段部とベースハウジングの載置部との間にターミナル板が挟み込まれて固定されるように構成することもできる。
【0013】
これによれば、リフレクタの突出部における小径部がターミナル板の被係止孔を挿通し、さらにベースハウジングの被係止凹部と係合することで、ターミナル板がベースハウジングに対して位置決めされる。一方、突出部の段部とベースハウジングの載置部との間にターミナル板が挟み込まれて固定される。このため、リフレクタの突出部に、ターミナル板の位置決め機能及び固定機能を集約させることができ、寸法管理の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ミラー本体部(右側フロンドドア用)の正面図。
【図2】サイドターンランプをミラー本体部のハウジングに取り付けた状態を示す斜視図。
【図3】図2に示したサイドターンランプの斜視図。
【図4】図3に示したサイドターンランプの分解斜視図。
【図5】本発明の実施例1に係り、(A)はサイドターンランプからレンズカバー、リフレクタ等を取り外した状態を示す平面図。(B)は(A)の要部拡大図。
【図6】図5(A)のX―X断面図。
【図7】(A)はターミナル板とリフレクタの突出部との位置関係を示す説明図。(B),(C)は(A)の変形例を示す説明図。
【図8】実施例1の変形例に係り、(A)はターミナル板の拡大図。(B)は(A)のY−Y断面図。
【図9】本発明の実施例2に係り、図6に相当する断面図。
【図10】従来技術におけるターミナル板の取付構造の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0016】
図1〜図2は、本発明の車両用灯具を適用した車両用のドアミラー装置2を示す。ドアミラー装置2は、自動車50の両フロントドアにそれぞれ装着されるものであり、フロントドアに取り付けられる部位となるミラーベース部3と、そのミラーベース部3に支持されるミラー本体部4とを備えている。
【0017】
ミラー本体部4は、運転者又は搭乗者が後方を確認するためのミラー(図示せず)と、このミラーを保持するミラーホルダ(図示せず)と、ミラーの角度調整を行なうアクチュエータ(図示せず)と、方向指示器などの役割を担うサイドターンランプ1(本発明の車両用灯具に相当する。)と、それらを収納するハウジング5及び蓋部6と、アクチュエータの取り付けられるフレームの役目を果たすものであって、これらミラー、アクチュエータ、及びサイドターンランプ1をハウジング5に連結する役目を担う取付け基盤(図示せず)と、その取付け基盤の一方の端部に取り付けられて、ミラー本体部2をミラーベース部3に対して使用位置と格納位置とのいずれかに向けて回転駆動する電動格納装置(図示せず)とを含んで構成される。
【0018】
蓋部6は、その全体がベッセル形状(すり鉢状の容器形状)を呈し、例えばプラスチック材により形成されており、一端側から溝状に切り欠かかれた窓部6a(灯具取付部)が形成されている。この窓部6aに対応してサイドターンランプ1が外部に露出するようにハウジング5に装着される。
【0019】
サイドターンランプ1は、図4及び図5に示すように、ハウジング5に対する取付けのベースとなるベースハウジング10と、ベースハウジング10に取り付けられる薄い帯状のフレキシブル基板20と、フレキシブル基板20を被う形で該フレキシブル基板20を収納するリフレクタ30と、リフレクタ30を被うレンズカバー40とを備えている。
【0020】
最初に、フレキシブル基板20について説明する。フレキシブル基板20は、曲げ変形可能な基板本体21を備え、その一方側の面には発光体としてのLED22,23,24、その駆動のための配線部25及び回路部26が実装され、その端部には各LED22〜24に通電するための金属板状の一対のターミナル板27,27が設けられている。
【0021】
基板本体21は、例えばポリイミド、ポリエステルなどをベースフィルムとした屈曲性に優れた銅張板よりなる。各LED22〜24(発光体)は、表面実装型LEDであり、図4に示すように、LED22が各ターミナル板27側の端部に近い部位に実装される一方、LED23,24が各ターミナル板27とは反体側の端部の近傍部位に実装されている。各ターミナル板27には、表裏に貫通する被係止穴27aが形成されるとともに、各ターミナル板27の先端から板面と同一面を有するように外向きに突出する板状の突起27bが形成されている。
【0022】
基板本体21の他方側の面(LED22〜24が実装されていない側の面)には、LED22に対応してバックプレート28が固着され、LED23,24に対応してバックプレート29が固着されている。フレキシブル基板20は、バックプレート28,29を介して強制された所定の姿勢でベースハウジング10に取り付けられる。
【0023】
次に、ベースハウジング10について説明する。ベースハウジング10は、図4及び図5に示すように、ハウジング5(図2参照)の形状に倣って、長手方向に湾曲した形状をなし、例えばABS樹脂やASA樹脂等の熱可塑性樹脂で形成されている。ベースハウジング10には、そのほぼ全領域にわたってフレキシブル基板20を収納する収納凹部11が形成されている。
【0024】
収納凹部11には、平面状の底面で構成された載置部12と、底面に対して斜め上向きに延び出した斜板状の支持部13,14とがそれぞれベースハウジング10の長手方向に所定の間隔をおいて配設されている。載置部12には、その底面と直交(交差)する向きに突出する一対の係止突起12a,12aが形成されている。また、支持部13,14の近傍には、所定の距離をおいて取付部15,16がそれぞれ配設されている。
【0025】
載置部12の、ベースハウジング10の長手方向側の部位には、図5及び図6に示すように、段状に突出形成された段部17が配置されており、その段部17にはベースハウジング10の表裏に貫通し各ターミナル板27の突起27bを収納凹部11の裏面側のコネクタ装着部18へ導くための挿通口17aが形成されている。
【0026】
このような構成により、フレキシブル基板20のターミナル板27が載置部12に面接触可能な状態で載置される。この場合、載置部12の各係止突起12aが被係止穴27aを挿通することで、各ターミナル板27の、載置部12の板面に沿った直線移動が規制される。また、フレキシブル基板20のバックプレート28が支持部13と取付部15との間に差し込まれ、バックプレート29が支持部14と取付部16との間に差し込まれることで、フレキシブル基板20の基板本体21がベースハウジング10に対してずれないように保持される。そして、段部17の挿通口17aを挿通した各ターミナル板27の突起27bをコネクタ装着部18にて外部コネクタ7に接続することで、フレキシブル基板20のLED22〜24を通電可能とされている。
【0027】
なお、上述したように、各ターミナル板27にはその先端から板面と同一面を有するように外向きに突出する板状の突起27bが形成され、載置部12に隣接して段状に突出形成された段部17が配置され、その段部17にはベースハウジング10の表裏に貫通し各ターミナル板27の突起27bを収納凹部11(ベースハウジング10)の裏面側のコネクタ装着部18へ導くための挿通口17aが形成されており、各係止突起12aを回転中心として対応するターミナル板27を回転させる向きの力が作用した場合には、各ターミナル板27の突起27bが段部17の挿通口17aを形成する側壁部と接触することで、各ターミナル板27の、係止突起12aを回転中心とする回転移動が規制されるようになっている。
【0028】
また、ベースハウジング10における収納凹部11の内壁部には、後述するリフレクタ30の各係止爪31aに係合する被係止凹部11aが設けられている(図4参照)。さらに、ベースハウジング10の外壁部には、ベースハウジング10をハウジング5にねじ固定するねじ(図示せず)を通すための穴部を有するブラケット10aが設けられている(図3及び図4参照)。
【0029】
次に、リフレクタ30について説明する。リフレクタ30は、図4に示すように、ベースハウジング10の湾曲形状に対応して長手方向に湾曲した形状に形成され、断面が略コ字状に形成された下部31と、その下部31の上側にて長手方向に段付き状に突出形成された上部32とを備えている。リフレクタ30は、金属、樹脂、セラミック等により形成することができ、装飾性を考慮に入れて、例えば蒸着、光沢塗装又はメッキ等を施した樹脂材料や、鏡面仕上げを施したアルミニウム等の金属材料で形成することができる。
【0030】
リフレクタ30の上部32においてフレキシブル基板20のLED22,23(24)と対向する部位には、それらを外部に露出させるための開口部32a,32b(透光窓)が設けられている。
【0031】
リフレクタ30における下部31の両壁部には、弾性変形可能な複数の係止爪31aが設けられている(この実施例1では、一方の壁部に2つの係止爪31aが設けられ、他方の壁部に1つの係止爪31a(図では示されていない)が設けられた例が示してある)。リフレクタ30は、係止爪31aが対応するベースハウジング10の被係止凹部11aと係合することでベースハウジング10に保持される。
【0032】
また、リフレクタ30の下部31においてベースハウジング10の載置部12と対向する部位には、図6に示すように、ベースハウジング10側へ突出する突出部31b,31cが並設されている。具体的には、突出部31b,31cは、図7(A)に示すように、ベースハウジング10の各係止突起12aを間に挟んで平行となるように対向配置され、突出部31bが両ターミナル板27,27の先端側(突起27b,27b側)の部位を、突出部31cが両ターミナル板27,27の基端側(基板本体21側)の部位をそれぞれ押圧可能な突出長さに形成されている。
【0033】
なお、突出部31b,31cは、図7(A)の態様で形成される場合に限らず、例えば図7(B)に示すように、ターミナル板27毎に突出部31b,31cを設けたり、あるいは図7(C)に示すように、ベースハウジング10の係止突起12a,12aを囲む中空角形状の突出部31dとして形成してもよい。
【0034】
リフレクタ30は、フレキシブル基板20が取り付けられた収納凹部11を被うようにベースハウジング10に取り付けられる。この場合、ベースハウジング10の収納凹部11の内壁部に当接して弾性変形したリフレクタ30の係止爪31aは、対応するベースハウジング10の係止凹部11aと係合することで弾性復帰する。
【0035】
つまり、各ターミナル板27が、ベースハウジング10の載置部12とリフレクタ30の突出部31b,31cとの間に挟み込まれて固定されている状態で、リフレクタ30の係止爪31aが、対応するベースハウジング10の係止凹部11aと係合するように、突出部31b,31cの長さや、係止爪31a及び係止凹部11aの配置が設定されている。
【0036】
この状態で、フレキシブル基板20に取り付けられたLED22は、リフレクタ30の開口部32aの部分に配置され、LED23,24はリフレクタ30の開口部32bの部分に配置される。これにより、各LED22〜24から照射された光が、対応する開口部32a,32bを通して外部に照射される。
【0037】
次に、図4に戻って、レンズカバー40について説明する。レンズカバー40は、リフレクタ30上に配置され、リフレクタ30と同様、ベースハウジング10の湾曲形状に対応して長手方向に湾曲した形状に形成されるとともに、断面が略コ字状に形成された下部41と、その下部41の上側にて長手方向に段付き状に突出形成された上部42とを備えている。レンズカバー40は、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ABS樹脂等の透明又は半透明の熱可塑性樹脂で形成されている。
【0038】
レンズカバー40における上部42の裏面側部位には、多数の鋸刃状の突条を有するレンズカット部42aが設けられている。LED22〜24から照射された光は、レンズカバー40のレンズカット部42aで屈折し、拡散した光となってレンズカバー40の外側へ投光される。レンズカバー40により、リフレクタ30の開口部32a,32bが覆われ、露出状態の各LED22〜24が保護されるとともに、サイドターンランプ1の装飾性が向上する。
【0039】
以上の説明からも明らかなように、本実施例1のサイドターンランプ1では、ベースハウジング10の載置部12にリフレクタ30側へ突出する一対の係止突起12a,12aが形成され、フレキシブル基板20の一対のターミナル板27,27には載置部12の係止突起12a,12aをそれぞれ挿通させる被係止穴27a,27aが形成されており、ベースハウジング10の各係止突起12aが各ターミナル板27の被係止穴27aを挿通することで各ターミナル板27がベースハウジング30に対して位置決めされる。
【0040】
そして、各ターミナル板27がベースハウジング30に対して位置決めされ、リフレクタ30がベースハウジング10に保持された状態で、ベースハウジング10の載置部12とリフレクタ30の突出部31b,31cとの間に各ターミナル板27が挟み込まれて固定される。つまり、リフレクタ30をベースハウジング10に組み付けるのとほぼ同時に、ベースハウジング10の載置部12とリフレクタ30の突出部31b,31cとによってフレキシブル基板20の各ターミナル板27が固定されるようになる。
【0041】
これにより、各ターミナル板27をベースハウジング10に固定する専用の作業工程が不要となるため、作業負荷を低減することができる。また、各ターミナル板27をベースハウジング10に固定するための部品としての取付ねじや、特殊な溶着機を使用しなくて済み、製造コストを削減することもできる。
【0042】
(変形例)
上記実施例1では、ベースハウジング10の載置部12における各係止突起12aが各ターミナル板27の被係止穴27aを挿通することで各ターミナル板27がベースハウジング30に対して位置決めされるように構成したが、これに代えて例えば図8に示すように、各ターミナル板27にベースハウジング10の載置部12における各係止突起12bに係合する被係止凹部27cが形成され、ベースハウジング10の各係止突起12bが各ターミナル板27の被係止凹部27cと係合することで各ターミナル板27がベースハウジング10に対して位置決めされるように構成してもよい。
【0043】
この変形例によっても、各ターミナル板27のベースハウジング10に対する位置決めを、ベースハウジング10及び各ターミナル板27での簡易な形状の改良により実現することができる。
【実施例2】
【0044】
上記実施例1では、ベースハウジング10の各係止突起12aと各ターミナル板27の被係止穴27aとによって各ターミナル板27のベースハウジング10に対する位置決めがなされ、ベースハウジング10の載置部12とリフレクタ30の突出部31b,31cとによって各ターミナル板27がベースハウジング10に固定されるように構成、すなわち各ターミナル板27を位置決めする機能及び固定する機能をそれぞれ分けて構成したものであるが、これに代えて例えば図9に示すような構成としてもよい。なお、以下の説明では上記実施例1と同じ部位には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0045】
この実施例2では、リフレクタ30の一対の突出部31e,31eは先端側がいずれも小径部31fとされた段付き柱状に形成され、ベースハウジング10の載置部12には各突出部31eの小径部31fに係合する被係止凹部12cが形成され、各ターミナル板27には各突出部31eの小径部31fを挿通させる被係止穴27aが形成されており、各突出部31eの小径部31fが各ターミナル板27の被係止穴27aを挿通し、さらにベースハウジング10の各被係止凹部12cと係合することで、各ターミナル板27がベースハウジング10に対して位置決めされ、かつ各突出部31eの段部31gとベースハウジング10の載置部12との間に各ターミナル板27が挟み込まれて固定されるようになっている。
【0046】
この実施例2によれば、リフレクタ30の各突出部31eにおける小径部31fが各ターミナル板27の被係止穴27aを挿通し、さらにベースハウジング10の各被係止凹部12cと係合することで、各ターミナル板27がベースハウジング10に対して位置決めされる。一方、各突出部31eの段部31gとベースハウジング10の載置部12との間に各ターミナル板27が挟み込まれて固定される。これにより、リフレクタ30の各突出部31eに、各ターミナル板27の位置決め機能及び固定機能を集約させることができ、寸法管理の容易化を図ることができる。
【0047】
なお、上記実施例1,2等では、本発明の車両用灯具を、自動車50のドアミラー装置2に取り付けられるサイドターンランプ1に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各種の車両用ランプに適宜変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 サイドターンランプ(車両用灯具)
2 ドアミラー装置
4 ミラー本体部
5 ハウジング
6 蓋部
6a 窓部
7 外部コネクタ
10 ベースハウジング
11 収納凹部
11a 被係止凹部
12 載置部
12a,12b 係止突起
12c 被係止凹部
17 段部
17a 挿通口
18 コネクタ装着部
20 フレキシブル基板
21 基板本体
22〜24 LED(発光体)
25 配線部
26 回路部
27 ターミナル板
27a 被係止穴
27b 突起
27c 被係止凹部
28,29 バックプレート
30 リフレクタ
31 下部
31a 係止爪
31b,31c,31d,31e 突出部
31f 小径部
31g 段部
32 上部
32a,32b 開口部(透光窓)
40 レンズカバー
41 下部
42 上部
50 自動車(車両)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に対する取付けのベースとなるベースハウジングと、
そのベースハウジングに装着され、複数の発光体、その駆動のための配線部及び回路部が実装されるとともに端部に前記発光体に通電するための金属板状のターミナル板を備えた基板と、
その基板を外側から被うように、かつ前記発光体の光を透過させる透光窓を有する、前記ベースハウジングに保持されるリフレクタと、
そのリフレクタを外側から被うように、かつ前記透光窓を透過した発光体の光を拡散して外側に投光する、前記ベースハウジング上に配置されるレンズカバーと、を備え、
前記ベースハウジングには前記ターミナル板を載置する載置部が形成され、前記リフレクタには前記ベースハウジング側へ突出する突出部が形成され、前記リフレクタが前記ベースハウジングに保持された状態で、前記ベースハウジングの載置部と前記リフレクタの突出部との間に前記ターミナル板が挟み込まれて固定され、かつ位置決めされることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記ベースハウジングの載置部には前記リフレクタ側へ突出する係止突起が形成され、前記ターミナル板にはその係止突起を挿通させる被係止穴が形成され、前記ベースハウジングの係止突起が前記ターミナル板の被係止穴を挿通することで該ターミナル板が前記ベースハウジングに対して位置決めされる請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記ベースハウジングの載置部には前記リフレクタ側へ突出する係止突起が形成され、前記ターミナル板にはその係止突起に係合する被係止凹部が形成され、前記ベースハウジングの係止突起が前記ターミナル板の被係止凹部と係合することで該ターミナル板が前記ベースハウジングに対して位置決めされる請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記リフレクタの突出部は先端側が小径部とされた段付き柱状に形成され、前記ベースハウジングの載置部には前記突出部の小径部に係合する被係止凹部が形成され、前記ターミナル板には前記突出部の小径部を挿通させる被係止穴が形成されており、前記突出部の小径部が前記ターミナル板の被係止孔を挿通し、さらに前記ベースハウジングの被係止凹部と係合することで、前記ターミナル板が前記ベースハウジングに対して位置決めされ、かつ前記突出部の段部と前記ベースハウジングの載置部との間に前記ターミナル板が挟み込まれて固定される請求項1に記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−63748(P2013−63748A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204875(P2011−204875)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000105925)サカエ理研工業株式会社 (110)
【Fターム(参考)】