説明

車両用照明装置及び照明方法

【課題】従来に比して、歩行者等に車両が接近していることを喚起させることができる車両用照明装置を提供すること。
【解決手段】自車両の周辺に存在する警告対象物を特定し、かつ、当該警告対象物と自車両との位置関係を検出する物体位置検出部110と、警告対象物が存在する領域に、位置関係に応じた色の照射光が照射されるように、前照灯120を制御する照明制御部130とを設けたことにより、歩行者等は接近してくる車両との距離や危険度を把握し易くなるので、歩行者等に自車両が接近していることを喚起することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用照明装置及び照明方法に関し、自車両周辺の歩行者又は、自転車、二輪車に乗車している人に、自車両が接近していることを喚起させる車両用照明装置及び照明方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘッドライト等の照明の光量や照射位置を走行状態に応じて調整することで、夜間等にドライバの視認性を向上させる技術が多数提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、車両の操舵角(ステアリング信号)に応じて、調光式ランプの光量を増減させることで、ドライバの視認性を向上させる技術が記載されている。
【0004】
特許文献2には、二色のヘッドライトを用いることで、ドライバが歩行者、自転車又は二輪車等を発見し易くした技術が記載されている。
【0005】
特許文献3には、歩行者の位置に応じたマーキング光を照射することで、ドライバが歩行者を発見し易くした技術が開示されている。
【特許文献1】特開2001−213227号公報
【特許文献2】特開平10−297357号公報
【特許文献3】特開2006−176020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、車両と歩行者等との衝突を防止するには、車両のドライバが歩行者等を認識して衝突回避操作を行うことに加えて、歩行者等が車両の接近を認識して衝突回避行動を行うことが重要である。例えば、高速走行している車両は急停止又は急激に走行方向を変えることは困難なので、車両の回避行動に加えて歩行者等の回避行動が伴うことが必要な場合が多い。
【0007】
しかしながら、従来の車両用照明装置は、主に、ドライバの視認性を向上させる観点で構成されており、歩行者又は、自転車、二輪車に乗車している人(以下、これらを歩行者等と呼ぶ)に車両の接近を喚起する観点では十分な配慮がなされていない。
【0008】
特に、夜間、歩行者等がヘッドライトによって照らされると、歩行者等はライトの眩しさによって、接近してくる車両との距離を把握し難くなるので、歩行者等による回避行動が一段と困難になる。
【0009】
本発明は、かかる点を考慮してなされたものであり、従来に比して、歩行者等に車両が接近していることを喚起させることができる車両用照明装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の車両用照明装置の一つの態様は、照射領域毎に照射光の色を変えることができる前照灯と、自車両の周辺に存在する警告対象物を特定し、かつ、当該警告対象物と自車両との位置関係を検出する物体位置検出手段と、前記警告対象物が存在する領域に、前記位置関係に応じた色の照射光が照射されるように、前記前照灯を制御する照明制御手段と、を具備する構成を採る。
【0011】
本発明の照明方法の一つの態様は、車両に設けられた前照灯における照明方法であって、自車両の周辺に存在する警告対象物を特定し、かつ、当該警告対象物と自車両との位置関係を検出する物体位置検出ステップと、前記位置関係と、自車両の速度情報とに基づいて、前記警告対象物の危険度を判定する危険度判定ステップと、前記危険度に基づいて、前記警告対象物に照射する色を制御する調色ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、歩行者等の警告対象物は、車両から照射される照射光の色によって車両との位置関係を把握できるようになる。この結果、従来に比して、歩行者等に車両が接近していることを喚起させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(1)全体構成
図1に、本発明の実施の形態に係る車両用照明装置の主要構成を示す。車両用照明装置100は、四輪車又は二輪車等の人が乗車して移動する乗り物(すなわち車両)に搭載されている。
【0015】
車両用照明装置100は、物体位置検出部110と、前照灯120と、照明制御部130とを有する。
【0016】
物体位置検出部110は、自車両の周辺に存在する警告対象物を特定し、かつ、当該警告対象物と自車両との位置関係を検出する。具体的には、物体位置検出部110は、警告対象物である車両外部の歩行者又は、自転車、二輪車に乗車している人(歩行者等)を特定し、特定した歩行者等と自車両との位置関係情報S1を出力する。ここで、位置関係情報S1には、自車両と歩行者等との距離の情報、及び、自車両から見た歩行者等の方向の情報が含まれる。
【0017】
物体位置検出部の110上記機能は、例えば、車両外部の画像を取得するイメージセンサと、イメージセンサによって取得された画像を用いて例えばパターンマッチング等の手法を用いて歩行者等を特定する画像処理回路とを用いて実現できる。また、歩行者等の特定と、位置関係情報を得るための手段としては、レーダー又はレーザー等を用いてもよい。さらには、歩行者等が発信器を備えている場合は、その信号を受信することで、画像を取得することなく、歩行者等の特定し、位置関係情報を得ることもできる。すなわち、物体位置検出部110は、歩行者等と自車両との位置関係を判定できるものであればよい。
【0018】
照明制御部130は、光調色部131と、光照射範囲制御部132と、危険度判定部133とを有する。
【0019】
危険度判定部133は、物体位置検出部100によって得られた位置関係情報S1と、車両動作検出部によって得られた自車両の車両動作状態情報S2に含まれる車速情報とに基づいて、歩行者等(警告対象物)の危険度を判定する。具体的には、危険度判定部133は、自車両から歩行者等までの距離が近いほど、自車両の速度が速いほど、危険度が高いと判定する。また、危険度判定部133は、例えば、歩行者等が自車両の進行方向に近いほど、危険度が高いと判定してもよく、危険度の判定の仕方としては種々の方法を用いることができる。例えば、日本では、対向車の運転者に照射光が向かないようにするために、前照灯から照射される光の向きは、車両進行方向に対して若干左側に寄せてある。このため、自車両の運転者は、車両進行方向に対して左側に存在する歩行者等よりも右側に存在する歩行者等のほうが見落とす可能性が高い。このことを考えて、車両進行方向に対して右側に存在する歩行者等の危険度を高めてもよい。危険度判定部133は、判定結果である危険度情報S3を光調色部131及び光照射範囲制御部132に送出する。
【0020】
光調色部131は、物体位置検出部110によって得られた位置関係情報S1と、危険度判定部133によって得られた危険度情報S3とに基づいて、警告対象物が存在する領域に照射される照射光の色を調色する。実際には、照射光の色は前照灯120にて形成されるので、光調色部131は前照灯120における照射光の色を制御する色制御信号S4を形成する。
【0021】
本実施の形態の光調色部131は、歩行者等に照射される光が進出色となるように照射光を調色する。進出色とは、人間の視覚機能において近くに見える色である。
【0022】
どの色が進出色となるかは、背景の色や明るさによって異なる。例えば夜などのように背景が暗い場合は、赤色、黄色等の暖色系の色の方が、青色、緑色等の寒色系の色よりも近くに見えるので、暖色系の色が進出色である。一方、例えば昼などのように背景が明るい場合は、青色、緑色等の寒色系の色の方が、赤色、黄色等の暖色系の色よりも近くに見えるので、寒色系の色が進出色である。
【0023】
よって、光調色部131は、進出色として、暗い環境であれば暖色系の色を選択し、明るい環境であれば寒色系の色を選択することが好ましい。例えば、光センサによって周囲の明るさを検出し、周囲が暗くなるほど、進出色として寒色系の色から暖色系の色に変化させてもよい。
【0024】
本実施の形態の場合には、夜間等の外部が暗い状態での照射を想定しており、進出色として、赤色、黄色等の暖色系の色を用いるようになっている。
【0025】
光調色部131は、危険度情報S3に基づき、警告対象物の危険度が高いほど、警告対象物への照射光を、暖色の度合いの高い色に制御する。例えば、th1<th2の関係の2つの閾値th1、th2を用意し、危険度が第1の閾値th1未満の場合には、警告対象物に他の領域と同じ白色光が照射され、危険度が第1の閾値th1以上で第2の閾値th2未満の場合には、警告対象物に黄色の光が照射され、危険度が第2の閾値th2以上の場合には、警告対象物に赤色の光が照射されるように、制御する。
【0026】
なお、本実施の形態では、警告対象物に照射する色を、危険度に応じて制御する場合について述べたが、単純に、警告対象物と自車両との距離に応じて制御してもよい。つまり、警告対象物までの距離が近いほど、警告対象物への照射光を、暖色の度合いの高い色に制御してもよい。
【0027】
光調色部131は、このような警告対象物への照射光の調色を、警告対象物毎に行う。
【0028】
光照射範囲制御部132は、自車両の速度、ステアリングの舵角及び車両の傾き等の情報を含む車両動作状態情報S2と、物体位置検出部110によって得られた位置関係情報S1とに基づいて、光調色部131によって調色された進出色が歩行者等の頭部付近に照射されるように制御する。すなわち、光照射範囲制御部132は、前照灯120によって照射される色と、その色の照射領域とを示す制御信号S5を、前照灯120に送出する。
【0029】
前照灯120は、一般的な全ての車両に設けられているメインのヘッドライトであってもよく、メインのヘッドライトとは別に設けられた補助的なヘッドライトであってもよい。
【0030】
前照灯120は、光源として、LED(Light Emitting Diode)、ハロゲン、又は有機EL(Electro-Luminescence)等が用いられており、照射領域毎に照射光の色を変えることができる構成とされている。
【0031】
図2Aに前照灯120の構成例を示し、図2Bに前照灯120による照射の様子を模式的に示す。図2Aの前照灯120は、複数のLED光源123を有する左右のLEDランプ121−R、121−Lと、LEDランプ121−R、121−Lを駆動するLEDドライバ122とを有する。
【0032】
LEDドライバ122には、光照射範囲制御部132(図1)からの制御信号S5が入力される。LEDドライバ122は、制御信号S5に基づいて、複数のLED光源123について、制御信号S5で示された位置のLED光源123を、制御信号S5で示された色で光らせる。例えば、図2Bの領域AR1、AR2に警告対象である歩行者等がいる場合には、その領域AR1、AR2に光を照射するLED光源123−R、123−Lを進出色で光らせる。LED光源123−R、123−L以外のLED光源123は、白色で光らせればよい。
【0033】
なお、前照灯120の構成は、図2Aの構成に限らず、制御信号S5に応じて、特定領域に特定色の照射光を照射できるものであればよい。
【0034】
(2)動作
次に、車両用照明装置100の動作を説明する。
【0035】
先ず、図3及び図4に、一般的な照射例を示す。車両10は、夜間、前照灯11から図に示す照射範囲12に光を照射しながら走行している。そして、照射範囲12が照射された領域に歩行者13が入ると、車両10の運転者は歩行者13を認識できる。
【0036】
図5に、本実施の形態の車両用照明装置100の照射例を示す。車両用照明装置100は、物体位置検出部110(図1)によって歩行者13を検出すると、歩行者13と自車両との距離(又は危険度)に応じて調色した光14を、歩行者13に向けて照射する。
【0037】
図5には、歩行者13が車両前方の道路を右から左へ横断する例が示されている。通常の前照灯からは、照射範囲12に均一な色の光が照射される。これに対して、本実施の形態の前照灯120からは、危険度又は距離に応じて調色された光14が歩行者13の頭部付近に照射される。これにより、歩行者13は車両の接近に気づくことができる。加えて、歩行者13は、照射光14の色によって、危険度や距離を知ることができる。
【0038】
次に、車両用照明装置100の配光動作の一例を、4つのケースを例に挙げて説明する。図6〜図9は、各ケースの自車両10と歩行者13との位置関係を示すものであり、図10は、各ケースでの調色及び照射範囲をまとめたものである。
【0039】
・ケース1:図6に示すように、歩行者13が物体位置検出部110による検出可能範囲外に存在する場合である。この場合、車両用照明装置100は、通常色(すなわち白色光)を照射する。
【0040】
・ケース2:図7に示すように、歩行者13が物体位置検出部110による検出可能範囲内でかつ前照灯120による通常の照射可能範囲外(つまり運転者の視認性を考慮して設定されている通常の照射範囲外)に存在する場合である。この場合、車両用照明装置100は、歩行者13の頭部を含む範囲に向けて、例えばオレンジ色の光を照射する。
【0041】
・ケース3:図8に示すように、自車両10が通常停止動作を行えば歩行者13と衝突しない位置(すなわち危険度の低い位置)に、歩行者13が存在する場合である。この場合、車両用照明装置100は、歩行者13の頭部を含む範囲に向けて、赤色の光を照射する。
【0042】
・ケース4:図9に示すように、自車両10が急停止を必要とする位置(すなわち危険度の高い位置)に、歩行者13が存在する場合である。この場合、車両用照明装置100は、歩行者13の全身を含む範囲に向けて、赤色の光を照射する。
【0043】
このように、歩行者13の位置に応じて、照射光の色及び範囲を制御することで、歩行者13を無駄に驚かすことなく、歩行者13に自車両10の接近を喚起させることができる。
【0044】
次に、図11を用いて、照射領域の分割と調色の例を説明する。
【0045】
図11Aは車両用照明装置100の全照射範囲を分割した様子を示し、図11Bは左右の前照灯120−L、120−Rによる照射領域を示す。図11では、全照射範囲が12個の照射領域<1>〜<12>に分割された例が示されている。
【0046】
図11Aに示すように、車両の前方には、自転車、歩行者、標識、対向車両といった物体が存在する。また、図11Bに示すように、前照灯120による照射領域は、<1>左・上部領域、<2>中央・上部領域、<3>左・中央領域、<4>中央・中央領域、<5>左・路面領域、<6>中央・路面領域、<7>中央・上部領域、<8>右・上部領域、<9>中央・中央領域、<10>右・中央領域、<11>中央・路面領域、<12>右・路面領域に分割され、前照灯120は各領域に独立に調色した光を照射できるようになっている。なお、図11Aと図11Bの符号は、それぞれ対応している。
【0047】
図11Aの例では領域<3>と領域<8>とに歩行者等が存在するので、<3>左・中央領域と<8>右・上部領域を、進出色で照射すればよい。
【0048】
図12は、本実施形態の車両用照明装置100の動作を説明するためのフローチャートである。
【0049】
車両用照明装置100は、ステップST0で処理を開始すると、ステップST1において前照灯120のスイッチがONされるまで待機する。ステップST1で前照灯120のスイッチがONされると、ステップST2に移って、物体位置検出部110によって自車両周辺の画像を取得する。
【0050】
続く、ステップST3では、物体位置検出部110が、取得画像中の物体毎に、警告対象物であるか否かを判定する。具体的には、物体位置検出部110が、取得した物体の画像を基にパターンマッチング等の手法を用いて物体の種類を判定し、判定した物体の種類が、歩行者、自転車、二輪車等の人間が存在している物体(歩行者等)であれば、その物体が警告対象物であると判断する。ステップST3で警告対象物であると判断するとステップST4に移り、警告対象物でない判断するとステップST7に移る。
【0051】
ステップST4では、危険度判定部133が警告対象物の危険度を判定する。
【0052】
ステップST5では、光調色部131が警告対象物の危険度に基づいて、警告対象物に照射される照射光を調色する。
【0053】
ステップST6では、光照射範囲制御部132が調色された照射光の照射範囲を決定する。
【0054】
ステップST7では、前照灯120によって光が照射される。このとき、警告対象物に対しては、危険度に応じて調色された照射光が照射される。一方、警告対処物が存在しない領域に対しては、白色光が照射される。
【0055】
次に、車両用照明装置100は、ステップST8において、前照灯120のスイッチがOFFされたか否か判断し、OFFされていない場合ステップST2に戻り、OFFされた場合ステップST9に移って処理を終了する。
【0056】
(3)効果
以上説明したように、本実施の形態によれば、自車両の周辺に存在する警告対象物を特定し、かつ、当該警告対象物と自車両との位置関係を検出する物体位置検出部110と、警告対象物が存在する領域に、位置関係に応じた色の照射光が照射されるように、前照灯120を制御する照明制御部130とを設けたことにより、歩行者等は接近してくる車両との距離を把握し易くなるので、歩行者等に自車両が接近していることを喚起することができる。
【0057】
なお、本実施の形態では、警告対象物に照射する照射光を調色することで、歩行者等に自車両が接近していることを喚起する場合について説明したが、上述した調色に加えて、前照灯120の輝度及び又は照度を制御してもよい。例えば、歩行者等までの距離が近くなるほど、歩行等に照射する照射光の色を暖色の度合いの高い色に制御する(例えば黄色から赤色に変化させていく)のに加えて、輝度及び照度を増加させれば、歩行者等に車両がどの程度接近しているかを一段と喚起させることができるようになる。例えば、自車両と歩行者等との距離が近くなるほど、歩行者等に照射している赤色の輝度又は照度を増加させればよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、四輪車又は二輪車等の車両に設けられた車両用照明装置に広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態1に係る車両用照明装置の構成を示すブロック図
【図2】図2Aは前照灯の構成例を示す図、図2Bは前照灯による照射の様子を示す図
【図3】一般的な照射例を示す図
【図4】一般的な照射例を示す図
【図5】実施の形態の照射例を示す図
【図6】歩行者が検出可能範囲外に存在する場合を示す図
【図7】歩行者が検出可能範囲内でかつ前照灯による通常の照射可能範囲外に存在する場合を示す図
【図8】通常停止動作を行えば歩行者と衝突しない位置に歩行者が存在する場合を示す図
【図9】急停止を必要とする位置に歩行者が存在する場合を示す図
【図10】図6〜図9の各ケースでの調色及び照射範囲をまとめた図
【図11】図11Aは全照射範囲を分割した様子を示す図、図11Bは左右の前照灯による照射領域を示す図
【図12】車両用照明装置の動作の説明に供するフローチャート
【符号の説明】
【0060】
100 車両用照明装置
110 物体位置検出部
120 前照灯
130 照明制御部
131 光調色部
132 光照射範囲制御部
133 危険度判定部





【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射領域毎に照射光の色を変えることができる前照灯と、
自車両の周辺に存在する警告対象物を特定し、かつ、当該警告対象物と自車両との位置関係を検出する物体位置検出手段と、
前記警告対象物が存在する領域に、前記位置関係に応じた色の照射光が照射されるように、前記前照灯を制御する照明制御手段と、
を具備する車両用照明装置。
【請求項2】
前記照明制御手段は、
前記位置関係と、自車両の速度情報とに基づいて、前記警告対象物の危険度を判定する危険度判定手段と、
前記危険度に基づいて、前記警告対象物が存在する領域に照射される前記照射光の色を制御する調色手段と、
を具備する請求項1に記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記照明制御手段は、
前記位置関係と、自車両の走行状態とに基づいて、前記調色制御された前記照射光の照射範囲を制御する光照射範囲制御手段を、さらに具備する、
請求項2に記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記照明制御手段は、前記警告対象物が存在する領域に、進出色が照射されるように、前記前照灯を制御する、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用照明装置。
【請求項5】
前記警告対象物は、歩行者又は、自転車、二輪車に乗車している人であり、
前記照明制御手段は、前記歩行者又は、自転車、二輪車に乗車している人の頭部に、進出色が照射され、前記他の領域に白色光が照射されるように、前記前照灯を制御する、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用照明装置。
【請求項6】
前記照明制御手段は、前記位置関係に基づき、前記警告対象物と自車両との距離が近いほど、前記警告対象物が存在する領域に照射される照射光の色を、暖色の度合いの高い色に制御する、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両用照明装置。
【請求項7】
前記照明制御手段は、さらに、前記物体位置判定手段によって得られた前記位置関係に基づいて、前記警告対象物が存在する領域に照射される照射光の色温度、輝度又は照度を制御する、
請求項1から請求項6のいずれかに記載の車両用照明装置。
【請求項8】
車両に設けられた前照灯における照明方法であって、
自車両の周辺に存在する警告対象物を特定し、かつ、当該警告対象物と自車両との位置関係を検出する物体位置検出ステップと、
前記位置関係と、自車両の速度情報とに基づいて、前記警告対象物の危険度を判定する危険度判定ステップと、
前記危険度に基づいて、前記警告対象物に照射する色を制御する調色ステップと、
を含む照明方法。
【請求項9】
前記調色ステップでは、前記危険度が高いほど、前記警告対象物に照射する色を、暖色の度合いの高い色に制御する、
請求項8に記載の照明方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−18165(P2010−18165A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180574(P2008−180574)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】