説明

車両用燃料タンク

【課題】車両用燃料タンクにおいて、塗装コストを抑えながら貯留部の耐食性を強化することができる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】タンク本体12の外表面には本体用塗膜26を形成して、意匠面とする。また、貯留部14の外表面には貯留部用塗膜27を形成して耐食性を高める。すなわち、タンク本体の外表面に耐食性塗料を塗布し、貯留部の外表面には耐食性塗料よりも耐食性に優れた強耐食性塗料を塗布する。
【効果】タンク本体の外表面には意匠性の観点から通常の耐食性塗料を塗布してデザイン性を重視する。一方、燃料が溜まりやすい貯留部の外表面には、例えばエタノールの含有量が大きいガソリンにも耐える特殊なエタノール耐食性塗料を塗布することで、貯留部での腐食を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用燃料タンクの耐食性向上技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用燃料タンクは、タンク本体の上面部に、給油口を備えると共にこの給油口から溢れた燃料を受けるために給油口を囲う環状の凹部で構成した貯留部を備える(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実公平3−16750号公報(第2図)
【0003】
特許文献1の第2図において、1はボデーアウターパネル、2は段部、3はテーパー部、4は段付き孔、5は燃料注入管、6はブラケット、7は鍔、8はシーラーゾルであり、ブラケット6が貯留部に相当する。
【0004】
ボデーアウターパネル1はタンク本体に相当し、外表面には指定色の塗装を施す。貯留部に相当するブラケット6の外表面も指定色の塗装を施す。給油キャップを外すとブラケット6の外表面が露出するため、ボデーアウターパネル1とブラケット6とは同一塗装を施すことで、外観性を維持する。
【0005】
しかし、ボデーアウターパネル1の外表面に比較して、ブラケット6の外表面は燃料で濡れる頻度が高いため、ブラケット6側の塗装が傷みやすい。
燃料で濡れても耐えるような強耐食性塗料を、ブラケット6並びにボデーアウターパネル1に塗布すると、塗装コストが嵩む。
【0006】
なお、シーラーゾル8は、ブラケット6の鍔7とボデーアウターパネル1の段部2とを接合する接着剤兼充填剤であり、塗装の耐食性向上には寄与しない。
【0007】
そこで、塗装コストを抑えながら貯留部の耐食性を強化することができる技術が求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、車両用燃料タンクにおいて、塗装コストを抑えながら貯留部の耐食性を強化することができる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、タンク本体の上面部に、給油口を備えると共にこの給油口から溢れた燃料を受けるために前記給油口を囲う環状の凹部で構成した貯留部を備える車両用燃料タンクにおいて、前記タンク本体の外表面には耐食性塗料を塗布し、前記貯留部の外表面には前記耐食性塗料よりも耐食性に優れた強耐食性塗料を塗布したことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、タンク本体の上面部に、給油口を備えると共にこの給油口から溢れた燃料を受けるために前記給油口を囲う環状の凹部で構成した貯留部を備える車両用燃料タンクにおいて、前記タンク本体の外表面には耐食性塗料を塗布し、前記貯留部の外表面には前記耐食性塗料と同一の耐食性塗料を前記タンク本体の外表面より少ない塗装回数で塗布したことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、タンク本体の上面部に、給油口を備えると共にこの給油口から溢れた燃料を受けるために前記給油口を囲う環状の凹部で構成した貯留部を備える車両用燃料タンクにおいて、前記タンク本体の外表面にはアクリル系塗料を塗布し、前記貯留部の外表面には前記アクリル系塗料よりも分子量の大きいアクリル系塗料を塗布したことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、タンク本体の上面部に、給油口を備えると共にこの給油口から溢れた燃料を受けるために前記給油口を囲う環状の凹部で構成した貯留部を備える車両用燃料タンクにおいて、前記タンク本体の外表面にはA質量%のアクリル樹脂とB質量%のメラミン樹脂とからなり、混合比がA/Bである混合塗料を塗布し、前記貯留部の外表面にはC質量%のアクリル樹脂とD質量%のメラミン樹脂とからなり、混合比C/Dが前記混合比A/Bより小さな混合塗料を塗布したことを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、タンク本体の上面部に、給油口を備えると共にこの給油口から溢れた燃料を受けるために前記給油口を囲う環状の凹部で構成した貯留部を備える車両用燃料タンクにおいて、前記タンク本体の外表面及び前記貯留部の外表面に前記耐食性塗料を塗布するときに、この塗膜層の一端を前記給油口若しくは給油口の近傍に接着剤で接合したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、貯留部の外表面に、タンク本体の外表面に塗布する耐食性塗料よりも耐食性に優れた強耐食性塗料を塗布する。すなわち、タンク本体の外表面には意匠性の観点から通常の耐食性塗料を塗布してデザイン性を重視する。一方、燃料が溜まりやすい貯留部の外表面には、例えばエタノールの含有量が大きいガソリンにも耐える特殊なエタノール耐食性塗料を塗布することで、貯留部での腐食を防止する。
【0015】
エタノール耐食性塗料などの強耐食性塗料は高価であるが、貯留部はタンク本体に比べて塗布面積が格段に小さいため、必要な塗料の量は少なくて済み、塗装コストの上昇を抑えることができる。
したがって、請求項1によれば、塗装コストを抑えながら貯留部の耐食性を強化することができる。
【0016】
請求項2に係る発明では、貯留部の外表面に、タンク本体の外表面より少ない塗装回数で耐食性塗料を塗布する。塗装剥離の原因の一つに層間剥離現象がある。この層間剥離は層の数が多いほど発生しやすい。そこで、塗装回数を少なくして耐食性を強化することにした。また、塗装回数を少なくすることは塗装コストの低減に繋がる。
したがって、請求項2によれば、塗装コストを抑えながら貯留部の耐食性を強化することができる。
【0017】
請求項3に係る発明は、貯留部の外表面に、タンク本体の外表面に塗布するアクリル系塗料よりも分子量の大きいアクリル系塗料を塗布したことを特徴とする。
分子量の大きなアクリル系塗料はエタノール含有燃料に対する耐食性を有する。したがって、請求項3によれば、塗装コストを抑えながら貯留部の耐食性を強化することができる。
【0018】
請求項4に係る発明は、タンク本体の外表面に、A質量%のアクリル樹脂とB質量%のメラミン樹脂とからなり、混合比がA/Bである混合塗料を塗布し、貯留部の外表面に、C質量%のアクリル樹脂とD質量%のメラミン樹脂とからなり、混合比C/Dが混合比A/Bより小さな混合塗料を塗布したことを特徴とする。
【0019】
メラミン樹脂はやや高価であるが、貯留部はタンク本体に比べて塗布面積が格段に小さいため、必要な塗料の量は少なくて済み、塗装コストの上昇を抑えることができる。
したがって、請求項4によれば、塗装コストを抑えながら貯留部の耐食性を強化することができる。
【0020】
請求項5に係る発明は、タンク本体の外表面及び貯留部の外表面に耐食性塗料を塗布するときに、この塗膜層の一端を給油口若しくは給油口の近傍に接着剤で接合したことを特徴とする。
塗膜剥離の要因の一つに塗膜端から塗膜と鋼板との間に燃料が侵入することが挙げられる。塗膜端を接着剤で塞ぐことにより燃料の侵入をより確実に阻止することができ、塗膜剥離を防止することができる。塗膜層の一端を給油口若しくは給油口の近傍に接着するだけで済むため、接着剤の所要量は少なくて済み、塗装コストの上昇を抑えることができる。
したがって、請求項5によれば、塗装コストを抑えながら貯留部の耐食性を強化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車両用燃料タンクの側面図であり、自動二輪車に好適な車両用燃料タンク10は、底板11を含むタンク本体12の上面部に、給油口13を備えると共にこの給油口13から溢れた燃料を受けるために給油口13を囲う環状の凹部で構成した貯留部14を備える。この貯留部14からドレーンチューブ15を下げて底板11を貫通させることで、このドレーンチューブ15を通じて貯留部14に溜まった燃料をタンク外へ排出することができる。
【0022】
なお、16は中空リングであり、この中空リング16からエアチューブ17を下げて底板11を貫通させることで、タンク内の空気をタンク外へ排出すること並びにタンク内へ外気を導入することができるようにする。
【0023】
図2は本発明に係る貯留部の拡大断面図であり、タンク本体12の上面部に壁部19を一体成形する。この壁部19に、環状の凹部21で構成した貯留部14の縦壁部22を溶接で固定する。貯留部14の中央(凹部21の内側縁)を起立させ、この起立部23に、折り返し部24を有する給油口13を溶接で固定する。
【0024】
そして、タンク本体12の外表面には本体用塗膜26を形成して、意匠面とする。また、貯留部14の外表面には貯留部用塗膜27を形成して耐食性を高める。なお、本体用塗膜26及び貯留部用塗膜27は、正しくはタンク本体12や貯留部14を構成する鋼板の厚さより薄いが、図面では強調するために厚く表示した。
本体用塗膜26及び貯留部用塗膜27について詳しく説明する。
【0025】
次表は、タンク本体12の外表面に耐食性塗料を塗布し、貯留部14の外表面には耐食性塗料よりも耐食性に優れた強耐食性塗料を塗布した実施例を示す。なお、以下の表中、耐食性の評価に付した「○」は良、「◎」は最良を示す。
【0026】
【表1】

【0027】
実施例1では、本体用塗装に普通の耐食性塗料であるアクリルメラミン系塗料(アクリルメラミンと略記する。)を使用し、貯留部用塗装にアクリルメラミンより耐食性に優れたアクリルウレタン系塗料(アクリルウレタンと略記する。)を採用した。
実施例2では、本体用塗装に普通の耐食性塗料であるアクリルメラミンを使用し、貯留部用塗装にアクリルメラミンより耐食性に優れたエポキシ樹脂系塗料(エポキシと略記する。)を採用した。
【0028】
実施例3では、本体用塗装に普通の耐食性塗料であるアクリルメラミンを使用し、貯留部用塗装にアクリルメラミンより耐食性に優れたポリエステルメラミン系塗料(ポリエステルメラミンと略記する。)を採用した。
実施例1〜3ともに、貯留部における耐食性は十分であった。
【0029】
次表は、タンク本体12の外表面に耐食性塗料(アクリルメラミン)を塗布し、貯留部14の外表面に耐食性塗料(アクリルメラミン)と同一の耐食性塗料をタンク本体の外表面より少ない塗装回数で塗布した実施例を示す。
【0030】
【表2】

【0031】
実施例4では、本体用塗装として普通の耐食性塗料であるアクリルメラミンを4回塗装して、4層構成にした。一方、貯留部用塗装としてアクリルメラミンを1回、2回又は3回塗装して、1層、2層又は3層構成にした。
実施例5では、本体用塗装として普通の耐食性塗料であるアクリルメラミンを3回塗装して、3層構成にした。一方、貯留部用塗装としてアクリルメラミンを1回又は2回塗装して、1層又は2層構成にした。
【0032】
実施例6では、本体用塗装として普通の耐食性塗料であるアクリルメラミンを2回塗装して、2層構成にした。一方、貯留部用塗装としてアクリルメラミンを1回塗装して、1層構成にした。
実施例4〜6ともに、貯留部における耐食性は十分であった。
【0033】
次表は、タンク本体12の外表面にアクリル系塗料を塗布し、貯留部14の外表面にアクリル系塗料よりも分子量の大きいアクリル系塗料を塗布した実施例を示す。
【0034】
【表3】

【0035】
実施例7では、本体用塗装として分子量が約1500のアクリル系塗料を使用し、貯留部用塗装として分子量が約2000のアクリル系塗料を使用した。
実施例8では、本体用塗装として分子量が約2500のアクリル系塗料を使用し、貯留部用塗装として分子量が約3500のアクリル系塗料を使用した。
【0036】
実施例9では、本体用塗装として分子量が約4000のアクリル系塗料を使用し、貯留部用塗装として分子量が約6000のアクリル系塗料を使用した。
実施例7〜9ともに、貯留部における耐食性は十分であった。
【0037】
次表は、タンク本体12の外表面にA質量%のアクリル樹脂とB質量%のメラミン樹脂とからなり、混合比がA/Bである混合塗料を塗布し、貯留部14の外表面にC質量%のアクリル樹脂とD質量%のメラミン樹脂とからなり、混合比C/Dが混合比A/Bより小さな混合塗料を塗布した実施例を示す。
【0038】
【表4】

【0039】
実施例10は、タンク本体の外表面に80質量%のアクリル樹脂と20質量%のメラミン樹脂とからなり、混合比が4.0である混合塗料を塗布した。一方、貯留部の外表面に75質量%のアクリル樹脂と25質量%のメラミン樹脂とからなり、混合比が3.0である混合塗料を塗布した。混合比を比較すると貯留部側の混合比(C/D)がタンク本体側の混合比(A/B)より小さい。
【0040】
実施例11は、タンク本体の外表面に75質量%のアクリル樹脂と25質量%のメラミン樹脂とからなり、混合比が3.0である混合塗料を塗布した。一方、貯留部の外表面に60質量%のアクリル樹脂と40質量%のメラミン樹脂とからなり、混合比が1.5である混合塗料を塗布した。混合比を比較すると貯留部側の混合比(C/D)がタンク本体側の混合比(A/B)より小さい。
【0041】
実施例12は、タンク本体の外表面に60質量%のアクリル樹脂と40質量%のメラミン樹脂とからなり、混合比が1.5である混合塗料を塗布した。一方、貯留部の外表面に50質量%のアクリル樹脂と50質量%のメラミン樹脂とからなり、混合比が1.0である混合塗料を塗布した。混合比を比較すると貯留部側の混合比(C/D)がタンク本体側の混合比(A/B)より小さい。
実施例10〜12ともに、貯留部における耐食性は十分であった。
【0042】
次に、耐食性向上対策として接着剤を使用する実施例を説明する。
図3は本発明に係る貯留部の断面図であり、タンク本体12の上面部に壁部19を一体成形する。この壁部19に、環状の凹部21で構成した貯留部14の縦壁部22を溶接で固定する。貯留部14の中央を起立させ、この起立部23に、折り返し部24を有する給油口13を溶接で固定する。
【0043】
そして、タンク本体12の外表面には本体用塗膜26を形成して、意匠面とする。また、貯留部14の外表面には貯留部用塗膜27を形成して耐食性を高める。なお、本体用塗膜26及び貯留部用塗膜27は、正しくはタンク本体12や貯留部14を構成する鋼板の厚さより薄いが、図面では強調するために厚く表示した。
【0044】
図4は図3の4部拡大図であり、貯留部用塗膜27を、例えば第1層31、第2層32及び第3層33で構成するときに、第1層31の端部を接着剤34で貯留部14の端部に接合したことを特徴とする。貯留部14の端部は、給油口13又は給油口13の近傍に相当する。
【0045】
仮に、矢印Aのごとく侵入した燃料が、第1層31の下、すなわち貯留部14の上面と第1層31との間に侵入すると、貯留部用塗膜27が剥離する。
この点、本例では矢印Aのように貯留部用塗膜27の一端から燃料が侵入しても、接着剤34がシール材の役割を果たすために、燃料の侵入を防止することができ、実質的に貯留部14の耐食性を向上させることができる。
【0046】
図5は図4の変更実施例図であり、貯留部用塗膜27を第1層31、第2層32及び第3層33で構成するときに、第3層33の端部を接着剤34で貯留部14の端部に接合したことを特徴とする。
仮に、矢印Bのごとく侵入した燃料が、第1層31の下へ侵入すると貯留部用塗膜27が剥離する。
この点、本例では矢印Bのように貯留部用塗膜27の一端から燃料が侵入しようとしても、接着剤34がシール材の役割を果たすために、燃料の侵入を防止することができ、実質的に貯留部14の耐食性を向上させることができる。
【0047】
尚、本発明は、自動二輪車に好適であるが、三輪車又は四輪車にも適用可能であり、一般の車両に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、自動二輪車に装備する燃料タンクに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る車両用燃料タンクの側面図である。
【図2】本発明に係る貯留部の拡大断面図である。
【図3】本発明に係る貯留部の断面図である。
【図4】図3の4部拡大図である。
【図5】図4の変更実施例図である。
【符号の説明】
【0050】
10…車両用燃料タンク、12…タンク本体、13…給油口、14…貯留部、21…凹部、26…本体用塗膜、27…貯留部用塗膜、34…接着剤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク本体の上面部に、給油口を備えると共にこの給油口から溢れた燃料を受けるために前記給油口を囲う環状の凹部で構成した貯留部を備える車両用燃料タンクにおいて、
前記タンク本体の外表面には耐食性塗料を塗布し、前記貯留部の外表面には前記耐食性塗料よりも耐食性に優れた強耐食性塗料を塗布したことを特徴とする車両用燃料タンク。
【請求項2】
タンク本体の上面部に、給油口を備えると共にこの給油口から溢れた燃料を受けるために前記給油口を囲う環状の凹部で構成した貯留部を備える車両用燃料タンクにおいて、
前記タンク本体の外表面には耐食性塗料を塗布し、前記貯留部の外表面には前記耐食性塗料と同一の耐食性塗料を前記タンク本体の外表面より少ない塗装回数で塗布したことを特徴とする車両用燃料タンク。
【請求項3】
タンク本体の上面部に、給油口を備えると共にこの給油口から溢れた燃料を受けるために前記給油口を囲う環状の凹部で構成した貯留部を備える車両用燃料タンクにおいて、
前記タンク本体の外表面にはアクリル系塗料を塗布し、前記貯留部の外表面には前記アクリル系塗料よりも分子量の大きいアクリル系塗料を塗布したことを特徴とする車両用燃料タンク。
【請求項4】
タンク本体の上面部に、給油口を備えると共にこの給油口から溢れた燃料を受けるために前記給油口を囲う環状の凹部で構成した貯留部を備える車両用燃料タンクにおいて、
前記タンク本体の外表面にはA質量%のアクリル樹脂とB質量%のメラミン樹脂とからなり、混合比がA/Bである混合塗料を塗布し、前記貯留部の外表面にはC質量%のアクリル樹脂とD質量%のメラミン樹脂とからなり、混合比C/Dが前記混合比A/Bより小さな混合塗料を塗布したことを特徴とする車両用燃料タンク。
【請求項5】
タンク本体の上面部に、給油口を備えると共にこの給油口から溢れた燃料を受けるために前記給油口を囲う環状の凹部で構成した貯留部を備える車両用燃料タンクにおいて、
前記タンク本体の外表面及び前記貯留部の外表面に前記耐食性塗料を塗布するときに、この塗膜層の一端を前記給油口若しくは給油口の近傍に接着剤で接合したことを特徴とする車両用燃料タンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−91149(P2007−91149A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−286352(P2005−286352)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】