説明

車両用空調装置

【課題】外気温度の変化に伴いウインドガラスに曇りが発生することを防止する。
【解決手段】コントローラ16が、車両外部の温度Tamの変化率が所定値以上か否を判別し、車両外部の温度Tamの変化率が所定値以上と判別された場合、通常時よりも早く曇り除去運転が開始されるよう防曇判定値Tdを補正する。これにより、車両外部の温度Tamの変化に伴うドアガラスの曇り発生を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウインドガラスの曇りを除去する機能を有する車両用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車室内の湿度が急激に上昇した際に湿度センサの応答遅れによってウインドガラス(フロントウインドシールドとドアガラス)に曇りが発生することを防止するために、車室内の湿度の変化率に応じてウインドガラスが曇るか否かを判定するための防曇判定値を補正する車両用空調装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−232549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、車両がガレージ等の外気温より気温が高い場所から外界に出ると窓ガラスの温度が急激に低下する。またこの時、単ガラス板構造のドアガラスと、湿度センサが設置されている二重ガラス板構造のフロントウインドシールドとを比べると、熱容量及びガラス外面における空気の流速の違いよって、ドアガラスの温度がフロントウインドシールドの温度より早く低下する。しかしながら従来の車両用空調装置は、フロントウインドシールドに設置されている湿度センサの応答遅れのみに基づいて防曇判定値を補正する構成になっているために、上述の理由によりドアガラスに曇りが発生する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は外気温度の変化に伴いウインドガラスに曇りが発生することを抑制可能な車両用空調装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用空調装置は、車両の外気温の変化率が所定値以上と判別された場合、通常時よりも早く曇り除去運転が開始されるよう防曇判定値を補正する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る車両用空調装置によれば、外気温度の変化率が所定値以上と判別された場合は通常の場合よりも曇りの判定を早めるように防曇判定値を補正するので、急激な外気温度の変化に伴うドアガラスの曇りを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態となる車両用空調装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す車両用空調装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示すセンサユニットの(a)レイアウト図と(b)断面図を示す。
【図4】本発明の実施形態となる曇り除去運転動作の流れを示すフローチャート図である。
【図5】図4に示すフローチャートの続きを示すフローチャート図である。
【図6】図5に示すフローチャートの続きを示すフローチャート図である。
【図7】図5に示すステップS17の処理において用いる所定時間Tsと車両外部の温度Tamとの関係を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態となる車両用空調装置の構成について説明する。
【0010】
〔車両用空調装置の構成〕
本発明の実施形態となる車両用空調装置1では、ブロアファン2が回転すると、内外気切換ドアD1を介して空調ユニット3内に内気又は外気が吸い込まれる。エバポレータ4にはコンプレッサ12(図2参照)の駆動によって冷媒が圧送され、空調ユニット3内に吸い込まれた空気はエバポレータ4を通過して除湿冷却される。エバポレータ4を通過した空気は、エアミックスドアD2の開度に応じた割合でヒータコア5を通過して加熱される又は冷却空気のままヒータコア5をバイパスする。ヒータコア5を通過又はバイパスした空気はヒータコア5の下流で混合されて空調風が生成される。この空調風は、空調モードに応じて開閉するベントドアD3,デフロスタドアD4,及びフットドアD5を介してそれぞれ車室内に面したベント吹出口,デフロスタ吹出口,及びフット吹出口から送風される。
【0011】
なおベントモード時,デフロスタモード時,及びフットモード時にはそれぞれベントドアD3,デフロスタドアD4,及びフットドアD5のみが開放し、バイレベルモード時にはベントドアD3とフットドアD5が開放し、デフフットモード時にはデフロスタドアD4とフットドアD5が開放する。ブロアファン2及び各ドアD1〜D5はモータ等のアクチュエータ13(図2参照)により駆動される。デフロスタ吹出口は、フロントウインドシールドガラス17(図3(a)参照)の下端部近傍のインストルメントパネルの上面に車幅方向に沿って配設され(フロントデフロスタ)、デフロスタ吹出口からの空調風の吹き出しによりフロントウインドシールド17の曇りを除去することができる。なお、デフロスタ吹出口は、インストルメントパネルの車幅方向両端部にも設けられ(サイドデフロスタ)、このデフロスタ吹出口からはドアガラスに向けて空調風を吹き出すことができる。
【0012】
〔制御系の構成〕
車両用空調装置1は、制御系として、図2に示すセンサユニット11,コンプレッサ12,アクチュエータ13,水温センサ14,外気温センサ15,及びコントローラ16を有する。センサユニット11は、図3(a)に示すように、フロントウインドシールド17の内側表面上であって、デフロスタ吹出口からできるだけ離れた場所で、デフロスタ風が当たらない場所、例えば車幅方向中央、且つ、上端部のルームミラー18の取付領域の近傍に取り付けられる。センサユニット11は、図3(b)に示すようにフロントウインドシールド17近傍における内気の温度Tgaを検出する温度センサ19aと、フロントウインドシールド17の内表面温度Tgを検出する温度センサ19bと、フロントウインドシールド17近傍における内気の湿度RHを検出する湿度センサ20を有する。
【0013】
温度センサ19a,19b及び湿度センサ20は略ボックス状の筐体21の内側に設けられ、筐体21の上面にはセンサ素子への導風用の孔22が開口されている。筐体21の底面には弾力性のある樹脂膜23が装着され、樹脂膜23に温度センサ19bが固定されている。温度センサ19a,19bはサーミスタにより構成され、温度センサ19a,19b及び湿度センサ20からの信号は図示しないハーネスを介してコントローラ16に出力される。水温センサ14は、車両のエンジン水温Twを検出する。外気温センサ15は車両外部の温度Tamを検出する。
【0014】
コントローラ16には、水温センサ14、外気温センサ15、温度センサ17a,17b、及び湿度センサ18から信号が入力される。コントローラ16はこれらセンサからの信号に基づき後述の処理を実行し、コンプレッサ12やアクチュエータ13に制御信号を出力する。なおコントローラ14には空調制御に必要な他の信号、例えば日射量を検出する日射センサ、エバポレータ通過後の吸込温度を検出する吸込温度センサ、車室内の目標温度を設定する設定器からの信号等が入力されるが、これらの図示は省略する。
【0015】
〔曇り除去運転〕
このような構成を有する車両用空調装置1は、以下に示す曇り除去運転を実行することにより、外気温度の変化に伴いウインドガラス(特にドアガラス)に曇りが発生することを防止する。以下、図4乃至図6に示すフローチャートを参照して、この曇り除去運転を実行する際の車両用空調装置1の動作について説明する。
【0016】
図4に示すフローチャートは、車両のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り換えられた(=車両が始動された)タイミングで開始(t=0)となり、曇り除去運転はステップS1の処理に進む。
【0017】
ステップS1の処理では、コントローラ16が、水温センサ14を介してエンジン水温Tw(t)を検出する。これにより、ステップS1の処理は完了し、曇り除去運転はステップS2の処理に進む。
【0018】
ステップS2の処理では、コントローラ16が、温度センサ19bを介してフロントウインドシールド17の内表面温度Tg(t)を検出する。なおコントローラ16は、イグニッションスイッチがオン状態からオフ状態に切り換えられる迄の間、イグニッションオン時に検出されたフロントウインドシールド17の内表面温度Tg(0)のデータを記憶しておくものとする。これにより、ステップS2の処理は完了し、曇り除去運転はステップS3の処理に進む。
【0019】
ステップS3の処理では、コントローラ16が、温度センサ19aを介してフロントウインドシールド17近傍における内気温度Tga(t)を検出する。これにより、ステップS3の処理は完了し、曇り除去運転はステップS4の処理に進む。
【0020】
ステップS4の処理では、コントローラ16が、湿度センサ20を介してフロントウインドシールド17近傍における内気の相対湿度RH(t)を検出する。これにより、ステップS4の処理は完了し、曇り除去運転はステップS5の処理に進む。
【0021】
ステップS5の処理では、コントローラ16が、外気温センサ15を介して車両外部の温度Tam(t)を検出する。なおコントローラ16は、イグニッションスイッチがオン状態からオフ状態に切り換えられる迄の間、イグニッションオン時に検出された車両外部の温度Tam(0)のデータを記憶しておくものとする。これにより、ステップS5の処理は完了し、曇り除去運転はステップS6の処理に進む。
【0022】
ステップS6の処理では、コントローラ16が、以下の数式1を用いてフロントウインドシールド17近傍における露点温度Td(t)を算出する。これにより、ステップS6の処理は完了し、曇り除去運転はステップS11の処理に進む。
【数1】

【0023】
ステップS11の処理では、コントローラ16が、ステップS1の処理により検出されたエンジン水温Tw(t)が所定温度A未満であるか否かを判別する。そして判別の結果、エンジン水温Tw(t)が所定温度A未満である場合、コントローラ16は、車両の停車時間が長くフロントウインドガラスとドアガラスの温度差が大きくなっている可能性が高いと判断し、曇り除去運転をステップS12の処理に進める。一方、エンジン水温Tw(t)が所定温度A以上である場合には、コントローラ16は、車両の停車時間が短くフロントウインドガラスとドアガラスの温度差が大きくなっている可能性が低いと判断し、曇り除去運転をステップS18の処理に進める。なお本実施形態では、コントローラ16は、停車時間の長短を判別するためにエンジン水温を検出したが、停車時間を実際に計測する等のその他の手段を利用して停車時間の長短を判別するようにしてもよい。
【0024】
ステップS12の処理では、コントローラ16が、車両の速度Vが所定速度B以上であるか否かを判別することにより、車両が始動されて停車している状態から走行状態に移行したか否かを判別する。そしてコントローラ16は、車両の速度Vが所定速度B以上になったタイミングで車両が始動されて停車している状態から走行状態に移行したと判断し、曇り除去運転をステップS13の処理に進める。
【0025】
ステップS13の処理では、コントローラ16が、イグニッションオン時に検出された車両外部の温度Tam(0)とステップS5の処理により検出された車両外部の温度Tam(t)の差分値が所定値C以上であるか否かを判別する。そして判別の結果、差分値が所定値C以上である場合、コントローラ16は曇り除去運転をステップS14の処理に進める。一方、差分値が所定値C未満である場合には、コントローラ16は曇り除去運転をステップS18の処理に進める。
【0026】
ステップS14の処理では、コントローラ16が、イグニッションオン時に検出されたフロントウインドシールド17の内表面温度Tg(0)とステップS2の処理により検出されたフロントウインドシールド17の内表面温度Tg(t)の差分値(車両外部の温度Tamの変化率)が所定値D以上であるか否かを判別する。そして判別の結果、外気温度が低下していることにより差分値が所定値D以上である場合(この場合には差分値すなわち変化率は低下率に当たる)、コントローラ16は曇り除去運転をステップS15の処理に進める。一方、差分値が所定値D未満である場合には、コントローラ16は曇り除去運転をステップS18の処理に進める。
【0027】
ステップS15の処理では、コントローラ16が、防曇判定値の補正値βを所定値X(>0)に設定する。なおこの所定値Xはフロントウインドシールド17とドアガラスの熱抵抗の差に基づいて予め設定される値である。これにより、ステップS15の処理は完了し、曇り除去運転はステップS16及びステップS21の処理に進む。
【0028】
ステップS16の処理では、コントローラ16が、補正値βを所定値Xに設定してからの経過時間を計測するためのタイマTをオフ状態からオン状態に切り換える。これにより、ステップS16の処理は完了し、曇り除去運転はステップS17の処理に進む。
【0029】
ステップS17の処理では、コントローラ16が、タイマTのカウント値が所定値Ts以上であるか否かを判別する。なおこの所定値Tsは、図7に示すように車両外部の温度Tam(t)の増加に伴い低下する値であり、コントローラ16が車両外部の温度Tam(t)に応じて設定する値である。そしてコントローラ16はタイマTのカウント値が所定値Ts以上になったタイミング、換言すれば防曇判定値の補正値βを所定値Xに設定してから時間Ts以上経過したタイミングで、曇り除去運転をステップS18の処理に進める。
【0030】
ステップS18の処理では、防曇判定値の補正値βの値を0に設定する。これにより、ステップS18の処理は完了し、曇り除去運転はステップS21の処理に進む。
【0031】
ステップS21の処理では、コントローラ16が、ステップS2の処理により検出されたフロントウインドシールド17の内表面温度Tg(t)と、ステップS6の処理により算出された露点温度Td(t)に補正値βを加算又は減算した値とを比較し、ステップS2の処理により検出されたフロントウインドシールド17の内表面温度Tg(t)がステップS6の処理により算出された露点温度Td(t)に補正値βを加算又は減算した値以下であるか否かを判別する。そして判別の結果、フロントウインドシールド17の内表面温度Tg(t)が露点温度Td(t)(防曇判定閾値)に補正値βを加算又は減算した値以下である場合、コントローラ16は曇り除去運転をステップS22の処理に進める。一方、フロントウインドシールド17の内表面温度Tg(t)が露点温度Td(t)に補正値βを加算又は減算した値以下でない場合には、コントローラ16は曇り除去運転をステップS24の処理に進める。
【0032】
ステップS22の処理では、コントローラ16が、窓ガラスに曇りが発生する可能性があると判定し、曇り判定フラグをオン状態に設定する。これにより、ステップS22の処理は完了し、曇り除去運転はステップS23の処理に進む。
【0033】
ステップS23の処理では、コントローラ16が、コンプレッサ12とアクチュエータ13のいずれか一方又は両方に制御信号を出力し、窓曇りを除去するような空調運転(曇り除去運転)を実行する。具体的には、窓ガラスの曇りを除去するためには、除湿空気を送風してガラス内面近傍の露点温度を低下させる、あるいは比較的高温の空気を吹き出してガラスの表面温度を上昇させればよい。そこでコントローラ16は以下の(a)〜(e)のいずれかの処理又はこれらを組み合わせた運転を行う。
【0034】
(a)デフロスタ吹出口から送風するモード(デフモード、デフフットモード)に空調モードを変更。
【0035】
(b)ブロアファン2の回転数を増加させてデフロスタ風量をアップ。
【0036】
(c)エアミックスドア開度の調整によりデフロスタ吹出口からの吹出空気温度を上昇。
【0037】
(d)内気循環の場合には外気導入に切り換え。
【0038】
(e)コンプレッサ12をオンして除湿空気を送風。
【0039】
なお曇りの発生している場所と発生していない場所が併存する場合があり、その場合には、曇りの発生している場所の広さによって窓ガラスの総曇り量を算出し、総曇り量に応じて上記の空調パターンを変更してもよい。またこの場合、運転視界を妨げる場所では重み付けを大きくして窓ガラスの総曇り量を算出してもよい。これにより、ステップS23の処理は完了し、曇り除去運転はステップS1の処理に戻る。
【0040】
ステップS24の処理では、コントローラ16が、窓ガラスに曇りが発生する可能性がないと判定し、曇り判定フラグをオフ状態に設定する。これにより、ステップS24の処理は完了し、曇り除去運転はステップS25の処理に進む。
【0041】
ステップS25の処理では、コントローラ16が、コンプレッサ12とアクチュエータ13に制御信号を出力し、曇り除去運転を停止する。これにより、ステップS25の処理は完了し、曇り除去運転はステップS1の処理に戻る。
【0042】
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態となる曇り除去運転では、コントローラ16が、車両外部の温度Tamが所定値以上低下したか否かを判別し、車両外部の温度Tamが所定値以上低下したと判別された場合、ウインドガラスに曇りが発生する可能性があると通常時よりも早く判定されるように防曇判定値Tdを補正するので、車両外部の温度Tamの変化に伴いウインドガラスに曇りが発生することを抑制し、安全な走行視界を確保することができる。
【0043】
また本発明の実施形態となる曇り除去運転では、コントローラ16が、車両が始動されて停車している状態から走行状態に移行した際に、車両外部の温度Tamが所定値以上低下したか否かを判別するので、アイドル停車による吹き返しに起因する外気温低下によって曇り除去運転が開始される誤作動の発生を抑制できる。また本発明の実施形態となる曇り除去運転では、コントローラ16が、車両のフロントウインドシールドとドアガラスの熱抵抗の差に基づいて決められる補正値βを防曇判定値から減算又は加算することにより防曇判定値を補正するので、サイドミラーの視認範囲内にある特に曇りやすいドアガラスが先に曇ることを抑制できる。
【0044】
また本発明の実施形態となる曇り除去運転では、コントローラ16が、フロントウインドシールド17の内表面温度Tg(t)の変化率(低下率)が所定値以上である場合に防曇判定値を補正するので、曇りの誤判定を抑制することができる。また本発明の実施形態となる曇り除去運転では、コントローラ16が、エンジン水温が所定温度未満と判別された場合に車両の外気温が所定値以上低下したか否かを判別するので、曇りの誤判定を抑制することができる。また本発明の実施形態となる曇り除去運転では、コントローラ16が、車両外部の温度Tamに応じて設定される所定時間Tsが経過するのに応じて、防曇判定値を通常時の値に戻す。一般に、車両外部の温度Tamが低い程、走行時と停車時のフロントウインドシールドとドアガラスの温度差が収束するまでの時間が長くなるので、このような処理によれば補正時間が適切に設定されることにより曇りの誤判定を抑制することができる。
【0045】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1:車両用空調装置
2:ブロアファン
3:空調ユニット
4:エバポレータ
5:ヒータコア
11:センサユニット
12:コンプレッサ
13:アクチュエータ
14:水温センサ
15:外気温センサ
16:コントローラ
17:フロントウインドシールド
18:ルームミラー
19a,19b:温度センサ
20:湿度センサ
21:筐体
22:孔
23:樹脂膜
D1:内外気切換ドア
D2:エアミックスドア
D3:ベントドア
D4:デフロスタドア
D5:フットドア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のウインドガラスの内表面温度と、ウインドウガラスの内表面近傍の露点温度に基づいて算出される防曇判定値とを比較し、前記内表面温度が前記防曇判定値以下であると判別されると、ウインドガラスの曇り除去運転を開始する車両用空調装置において、
前記車両の外気温の変化率が所定値以上であるか否かを判別する外気温低下判別手段と、
外気温度の変化率が所定値以上のときは、通常時よりも早く曇り除去運転が開始されるよう前記防曇判定値を補正する判定値補正手段とを備えることを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用空調装置において、
前記外気温低下判別手段は、前記車両が停車している状態から走行状態に移行した際に、前記車両の外気温の変化率が所定値以上であるか否かを判別することを特徴とする車両用空調装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両用空調装置において、
前記判定値補正手段は、前記ウインドガラスの内表面温度の変化率が所定値以上である場合に前記防曇判定値を補正することを特徴とする車両用空調装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の車両用空調装置において、
前記車両のエンジン水温が所定温度未満であるか否かを判別するエンジン水温判別手段を備え、前記外気温低下判別手段はエンジン水温判別手段によりエンジン水温が所定温度未満と判別された場合に前記車両の外気温の変化率が所定値以上か否かを判別することを特徴とする車両用空調装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載の車両用空調装置において、
前記車両の外気温に応じて設定される待機時間を計時するタイマを備え、前記判定値補正手段は、前記タイマにより前記待機時間の計時が完了すると、前記防曇判定値を補正前の値に戻すことを特徴とする車両用空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−168026(P2010−168026A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143365(P2009−143365)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】