説明

車両用静電タッチパネル

【課題】操作パネルの誤動作等を防止し、操作パネルの操作性を良好に維持可能な車両用静電タッチパネルを提供する。
【解決手段】車両用静電タッチパネル含んで構成される空調パネル1は、静電容量方式の静電スイッチ部6を有する操作パネル3と、静電スイッチ部6における静電容量の変化量の測定値が閾値以上となった場合に操作者の指が操作パネル3に接触したことを検出する接触検出部11と、接触検出部11に閾値を出力する操作パネル制御部12とを備える。操作パネル制御部12(肌水分関連情報取得手段、肌水分量推定手段、閾値決定手段)は、操作者の肌水分量に関連する肌水分関連情報を取得し、取得した肌水分関連情報に応じて操作者の肌水分量を推定し、推定した肌水分量に応じて閾値を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用静電タッチパネルに関し、特にその静電タッチパネルにおけるタッチ操作性の判定に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーションシステム、空調装置、オーディオシステム等の車載機器を制御するために車両用静電タッチパネルが採用されている。この種の車両用静電タッチパネルにおいて、静電容量方式の静電スイッチ部を有する操作パネルと、静電スイッチ部における静電容量の変化量の測定値が閾値以上となった場合に操作者の指が操作パネルに接触したこと(押したこと)を検出する接触検出部とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4269963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された車両用静電タッチパネルにおいて、操作者の指が操作パネルに接触した場合の静電スイッチ部における静電容量の変化量の程度は、操作者の指の肌水分(表面湿度、潤い)に依存して異なるのが一般的である。特に、雨天等で湿度が高い場合と、空調制御により車室内が乾燥し湿度が低くなっている場合とでは、操作者の指が操作パネルに接触した場合の静電スイッチ部における静電容量の変化量の程度が大きく異なってくる。このことは、操作パネルの誤動作あるいは不動作の原因ともなり、ひいては操作パネルの操作性を不安定にするという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、操作パネルの誤動作等を防止し、操作パネルの操作性を良好に維持可能な車両用静電タッチパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、静電容量方式の静電スイッチ部を有する操作パネルと、静電スイッチ部における静電容量の変化量の測定値が閾値以上となった場合に操作者の指が操作パネルに接触したことを検出する接触検出部とを備えた車両用静電タッチパネルであって、
操作者の肌水分量に関連する肌水分関連情報を取得する肌水分関連情報取得手段と、
肌水分関連情報取得手段が取得した肌水分関連情報に応じて操作者の肌水分量を推定する肌水分量推定手段と、
肌水分量推定手段が推定した肌水分量に応じて閾値を決定する閾値決定手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の車両用静電タッチパネルでは、操作者の肌水分量の変化を考慮に入れて、静電スイッチ部における静電容量の変化量の測定値と比較する基準となる閾値を決定するようにしている。このため、操作パネルでのタッチ操作の判定が、例えば晴天、雨天等の天候や空調装置の稼動の有無等に影響されにくい精度の向上したものとなるため、操作パネルの誤動作等を良好に防止することができる。
【0008】
この場合、肌水分関連情報取得手段は、車室内の温度及び湿度、天候、車室外の温度及び湿度、車内に設けられた空調装置の稼動時間のうち少なくとも二種以上の情報を肌水分関連情報として取得するものであるとよい。
【0009】
車室内の温度及び湿度に代表される空気状態に関する情報を肌水分関連情報として取得することにより、算出される肌水分量の精度を高くすることが可能となる。
【0010】
また、肌水分変化量推定手段は、肌水分関連情報に基づき操作者が車両に乗り込んでからの経過時間に応じて変化する肌水分量との対応関係を規定する肌水分量推定テーブルを参照して、操作者の肌水分量を推定するものであるとよい。
【0011】
このように肌水分量推定テーブルを参照することにより、肌水分量を容易に算出できるようになる。
【0012】
この場合、肌水分変化量テーブルは、肌水分関連情報として取得された車室内湿度に対し、取得された降雨量に基づく車室内湿度の変化の大小を加味して肌水分量を算出する構成とされ、これに加えて又は代えて、肌水分関連情報として取得された車室内湿度に対し、取得された降雨量に基づく車室内湿度の変化の大小を加味して肌水分量を算出する構成とされているとよい。
【0013】
取得された車室内湿度に対し、車室内湿度の変化や車室内温度の変化の大小を加味することにより、算出される肌水分量の精度をより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の車両用静電タッチパネルの一例を示す正面図。
【図2】図1の要部拡大図。
【図3】図2の断面図。
【図4】本発明の車両用静電タッチパネルを含んで構成されるシステム構成図。
【図5】肌水分量と静電容量の変化量との関係を示すグラフ。
【図6】図1の操作パネル制御部によって実行される閾値決定プログラムを示すフローチャート。
【図7】操作者が車両に乗り込んでからの経過時間と肌水分量との対応関係を規定する肌水分量推定テーブルを示す説明図。
【図8】車内(相対)湿度変化量が異なる場合の、操作者が車両に乗り込んでからの経過時間に対する肌水分量の変化の一例を示す説明図。
【図9】車内温度変化量が異なる場合の、操作者が車両に乗り込んでからの経過時間に対する肌水分量の変化の一例を示す説明図。
【図10】降雨量が異なる場合の、操作者が車両に乗り込んでからの経過時間に対する車内(相対)湿度の変化の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0016】
図1及び図2は、本発明に係る車両用静電タッチパネルを採用した空調パネル1を示したものである。空調パネル1は、図4に示すように、車載機器としてのエアコン(A/C)ユニット21(空調装置)及び圧縮機22(冷却装置)における所定の機能を設定するものであり、エアコン(A/C)制御部20に向けて操作パネル3の操作に応じた出力信号を送信する。
【0017】
エアコン(A/C)制御部20には、入出力手段として機能するエアコン(A/C)ユニット21及び圧縮機22に加えて、エンジン制御部23が通信回路及び車内LANを介して接続されるとともに、入力手段として機能する車内センサ群30及び車外センサ群40が無線又は有線の通信回路を介して接続されている。
【0018】
車内センサ群30は、車室内の温度を検出する温度センサ31、車室内の湿度(例えば相対湿度)を検出する湿度センサ32、日射量を検出する日射センサ33などで構成されている。車外センサ群40は、車室外の温度を検出する温度センサ41、車室外の湿度(例えば相対湿度)を検出する湿度センサ42、雨滴を検出するレインセンサ43などで構成されている。
【0019】
エアコン(A/C)制御部20は、空調パネル1での操作パネル3の操作に応じた出力信号(例えば車室内の設定温度等)や、車内センサ群30、車外センサ群40、エンジン制御部23、圧縮機22からの入力信号を受信する一方、エンジン制御部23、圧縮機22に対して適切な出力信号を送信するとともに、検出された温度データ等を空調パネル1に送信する。
【0020】
図1に戻って、操作パネル3は、インパネ部IPの表面に沿って設けられている。この実施例1では、操作パネル3へのタッチ操作によって、インパネ部IPに設けられた運転席D側吹き出し口9Rと、助手席P側吹き出し口9Lとの吹き出し制御を互いに独立して実行することが可能とされている。
【0021】
操作パネル3のパネル面3aの表面側には、図2に示すように、中央部に回転操作式のダイヤルスイッチ4が設けられ、左右両側部にタッチ操作式のソフトボタン2が設けられ、上部に設定表示部5が設けられている。設定表示部5は、各種空調機能の設定状態を視認させるものであり、この実施例1では、例えば、運転席D及び助手席Pの設定温度、ブロワー出力レベル、吹き出し口の位置が表示されるようになっている。
【0022】
操作パネル3のパネル面3aは、例えばポリカーボネート等の光透過性を有する樹脂で形成されている。パネル面3aの裏面側には、図3に示すように、静電容量方式の静電スイッチ部6が設けられている。静電スイッチ部6は、フレキシブル基板等の基板部の表面に、所定の電極パターンが形成された電極部と絶縁カバーとがこの順に積層配置された周知のものである。
【0023】
静電スイッチ部6の裏面側には、ソフトボタン2の設定機能を視認させるスイッチ意匠をパネル面3aに投影するためのネガフィルム7と光源8が設けられている。光源8は、イグニッションスイッチがオンあるいはアクセサリ位置にあるときに点灯制御される。
【0024】
静電スイッチ部6での静電容量の変化は、図4に示すように、接触検出部11により捉えられる。接触検出部11は、静電スイッチ部6における静電容量の変化量を測定し、その変化量が閾値以上となった場合に、対応する操作パネル3の操作部位に操作者の指が接触したことを判定し、操作パネル制御部12にその旨を示す信号を出力する。
【0025】
操作パネル制御部12には、エアコン(A/C)制御部20に加えて、入出力手段として機能するドア制御部51が通信回路及び車内LANを介して接続されるとともに、入力手段として機能するワイパスイッチ53が接続されている。操作パネル3における設定機能に関係する情報は、エアコン(A/C)制御部20から操作パネル制御部12を経て表示制御部13に入力される。表示制御部13は、入力された設定機能に関係する情報(例えば車室内温度等)を操作パネル3の設定表示部5に表示する。
【0026】
ドア制御部51には、ドア開閉センサ52が接続されている。ドア開閉センサ52は、少なくとも運転席側ドアを含む一部又は全部の車両ドアの開閉を検出し、ドア制御部51にドア開閉検出信号を送信する。ドア制御部51は、ドア開閉センサ52からの入力信号を受け、操作パネル制御部12に、そのドア開閉信号、及びドア開閉信号に基づいて算出したドア開状態時間データ等を送信する。
【0027】
ワイパスイッチ53は、フロントワイパの動作データ(例えば、間欠動作、低速動作、高速動作及び一時動作のうちいずれの動作状態であるかを示す信号)を出力する。操作パネル制御部12は、ワイパスイッチ53からの動作データと、レインセンサ43からのセンサ信号とにより、車両への乗り込み時における降雨量を推定し、ひいては乗り込んでからの経過時間に伴う車内湿度の変化量を推定するように構成されている(図10参照)。
【0028】
操作パネル制御部12は、ドア制御部51からのドア開閉信号等、エアコン(A/C)制御部20からの稼動時間データ、車内センサ群30及び車外センサ群40からの各センサ信号、ワイパスイッチ53からの動作状態信号等に基づいて上記閾値を決定し、接触検出部11に出力する。ドア制御部51からのドア開閉信号等、エアコン(A/C)制御部20からの稼動時間データ、車内センサ群30及び車外センサ群40からの各センサ信号、ワイパスイッチ53からの動作状態信号等が本発明の肌水分関連情報に相当する。
【0029】
図5は、操作者の指の肌水分量(表面湿度)と、静電容量の変化量(ΔC)との関係を示すグラフである。操作者の指の肌水分量が少なくなるほど、静電容量の変化量を示す正規分布図がC3側からC1側へと移行しその重心位置の値が次第に大きくなる。静電容量の変化量を示す正規分布図が例えばC1であるとき、静電容量の変化量の閾値THC1を正規分布図C1の静電容量が小さい側の一端に設定することにより、接触検出部11は、静電容量の変化量の測定値が閾値THC1以上の場合に操作者の指が操作パネル3に接触したと判定し、静電容量の変化量の測定値が閾値THC1未満である場合に操作者の指が操作パネル3に接触していないと判定する。
【0030】
同様に、静電容量の変化量を示す正規分布図が例えばC2であるとき、静電容量の変化量の閾値THC2を正規分布図C2の静電容量が小さい側の一端に設定することにより、接触検出部11は、静電容量の変化量の測定値が閾値THC2以上の場合に操作者が操作パネル3に接触したと判定し、静電容量の変化量の測定値が閾値THC2未満である場合に操作者が操作パネル3に接触していないと判定する。
【0031】
さらに、静電容量の変化量を示す正規分布図が例えばC3であるとき、静電容量の変化量の閾値THC3を正規分布図C3の静電容量が小さい側の一端に設定することにより、接触検出部11は、静電容量の変化量の測定値が閾値THC3以上の場合に操作者が操作パネル3に接触したと判定し、静電容量の変化量の測定値が閾値THC3未満である場合に操作者が操作パネル3に接触していないと判定する。
【0032】
操作パネル制御部12は、CPUをはじめとするROM、RAM及びメモリ(記憶手段)等からなるマイクロコンピュータを主要構成部品としており、ROM等に記憶されている閾値決定プログラム(図6参照)を繰り返し実行し、その閾値決定プログラムの実行によって得られた閾値(静電容量変化閾値)を接触検出部11に出力する。操作パネル制御部12が、上記肌水分関連情報を取得する肌水分関連情報取得手段、上記肌水分関連情報に応じて操作者の肌水分量を推定する肌水分量推定手段、及び推定した肌水分量に応じて上記閾値を決定する閾値決定手段に相当する。
【0033】
次に、上記のように構成された実施例1の作動について説明する。操作パネル制御部12は、イグニッションスイッチのオン等により、図6の閾値決定プログラムを所定の短時間毎に繰り返し実行する。
【0034】
操作パネル制御部12は、ドア制御部51からドア開閉信号やドア開状態時間データを入力し(S1)、エアコン(A/C)制御部20から車内及び車外センサ群30,40の各センサ信号やエアコン(A/C)稼働時間を入力し(S2,S3)、降雨時にはさらにワイパスイッチ53からの動作状態信号を入力する。
【0035】
操作パネル制御部12は、各入力信号に基づきROM等に格納されている肌水分量推定テーブルを参照して、操作者の肌水分量を推定する(S4)。この肌水分量推定テーブルは、図7に示すように、操作者が車両に乗り込んでからの時間が経過するに従って、ほぼ比例的に減少する肌水分量を記憶している。
【0036】
例えば、天候が雨天であるとき、操作者が濡れた状態で車両に乗り込み、窓の曇りを取るためにエアコン(A/C)ユニット21を稼働させた場合には、時間の経過とともに操作者の肌水分量が減少する。この場合、時間がT1からT3へと経過するにつれて肌水分量がR1からR3へと減少する。そして、肌水分量がR1からR3へと変化すると、図5に示したように、静電スイッチ部6における静電容量の変化量がC3からC1へと増加するようになっている。
【0037】
操作パネル制御部12のROM等には、肌水分量と閾値(静電容量変化閾値)とが対応付けられて記憶されており、操作パネル制御部12が、肌水分量推定テーブルにより得られた肌水分量に対応する閾値を決定する(S5)。具体的には、肌水分量がR1からR3へと減少した場合には、THC3からTHC1へと増加する閾値を所定のタイミングで抽出して、接触検出部11に出力する(S6)。
【0038】
肌水分量は、以下の関数(1)に従うと考えられる。
肌水分量 ∝ f(車室内(相対)湿度,車室内温度,車室外(相対)湿度,車室外温度,車室内(相対)湿度変化量,車室内温度変化量,A/C稼動経過時間,乗込時降雨量,乗込経過時間、内外気選択モード) …(1)
ここで、車内(相対)湿度変化量,車室内温度変化量は、操作者が車両に乗り込んでからの変化量あるいは所定時間あたりの変化量を意味する。乗込時降雨量は、レインセンサ43からの検出信号及びワイパスイッチ53からの動作状態信号に基づいて推定することができる。また、内外気選択モードにより車外の湿度・温度のウェイトを調整することができる。具体的には、外気モードでは車外の湿度・温度のウェイトを内気モードよりも高くする。これとは逆に、内気モードでは外気モードに比べて車外の湿度・温度のウェイトを低くする。
【0039】
上記関数を規定する肌水分関連情報のパラメータの数を多くするほど、図7に示した肌水分量推定テーブルの精度が高くなり、算出される肌水分量の精度も高くなる。このとき、車内センサ群30の湿度センサ32により検出された車室内(相対)湿度を用いる場合に、例えば図8に示すように車内湿度の変化量を考慮に入れ、さらに、例えば図9に示すように車内温度の変化量をも考慮に入れることで、肌水分量推定テーブルの精度をより一層高めることができる。
【0040】
図8は、車室内(相対)湿度(車内湿度)が例えば50%の場合において、車室内(相対)湿度変化量が異なる場合の、操作者が車両に乗り込んでからの経過時間に対する肌水分量の変化を示している。車室内(相対)湿度が同じであっても、車室内(相対)湿度変化量が大きい場合は肌水分量の変化量も大きく、車室内(相対)湿度変化量が小さい場合は肌水分量の変化量は小さい。
【0041】
図9は、車室内(相対)湿度(車内湿度)が例えば50%の場合において、車室内温度変化量が異なる場合の、操作者が車両に乗り込んでからの経過時間に対する肌水分量の変化を示している。車室内(相対)湿度が同じであっても、車室内温度変化量が大きい場合は、経過時間に対する絶対湿度の変化量が大きく、空気中の水蒸気量の変化量が大きいので、肌水分量の変化量も大きくなる。一方、車室内温度変化量が小さい場合は、経過時間に対する絶対湿度の変化量が小さく、空気中の水蒸気量の変化量が小さいので、肌水分量の変化量も小さくなる。
【0042】
図10は、車室内温度(車内気温)が例えば25℃の場合において、降雨量が異なる場合の、操作者が車両に乗り込んでからの経過時間に対する車室内(相対)湿度の変化を示している。車室内温度が同じであっても、降雨量が多い場合は車両への乗込時に車内に大量の水分を含んだ空気が入り込み、湿度の高い状態から始まるので時間の経過とともに車室内(相対)湿度の変化量は一段と大きくなる。一方、降雨量が少ない場合は湿度の低い状態から始まるので時間の経過とともに車室内(相対)湿度の変化量は大きくなるが、降雨量が多い場合に比べれば小さい値となる。図10に示したような降雨量と車内湿度変化量間の特性関係を利用することにより、図8に示したような車室内(相対)湿度変化量がそれぞれ異なる場合の肌水分量の変化を示すグラフを作成することができる。
【0043】
以上の説明からも明らかなように、上記実施例1では、操作者の肌水分量の変化を考慮に入れて、静電スイッチ部6における静電容量の変化量の測定値と比較する基準となる閾値を決定するようにしている。これにより、操作パネル3でのタッチ操作の判定が、例えば晴天、雨天等の天候やエアコン(A/C)ユニット21の稼動の有無等に影響されにくい精度の向上したものとなるため、操作パネル3の誤動作等を良好に防止することができる。
【0044】
なお、上記実施例1では、肌水分関連情報として、車室内(相対)湿度,車室内温度,車室外(相対)湿度,車室外温度,車室内(相対)湿度変化量,車室内温度変化量,A/C稼動経過時間,乗込時降雨量,乗込経過時間、内外気選択モードを考慮に入れるようにしたが、これらのうち、少なくとも二種以上のものを適宜選択することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 空調パネル
2 ソフトボタン
3 操作パネル
6 静電スイッチ部
11 接触検出部
12 操作パネル制御部(肌水分関連情報取得手段、肌水分量推定手段、閾値決定手段)
13 表示制御部
20 エアコン(A/C)制御部
21 エアコン(A/C)ユニット(空調装置)
23 エンジン制御部
30 車内センサ群
40 車外センサ群
51 ドア制御部
52 ドア開閉センサ
53 ワイパスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量方式の静電スイッチ部を有する操作パネルと、前記静電スイッチ部における静電容量の変化量の測定値が閾値以上となった場合に操作者の指が前記操作パネルに接触したことを検出する接触検出部とを備えた車両用静電タッチパネルであって、
操作者の肌水分量に関連する肌水分関連情報を取得する肌水分関連情報取得手段と、
前記肌水分関連情報取得手段が取得した肌水分関連情報に応じて操作者の肌水分量を推定する肌水分量推定手段と、
前記肌水分量推定手段が推定した肌水分量に応じて前記閾値を決定する閾値決定手段と、
を備えたことを特徴とする車両用静電タッチパネル。
【請求項2】
前記肌水分関連情報取得手段は、車室内の温度及び湿度、天候、車室外の温度及び湿度、車内に設けられた空調装置の稼動時間のうち少なくとも二種以上の情報を前記肌水分関連情報として取得する請求項1に記載の車両用静電タッチパネル。
【請求項3】
前記肌水分量推定手段は、前記肌水分関連情報に基づき操作者が車両に乗り込んでからの経過時間に応じて変化する肌水分量との対応関係を規定する肌水分量推定テーブルを参照して、操作者の肌水分量を推定する請求項2に記載の車両用静電タッチパネル。
【請求項4】
前記肌水分量推定テーブルは、前記肌水分関連情報として取得された車室内湿度に対し、取得された降雨量に基づく車室内湿度の変化の大小を加味して肌水分量を算出する請求項3に記載の車両用静電タッチパネル。
【請求項5】
前記肌水分量推定テーブルは、前記肌水分関連情報として取得された車室内湿度に対し、取得された車室内温度の変化の大小を加味して肌水分量を算出する請求項3に記載の車両用静電タッチパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−118903(P2012−118903A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270052(P2010−270052)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】