車両開閉体操作装置及びシステム
【課題】ユーザが足で車両開閉体を操作する車両開閉体操作装置において、ユーザの足による操作を分かり易く誘導し、ユーザが無理のない姿勢で開閉体を操作できるようにし、かつユーザがドア操作のために足を使う時間が最小限となるようにしてユーザの身体的負担を軽減する。
【解決手段】本発明の車両開閉体操作装置は、車両ボデー2から車両側方かつ車両開閉体3よりも低い位置に突出可能に設置された可動体5と、可動体が突出された状態で、可動体の下面空間における、又は可動体に対する可動体格納方向への、ユーザの動作を検出して検出信号を出力する検出手段105と、検出信号に対する車両開閉体操作装置の動作処理状況をユーザに通知するアンサーバック手段106と、検出信号が出力されたことに応じて車両開閉体を開閉動作させるための開閉体駆動部107とを備える。
【解決手段】本発明の車両開閉体操作装置は、車両ボデー2から車両側方かつ車両開閉体3よりも低い位置に突出可能に設置された可動体5と、可動体が突出された状態で、可動体の下面空間における、又は可動体に対する可動体格納方向への、ユーザの動作を検出して検出信号を出力する検出手段105と、検出信号に対する車両開閉体操作装置の動作処理状況をユーザに通知するアンサーバック手段106と、検出信号が出力されたことに応じて車両開閉体を開閉動作させるための開閉体駆動部107とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両開閉体操作装置及びシステムに関し、より具体的には、ユーザが手を使うことなく車両開閉体を操作するための車両開閉体操作装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両のユーザが手を使うことなく足等で車両開閉体を操作する装置が知られている。例えば、特許文献1はハンズフリー車両ドア開扉装置を開示している。同文献には、ユーザ認証の後に、車両下面に設けられた検出器からレーザビームが照射され、照射範囲にユーザの足等の身体の一部が挿入されて反射レーザビームの受光量が変化すると、その変化に基づいてドアロックの解錠、車両ドアのラッチ解除及び車両ドアのポップアップ動作が行われることが開示されている。
【0003】
特許文献2は、ユーザ認証の結果と、動作検知部によるユーザの開閉体操作の意思確認結果に基づいて開閉体を開閉する車両用開閉体作動装置を開示している。同文献では、動作検知部が車両の下部に設けられ、動作検知部が検知範囲を照らし、その検知範囲にユーザの足が挿入されると、ユーザの開閉体操作の意思確認がなされることが開示されている。また同文献には、ユーザ認証後に乗降用ステップが車両外側に張り出し、乗降用ステップ上面のタッチスイッチにユーザの足が接触することにより、ユーザの開閉体操作の意思確認がなされることが開示されている。
【0004】
また、特許文献3は、ユーザ認証後に、ユーザによって車両のサイドシルに衝撃が加えられると車両ドアの開動作が行われる自動ドアオープナーシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−162459号公報
【特許文献2】特開2005−133529号公報
【特許文献3】特開2004−316231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のハンズフリー車両ドア開扉装置によると、ユーザが車両ドアを開けるためには、まず、検出器の照射範囲(検知範囲)を見つける必要があり、周囲が明るい日中は検知範囲が分かり難くなるという問題があった。検知範囲を発見した後、次にユーザは車両下側に足を挿入する必要がある。しかし、例えば両手に荷物を持った状態で片足を車両下部に深く挿入すると姿勢が不安定になり、ユーザはバランスを崩してしまう可能性があった。さらに、検知器がユーザの足を検知してからも実際に車両ドアが動き出すまでの期間にわたって上述の不安定な姿勢を継続することになり、ユーザの身体的負担が大きいという問題があった。
【0007】
また、特許文献2における、車両下部に挿入されるユーザの足を検知するタイプの車両開閉体作動装置も、特許文献1の装置と同様の問題があった。また、特許文献2における、乗降ステップ上のタッチスイッチによりユーザの足を検知するタイプの車両開閉体作動装置においては、ユーザは片足を上げてつま先をタッチスイッチ上に載せてから車両ドアが開くまでは、ユーザはそのような不安定な姿勢を継続しなければならなかった。特に、車両ドアが閉じている状態では、ユーザはその重心を車両側に移すことができず、タッチスイッチ上の足ではなく他方の足(地面についている方の足)に重心をかけることになり、やはりユーザの姿勢は不安定なものとなってしまう。
【0008】
また、特許文献3では、ユーザは車両に衝撃を加えるために自車を蹴る等しなければならず、ユーザにおいては、そのような行為自体に抵抗感が大きいという問題がある。また、自車に傷がつくことを恐れてユーザが充分な衝撃を加えることができなかったり、非力な老人や女性が充分な衝撃を加えることができなかったりする可能性もあり、操作達成の確実性に欠けていた。
【0009】
そこで、本発明の課題は、ユーザが足で車両開閉体を操作する車両開閉体操作装置において、車両開閉体の開閉操作に際して、ユーザの足による操作を分かり易く誘導し、ユーザが無理のない姿勢で開閉体を操作できるようにし、かつユーザがドア操作のために足を使う時間が最小限となるようにしてユーザの身体的負担を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による、車両開閉体を開閉するための車両開閉体操作装置は、車両ボデーから車両側方かつ車両開閉体よりも低い位置に突出可能に設置された可動体と、可動体が突出された状態で、可動体の下面空間における、又は可動体に対する可動体格納方向への、ユーザの動作を検出して検出信号を出力する検出手段と、検出信号に対する車両開閉体操作装置の動作処理状況をユーザに通知するアンサーバック手段と、検出信号が出力されたことに応じて車両開閉体を開閉動作させるための開閉体駆動部とを備える。
この構成により、ユーザは突出された可動体に対して足を大きく動かす必要がない。しかも、車両側におけるドア動作処理状況をユーザにアンサーバック手段によって即座に通知する構成としたので、ユーザは検出手段に対して必要以上に長い時間にわたって足を作用させることがなく、最小限の足の動きでドア操作を行うことができ、ユーザの身体的負担が小さくて済む。
【0011】
ここで、アンサーバック手段は可動体の上面に設けられた表示部からなるようにしてもよい。
この構成により、ユーザは直接の操作対象物である可動体を見ながら装置における処理状況を確認することができるので視線の移動が少なく、操作性が向上する。
【0012】
また、アンサーバック手段による通知は、可動体が車両ボデー側に格納される動作からなるようにしてもよい。
これにより、ユーザ操作に対して装置が応答していることを非常に分かり易い態様でユーザに認識させることができる。また、開閉体が(ユーザが乗車できるほどに)開く前に可動体が格納されるので可動体がユーザに踏まれることはなく、可動体を比較的簡素な強度設計で構成することができる。
【0013】
ここで、検出手段は、可動体の下面に設けられ、可動体と地面との間に存在する物体を検知するセンサからなるようにしてもよい。
このように、検出手段がボデー側面から外側かつ可動体より下方の空間にあるユーザの足を検出する構成としたので、ドア操作の際のユーザの足の動きを最小限にすることができ、ユーザの身体的負担が小さくて済む。
【0014】
また、検出手段は可動体の先端部に設けられたスイッチからなるようにしてもよい。
また、検出手段は、前記可動体に対して格納方向に加えられる外力を検出する機構からなるようにしてもよい。
これにより、突出された可動体に対して、ユーザは、可動体の先端をつま先で押す等の短時間かつ無理のない姿勢でドア操作を行うことができるので、ドア操作に際してユーザはバランスを崩すことがなく安全である。
【0015】
ここで、可動体が突出したときに、検出手段が、車両ボデー上面から見て車両開閉体の開閉軌跡外に位置するように構成されることが望ましい。
これにより、ユーザは開閉するドアをよけることなくドア開閉操作を行うことができ、自然な動線が確保される。
【0016】
さらに、ユーザを認証するためのユーザ認証部と、可動体の突出範囲の障害物を検知する障害物検知部とを備え、ユーザの認証が成功し、かつ、可動体の突出範囲に障害物が無いことが検知された場合に可動体が突出されるように構成してもよい。
これにより、適切な状況で可動体が突出されることになる。
【0017】
本発明の車両開閉体操作システムは、複数の車両開閉体のそれぞれに対して設けられた上記のいずれかの車両開閉体操作装置と、ユーザを認証するためのスマートキーシステムとを備え、車両開閉体操作装置の各々が、各開閉体にユーザが接近したことを検知するユーザ接近検知部をさらに備え、スマートキーシステムによるユーザの認証が成功し、かつ、1以上のユーザ接近検知部によってユーザ接近が検知された場合に、ユーザ接近を検知した1以上のユーザ接近検知部が属する車両開閉体操作装置が待機状態となるように構成される。
これにより、既存のスマートキーシステムを用いて車両開閉体操作システムを構築することができ、ユーザ認証関連の構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施例による車両開閉体操作装置が搭載された車両を示す図である。
【図2A】第1の実施例における可動体の一例を説明する図である。
【図2B】第1の実施例における可動体の一例を説明する図である。
【図3】第1の実施例による車両開閉体操作装置の構成を示すブロック図である。
【図4A】第1の実施例における障害物検知部の例を説明する図である。
【図4B】第1の実施例における障害物検知部の例を説明する図である。
【図5A】第1の実施例の検出手段の例を説明する図である。
【図5B】第1の実施例の検出手段の例を説明する図である。
【図5C】第1の実施例の検出手段の例を説明する図である。
【図6A】第1の実施例による車両開閉体操作装置の動作を示すフローチャートである。
【図6B】第1の実施例による車両開閉体操作装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施例による車両開閉体操作装置が搭載された車両を示す図である。
【図8A】第2の実施例の可動体の例を説明する図である。
【図8B】第2の実施例の可動体の例を説明する図である。
【図9】本発明の第3の実施例による車両開閉体操作装置が搭載された車両を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施例による車両開閉体操作システムの構成を示すブロック図である。
【図11A】本発明の第1の変形例による車両開閉体操作装置を説明する図である。
【図11B】本発明の第1の変形例による車両開閉体操作装置を説明する図である。
【図12A】本発明の第2の変形例による車両開閉体操作装置を説明する図である。
【図12B】本発明の第2の変形例による車両開閉体操作装置を説明する図である。
【図13A】本発明の第3の変形例による車両開閉体操作装置を説明する図である。
【図13B】本発明の第3の変形例による車両開閉体操作装置を説明する図である。
【図13C】本発明の第3の変形例による車両開閉体操作装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施例1.
[車両用ドア開閉装置の概略構成]
図1は、本発明の第1の実施例による車両開閉体操作装置が搭載された車両1の左側面を示す図である。車両1はボデー2、開閉体3(以下、「ドア3」という)、認証部4及び可動体5を備える。ドア3はスライド式であり、不図示のドア駆動機構によって図の左右方向にスライド開閉駆動される。認証部4はユーザが携帯する電子キーからの信号を受信してユーザを認証する。可動体5はドア3の下方に配置され、ボデー2に対して突出及び格納可能な構成となっている。
【0020】
図2Aに示すように、可動体5は、その先端部に障害物センサ6を、下面に足センサ7を、上面に表示部8を備え、可動体駆動部9によって突出及び格納される。障害物センサ6は、可動体5の突出範囲における障害物の有無を検知する。足センサ7は、足センサ7と地面の間に物体、即ち、ユーザの足(又は靴)があるか否かを検出する。表示部8は、車両開閉体操作装置における動作処理状態をユーザに通知するためのものである。なお、図2Bに示すように、可動体5´が、ドア3よりも下部のボデー2の側面から突出する構成としてもよい。また、可動体は、ユーザが乗車又は降車の際に踏むことができる可動ステップであってもよい。
【0021】
実施例1による車両開閉体操作装置の基本的な開閉体操作は以下の通りである。ドアロックされた車両1にユーザが近づき、ドア3に接近すると、ユーザの所有する電子キーからの信号が認証部4に受信され、ユーザ認証が行われる。ユーザ認証が成功するとドアロックが解錠される。可動体5の突出範囲に障害物がないことが障害物センサ6によって検知されると、可動体駆動部9が可動体5を突出させる。ユーザが可動体5の足センサ7と地面の間に足を挿入すると、足センサ7がユーザの足を検出する。ユーザの足が足センサ7に検出されると、ドア3が開動作し、ユーザは車両1に乗車することができる。表示部8は、足センサ7がユーザの足を検出したことを受けて、ドア3の開動作と並行して、又はドア3の開動作よりも先に、車両開閉体操作装置の動作処理状況(例えば、ユーザの足の検出が受け付けられたこと)をユーザに通知する。このような動作を実現するための構成を以下に詳細に説明する。
【0022】
[車両開閉体操作装置の制御構成]
図3は第1の実施例の車両開閉体操作装置100(以下、「装置100」という)の制御構成を示すブロック図である。装置100は、制御部101、ユーザ認証部102、障害物検知部103、可動体駆動部104、検出手段105、アンサーバック手段106及び開閉体駆動部107を備え、これらはコントロールバスで接続されている。
【0023】
制御部101は、装置100の各手段間の信号のやりとりを制御するCPU並びにプログラム及びデータを記憶するメモリを含む。
【0024】
ユーザ認証部102は、実施例1では認証部4である。ユーザ認証部102は、ユーザの所持する電子キーからの電波を受信し、ユーザIDが登録済みのものか否かを判別する。ユーザ認証部102は、ユーザ認証が成功すると許可信号を、ユーザ認証が失敗すると拒否信号を出力する。制御部101は、ユーザ認証部102からの許可信号を受けてドア3のドアロックを解錠する。
【0025】
障害物検知部103は、実施例1では障害物センサ6である。障害物検知部103は、可動体5の可動範囲内にある障害物を検知し、障害物がある場合には突出不可信号を、障害物がない場合には突出可能信号を出力する。障害物検知部103は赤外線センサ、超音波センサ等で構成できる。即ち、障害物検知部103は、赤外線又は超音波を出射し、その反射赤外線又は反射波の量が所定値以上の場合に、障害物が可動体5の可動範囲内にあることを検知して突出不可信号を出力し、所定値未満の場合には、障害物が可動体5の可動範囲内にないことを検知して突出可能信号を出力する。
【0026】
また、障害物検知部103の他の例として、図4Aに示すように、障害物センサ10を可動体5とは別に設け、ボデー2の下面から可動体5の突出方向の障害物を検知する構成としてもよいし、図4Bに示すように、障害物センサ11がボデー2の下部側面から可動体5の突出方向の障害物を検知する構成としてもよい。障害物センサ10及び11も障害物センサ6と同様に、赤外線センサ、超音波センサ等で構成できる。
【0027】
可動体駆動部104は、実施例1では可動体駆動部9である。可動体駆動部104はモータ駆動等により可動体5を突出及び格納する。障害物検知部103から突出可能信号が出力されると、可動体駆動部104が可動体5を突出させる。上述のように、ユーザ認証部102及び障害物検知部103によって可動体5の突出可否が決定されるので、適切な状況で可動体が突出されることになる。
【0028】
検出手段105は、実施例1では足センサ7である。検出手段105は、可動体5(足センサ7)と地面の間にユーザの足が挿入されたか否か、即ち、可動体5の下面空間に所定の厚み以上の物体があるか否かを検出し、そのような物体がある場合には検出信号を出力する。このような検出手段105の構成によると、ユーザはドア操作を行おうとする際に、足を前後又は上下に大きく動かす必要がないので、ユーザの身体的負担は軽くて済む。
【0029】
具体的には、検出手段105は赤外線センサ、超音波センサ等であればよい。即ち、検出手段105は、赤外線又は超音波を出射し、その反射赤外線又は反射波の量が所定値以上の場合に、ユーザの足(又は靴)が可動体5と地面の間にあることを検出して検出信号を出力し、所定値未満の場合には何も出力しない(又は検出無し信号を出力してもよい)。
【0030】
また、検出手段105の他の例として、図5Aに示すように、可動体5の先端部に設けられたメカスイッチ12としてもよい。この場合、ユーザがメカスイッチ12をつま先で可動体格納方向に押すことにより、メカスイッチ12から検出信号が出力される。可動体5の先端部に設けられたメカスイッチ12を用いれば、ユーザは、足を軽く前に出すだけメカスイッチ12を押すことができ、そしてメカスイッチ12をつま先で押した反作用により足を元の位置に戻せる。従って、この例の検出手段105の構成においても、ユーザの身体的負担は小さい。なお、メカスイッチ12を用いる場合は、ユーザは必ずしも足でメカスイッチ12を押す必要はなく、荷物(バッグ、傘、杖等)でメカスイッチ12を押すこともできる。
【0031】
また、検出手段105の他の例として、図5Bに示すように、可動体5に対してその格納方向に加えられる力を検知する外力検出機構13としてもよい。この場合、ユーザが可動体5の先端部をつま先で格納方向に押すことにより、外力検出機構13から検出信号が出力されるとともに、可動体駆動部104が可動体5を格納させる。外力検出機構を用いる場合、メカスイッチ12を用いる場合と同様に、ユーザは、軽く足を前に出すだけ可動体5にボデー方向に力を加えることができ、そして可動体5の先端部をつま先で押した反作用により足を元の位置に戻せるので、ユーザの身体的負担は小さい。
【0032】
また、検出手段105の他の例として、図5Cに示すように、可動体5の下面に設けられたメカスイッチ14としてもよい。この場合、ユーザがメカスイッチ14をつま先で上方に押すことにより、メカスイッチ14から検出信号が出力される。メカスイッチ14の地面からの高さによっては、ユーザは、つま先を可動体5の下に挿入し、踵をついたままつま先を上げるだけでメカスイッチ14を押すことができる。即ち、ユーザは、重たい荷物を持っていたとしても、両足の踵を地面につけた状態でメカスイッチ14を操作できるので、安定した姿勢を維持し、バランスを保つことができる。
【0033】
検出手段105から検出信号が出力されると、制御部101はドア開信号を開閉体駆動部107に出力し、ドア3を開動作させる。
【0034】
アンサーバック手段106は、実施例1では表示部8である。アンサーバック手段106は検出手段105の検出信号を受けて、装置100がユーザの操作に応答していること、装置100における動作処理状況、又はユーザ操作の誘導をユーザに表示する。アンサーバック手段106は、例えば、LED、白熱灯等のランプ、液晶画面等の薄型表示画面からなる。
【0035】
表示部8のように、アンサーバック手段106が可動体5の上面に設けられることにより、ユーザは直接の操作対象物である可動体5を見ながら装置における処理状況を確認することができるので視線の移動が少なく、操作性が良い。また、アンサーバック手段106が可動体5の上面に設けられることにより、ユーザの足下への注意を喚起することができる。また、上述したように可動体5は可動ステップであってもよく、この場合でも可動体5の上面にアンサーバック手段106(表示部8)が設けられていてもよい。
【0036】
アンサーバック手段106がランプからなる場合、アンサーバック手段106は、検出手段105からの検出信号を受ける前はランプを第1の態様で制御(消灯、点滅又は点灯)し、検出信号を受けた後は第1の態様とは異なる第2の態様でランプを制御(消灯、点滅又は点灯)するようにすればよい。また、後述するように、制御部101がタイムアウト信号を出力して可動体5が格納動作を行う期間は、アンサーバック手段106が、第2の態様と異なる第3の態様でランプを制御(消灯、点滅又は点灯)するようにしてもよい。また、第1〜第3の態様においてランプの発光色を変化させるようにしてもよい。
【0037】
アンサーバック手段106が表示画面からなる場合、アンサーバック手段106は、検出手段105からの検出信号を受ける前は「ユーザ認証されました」等の処理の途中経過を表示してもよいし、検出手段105の形態に応じて、「ステップの下に足を入れて下さい」、「ステップを押して下さい」等、ユーザが次に採るべき操作の説明を表示するようにしてもよい。そして、アンサーバック手段106は、検出信号を受けた後は「OKです」、「ドアが開きます」等の表示を行うようにしてもよい。
【0038】
また、アンサーバック手段106の他の例として、ボデー2又はドア3のいずれかの箇所に上述のランプ又は表示部を設ける構成としてもよい。この場合、アンサーバック手段106は、上記の表示(可動体突出後の表示)に加えて、障害物検知部103が可動体5の突出範囲に障害物を検知した場合に、障害物があるために可動体を突出できない旨又は障害物を除去することの指示(「ステップのスペースを確保して下さい」等)を表示するようにしてもよい。
【0039】
また、アンサーバック手段106の他の例として、可動体5自体の動きでアンサーバックを表現する構成としてもよい。例えば、検出手段105からの検出信号を受けた直後に可動体5が格納されるようにすれば、ユーザは可動体5の格納動作により、自身の動作が装置100に受け入れられたことを認識することができる。この構成は、特に上記の検出手段105としてメカスイッチ12又は外力検出機構13を用いる場合に適用し易く、この場合は、可動体駆動部104がアンサーバック手段106を兼ねることになる。
【0040】
このような、可動体5が格納される動作によってアンサーバックを行うことにより、ユーザ操作に対して装置が応答していることを非常に分かり易い態様でユーザに認識させることができる。ドア3が(ユーザが乗車できるほどに)開く前に可動体5が格納されるので可動体5がユーザに踏まれることはない。従って、可動体5を比較的簡素な強度設計で構成することができる。
【0041】
また、アンサーバック手段106の他の例として、装置100における動作処理状況を、車両外部に設けたスピーカからの音によりユーザに通知する構成としてもよい。この場合、音はビープ音、チャイム音等であってもよいし、音声案内であってもよい。音がビープ音又はチャイム音である場合、アンサーバック手段106は、検出信号を受ける前後及びタイムアウト信号を受ける前後でビープ音又はチャイム音の音又は鳴らし方を変化させればよい。音が音声案内である場合、アンサーバック手段106は、検出手段105からの検出信号を受ける前は、検出手段105の形態に応じて、「ステップの下に足を入れて下さい」、「ステップを押して下さい」等、ユーザが次に採るべき操作の説明を音声案内するようにしてもよい。そして、検出信号を受けた後は「ドアが開きます」等の音声案内を行うようにすればよい。
【0042】
またさらに、アンサーバック手段106としてスピーカを用いる場合、アンサーバック手段106は、上記の音声案内(可動体突出後の音声案内)に加えて、障害物検知部103が可動体5の突出範囲に障害物を検知した場合に、障害物があるために可動体を突出できない旨又は障害物を除去することの指示(「ステップのスペースを確保して下さい」等)を音声案内するようにしてもよい。
【0043】
制御部101は、検出手段105からの検出信号を受けてドア開信号を開閉体駆動部107に出力する。制御部101は、可動体5を突出させてからの経過時間をタイマにより計測し、経過時間が所定時間を超えた場合に、タイムアウト信号を出力する。制御部101は、タイムアウト信号を出力すると、可動体駆動部104に可動体5を格納させ、併せてドアロックを施錠状態とする。
【0044】
開閉体駆動部107は、制御部101からのドア開信号又は停止信号を受けてドア3を開動作又は停止させる。また、制御部101からのドア閉信号を受けてドア3を閉動作させることもできる。
【0045】
ドアの開動作中に再度ユーザが検出手段105の検出範囲内に足を挿入した場合、即ち、開閉体駆動部107によるドア開動作中に検出手段105からの検出信号が再度出力された場合、制御部101は開閉体駆動部107に停止信号を出力してドア3の移動動作を停止させる。これにより、ユーザは自在にドアを操作することができる。
【0046】
なお、制御部101は停止信号の代わりにドア閉信号を開閉体駆動部107に出力してドア3の移動動作を逆転させるようにしてもよい。また、ドア3の停止状態で、検出手段105からの検出信号が再度出力された場合、動作再開信号を開閉体駆動部107に出力して、ドア停止直前の動作を再開させるようにしてもよいし、動作逆転信号を開閉体駆動部107に出力してドア停止直前の動作を逆転させるようにしてもよい。
【0047】
なお、図3においては、装置100内の各構成要素を有線で接続するものを図示しているが、無線通信によって接続する構成としてもよい。
【0048】
[車両開閉体操作装置の制御方法]
次に、実施例1による装置100の動作を説明する。図6Aは装置100の制御方法における処理を示す基本フローチャートである。
【0049】
ステップS01において、ユーザ認証部102が、ユーザの所持する電子キーからの電波を受信し、ステップS02において、ユーザIDが登録済みのものか否かが判別される。処理は、認証成功(Yes)の場合はステップS03に進み、認証失敗(No)の場合は終了する。ステップS03において、ドアロックが解錠される。
【0050】
ステップS10において、障害物検知部103が、可動体5の可動範囲内にある障害物を検知し、可動体5の突出可否が判定される。処理は、突出可能(Yes)の場合はステップS11に進み、突出不可(No)の場合はステップS12に進み、ドアロックが施錠され、終了する。
ステップS11において、可動体駆動部104が可動体5を突出させ、処理はステップS20に進む。
【0051】
ステップS20において、検出手段105が、可動体5(検出手段105)と地面の間に所定の厚み以上の物体があるか否かを検出し、ユーザの足の有無が判断される。処理は、ユーザの足がある(Yes)と判断された場合にはステップS22に進み、ユーザの足がない(No)と判断された場合にはステップS21に進む。
ステップS21において、制御部101がタイマにより時間切れか否かを判断する。処理は、時間切れになるまでステップS20を継続し、時間切れになると終了する。
【0052】
ステップS22において、アンサーバック手段106が、装置100が動作処理状況(ユーザのドア開操作を受け付けたこと)をユーザに通知し、ステップS23において、制御部101が開閉体駆動部107にドア3の開動作を開始させる。なお、ステップS22とステップS23はほぼ同時に行われてもよい。
【0053】
ステップS30において、ドア開動作が完了したか否かが判断される。この判断は開閉体駆動部107からドア3に出力される駆動信号を制御部101にフィードバックすることにより行われる。処理は、ドア開動作が完了していない(No)と判断された場合にはステップS31に進み、完了した(Yes)と判断された場合にはステップS35に進む。
【0054】
ステップS31において、検出手段105がさらに検出処理を行う。処理は、ユーザの足がある(Yes)と判断された場合にはステップS32に進み、ユーザの足がない(No)と判断された場合にはステップS30に戻り、ドア開動作が完了するまで検出手段105による検出処理が続けられる。
【0055】
ステップS32において、アンサーバック手段106が装置100の動作処理状況をユーザに通知し、ステップS33において、制御部101が開閉体駆動部107にドア3の開動作を停止させる。ステップS22及びS23と同様に、ステップS32とステップS33はほぼ同時に行われてもよい。
【0056】
ステップS34において、検出手段105がさらに検出処理を行う。ステップS34でユーザの足がない(No)と判断された場合には、処理はステップS32に戻り、ドア停止状態が維持される。ステップS34でユーザの足がある(Yes)と判断された場合には、処理はステップS22に戻り、ステップS22においてアンサーバックが行われ、ステップS23においてドア開動作が再開される。
【0057】
ステップS35において、可動体駆動部104が可動体5を格納させ、処理は終了する。なお、本実施例では、ドア開動作が完了した後に可動体5が格納される構成としたが、ユーザ乗車後にドア閉動作が完了した後に可動体5が格納されるようにしてもよい。
【0058】
なお、図6Aのフローチャートでは、ドア停止後のドア再動作をドア開動作としているが、図6Bのフローチャートに示すように、ドア停止後のドア再動作(ステップS34のYesの場合)をドア閉動作としてもよい。この場合、ステップS40において、制御部101が開閉体駆動部107にドア3の閉動作を行わせ、ステップS45において、可動体駆動部104が可動体5を格納させ、処理は終了する。なお、ステップS45の後にドアロックを施錠するステップを含めてもよい。
【0059】
また、ドア閉動作については、ドア開放状態においては(ステップS35を行うのではなく)可動体5を突出させておくようにし、検出手段105がユーザの足を検出することを受けて、制御部101が開閉体駆動部107にドア3の閉動作を行わせるようにしてもよい。この一連の動作においても、アンサーバック手段106が装置100の動作処理状況をユーザに通知することが望ましい。
【0060】
また、ドア3の閉動作中に、検出手段105がユーザの足を検出すると、制御部101が開閉体駆動部107にドア3の閉動作を停止させ、再度検出手段105がユーザの足を検出すると、制御部101が開閉体駆動部107にドア3の閉動作を再開させ、又はドアの移動方向を逆転してドア3の開動作を行わせるようにしてもよい。
【0061】
なお、本発明は、図3のブロック図に示した装置100において図6A又は6Bの制御方法をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラム、及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も含む。
【0062】
[他の実施例]
実施例1では、スライド式ドアを有する車両に本発明を適用する構成を示したが、他の実施例として、スイング式ドアや跳ね上げ式ドアを有する車両に関するものを示す。なお、実施例1と同様の構成は、跳ね上げ式のサイドドア(いわゆるガルウイング式ドア)の車両にも適用できる。以降の各実施例では、ドアと可動体の配置関係が実施例1と異なるのみで、装置のブロック図(図3)及び動作のフローチャート(図6A又は6B)は実施例1と同様のものが適用され得る。
【0063】
実施例2.
図7に第2の実施例の車両開閉体操作装置を搭載した車両20を示す。同図に示すように、車両20は、ボデー21、フロントドア(開閉体)22、リアドア(開閉体)23、可動体24及び可動体25を備える。フロントドア22及びリアドア23はスイング式ドアである。
【0064】
可動体24及び25は、突出したときに、車両20の上面から見て、それぞれの先端部がフロントドア22及びリアドア23の開閉軌跡外に位置するように構成される。具体的には、可動体24はその突出位置がリアドア23の前方付近下部にあり、可動体25は、例えば、図8A又は8Bに示すような形態で後輪26をよけるように突出する。
【0065】
図8Aに示す可動体25は、ボデー2から外側方向にスライドして突出してからボデー2の後方に向けてスライドし、スライド動作終了時に足センサ7が後輪26の前面付近に位置するように構成される。
図8Bに示す可動体27は、枢動して突出及び格納される。可動体27が突出したときに、可動体27の先端部の足センサ7が後輪26の前面付近に位置するように構成される。
このように、操作対象となる可動体先端部が各ドアの開閉軌跡外に位置するように突出されることにより、ユーザは開閉するドアをよけることなくドア開閉操作を行うことができ、自然な動線が確保される。
【0066】
なお、障害物センサ及び表示部については、実施例1で説明した構成のうちのいずれかが適宜適用されるものとする。また、可動体駆動部は、可動体の種類によって最適な駆動機構が適用されるものとする。
【0067】
実施例3.
図9に第3の実施例の車両開閉体操作装置を搭載した車両30を示す。同図に示すように、車両30は、ボデー31、バックドア(開閉体)32及び可動体33を備える。バックドア32は跳ね上げ式のドアである。
【0068】
可動体33は実施例1の可動体5と同様の構成であればよく、突出及び格納位置はボデー31の後方付近にある。可動体33は、突出したときに、その先端部がバックドア32の開閉軌跡外に位置するように、ボデー2の側方に突出するように構成される。このように、直接の操作対象となる可動体33の先端部がバックドア32の開閉軌跡外にあることにより、ユーザは開閉するドアをよけることなくドア開閉操作を行うことができ、自然な動線が確保される。
【0069】
実施例4.
実施例1においては、ユーザ認証部102が各開閉体に設けられる構成を示したが、本実施例では、ユーザ認証部として既存のスマートキーシステムのスマートECUを用いる車両開閉体操作システムを示す。本実施例は、既存のスマートキーシステムを用いて車両開閉体操作システムを構築することにより、ユーザ認証関連の構成を簡素化するものである。
【0070】
図10に本実施例の車両開閉体操作システム200(以下、「システム200」という)の制御ブロック図を示す。システム200は、開閉体330、430、530、630及び730に設けられた車両開閉体操作装置300、400、500、600及び700(以下、これらを総称して「装置」という)を備える。開閉体330〜730は、それぞれ右フロントドア、左フロントドア、右リアドア、左リアドア、バックドアに対応するものとする。例示として、フロントドア(330、430)はスイング式であり、装置300及び400として実施例2の装置が適用され、リアドア(530、630)はスライド式であり、装置500及び600として実施例1の装置が適用され、バックドア(730)は跳ね上げ式であり、装置700として実施例3の装置が適用されるものとする。各装置はシステムバスによってスマートECU210に接続されている。なお、システム200を構成する装置数は4以下であってもよいし、6以上であってもよい。
【0071】
装置300〜700はそれぞれ、制御部301〜701、障害物検知部303〜703、可動体駆動部304〜704、検出手段305〜705、アンサーバック手段306〜706、開閉体駆動部307〜707、ユーザ認証受付部310〜710、ユーザ接近検知部311〜711を備え、各装置内の構成要素はコントロールバスで接続されている。また、図10においては、制御部301〜701が各装置に対して個別に設けられるものとするが、複数の装置で共用化されるようにしてもよい。
【0072】
障害物検知部303〜703、可動体駆動部304〜704及び検出手段305〜705は、実施例1の障害物検知部103、可動体駆動部104及び検出手段105とそれぞれ同様の構成及び機能を有するので説明を省略する。
【0073】
ユーザ認証受付部310〜710及びスマートECU210によってスマートキーシステムが構成される。ユーザ認証受付部310〜710はスマートキーシステムの受信部からなり、ユーザの所持する電子キーからの電波(ユーザID)を受信する。スマートECU210は、受信されたユーザIDが登録済みのものか否かを判別する。スマートECU210は、ユーザ認証が成功すると許可信号を出力して開閉体330〜730の全ドアロックを解錠し、ユーザ認証が失敗すると全ドアロックの施錠状態を維持する。ドアロックの解錠を受けて、ユーザ接近検知部311〜711の全てが、検知動作を行い得る待機状態となる。
【0074】
ユーザ接近検知部311〜711は、赤外線センサ、超音波センサ等からなり、開閉体330〜730の各々から所定距離内の人体の有無、即ち、ユーザの有無を検知する。ユーザ接近検知部311〜711のうち、ユーザを検知したものがユーザ接近信号を出力する。これにより、ユーザ接近信号を出力した装置が、ユーザ操作を受け付け得る待機状態となる(より具体的には、障害物検知部が検知動作を行い得る待機状態となる)。例えば、ユーザ接近検知部611がユーザを検知してユーザ接近信号を出力すると、装置600が待機状態となり、障害物検知部603が検知動作を行い得る待機状態となる。
【0075】
なお、障害物検知部303〜703とユーザ接近検知部311〜711をそれぞれ一体化して、障害物及びユーザ検知部(不図示)を構成してもよい。例えば、障害物及びユーザ検知部は、赤外線又は超音波を出射し、その反射赤外線又は反射波の量が第1の値未満である場合には、(障害物は無いが)ユーザが接近していないものとして突出不可信号を出力し(又は、何も出力しない)、反射赤外線又は反射波の量が第1の値以上第2の値未満である場合には、障害物が無く、かつユーザが接近したものとして突出可能信号を出力し、反射赤外線又は反射波の量が第2の値以上である場合には、障害物が可動体の可動範囲内に有るものとして突出不可信号を出力する。実施例1と同様に、突出可能信号を受けた各可動体駆動部が各可動体を突出させる。
【0076】
例示として、第1及び第2のユーザが車両に接近して、それぞれ600(左リアドア)及び開閉体300(右フロントドア)を開ける場合を想定する。まず、開閉体600の方に先に第1のユーザが接近するものとする。ユーザ認証受付部610がユーザの電子キーからの電波を受信し、スマートECU210が第1のユーザを認証して全開閉体のドアロックを解錠する。そして、ユーザ接近検知部611が第1のユーザを検知してユーザ接近信号を出力し、ユーザ接近検知部311が第2のユーザを検知してユーザ接近信号を出力する。なお、ユーザ接近検知部411、511及び711はユーザの接近を検知しないので何も出力しない。その後、装置600及び300において、実施例1の装置100と同様の動作がそれぞれ行われる。
【0077】
本実施例によるシステム200の制御方法について、各ユーザ接近検知部がユーザを検知して装置300〜700のうちで動作対象となる装置が決定されてからの個々の装置の動作は、実施例1の図6A又は6BのフローチャートのステップS10以降と同様である。
【0078】
なお、図10においては、システム内の装置間及び装置内の構成要素間を有線で接続するものを図示しているが、無線通信によって接続する構成としてもよい。
【0079】
[実施例1〜4の総括]
以上のように、本発明の実施例1〜4によると、ユーザが車両開閉体を操作しようとすると、その開閉体の付近に可動体を突出させるとともに、アンサーバック手段106が装置の動作処理状況、操作説明等を表示するようにした。従って、本発明によると、ユーザの足による操作を分かり易く誘導することができるユーザフレンドリーな装置及びシステムを実現することができる。
【0080】
また、本発明の実施例によると、突出された可動体に対して、ユーザは、可動体の下に足を挿入する、可動体の先端部をつま先で押す、又は踵をついた状態でつま先を上げて可動体下面を押すといったように、可動体の下面空間における操作、又は可動体に対してその格納方向に力を加える操作により無理のない姿勢でドア操作を行うことができる。従って、ドア操作に際してユーザはバランスを崩すことがなく安全である。
【0081】
さらに、本発明の実施例によると、車両側におけるドア動作処理状況をユーザに(ドア自体の移動動作ではなく)アンサーバック手段106によって即座に通知する構成としたので、ユーザは検出手段に対して必要以上に長い時間にわたって足を作用させることがなく、最小限の足の動きでドア操作を行うことができる。従って、ドア操作に際してユーザの身体的負担が小さく、使い勝手が良い。
【0082】
[変形例]
上記に本発明の好適な実施例を示したが、本発明の各要素は以下のように変形可能である。以下の変形例においては、特に説明しない構成要素については、実施例1で採用した構成が必要に応じて適用されるものとする。また、ユーザ認証及びその後のドアロック解錠は既に実行済みのものとして各例を説明する。
【0083】
変形例1.
図11A及び11Bは第1の変形例における可動体51の、ボデー2の下面側から見た平面図である。ボデー2にユーザ接近検出手段としてユーザ接近センサ50a、50b及び50cが設けられ、可動体51は車両前後方向に移動可能なものとする。ユーザ接近センサ50a〜50cは赤外線センサ、超音波センサ等であればよい。
【0084】
ここで、ユーザ接近センサ50a〜50cのうち、ユーザ接近センサ50cがユーザの接近を最も強く検知したものとする。すると、図11Aに示すように、可動体51はユーザ接近センサ50c側に移動し、図11Bに示すように、その位置から突出する。ユーザ接近センサ50a〜50cの間の距離は、操作対象となる開閉体に対してユーザが接近し得る範囲を検知できる程度の距離であればよく、例えば、30cm〜1m程度であればよい。
【0085】
なお、ユーザ接近センサ50a〜50cが障害物センサを兼ねる場合には、可動体突出可能と判断したユーザ接近センサのうちで、最も強くユーザの接近を検知したユーザ接近センサの位置から可動体51が突出するようにしてもよい。また、可動体51として足センサ7が設けられた例を示すが、足センサ7の代わりに、実施例1で説明したメカスイッチ12、14又は外力検出機構13を設ける構成としてもよい。
【0086】
本変形例の装置において、可動体51が突出した後の動作は実施例1と同様である。
本変形例によると、可動体51は車両に近づいたユーザの目前に必ず突出されることになり、ユーザの車両側面方向の移動が少なくて済む。
【0087】
変形例2.
図12A及び12Bは第2の変形例における可動体52の、ボデー2の下面側から見た平面図である。ユーザ接近検出手段としてユーザ接近センサ53が可動体52の先端に設けられ、可動体52は車両前後方向に移動可能なものとする。ユーザ接近センサ53は赤外線センサ、超音波センサ等であればよい。
【0088】
図12Aに示すように、可動体52は車両前後方向にスキャン移動し、ユーザ接近センサ53がユーザの接近を最も強く検知した位置を特定する。なお、いずれの位置でもユーザ接近センサ53がユーザの接近を検出しない場合には、可動体52の往復動作を数回継続してもよい。次に、図12Bに示すように、可動体52はその位置から突出する。ユーザ接近センサ53の移動範囲Dは、操作対象となる開閉体に対してユーザが接近し得る範囲を検知できる程度の距離であればよく、例えば、30cm〜1m程度であればよい。
【0089】
なお、ユーザ接近センサ53が障害物センサを兼ねる場合には、可動体突出可能が判断された位置のうちで、最も強くユーザの接近を検知した位置から可動体52が突出するようにしてもよい。
【0090】
本変形例の装置において、可動体52が突出した後の動作は実施例1と同様である。
本変形例によると、変形例1と同様に、可動体52は車両に近づいたユーザの目前に必ず突出されることになり、ユーザの車両側面方向の移動が少なくて済む。
【0091】
変形例3.
図13A及び13Bは第3の変形例における可動体54の、ボデー2の下面側から見た平面図である。可動体54は、突出後に車両前後方向にスキャン移動可能なものとする。なお、スキャンを行うセンサは、変形例2ではユーザ接近センサであったが、本変形例では足センサ7である。
【0092】
図13Aに示すように、まず、可動体54はデフォルトの位置から突出する(不図示の障害物センサにより可動体の突出可能が判断済みであるとする)。次に、図13Bに示すように、可動体54は突出した状態で車両前後方向にスキャン移動し、足センサ7がユーザの足を検知した位置を特定する。なお、いずれの位置でも足センサ7がユーザの足を検出しない場合には、可動体54の往復動作を数回継続してもよい。可動体先端部の足センサ7の移動範囲は、操作対象となる開閉体に対してユーザが接近し得る範囲を検知できる程度の距離であればよく、例えば、30cm〜1m程度であればよい。
また、図13Cに示すように、枢動可能な可動体55を用いてスキャン動作を行うようにしてもよい。
【0093】
本変形例の装置において、足センサ7がユーザの足を検出した後の動作は実施例1と同様である。
本変形例によると、ユーザはボデー2の側面の所定範囲に立ち止まりさえすれば、可動体がユーザの足をスキャン検出するので、足を動かすことなくドアを開動作させることができる。
【0094】
上記各変形例によると、関連する実施例と同様に、検出手段がボデー側面から外側かつ可動体より下方の空間にあるユーザの足を検出する構成としたので、ドア操作の際のユーザの足の動きを最小限にすることができ、ユーザの身体的負担が小さくて済む。
【0095】
以上のように本発明の各実施例及び各変形例によると、車両開閉体操作に関して、ユーザフレンドリーで、安全で、かつユーザの身体的負担の小さい車両開閉体操作装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0096】
1、20、30.車両
2、21、31.ボデー
3、22、23、32.開閉体(ドア)
4.認証部
5、5´、24、25、27、33、51、52、54、55.可動体
6、10、11.障害物センサ
7.足センサ
8.表示部
9.可動体駆動部
12、14.メカスイッチ
13.外力検出機構
50a、50b、50c、53.ユーザ接近センサ
100、300、400、500、600、700.車両開閉体操作装置
101、301、401、501、601、701.制御部
102.ユーザ認証部
103、303、403、503、603、703.障害物検知部
104、304、404、504、604、704.可動体駆動部
105、305、405、505、605、705.検出手段
106、306、406、506、606、706.アンサーバック手段
107、307、407、507、607、707.開閉体駆動部
200.車両開閉体操作システム
210.スマートECU
310、410、510、610、710.ユーザ認証受付部
311、411、511、611、711.ユーザ接近検知部
330、430、530、630、730.開閉体
350、450、550、650、750.可動体
【技術分野】
【0001】
本発明は車両開閉体操作装置及びシステムに関し、より具体的には、ユーザが手を使うことなく車両開閉体を操作するための車両開閉体操作装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両のユーザが手を使うことなく足等で車両開閉体を操作する装置が知られている。例えば、特許文献1はハンズフリー車両ドア開扉装置を開示している。同文献には、ユーザ認証の後に、車両下面に設けられた検出器からレーザビームが照射され、照射範囲にユーザの足等の身体の一部が挿入されて反射レーザビームの受光量が変化すると、その変化に基づいてドアロックの解錠、車両ドアのラッチ解除及び車両ドアのポップアップ動作が行われることが開示されている。
【0003】
特許文献2は、ユーザ認証の結果と、動作検知部によるユーザの開閉体操作の意思確認結果に基づいて開閉体を開閉する車両用開閉体作動装置を開示している。同文献では、動作検知部が車両の下部に設けられ、動作検知部が検知範囲を照らし、その検知範囲にユーザの足が挿入されると、ユーザの開閉体操作の意思確認がなされることが開示されている。また同文献には、ユーザ認証後に乗降用ステップが車両外側に張り出し、乗降用ステップ上面のタッチスイッチにユーザの足が接触することにより、ユーザの開閉体操作の意思確認がなされることが開示されている。
【0004】
また、特許文献3は、ユーザ認証後に、ユーザによって車両のサイドシルに衝撃が加えられると車両ドアの開動作が行われる自動ドアオープナーシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−162459号公報
【特許文献2】特開2005−133529号公報
【特許文献3】特開2004−316231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のハンズフリー車両ドア開扉装置によると、ユーザが車両ドアを開けるためには、まず、検出器の照射範囲(検知範囲)を見つける必要があり、周囲が明るい日中は検知範囲が分かり難くなるという問題があった。検知範囲を発見した後、次にユーザは車両下側に足を挿入する必要がある。しかし、例えば両手に荷物を持った状態で片足を車両下部に深く挿入すると姿勢が不安定になり、ユーザはバランスを崩してしまう可能性があった。さらに、検知器がユーザの足を検知してからも実際に車両ドアが動き出すまでの期間にわたって上述の不安定な姿勢を継続することになり、ユーザの身体的負担が大きいという問題があった。
【0007】
また、特許文献2における、車両下部に挿入されるユーザの足を検知するタイプの車両開閉体作動装置も、特許文献1の装置と同様の問題があった。また、特許文献2における、乗降ステップ上のタッチスイッチによりユーザの足を検知するタイプの車両開閉体作動装置においては、ユーザは片足を上げてつま先をタッチスイッチ上に載せてから車両ドアが開くまでは、ユーザはそのような不安定な姿勢を継続しなければならなかった。特に、車両ドアが閉じている状態では、ユーザはその重心を車両側に移すことができず、タッチスイッチ上の足ではなく他方の足(地面についている方の足)に重心をかけることになり、やはりユーザの姿勢は不安定なものとなってしまう。
【0008】
また、特許文献3では、ユーザは車両に衝撃を加えるために自車を蹴る等しなければならず、ユーザにおいては、そのような行為自体に抵抗感が大きいという問題がある。また、自車に傷がつくことを恐れてユーザが充分な衝撃を加えることができなかったり、非力な老人や女性が充分な衝撃を加えることができなかったりする可能性もあり、操作達成の確実性に欠けていた。
【0009】
そこで、本発明の課題は、ユーザが足で車両開閉体を操作する車両開閉体操作装置において、車両開閉体の開閉操作に際して、ユーザの足による操作を分かり易く誘導し、ユーザが無理のない姿勢で開閉体を操作できるようにし、かつユーザがドア操作のために足を使う時間が最小限となるようにしてユーザの身体的負担を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による、車両開閉体を開閉するための車両開閉体操作装置は、車両ボデーから車両側方かつ車両開閉体よりも低い位置に突出可能に設置された可動体と、可動体が突出された状態で、可動体の下面空間における、又は可動体に対する可動体格納方向への、ユーザの動作を検出して検出信号を出力する検出手段と、検出信号に対する車両開閉体操作装置の動作処理状況をユーザに通知するアンサーバック手段と、検出信号が出力されたことに応じて車両開閉体を開閉動作させるための開閉体駆動部とを備える。
この構成により、ユーザは突出された可動体に対して足を大きく動かす必要がない。しかも、車両側におけるドア動作処理状況をユーザにアンサーバック手段によって即座に通知する構成としたので、ユーザは検出手段に対して必要以上に長い時間にわたって足を作用させることがなく、最小限の足の動きでドア操作を行うことができ、ユーザの身体的負担が小さくて済む。
【0011】
ここで、アンサーバック手段は可動体の上面に設けられた表示部からなるようにしてもよい。
この構成により、ユーザは直接の操作対象物である可動体を見ながら装置における処理状況を確認することができるので視線の移動が少なく、操作性が向上する。
【0012】
また、アンサーバック手段による通知は、可動体が車両ボデー側に格納される動作からなるようにしてもよい。
これにより、ユーザ操作に対して装置が応答していることを非常に分かり易い態様でユーザに認識させることができる。また、開閉体が(ユーザが乗車できるほどに)開く前に可動体が格納されるので可動体がユーザに踏まれることはなく、可動体を比較的簡素な強度設計で構成することができる。
【0013】
ここで、検出手段は、可動体の下面に設けられ、可動体と地面との間に存在する物体を検知するセンサからなるようにしてもよい。
このように、検出手段がボデー側面から外側かつ可動体より下方の空間にあるユーザの足を検出する構成としたので、ドア操作の際のユーザの足の動きを最小限にすることができ、ユーザの身体的負担が小さくて済む。
【0014】
また、検出手段は可動体の先端部に設けられたスイッチからなるようにしてもよい。
また、検出手段は、前記可動体に対して格納方向に加えられる外力を検出する機構からなるようにしてもよい。
これにより、突出された可動体に対して、ユーザは、可動体の先端をつま先で押す等の短時間かつ無理のない姿勢でドア操作を行うことができるので、ドア操作に際してユーザはバランスを崩すことがなく安全である。
【0015】
ここで、可動体が突出したときに、検出手段が、車両ボデー上面から見て車両開閉体の開閉軌跡外に位置するように構成されることが望ましい。
これにより、ユーザは開閉するドアをよけることなくドア開閉操作を行うことができ、自然な動線が確保される。
【0016】
さらに、ユーザを認証するためのユーザ認証部と、可動体の突出範囲の障害物を検知する障害物検知部とを備え、ユーザの認証が成功し、かつ、可動体の突出範囲に障害物が無いことが検知された場合に可動体が突出されるように構成してもよい。
これにより、適切な状況で可動体が突出されることになる。
【0017】
本発明の車両開閉体操作システムは、複数の車両開閉体のそれぞれに対して設けられた上記のいずれかの車両開閉体操作装置と、ユーザを認証するためのスマートキーシステムとを備え、車両開閉体操作装置の各々が、各開閉体にユーザが接近したことを検知するユーザ接近検知部をさらに備え、スマートキーシステムによるユーザの認証が成功し、かつ、1以上のユーザ接近検知部によってユーザ接近が検知された場合に、ユーザ接近を検知した1以上のユーザ接近検知部が属する車両開閉体操作装置が待機状態となるように構成される。
これにより、既存のスマートキーシステムを用いて車両開閉体操作システムを構築することができ、ユーザ認証関連の構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施例による車両開閉体操作装置が搭載された車両を示す図である。
【図2A】第1の実施例における可動体の一例を説明する図である。
【図2B】第1の実施例における可動体の一例を説明する図である。
【図3】第1の実施例による車両開閉体操作装置の構成を示すブロック図である。
【図4A】第1の実施例における障害物検知部の例を説明する図である。
【図4B】第1の実施例における障害物検知部の例を説明する図である。
【図5A】第1の実施例の検出手段の例を説明する図である。
【図5B】第1の実施例の検出手段の例を説明する図である。
【図5C】第1の実施例の検出手段の例を説明する図である。
【図6A】第1の実施例による車両開閉体操作装置の動作を示すフローチャートである。
【図6B】第1の実施例による車両開閉体操作装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施例による車両開閉体操作装置が搭載された車両を示す図である。
【図8A】第2の実施例の可動体の例を説明する図である。
【図8B】第2の実施例の可動体の例を説明する図である。
【図9】本発明の第3の実施例による車両開閉体操作装置が搭載された車両を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施例による車両開閉体操作システムの構成を示すブロック図である。
【図11A】本発明の第1の変形例による車両開閉体操作装置を説明する図である。
【図11B】本発明の第1の変形例による車両開閉体操作装置を説明する図である。
【図12A】本発明の第2の変形例による車両開閉体操作装置を説明する図である。
【図12B】本発明の第2の変形例による車両開閉体操作装置を説明する図である。
【図13A】本発明の第3の変形例による車両開閉体操作装置を説明する図である。
【図13B】本発明の第3の変形例による車両開閉体操作装置を説明する図である。
【図13C】本発明の第3の変形例による車両開閉体操作装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施例1.
[車両用ドア開閉装置の概略構成]
図1は、本発明の第1の実施例による車両開閉体操作装置が搭載された車両1の左側面を示す図である。車両1はボデー2、開閉体3(以下、「ドア3」という)、認証部4及び可動体5を備える。ドア3はスライド式であり、不図示のドア駆動機構によって図の左右方向にスライド開閉駆動される。認証部4はユーザが携帯する電子キーからの信号を受信してユーザを認証する。可動体5はドア3の下方に配置され、ボデー2に対して突出及び格納可能な構成となっている。
【0020】
図2Aに示すように、可動体5は、その先端部に障害物センサ6を、下面に足センサ7を、上面に表示部8を備え、可動体駆動部9によって突出及び格納される。障害物センサ6は、可動体5の突出範囲における障害物の有無を検知する。足センサ7は、足センサ7と地面の間に物体、即ち、ユーザの足(又は靴)があるか否かを検出する。表示部8は、車両開閉体操作装置における動作処理状態をユーザに通知するためのものである。なお、図2Bに示すように、可動体5´が、ドア3よりも下部のボデー2の側面から突出する構成としてもよい。また、可動体は、ユーザが乗車又は降車の際に踏むことができる可動ステップであってもよい。
【0021】
実施例1による車両開閉体操作装置の基本的な開閉体操作は以下の通りである。ドアロックされた車両1にユーザが近づき、ドア3に接近すると、ユーザの所有する電子キーからの信号が認証部4に受信され、ユーザ認証が行われる。ユーザ認証が成功するとドアロックが解錠される。可動体5の突出範囲に障害物がないことが障害物センサ6によって検知されると、可動体駆動部9が可動体5を突出させる。ユーザが可動体5の足センサ7と地面の間に足を挿入すると、足センサ7がユーザの足を検出する。ユーザの足が足センサ7に検出されると、ドア3が開動作し、ユーザは車両1に乗車することができる。表示部8は、足センサ7がユーザの足を検出したことを受けて、ドア3の開動作と並行して、又はドア3の開動作よりも先に、車両開閉体操作装置の動作処理状況(例えば、ユーザの足の検出が受け付けられたこと)をユーザに通知する。このような動作を実現するための構成を以下に詳細に説明する。
【0022】
[車両開閉体操作装置の制御構成]
図3は第1の実施例の車両開閉体操作装置100(以下、「装置100」という)の制御構成を示すブロック図である。装置100は、制御部101、ユーザ認証部102、障害物検知部103、可動体駆動部104、検出手段105、アンサーバック手段106及び開閉体駆動部107を備え、これらはコントロールバスで接続されている。
【0023】
制御部101は、装置100の各手段間の信号のやりとりを制御するCPU並びにプログラム及びデータを記憶するメモリを含む。
【0024】
ユーザ認証部102は、実施例1では認証部4である。ユーザ認証部102は、ユーザの所持する電子キーからの電波を受信し、ユーザIDが登録済みのものか否かを判別する。ユーザ認証部102は、ユーザ認証が成功すると許可信号を、ユーザ認証が失敗すると拒否信号を出力する。制御部101は、ユーザ認証部102からの許可信号を受けてドア3のドアロックを解錠する。
【0025】
障害物検知部103は、実施例1では障害物センサ6である。障害物検知部103は、可動体5の可動範囲内にある障害物を検知し、障害物がある場合には突出不可信号を、障害物がない場合には突出可能信号を出力する。障害物検知部103は赤外線センサ、超音波センサ等で構成できる。即ち、障害物検知部103は、赤外線又は超音波を出射し、その反射赤外線又は反射波の量が所定値以上の場合に、障害物が可動体5の可動範囲内にあることを検知して突出不可信号を出力し、所定値未満の場合には、障害物が可動体5の可動範囲内にないことを検知して突出可能信号を出力する。
【0026】
また、障害物検知部103の他の例として、図4Aに示すように、障害物センサ10を可動体5とは別に設け、ボデー2の下面から可動体5の突出方向の障害物を検知する構成としてもよいし、図4Bに示すように、障害物センサ11がボデー2の下部側面から可動体5の突出方向の障害物を検知する構成としてもよい。障害物センサ10及び11も障害物センサ6と同様に、赤外線センサ、超音波センサ等で構成できる。
【0027】
可動体駆動部104は、実施例1では可動体駆動部9である。可動体駆動部104はモータ駆動等により可動体5を突出及び格納する。障害物検知部103から突出可能信号が出力されると、可動体駆動部104が可動体5を突出させる。上述のように、ユーザ認証部102及び障害物検知部103によって可動体5の突出可否が決定されるので、適切な状況で可動体が突出されることになる。
【0028】
検出手段105は、実施例1では足センサ7である。検出手段105は、可動体5(足センサ7)と地面の間にユーザの足が挿入されたか否か、即ち、可動体5の下面空間に所定の厚み以上の物体があるか否かを検出し、そのような物体がある場合には検出信号を出力する。このような検出手段105の構成によると、ユーザはドア操作を行おうとする際に、足を前後又は上下に大きく動かす必要がないので、ユーザの身体的負担は軽くて済む。
【0029】
具体的には、検出手段105は赤外線センサ、超音波センサ等であればよい。即ち、検出手段105は、赤外線又は超音波を出射し、その反射赤外線又は反射波の量が所定値以上の場合に、ユーザの足(又は靴)が可動体5と地面の間にあることを検出して検出信号を出力し、所定値未満の場合には何も出力しない(又は検出無し信号を出力してもよい)。
【0030】
また、検出手段105の他の例として、図5Aに示すように、可動体5の先端部に設けられたメカスイッチ12としてもよい。この場合、ユーザがメカスイッチ12をつま先で可動体格納方向に押すことにより、メカスイッチ12から検出信号が出力される。可動体5の先端部に設けられたメカスイッチ12を用いれば、ユーザは、足を軽く前に出すだけメカスイッチ12を押すことができ、そしてメカスイッチ12をつま先で押した反作用により足を元の位置に戻せる。従って、この例の検出手段105の構成においても、ユーザの身体的負担は小さい。なお、メカスイッチ12を用いる場合は、ユーザは必ずしも足でメカスイッチ12を押す必要はなく、荷物(バッグ、傘、杖等)でメカスイッチ12を押すこともできる。
【0031】
また、検出手段105の他の例として、図5Bに示すように、可動体5に対してその格納方向に加えられる力を検知する外力検出機構13としてもよい。この場合、ユーザが可動体5の先端部をつま先で格納方向に押すことにより、外力検出機構13から検出信号が出力されるとともに、可動体駆動部104が可動体5を格納させる。外力検出機構を用いる場合、メカスイッチ12を用いる場合と同様に、ユーザは、軽く足を前に出すだけ可動体5にボデー方向に力を加えることができ、そして可動体5の先端部をつま先で押した反作用により足を元の位置に戻せるので、ユーザの身体的負担は小さい。
【0032】
また、検出手段105の他の例として、図5Cに示すように、可動体5の下面に設けられたメカスイッチ14としてもよい。この場合、ユーザがメカスイッチ14をつま先で上方に押すことにより、メカスイッチ14から検出信号が出力される。メカスイッチ14の地面からの高さによっては、ユーザは、つま先を可動体5の下に挿入し、踵をついたままつま先を上げるだけでメカスイッチ14を押すことができる。即ち、ユーザは、重たい荷物を持っていたとしても、両足の踵を地面につけた状態でメカスイッチ14を操作できるので、安定した姿勢を維持し、バランスを保つことができる。
【0033】
検出手段105から検出信号が出力されると、制御部101はドア開信号を開閉体駆動部107に出力し、ドア3を開動作させる。
【0034】
アンサーバック手段106は、実施例1では表示部8である。アンサーバック手段106は検出手段105の検出信号を受けて、装置100がユーザの操作に応答していること、装置100における動作処理状況、又はユーザ操作の誘導をユーザに表示する。アンサーバック手段106は、例えば、LED、白熱灯等のランプ、液晶画面等の薄型表示画面からなる。
【0035】
表示部8のように、アンサーバック手段106が可動体5の上面に設けられることにより、ユーザは直接の操作対象物である可動体5を見ながら装置における処理状況を確認することができるので視線の移動が少なく、操作性が良い。また、アンサーバック手段106が可動体5の上面に設けられることにより、ユーザの足下への注意を喚起することができる。また、上述したように可動体5は可動ステップであってもよく、この場合でも可動体5の上面にアンサーバック手段106(表示部8)が設けられていてもよい。
【0036】
アンサーバック手段106がランプからなる場合、アンサーバック手段106は、検出手段105からの検出信号を受ける前はランプを第1の態様で制御(消灯、点滅又は点灯)し、検出信号を受けた後は第1の態様とは異なる第2の態様でランプを制御(消灯、点滅又は点灯)するようにすればよい。また、後述するように、制御部101がタイムアウト信号を出力して可動体5が格納動作を行う期間は、アンサーバック手段106が、第2の態様と異なる第3の態様でランプを制御(消灯、点滅又は点灯)するようにしてもよい。また、第1〜第3の態様においてランプの発光色を変化させるようにしてもよい。
【0037】
アンサーバック手段106が表示画面からなる場合、アンサーバック手段106は、検出手段105からの検出信号を受ける前は「ユーザ認証されました」等の処理の途中経過を表示してもよいし、検出手段105の形態に応じて、「ステップの下に足を入れて下さい」、「ステップを押して下さい」等、ユーザが次に採るべき操作の説明を表示するようにしてもよい。そして、アンサーバック手段106は、検出信号を受けた後は「OKです」、「ドアが開きます」等の表示を行うようにしてもよい。
【0038】
また、アンサーバック手段106の他の例として、ボデー2又はドア3のいずれかの箇所に上述のランプ又は表示部を設ける構成としてもよい。この場合、アンサーバック手段106は、上記の表示(可動体突出後の表示)に加えて、障害物検知部103が可動体5の突出範囲に障害物を検知した場合に、障害物があるために可動体を突出できない旨又は障害物を除去することの指示(「ステップのスペースを確保して下さい」等)を表示するようにしてもよい。
【0039】
また、アンサーバック手段106の他の例として、可動体5自体の動きでアンサーバックを表現する構成としてもよい。例えば、検出手段105からの検出信号を受けた直後に可動体5が格納されるようにすれば、ユーザは可動体5の格納動作により、自身の動作が装置100に受け入れられたことを認識することができる。この構成は、特に上記の検出手段105としてメカスイッチ12又は外力検出機構13を用いる場合に適用し易く、この場合は、可動体駆動部104がアンサーバック手段106を兼ねることになる。
【0040】
このような、可動体5が格納される動作によってアンサーバックを行うことにより、ユーザ操作に対して装置が応答していることを非常に分かり易い態様でユーザに認識させることができる。ドア3が(ユーザが乗車できるほどに)開く前に可動体5が格納されるので可動体5がユーザに踏まれることはない。従って、可動体5を比較的簡素な強度設計で構成することができる。
【0041】
また、アンサーバック手段106の他の例として、装置100における動作処理状況を、車両外部に設けたスピーカからの音によりユーザに通知する構成としてもよい。この場合、音はビープ音、チャイム音等であってもよいし、音声案内であってもよい。音がビープ音又はチャイム音である場合、アンサーバック手段106は、検出信号を受ける前後及びタイムアウト信号を受ける前後でビープ音又はチャイム音の音又は鳴らし方を変化させればよい。音が音声案内である場合、アンサーバック手段106は、検出手段105からの検出信号を受ける前は、検出手段105の形態に応じて、「ステップの下に足を入れて下さい」、「ステップを押して下さい」等、ユーザが次に採るべき操作の説明を音声案内するようにしてもよい。そして、検出信号を受けた後は「ドアが開きます」等の音声案内を行うようにすればよい。
【0042】
またさらに、アンサーバック手段106としてスピーカを用いる場合、アンサーバック手段106は、上記の音声案内(可動体突出後の音声案内)に加えて、障害物検知部103が可動体5の突出範囲に障害物を検知した場合に、障害物があるために可動体を突出できない旨又は障害物を除去することの指示(「ステップのスペースを確保して下さい」等)を音声案内するようにしてもよい。
【0043】
制御部101は、検出手段105からの検出信号を受けてドア開信号を開閉体駆動部107に出力する。制御部101は、可動体5を突出させてからの経過時間をタイマにより計測し、経過時間が所定時間を超えた場合に、タイムアウト信号を出力する。制御部101は、タイムアウト信号を出力すると、可動体駆動部104に可動体5を格納させ、併せてドアロックを施錠状態とする。
【0044】
開閉体駆動部107は、制御部101からのドア開信号又は停止信号を受けてドア3を開動作又は停止させる。また、制御部101からのドア閉信号を受けてドア3を閉動作させることもできる。
【0045】
ドアの開動作中に再度ユーザが検出手段105の検出範囲内に足を挿入した場合、即ち、開閉体駆動部107によるドア開動作中に検出手段105からの検出信号が再度出力された場合、制御部101は開閉体駆動部107に停止信号を出力してドア3の移動動作を停止させる。これにより、ユーザは自在にドアを操作することができる。
【0046】
なお、制御部101は停止信号の代わりにドア閉信号を開閉体駆動部107に出力してドア3の移動動作を逆転させるようにしてもよい。また、ドア3の停止状態で、検出手段105からの検出信号が再度出力された場合、動作再開信号を開閉体駆動部107に出力して、ドア停止直前の動作を再開させるようにしてもよいし、動作逆転信号を開閉体駆動部107に出力してドア停止直前の動作を逆転させるようにしてもよい。
【0047】
なお、図3においては、装置100内の各構成要素を有線で接続するものを図示しているが、無線通信によって接続する構成としてもよい。
【0048】
[車両開閉体操作装置の制御方法]
次に、実施例1による装置100の動作を説明する。図6Aは装置100の制御方法における処理を示す基本フローチャートである。
【0049】
ステップS01において、ユーザ認証部102が、ユーザの所持する電子キーからの電波を受信し、ステップS02において、ユーザIDが登録済みのものか否かが判別される。処理は、認証成功(Yes)の場合はステップS03に進み、認証失敗(No)の場合は終了する。ステップS03において、ドアロックが解錠される。
【0050】
ステップS10において、障害物検知部103が、可動体5の可動範囲内にある障害物を検知し、可動体5の突出可否が判定される。処理は、突出可能(Yes)の場合はステップS11に進み、突出不可(No)の場合はステップS12に進み、ドアロックが施錠され、終了する。
ステップS11において、可動体駆動部104が可動体5を突出させ、処理はステップS20に進む。
【0051】
ステップS20において、検出手段105が、可動体5(検出手段105)と地面の間に所定の厚み以上の物体があるか否かを検出し、ユーザの足の有無が判断される。処理は、ユーザの足がある(Yes)と判断された場合にはステップS22に進み、ユーザの足がない(No)と判断された場合にはステップS21に進む。
ステップS21において、制御部101がタイマにより時間切れか否かを判断する。処理は、時間切れになるまでステップS20を継続し、時間切れになると終了する。
【0052】
ステップS22において、アンサーバック手段106が、装置100が動作処理状況(ユーザのドア開操作を受け付けたこと)をユーザに通知し、ステップS23において、制御部101が開閉体駆動部107にドア3の開動作を開始させる。なお、ステップS22とステップS23はほぼ同時に行われてもよい。
【0053】
ステップS30において、ドア開動作が完了したか否かが判断される。この判断は開閉体駆動部107からドア3に出力される駆動信号を制御部101にフィードバックすることにより行われる。処理は、ドア開動作が完了していない(No)と判断された場合にはステップS31に進み、完了した(Yes)と判断された場合にはステップS35に進む。
【0054】
ステップS31において、検出手段105がさらに検出処理を行う。処理は、ユーザの足がある(Yes)と判断された場合にはステップS32に進み、ユーザの足がない(No)と判断された場合にはステップS30に戻り、ドア開動作が完了するまで検出手段105による検出処理が続けられる。
【0055】
ステップS32において、アンサーバック手段106が装置100の動作処理状況をユーザに通知し、ステップS33において、制御部101が開閉体駆動部107にドア3の開動作を停止させる。ステップS22及びS23と同様に、ステップS32とステップS33はほぼ同時に行われてもよい。
【0056】
ステップS34において、検出手段105がさらに検出処理を行う。ステップS34でユーザの足がない(No)と判断された場合には、処理はステップS32に戻り、ドア停止状態が維持される。ステップS34でユーザの足がある(Yes)と判断された場合には、処理はステップS22に戻り、ステップS22においてアンサーバックが行われ、ステップS23においてドア開動作が再開される。
【0057】
ステップS35において、可動体駆動部104が可動体5を格納させ、処理は終了する。なお、本実施例では、ドア開動作が完了した後に可動体5が格納される構成としたが、ユーザ乗車後にドア閉動作が完了した後に可動体5が格納されるようにしてもよい。
【0058】
なお、図6Aのフローチャートでは、ドア停止後のドア再動作をドア開動作としているが、図6Bのフローチャートに示すように、ドア停止後のドア再動作(ステップS34のYesの場合)をドア閉動作としてもよい。この場合、ステップS40において、制御部101が開閉体駆動部107にドア3の閉動作を行わせ、ステップS45において、可動体駆動部104が可動体5を格納させ、処理は終了する。なお、ステップS45の後にドアロックを施錠するステップを含めてもよい。
【0059】
また、ドア閉動作については、ドア開放状態においては(ステップS35を行うのではなく)可動体5を突出させておくようにし、検出手段105がユーザの足を検出することを受けて、制御部101が開閉体駆動部107にドア3の閉動作を行わせるようにしてもよい。この一連の動作においても、アンサーバック手段106が装置100の動作処理状況をユーザに通知することが望ましい。
【0060】
また、ドア3の閉動作中に、検出手段105がユーザの足を検出すると、制御部101が開閉体駆動部107にドア3の閉動作を停止させ、再度検出手段105がユーザの足を検出すると、制御部101が開閉体駆動部107にドア3の閉動作を再開させ、又はドアの移動方向を逆転してドア3の開動作を行わせるようにしてもよい。
【0061】
なお、本発明は、図3のブロック図に示した装置100において図6A又は6Bの制御方法をコンピュータ(CPU)に実行させるためのプログラム、及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も含む。
【0062】
[他の実施例]
実施例1では、スライド式ドアを有する車両に本発明を適用する構成を示したが、他の実施例として、スイング式ドアや跳ね上げ式ドアを有する車両に関するものを示す。なお、実施例1と同様の構成は、跳ね上げ式のサイドドア(いわゆるガルウイング式ドア)の車両にも適用できる。以降の各実施例では、ドアと可動体の配置関係が実施例1と異なるのみで、装置のブロック図(図3)及び動作のフローチャート(図6A又は6B)は実施例1と同様のものが適用され得る。
【0063】
実施例2.
図7に第2の実施例の車両開閉体操作装置を搭載した車両20を示す。同図に示すように、車両20は、ボデー21、フロントドア(開閉体)22、リアドア(開閉体)23、可動体24及び可動体25を備える。フロントドア22及びリアドア23はスイング式ドアである。
【0064】
可動体24及び25は、突出したときに、車両20の上面から見て、それぞれの先端部がフロントドア22及びリアドア23の開閉軌跡外に位置するように構成される。具体的には、可動体24はその突出位置がリアドア23の前方付近下部にあり、可動体25は、例えば、図8A又は8Bに示すような形態で後輪26をよけるように突出する。
【0065】
図8Aに示す可動体25は、ボデー2から外側方向にスライドして突出してからボデー2の後方に向けてスライドし、スライド動作終了時に足センサ7が後輪26の前面付近に位置するように構成される。
図8Bに示す可動体27は、枢動して突出及び格納される。可動体27が突出したときに、可動体27の先端部の足センサ7が後輪26の前面付近に位置するように構成される。
このように、操作対象となる可動体先端部が各ドアの開閉軌跡外に位置するように突出されることにより、ユーザは開閉するドアをよけることなくドア開閉操作を行うことができ、自然な動線が確保される。
【0066】
なお、障害物センサ及び表示部については、実施例1で説明した構成のうちのいずれかが適宜適用されるものとする。また、可動体駆動部は、可動体の種類によって最適な駆動機構が適用されるものとする。
【0067】
実施例3.
図9に第3の実施例の車両開閉体操作装置を搭載した車両30を示す。同図に示すように、車両30は、ボデー31、バックドア(開閉体)32及び可動体33を備える。バックドア32は跳ね上げ式のドアである。
【0068】
可動体33は実施例1の可動体5と同様の構成であればよく、突出及び格納位置はボデー31の後方付近にある。可動体33は、突出したときに、その先端部がバックドア32の開閉軌跡外に位置するように、ボデー2の側方に突出するように構成される。このように、直接の操作対象となる可動体33の先端部がバックドア32の開閉軌跡外にあることにより、ユーザは開閉するドアをよけることなくドア開閉操作を行うことができ、自然な動線が確保される。
【0069】
実施例4.
実施例1においては、ユーザ認証部102が各開閉体に設けられる構成を示したが、本実施例では、ユーザ認証部として既存のスマートキーシステムのスマートECUを用いる車両開閉体操作システムを示す。本実施例は、既存のスマートキーシステムを用いて車両開閉体操作システムを構築することにより、ユーザ認証関連の構成を簡素化するものである。
【0070】
図10に本実施例の車両開閉体操作システム200(以下、「システム200」という)の制御ブロック図を示す。システム200は、開閉体330、430、530、630及び730に設けられた車両開閉体操作装置300、400、500、600及び700(以下、これらを総称して「装置」という)を備える。開閉体330〜730は、それぞれ右フロントドア、左フロントドア、右リアドア、左リアドア、バックドアに対応するものとする。例示として、フロントドア(330、430)はスイング式であり、装置300及び400として実施例2の装置が適用され、リアドア(530、630)はスライド式であり、装置500及び600として実施例1の装置が適用され、バックドア(730)は跳ね上げ式であり、装置700として実施例3の装置が適用されるものとする。各装置はシステムバスによってスマートECU210に接続されている。なお、システム200を構成する装置数は4以下であってもよいし、6以上であってもよい。
【0071】
装置300〜700はそれぞれ、制御部301〜701、障害物検知部303〜703、可動体駆動部304〜704、検出手段305〜705、アンサーバック手段306〜706、開閉体駆動部307〜707、ユーザ認証受付部310〜710、ユーザ接近検知部311〜711を備え、各装置内の構成要素はコントロールバスで接続されている。また、図10においては、制御部301〜701が各装置に対して個別に設けられるものとするが、複数の装置で共用化されるようにしてもよい。
【0072】
障害物検知部303〜703、可動体駆動部304〜704及び検出手段305〜705は、実施例1の障害物検知部103、可動体駆動部104及び検出手段105とそれぞれ同様の構成及び機能を有するので説明を省略する。
【0073】
ユーザ認証受付部310〜710及びスマートECU210によってスマートキーシステムが構成される。ユーザ認証受付部310〜710はスマートキーシステムの受信部からなり、ユーザの所持する電子キーからの電波(ユーザID)を受信する。スマートECU210は、受信されたユーザIDが登録済みのものか否かを判別する。スマートECU210は、ユーザ認証が成功すると許可信号を出力して開閉体330〜730の全ドアロックを解錠し、ユーザ認証が失敗すると全ドアロックの施錠状態を維持する。ドアロックの解錠を受けて、ユーザ接近検知部311〜711の全てが、検知動作を行い得る待機状態となる。
【0074】
ユーザ接近検知部311〜711は、赤外線センサ、超音波センサ等からなり、開閉体330〜730の各々から所定距離内の人体の有無、即ち、ユーザの有無を検知する。ユーザ接近検知部311〜711のうち、ユーザを検知したものがユーザ接近信号を出力する。これにより、ユーザ接近信号を出力した装置が、ユーザ操作を受け付け得る待機状態となる(より具体的には、障害物検知部が検知動作を行い得る待機状態となる)。例えば、ユーザ接近検知部611がユーザを検知してユーザ接近信号を出力すると、装置600が待機状態となり、障害物検知部603が検知動作を行い得る待機状態となる。
【0075】
なお、障害物検知部303〜703とユーザ接近検知部311〜711をそれぞれ一体化して、障害物及びユーザ検知部(不図示)を構成してもよい。例えば、障害物及びユーザ検知部は、赤外線又は超音波を出射し、その反射赤外線又は反射波の量が第1の値未満である場合には、(障害物は無いが)ユーザが接近していないものとして突出不可信号を出力し(又は、何も出力しない)、反射赤外線又は反射波の量が第1の値以上第2の値未満である場合には、障害物が無く、かつユーザが接近したものとして突出可能信号を出力し、反射赤外線又は反射波の量が第2の値以上である場合には、障害物が可動体の可動範囲内に有るものとして突出不可信号を出力する。実施例1と同様に、突出可能信号を受けた各可動体駆動部が各可動体を突出させる。
【0076】
例示として、第1及び第2のユーザが車両に接近して、それぞれ600(左リアドア)及び開閉体300(右フロントドア)を開ける場合を想定する。まず、開閉体600の方に先に第1のユーザが接近するものとする。ユーザ認証受付部610がユーザの電子キーからの電波を受信し、スマートECU210が第1のユーザを認証して全開閉体のドアロックを解錠する。そして、ユーザ接近検知部611が第1のユーザを検知してユーザ接近信号を出力し、ユーザ接近検知部311が第2のユーザを検知してユーザ接近信号を出力する。なお、ユーザ接近検知部411、511及び711はユーザの接近を検知しないので何も出力しない。その後、装置600及び300において、実施例1の装置100と同様の動作がそれぞれ行われる。
【0077】
本実施例によるシステム200の制御方法について、各ユーザ接近検知部がユーザを検知して装置300〜700のうちで動作対象となる装置が決定されてからの個々の装置の動作は、実施例1の図6A又は6BのフローチャートのステップS10以降と同様である。
【0078】
なお、図10においては、システム内の装置間及び装置内の構成要素間を有線で接続するものを図示しているが、無線通信によって接続する構成としてもよい。
【0079】
[実施例1〜4の総括]
以上のように、本発明の実施例1〜4によると、ユーザが車両開閉体を操作しようとすると、その開閉体の付近に可動体を突出させるとともに、アンサーバック手段106が装置の動作処理状況、操作説明等を表示するようにした。従って、本発明によると、ユーザの足による操作を分かり易く誘導することができるユーザフレンドリーな装置及びシステムを実現することができる。
【0080】
また、本発明の実施例によると、突出された可動体に対して、ユーザは、可動体の下に足を挿入する、可動体の先端部をつま先で押す、又は踵をついた状態でつま先を上げて可動体下面を押すといったように、可動体の下面空間における操作、又は可動体に対してその格納方向に力を加える操作により無理のない姿勢でドア操作を行うことができる。従って、ドア操作に際してユーザはバランスを崩すことがなく安全である。
【0081】
さらに、本発明の実施例によると、車両側におけるドア動作処理状況をユーザに(ドア自体の移動動作ではなく)アンサーバック手段106によって即座に通知する構成としたので、ユーザは検出手段に対して必要以上に長い時間にわたって足を作用させることがなく、最小限の足の動きでドア操作を行うことができる。従って、ドア操作に際してユーザの身体的負担が小さく、使い勝手が良い。
【0082】
[変形例]
上記に本発明の好適な実施例を示したが、本発明の各要素は以下のように変形可能である。以下の変形例においては、特に説明しない構成要素については、実施例1で採用した構成が必要に応じて適用されるものとする。また、ユーザ認証及びその後のドアロック解錠は既に実行済みのものとして各例を説明する。
【0083】
変形例1.
図11A及び11Bは第1の変形例における可動体51の、ボデー2の下面側から見た平面図である。ボデー2にユーザ接近検出手段としてユーザ接近センサ50a、50b及び50cが設けられ、可動体51は車両前後方向に移動可能なものとする。ユーザ接近センサ50a〜50cは赤外線センサ、超音波センサ等であればよい。
【0084】
ここで、ユーザ接近センサ50a〜50cのうち、ユーザ接近センサ50cがユーザの接近を最も強く検知したものとする。すると、図11Aに示すように、可動体51はユーザ接近センサ50c側に移動し、図11Bに示すように、その位置から突出する。ユーザ接近センサ50a〜50cの間の距離は、操作対象となる開閉体に対してユーザが接近し得る範囲を検知できる程度の距離であればよく、例えば、30cm〜1m程度であればよい。
【0085】
なお、ユーザ接近センサ50a〜50cが障害物センサを兼ねる場合には、可動体突出可能と判断したユーザ接近センサのうちで、最も強くユーザの接近を検知したユーザ接近センサの位置から可動体51が突出するようにしてもよい。また、可動体51として足センサ7が設けられた例を示すが、足センサ7の代わりに、実施例1で説明したメカスイッチ12、14又は外力検出機構13を設ける構成としてもよい。
【0086】
本変形例の装置において、可動体51が突出した後の動作は実施例1と同様である。
本変形例によると、可動体51は車両に近づいたユーザの目前に必ず突出されることになり、ユーザの車両側面方向の移動が少なくて済む。
【0087】
変形例2.
図12A及び12Bは第2の変形例における可動体52の、ボデー2の下面側から見た平面図である。ユーザ接近検出手段としてユーザ接近センサ53が可動体52の先端に設けられ、可動体52は車両前後方向に移動可能なものとする。ユーザ接近センサ53は赤外線センサ、超音波センサ等であればよい。
【0088】
図12Aに示すように、可動体52は車両前後方向にスキャン移動し、ユーザ接近センサ53がユーザの接近を最も強く検知した位置を特定する。なお、いずれの位置でもユーザ接近センサ53がユーザの接近を検出しない場合には、可動体52の往復動作を数回継続してもよい。次に、図12Bに示すように、可動体52はその位置から突出する。ユーザ接近センサ53の移動範囲Dは、操作対象となる開閉体に対してユーザが接近し得る範囲を検知できる程度の距離であればよく、例えば、30cm〜1m程度であればよい。
【0089】
なお、ユーザ接近センサ53が障害物センサを兼ねる場合には、可動体突出可能が判断された位置のうちで、最も強くユーザの接近を検知した位置から可動体52が突出するようにしてもよい。
【0090】
本変形例の装置において、可動体52が突出した後の動作は実施例1と同様である。
本変形例によると、変形例1と同様に、可動体52は車両に近づいたユーザの目前に必ず突出されることになり、ユーザの車両側面方向の移動が少なくて済む。
【0091】
変形例3.
図13A及び13Bは第3の変形例における可動体54の、ボデー2の下面側から見た平面図である。可動体54は、突出後に車両前後方向にスキャン移動可能なものとする。なお、スキャンを行うセンサは、変形例2ではユーザ接近センサであったが、本変形例では足センサ7である。
【0092】
図13Aに示すように、まず、可動体54はデフォルトの位置から突出する(不図示の障害物センサにより可動体の突出可能が判断済みであるとする)。次に、図13Bに示すように、可動体54は突出した状態で車両前後方向にスキャン移動し、足センサ7がユーザの足を検知した位置を特定する。なお、いずれの位置でも足センサ7がユーザの足を検出しない場合には、可動体54の往復動作を数回継続してもよい。可動体先端部の足センサ7の移動範囲は、操作対象となる開閉体に対してユーザが接近し得る範囲を検知できる程度の距離であればよく、例えば、30cm〜1m程度であればよい。
また、図13Cに示すように、枢動可能な可動体55を用いてスキャン動作を行うようにしてもよい。
【0093】
本変形例の装置において、足センサ7がユーザの足を検出した後の動作は実施例1と同様である。
本変形例によると、ユーザはボデー2の側面の所定範囲に立ち止まりさえすれば、可動体がユーザの足をスキャン検出するので、足を動かすことなくドアを開動作させることができる。
【0094】
上記各変形例によると、関連する実施例と同様に、検出手段がボデー側面から外側かつ可動体より下方の空間にあるユーザの足を検出する構成としたので、ドア操作の際のユーザの足の動きを最小限にすることができ、ユーザの身体的負担が小さくて済む。
【0095】
以上のように本発明の各実施例及び各変形例によると、車両開閉体操作に関して、ユーザフレンドリーで、安全で、かつユーザの身体的負担の小さい車両開閉体操作装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0096】
1、20、30.車両
2、21、31.ボデー
3、22、23、32.開閉体(ドア)
4.認証部
5、5´、24、25、27、33、51、52、54、55.可動体
6、10、11.障害物センサ
7.足センサ
8.表示部
9.可動体駆動部
12、14.メカスイッチ
13.外力検出機構
50a、50b、50c、53.ユーザ接近センサ
100、300、400、500、600、700.車両開閉体操作装置
101、301、401、501、601、701.制御部
102.ユーザ認証部
103、303、403、503、603、703.障害物検知部
104、304、404、504、604、704.可動体駆動部
105、305、405、505、605、705.検出手段
106、306、406、506、606、706.アンサーバック手段
107、307、407、507、607、707.開閉体駆動部
200.車両開閉体操作システム
210.スマートECU
310、410、510、610、710.ユーザ認証受付部
311、411、511、611、711.ユーザ接近検知部
330、430、530、630、730.開閉体
350、450、550、650、750.可動体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両開閉体を開閉するための車両開閉体操作装置であって、
車両ボデーから車両側方かつ前記車両開閉体よりも低い位置に突出可能に設置された可動体と、
前記可動体が突出された状態で、該可動体の下面空間における、又は該可動体に対する可動体格納方向への、ユーザの動作を検出して検出信号を出力する検出手段と、
前記検出信号に対する前記車両開閉体操作装置の動作処理状況を前記ユーザに通知するアンサーバック手段と、
前記検出信号が出力されたことに応じて前記車両開閉体を開閉動作させるための開閉体駆動部と
を備えた車両開閉体操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両開閉体操作装置において、前記アンサーバック手段は前記可動体の上面に設けられた表示部からなる、車両開閉体操作装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両開閉体操作装置において、前記アンサーバック手段による通知は、前記可動体が前記車両ボデー側に格納される動作からなる、車両開閉体操作装置。
【請求項4】
請求項1から3いずれか一項に記載の車両開閉体操作装置において、前記検出手段が、前記可動体の下面に設けられ、該可動体と地面との間に存在する物体を検知するセンサからなる、車両開閉体操作装置。
【請求項5】
請求項1から3いずれか一項に記載の車両開閉体操作装置において、前記検出手段が、前記可動体の先端部に設けられたスイッチからなる、車両開閉体操作装置。
【請求項6】
請求項1から3いずれか一項に記載の車両開閉体操作装置において、前記検出手段が、前記可動体に対して格納方向に加えられる外力を検出する機構からなる、車両開閉体操作装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の車両開閉体操作装置において、前記可動体が突出したときに、前記検出手段が、前記車両ボデー上面から見て前記車両開閉体の開閉軌跡外に位置するように構成された車両開閉体操作装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の車両開閉体操作装置であって、
前記ユーザを認証するためのユーザ認証部と、
前記可動体の突出範囲の障害物を検知する障害物検知部と
をさらに備え、
前記ユーザの認証が成功し、かつ、前記可動体の突出範囲に障害物が無いことが検知された場合に前記可動体が突出されるように構成された車両開閉体操作装置。
【請求項9】
複数の車両開閉体のそれぞれに対して設けられた請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両開閉体操作装置と、
ユーザを認証するためのスマートキーシステムと
を備え、
前記車両開閉体操作装置の各々が、各開閉体に前記ユーザが接近したことを検知するユーザ接近検知部をさらに備え、
前記スマートキーシステムによるユーザの認証が成功し、かつ、1以上の前記ユーザ接近検知部によってユーザ接近が検知された場合に、該ユーザ接近を検知した1以上のユーザ接近検知部が属する車両開閉体操作装置が待機状態となるように構成された車両開閉体操作システム。
【請求項1】
車両開閉体を開閉するための車両開閉体操作装置であって、
車両ボデーから車両側方かつ前記車両開閉体よりも低い位置に突出可能に設置された可動体と、
前記可動体が突出された状態で、該可動体の下面空間における、又は該可動体に対する可動体格納方向への、ユーザの動作を検出して検出信号を出力する検出手段と、
前記検出信号に対する前記車両開閉体操作装置の動作処理状況を前記ユーザに通知するアンサーバック手段と、
前記検出信号が出力されたことに応じて前記車両開閉体を開閉動作させるための開閉体駆動部と
を備えた車両開閉体操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両開閉体操作装置において、前記アンサーバック手段は前記可動体の上面に設けられた表示部からなる、車両開閉体操作装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両開閉体操作装置において、前記アンサーバック手段による通知は、前記可動体が前記車両ボデー側に格納される動作からなる、車両開閉体操作装置。
【請求項4】
請求項1から3いずれか一項に記載の車両開閉体操作装置において、前記検出手段が、前記可動体の下面に設けられ、該可動体と地面との間に存在する物体を検知するセンサからなる、車両開閉体操作装置。
【請求項5】
請求項1から3いずれか一項に記載の車両開閉体操作装置において、前記検出手段が、前記可動体の先端部に設けられたスイッチからなる、車両開閉体操作装置。
【請求項6】
請求項1から3いずれか一項に記載の車両開閉体操作装置において、前記検出手段が、前記可動体に対して格納方向に加えられる外力を検出する機構からなる、車両開閉体操作装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の車両開閉体操作装置において、前記可動体が突出したときに、前記検出手段が、前記車両ボデー上面から見て前記車両開閉体の開閉軌跡外に位置するように構成された車両開閉体操作装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の車両開閉体操作装置であって、
前記ユーザを認証するためのユーザ認証部と、
前記可動体の突出範囲の障害物を検知する障害物検知部と
をさらに備え、
前記ユーザの認証が成功し、かつ、前記可動体の突出範囲に障害物が無いことが検知された場合に前記可動体が突出されるように構成された車両開閉体操作装置。
【請求項9】
複数の車両開閉体のそれぞれに対して設けられた請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両開閉体操作装置と、
ユーザを認証するためのスマートキーシステムと
を備え、
前記車両開閉体操作装置の各々が、各開閉体に前記ユーザが接近したことを検知するユーザ接近検知部をさらに備え、
前記スマートキーシステムによるユーザの認証が成功し、かつ、1以上の前記ユーザ接近検知部によってユーザ接近が検知された場合に、該ユーザ接近を検知した1以上のユーザ接近検知部が属する車両開閉体操作装置が待機状態となるように構成された車両開閉体操作システム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【公開番号】特開2013−49953(P2013−49953A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186839(P2011−186839)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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