説明

車載機器の盗難防止装置

【課題】 カーナビゲーション等の車載機器の盗難を防止する。
【解決手段】 車室内外に取付け固定される車載機器の盗難を防止する装置として、車載機器11とこの車載機器を車室内外に取り付ける取付部15との間に、該車載機器が取り外されたことを検知する検知手段12,13を設ける。該検知手段により車載機器が取り外されたことを検知したときに警報を発する警報手段21を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室内外に取付け固定される車載機器または車室外装備品(以下、車載機器と称す)、特に車載用カーナビゲーション装置の表示パネル部や車載用オーディオ装置、ナンバープレート等の自動車工場または販売会社出荷時装備品、その他の後付汎用車載用の機器または車室外装用の備品などに適用して好適な車載機器の盗難防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車載機器は、車室内外の所定箇所に、取付部を介して取付け固定され、それぞれの機能動作を行い、またはそれぞれ機能し、あるいは装飾とし用いられるようになっている。
【0003】
ところで、この種の車載機器として、たとえば車載用カーナビゲーション装置などが知られている。そのうち、たとえば後付け表示操作パネルとメインユニットセパレートタイプの表示パネル部または後付け表示操作パネルとメインユニット一体型タイプなどでは、その取り外しが比較的簡単なため、窃盗を目的として悪意をもって簡単に取り外すことができるものである。
【0004】
このような後付けタイプの車載用カーナビゲーション装置などの盗難防止を図るために、その操作パネル部を着脱自在に構成し、該操作パネル部を取り外すことで該装置が起動しないようにすることで、盗難を防止するようにした構成のものが従来既に提案されている(例:特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特開平5−147474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような従来装置では、降車の際には、操作パネル部を取り外して持ち運び、乗車の際には操作パネル部を取り付けることが必要であり、面倒かつ煩雑で、実用面で問題をもつものであった。また、着脱部の耐久性や着脱の際の車体側取り付け部への負担等構造的にも問題であった。しかも、このような構成の装置では、たとえば表示パネル部等というように、操作パネル部とは別体に構成されているものは、簡単に取り外すことができ、数多くの盗難が発生していた。
【0007】
このような車載機器の盗難を防止するための方法としてナビゲーション装置を例に挙げて説明すると、たとえばGPSアンテナを用い、盗難により、車両が移動したときにナビゲーション装置を動作させないように構成したものや、ETC機器との連動でナビゲーション装置の動作を限定させるように構成したもの等が従来から種々提案されているが、自動車メーカーまたはナビゲーション装置メーカーの内部マニュアルを海外等で比較的情報管理があまいところから入手、学習されるとその車種、その装置機種にターゲットを絞って狙われるという、実用面でさまざまな問題があった。
【0008】
すなわち、上述した方法では、いずれも適用する機種や構造が限定され、汎用性に乏しく、また盗難防止を図るという抑制効果も面でも問題である。つまり、上述した抑制機能が搭載されていたとしても、それを研究したものには機能をキャンセルされ、それを知らないものには、盗難に遭った後、正常に作動しないとしても、その場で破棄されてしまうだけという抑制効果はあまり有効に働かないというものであった。
【0009】
したがって、この種の車載機器において、簡単な構造で、汎用性の面でも優れ、盗難を簡単かつ確実に防止することができる、何らかの対策を講じることが望まれている。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、車室内外に取付け固定された車載機器が悪意をもって取り外されたことを簡単かつ確実に検知し、その状態を警報し、犯罪者に未遂で終わらせ、自ら現状復帰に近い状態にすることができる車載機器の盗難防止装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係る車載機器の盗難防止装置は、車室内外に取付け固定される車載機器の盗難を防止する装置であって、車載機器とこの車載機器を車室内外に取り付ける取付部との間に、該車載機器が取り外されたことを検知する検知手段を設けるとともに、該検知手段により車載機器が取り外されたことを検知したときに警報を発するスピーカー等の警報手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
本発明(請求項2記載の発明)に係る車載機器の盗難防止装置は、請求項1記載の車載機器の盗難防止装置において、検知手段は、IDコードが設定されたトランスポンダを組み込んだイモビキーと、そのトランスポンダからのIDコードを受信するアンテナとからなり、イモビキーが前記車載機器側に設けられ、アンテナが車室内外の取付部側に設けられていることを特徴とする。
【0013】
本発明(請求項3記載の発明)に係る車載機器の盗難防止装置は、請求項1または請求項2記載の車載機器の盗難防止装置において、前記トランスポンダからのIDコードを読み取り、前記車載機器が、取付部に取付け固定されていることを感知するとともに、その状態が解除されたときに、警報手段により警報を発するように制御するコントローラを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明に係る車載機器の盗難防止装置によれば、車載機器の車室内外の取付部に検知手段を設けているから、簡単な構成であるにもかかわらず、車載機器が取り外されたことを検知し、警報手段などにより報知することで、盗難防止効果を図ることができる。
また、従来のものは警報が鳴ると機器を元に戻さず逃げるというものであったが、犯人が盗難しようと取り外した車載機器を元の位置に戻すことにより、警報は停止することで、盗難未遂で終わらせる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】 本発明に係る車載機器の盗難防止装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】 本発明に係る車載機器の盗難防止装置を適用した車載用カーナビゲーション装置の概要を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1および図2は本発明に係る車載機器の盗難防止装置の一実施形態を示す。
これらの図において、符号10は車載機器としての車載用カーナビゲーション装置であり、その表示パネル部11は車室内の前部で運転席と助手席との間のダッシュボード1の上部等に取付け固定されている。なお、符号2はカーウインドウである。
【0017】
本発明によれば、例として、車室内に取付け固定される車載用カーナビゲーション装置10の表示パネル部11とこの表示パネル部11を車室内のダッシュボード1に取り付ける取付部15との間に、該表示パネル部11が取り外されたことを検知する検知手段を設けるとともに、該検知手段により表示パネル部11が取り外されたことを検知したときに警報を発する警報手段であるサイレン21を設けたことを特徴とする。
【0018】
なお、このサイレン21は、配線を切断されても警報が止まらない充電型バッテリーを搭載しているタイプを用いることが望ましい。勿論、この種の警報手段としては、従来から周知の構造をもつものであって、警報を発することができるものであれば、スピーカー、ブザー、照射等というように、どのような構造をもつものでもよい。また、コントローラ20とスピーカーとの間の伝達手段はワイヤレスであっても構わない。
【0019】
ここで、検知手段は、IDコードが設定されたトランスポンダを組み込んだイモビキー12と、そのトランスポンダからのIDコードを受信するアンテナ13とからなり、イモビキー12が前記表示パネル部11側に設けられ、アンテナ13が車室内の取付部15の近くに設けられている。
【0020】
前記トランスポンダからのIDコードを読み取り、前記表示パネル部11が取付部15の近くに取付け固定されていることを感知するとともに、その状態が解除されたときに、サイレン21により警報を発するように制御するコントローラ20を備えている。
【0021】
なお、図中22は発光手段であるLEDであり、この盗難防止装置が稼働状態であること等を報知するためのものである。
【0022】
以上の構成によれば、表示パネル部11を車室内に取付け固定した取付部15との間にイモビキー12とアンテナ13とからなる検知手段を設けているので、表示パネル部11が取り外されたことを検知し、その状態を警報手段であるサイレン21によって警告することができる。これにより、盗難防止を図ることが可能となる。
【0023】
換言すれば、イモビキー12をもつ表示パネル部11が取付部15付近から取り外されて持ち運ばれると、イモビキー12のトランスポンダからの信号が、アンテナ13の検知範囲外に至るため、これがコントローラ20で検知され、サイレン21が鳴り出すことで警告がなされることになるのである。
【0024】
このような盗難防止装置は、たとえばレンタカーショップやタクシー会社、運送会社等での駐車場において駐車しているレンタカー等の車両からカーナビゲーション装置10の盗難を防ぐことができるものであり、その実用上での効果は大きい。
【0025】
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、車載機器やその盗難防止装置を構成するアンテナ、トランスポンダのカバー等、各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
【0026】
たとえば上述した実施形態では、トランスポンダとして説明したが、これに代えて同等の機能をもつICカード等でタグとして用いられるRFIDを構成するICチップを用いてよいことは言うまでもない。
【0027】
また、上述した実施形態では、トランスポンダがアンテナ13から所定の検知範囲外になったときにサイレン21などで警報を発するようにした場合を説明したが、これ以外に、たとえばアンテナ21が切断された場合にも、検知範囲外になったことと同様に、これを認識して警告を発するように構成してもよい。
【0028】
さらに、上述した実施形態では、車載機器として、車載用カーナビゲーション装置10の表示パネル部11を例として説明したが、本発明はこれに限定されず、車室内外に取付け固定されるものであれば、たとえば車両テレビ、ナンバープレート、ドライブレコーダー、料金計器、現金等の貴重品用簡易金庫、ドアミラー、タイヤ、ホイール、エンブレム等といった各種の車載機器に適用可能である。
【0029】
また、本発明によれば、たとえば本体アンテナを内蔵したキーケースをバンパー裏側等車体にボルト等で固定し、これに附属するトランスポンダーチップを防水処理したリストバンドや指輪、ペンダント等車両から離れている時に身につけるものに固定し、現在マーケットで主流である防水されていない衝撃に弱い等の弱点を持つ車両用電子キー内部に保管、本体に12ボルトを導通させると、サーファー等の駐車中のキー保管ボックスになる。
【0030】
また、本体とアンプ&スピーカー部との間に音声モジュールを組み入れることにより、警告として、たとえば“元の位置に戻せば警報音は鳴り止みます”等のメッセージを音声で伝えることも可能となる。
【符号の説明】
【0031】
1 ダッシュボード
2 カーウインドウ
10 車載用カーナビゲーション装置(車載機器)
11 表示パネル部
12 被取付部
13 取付部
15 支持柱
20 コントローラ
21 サイレン(警報手段)
22 LED(稼働状態報知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内外に取付け固定される車載機器の盗難を防止する装置であって、
車載機器とこの車載機器を車室内外に取り付ける取付部との間に、該車載機器が取り外されたことを検知する検知手段を設けるとともに、
該検知手段により車載機器が取り外されたことを検知したときに警報を発する警報手段を設けたことを特徴とする車載機器の盗難防止装置。
【請求項2】
請求項1記載の車載機器の盗難防止装置において、
検知手段は、IDコードが設定されたトランスポンダを組み込んだイモビキーと、そのトランスポンダからのIDコードを受信するアンテナとからなり、
イモビキーが前記車載機器側に設けられ、アンテナが車室内外の取付部側に設けられていることを特徴とする車載機器の盗難防止装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の車載機器の盗難防止装置において、
前記トランスポンダからのIDコードを読み取り、前記、車載機器が取付部に取付け固定されていることを感知するとともに、その状態が解除されたときに、警報手段により警報を発するように制御するコントローラを備えていることを特徴とする車載機器の盗難防止装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−287198(P2010−287198A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160217(P2009−160217)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【出願人】(509137021)ツーフィット株式会社 (5)
【Fターム(参考)】