説明

車載用アルコール検査システム

【課題】 車両の運転者が飲酒状態であるか否かの再検査の催促を運転者の運転時に行うことができる車載用アルコール検査システムを提供する。
【解決手段】 車両に搭載されるアルコールインターロックシステムの制御部は、車両の運転者が飲酒状態であるか否かの検査を行い(S230)、最終催促が実行される時期までの残り時間であるランダムタイマをカウントし(S242)、最終催促が実行される時期に到達したと判断したとき(S252でYES)に最終催促を運転者に行い(S254)、ランダムタイマがカウント停止時間であるとき(S248でYES)であって、車両が停止していることを判断したとき(S250でYES)、ランダムタイマのカウント(S242)を停止することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転者が飲酒状態であるか否かの検査を行う車載用アルコール検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車載用アルコール検査システムとしては、車両の運転者が飲酒状態であるか否かの判定を行う飲酒運転判定手段と、飲酒運転判定手段による判定を再び行うことを運転者に要求する再検査要求手段とを備えている飲酒運転判定装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。再検査要求手段による要求は、第1所定時間または第2所定時間に到達したときに実行される。
【0003】
また、従来の車載用アルコール検査システムとしては、車両の運転者が飲酒状態であるか否かの検出を行うアルコール検出部と、アルコール検出部による検出を行うことを運転者に要求する検査実行部とを備えている飲酒運転防止装置も知られている(例えば、特許文献2参照。)。検査実行部による要求は、検査タイミングに到達したときに実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−56923号公報
【特許文献2】特開2009−18712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
運転者は、車両をサービスエリアなどに停止させて車両の内部で睡眠をとることがある。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された飲酒運転判定装置においては、車両が停止しているときにも第1所定時間または第2所定時間に到達する場合があり、飲酒運転判定手段による判定を再び行うことを睡眠中の運転者に要求するという問題がある。
【0007】
同様に、特許文献2に記載された飲酒運転防止装置においては、車両が停止しているときにも検査タイミングに到達する場合があり、アルコール検出部による検出を行うことを睡眠中の運転者に要求するという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、車両の運転者が飲酒状態であるか否かの再検査の催促を運転者の運転時に行うことができる車載用アルコール検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の車載用アルコール検査システムは、車両の運転者が飲酒状態であるか否かの検査を行う飲酒状態検査手段と、前記検査の後の所定の時期までの残り時間をカウントする時間カウント手段と、前記時間カウント手段によってカウントされた前記残り時間に基づいて前記時期に到達したか否かを判断する到達判断手段と、前記検査を再び行うことの催促を前記運転者に行う検査催促手段と、前記車両が停止しているか否かを判断する停車判断手段とを備えていて前記車両に搭載される車載用アルコール検査システムであって、前記検査催促手段は、前記時期に到達したと前記到達判断手段によって判断されたときに前記催促を行い、前記時間カウント手段は、前記残り時間のカウントを停止する基準となるカウント停止時間に前記残り時間がなっているときであって、前記車両が停止していることが前記停車判断手段によって判断されたとき、前記残り時間のカウントを停止することを特徴とする。
【0010】
この構成により、本発明の車載用アルコール検査システムは、車両が停止しているときに時間カウント手段が残り時間のカウントを停止するので、車両が停止しているときに所定の時期に到達することがない。すなわち、本発明の車載用アルコール検査システムは、車両の運転者が飲酒状態であるか否かの再検査の催促を運転者の運転時に行うことができる。
【0011】
また、本発明の車載用アルコール検査システムは、前記カウント停止時間を設定するカウント停止時間設定手段を備えていることが好ましい。
【0012】
この構成により、本発明の車載用アルコール検査システムは、残り時間のカウントが一旦停止させられてから再開されるときの催促のタイミングを利用者に調整させることができる。
【0013】
また、本発明の車載用アルコール検査システムの前記時間カウント手段は、前記残り時間を短縮する基準となる短縮基準時間以上連続して、前記車両が停止していることが前記停車判断手段によって判断されているとき、前記残り時間を前記カウント停止時間に短縮することが好ましい。
【0014】
この構成により、本発明の車載用アルコール検査システムは、車両が短縮基準時間以上連続して停止しているときに時間カウント手段が残り時間をカウント停止時間に短縮するので、運転者が車両を短縮基準時間以上連続して停止してから運転を開始した場合、カウント停止時間の経過後に再検査の催促を運転者に行うことができる。
【0015】
また、本発明の車載用アルコール検査システムは、前記短縮基準時間を設定する短縮基準時間設定手段を備えていることが好ましい。
【0016】
この構成により、本発明の車載用アルコール検査システムは、残り時間が短縮されるための車両の停止時間を利用者に調整させることができる。
【0017】
また、本発明の車載用アルコール検査システムは、前記車両の原動機の始動を許可または禁止する始動制御手段を備えており、前記飲酒状態検査手段は、前記原動機が停止している状態で前記検査を行い、前記始動制御手段は、前記運転者が飲酒状態ではないことが前記検査の結果であるときに前記始動を許可し、前記運転者が飲酒状態であることが前記検査の結果であるときに前記始動を禁止することが好ましい。
【0018】
この構成により、本発明の車載用アルコール検査システムは、アルコールインターロックシステムとして機能することができる。
【0019】
本発明の車両は、車載用アルコール検査システムを備えていることを特徴とする。
【0020】
この構成により、本発明の車両は、車両自身が停止しているときに時間カウント手段が残り時間のカウントを停止するので、車両自身が停止していないときに所定の時期に到達することがない。すなわち、本発明の車両は、運転者が飲酒状態であるか否かの再検査の催促を運転者の運転時に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の車載用アルコール検査システムは、車両の運転者が飲酒状態であるか否かの再検査の催促を運転者の運転時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るアルコールインターロックシステムの斜視図である。
【図2】図1に示すアルコールインターロックシステムのブロック図である。
【図3】図1に示すハンディーユニットのブロック図である。
【図4】図1に示す表示ユニットのブロック図である。
【図5】図1に示すGPSユニットのブロック図である。
【図6】図1に示すコントロールユニットのブロック図である。
【図7】図1に示すアルコールインターロックシステムの動作のフローチャートである。
【図8】図1に示すアルコールインターロックシステムの動作のうち図7に示す動作の続きのフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るアルコールインターロックシステムの動作のうち図7に示す動作の続きのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態に係る車載用アルコール検査システムとしてのアルコールインターロックシステムの構成について説明する。
【0025】
図1は、本実施の形態に係るアルコールインターロックシステム10の斜視図である。
【0026】
図1に示すように、アルコールインターロックシステム10は、車両100のダッシュボード101の正面のうちハンドル102の左側の部分に着脱可能に取り付けられたハンディーユニット20と、ダッシュボード101の上面のうちハンドル102の近傍の部分に設置されて各種の表示を行う表示ユニット40と、車両100のバックミラー103の上部に設置されたGPS(Global Positioning System)ユニット60と、ダッシュボード101の内部に設置されてハンディーユニット20および表示ユニット40の制御を行うコントロールユニット80と、ハンディーユニット20およびコントロールユニット80を電気的に接続するケーブル11と、表示ユニット40およびコントロールユニット80を電気的に接続するケーブル12と、GPSユニット60およびコントロールユニット80を電気的に接続するケーブル13とを備えている。アルコールインターロックシステム10は、運転者が飲酒状態であるときに運転者による車両100の運転を許可しないシステムである。
【0027】
ハンディーユニット20は、運転者が運転前に呼気中のアルコール濃度を測るための装置である。ハンディーユニット20は、ケース21と、ケース21の上部に設けられた交換可能なマウスピース22と、ケース21の正面に設けられて運転者に押されるスイッチ23とを備えており、ケース21の下部にケーブル11が接続されている。マウスピース22は、運転者の呼気が注入されるためのものである。
【0028】
表示ユニット40は、運転者の呼気中のアルコール濃度を表示したり、操作手順を音声および表示によって示したりする装置である。表示ユニット40は、ケース41と、ケース41の正面の左端に設けられてハンディーユニット20の後述するアルコール燃料電池センサ26(図3参照。)がウォームアップ中であることを表示するためのWarmUPランプ42と、ケース41の正面のWarmUPランプ42の右隣に設けられて運転者に呼気の吹込みを促すためのBlowランプ43と、ケース41の正面のBlowランプ43の右隣に設けられてアルコール燃料電池センサ26によるアルコール濃度の測定中であることを表示するためのWaitランプ44と、ケース41の正面のWaitランプ44の右隣に設けられて運転者が飲酒状態であると判定されなかったことを表示するOKランプ45と、ケース41の正面のOKランプ45の右隣に設けられて運転者が飲酒状態であると判定されたことを表示するNGランプ46と、ケース41の正面のNGランプ46の右隣に設けられてアルコール濃度を表示する7セグメント表示の表示部47と、ケース41の上面に設けられて運転者の右手の指の指紋を読み取る指紋読取部48と、ケース41の上面の指紋読取部48の右隣に設けられたスピーカ49とを備えており、ケース41の背面にケーブル12が接続されている。表示ユニット40は、表示部47が運転者から視認されやすい位置に設置されている。
【0029】
GPSユニット60は、ケース61を備えており、ケース61にケーブル13が接続されている。
【0030】
コントロールユニット80は、ケース81と、ケース81の上面に立てられたアンテナ82とを備えており、ケース81の背面にケーブル11〜13が接続されている。
【0031】
図2は、アルコールインターロックシステム10のブロック図である。
【0032】
図2に示すように、コントロールユニット80は、端子83aおよび端子83bと、端子83aおよび端子83bの電気的な接続状態を切り替えるスイッチ83cと、スイッチ83cを駆動する電磁石83dとを備えたインターロック用リレー83を備えている。
【0033】
車両100は、原動機としてのエンジン110と、バッテリ111と、バッテリ111によって駆動されてエンジン110を始動させるためのセルモータ112と、バッテリ111およびセルモータ112の電気的な接続状態を切り替えるスタータリレー113と、キーが回されることによってバッテリ111およびスタータリレー113の電気的な接続状態を切り替えるスタータキースイッチ114と、車両100の速度を表す車速パルス信号を発生させる車速パルス発生器115とを備えている。
【0034】
バッテリ111は、アースに電気的に接続されたマイナス端子111aと、プラス端子111bとを備えている。
【0035】
セルモータ112は、アースおよびバッテリ111のマイナス端子111aに電気的に接続された端子112aと、端子112bとを備えている。
【0036】
スタータリレー113は、セルモータ112の端子112bに電気的に接続された端子113aと、バッテリ111のプラス端子111bに電気的に接続された端子113bと、端子113aおよび端子113bの電気的な接続状態を切り替えるスイッチ113cと、スイッチ113cを駆動する電磁石113dとを備えている。電磁石113dは、アース、バッテリ111のマイナス端子111aおよびセルモータ112の端子112aに電気的に接続された端子113eと、インターロック用リレー83のスイッチ83cの端子83aに電気的に接続された端子113fとを備えている。
【0037】
スタータキースイッチ114は、バッテリ111のプラス端子111bおよびスタータリレー113の端子113bに電気的に接続された端子114aと、車両100のエンジン110を停止させるためのOFF端子114bと、車両100のアクセサリ電源をオン状態とするためのACC端子114cと、イグニッション電源をオン状態とするためのON端子114dと、セルモータ112を始動させるためのSTART端子114eとを備えている。START端子114eは、コントロールユニット80のインターロック用リレー83の端子83bに電気的に接続されている。
【0038】
なお、バッテリ111の電力は、コントロールユニット80に供給され、コントロールユニット80からケーブル11、12、13を介してハンディーユニット20、表示ユニット40、GPSユニット60にも供給されている。以下の説明においては、電力の供給についての説明を省略する。
【0039】
図3は、ハンディーユニット20のブロック図である。
【0040】
図3に示すように、ハンディーユニット20は、ケーブル11(図1参照。)を介してコントロールユニット80に電気的に接続された外部インターフェース24と、マウスピース22(図1参照。)から吹込まれる呼気を検出するための呼気センサ25と、呼気中のアルコール濃度を測定するためのアルコール燃料電池センサ26と、ハンディーユニット20の各構成を制御する制御部27とをケース21(図1参照。)の内部に備えている。
【0041】
呼気センサ25としては、例えば、マウスピース22から吹込まれる気体の圧力を測定する圧力センサ、マウスピース22から吹込まれる気体の温度が人間の呼気の温度であるか否かを確認するためにマウスピース22から吹込まれる気体の温度を測定する温度センサ、マウスピース22から吹込まれる気体中の炭酸ガスの濃度が人間の呼気中の炭酸ガスの濃度であるか否かを確認するためにマウスピース22から吹込まれる気体中の炭酸ガスの濃度を測定する呼気COセンサなどが採用され得る。
【0042】
制御部27は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行することによって制御部27を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0043】
図4は、図1に示す表示ユニット40のブロック図である。
【0044】
図4に示すように、表示ユニット40は、ケーブル12(図1参照。)を介してコントロールユニット80に電気的に接続された外部インターフェース50と、数千人の指紋の画像をID(以下「登録者ID」という。)とともに登録可能であって登録された指紋の画像に基づいて指紋読取部48によって読み取られた指紋の認証を行う指紋認証モジュール51と、スピーカ49によって出力される音声を生成する音声LSI(Large Scale Integration)52と、表示ユニット40の各構成を制御する制御部53とをケース41(図1参照。)の内部に備えている。
【0045】
制御部53は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行することによって制御部53を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0046】
図5は、GPSユニット60の構成を示すブロック図である。
【0047】
図5に示すように、GPSユニット60は、ケーブル13(図1参照。)を介してコントロールユニット80に電気的に接続された外部インターフェース62と、場所を特定するためのGPS電波を受信する内蔵アンテナ63と、内蔵アンテナ63によって受信したGPS電波を復号するためのGPS受信モジュール64と、GPSユニット60の各構成を制御する制御部65とをケース61(図1参照。)の内部に備えている。
【0048】
制御部65は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行することによって制御部65を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0049】
図6は、コントロールユニット80のブロック図である。
【0050】
図6に示すように、コントロールユニット80は、上述したインターロック用リレー83と、外部インターフェース84と、インターロック用リレー83の電磁石83dに電気的に接続されたアンプ85と、アンテナ82を介して外部と無線通信を行うための通信モジュール86と、時間を計測するための時計LSI(Large Scale Integration)87と、時計LSI87の電力源であるリチウム電池88と、車両100(図1参照。)の加速度を測定するための加速度センサ89と、飲酒状態の判定結果の履歴情報などの各種のデータを記録するLOGメモリ90と、コントロールユニット80の各構成を制御する制御部91とをケース81(図1参照。)の内部に備えている。
【0051】
インターロック用リレー83の端子83aは、図1に示していないケーブルを介してスタータリレー113(図2参照。)の端子113fに電気的に接続されている。インターロック用リレー83の端子83bは、図1に示していないケーブルを介してスタータキースイッチ114(図2参照。)のSTART端子114eに電気的に接続されている。外部インターフェース84は、それぞれケーブル11、12、13(図1参照。)を介してハンディーユニット20、表示ユニット40、GPSユニット60に電気的に接続されているとともに、図1に示していないケーブルを介してバッテリ111(図2参照。)のマイナス端子111aおよびプラス端子111bと、スタータキースイッチ114のACC端子114cと、車速パルス発生器115とに電気的に接続されている。
【0052】
LOGメモリ90は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの記憶デバイスによって構成されている。
【0053】
制御部91は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行することによって制御部91を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0054】
次に、アルコールインターロックシステム10の動作について説明する。
【0055】
図7は、アルコールインターロックシステム10の動作のフローチャートである。
【0056】
運転者が車両100の運転席に座ってハンディーユニット20のスイッチ23を押すと、コントロールユニット80の制御部91は、スイッチ23が押されたことを検知して、図7に示す動作を開始する。
【0057】
なお、制御部91が図7に示す動作を開始するとき、車両100のエンジン110は停止している状態であり、インターロック用リレー83のスイッチ83cは開かれている。したがって、運転者は、スタータキースイッチ114のキーを回して端子114aと、START端子114eとを電気的に接続させたとしても、車両100のエンジン110を始動することができない。
【0058】
図7に示すように、まず、制御部91は、車両100が動いているか否かを判断する(S202)。なお、制御部91は、車両100が動いているか否かを様々な方法によって判断することができる。例えば、制御部91は、車両100の車速パルス発生器115からの出力に基づいて、車両100の速度が0より大きいときに車両100が動いていると判断することができる。また、制御部91は、加速度センサ89からの出力に基づいて、車両100の加速度が0より大きいときに車両100が動いていると判断することができる。また、制御部91は、車両100が動いているときにはバッテリ111が発電および充電されて電圧が高くなることを利用して、バッテリ111の電圧が所定の電圧以上であるときに車両100が動いていると判断することもできる。また、制御部91は、GPSユニット60からのGPS情報に基づいた現在位置の変化によっても、車両100が動いているか否かを判断することができる。
【0059】
制御部91は、車両100が動いているとS202において判断すると、車両100を止めてから操作をやり直すように表示ユニット40のスピーカ49から音声で出力して(S204)、図7に示す一連の処理を終了する。
【0060】
一方、制御部91は、車両100が動いていないとS202において判断すると、表示ユニット40の指紋認証モジュール51に指紋認証を行わせる。指紋認証モジュール51は、自身に事前に登録されている指紋の画像と、表示ユニット40の指紋読取部48から読み取った運転者の指紋の画像とに基づいて認証を行って、認証が成功した場合には、指紋読取部48から読み取った運転者の指紋の画像に対応する登録者IDを制御部91に送信し、認証が失敗した場合には、認証の失敗を示す登録者ID、例えばNo.9999を制御部91に送信する。制御部91は、指紋認証モジュール51から登録者IDが送信されると、指紋認証モジュール51から送信された登録者IDに基づいて、認証が成功したか否かを判断する(S206)。
【0061】
制御部91は、S206において認証が失敗したと判断すると、認証が失敗したことをスピーカ49から音声で出力して(S208)、図7に示す一連の処理を終了する。
【0062】
制御部91は、S206において認証が成功したと判断すると、ハンディーユニット20のアルコール燃料電池センサ26のウォームアップを開始して、表示ユニット40のWarmUPランプ42の点灯と、スピーカ49からの音声による出力とによって、アルコール燃料電池センサ26をウォームアップ中であることを通知する(S210)。ここで、アルコール燃料電池センサ26のウォームアップとは、周囲の気温が例えば−45℃のように低温であってもアルコール燃料電池センサ26の内部のヒータ回路によってアルコール燃料電池センサ26を加熱して、アルコール燃料電池センサ26の内部の温度を一定の33℃まで引き上げることにより均一な測定性能を維持する動作である。そして、制御部91は、ウォームアップが完了するまで待機する(S212)。
【0063】
制御部91は、S212においてウォームアップが完了したと判断すると、表示ユニット40のBlowランプ43の点灯と、スピーカ49からの音声による出力とによって、運転者による呼気の吹き込みを促す(S214)。
【0064】
次いで、制御部91は、アルコール濃度の測定に必要な呼気が呼気センサ25によって検出されたか否かを判断する(S216)。
【0065】
制御部91は、アルコール濃度の測定に必要な呼気が呼気センサ25によって検出されていないとS216において判断すると、S216の処理を繰り返す。
【0066】
一方、制御部91は、アルコール濃度の測定に必要な呼気が呼気センサ25によって検出されたとS216において判断すると、ハンディーユニット20のアルコール燃料電池センサ26によるアルコール濃度の測定を開始し(S218)、表示ユニット40のWaitランプ44の点灯と、スピーカ49からの音声による出力とによって、アルコール燃料電池センサ26によるアルコール濃度の測定中であることを通知する(S220)。
【0067】
そして、制御部91は、S218において開始した測定が終了すると、S206において指紋認証モジュール51から送信された登録者IDと、時計LSI87から得られる現在時刻と、GPSユニット60からのGPS情報に基づいた現在位置と、測定されたアルコール濃度とをLOGメモリ90に記録し(S222)、測定されたアルコール濃度を表示ユニット40の表示部47の表示によって通知する(S224)。
【0068】
図8は、アルコールインターロックシステム10の動作のうち図7に示す動作の続きのフローチャートである。
【0069】
図8に示すように、制御部91は、図7に示すS224の処理の後、測定されたアルコール濃度が所定の基準値以下であるか否かを判断する(S230)。すなわち、制御部91は、車両100の運転者が飲酒状態であるか否かの検査を行うようになっており、本発明の飲酒状態検査手段を構成している。
【0070】
制御部91は、S230においてアルコール濃度が所定の基準値を超えていると判断すると、飲酒状態であると判定したためにエンジン110を始動できないことを、表示ユニット40のNGランプ46の点灯と、スピーカ49からの音声による出力とによって通知して(S232)、図7および図8に示す一連の処理を終了する。
【0071】
一方、制御部91は、S230においてアルコール濃度が所定の基準値以下であると判断すると、アンプ85を介してインターロック用リレー83の電磁石83dに電力を供給してスイッチ83cを閉じる(S234)。
【0072】
なお、制御部91は、S234においてスイッチ83cを閉じた後、5分間が経過すると、スイッチ83cを開く。したがって、運転者は、5分以内にスタータキースイッチ114のキーを回して端子114aと、START端子114eとを電気的に接続させることによって、車両100のエンジン110を始動することができる。すなわち、スタータキースイッチ114の端子114aと、START端子114eとが電気的に接続させられると、コントロールユニット80のインターロック用リレー83のスイッチ83cと、スタータキースイッチ114とを介してスタータリレー113の電磁石113dにバッテリ111の電力が供給されてスイッチ113cが閉じ、それによってスタータリレー113のスイッチ113cを介してセルモータ112にバッテリ111の電力が供給されて、車両100のエンジン110が始動させられる。このように、制御部91は、運転者が飲酒状態ではないことが検査の結果であるとき(S230でYES)に車両100のエンジン110の始動を許可し(S234)、運転者が飲酒状態であることが検査の結果であるとき(S230でNO)に車両100のエンジン110の始動を禁止するようになっており、本発明の始動制御手段を構成している。
【0073】
制御部91は、S234の処理の後、飲酒状態であると判定しなかったためにエンジン110を始動できることを、表示ユニット40のOKランプ45の点灯と、スピーカ49からの音声による出力とによって通知する(S236)。
【0074】
次いで、制御部91は、車両100からエンジン110の始動を示す信号を受信すると、アルコール濃度の再測定がなされるべき時期までの時間をカウントするためのランダムタイマの値を決定して(S238)、値を決定したランダムタイマをLOGメモリ90にセットする(S240)。なお、S238において決定される値は、例えば60分から180分までのランダムな時間である。
【0075】
次いで、制御部91は、LOGメモリ90にセットしているランダムタイマを時計LSI87の出力値に基づいて1秒減算する(S242)。なお、ランダムタイマは、0秒まで減算されると、それ以降は0秒に維持される。ここで、ランダムタイマは、後述する最終催促が実行される時期までの残り時間である。最終催促が実行される時期は、本発明の所定の時期を構成している。また、制御部91は、ランダムタイマを減算(カウント)するようになっており、本発明の時間カウント手段を構成している。
【0076】
次いで、制御部91は、ランダムタイマが通常催促時間であるか否かを判断する(S244)。ここで、「車両100のエンジン110を停止してアルコール濃度の測定を再び行う」ことの運転者への催促には、ランダムタイマが例えば30分、20分、10分のときに行われる通常催促と、ランダムタイマが0秒のときに行われる最終催促とがある。通常催促時間とは、通常催促が実行される時間であって、例えば30分、20分、10分である。
【0077】
制御部91は、ランダムタイマが通常催促時間であるとS244において判断すると、表示ユニット40の表示部47の表示と、スピーカ49からの音声による出力とによって通常催促を行い(S246)、再びS242の処理に戻る。運転者は、通常催促を受けた場合、アルコール濃度の測定を再び行うために、車両100を路肩などに停止させることができる。
【0078】
一方、制御部91は、ランダムタイマが通常催促時間ではないとS244において判断すると、ランダムタイマがカウント停止時間であるか否かを判断する(S248)。ここで、カウント停止時間とは、ランダムタイマのカウントを停止する基準となる時間であって、例えば1秒である。
【0079】
制御部91は、ランダムタイマがカウント停止時間であるとS248において判断すると、車両100のエンジン110が動作している状態で、車両100が停止中であるか否かを判断する(S250)。車両100は、アイドリング中や信号待ちなどのときに、エンジン110を停止することなく停車していることがある。ここで、車両100が停止中であるか否かは、どのような方法によって判断されても良い。例えば、制御部91は、車両100の車速パルス発生器115からの出力に基づいて車両100の速度が0より大きいか否かによって車両100が停止中であるか否かを判断しても良い。また、制御部91は、加速度センサ89からの出力に基づいて車両100が停止中であるか否かを判断しても良い。また、車両100が動いているときにはバッテリ111が発電および充電されて電圧が高くなることを利用して、制御部91は、バッテリ111の電圧が所定の電圧以上であるときに車両100が動いていると判断することもできる。また、制御部91は、GPSユニット60からのGPS情報に基づいた現在位置の変化によっても、車両100が動いているか否かを判断することもできる。また、制御部91は、車両100のパーキングブレーキが掛けられているか否かを車両100からの信号によって検知して、車両100のパーキングブレーキが掛けられているときに車両100が停止中であると判断しても良い。また、制御部91は、車両100のセレクターがパーキングポジションであるか否かを車両100からの信号によって検知して、車両100のセレクターがパーキングポジションであるときに車両100が停止中であると判断しても良い。また、制御部91は、車両100の速度を計測する図示していない車速センサからの信号を検知して、車速センサの計測値が0m/hであるときに車両100が停止中であると判断しても良い。このように、制御部91は、車両100が停止しているか否かを判断するようになっており、本発明の停車判断手段を構成している。
【0080】
制御部91は、車両100が停止中であるとS250において判断すると、再びS250の処理を繰り返す。すなわち、制御部91は、ランダムタイマがカウント停止時間であると判断したとき(S248でYES)であって、車両100が停止していることを判断したとき(S250でYES)、ランダムタイマのカウント(S242)を停止するようになっている。
【0081】
一方、制御部91は、車両100が停止中ではないとS250において判断すると、再びS242の処理に戻る。
【0082】
制御部91は、ランダムタイマがカウント停止時間ではないとS248において判断すると、ランダムタイマが0秒であるか否かを判断する(S252)。すなわち、制御部91は、最終催促が実行される時期に到達したか否かをランダムタイマに基づいて判断するようになっており、本発明の到達判断手段を構成している。
【0083】
制御部91は、ランダムタイマが0秒ではないとS252において判断すると、再びS242の処理に戻る。
【0084】
一方、制御部91は、ランダムタイマが0秒であるとS252において判断すると、表示ユニット40の表示部47の表示と、スピーカ49からの音声による出力とによって最終催促を行う(S254)。運転者は、最終催促を受けた場合、アルコール濃度の測定を再び行うために、車両100を路肩などに停止させることができる。このように、制御部91は、車両100の運転者が飲酒状態であるか否かの検査を再び行うことの催促を、ランダムタイマが0秒に到達したときに運転者に行うようになっており、本発明の検査催促手段を構成している。
【0085】
次いで、制御部91は、S206において指紋認証モジュール51から送信された登録者IDと、時計LSI87から得られる現在時刻と、GPSユニット60からのGPS情報に基づいた現在位置と、再測定を行わなかったこととをLOGメモリ90に記録し(S256)、再びS238の処理に戻る。
【0086】
なお、制御部91は、図7および図8に示す処理において、車両100からエンジン110の停止を示す信号を受信した場合には、図7および図8に示す一連の処理を終了する。
【0087】
LOGメモリ90に記録された各種情報は、後で様々な目的で使用されることができる。例えば、LOGメモリ90に記録された飲酒状態の判定結果は、飲酒運転の常習者の場合には定期的に所轄の警察署で監視に使用されたり、業務用の場合には定期的に管理本部で監視に使用されたりすることができる。
【0088】
また、LOGメモリ90に記録される各種情報は、コントロールユニット80のアンテナ82および通信モジュール86によって外部に送信されるようになっていても良い。例えば、飲酒状態の判定結果は、飲酒運転の常習者の場合にはリアルタイムで所轄の警察署のメールサーバに送信されたり、業務用の場合にはリアルタイムで管理本部のメールサーバに送信されたりすることができる。もちろん、LOGメモリ90に記録された各種情報は、コントロールユニット80のアンテナ82および通信モジュール86を介して外部から読み出されるようになっていても良い。
【0089】
また、アルコールインターロックシステム10は、登録者IDを指紋認証によって入力するようになっているが、他の方法によって入力するようになっていても良い。例えば、登録者IDは、磁気カードやIC(Integrated Circuit)カードによって入力されるようになっていても良い。
【0090】
以上に説明したように、アルコールインターロックシステム10は、ランダムタイマがカウント停止時間に到達しているときであって、車両100が停止しているときに、制御部91がランダムタイマのカウントを停止するので、車両100が停止しているときにランダムタイマが0秒に到達することがない。すなわち、アルコールインターロックシステム10は、最終催促を運転者の運転時に行うことができる。
【0091】
例えば、長距離を運転する運転者などは、夏の夜に車両100をサービスエリアなどに停めながら車両100の冷房を機能させて車両100の内部で睡眠をとったり、冬の夜に車両100をサービスエリアなどに停めながら車両100の暖房を機能させて車両100の内部で睡眠をとったりすることがあるが、このようにエンジン110を停止させずに車両100が停止している状態では最終催促が開始されないので、最終催促によって睡眠が妨害されず、十分に安眠することができる。そして、運転者が車両100の運転を再開する場合には、ランダムタイマのカウントが再び開始されて直ぐに0秒になり、最終催促が行われる。したがって、サービスエリア内で休憩中に飲酒した運転者が飲酒状態の検査を受けずに高速道路に出ることを防止することができる。
【0092】
なお、カウント停止時間は、本実施の形態において1秒であったが、5秒や、10秒など、短い時間であれば1秒に限られない。
【0093】
また、アルコールインターロックシステム10は、利用者からの指示に応じて制御部91がカウント停止時間を設定するようになっていても良い。すなわち、制御部91は、本発明のカウント停止時間設定手段を構成するようになっていても良い。この構成により、アルコールインターロックシステム10は、ランダムタイマのカウントが一旦停止させられてから再開されるときの最終催促のタイミングを、管理本部など、利用者に調整させることができる。
【0094】
また、本発明の車載用アルコール検査システムは、本実施の形態においてアルコールインターロックシステムとして機能するようになっているが、アルコールインターロックシステムとして機能せずに単に飲酒状態の検査を行うようになっていても良い。
【0095】
また、アルコールインターロックシステム10は、アルコール濃度の測定の催促をランダムな時期に抜き打ちで行うので、通常催促の時期や最終催促の時期が運転者に予想されることを防止することができる。したがって、アルコールインターロックシステム10は、運転者に常に飲酒を止めさせることができ、飲酒運転の発生をより強力に抑えることができる。
【0096】
なお、ランダムタイマは、本実施の形態においてランダムな時間が決定されるようになっているが、例えば4時間など、固定の時間であっても良い。
【0097】
本発明の原動機は、本実施の形態においてエンジンであるが、エンジン以外であっても良い。例えば、本発明の原動機は、車両100が電気自動車である場合には電動機である。
【0098】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る車載用アルコール検査システムとしてのアルコールインターロックシステムの構成は、動作するためのプログラムを除いて、第1の実施の形態に係るアルコールインターロックシステム10(図1参照。)の構成と同様であるので、説明を省略する。なお、以下においては、本実施の形態に係るアルコールインターロックシステムの構成に、アルコールインターロックシステム10の構成と同一の符号を付して説明を行う。
【0099】
次に、本実施の形態に係るアルコールインターロックシステムの動作について説明する。
【0100】
運転者が車両100の運転席に座ってハンディーユニット20のスイッチ23を押すと、コントロールユニット80の制御部91は、スイッチ23が押されたことを検知して、図7に示す動作を開始する。
【0101】
本実施の形態に係るアルコールインターロックシステムは、図7に示す動作をアルコールインターロックシステム10と同様に実行する。したがって、図7に示す動作についての説明を省略する。
【0102】
図9は、本実施の形態に係るアルコールインターロックシステムの動作のうち図7に示す動作の続きのフローチャートである。
【0103】
図9に示すように、制御部91は、図7に示すS224の処理の後、図8に示す動作と同様にS230〜S240の動作を行う。
【0104】
制御部91は、S240の処理の後、車両100のエンジン110が動作している状態で、短縮基準時間以上連続して車両100が停止中であるか否かを判断する(S270)。ここで、制御部91は、車両100が停止中であるか否かをS250と同様の方法によって判断するようになっている。また、短縮基準時間とは、ランダムタイマを短縮する基準となる時間であって、例えば30分である。
【0105】
制御部91は、短縮基準時間以上連続して車両100が停止中ではないとS270において判断すると、S242の処理を実行する。
【0106】
ここで、制御部91は、S246の処理の後と、車両100が停止中ではないとS250において判断したときと、ランダムタイマが0秒ではないとS252において判断したときとにS242の処理ではなくS270の処理に戻ることを除いて、図8に示す動作と同様にS242〜S256の動作を行う。
【0107】
制御部91は、短縮基準時間以上連続して車両100が停止中であるとS270において判断すると、ランダムタイマをカウント停止時間に短縮して(S272)、S248の処理を実行する。
【0108】
以上に説明したように、本実施の形態に係るアルコールインターロックシステムは、車両100が短縮基準時間以上連続して停止しているとき(S270でYES)に制御部91がランダムタイマをカウント停止時間に短縮する(S272)ので、運転者が車両100を短縮基準時間以上連続して停止してから運転を開始した場合、カウント停止時間の経過後に再検査の催促を運転者に行うことができる。
【0109】
例えば、ランダムタイマが4時間であり短縮基準時間が1時間であるとき、運転者がエンジン110を停止させずに車両100を短縮基準時間以上(例えば2時間)連続して停止させたとき、本実施の形態に係るアルコールインターロックシステムは、ランダムタイマをカウント停止時間(例えば1秒)に強制的に短縮するので、運転者が車両100の運転を開始した場合、カウント停止時間の経過後に再検査の催促を運転者に行うことができる。したがって、運転者がエンジン110を停止させずに車両100を短縮基準時間以上連続して停止させているときに、運転者が飲酒を行っていたとしても、本実施の形態に係るアルコールインターロックシステムは、飲酒状態であるか否かの再検査の催促を運転者に行うことができる。
【0110】
なお、短縮基準時間は、本実施の形態において30分であったが、1時間や、2時間など、S238において決定されるランダムタイマの値より短い時間であれば30分に限られない。
【0111】
また、本実施の形態に係るアルコールインターロックシステムは、利用者からの指示に応じて制御部91が短縮基準時間を設定するようになっていても良い。すなわち、制御部91は、本発明の短縮基準時間設定手段を構成するようになっていても良い。この構成により、本実施の形態に係るアルコールインターロックシステムは、ランダムタイマが短縮されるための車両100の停止時間を、管理本部など、利用者に調整させることができる。
【符号の説明】
【0112】
10 アルコールインターロックシステム(車載用アルコール検査システム)
91 制御部(飲酒状態検査手段、時間カウント手段、到達判断手段、検査催促手段、停車判断手段、カウント停止時間設定手段、始動制御手段、短縮基準時間設定手段)
100 車両
110 エンジン(原動機)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者が飲酒状態であるか否かの検査を行う飲酒状態検査手段と、前記検査の後の所定の時期までの残り時間をカウントする時間カウント手段と、前記時間カウント手段によってカウントされた前記残り時間に基づいて前記時期に到達したか否かを判断する到達判断手段と、前記検査を再び行うことの催促を前記運転者に行う検査催促手段と、前記車両が停止しているか否かを判断する停車判断手段とを備えていて前記車両に搭載される車載用アルコール検査システムであって、
前記検査催促手段は、前記時期に到達したと前記到達判断手段によって判断されたときに前記催促を行い、
前記時間カウント手段は、前記残り時間のカウントを停止する基準となるカウント停止時間に前記残り時間がなっているときであって、前記車両が停止していることが前記停車判断手段によって判断されたとき、前記残り時間のカウントを停止することを特徴とする車載用アルコール検査システム。
【請求項2】
前記カウント停止時間を設定するカウント停止時間設定手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車載用アルコール検査システム。
【請求項3】
前記時間カウント手段は、前記残り時間を短縮する基準となる短縮基準時間以上連続して、前記車両が停止していることが前記停車判断手段によって判断されているとき、前記残り時間を前記カウント停止時間に短縮することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用アルコール検査システム。
【請求項4】
前記短縮基準時間を設定する短縮基準時間設定手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載の車載用アルコール検査システム。
【請求項5】
前記車両の原動機の始動を許可または禁止する始動制御手段を備えており、
前記飲酒状態検査手段は、前記原動機が停止している状態で前記検査を行い、
前記始動制御手段は、前記運転者が飲酒状態ではないことが前記検査の結果であるときに前記始動を許可し、前記運転者が飲酒状態であることが前記検査の結果であるときに前記始動を禁止することを特徴とする請求項1から請求項4までの何れかに記載の車載用アルコール検査システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5までの何れかに記載の車載用アルコール検査システムを備えていることを特徴とする車両。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−189823(P2011−189823A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57089(P2010−57089)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【特許番号】特許第4512170号(P4512170)
【特許公報発行日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(302031454)東海電子株式会社 (34)
【Fターム(参考)】