説明

車載用ストレス解消装置

【課題】 ドライバーが他のクルマからストレスを受けたとき、それを解消する装置を提供する。
【解決手段】 制御回路Xには、処理部1と、入力部2と、出力制御部3とを備え、上記処理部1は、攻撃対象を破壊もしくは駆逐する擬似的な攻撃音を記憶し、上記入力部2は入力手段4に接続するとともに、上記出力制御部3は出力手段5に接続し、上記入力手段4の操作に関連して、上記入力部2に信号が入力されたとき、処理部1は、記憶している上記擬似的な攻撃音を、出力制御部3を介して出力手段5に出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばクルマを運転している最中に、他のクルマから精神的緊張(以下「ストレス」という)を受けたとき、そのストレスを解消するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クルマの運転中に、例えば、割り込み、幅寄せ、不要なクラクション、極端な低速走行などに遭遇すると、ドライバーに不要なストレスを与えることがある。
なお、本件に関して特許調査を行ったが、本願発明に関連する文献は発見できなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のようにドライバーが他のクルマから不要なストレスを受けたとき、同乗者がいれば、その同乗者に不満を聞いてもらったり、あるいは同調を求めたりして、割と簡単に落ち着きを取り戻すことができるので、その後の運転にあまり支障をきたすことはない。
しかし、同乗者がいない単独での運転中には、ストレスを解消する手段がなく、結果的にドライバーのイライラがつのって事故につながる危険があった。
この発明の目的は、ドライバーが他のクルマからストレスを受けたとき、それを解消する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の発明は、制御回路が、処理部と、入力部と、出力制御部とを備え、処理部は、攻撃対象を破壊もしくは駆逐する擬似的な攻撃音を記憶し、上記入力部は入力手段に接続するとともに、出力制御部は出力手段に接続し、入力手段の操作に関連して、入力部に信号が入力されたとき、処理部は、記憶している上記擬似的な攻撃音を、出力制御部を介して出力手段に出力させるものである。
第2の発明は、上記処理部が擬似的な攻撃音を複数記憶し、入力手段の操作に関連して、入力部に信号が入力されたとき、処理部は、当該入力信号に応じて、擬似的な攻撃音を選択するものである。
【0005】
第3の発明は、上記処理部が、攻撃対象とそれを破壊若しくは駆逐する状況を記録した画像を記憶し、出力制御部を介して、上記出力手段に上記画像を表示させるものである。
第4の発明は、入力手段の操作に関連して、入力部に信号が入力されたとき、上記処理部は、入力信号に応じて、上記擬似的な攻撃音の音量、音程あるいは音色を調整するものである。
【発明の効果】
【0006】
第1の発明によれば、攻撃対象を破壊もしくは駆逐する擬似的な攻撃音を出力させることができる。このようにストレスを受けた他の車を、擬似的に攻撃することができるので、ドライバーはストレスを解消することができる。しかも、擬似的な攻撃にすぎないので、相手もしくは他者に危害を加えることは一切ない。
したがって、そのストレス解消は、同乗者がいる場合に匹敵する効果が期待できるとともに、同乗者がいる場合には、それこそ笑いの種を提供し、同乗者と共に笑うことによって、ドライバーのストレスは一気に解消されることになる。
【0007】
なお、攻撃対象を破壊もしくは駆逐する擬似的な攻撃音としては、例えば、ミサイルの発射音とそれが攻撃対象に命中したときの爆発音、あるいはミサイルや火砲などを備えた戦闘機によって、飛行中の敵機を撃墜するときのミサイルや火砲の発射音、あるいはそれが命中して敵機が墜落していくときの墜落音など、いろいろなものが考えられるが、この発明において、いずれの攻撃音を用いるかは特に限定されない。
【0008】
第2の発明によれば、擬似的な攻撃音を選択できるので、ドライバーは、例えば、状況に応じてミサイルを発射させたり、あるいは機関銃を発射させたりして、攻撃の種類を選択しながら、ストレスを解消させることができる。
【0009】
第3の発明によれば、処理部は、攻撃対象とそれを破壊若しくは駆逐する状況を記録した画像を記憶し、上記出力手段に対して、上記画像を表示させるので、それを操作しているドライバーは現実に近い形で攻撃対象に対して優位性を感じることができ、よりストレスの解消に役立つことになる。
【0010】
第4の発明によれば、擬似的な攻撃音の音量、音程あるいは音色を選択できるので、例えば、入力手段として複数のスイッチボタンを用意し、ストレスの強さによって、スイッチボタンを選択し、激しい攻撃音とそれほどでもない攻撃音とを選択したりできる。これによって、状況に応じてストレスを確実に解消させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図示の実施形態における制御回路Xは車内に設置するもので、当該制御回路Xには、処理部1と、入力部2と、出力制御部3とを備えている。
上記入力部2は、スイッチボタン、ジョイ・スティックあるいはマイクロフォンなどからなる入力手段4に接続し、上記出力制御部3は、音声とともに画像を出力する出力手段5に接続している。
上記処理部1には、攻撃対象を破壊もしくは駆逐する擬似的な攻撃音が記憶され、攻撃対象とそれを破壊若しくは駆逐する状況を記録した画像も記憶されている。そして、上記出力手段5は、上記攻撃音を出力するとともに上記画像も出力可能にしている。
【0012】
上記のようにした制御回路X、入力手段4および出力手段5は車内に設置するものであるが、出力手段5は、例えば車内のラジオあるいはディスプレイを利用してもかまわないし、専用機としてスピーカーやディスプレイを特別に設けてもよい。
また、処理部1、入力部2、出力制御部3を備える制御回路Xは、カーナビゲーションシステム等に内蔵してもよいし、あるいは制御回路Xのみを有する専用機として車内に設置してもよい。
さらに、入力手段4は、あらかじめ車両に設けられている操作ボタンを利用してもよいし、当該ストレス解消装置のための専用機として車内に設置してもよい。
いずれにしても、制御回路Xは、入力手段4および出力手段5と有線あるいは無線によって、電気的に接続されていればよい。
【0013】
特に入力手段4と入力部2とを無線でつなげば、当該入力手段4をステアリングホイールに設けておくことができる。もし、有線で接続した入力手段4をステアリングホイールに設けると、ステアリングホイールをまわしたときにその接続線が絡まないようにしなければならないが、上記のように無線で接続しておけば、接続線が絡むという問題が発生しない。
さらに、無線の場合に、接続線がステアリングホイールに絡むことがないので、運転操作にも支障を来たすことがないだけでなく、スイッチボタンの操作で運転を誤るような危険もなくなる。
【0014】
なお、攻撃対象を破壊もしくは駆逐する擬似的な攻撃音としては、例えば、ミサイルの発射音とそれが攻撃対象に命中したときの爆発音、あるいはミサイルや火砲などを備えた戦闘機で飛行中の敵機を撃墜するときのミサイルや火砲の発射音、あるいはそれが命中して敵機が墜落していくときの墜落音などいろいろなものが考えられるが、この発明において、擬似的な攻撃音は特に限定されるものではない。
【0015】
また、上記のような擬似的な攻撃音以外に、例えば、ドライバーを指揮官にたとえて、その指揮官に、攻撃が完了した旨を軍体調の敬語を用いて報告させる報告音を処理部1に記憶しておき、攻撃音を出力した後に、処理部1は出力制御部3を介して出力手段5から、上記報告音を出力させるようにしてもよい。そして、直立不動の姿勢で指揮官に報告している部下の映像を処理部1に記憶させておき、上記のように攻撃音を出力した後に、上記の映像をディスプレイに表示させてもよい。
【0016】
さらに、処理部1には複数の擬似的な攻撃音を記憶させておく一方、入力手段4としてジョグダイヤル、ジョイスティック、ボタン等からなる切り換え操作可能なスイッチを用意し、ストレスの状況に応じて、上記擬似的な攻撃音を選択できるようにしてもよい。あるいは、処理部1がそのつどランダムに擬似的な攻撃音を選択して、それを出力制御部3を介して出力手段5から出力させるようにしてもよい。
【0017】
また、入力手段4をジョイ・スティックにした場合には、当該ジョイ・スティックの操作に応じて、出力手段5から照準を合わせるような機械音が出力するようにしてもよい。そして、ジョイ・スティックの操作開始から一定時間経過したら、照準が合った旨の音声をさらに出力するとともに、その後、再度入力手段4を操作したときに、攻撃音が出力するようにしてもよい。このようにすれば、一層臨場感を高めることができ、ストレスの解消効果を高めることができる。
なお、入力手段4をスイッチボタンにした場合には、一度スイッチボタンを押したときに、自動で照準を合わせているかのような疑似音を出力し、それから一定時間経過したら出力手段5から照準が合った旨の音声を出力すればよい。
【0018】
また、上記処理部1に記憶させる画像は、選択された擬似的な攻撃音に対応したものにすることは当然である。つまり、複数の擬似的な攻撃音のそれぞれに対応した複数の画像を処理部1に記憶させておき、入力手段4から擬似的な攻撃音の選択信号が入力されたとき、処理部1は選択された擬似的な攻撃音に対応した画像を自動的に選択して、出力制御部3を介して出力手段5に出力させることになる。
なお、処理部1には、攻撃対象を攻撃するためのゲームソフトを記憶させておき、ゲーム感覚で攻撃対象を攻撃するようにしてもよいこと当然である。
【0019】
今、ドライバーが、割り込み、幅寄せ、不要なクラクション、極端な低速走行などに遭遇して、不要なストレスを受けたときに、入力手段4を操作して入力部2に信号を入力する。この入力信号は、上記入力部2から処理部1に送られる。入力部2から入力信号を受信した処理部1は、記憶している上記擬似的な攻撃音を、出力制御部3を介して出力手段5に出力させる。このとき、出力手段5がディスプレイを備えていれば、このディスプレイに、処理部1に記憶させた攻撃の状況等の画像を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の実施形態の回路を示すブロック図である
【符号の説明】
【0021】
1 処理部
2 入力部
3 出力制御部
4 入力手段
5 出力手段
X 制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御回路には、処理部と、入力部と、出力制御部とを備え、上記処理部は、攻撃対象を破壊もしくは駆逐する擬似的な攻撃音を記憶し、上記入力部は入力手段に接続するとともに、上記出力制御部は出力手段に接続し、上記入力手段の操作に関連して、上記入力部に信号が入力されたとき、処理部は、記憶している上記擬似的な攻撃音を、出力制御部を介して出力手段に出力させる機能を備えた車載用ストレス解消装置。
【請求項2】
上記処理部は、擬似的な攻撃音を複数記憶し、入力手段の操作に関連して入力部に信号が入力したとき、処理部は、当該入力信号に応じて、擬似的な攻撃音を選択する機能を備えた請求項1記載の車載用ストレス解消装置。
【請求項3】
上記処理部は、攻撃対象とそれを破壊もしくは駆逐する状況を記録した画像を記憶し、出力制御部を介して、上記出力手段に上記画像を表示させる機能を備えた請求項1または2のいずれかに記載の車載用ストレス解消装置。
【請求項4】
入力手段の操作に関連して、入力部に信号が入力されたとき、上記処理部は、当該入力信号に応じて、上記擬似的な攻撃音の音量、音程あるいは音色を調整する機能を備えた請求項1または2のいずれかに記載の車載用ストレス解消装置。

【図1】
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【公開番号】特開2009−126351(P2009−126351A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303340(P2007−303340)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(302046920)株式会社デザインネットワーク (4)
【Fターム(参考)】