車載用LEDランプ
【課題】 LEDを光源に用いた車載用ランプであって、電源を切り忘れた場合のバッテリー上がりの防止と、電源電圧が変動しても明るさを変化させない機能とを持ち、又、極を気にすることなく車に装着でき、さらに標準ランプと互換性のある車載用LEDランプを提供する。
【解決手段】 車載用標準ランプと互換性のある寸法形状の中に、LEDとワンチップマイコンから成る制御回路を内蔵した実装基板で構成され、電源の供給でLEDのオンと同時にワンチップマイコンのカウントをスタートし、予め設定された時間後にLEDをオフさせてワンチップマイコンの動作も停止させる。また電源端子である口金の直後にダイオードブリッジを挿入し、さらにLEDを定電流で駆動させる。
【解決手段】 車載用標準ランプと互換性のある寸法形状の中に、LEDとワンチップマイコンから成る制御回路を内蔵した実装基板で構成され、電源の供給でLEDのオンと同時にワンチップマイコンのカウントをスタートし、予め設定された時間後にLEDをオフさせてワンチップマイコンの動作も停止させる。また電源端子である口金の直後にダイオードブリッジを挿入し、さらにLEDを定電流で駆動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLEDを光源に用いた車載用ランプに関し、特に電源を切り忘れた場合などのバッテリー上がりを回避する制御手段などの機能を持たせるとともに標準の車載用ランプと互換性のある車載用ランプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネ気運の高まりから、車載用ランプに使用される自動車用電球は、フィラメント型に比べ同じ明るさを維持しながら消費電力を抑えることが可能なLED(発光ダイオード)を光源とした車載用LEDランプが実用化されている。車載ルームランプを例として、以下に図1と図9及び図10を参照しながら従来の車載用LEDランプについて説明する。
【0003】
図1は従来の車載用LEDランプを点灯するための回路図であって電源端子である口金1と、LED5と、電流制限手段3と、逆流防止ダイオード13の各素子を直列に接続し回路を構成したものである。LED5は口金1及び1aから直流電流を流すことで発光し、明るさは電流制限手段3の電流値を調節することで求める明るさを可能にしている。逆流防止ダイオード13はLEDランプの極を逆に装着した場合のLED5を破損から防止するためのものである。車載用LEDランプにはこれらの各素子と回路基板が組込まれている。また一般的に車載用の標準ランプの形状はルームランプの場合、図9と他の形状である図10の自動車用電球データシートに示された規格寸法(JISC7506−1)に準拠したものが使用されておりランプ切れなど故障の場合の取替え用ランプも本規格寸法に基づいて製造されている。又ランプに対応する車両側のソケットの受金も規格寸法(JISC7709−1)に準拠したものが使用され、取替えランプはワンタッチで簡単に装着できる。ルームランプ以外の車載ランプも標準ランプとしてJIS規格に準拠したものが一般的に使用されている。
【0004】
上記で述べた従来の車載用LEDランプは構成素子及び回路において特に新規性もなく、特許電子図書館を利用して特許文献を検索したが有効な資料を見出せなかった。しかしながら、従来の車載用LEDランプはソケット側の極と不一致で装着すると点灯しないため装着作業の煩わしさや、エンジン始動など電源電圧の変動で明るさが一定しない不具合や、また従来のLEDランプは通電すれば点灯、止めれば消灯の単機能のものであり電源供給があるかぎりランプは点灯し続け、消し忘れなどの原因でバッテリーが上がってしまう欠点があった。ルームランプ及びヘッドランプなどランプの消し忘れによるバッテリー上がりの防止手段として下記文献の発明が提案されている。
【特許文献1】特許第3423577号公報
【特許文献2】特許第3374360号公報
【0005】
前記特許文献1に記載された「バッテリー上がり防止機能を備えた車両用電源制御装置」の発明によれば、車両に搭載されたECU(電子制御装置)により、ドアスイッチとイグニッションスイッチのオン/オフ状態を検出し、エンジンを停止した状態でドアが開けられランプに電源が供給されると同時にタイマーにより計時を開始し、ドアが閉じられずランプに電源を供給されたままの状態で一定時間継続した場合、ランプへの電源供給を停止しバッテリー上がりを回避する。
【0006】
又、特許文献2に記載された「車両のバッテリ電源供給方法及び車両のバッテリ電源供給装置」の発明によれば、車両に搭載されたECU(電子制御装置)により、バッテリー電圧を常時監視し電圧の下がる傾きからバッテリー上がりの予兆を計算し、完全にバッテリーが上がる前にルームランプを含めた不要な負荷に対する電源供給を停止することでバッテリー上がりを回避する。
【0007】
しかしながら、特許文献1及び2の発明はバッテリー上がりを事前に検知する複数の入力情報(ドアスイッチ・イグニッションスイッチ・電圧センサー)や,その情報に基づいて複数の負荷(ルームランプ・マップランプ・カーテシーランプ)を制御するものであり高価なECU(電子制御装置)やプログラムを必要とし、高級車でなければ搭載は困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところはLEDを光源とした車載用LEDランプであり、例えば長時間に亘る電源の切り忘れや、半ドア状態で点灯したルームランプなど予期しない長時間の点灯を原因としたバッテリー上がりの防止や、車両側ソケットの極を気にせず簡単にルームランプの装着を可能とし、又電源電圧が変動しても明るさを一定に保つ機能を持たせた車載用LEDランプを、車載用標準ランプと互換性を持つ形状で提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記、課題を解決するために請求項1に記載の本発明による車載用LEDランプは、車載用の標準ランプと互換性を持つ車載用LEDランプであって、口金と、LEDと、LED駆動手段と、電流制限手段と、タイマーカウント手段の各素子と回路基板とを前記標準ランプと互換性を持つ形状に内蔵したことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の本発明による車載用LEDランプは、前記タイマーカウント手段を定電圧素子と、ワンチップマイコンとで構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の本発明による車載用LEDランプは、前記タイマーカウント手段を構成するワンチップマイコンに、電源が供給されると前記LED駆動手段にオン信号を出力し、同時にカウントを開始し予め設定された時間後にオフ信号を出力するプログラムを組込んだことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の本発明による車載用LEDランプは、前記ワンチップマイコンに、前記オフ信号の出力後にクロックを停止、又はクロックを低速にするためのプログラムを組込んだことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の本発明による車載用LEDランプは、前記口金の直後の回路上にダイオードブリッジを組入れたことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の本発明による車載用LEDランプは、前記電流制限手段を、定電流回路で構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明による車載用LEDランプは、車載用標準ランプと互換性のある形状の中に、LED(光源)と、LEDのオン/オフを制御する回路を内蔵したことにより高機能なECUを搭載していない一般大衆車でも、手軽に車載ランプの点灯を原因としたバッテリー上がりを防止できる。
【0016】
本発明による車載用LEDランプは、電源オンから一定時間後にオフ信号を出力するタイマーカウント手段をワンチップマイコンによって構成し、設定されたプログラムにより車載用LEDランプの電源を消し忘れた場合でもLEDを自動的に消灯することができバッテリー上がりを防止できる。
【0017】
本発明による車載用LEDランプは、自動的にLEDを消灯した後、ワンチップマイコンのクロックを停止、又はクロックを低速にすることによりワンチップマイコンの消費電力を最小限にし、さらに消費電力を低く抑えることができる。このため車載用LEDランプの電源を消し忘れた場合でもより確実にバッテリー上がりを防止できる。
【0018】
本発明による車載用LEDランプは回路にダイオードプリッジを組み入れており、電源端子である口金に供給される電源の極性に関わらず内部回路に一定の極性の電圧が印加されることにより車載用LEDランプの極を意識せず簡単に車両側のソケットである受金に装着が可能である。
【0019】
本発明による車載用LEDランプはLEDの電流制限手段として定電流回路を用いたことにより、電源電圧が変動しても明るさを一定に保つ車載用LEDランプを提供することができる。
【0020】
以上の通り、本発明の車載用LEDランプは従来の車載用の標準ランプと互換性を持ち、新たな配線が不要で、車載ランプの長時間点灯によるバッテリー上がりの防止と、省エネに寄与し、一般的な知識を持つ人が簡単に装着できる車載用LEDランプを提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明による車載用LEDランプの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0022】
図2は本発明の第一の実施例によるプリント基板14の表面を示した外観図であり、図9に示した車載用標準ランプの寸法規格(JISC7506−1)に収まる大きさのプリント基板14の表面に光源となるLED5を実装する。図3に示したプリント基板14の裏面には定電圧素子7と、ワンチップマイコン8と、LED駆動手段4及び電流制限手段3とが実装され、プリント基板14の両端には一対の口金1及び1aが装着され、各素子はプリント基板14の所定の回路で接続されている。LED5は必要に応じて複数個を実装することも可能である。又、口金1及び1aなど各部の寸法も従来の車載用ランプと互換性を得るため、図9に示す規格寸法図(J1SC7506−1)に準拠させている。
【0023】
図4は本発明の第一の実施例による回路のブロック図であり、口金1(+極)とLED5及びLED駆動手段4と電流制限手段3並びに口金1a(−極)の各素子を直列に接続するとともに、この回路と並列に口金1と口金1aの間にタイマーカウント手段2を接続し、その出力をLED駆動手段4と接続する。
【0024】
図5は本発明の第二の実施例として、第一の実施例のタイマーカウント手段2を、定電圧素子7とワンチップマイコン8で構成した回路のブロック図である。定電圧素子7の入力を口金1に接続しGNDは口金1aに接続され出力電圧をワンチップマイコン8に供給する。次に、ワンチップマイコン8の出力をLED駆動手段に接続し、さらにGNDを口金1aに接続する。ワンチップマイコン8には、予め設定したタイマー時間がプログラムされている。
【0025】
図6は本発明の第二の実施例によるフローチャートであり、ワンチップマイコン8に搭載するプログラムは初期設定を行った後、所定のタイマー時間を設定しLED駆動出力をオンにするとタイマーが設定した時間を計時しタイムアップでLED駆動出力をオフする。次にワンチップマイコンのクロックを停止、又はクロックを低速にするようにプログラムを設定する。
【0026】
図7は本発明の第三の実施例による回路のブロック図であり、口金1とそれ以外の回路との間にダイオードブリッジ12を挿入する。口金1をダイオードブリッジ12の交流入力に接続し口金1aをもう一方の交流入力に接続、さらにダイオードブリッジ12の+出力を内部回路の+側に、−出力を内部回路の−側に接続する。
【0027】
図8は本発明の第四の実施例による回路のブロック図であり、定電流回路としてトランジスタ10と抵抗11を用い、トランジスタ10のコレクタをLED5に接続しベースをワンチップマイコン8の出力に接続、さらにエミッタを抵抗11に接続するとともに抵抗11の他方を口金1aに接続する。
【0028】
図11は本発明の他の形状による実施例を示し、図10の自動車用電球JISC7506−1の形式W5Wと互換性を持たせた寸法形状とし、電源供給の端子である口金1bもJISC7709−1の形式W2.1×9.5dと互換性を持たせている。LED5aやプリント基板14aに実装された各素子及び回路構成は前記第一の実施例乃至第4の実施例の説明と同じである。
【0029】
以上、実施例による本発明の車載用LEDランプは従来の標準ランプとの互換性と、長時間点灯によるバッテリー上がりを防止する機能を持たせたものである。使用に際して配線などの手間が不要で一般的な人であれば簡単に装着でき、LEDにより省エネにも寄与するものである。
【0030】
本発明は上述実施の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、本発明の車載用LEDランプは電源端子となる口金1及び1aを他の形状に変更することも可能であり、又寸法形状を適宜変更することで他の主構成を変えることなく、車載用のみならず他の用途にも使用できるLEDランプを提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来の車載用LEDランプの回路図である。
【図2】本発明による第一の実施例のプリント基板の表面を示した外観図である。
【図3】本発明による第一の実施例のプリント基板の裏面を示した外観図である。
【図4】本発明による第一の実施例のブロック図である。
【図5】本発明による第二の実施例のブロック図である。
【図6】本発明による第二の実施例のフローチャートである。
【図7】本発明による第三の実施例のブロック図である。
【図8】本発明による第四の実施例のブロック図である。
【図9】標準的な自動車用電球のJISC7506−1より抜粋した 形式:A12V10WCのデータシート図である。
【図10】標準的な自動車用電球のJISC7506−1より抜粋した 形式:W5Wのデータシート図である。
【図11】本発明による他の形状による実施例の図である。
【符号の説明】
【0032】
1 口金
1a 口金
1b 口金
2 タイマーカウント手段
3 電流制限手段
4 LED駆動手段
5 LED
5a LED
6 ワンチップマイコン回路
7 定電圧素子
8 ワンチップマイコン
9 定電流回路
10 トランジスタ
11 抵抗
12 ダイオードブリッジ
13 逆流防止ダイオード
14 プリント基板
14aプリント基板
【技術分野】
【0001】
本発明はLEDを光源に用いた車載用ランプに関し、特に電源を切り忘れた場合などのバッテリー上がりを回避する制御手段などの機能を持たせるとともに標準の車載用ランプと互換性のある車載用ランプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネ気運の高まりから、車載用ランプに使用される自動車用電球は、フィラメント型に比べ同じ明るさを維持しながら消費電力を抑えることが可能なLED(発光ダイオード)を光源とした車載用LEDランプが実用化されている。車載ルームランプを例として、以下に図1と図9及び図10を参照しながら従来の車載用LEDランプについて説明する。
【0003】
図1は従来の車載用LEDランプを点灯するための回路図であって電源端子である口金1と、LED5と、電流制限手段3と、逆流防止ダイオード13の各素子を直列に接続し回路を構成したものである。LED5は口金1及び1aから直流電流を流すことで発光し、明るさは電流制限手段3の電流値を調節することで求める明るさを可能にしている。逆流防止ダイオード13はLEDランプの極を逆に装着した場合のLED5を破損から防止するためのものである。車載用LEDランプにはこれらの各素子と回路基板が組込まれている。また一般的に車載用の標準ランプの形状はルームランプの場合、図9と他の形状である図10の自動車用電球データシートに示された規格寸法(JISC7506−1)に準拠したものが使用されておりランプ切れなど故障の場合の取替え用ランプも本規格寸法に基づいて製造されている。又ランプに対応する車両側のソケットの受金も規格寸法(JISC7709−1)に準拠したものが使用され、取替えランプはワンタッチで簡単に装着できる。ルームランプ以外の車載ランプも標準ランプとしてJIS規格に準拠したものが一般的に使用されている。
【0004】
上記で述べた従来の車載用LEDランプは構成素子及び回路において特に新規性もなく、特許電子図書館を利用して特許文献を検索したが有効な資料を見出せなかった。しかしながら、従来の車載用LEDランプはソケット側の極と不一致で装着すると点灯しないため装着作業の煩わしさや、エンジン始動など電源電圧の変動で明るさが一定しない不具合や、また従来のLEDランプは通電すれば点灯、止めれば消灯の単機能のものであり電源供給があるかぎりランプは点灯し続け、消し忘れなどの原因でバッテリーが上がってしまう欠点があった。ルームランプ及びヘッドランプなどランプの消し忘れによるバッテリー上がりの防止手段として下記文献の発明が提案されている。
【特許文献1】特許第3423577号公報
【特許文献2】特許第3374360号公報
【0005】
前記特許文献1に記載された「バッテリー上がり防止機能を備えた車両用電源制御装置」の発明によれば、車両に搭載されたECU(電子制御装置)により、ドアスイッチとイグニッションスイッチのオン/オフ状態を検出し、エンジンを停止した状態でドアが開けられランプに電源が供給されると同時にタイマーにより計時を開始し、ドアが閉じられずランプに電源を供給されたままの状態で一定時間継続した場合、ランプへの電源供給を停止しバッテリー上がりを回避する。
【0006】
又、特許文献2に記載された「車両のバッテリ電源供給方法及び車両のバッテリ電源供給装置」の発明によれば、車両に搭載されたECU(電子制御装置)により、バッテリー電圧を常時監視し電圧の下がる傾きからバッテリー上がりの予兆を計算し、完全にバッテリーが上がる前にルームランプを含めた不要な負荷に対する電源供給を停止することでバッテリー上がりを回避する。
【0007】
しかしながら、特許文献1及び2の発明はバッテリー上がりを事前に検知する複数の入力情報(ドアスイッチ・イグニッションスイッチ・電圧センサー)や,その情報に基づいて複数の負荷(ルームランプ・マップランプ・カーテシーランプ)を制御するものであり高価なECU(電子制御装置)やプログラムを必要とし、高級車でなければ搭載は困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところはLEDを光源とした車載用LEDランプであり、例えば長時間に亘る電源の切り忘れや、半ドア状態で点灯したルームランプなど予期しない長時間の点灯を原因としたバッテリー上がりの防止や、車両側ソケットの極を気にせず簡単にルームランプの装着を可能とし、又電源電圧が変動しても明るさを一定に保つ機能を持たせた車載用LEDランプを、車載用標準ランプと互換性を持つ形状で提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記、課題を解決するために請求項1に記載の本発明による車載用LEDランプは、車載用の標準ランプと互換性を持つ車載用LEDランプであって、口金と、LEDと、LED駆動手段と、電流制限手段と、タイマーカウント手段の各素子と回路基板とを前記標準ランプと互換性を持つ形状に内蔵したことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の本発明による車載用LEDランプは、前記タイマーカウント手段を定電圧素子と、ワンチップマイコンとで構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の本発明による車載用LEDランプは、前記タイマーカウント手段を構成するワンチップマイコンに、電源が供給されると前記LED駆動手段にオン信号を出力し、同時にカウントを開始し予め設定された時間後にオフ信号を出力するプログラムを組込んだことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の本発明による車載用LEDランプは、前記ワンチップマイコンに、前記オフ信号の出力後にクロックを停止、又はクロックを低速にするためのプログラムを組込んだことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の本発明による車載用LEDランプは、前記口金の直後の回路上にダイオードブリッジを組入れたことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の本発明による車載用LEDランプは、前記電流制限手段を、定電流回路で構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明による車載用LEDランプは、車載用標準ランプと互換性のある形状の中に、LED(光源)と、LEDのオン/オフを制御する回路を内蔵したことにより高機能なECUを搭載していない一般大衆車でも、手軽に車載ランプの点灯を原因としたバッテリー上がりを防止できる。
【0016】
本発明による車載用LEDランプは、電源オンから一定時間後にオフ信号を出力するタイマーカウント手段をワンチップマイコンによって構成し、設定されたプログラムにより車載用LEDランプの電源を消し忘れた場合でもLEDを自動的に消灯することができバッテリー上がりを防止できる。
【0017】
本発明による車載用LEDランプは、自動的にLEDを消灯した後、ワンチップマイコンのクロックを停止、又はクロックを低速にすることによりワンチップマイコンの消費電力を最小限にし、さらに消費電力を低く抑えることができる。このため車載用LEDランプの電源を消し忘れた場合でもより確実にバッテリー上がりを防止できる。
【0018】
本発明による車載用LEDランプは回路にダイオードプリッジを組み入れており、電源端子である口金に供給される電源の極性に関わらず内部回路に一定の極性の電圧が印加されることにより車載用LEDランプの極を意識せず簡単に車両側のソケットである受金に装着が可能である。
【0019】
本発明による車載用LEDランプはLEDの電流制限手段として定電流回路を用いたことにより、電源電圧が変動しても明るさを一定に保つ車載用LEDランプを提供することができる。
【0020】
以上の通り、本発明の車載用LEDランプは従来の車載用の標準ランプと互換性を持ち、新たな配線が不要で、車載ランプの長時間点灯によるバッテリー上がりの防止と、省エネに寄与し、一般的な知識を持つ人が簡単に装着できる車載用LEDランプを提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明による車載用LEDランプの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0022】
図2は本発明の第一の実施例によるプリント基板14の表面を示した外観図であり、図9に示した車載用標準ランプの寸法規格(JISC7506−1)に収まる大きさのプリント基板14の表面に光源となるLED5を実装する。図3に示したプリント基板14の裏面には定電圧素子7と、ワンチップマイコン8と、LED駆動手段4及び電流制限手段3とが実装され、プリント基板14の両端には一対の口金1及び1aが装着され、各素子はプリント基板14の所定の回路で接続されている。LED5は必要に応じて複数個を実装することも可能である。又、口金1及び1aなど各部の寸法も従来の車載用ランプと互換性を得るため、図9に示す規格寸法図(J1SC7506−1)に準拠させている。
【0023】
図4は本発明の第一の実施例による回路のブロック図であり、口金1(+極)とLED5及びLED駆動手段4と電流制限手段3並びに口金1a(−極)の各素子を直列に接続するとともに、この回路と並列に口金1と口金1aの間にタイマーカウント手段2を接続し、その出力をLED駆動手段4と接続する。
【0024】
図5は本発明の第二の実施例として、第一の実施例のタイマーカウント手段2を、定電圧素子7とワンチップマイコン8で構成した回路のブロック図である。定電圧素子7の入力を口金1に接続しGNDは口金1aに接続され出力電圧をワンチップマイコン8に供給する。次に、ワンチップマイコン8の出力をLED駆動手段に接続し、さらにGNDを口金1aに接続する。ワンチップマイコン8には、予め設定したタイマー時間がプログラムされている。
【0025】
図6は本発明の第二の実施例によるフローチャートであり、ワンチップマイコン8に搭載するプログラムは初期設定を行った後、所定のタイマー時間を設定しLED駆動出力をオンにするとタイマーが設定した時間を計時しタイムアップでLED駆動出力をオフする。次にワンチップマイコンのクロックを停止、又はクロックを低速にするようにプログラムを設定する。
【0026】
図7は本発明の第三の実施例による回路のブロック図であり、口金1とそれ以外の回路との間にダイオードブリッジ12を挿入する。口金1をダイオードブリッジ12の交流入力に接続し口金1aをもう一方の交流入力に接続、さらにダイオードブリッジ12の+出力を内部回路の+側に、−出力を内部回路の−側に接続する。
【0027】
図8は本発明の第四の実施例による回路のブロック図であり、定電流回路としてトランジスタ10と抵抗11を用い、トランジスタ10のコレクタをLED5に接続しベースをワンチップマイコン8の出力に接続、さらにエミッタを抵抗11に接続するとともに抵抗11の他方を口金1aに接続する。
【0028】
図11は本発明の他の形状による実施例を示し、図10の自動車用電球JISC7506−1の形式W5Wと互換性を持たせた寸法形状とし、電源供給の端子である口金1bもJISC7709−1の形式W2.1×9.5dと互換性を持たせている。LED5aやプリント基板14aに実装された各素子及び回路構成は前記第一の実施例乃至第4の実施例の説明と同じである。
【0029】
以上、実施例による本発明の車載用LEDランプは従来の標準ランプとの互換性と、長時間点灯によるバッテリー上がりを防止する機能を持たせたものである。使用に際して配線などの手間が不要で一般的な人であれば簡単に装着でき、LEDにより省エネにも寄与するものである。
【0030】
本発明は上述実施の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、本発明の車載用LEDランプは電源端子となる口金1及び1aを他の形状に変更することも可能であり、又寸法形状を適宜変更することで他の主構成を変えることなく、車載用のみならず他の用途にも使用できるLEDランプを提供することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来の車載用LEDランプの回路図である。
【図2】本発明による第一の実施例のプリント基板の表面を示した外観図である。
【図3】本発明による第一の実施例のプリント基板の裏面を示した外観図である。
【図4】本発明による第一の実施例のブロック図である。
【図5】本発明による第二の実施例のブロック図である。
【図6】本発明による第二の実施例のフローチャートである。
【図7】本発明による第三の実施例のブロック図である。
【図8】本発明による第四の実施例のブロック図である。
【図9】標準的な自動車用電球のJISC7506−1より抜粋した 形式:A12V10WCのデータシート図である。
【図10】標準的な自動車用電球のJISC7506−1より抜粋した 形式:W5Wのデータシート図である。
【図11】本発明による他の形状による実施例の図である。
【符号の説明】
【0032】
1 口金
1a 口金
1b 口金
2 タイマーカウント手段
3 電流制限手段
4 LED駆動手段
5 LED
5a LED
6 ワンチップマイコン回路
7 定電圧素子
8 ワンチップマイコン
9 定電流回路
10 トランジスタ
11 抵抗
12 ダイオードブリッジ
13 逆流防止ダイオード
14 プリント基板
14aプリント基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載用の標準ランプと互換性を持たせた車載用LEDランプであって、口金と、LEDと、LED駆動手段と、電流制限手段と、タイマーカウント手段の各素子と回路基板とを前記標準ランプと互換性を持つ形状に内蔵したことを特徴とする車載用LEDランプ。
【請求項2】
前記タイマーカウント手段を定電圧素子と、ワンチップマイコンとで構成したことを特徴とする請求項1に記載の車載用LEDランプ。
【請求項3】
前記タイマーカウント手段を構成するワンチップマイコンに、電源が供給されると前記LED駆動手段にオン信号を出力し、同時にカウントを開始し予め設定された時間後にオフ信号を出力するプログラムを組込んだことを特徴とする請求項1乃至2に記載の車載用LEDランプ。
【請求項4】
前記ワンチップマイコンに、前記オフ信号の出力後にクロックを停止、又はクロックを低速にするためのプログラムを組込んだことを特徴とする請求項3に記載の車載用LEDランプ。
【請求項5】
前記口金の直後の回路上にダイオードブリッジを組入れたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の車載用LEDランプ。
【請求項6】
前記電流制限手段を、定電流回路で構成したことを特徴とする請求項1乃至5に記載の車載用LEDランプ。
【請求項1】
車載用の標準ランプと互換性を持たせた車載用LEDランプであって、口金と、LEDと、LED駆動手段と、電流制限手段と、タイマーカウント手段の各素子と回路基板とを前記標準ランプと互換性を持つ形状に内蔵したことを特徴とする車載用LEDランプ。
【請求項2】
前記タイマーカウント手段を定電圧素子と、ワンチップマイコンとで構成したことを特徴とする請求項1に記載の車載用LEDランプ。
【請求項3】
前記タイマーカウント手段を構成するワンチップマイコンに、電源が供給されると前記LED駆動手段にオン信号を出力し、同時にカウントを開始し予め設定された時間後にオフ信号を出力するプログラムを組込んだことを特徴とする請求項1乃至2に記載の車載用LEDランプ。
【請求項4】
前記ワンチップマイコンに、前記オフ信号の出力後にクロックを停止、又はクロックを低速にするためのプログラムを組込んだことを特徴とする請求項3に記載の車載用LEDランプ。
【請求項5】
前記口金の直後の回路上にダイオードブリッジを組入れたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の車載用LEDランプ。
【請求項6】
前記電流制限手段を、定電流回路で構成したことを特徴とする請求項1乃至5に記載の車載用LEDランプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−21124(P2010−21124A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207471(P2008−207471)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(508243145)マイクロコントロールシステムズ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(508243145)マイクロコントロールシステムズ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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