説明

車載通信システム及び車載装置

【課題】センター装置から配信されたコンテンツデータを車両ナビゲーションが携帯電話機を通じて受信して場合に、携帯電話機を所有する乗員の金銭的な負担を軽減する。
【解決手段】車両ナビゲーション装置2は、携帯電話機3が接続可能な複数のキャリア5の料金体系を示す料金体系データを取得し、携帯電話機3に課金される通信料金が最安となるキャリア5を携帯電話機3が接続するキャリア5として決定し、センター装置4から配信されたコンテンツデータを当該決定したキャリア5を通じて携帯電話機3に受信させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されている車載装置と乗員が携帯可能な携帯機器とが両者の間で近距離無線通信回線を接続している状態で乗員が前記車載装置を操作することで前記携帯機器の動作を制御可能に構成され、センター装置から配信されたコンテンツデータを当該携帯機器が複数のキャリアのうち何れかを通じて受信可能に構成されている車載通信システム及び車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
乗員が携帯可能な携帯機器が車室内に持ち込まれ、その車室内に持ち込まれた携帯機器と車両に搭載されている車載装置とが両者の間で近距離無線通信可能な近距離無線通信圏内に存在すると、両者の間で近距離無線通信回線を自動的に接続する構成が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−193046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記したような車載装置と携帯機器とが連携するシステムで実現されるアプリケーションの1つとして、携帯機器とセンター装置とが両者の間で通信回線を接続することで、センター装置から配信されたコンテンツデータを車載装置が携帯機器を通じて受信して出力するものがある。この場合、携帯機器とセンター装置とが両者の間で通信回線を接続することから、携帯機器を所有する乗員にとってはできるだけ金銭的な負担を少なく(通信料金を安価に)したいという要望がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、センター装置から配信されたコンテンツデータを車載装置が携帯機器を通じて受信して出力する構成において、携帯機器を所有する乗員の金銭的な負担を軽減することができる車載通信システム及び車載装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した車載通信システムによれば、料金体系データ取得手段は、複数のキャリアの料金体系を示す料金体系データを取得し、キャリア決定手段は、携帯機器が接続するキャリアを料金体系データ取得手段により取得された料金体系データに基づいて決定する。そして、携帯機器は、センター装置から配信されたコンテンツデータをキャリア決定手段により決定されたキャリアを通じて受信する。
【0007】
これにより、センター装置から配信されたコンテンツデータを、携帯機器が料金体系データに基づいて決定されたキャリアを通じて受信することで、携帯機器を所有する乗員の金銭的な負担を軽減することができる。特に、車載装置と携帯機器とが両者の間で近距離無線通信回線を接続している状態で乗員が車載装置を操作することで携帯機器の動作を制御可能な構成では、乗員が携帯機器を操作することなく車載装置を操作することが多くなり、携帯機器が接続するキャリアへの注意が疎かになることが想定されることを鑑みると、料金体系データに基づいて決定されたキャリアを通じて受信することによる効果は大きい。
【0008】
請求項2に記載した車載装置によれば、料金体系データ取得手段は、複数のキャリアの料金体系を示す料金体系データを取得し、キャリア決定手段は、携帯機器が接続するキャリアを料金体系データ取得手段により取得された料金体系データに基づいて決定し、受信制御手段は、センター装置から配信されたコンテンツデータをキャリア決定手段により決定されたキャリアを通じて携帯機器に受信させる。
【0009】
これにより、上記した請求項1に記載したものと同様の作用効果を得ることができ、センター装置から配信されたコンテンツデータを、携帯機器が料金体系データに基づいて決定されたキャリアを通じて受信することで、携帯機器を所有する乗員の金銭的な負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体構成図
【図2】車両ナビゲーション装置及び携帯電話機の構成を示す機能ブロック図
【図3】処理の流れを示すシーケンス図
【図4】図3相当図
【図5】表示画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は車載通信システムの全体構成を示している。車載通信システム1は、Bluetooth(登録商標)(以下、BTと称する)通信機能を有するBT対応の車両ナビゲーション装置2(本発明でいう車載装置)が車両に搭載されており、BT通信機能を有するBT対応の携帯電話機3(本発明でいう携帯機器)が車室内に持込まれると、車両ナビゲーション装置2と携帯電話機3とがBT通信可能に構成されている。
【0012】
車両ナビゲーション装置2と携帯電話機3とは、両者の間でBT通信回線を接続している状態ではBTの通信規格で規定されている複数のプロファイルを接続可能であり、例えばダイヤルアップ・ネットワーク・プロファイル(DUP)やシリアル・ポート・プロファイル(SPP)等を接続可能である。尚、車両ナビゲーション装置2と携帯電話機3とが両者の間で複数のプロファイルを同時接続(所謂マルチプロファイル接続)可能であっても良い。又、プロファイルとは機能毎に定義された通信プロトコルを意味している。
【0013】
携帯電話機3は、センター側に設置されているセンター装置4との間でキャリア(通信事業者)5を通じて広域通信回線を接続可能であり、センター装置4との間で広域通信回線を接続している状態で広域通信可能である。この場合、携帯電話機3は、通信料金の料金体系が異なる複数のキャリア5から何れかを選択し、その選択したキャリアを通じて広域通信回線を接続可能である。
【0014】
センター装置4は、複数のコンテンツサービスプロバイダ6を接続しており、携帯電話機3との間で広域通信回線を接続している状態で、それら複数のコンテンツサービスプロバイダ6から提供されるコンテンツデータを広域通信によりキャリア5を通じて携帯電話機3に配信可能である。コンテンツサービスプロバイダ6から提供されるコンテンツデータとしては、例えばニュース情報、交通情報、天気情報、旅行情報、音楽情報及び娯楽情報等がある。又、センター装置4は、複数のキャリア5に関する例えば時間帯毎の料金体系を示す料金体系データベース7を保持している。
【0015】
図2は車両ナビゲーション装置2及び携帯電話機3の構成を機能ブロック図により示している。車両ナビゲーション装置2は、制御部8(本発明でいう料金体系データ取得手段、キャリア決定手段、受信制御手段)、位置検出器9、記録媒体装着部10、操作スイッチ群11、通信装置12、BT通信部13、無線LAN通信部14、外部メモリ15、表示装置16、音声コントローラ17、音声認識部18、リモコンセンサ19及び外部装置インタフェース部20を備えて構成されている。
【0016】
制御部8は、周知のマイクロコンピュータからなるCPU、RAM、ROM及びI/Oバス等を有し、制御プログラムを実行して装置全体の動作を制御する。位置検出器9は、Gセンサ9a、ジャイロスコープ9b、距離センサ9c及びGPS受信機9dを備えて構成され、これらの各構成要素は互いに性質の異なる検出誤差を有している。制御部8は、これら各構成要素から入力した検出信号を互いに補完して車両の現在位置を検出(特定)する。この場合、位置検出器9は、要求される検出精度で車両の現在位置を検出可能であれば、これら全ての構成要素を備える必要はなく、又、ステアリングの舵角を検出するステアリングセンサや各車輪の回転を検出する車輪センサ等が組合わされて構成されていても良い。
【0017】
記録媒体装着部10は、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカード又はHDD等の記録媒体21を装着する。記録媒体21は、地図データ、道路データ、目印データ及びマップマッチング用データ等を記録している。操作スイッチ群11は、表示装置16の周辺に配置されているメカニカル釦や表示装置16に形成されるタッチ釦から構成され、乗員が何れかの釦を操作すると、その操作内容を示す操作検出信号を制御部8に出力する。
【0018】
通信装置12は、例えばVICS(登録商標)装置から送信されたVICS情報を受信する等の広域通信を行う。BT通信部13は、携帯電話機3との間でBT通信回線を接続し、BT通信回線を接続している状態でBT通信を行う。無線LAN通信部14は、例えば路側に設置されている無線LAN通信機器と間で無線LAN通信を行う。無線LAN通信の一例としてはWi−Fi(登録商標)等がある。
【0019】
外部メモリ15は、HDD等の大容量記憶装置から構成され、大容量のデータを記憶する。表示装置16は、例えば液晶ディスプレイ装置から構成され、メニュー画面や目的地設定画面等の各種表示画面を表示すると共に、車両の現在位置を示す現在位置マークや走行軌跡等を地図データの地図上に重畳表示する。尚、表示装置16は、有機ELやプラズマディスプレイ装置等から構成されていても良い。
【0020】
音声コントローラ17は、音声認識部18の動作を制御すると共に、スピーカ22からの例えば経路案内ガイダンスや警告ガイダンス等の音声出力を制御する。音声認識部18は、マイク23が入力した音声を音声認識アルゴリズムにしたがって音声認識する。リモコンセンサ19は、操作リモコン24から送信された操作検出信号を受信し、乗員が操作リモコン24により行った操作内容を検出し、その検出した操作内容を示す操作検出信号を制御部8に出力する。外部装置インタフェース部20は、車両に搭載されている各種ECUや各種センサと車載LAN25を通じて接続されており、各種ECUや各種センサとの間で各種データや各種信号を入出力する。
【0021】
上記した制御部8は、車両の現在位置と地図データに含まれている道路データとを使用して車両の現在位置が存在する道路をマップマッチングして特定するマップマッチング機能、マップマッチングして特定した車両の現在位置から乗員が設定した目的地までの経路を探索する経路探索機能、探索した経路及び地図データに含まれている道路データや交差点の位置データ等に基づいて経路案内に必要な地点を算出して経路案内する経路案内機能、車両の現在位置周辺の地図や高速道路の略図や交差点付近の拡大図等を描画する描画機能等のナビゲーションを行うための周知の機能を備えている。
【0022】
携帯電話機3は、制御部26、広域通信部27、BT通信部28、無線LAN通信部29、操作部30、表示装置31、メモリ32、音声処理部33及びバッテリ残容量検出部34を備えて構成されている。制御部26は、周知のマイクロコンピュータからなるCPU、RAM、ROM及びI/Oバス等を有し、制御プログラムを実行して装置全体の動作を制御する。広域通信部27は、センター装置4との間で広域通信回線を接続し、広域通信回線を接続している状態で広域通信を行う。
【0023】
BT通信部28は、車両ナビゲーション装置2との間でBT通信回線を接続し、BT通信回線を接続している状態でBT通信を行う。無線LAN通信部29は、上記した車両ナビゲーション装置2の無線LAN通信部14と同様に、例えば路側に設置されている無線LAN通信機器と間で無線LAN通信を行う。
【0024】
操作部30は、電源キーや「0」〜「9」の数字キー等の各種キーを有し、乗員が何れかのキーを操作すると、その操作内容を示す操作検出信号を制御部26に出力する。表示装置31は、例えば液晶ディスプレイ装置から構成され、待受画面や着信通知画面等の各種表示画面を表示する。メモリ32は、例えば電話番号と登録名との対応を示す電話帳データ等の各種データを記憶するデータ記憶領域を有すると共に、センター装置4から広域通信部27により受信した各種データを記憶するデータ記憶領域を有して構成されている。
【0025】
音声処理部33は、ユーザが発した音声を送話音声として入力するマイク35と、通話相手からの音声を受話音声として出力するスピーカ36とを接続しており、マイク35から入力した送話音声を送話処理すると共に、スピーカ36から出力する受話音声を受話処理する。バッテリ残容量検出部34は、携帯電話機3の動作電力源であるバッテリ37の残容量を検出し、その検出したバッテリ37の残容量を示す残容量検出信号を制御部26に出力する。
【0026】
次に、上記した構成の作用について、図3乃至図5を参照して説明する。
携帯電話機3が車室内に持込まれたことで、車両ナビゲーション装置2と携帯電話機3とがBT通信可能になると(両者がBT通信圏内に存在すると)、車両ナビゲーション装置2と携帯電話機3とは両者の間でBT通信回線接続要求及びBT通信回線接続応答を送受信してBT通信回線を接続するBT通信回線接続処理を行う。この場合、車両ナビゲーション装置2と携帯電話機3とは両者の間で何れがBT通信回線の接続を要求しても良く、即ち、車両ナビゲーション装置2がBT通信回線接続要求を送信し、携帯電話機3がBT通信回線接続応答を送信しても良いし、携帯電話機3がBT通信回線接続要求を送信し、車両ナビゲーション装置2がBT通信回線接続応答を送信しても良い。
【0027】
又、このように車両ナビゲーション装置2と携帯電話機3とが両者の間でBT通信回線を接続している状態では、乗員が車両ナビゲーション装置2の操作スイッチ群11や操作リモコン24を操作することで携帯電話機3の動作を制御可能に構成されている。例えば携帯電話機3に登録されている電話帳リストが携帯電話機3から車両ナビゲーション装置2に転送されて当該車両ナビゲーション装置2の表示装置16に表示されることで、乗員が車両ナビゲーション装置2の表示装置16に表示される電話帳リストを操作可能であり、又、車両ナビゲーション装置2の表示装置16に発信釦がタッチ釦として形成されることで、乗員が発信釦を押下して携帯電話機3から発信可能である。
【0028】
車両ナビゲーション装置2において、制御部8は、BT通信部13と携帯電話機3のBT通信部28との間でBT通信回線を接続すると、乗員によるコンテンツデータ要求操作を操作スイッチ群11や操作リモコン24により受付けたか否かを判定しており(ステップA1)、乗員によるコンテンツデータ要求操作を操作スイッチ群11や操作リモコン24により受付けたと判定すると(ステップA1にて「YES」)、位置検出器8の各構成要素から入力した検出信号を互いに補完して車両の現在位置を検出し、その検出した車両の現在位置を含む料金体系データ要求をセンター装置4に送信させる(ステップA2)。
【0029】
この場合、制御部8は、例えば無線LAN通信部14が路上に設置されている無線LAN通信機器との間で無線LAN通信可能であれば、料金体系データ要求を無線LAN通信部14から無線LAN通信機器を経由してセンター装置4に送信させても良く、又、携帯電話機3の無線LAN通信部29が路上に設置されている無線LAN通信機器との間で無線LAN通信可能であれば、料金体系データ要求を携帯電話機3の無線LAN通信部29から無線LAN通信機器を経由してセンター装置4に送信させても良い。又、制御部8は、無線LAN通信可能でなければ、携帯電話機3とセンター装置4との間で広域通信回線を接続させることで、料金体系データ要求を広域通信によりセンター装置4に送信させても良い。
【0030】
センター装置4は、車両ナビゲーション装置2から送信された料金体系データ要求を受信したと判定すると(ステップC1にて「YES」)、その受信した料金体系データ要求から車両の現在位置を抽出し、料金体系データベース7を検索することで、その抽出した車両の現在位置や時刻に対応して携帯電話機3に課金されるキャリア5毎の通信料金を取得し、その取得したキャリア5毎の通信料金を含む料金体系データ応答を車両ナビゲーション装置2に送信する(ステップC2)。
【0031】
この場合、センター装置4は、例えば無線LAN通信部14が路上に設置されている無線LAN通信機器との間で無線LAN通信可能であれば、料金体系データ応答を無線LAN通信機器を経由して車両ナビゲーション装置2に送信しても良く、又、携帯電話機3の無線LAN通信部29が路上に設置されている無線LAN通信機器との間で無線LAN通信可能であれば、料金体系データ応答を無線LAN通信機器及び携帯電話機3を経由して車両ナビゲーション装置2に送信しても良い。又、センター装置4は、無線LAN通信可能でなければ、携帯電話機3との間で広域通信回線を接続することで、料金体系データ応答を広域通信より車両ナビゲーション装置2に送信しても良い。
【0032】
車両ナビゲーション装置2において、制御部8は、センター装置4から送信された料金体系データ応答を受信したと判定すると(ステップA3にて「YES」)、その受信した料金体系データ応答から車両の現在位置及び時刻に対応して携帯電話機3に課金されるキャリア5毎の通信料金を抽出し、その抽出したキャリア5毎の通信料金の大小を判定し、携帯電話機3に課金される通信料金が最安となるキャリア5を携帯電話機3が接続するキャリアとして決定する(ステップA4)。次いで、制御部8は、その決定したキャリア5を特定可能な情報を含むコンテンツデータ要求をBT通信部13から携帯電話機3に送信させる(ステップA5)。
【0033】
携帯電話機3において、制御部26は、車両ナビゲーション装置2から送信されたコンテンツデータ要求をBT通信部28により受信したと判定すると(ステップB1にて「YES」)、その受信したコンテンツデータ要求に基づいて携帯電話機3が接続するキャリア5を判定し、例えば広域通信部27における当該決定したキャリア5からの受信電波の受信電界強度が閾値以上であるか否かを判定し、携帯電話機3が(車両が)当該決定したキャリア5の広域通信圏内に存在しており電波環境が良好であるか否か、即ち、センター装置4から送信されるコンテンツデータ応答を受信可能であるか否かを判定する(ステップB2)。
【0034】
ここで、制御部26は、例えば広域通信部27におけるキャリア5からの受信電波の受信電界強度が閾値以上であると判定し、センター装置4から送信されるコンテンツデータ応答を受信可能であると判定すると(ステップB2にて「YES」)、広域通信回線接続要求を広域通信部27からセンター装置4に送信させ(ステップB3)、センター装置4から広域通信回線接続応答が受信されることを待機する(ステップB4)。
【0035】
センター装置4は、携帯電話機3から送信された広域通信回線接続要求を受信したと判定すると(ステップC3にて「YES」)、広域通信回線接続要求を送信した携帯電話機3との間で広域通信回線を接続可能であるか否かを判定し、広域通信回線接続要求を送信した携帯電話機3との間で広域通信回線を接続可能であると判定すると、広域通信回線接続応答を携帯電話機3に送信する(ステップC4)。
【0036】
次いで、携帯電話機3において、制御部26は、センター装置4から送信された広域通信回線接続応答を広域通信部27により受信したと判定すると(ステップB4にて「YES」)、広域通信部27とセンター装置4との間で広域通信回線を接続する広域通信回線接続処理を行う。制御部26は、広域通信部27とセンター装置4との間で広域通信回線を接続すると、コンテンツデータ要求を広域通信部27からセンター装置4に送信させ(ステップB5)、センター装置4からコンテンツデータ応答が受信されることを待機する(ステップB6)。
【0037】
センター装置4は、携帯電話機3から送信されたコンテンツデータ要求を受信したと判定すると(ステップC5にて「YES」)、その受信したコンテンツデータ要求により特定されるコンテンツデータをコンテンツサービスプロバイダ6から取得し、その取得したコンテンツデータを含むコンテンツデータ応答を携帯電話機3に送信する(ステップC6)。
【0038】
携帯電話機3において、制御部26は、センター装置4から送信されたコンテンツデータ応答を広域通信部27により受信したと判定すると(ステップB6にて「YES」)、その受信したコンテンツデータ応答をBT通信部28から車両ナビゲーション装置2に送信させる(ステップB7)。
【0039】
車両ナビゲーション装置2において、制御部8は、携帯電話機3から送信されたコンテンツデータ応答をBT通信部13により受信したと判定すると(ステップA6にて「YES」)、その受信したコンテンツデータ応答に含まれているコンテンツデータを抽出し、その抽出したコンテンツデータを例えば表示装置16に表示させたりスピーカ22から音声出力させたりする(ステップA7)。具体的には、制御部8は、図5に示すように、例えば車両の現在位置を示す現在位置マークを地図データの地図上に重畳表示する現在位置表示画面38を表示装置16に表示させている状態で、乗員が天気情報に関するデータ要求操作を操作スイッチ群11や操作リモコン24により行った場合であれば、センター装置4から携帯電話機3を通じて取得した天気情報に関する天気情報画面39を現在位置表示画面38上にポップアップ表示させる。
【0040】
以上に説明したように本実施形態によれば、車両ナビゲーション装置2において、携帯電話機3が接続可能な複数のキャリア5の料金体系を示す料金体系データを取得し、携帯電話機3に課金される通信料金が最安となるキャリア5を携帯電話機3が接続するキャリア5として決定し、センター装置4から配信されたコンテンツデータを当該決定したキャリア5を通じて携帯電話機3に受信させるように構成したので、携帯電話機3を所有する乗員の金銭的な負担を軽減することができる。
【0041】
特に、このように車両ナビゲーション装置2と携帯電話機3とが両者の間でBT通信回線を接続している状態で乗員が車両ナビゲーション装置2を操作することで携帯電話機3の動作を制御可能な構成では、乗員が携帯電話機3を操作することなく車両ナビゲーション装置2を操作することが多くなり、携帯電話機3に課金される通信料金への注意が疎かになることが想定されることを鑑みると、携帯電話機3に課金される通信料金が最安となるキャリア5を選択することによる効果は大きい。
【0042】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
車載装置は、携帯電話機との間で通信可能であれば、車両ナビゲーション装置に限らず、別の機能を有する車載装置であっても良い。
携帯機器は、車載装置との間で通信可能であると共にセンター装置との間で通信可能であれば、携帯電話機に限らず、別の機能を有する携帯機器であっても良い。
車両ナビゲーション装置と携帯電話機とが両者の間でBT通信を行うことに限らず、両者の間で他の近距離無線通信を行っても良い。
【0043】
携帯電話機が接続すると決定したキャリアを車両ナビゲーション装置や携帯電話機により通知しても良い。
携帯電話機に課金される通信料金が最安となるキャリアを当該携帯電話機が接続するキャリアとして決定する処理を車両ナビゲーション装置が行うことに限らず、携帯電話機が行っても良い。
コンテンツサービスプロバイダから提供されるコンテンツデータを配信するセンター装置と、料金体系データベースを保持するセンター装置とが別々に設けられている構成であっても良い。
【0044】
路上に設置されている無線LAN通信機器が料金体系データベースを保持する構成であっても良く、車両ナビゲーション装置と携帯電話機が料金体系データを無線LAN通信により取得する構成であっても良い。
車両ナビゲーション装置が起動したとき(電源が投入されたとき)にも料金体系データ要求を送信するようにしても良い。又、キャリアがコンテンツの種類毎に料金体系を変更したとき、キャリアが時間帯毎に料金体系を変更したとき、車両の現在位置が料金体系の異なる地域間を移動したとき、センター装置からのコンテンツデータ応答の受信を終了したとき等にも料金体系データ要求を送信するようにしても良い。
【0045】
車両ナビゲーション装置の無線LAN通信部や携帯電話機の無線LAN通信部が路上に設置されている無線LAN通信機器との間で無線LAN通信可能であれば、コンテンツデータ要求を無線LAN通信部から無線LAN通信機器を経由してセンター装置に送信させ、センター装置から送信されたコンテンツデータ応答を無線LAN通信機器を経由して無線LAN通信部により受信するようにしても良い。
【符号の説明】
【0046】
図面中、1は車載通信システム、2は車両ナビゲーション装置(車載装置)、3は携帯電話機(携帯機器)、4はセンター装置、5はキャリア、8は制御部(料金体系データ取得手段、キャリア決定手段、受信制御手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されている車載装置と乗員が携帯可能な携帯機器とが両者の間で近距離無線通信回線を接続している状態で乗員が前記車載装置を操作することで前記携帯機器の動作を制御可能に構成され、センター装置から配信されたコンテンツデータを当該携帯機器が複数のキャリアのうち何れかを通じて受信可能に構成されている車載通信システムであって、
複数のキャリアの料金体系を示す料金体系データを取得する料金体系データ取得手段と、
携帯機器が接続するキャリアを前記料金体系データ取得手段により取得された料金体系データに基づいて決定するキャリア決定手段と、を備え、
前記携帯機器は、センター装置から配信されたコンテンツデータを前記キャリア決定手段により決定されたキャリアを通じて受信することを特徴とする車載通信システム。
【請求項2】
車両に搭載され、乗員が携帯可能な携帯機器との間で近距離無線通信回線を接続している状態で乗員が前記車載装置を操作することで前記携帯機器の動作を制御可能に構成され、センター装置から配信されたコンテンツデータを携帯機器が複数のキャリアのうち何れかを通じて受信可能に構成されている車載通信システムで用いられる車載装置であって、
複数のキャリアの料金体系を示す料金体系データを取得する料金体系データ取得手段と、
携帯機器が接続するキャリアを前記料金体系データ取得手段により取得された料金体系データに基づいて決定するキャリア決定手段と、
センター装置から配信されたコンテンツデータを前記キャリア決定手段により決定されたキャリアを通じて携帯機器に受信させる受信制御手段と、を備えたことを特徴とする車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−223510(P2011−223510A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93201(P2010−93201)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】