説明

車載電子制御装置

【課題】この発明は、搭載車両に固有の車両識別情報を記憶する不揮発性記憶手段を特別に備える必要がなく、故障情報を初期化するために専用の情報を使用しないで、車両識別情報の受信して故障情報を初期化するための判断を行うことを目的とする。
【解決手段】この発明は、第一の車載電子制御装置と第二の車載電子制御装置とからなる車載電子制御装置において、第二の車載電子制御装置は、電源ONとなった後、通信ラインを介して受信した搭載車両に固有の車両識別情報が初回である場合には、受信した搭載車両に固有の車両識別情報を揮発性記憶手段に一時記憶し、通信ラインを介して受信した搭載車両に固有の車両識別情報が初回以降である場合には、その受信した今回の搭載車両に固有の車両識別情報と前回に受信して揮発性記憶手段に一時記憶した搭載車両に固有の車両識別情報とを比較することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は車載電子制御装置に係り、特に、車両に搭載した複数の車載電子制御装置内に保存される故障情報の初期化を、通信ラインを介して受信した搭載車両に固有の車両識別情報に基づいて行う車載電子制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載電子制御装置は、通信ラインを通じて車両外部接続機器(故障診断テスタ)とデータ通信を行い、車載電子制御装置内の故障情報や制御情報等の様々な情報を出力したり、書き込んだりすることが可能である。また、近年は、通信ラインを介して複数の車載電子制御装置が接続され、車載電子制御装置間で制御情報を互いに送受信しながら協調して制御を実施するシステムがあり、制御情報の中には、搭載車両の固有の車両識別情報(VIN:Vehicle Identification Number)が含まれている場合がある。
従来の車載電子制御装置には、搭載車両に固有の車両識別情報を記憶しておくための記憶手段を備え、その記憶手段に搭載車両に固有の車両識別情報が記憶されていないことを自ら判断した場合に、他の車載電子制御装置に対して搭載車両に固有の車両識別情報の送信を要求し、送信要求の結果、他の車載電子制御装置から送信されてきた搭載車両に固有の車両識別情報を記憶手段に記憶するものがある。(特許第3758356号)
【0003】
一方、CARB(カリフォルニア州大気資源局)により制定されている、OBDII(On Board Diagnosis II)では、排出ガス関連の複数の車載電子制御装置の内1つに対し、搭載車両の固有の車両識別情報を登録し、その値を車両外部接続機器(故障診断テスタ)で読み出せることを要求するとともに、搭載車両の固有の車両識別情報を再登録する場合は、排出ガス関連の車載電子制御装置全てに対し、故障情報を初期化することを要求している。
この要求を満たすための手法としては、特開2009−274514、特開2009−262679に開示されるものがあるが、複数の車載電子制御装置全ての故障情報を初期化するために専用の情報を利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3758356号
【特許文献2】特開2009−274514
【特許文献3】特開2009−262679
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、複数の車載電子制御装置全ての故障情報を初期化するために専用の情報を利用した場合は、通信ライン上の情報量及び通信負荷を増加させることになる。このため、協調制御用の情報として搭載車両の固有の車両識別情報が含まれている場合は、故障情報を初期化するために専用の情報を使用しないことにより、通信ライン上の情報量及び通信負荷を低減させることが可能である。
また、搭載車両に固有の車両識別情報を記憶させる場合に、揮発性記憶手段を使用して搭載車両に固有の車両識別情報を記憶させれば、不揮発性記憶手段を特別に備える必要が無くなる。
【0006】
この発明は、搭載車両に固有の車両識別情報を記憶する不揮発性記憶手段を特別に備える必要がなく、故障情報を初期化するために専用の情報を使用しないで、搭載車両に固有の車両識別情報の受信して故障情報を初期化するための判断を行うことができる車載電子制御装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、通信ラインを介して他の車載電子制御装置あるいは車両外部接続機器との間で相互にデータ通信が可能であるとともに、車両における故障情報を個々に記憶および初期化可能な複数の車載電子制御装置であって、第一の車載電子制御装置は搭載車両に固有の車両識別情報を記憶しておくための不揮発性記憶手段を有するとともに電源ONの際にはその搭載車両に固有の車両識別情報を通信ラインに送信する一方、第二の車載電子制御装置は搭載車両に固有の車両識別情報を一時的に記憶しておくための揮発性記憶手段を有するとともに電源ONの際にはその搭載車両に固有の車両識別情報を通信ラインを介して受信するようにそれぞれ構成した車載電子制御装置において、前記第二の車載電子制御装置は、電源ONとなった後、通信ラインを介して受信した搭載車両に固有の車両識別情報が初回である場合には、受信した搭載車両に固有の車両識別情報を揮発性記憶手段に一時記憶し、通信ラインを介して受信した搭載車両に固有の車両識別情報が初回以降である場合には、その受信した今回の搭載車両に固有の車両識別情報と前回に受信して揮発性記憶手段に一時記憶した搭載車両に固有の車両識別情報とを比較することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の車載電子制御装置によれば、第二の車載電子制御装置は搭載車両に固有の車両識別情報を記憶する不揮発性記憶手段を備えていなくても、第一の車載電子制御装置により送信された搭載車両に固有の車両識別情報の受信して判断を行うことができる。このため、第二の車載電子制御装置は、搭載車両に固有の車両識別情報を記憶する不揮発性記憶手段を特別に備える必要がない。
また、この発明の車載電子制御装置によれば、電源ONとなった時(車両の起動時)の初回のみ、一時的に、搭載車両に固有の車両識別情報を記憶する一方、その後の運転中は、搭載車両に固有の車両識別情報の初回以降の受信があれば任意のタイミングで判断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第二の車載電子制御装置の故障情報初期化処理のフローチャートである。(実施例)
【図2】第一の車載電子制御装置の故障情報初期化処理のフローチャートである。(実施例)
【図3】車両に搭載された車載電子制御装置のシステム構成図である。(実施例)
【図4】車載電子制御装置の通信ハード構成を示す図である。(実施例)
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明は、複数の車載電子制御装置内に保存された故障情報の初期化を、通信ラインを介して受信した搭載車両に固有の車両識別情報に基づいて判断することで、搭載車両に固有の車両識別情報を記憶するための不揮発性記憶手段を特別に備える必要をなくすものである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0011】
図1〜図4は、この発明の実施例を示すものである。図3において、1は車両、2は駆動動力源であるエンジン、3は車両1に搭載された車載電子制御装置である。車両1は、搭載された制御対象の各種デバイス(アクチュエータ等)を制御するための複数の車載電子制御装置3として、例えば、第一の車載電子制御装置3A、第二の車載電子制御装置3B…を備えている。複数の第一の車載電子制御装置3A、第二の車載電子制御装置3B…は、通信ラインとして、シリアル通信可能で双方向のデータ通信が可能な車両側通信ライン(CAN:CONTROLLER AREA NETWORK等)4を介して互いに接続され、通常時には互いにデータを送受信しながら制御対象を制御する。車両側通信ライン4には、車両側コネクタ5を設けている。
また、複数の車載電子制御装置3は、車両側通信ライン4に外部接続が可能な車両外部接続機器として故障診断テスタ6を備えている。故障診断テスタ6は、ディスプレイ7を備え、また、前記車両側コネクタ5に結合・離脱可能な車外コネクタ8を設けた通信線である車外通信ライン9を備えている。故障診断テスタ6は、車両側通信ライン4及び車外通信ライン9を介して複数の第一の車載電子制御装置3A、第二の車載電子制御装置3B…中の少なくとも一つ、例えば第一の車載電子制御装置3Aに接続され、この接続した第一の車載電子制御装置3Aのプログラムの書換え処理、あるいは故障診断(OBDII:On Board Diagnosis II)を実行するものである。
【0012】
前記複数の第一の車載電子制御装置3A、第二の車載電子制御装置3B…は、図4に示すように構成されている。なお、複数の第一の車載電子制御装置3A、第二の車載電子制御装置3B…は、略同一構造であるので、ここでは、第一の車載電子制御装置3Aについて説明する。
第一の車載電子制御装置3Aは、制御対象の各種デバイス、例えば、ボディコントロールモジュール(BCM)、エンジンコントールモジュール(ECM)、トランスミッション(A/T)コントローラ、ABS(アンチロックブレーキシステム)コントローラ、エアバックコントローラ等の複数の車載電子制御装置(エレクトリックコントロールユニット(ECU))中から選択されたものであり、車両1の故障診断機能(自己診断)を有するとともに車両1における故障情報の個々の記憶および初期化が可能である。
第一の車載電子制御装置3Aは、車両側通信ライン4に接続した通信手段である通信ポート10と、車両1に搭載されたセンサ11からの信号をセンサ信号線12により入力して波形処理するとともに前記通信ポート10に出力する入力処理装置13と、前記通信ポート10に連絡するとともに前記入力処理装置12からの信号に基づいて目的の制御対象に対する最適制御量を演算し、この演算結果に基づいた制御信号を出力する中央処理装置(CPU)14と、制御対象の制御用プログラムやデータを格納するブロック書き換え可能な不揮発性メモリからなる制御対象用データ記憶手段(ROM)15と、中央処理装置14の制御用プログラムやデータを保存するEEPROMからなる中央処理用データ記憶手段16と、前記中央処理装置14が演算を行うためのデータを保存するとともに自己の故障情報(DTC)だけでなく他の車載電子制御装置の故障情報も保存する揮発性メモリからなる演算処理用データ記憶手段(RAM)17と、前記中央処理装置14からの制御信号を受けて制御信号ライン18により車両1に搭載された制御対象のアクチュエータ(燃料噴射弁等)19を駆動するように前記通信ポート10に出力する出力制御装置20と、電源供給回路21とを備えている。
前記電源供給回路21には、電力線22によって電力を供給する電源23を接続し、イグニション信号線24によってイグニションスイッチ信号を入力するイグニションスイッチ25を接続している。電源23は、車両側電源ライン26及び車両側グランドライン27を車両側コネクタ6に接続している。
前記故障診断テスタ6は、車外コネクタ8に車外電源ライン28及び車外グランドライン29を接続している。故障診断テスタ6は、車外コネクタ8を車両側コネクタ5に接続すると、電源23から電源を供給されて起動し、第一の車載電子制御装置3A、第二の車載電子制御装置3B…の内部の演算処理データ用記憶手段17に保存された故障情報、走行状態等を読み出してディスプレイ7に表示し、複数の第一の車載電子制御装置3A、第二の車載電子制御装置3B…のプログラムの書換え処理、故障診断の実行、あるいは搭載車両に固有の車両識別情報(VIN:Vehicle Identification Number)の書換えを行う。
【0013】
一方、第二の車載電子制御装置3Bも、第一の車載電子制御装置3Aと略同様に構成されている。ただし、第一の車載電子制御装置3Aは、不揮発性メモリからなる制御対象用データ記憶手段(ROM)15内に、搭載車両に固有の車両識別情報を記憶しておくための領域である不揮発性記憶手段30を有している。また、第二の車載電子制御装置3Bは、揮発性メモリからなる演算処理用データ記憶手段(RAM)17内に、搭載車両に固有の車両識別情報を一時的に記憶しておくための領域である揮発性記憶手段31を有している。
これにより、車載電子制御装置3は、通信ライン4を介して他の車載電子制御装置あるいは故障診断テスタ6との間で相互にデータ通信が可能であるとともに、車両1における故障情報を個々に記憶および初期化可能な複数の第一の車載電子制御装置3A、第二の車載電子制御装置3B…から構成される。第一の車載電子制御装置3Aは、搭載車両に固有の車両識別情報(VIN:Vehicle Identification Number)を記憶しておくための不揮発性記憶手段30を有するとともに、イグニッションスイッチ25による電源ON(車両1の起動)の際にはその搭載車両に固有の車両識別情報を車両側通信ライン4に送信するように構成している。一方、第二の車載電子制御装置3Bは、搭載車両に固有の車両識別情報を一時的に記憶しておくための揮発性記憶手段31を有するとともに、イグニッションスイッチ25による電源ONの際にはその搭載車両に固有の車両識別情報を車両側通信ライン4を介して受信するように構成している。
【0014】
このような車載電子制御装置3において、前記第二の車載電子制御装置3Bは、イグニッションスイッチ25により電源ONとなった後、車両側通信ライン4を介して受信した搭載車両に固有の車両識別情報が初回である場合には、受信した搭載車両に固有の車両識別情報を揮発性記憶手段17に一時記憶し、車両側通信ライン4を介して受信した搭載車両に固有の車両識別情報が初回以降である場合には、その受信した今回の搭載車両に固有の車両識別情報と前回に受信して揮発性記憶手段17に一時記憶した搭載車両に固有の車両識別情報とを比較する。
前記第二の車載電子制御装置3Bは、比較した今回と前回との搭載車両に固有の車両識別情報が互いに相違する場合には、自己が記憶する故障情報を初期化する一方、比較した今回と前回との搭載車両に固有の車両識別情報が互いに一致する場合には、自己が記億する故障情報の初期化を行わない。
【0015】
次に、この実施例の作用を説明する。
第一の車載電子制御装置3Aは、電源ONにより図2に示す処理を行う。第二の車載電子制御装置3Bは、電源ONにより図1に示す処理を行う。
【0016】
前記第一の車載電子制御装置3Aは、図2に示すように、イグニッションスイッチ25による電源ONでプログラムがスタートすると(A01)、イグニッションスイッチ25がOFFになったかを判断する(A02)。
この判断(A02)がYESの場合は、プログラムをエンドにする(A07)。この判断(A02)がNOの場合は、車両側通信ライン4に搭載車両に固有の車両識別情報(VIN)を送信し(A03)、故障診断テスタ6からの搭載車両に固有の車両識別情報の書込み要求を受信したかを判断する(A04)。
この判断(A04)がNOの場合は、判断(A02)に戻る。この判断(A04)がYESの場合は、不揮発性記憶手段30に搭載車両に固有の車両識別情報を書込んで記憶し(A05)、故障情報の初期化を行い(A06)、判断(A02)に戻る。
【0017】
前記第二の車載電子制御装置3Bは、図1に示すように、イグニッションスイッチ25による電源ONでプログラムがスタートすると(B01)、イグニッションスイッチ25がOFFになったかを判断する(BA02)。
この判断(B02)がYESの場合は、プログラムをエンドにする(B10)。この判断(B02)がNOの場合は、車両側通信ライン4から搭載車両に固有の車両識別情報(VIN)を受信したかを判断する(B03)。
この判断(B03)がNOの場合は、判断(B02)に戻る。この判断(B03)がYESの場合は、電源ON後の初回(1回目)の搭載車両に固有の車両識別情報の受信であるかを判断する(B04)。
この判断(B04)がYESの場合は、初回に受信した搭載車両に固有の車両識別情報を、今回の搭載車両に固有の車両識別情報として揮発性記憶手段31に書込んで一時記憶する(B05)。この判断(B04)がNOの場合は、初回以降に受信した今回の搭載車両に固有の車両識別情報を、前回の搭載車両に固有の車両識別情報に置き換えて揮発性記憶手段17に書込んで一時記憶する(B06)。
その後、受信した搭載車両に固有の車両識別情報を今回の搭載車両に固有の車両識別情報として揮発性記憶手段31に書込んで一時記憶し(B07)、今回の搭載車両に固有の車両識別情報と前回の搭載車両に固有の車両識別情報とを比較して一致しないかを判断する(B08)。
この判断(B08)がNOの場合は、判断(B02)に戻る。この判断(B08)がYESの場合は、故障情報の初期化を行い(B09)、判断(B02)に戻る。
【0018】
このように、この車載電子制御装置3によれば、第二の車載電子制御装置3Bは搭載車両に固有の車両識別情報を記憶する不揮発性記憶手段30を備えていなくても、第一の車載電子制御装置3Aにより送信された搭載車両に固有の車両識別情報の受信して判断を行うことができる。このため、第二の車載電子制御装置3Bは、搭載車両に固有の車両識別情報を記憶する不揮発性記憶手段30を特別に備える必要がない。
また、この車載電子制御装置3によれば、第二の車載電子制御装置3Bは電源ONとなった時(車両1の起動時)の初回のみ、一時的に、搭載車両に固有の車両識別情報を記憶する一方、その後の運転中は、搭載車両に固有の車両識別情報の初回以降の受信があれば任意のタイミングで判断を行うことができる。
【0019】
さらに、この車載電子制御装置3によれば、第二の車載電子制御装置3Bは、比較した今回と前回との搭載車両に固有の車両識別情報が互いに相違する場合には、自己が記憶する故障情報を初期化する一方、比較した今回と前回との搭載車両に固有の車両識別情報が互いに一致する場合には、自己が記億する故障情報の初期化を行わない。
このため、この車載電子制御装置3によれば、故障診断テスタ6から別な固有の車両識別情報ヘの書き換えを行う際に、固有の車両識別情報が相違するタイミングで、故障情報の初期化を行うことができる。また、この車載電子制御装置3によれば、電源ON後(車両の起動後)の運転履歴に関らず故障情報の初期化を行うことができ、その頻度の多少に関わらず実施が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
この発明は、車両に搭載した複数の車載電子制御装置内に保存される故障情報の初期化を、通信ラインを介して受信した搭載車両に固有の車両識別情報に基づいて行うことができるものであり、他の通信制御にも適用可能である。
【符号の説明】
【0021】
1 車両
2 エンジン
3 車載電子制御装置
3A 第一の車載電子制御装置
3B 第二の車載電子制御装置
4 車両側通信ライン
6 故障診断テスタ
9 車外通信ライン
10 通信ポート
13 入力処理装置
14 中央処理装置
15 制御対象用データ記憶手段
16 中央処理用データ記憶手段
17 演算処理用データ記憶手段
20 出力制御装置
21 電源供給回路
30 不揮発性記憶手段
31 揮発性記憶手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ラインを介して他の車載電子制御装置あるいは車両外部接続機器との間で相互にデータ通信が可能であるとともに、車両における故障情報を個々に記憶および初期化可能な複数の車載電子制御装置であって、
第一の車載電子制御装置は搭載車両に固有の車両識別情報を記憶しておくための不揮発性記憶手段を有するとともに電源ONの際にはその搭載車両に固有の車両識別情報を通信ラインに送信する一方、
第二の車載電子制御装置は搭載車両に固有の車両識別情報を一時的に記憶しておくための揮発性記憶手段を有するとともに電源ONの際にはその搭載車両に固有の車両識別情報を通信ラインを介して受信するようにそれぞれ構成した車載電子制御装置において、
前記第二の車載電子制御装置は、電源ONとなった後、通信ラインを介して受信した搭載車両に固有の車両識別情報が初回である場合には、受信した搭載車両に固有の車両識別情報を揮発性記憶手段に一時記憶し、
通信ラインを介して受信した搭載車両に固有の車両識別情報が初回以降である場合には、その受信した今回の搭載車両に固有の車両識別情報と前回に受信して揮発性記憶手段に一時記憶した搭載車両に固有の車両識別情報とを比較することを特徴とする車載電子制御装置。
【請求項2】
前記第二の車載電子制御装置は、比較した今回と前回との搭載車両に固有の車両識別情報が互いに相違する場合には、自己が記憶する故障情報を初期化する一方、
比較した今回と前回との搭載車両に固有の車両識別情報が互いに一致する場合には、自己が記億する故障情報の初期化を行わないことを特徴とする請求項1に記載の車載電子制御装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−231698(P2011−231698A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103336(P2010−103336)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】