車輌検知システム
【課題】特別な敷設工事を必要とせず、しかも駐車スペースへの車輌の進入と、駐車スペースからの退出とを確実に検知することができる車輌検知システムを提供することにある。
【解決手段】車輌検知システムXは車輌ロック装置1のロック板10及びスロープ板12上を連続して通過する車輌のタイヤ衝撃を検知する衝撃センサ4を備えるとともに、ロック板10が非起立状態で、衝撃センサ4の閾値以上の検知信号が一定時間差範囲で2回出力され且つ該2回目の出力から所定時間経過までに、再度前記閾値以上の検知信号が前記一定時間差範囲で2回出力されなければ、車輌検知信号を出力する信号処理部7を備えている。
【解決手段】車輌検知システムXは車輌ロック装置1のロック板10及びスロープ板12上を連続して通過する車輌のタイヤ衝撃を検知する衝撃センサ4を備えるとともに、ロック板10が非起立状態で、衝撃センサ4の閾値以上の検知信号が一定時間差範囲で2回出力され且つ該2回目の出力から所定時間経過までに、再度前記閾値以上の検知信号が前記一定時間差範囲で2回出力されなければ、車輌検知信号を出力する信号処理部7を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、所謂コイン式の駐車場では、駐車スペースに車輌が進入したことを駐車スペースに設けたセンサが検知すると、当該駐車スペースに設けたロック板が起き上がって、車輌の退出を遮断するようにした車輌ロック装置が用いられている(例えば特許文献1)。
【0003】
駐車スペースに設けられて、車輌の進入を検知するセンサとしては、特許文献1に開示されているようなループコイルを用いたセンサがある。このセンサはリープコイル上に車輌が到来した場合、例えばループコイルのインダクタンスが変化するので、その変化を検出して車輌の有無を判断するものや、車輌の通過時に発生する誘導起電力を検出するものである。
【特許文献1】特許第2961429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されているループコイル式のものは、ロック板等に設ける構成であるため、感度上の課題などがあって、車輌の検出の精度上に問題があった。
【0005】
そのため、一般的には、大きなループコイルを駐車スペースの地面下に敷設するのが一般的であり、そのため敷設工事が必要で設置に費用がかかるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは特別な敷設工事を必要とせず、しかも駐車スペースへの車輌の進入を確実に検知することができる車輌検知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明では、ロック板と、該ロック板に車輌の進退方向に連設するスロープ板と、ロック板を回動させる駆動機構部と、前記ロック板及び前記スロープ板を介して前記駆動機構部に対置され、前記ロック板の回転軸を前記駆動機構部とともに枢支する軸受け部とを備え、前記ロック板を起立させることで駐車エリアからの車輌の退出を阻止する車輌ロック装置に用いられる車輌検知システムであって、
前記車輌ロック装置の前記ロック板及び前記スロープ板上を連続して通過する車輌のタイヤ衝撃を検知する衝撃センサを備えるとともに、前記ロック板が非起立状態で、該衝撃センサの所定レベル以上の検知信号が一定時間差範囲で2回出力されると、前記ロック板の起立制御のための車輌検知信号を外部へ出力する信号処理手段を備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項1の発明によれば、衝撃センサを用いるので、雪や降雨等の影響を受けず、またループコイル式のように地面に埋めるようにな敷設工事が不要な上に、ロック板が非起立状態で、該衝撃センサの所定レベル以上の検知信号が一定時間差範囲で2回出力されると、ロック板の起立制御のための車輌検知信号を外部へ出力する信号処理手段を備えているので、悪戯などによる衝撃や不要な衝撃による誤検知を少なくでき、高い信頼性が得られる。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記信号処理手段は、検知信号の2回目の出力から所定時間経過までに、再度前記所定レベル以上の検知信号が前記一定時間差範囲で2回出力されるか否かをチェックし、出力があると前記車輌検知信号を出力せず、否であれば前記車輌検知信号を出力することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明によれば、一旦駐車スペースに進入した車輌が切り返しや、都合により所定時間内に退出するような場合には、車輌検知信号を出力しないため、ロック板が起立される、切り返しや都合による退出に対処できる。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、衝撃音を捉える音響マイクを前記車輌ロック装置に備え、前記信号処理手段は音響マイクが取られた衝撃音が車輌起因か否かを判断して車輌起因でなければ前記車輌検知信号を出力しないことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明によれば、悪戯等車輌以外の衝撃による誤検知をより確実に防ぐことができ、高い信頼性が得られる。
【0013】
請求項4の発明では、請求項1乃至3の何れかの発明において、前記ロック板の起立/非起立を検知する状態検知手段を前記車輌ロック装置に備え、前記信号処理手段は、前記ロック板の起立状態から非起立状態になってから一定時間差範囲で衝撃センサの前記所定レベル以上の検知信号が2回出力された後、車輌検知の待機状態となることを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明によれば、ロック板の起立/非起立を車輌検知システム自体で検知できることで、管理装置からの信号を用いることなく、車輌検知に対する待機状態に戻ることができる。
【0015】
請求項5の発明では、請求項1乃至4の何れかの発明において、前記衝撃センサを前記車輌ロック装置の構成部材に取着していることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明によれば、衝撃センサを車輌ロック装置の構成部材に取着することで、車輌ロック装置の敷設と同時に衝撃センサの設置も行える。
【0017】
請求項6の発明では、請求項1乃至5の何れかの発明において、前記衝撃センサを弾性部材に支持させて前記構成部材に取着していることを特徴とする。
【0018】
請求項6の発明によれば、ロック板及び前記スロープ板上を車輌が通過する際の衝撃を衝撃センサが良好にピックアップできる。
【0019】
請求項7の発明では、請求項1乃至6の何れかの発明において、前記ロック板の自由端部と前記駐車スペースの地面との間にクッション材を配置し、該クッション材と前記ロック板の可動側端部との間に圧力を検出するテープ状圧力スイッチを設け、該テープ状圧力スイッチがロック板上への車輌タイヤの乗り上げを検知したときに前記衝撃センサの感度を大きくすることを特徴とする。
【0020】
請求項7の発明によれば、ロック板上に車輌による荷重が加わったときに衝撃センサの感度を大きくするので、車輌通過を確実に検知できる上に、車輌の通過がないときの感度が小さくなるため、誤検知を少なくできる。
【0021】
請求項8の発明では、請求項1乃至7の何れかの発明において、前記ロック板又はスロープ板に、前記ロック板又は前記スロープ板に可撓性を付与する撓み部位を設けていることを特徴とする。
【0022】
請求項6の発明によれば、車輌通過時にロック板及びスロープ板が撓み易くなり、これによって撓みの復帰時に大きな衝撃が得られ、その結果、衝撃センサによる車輌検知を確実なものとする。
【0023】
請求項7の発明では、請求項1乃至6の何れかの発明において、前記ロック板の中央部を前記回転軸から浮かすように前記ロック板を前記回転軸の両端部で固定保持していることを特徴とする。
【0024】
請求項7の発明によれば、車輌がロック板とスロープ板との間を通過する際にロック板が撓み、これによって撓みの復帰時に大きな衝撃が得られ、その結果、衝撃センサによる車輌検知を確実なものとする。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、衝撃センサを用いるので、雪や降雨等の影響を受けず、またループコイル式のように地面に埋めるようにな敷設工事が不要な上に、ロック板が非起立状態で、該衝撃センサの所定レベル以上の検知信号が一定時間差範囲で2回出力されると、ロック板の起立制御のための車輌検知信号を外部へ出力する信号処理手段を備えているので、悪戯などによる衝撃や不要な衝撃による誤検知を少なくでき、信頼性が高い車輌検知システムを提供できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下本発明を実施形態により説明する。
(実施形態1)
図2は、コイン式の駐車場を俯瞰した図を示しており、車輌Mが駐車する各駐車スペースSには図1(a)に示す本実施形態の車輌検知システムXを一体に備えた車輌ロック装置1が設置され、これら車輌ロック装置1と駐車場に設置された管理装置2との間は、管理装置2から車輌ロック装置1への電源供給を行う電源線や後述するロック板10(図1(b)参照)の起立駆動等のための制御信号を管理装置2側から送る信号線、車輌検知システムの検知信号を管理装置2へ送るための信号線からなるケーブル(図示せず)により接続されている。
【0027】
車輌検知システムXは図1(a)に示すように衝撃センサ4、加速度センサ5、テープ状の圧力スイッチ6と、これらセンサ4,5、圧力スイッチ6の信号処理を行う信号処理部7とから構成され、これらを車輌ロック装置1に一体に組み込んである。
【0028】
車輌ロック装置1は、両側に対置される袖部11a,11b間に金属製のロック板10と、このロック板10に連設される金属製のスロープ板12とを備え、ロック板10側からスロープ板12方向に車輌Mの片側後輪(場合には片側前輪)がロック板10及びスロープ板12の傾斜面を通過することで、駐車スペースS内に車輌Mが進入したときに、ロック板10の上端固定している回転軸13を矢印方向回転駆動させてロック板10を起立させ、車輌Mを駐車スペースSから退出するのロックする機能を備えるものであって、管理装置2に対して車輌Mの駐車スペースSへの進入を検知する本実施形態の車輌検知システムを搭載している。
【0029】
ここで回転軸13はパイプ状に形成されたもので、車輌Mが駐車スペースSに駐車したときに車輌Mの外側となる袖部11a内に設けたギアボックス15の出力軸に一端を連結し、他端を駐車した車輌Mの下側となる袖部11b内に設けた軸受け部16に回転自在に支持されており、ギアボックス15は袖部11a内に設けた駆動モータ制御部20により制御される駆動モータ14の回転出力を減速して、ロック板10を起立させる方向或いは起立した状態から待機状態へ復帰させる方向に回転軸13を回転駆動するようになっている。つまりギアボックス15及び駆動モータ14で回転軸13の駆動機構部を構成する。
【0030】
ロック板10は、図3(a)に示すように回転軸13の両端近傍で両側を金属製の固定片10aを介して回転軸13に固定し、この固定位置間の部位を回転軸13に対してフリーな状態としており、これによりロック板10は車輌Mのタイヤ車輪が乗るとその荷重で容易に撓むようになっている。尚固定片10aはロック板10及び回転軸13に螺子若しくはによって固定される。図3(b)はロック板10を回転軸13に固定片10aを介して固定した状態を示す模式図であり、図中10dは螺子を示す。
【0031】
スロープ板12は図3(c)に示すように断面V字状に折り曲げた金属板材から形成されたもので、両側端が袖部11a,11bの対向側面に溶接等で固定されて、両袖11a、11b間に配設され、車輌ロック装置1が駐車スペースSの地面上に敷設されたときに一片が駐車スペースSの地面上に載置され、他片が車輌Mのタイヤ車輪が通過する傾斜面となる。
【0032】
さて、車輌検知システムXの衝撃センサ4は非起立状態のロック板10及びスロープ板12上を通過する際のタイヤ衝撃を検知するためのもので、例えば加速度センサ或いは歪みセンサから構成され、図4(a)に示すように例えば車輌ロック装置1の構成部材である袖部11aの内壁面に取り付けられ、ロック10及びスロープ板12上を車輌Mの車輪タイヤが通過する際に発生する衝撃を検知して信号処理部7に出力するようなっている。
【0033】
ここで衝撃センサ4の取り付けは、衝撃をピックアップし易いように図4(b)に示すように衝撃センサ4の筐体4aから突出させた固定片4bをボルト4cで取り付ける際にボルト4cの頭と固定片4bとの間に弾性材であるコイルばね4dを介在させて支持する構成を用いることで、衝撃センサ4において衝撃をピックアップし易くしている。尚衝撃センサ4の取り付け部位は袖部11aの内壁以外に軸受け部16の部位等であっても良い。
【0034】
車輌検知システムXの加速度センサ5は、ロック板10が起立方向若しくは待機方向に回転したかを検知するためのセンサであって、図4(a)に示すように軸受け部16より突出した回転軸13の端部に固定した回転板5aに回転中心より偏心した位置に取り付け、回転軸13が回転するときの加速度検知出力を信号処理部7に出力するようになっている。
【0035】
更に車輌検知システムXの圧力スイッチ6は、車輌Mの車輌タイヤがロック板10を通過する際の圧力が一定以上となるとオンするもので、オン/オフ信号を信号処理部7に出力するようなっている。信号処理部7は圧力スイッチ6からオン信号があると、衝撃センサ5の検知出力による衝撃検知の感度を大きく設定して検知処理を行うようになっている。ここで圧力スイッチ6はテープ状に形成され、ロック板10の自由端部である下端面に取着され,更にその表面に図5(a)に示すクッション材60を貼り付けてある。ロック板10は待機状態において図5(b)に示すように圧力スイッチ6の表面に取り付けたクッション材50を介して駐車スペースSの地面に当接するようになっている。
【0036】
信号処理部7は衝撃センサ4の検知信号や加速度センサ5の加速度検知出力をA/D変換するA/D変換器を内蔵したマイクロコンピュータで構成されたもので、圧力スイッチ6のオン/オフ信号の処理を含めて夫々を処理する機能と後述する車輌進入の判断処理や、車輌検知信号の出力機能を内蔵プログラムの実行によって実現するものである。
【0037】
本実施形態の車輌検知システムXと組み合わせる管理装置2は、車輌検知信号が車輌検知システムXから入力されると入車検知信号を出力する信号入力部21と、入車検知信号を受け、この入車検知信号が所定時間継続するか否かを判断する駐車確認部22と、駐車確認部22から駐車確認信号が出力されると、駐車時間のカウントを開始する駐車時間計測部23と、この駐車時間計測部23の計測時間で駐車料金を算出する駐車料金算出部24と、該駐車料金算出部24で算出された料金を各駐車スペースSに対応して表示する機能と当該料金に対応する現金の受け取りと釣り銭の支払い機構を備えた駐車料金精算部25と、前記駐車時間計測部23が駐車時間の計測を開始したときに、当該駐車スペースの車輌ロック装置1のロック板10を起立させるように車輌ロック装置1内の駆動モータ制御部20に制御信号を出力し、当該駐車スペースの駐車料金精算が終了したときにロック解除の制御信号を駆動モータ制御部20に送るロック板制御部26とで構成される。
【0038】
次に本実施形態の車輌検知システムXの動作を図6〜図9の波形図により説明する。
【0039】
まず、車輌検知システムX及び管理装置2が初期スタートすると、ロック板10は非起立状態にセットされた状態となり、車輌検知システムXは当該駐車スペースSへの車輌Mの進入に対して待機状態となる。
【0040】
ここで、圧力スイッチ6は車輌Xの荷重がロック板10にかからないためオフ状態にあるため、信号処理部7は衝撃センサ4からの検知信号に対して低い感度となっている。例えば圧力スイッチS6がオンとなるまでは検知信号による車輌検知を停止する。
【0041】
さて、次に当該駐車スペースSに車輌Mが進入してロック板10の先端部にタイヤ車輌が乗り上げると衝撃センサ4が瞬時にオンとなり、このオンをトリガとして信号処理部7は直ちに衝撃センサ4からの検知信号による車輌検知の処理を開始する。そして車輌Mのタイヤ車輪がロック板10上に乗って進入方向に進むと最初のタイヤ衝撃によって検知信号は予め設定している閾値Lを図6(a)に示すように越えることになり、この閾値Lを越えた検知信号を信号処理部7は最初の車輌検知の信号としてカウントするとともに、カウントのタイミングから内蔵タイマで時間カウントを開始し、予め設定している一定時間ts範囲内に閾値Lを越える検知信号が入力するかを監視する。つまりロック板10を昇ったタイヤ車輪が回転軸13部位を越えてスロープ板12上に乗って下ることになるが、このロック板10からスロープ板12に乗り越えるまでに要する平均的な速度から割り出した時間(例えば0.5〜1sec)を想定して前記一定時間tsを定め、この一定時間ts内に乗り越えるときに発生する衝撃によって衝撃センサ4の検知信号のレベルが閾値Lを越えるかを監視するのである。そして図2(a)一定時間ts範囲内で閾値Lを越えた検知信号が2回目の車輌検知の信号としてカウントされると、車輌Mが駐車スペースSに進入したとして判断し、この判断時点から信号処理部7は、図6(b)に示すように更に切り返しによる車輌Mの後退等を考慮した所定時間(例えば約10秒)taを更に内部タイマでカウントし、この所定時間taが経過するまでに、閾値Lを越える検知信号が衝撃センサ4から出力されるか否かをチェックし、出力がなければ所定時間taの経過時点で図2(c)に示す車輌検知信号を管理装置2の信号入力部21へ出力する。
【0042】
管理装置2の信号入力部21では車輌検知信号が入力すると、入車検知信号を駐車確認部22に出力し、この駐車確認部22は約3〜5分経過後に駐車確認信号を駐車時間計測部23へ出力する。これによって駐車時間計測部23は駐車時間の計測を開始し、また駐車時間の計測する時間データを取り込む駐車料金算出部24では駐車料金の積算を開始し、この積算された料金が精算されたか否かを駐車料金精算部25で監視する。また駐車時間の計測開始とともにロック板制御部26は駆動モータ制御部20にロック板10を起立させるための制御信号を送って駆動モータ14によりロック板10を回転駆動して起立させ、駐車料金が精算されるまで起立状態を維持させる。
【0043】
さてロック板10を起立させるための回転軸13の回転を加速度センサ5の加速度検出出力により起立状態(図6(c))を検知した信号処理部7は、ロック板10が非起立状態に戻ったことが検知されるまで衝撃センサ4の検知信号による検知処理を行わない、つまり低感度状態に戻る。
【0044】
ところで、上述の所定時間taが経過するまでに閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号が出力されると、その検知信号の出力から信号処理部7は内部タイマで一定時間tsのカウントを開始し、この一定時間ts内で再度検知信号が出力されなければ、或いは一定時間tsを越えて出力されるような場合(図7(a)に示すように一定時間ts範囲を超える間隔で複数回あった場合)には、信号処理部7はこれらはノイズであると判断し、所定時間taが経過した時点で図7(b)に示すように車輌検知信号を出力する。図7(c)は加速度センサ5の加速度検知出力によるロック板10の起立状態の検知状態を示す。
【0045】
一方信号処理部7は、図8(a)に示すように所定時間taが経過するまでに閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号の出力が一定時間ts範囲内に2回あると、切り返し若しくは運転者の都合で駐車スペースSから退出したと判断し、内蔵タイマによる所定時間taのカウントをリセットして待機状態に戻る。つまり車輌検知信号を出力しないため、ロック板10は起立されないのである。
【0046】
そして再度、閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号の発生が一定時間ts範囲内で2回発生すると、信号処理部7は図8(b)に示すように所定時間taのカウントを開始し、上述と同様に所定時間ta内に閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号の発生を監視し、切り返しや退出による衝撃センサ4の検知信号の発生がなければ、所定時間taの経過時に車輌検知信号を出力し、図8(c)に示すように加速度センサ5の加速度検知出力によるロック板10の起立状態の検知する。
【0047】
さて、駐車料金が精算されると、駐車時間計測部23の計測時間がリセットされるとともに、ロック板制御部26から駆動モータ制御部20にロック板10を非起立状態に戻す制御信号が出力され、駆動モータ14によって回転軸13が非起立方向に回転駆動されると、信号処理部7はこの回転方向を加速度センサ5加速度出力によって検知し、図9(a)に示すようにロック板10が非起立状態になったと判断する。
【0048】
この検知後、図9(b)に示すように閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号の発生が一定時間ts範囲内で2回発生しても、信号処理部7は車輌Mの退出と判断し、ロック板10を起立させるための車輌検知処理を行わず、この2回発生を検知した後に車輌Mの進入検知に対する待機状態に入るのである。
【0049】
以上のように本実施形態では、待機状態において、閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号が一定時間ts範囲内で2回発生したときに信号処理部7は車輌Mの進入と判断して車輌検知信号を出力し、単発的に閾値Lを越える検知信号が発生した場合や、一定時間ts範囲を越えて複数回発生する場合にはノイズ等と判断して車輌検知信号を出力しないので、誤検知による車輌ロック装置1の誤動作を防ぐことができ、高い信頼性が得られる。
【0050】
尚ロック板10に図10(a)に示すような凹状の切り込み形成して撓み片10bを形成したり、図10(b)に示すように溝による薄肉部10c或いはスリットをロック板10及びスロープ板12に設けて撓み易くし、衝撃センサ4による衝撃のピックアップし易くしても良い。
(実施形態2)
実施形態1は、閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号が所定時間ts範囲で2回発生する場合に車輌Mの進入有りと判断して車輌検知信号を信号処理部7が出力するものであるが、金槌、靴で車輌ロック装置1を叩いたり、或いはオートバイ、自転車が乗り上げ通過した場合に、閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号が所定時間ts範囲で2回発生する場合があり得るので、これらの場合と、車輌Mの進入とを区別するために、本実施形態では図11(a)に示すように音響マイク8aを袖部11aの底部に取り付けたスタンド81の先端に設け、その音響マイク8に対向した音響取り入れ孔80を図11(b)に示すように袖部11aの内側壁面に開口させ、車輌ロック装置1周辺の音響を捉えるようにし、この音響マイク8aで捉えた音響が車輌Mに起因するものか、その他の音響かを信号処理部7で判別するようにした点に特徴がある。尚音響マイク8aが捉えた音響信号から車輌Mに起因する音響の周波数域の信号のみを抽出するために帯域フィルタ8bを図12に示すように信号処理部7の入力ポートと音響マイク8aの出力との間に設け、音響マイク8aと帯域フィルタ8bとで音響センサを構成している。
【0051】
尚本発明者らが種々の物で車輌ロック装置1に衝撃を与えたときに捉えた音響信号の周波数域を計測したところ、金槌(バール、レンチ)で車輌ロック装置1を叩いて衝撃を加えた場合の主なる音響周波数は約10kHz〜15kHz,靴で車輌ロック装置1を蹴ったり,傘でつついて衝撃を加えた場合の主なる音響周波数は約5〜10kHz,オートバイ或いは自転車で通過した場合の主なる音響周波数は約2kHz〜5kHzであるのに対して、車輌Mの通過による主なる音響周波数が約1〜2kHzであったので、上述の帯域フィルタ8bの周波数域を約1kHz以上で2kHz未満の範囲としている。
【0052】
しかして、閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号が所定時間ts範囲で2回発生する場合に車輌Mの進入有りと判断する際に、帯域フィルタ9を通過した信号レベルが所定閾値を越えていない場合には、車輌Mを起因とする衝撃でないと判断し、車輌検知信号を出力しない。そして帯域フィルタ8bを通過した信号レベルが所定閾値を越えいるという条件が満たされている場合には、車輌Mの進入有りの判断に基づいて車輌検知信号を出力する。
【0053】
以上の構成によって本実施形態では、音響センサによって悪戯による衝撃か車輌通過による衝撃かを判断することで、精度良く車輌検知が行え、一層高い信頼性が得られるのである。
【0054】
尚、音響センサによる車輌識別だけではなく、パイプ状回転軸13内に歪みセンサ9を設け、この歪みセンサ9が回転軸13を介してロック板10に加わる荷重を検知し、この荷重が車輌相当のものであって、音響センサによる出力が車輌Mを示す場合に、車輌Mの進入有りの判断に基づいて車輌検知信号を出力するようにすれば、更に高い信頼性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】(a)は実施形態1の車輌検知システム及び管理装置の回路構成図、(b)は車輌ロック装置の斜視図である。
【図2】コイン式駐車場の一例を示す俯瞰図である。
【図3】(a)は実施形態1に用いる車輌ロック装置の別の斜視図、(b)は実施形態1に用いる車輌ロック装置の回転軸にロック板を固定した状態を示す模式図、(c)は実施形態1に用いる車輌ロック装置の一部判断省略せる斜視図である。
【図4】(a)は実施形態1に用いるセンサ取り付けを示す一部省略且つ破断した車輌ロック装置の斜視図、(b)は実施形態1に用いる衝撃センサの取り付け状態を示す拡大斜視図である。
【図5】(a)は実施形態1に用いる圧力センサに貼り付けるクッション材の説明図、(b)は実施形態1に用いる圧力センサの動作説明図である。
【図6】実施形態1の動作説明用波形図である。
【図7】実施形態1の動作説明用波形図である。
【図8】実施形態1に動作説明用波形図である。
【図9】実施形態1に動作説明用波形図である。
【図10】(a)は実施形態1に用いる車輌ロック装置の別例の一部省略する斜視図、(b)は実施形態1に用いる車輌ロック装置の他の例の一部省略する斜視図である。
【図11】(a)は実施形態2に用いる音響マイクの取り付け状態を示す車輌ロック装置の一部省略且つ破断せる拡大斜視図、(b)は実施形態2に用いる音響マイクに対応した音響取り込み孔を示す車輌ロック装置の一部省略せる斜視図である。
【図12】実施形態2の車輌検知システム及び管理装置の回路構成図である。
【符号の説明】
【0056】
X 車輌検知システム
4 衝撃センサ
5 加速度センサ
6 圧力センサ
1 車輌ロック装置
10 ロック板
10a 固定片
11a、11b 袖部
12 スロープ板
13 回転軸
14 駆動モータ
15 ギアボックス
2 管理装置
20 駆動モータ制御部
21 信号入力部
22 駐車確認部
23 駐車時間計測部
24 駐車料金算出部
25 駐車料金精算部
26 ロック板制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、所謂コイン式の駐車場では、駐車スペースに車輌が進入したことを駐車スペースに設けたセンサが検知すると、当該駐車スペースに設けたロック板が起き上がって、車輌の退出を遮断するようにした車輌ロック装置が用いられている(例えば特許文献1)。
【0003】
駐車スペースに設けられて、車輌の進入を検知するセンサとしては、特許文献1に開示されているようなループコイルを用いたセンサがある。このセンサはリープコイル上に車輌が到来した場合、例えばループコイルのインダクタンスが変化するので、その変化を検出して車輌の有無を判断するものや、車輌の通過時に発生する誘導起電力を検出するものである。
【特許文献1】特許第2961429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されているループコイル式のものは、ロック板等に設ける構成であるため、感度上の課題などがあって、車輌の検出の精度上に問題があった。
【0005】
そのため、一般的には、大きなループコイルを駐車スペースの地面下に敷設するのが一般的であり、そのため敷設工事が必要で設置に費用がかかるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは特別な敷設工事を必要とせず、しかも駐車スペースへの車輌の進入を確実に検知することができる車輌検知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、請求項1の発明では、ロック板と、該ロック板に車輌の進退方向に連設するスロープ板と、ロック板を回動させる駆動機構部と、前記ロック板及び前記スロープ板を介して前記駆動機構部に対置され、前記ロック板の回転軸を前記駆動機構部とともに枢支する軸受け部とを備え、前記ロック板を起立させることで駐車エリアからの車輌の退出を阻止する車輌ロック装置に用いられる車輌検知システムであって、
前記車輌ロック装置の前記ロック板及び前記スロープ板上を連続して通過する車輌のタイヤ衝撃を検知する衝撃センサを備えるとともに、前記ロック板が非起立状態で、該衝撃センサの所定レベル以上の検知信号が一定時間差範囲で2回出力されると、前記ロック板の起立制御のための車輌検知信号を外部へ出力する信号処理手段を備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項1の発明によれば、衝撃センサを用いるので、雪や降雨等の影響を受けず、またループコイル式のように地面に埋めるようにな敷設工事が不要な上に、ロック板が非起立状態で、該衝撃センサの所定レベル以上の検知信号が一定時間差範囲で2回出力されると、ロック板の起立制御のための車輌検知信号を外部へ出力する信号処理手段を備えているので、悪戯などによる衝撃や不要な衝撃による誤検知を少なくでき、高い信頼性が得られる。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記信号処理手段は、検知信号の2回目の出力から所定時間経過までに、再度前記所定レベル以上の検知信号が前記一定時間差範囲で2回出力されるか否かをチェックし、出力があると前記車輌検知信号を出力せず、否であれば前記車輌検知信号を出力することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明によれば、一旦駐車スペースに進入した車輌が切り返しや、都合により所定時間内に退出するような場合には、車輌検知信号を出力しないため、ロック板が起立される、切り返しや都合による退出に対処できる。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、衝撃音を捉える音響マイクを前記車輌ロック装置に備え、前記信号処理手段は音響マイクが取られた衝撃音が車輌起因か否かを判断して車輌起因でなければ前記車輌検知信号を出力しないことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明によれば、悪戯等車輌以外の衝撃による誤検知をより確実に防ぐことができ、高い信頼性が得られる。
【0013】
請求項4の発明では、請求項1乃至3の何れかの発明において、前記ロック板の起立/非起立を検知する状態検知手段を前記車輌ロック装置に備え、前記信号処理手段は、前記ロック板の起立状態から非起立状態になってから一定時間差範囲で衝撃センサの前記所定レベル以上の検知信号が2回出力された後、車輌検知の待機状態となることを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明によれば、ロック板の起立/非起立を車輌検知システム自体で検知できることで、管理装置からの信号を用いることなく、車輌検知に対する待機状態に戻ることができる。
【0015】
請求項5の発明では、請求項1乃至4の何れかの発明において、前記衝撃センサを前記車輌ロック装置の構成部材に取着していることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明によれば、衝撃センサを車輌ロック装置の構成部材に取着することで、車輌ロック装置の敷設と同時に衝撃センサの設置も行える。
【0017】
請求項6の発明では、請求項1乃至5の何れかの発明において、前記衝撃センサを弾性部材に支持させて前記構成部材に取着していることを特徴とする。
【0018】
請求項6の発明によれば、ロック板及び前記スロープ板上を車輌が通過する際の衝撃を衝撃センサが良好にピックアップできる。
【0019】
請求項7の発明では、請求項1乃至6の何れかの発明において、前記ロック板の自由端部と前記駐車スペースの地面との間にクッション材を配置し、該クッション材と前記ロック板の可動側端部との間に圧力を検出するテープ状圧力スイッチを設け、該テープ状圧力スイッチがロック板上への車輌タイヤの乗り上げを検知したときに前記衝撃センサの感度を大きくすることを特徴とする。
【0020】
請求項7の発明によれば、ロック板上に車輌による荷重が加わったときに衝撃センサの感度を大きくするので、車輌通過を確実に検知できる上に、車輌の通過がないときの感度が小さくなるため、誤検知を少なくできる。
【0021】
請求項8の発明では、請求項1乃至7の何れかの発明において、前記ロック板又はスロープ板に、前記ロック板又は前記スロープ板に可撓性を付与する撓み部位を設けていることを特徴とする。
【0022】
請求項6の発明によれば、車輌通過時にロック板及びスロープ板が撓み易くなり、これによって撓みの復帰時に大きな衝撃が得られ、その結果、衝撃センサによる車輌検知を確実なものとする。
【0023】
請求項7の発明では、請求項1乃至6の何れかの発明において、前記ロック板の中央部を前記回転軸から浮かすように前記ロック板を前記回転軸の両端部で固定保持していることを特徴とする。
【0024】
請求項7の発明によれば、車輌がロック板とスロープ板との間を通過する際にロック板が撓み、これによって撓みの復帰時に大きな衝撃が得られ、その結果、衝撃センサによる車輌検知を確実なものとする。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、衝撃センサを用いるので、雪や降雨等の影響を受けず、またループコイル式のように地面に埋めるようにな敷設工事が不要な上に、ロック板が非起立状態で、該衝撃センサの所定レベル以上の検知信号が一定時間差範囲で2回出力されると、ロック板の起立制御のための車輌検知信号を外部へ出力する信号処理手段を備えているので、悪戯などによる衝撃や不要な衝撃による誤検知を少なくでき、信頼性が高い車輌検知システムを提供できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下本発明を実施形態により説明する。
(実施形態1)
図2は、コイン式の駐車場を俯瞰した図を示しており、車輌Mが駐車する各駐車スペースSには図1(a)に示す本実施形態の車輌検知システムXを一体に備えた車輌ロック装置1が設置され、これら車輌ロック装置1と駐車場に設置された管理装置2との間は、管理装置2から車輌ロック装置1への電源供給を行う電源線や後述するロック板10(図1(b)参照)の起立駆動等のための制御信号を管理装置2側から送る信号線、車輌検知システムの検知信号を管理装置2へ送るための信号線からなるケーブル(図示せず)により接続されている。
【0027】
車輌検知システムXは図1(a)に示すように衝撃センサ4、加速度センサ5、テープ状の圧力スイッチ6と、これらセンサ4,5、圧力スイッチ6の信号処理を行う信号処理部7とから構成され、これらを車輌ロック装置1に一体に組み込んである。
【0028】
車輌ロック装置1は、両側に対置される袖部11a,11b間に金属製のロック板10と、このロック板10に連設される金属製のスロープ板12とを備え、ロック板10側からスロープ板12方向に車輌Mの片側後輪(場合には片側前輪)がロック板10及びスロープ板12の傾斜面を通過することで、駐車スペースS内に車輌Mが進入したときに、ロック板10の上端固定している回転軸13を矢印方向回転駆動させてロック板10を起立させ、車輌Mを駐車スペースSから退出するのロックする機能を備えるものであって、管理装置2に対して車輌Mの駐車スペースSへの進入を検知する本実施形態の車輌検知システムを搭載している。
【0029】
ここで回転軸13はパイプ状に形成されたもので、車輌Mが駐車スペースSに駐車したときに車輌Mの外側となる袖部11a内に設けたギアボックス15の出力軸に一端を連結し、他端を駐車した車輌Mの下側となる袖部11b内に設けた軸受け部16に回転自在に支持されており、ギアボックス15は袖部11a内に設けた駆動モータ制御部20により制御される駆動モータ14の回転出力を減速して、ロック板10を起立させる方向或いは起立した状態から待機状態へ復帰させる方向に回転軸13を回転駆動するようになっている。つまりギアボックス15及び駆動モータ14で回転軸13の駆動機構部を構成する。
【0030】
ロック板10は、図3(a)に示すように回転軸13の両端近傍で両側を金属製の固定片10aを介して回転軸13に固定し、この固定位置間の部位を回転軸13に対してフリーな状態としており、これによりロック板10は車輌Mのタイヤ車輪が乗るとその荷重で容易に撓むようになっている。尚固定片10aはロック板10及び回転軸13に螺子若しくはによって固定される。図3(b)はロック板10を回転軸13に固定片10aを介して固定した状態を示す模式図であり、図中10dは螺子を示す。
【0031】
スロープ板12は図3(c)に示すように断面V字状に折り曲げた金属板材から形成されたもので、両側端が袖部11a,11bの対向側面に溶接等で固定されて、両袖11a、11b間に配設され、車輌ロック装置1が駐車スペースSの地面上に敷設されたときに一片が駐車スペースSの地面上に載置され、他片が車輌Mのタイヤ車輪が通過する傾斜面となる。
【0032】
さて、車輌検知システムXの衝撃センサ4は非起立状態のロック板10及びスロープ板12上を通過する際のタイヤ衝撃を検知するためのもので、例えば加速度センサ或いは歪みセンサから構成され、図4(a)に示すように例えば車輌ロック装置1の構成部材である袖部11aの内壁面に取り付けられ、ロック10及びスロープ板12上を車輌Mの車輪タイヤが通過する際に発生する衝撃を検知して信号処理部7に出力するようなっている。
【0033】
ここで衝撃センサ4の取り付けは、衝撃をピックアップし易いように図4(b)に示すように衝撃センサ4の筐体4aから突出させた固定片4bをボルト4cで取り付ける際にボルト4cの頭と固定片4bとの間に弾性材であるコイルばね4dを介在させて支持する構成を用いることで、衝撃センサ4において衝撃をピックアップし易くしている。尚衝撃センサ4の取り付け部位は袖部11aの内壁以外に軸受け部16の部位等であっても良い。
【0034】
車輌検知システムXの加速度センサ5は、ロック板10が起立方向若しくは待機方向に回転したかを検知するためのセンサであって、図4(a)に示すように軸受け部16より突出した回転軸13の端部に固定した回転板5aに回転中心より偏心した位置に取り付け、回転軸13が回転するときの加速度検知出力を信号処理部7に出力するようになっている。
【0035】
更に車輌検知システムXの圧力スイッチ6は、車輌Mの車輌タイヤがロック板10を通過する際の圧力が一定以上となるとオンするもので、オン/オフ信号を信号処理部7に出力するようなっている。信号処理部7は圧力スイッチ6からオン信号があると、衝撃センサ5の検知出力による衝撃検知の感度を大きく設定して検知処理を行うようになっている。ここで圧力スイッチ6はテープ状に形成され、ロック板10の自由端部である下端面に取着され,更にその表面に図5(a)に示すクッション材60を貼り付けてある。ロック板10は待機状態において図5(b)に示すように圧力スイッチ6の表面に取り付けたクッション材50を介して駐車スペースSの地面に当接するようになっている。
【0036】
信号処理部7は衝撃センサ4の検知信号や加速度センサ5の加速度検知出力をA/D変換するA/D変換器を内蔵したマイクロコンピュータで構成されたもので、圧力スイッチ6のオン/オフ信号の処理を含めて夫々を処理する機能と後述する車輌進入の判断処理や、車輌検知信号の出力機能を内蔵プログラムの実行によって実現するものである。
【0037】
本実施形態の車輌検知システムXと組み合わせる管理装置2は、車輌検知信号が車輌検知システムXから入力されると入車検知信号を出力する信号入力部21と、入車検知信号を受け、この入車検知信号が所定時間継続するか否かを判断する駐車確認部22と、駐車確認部22から駐車確認信号が出力されると、駐車時間のカウントを開始する駐車時間計測部23と、この駐車時間計測部23の計測時間で駐車料金を算出する駐車料金算出部24と、該駐車料金算出部24で算出された料金を各駐車スペースSに対応して表示する機能と当該料金に対応する現金の受け取りと釣り銭の支払い機構を備えた駐車料金精算部25と、前記駐車時間計測部23が駐車時間の計測を開始したときに、当該駐車スペースの車輌ロック装置1のロック板10を起立させるように車輌ロック装置1内の駆動モータ制御部20に制御信号を出力し、当該駐車スペースの駐車料金精算が終了したときにロック解除の制御信号を駆動モータ制御部20に送るロック板制御部26とで構成される。
【0038】
次に本実施形態の車輌検知システムXの動作を図6〜図9の波形図により説明する。
【0039】
まず、車輌検知システムX及び管理装置2が初期スタートすると、ロック板10は非起立状態にセットされた状態となり、車輌検知システムXは当該駐車スペースSへの車輌Mの進入に対して待機状態となる。
【0040】
ここで、圧力スイッチ6は車輌Xの荷重がロック板10にかからないためオフ状態にあるため、信号処理部7は衝撃センサ4からの検知信号に対して低い感度となっている。例えば圧力スイッチS6がオンとなるまでは検知信号による車輌検知を停止する。
【0041】
さて、次に当該駐車スペースSに車輌Mが進入してロック板10の先端部にタイヤ車輌が乗り上げると衝撃センサ4が瞬時にオンとなり、このオンをトリガとして信号処理部7は直ちに衝撃センサ4からの検知信号による車輌検知の処理を開始する。そして車輌Mのタイヤ車輪がロック板10上に乗って進入方向に進むと最初のタイヤ衝撃によって検知信号は予め設定している閾値Lを図6(a)に示すように越えることになり、この閾値Lを越えた検知信号を信号処理部7は最初の車輌検知の信号としてカウントするとともに、カウントのタイミングから内蔵タイマで時間カウントを開始し、予め設定している一定時間ts範囲内に閾値Lを越える検知信号が入力するかを監視する。つまりロック板10を昇ったタイヤ車輪が回転軸13部位を越えてスロープ板12上に乗って下ることになるが、このロック板10からスロープ板12に乗り越えるまでに要する平均的な速度から割り出した時間(例えば0.5〜1sec)を想定して前記一定時間tsを定め、この一定時間ts内に乗り越えるときに発生する衝撃によって衝撃センサ4の検知信号のレベルが閾値Lを越えるかを監視するのである。そして図2(a)一定時間ts範囲内で閾値Lを越えた検知信号が2回目の車輌検知の信号としてカウントされると、車輌Mが駐車スペースSに進入したとして判断し、この判断時点から信号処理部7は、図6(b)に示すように更に切り返しによる車輌Mの後退等を考慮した所定時間(例えば約10秒)taを更に内部タイマでカウントし、この所定時間taが経過するまでに、閾値Lを越える検知信号が衝撃センサ4から出力されるか否かをチェックし、出力がなければ所定時間taの経過時点で図2(c)に示す車輌検知信号を管理装置2の信号入力部21へ出力する。
【0042】
管理装置2の信号入力部21では車輌検知信号が入力すると、入車検知信号を駐車確認部22に出力し、この駐車確認部22は約3〜5分経過後に駐車確認信号を駐車時間計測部23へ出力する。これによって駐車時間計測部23は駐車時間の計測を開始し、また駐車時間の計測する時間データを取り込む駐車料金算出部24では駐車料金の積算を開始し、この積算された料金が精算されたか否かを駐車料金精算部25で監視する。また駐車時間の計測開始とともにロック板制御部26は駆動モータ制御部20にロック板10を起立させるための制御信号を送って駆動モータ14によりロック板10を回転駆動して起立させ、駐車料金が精算されるまで起立状態を維持させる。
【0043】
さてロック板10を起立させるための回転軸13の回転を加速度センサ5の加速度検出出力により起立状態(図6(c))を検知した信号処理部7は、ロック板10が非起立状態に戻ったことが検知されるまで衝撃センサ4の検知信号による検知処理を行わない、つまり低感度状態に戻る。
【0044】
ところで、上述の所定時間taが経過するまでに閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号が出力されると、その検知信号の出力から信号処理部7は内部タイマで一定時間tsのカウントを開始し、この一定時間ts内で再度検知信号が出力されなければ、或いは一定時間tsを越えて出力されるような場合(図7(a)に示すように一定時間ts範囲を超える間隔で複数回あった場合)には、信号処理部7はこれらはノイズであると判断し、所定時間taが経過した時点で図7(b)に示すように車輌検知信号を出力する。図7(c)は加速度センサ5の加速度検知出力によるロック板10の起立状態の検知状態を示す。
【0045】
一方信号処理部7は、図8(a)に示すように所定時間taが経過するまでに閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号の出力が一定時間ts範囲内に2回あると、切り返し若しくは運転者の都合で駐車スペースSから退出したと判断し、内蔵タイマによる所定時間taのカウントをリセットして待機状態に戻る。つまり車輌検知信号を出力しないため、ロック板10は起立されないのである。
【0046】
そして再度、閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号の発生が一定時間ts範囲内で2回発生すると、信号処理部7は図8(b)に示すように所定時間taのカウントを開始し、上述と同様に所定時間ta内に閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号の発生を監視し、切り返しや退出による衝撃センサ4の検知信号の発生がなければ、所定時間taの経過時に車輌検知信号を出力し、図8(c)に示すように加速度センサ5の加速度検知出力によるロック板10の起立状態の検知する。
【0047】
さて、駐車料金が精算されると、駐車時間計測部23の計測時間がリセットされるとともに、ロック板制御部26から駆動モータ制御部20にロック板10を非起立状態に戻す制御信号が出力され、駆動モータ14によって回転軸13が非起立方向に回転駆動されると、信号処理部7はこの回転方向を加速度センサ5加速度出力によって検知し、図9(a)に示すようにロック板10が非起立状態になったと判断する。
【0048】
この検知後、図9(b)に示すように閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号の発生が一定時間ts範囲内で2回発生しても、信号処理部7は車輌Mの退出と判断し、ロック板10を起立させるための車輌検知処理を行わず、この2回発生を検知した後に車輌Mの進入検知に対する待機状態に入るのである。
【0049】
以上のように本実施形態では、待機状態において、閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号が一定時間ts範囲内で2回発生したときに信号処理部7は車輌Mの進入と判断して車輌検知信号を出力し、単発的に閾値Lを越える検知信号が発生した場合や、一定時間ts範囲を越えて複数回発生する場合にはノイズ等と判断して車輌検知信号を出力しないので、誤検知による車輌ロック装置1の誤動作を防ぐことができ、高い信頼性が得られる。
【0050】
尚ロック板10に図10(a)に示すような凹状の切り込み形成して撓み片10bを形成したり、図10(b)に示すように溝による薄肉部10c或いはスリットをロック板10及びスロープ板12に設けて撓み易くし、衝撃センサ4による衝撃のピックアップし易くしても良い。
(実施形態2)
実施形態1は、閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号が所定時間ts範囲で2回発生する場合に車輌Mの進入有りと判断して車輌検知信号を信号処理部7が出力するものであるが、金槌、靴で車輌ロック装置1を叩いたり、或いはオートバイ、自転車が乗り上げ通過した場合に、閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号が所定時間ts範囲で2回発生する場合があり得るので、これらの場合と、車輌Mの進入とを区別するために、本実施形態では図11(a)に示すように音響マイク8aを袖部11aの底部に取り付けたスタンド81の先端に設け、その音響マイク8に対向した音響取り入れ孔80を図11(b)に示すように袖部11aの内側壁面に開口させ、車輌ロック装置1周辺の音響を捉えるようにし、この音響マイク8aで捉えた音響が車輌Mに起因するものか、その他の音響かを信号処理部7で判別するようにした点に特徴がある。尚音響マイク8aが捉えた音響信号から車輌Mに起因する音響の周波数域の信号のみを抽出するために帯域フィルタ8bを図12に示すように信号処理部7の入力ポートと音響マイク8aの出力との間に設け、音響マイク8aと帯域フィルタ8bとで音響センサを構成している。
【0051】
尚本発明者らが種々の物で車輌ロック装置1に衝撃を与えたときに捉えた音響信号の周波数域を計測したところ、金槌(バール、レンチ)で車輌ロック装置1を叩いて衝撃を加えた場合の主なる音響周波数は約10kHz〜15kHz,靴で車輌ロック装置1を蹴ったり,傘でつついて衝撃を加えた場合の主なる音響周波数は約5〜10kHz,オートバイ或いは自転車で通過した場合の主なる音響周波数は約2kHz〜5kHzであるのに対して、車輌Mの通過による主なる音響周波数が約1〜2kHzであったので、上述の帯域フィルタ8bの周波数域を約1kHz以上で2kHz未満の範囲としている。
【0052】
しかして、閾値Lを越える衝撃センサ4の検知信号が所定時間ts範囲で2回発生する場合に車輌Mの進入有りと判断する際に、帯域フィルタ9を通過した信号レベルが所定閾値を越えていない場合には、車輌Mを起因とする衝撃でないと判断し、車輌検知信号を出力しない。そして帯域フィルタ8bを通過した信号レベルが所定閾値を越えいるという条件が満たされている場合には、車輌Mの進入有りの判断に基づいて車輌検知信号を出力する。
【0053】
以上の構成によって本実施形態では、音響センサによって悪戯による衝撃か車輌通過による衝撃かを判断することで、精度良く車輌検知が行え、一層高い信頼性が得られるのである。
【0054】
尚、音響センサによる車輌識別だけではなく、パイプ状回転軸13内に歪みセンサ9を設け、この歪みセンサ9が回転軸13を介してロック板10に加わる荷重を検知し、この荷重が車輌相当のものであって、音響センサによる出力が車輌Mを示す場合に、車輌Mの進入有りの判断に基づいて車輌検知信号を出力するようにすれば、更に高い信頼性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】(a)は実施形態1の車輌検知システム及び管理装置の回路構成図、(b)は車輌ロック装置の斜視図である。
【図2】コイン式駐車場の一例を示す俯瞰図である。
【図3】(a)は実施形態1に用いる車輌ロック装置の別の斜視図、(b)は実施形態1に用いる車輌ロック装置の回転軸にロック板を固定した状態を示す模式図、(c)は実施形態1に用いる車輌ロック装置の一部判断省略せる斜視図である。
【図4】(a)は実施形態1に用いるセンサ取り付けを示す一部省略且つ破断した車輌ロック装置の斜視図、(b)は実施形態1に用いる衝撃センサの取り付け状態を示す拡大斜視図である。
【図5】(a)は実施形態1に用いる圧力センサに貼り付けるクッション材の説明図、(b)は実施形態1に用いる圧力センサの動作説明図である。
【図6】実施形態1の動作説明用波形図である。
【図7】実施形態1の動作説明用波形図である。
【図8】実施形態1に動作説明用波形図である。
【図9】実施形態1に動作説明用波形図である。
【図10】(a)は実施形態1に用いる車輌ロック装置の別例の一部省略する斜視図、(b)は実施形態1に用いる車輌ロック装置の他の例の一部省略する斜視図である。
【図11】(a)は実施形態2に用いる音響マイクの取り付け状態を示す車輌ロック装置の一部省略且つ破断せる拡大斜視図、(b)は実施形態2に用いる音響マイクに対応した音響取り込み孔を示す車輌ロック装置の一部省略せる斜視図である。
【図12】実施形態2の車輌検知システム及び管理装置の回路構成図である。
【符号の説明】
【0056】
X 車輌検知システム
4 衝撃センサ
5 加速度センサ
6 圧力センサ
1 車輌ロック装置
10 ロック板
10a 固定片
11a、11b 袖部
12 スロープ板
13 回転軸
14 駆動モータ
15 ギアボックス
2 管理装置
20 駆動モータ制御部
21 信号入力部
22 駐車確認部
23 駐車時間計測部
24 駐車料金算出部
25 駐車料金精算部
26 ロック板制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロック板と、該ロック板に車輌の進退方向に連設するスロープ板と、ロック板を回動させる駆動機構部と、前記ロック板及び前記スロープ板を介して前記駆動機構部に対置され、前記ロック板の回転軸を前記駆動機構部とともに枢支する軸受け部とを備え、前記ロック板を起立させることで駐車エリアからの車輌の退出を阻止する車輌ロック装置に用いられる車輌検知システムであって、
前記車輌ロック装置の前記ロック板及び前記スロープ板上を連続して通過する車輌のタイヤ衝撃を検知する衝撃センサを備えるとともに、前記ロック板が非起立状態で、該衝撃センサの所定レベル以上の検知信号が一定時間差範囲で2回出力されると、前記ロック板の起立制御のための車輌検知信号を外部へ出力する信号処理手段を備えていることを特徴とする車輌検知システム。
【請求項2】
前記信号処理手段は、検知信号の2回目の出力から所定時間経過までに、再度前記所定レベル以上の検知信号が前記一定時間差範囲で2回出力されるか否かをチェックし、出力があると前記車輌検知信号を出力せず、否であれば前記車輌検知信号を出力することを特徴とする請求項1記載の車輌検知システム。
【請求項3】
衝撃音を捉える音響マイクを前記車輌ロック装置に備え、前記信号処理手段は音響マイクが取られた衝撃音が車輌起因か否かを判断して車輌起因でなければ前記車輌検知信号を出力しないことを特徴とする請求項1又は2記載の車輌検知システム。
【請求項4】
前記ロック板の起立/非起立を検知する状態検知手段を前記車輌ロック装置に備え、前記信号処理手段は、前記ロック板の起立状態から非起立状態になってから一定時間差範囲で衝撃センサの前記所定レベル以上の検知信号が2回出力された後、車輌検知の待機状態となることを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載の車輌検知システム。
【請求項5】
前記衝撃センサを前記車輌ロック装置の構成部材に取着していることを特徴とする請求項1乃至4の何れかの1項に記載の車輌検知システム。
【請求項6】
前記衝撃センサを弾性部材に支持させて前記構成部材に取着していることを特徴とする請求項1乃至5の何れかの1項に記載の車輌検知システム。
【請求項7】
前記ロック板の自由端部と前記駐車スペースの地面との間にクッション材を配置するとともに、該クッション材と前記ロック板の可動側端部との間に圧力を検出するテープ状圧力スイッチを設け、該テープ状圧力スイッチがロック板上への車輌タイヤの乗り上げを検知したときに前記衝撃センサの感度を大きくすることを特徴とする請求項1乃至6の何れかの1項に記載の車輌検知システム。
【請求項8】
前記ロック板又は前記スロープ板に可撓性を付与する撓み部位を設けていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかの1項に記載の車輌検知システム。
【請求項9】
前記ロック板の中央部を前記回転軸から浮かすように前記ロック板を前記回転軸の両端部で固定保持していることを特徴とする請求項1乃至8の何れかの車輌検知システム。
【請求項1】
ロック板と、該ロック板に車輌の進退方向に連設するスロープ板と、ロック板を回動させる駆動機構部と、前記ロック板及び前記スロープ板を介して前記駆動機構部に対置され、前記ロック板の回転軸を前記駆動機構部とともに枢支する軸受け部とを備え、前記ロック板を起立させることで駐車エリアからの車輌の退出を阻止する車輌ロック装置に用いられる車輌検知システムであって、
前記車輌ロック装置の前記ロック板及び前記スロープ板上を連続して通過する車輌のタイヤ衝撃を検知する衝撃センサを備えるとともに、前記ロック板が非起立状態で、該衝撃センサの所定レベル以上の検知信号が一定時間差範囲で2回出力されると、前記ロック板の起立制御のための車輌検知信号を外部へ出力する信号処理手段を備えていることを特徴とする車輌検知システム。
【請求項2】
前記信号処理手段は、検知信号の2回目の出力から所定時間経過までに、再度前記所定レベル以上の検知信号が前記一定時間差範囲で2回出力されるか否かをチェックし、出力があると前記車輌検知信号を出力せず、否であれば前記車輌検知信号を出力することを特徴とする請求項1記載の車輌検知システム。
【請求項3】
衝撃音を捉える音響マイクを前記車輌ロック装置に備え、前記信号処理手段は音響マイクが取られた衝撃音が車輌起因か否かを判断して車輌起因でなければ前記車輌検知信号を出力しないことを特徴とする請求項1又は2記載の車輌検知システム。
【請求項4】
前記ロック板の起立/非起立を検知する状態検知手段を前記車輌ロック装置に備え、前記信号処理手段は、前記ロック板の起立状態から非起立状態になってから一定時間差範囲で衝撃センサの前記所定レベル以上の検知信号が2回出力された後、車輌検知の待機状態となることを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載の車輌検知システム。
【請求項5】
前記衝撃センサを前記車輌ロック装置の構成部材に取着していることを特徴とする請求項1乃至4の何れかの1項に記載の車輌検知システム。
【請求項6】
前記衝撃センサを弾性部材に支持させて前記構成部材に取着していることを特徴とする請求項1乃至5の何れかの1項に記載の車輌検知システム。
【請求項7】
前記ロック板の自由端部と前記駐車スペースの地面との間にクッション材を配置するとともに、該クッション材と前記ロック板の可動側端部との間に圧力を検出するテープ状圧力スイッチを設け、該テープ状圧力スイッチがロック板上への車輌タイヤの乗り上げを検知したときに前記衝撃センサの感度を大きくすることを特徴とする請求項1乃至6の何れかの1項に記載の車輌検知システム。
【請求項8】
前記ロック板又は前記スロープ板に可撓性を付与する撓み部位を設けていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかの1項に記載の車輌検知システム。
【請求項9】
前記ロック板の中央部を前記回転軸から浮かすように前記ロック板を前記回転軸の両端部で固定保持していることを特徴とする請求項1乃至8の何れかの車輌検知システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−176714(P2008−176714A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−11589(P2007−11589)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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