説明

転がり軸受ユニットの剛性評価装置及び評価方法

【課題】予圧が付与された転がり軸受において、転がり軸受ユニットの剛性を精度よく求めることができる転がり軸受ユニットの剛性評価方法及び装置を提供する。
【解決手段】予圧が付与された転がり軸受を備えた転がり軸受ユニット4に対する軸受剛性を評価する軸受ユニットの剛性評価装置において、軸受外輪42に対して半径方向から振動を与える加振手段1と、前記軸受外輪42の半径方向側面に設けられ前記転がり軸受ユニットの弾性曲げモードに対応する共振周波数を検出する振動検出部2とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予圧が付与された複列軸受、組合せ軸受などの転がり軸受を備えた転がり軸受ユニットに関して評価を行える転がり軸受ユニットの剛性評価装置及び評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的には、予圧が加えられた複列軸受または組合せ軸受においては、軸受が組み込まれる機械の性能面から高剛性が要求される。しかし、予圧量を多くして剛性を高くし過ぎると、予圧過大となって軸受性能(摩擦モーメント増大、異常発熱、疲れ寿命など)の低下を招いてしまう。従って、軸受の剛性値を予圧量と関連付けながら一定の範囲内で制御する必要がある。
【0003】
軸受の剛性値を測定するための技術としては、以下のものが知られている。特開平5−10835号公報(特許文献1)には、回転する軸受から発生する振動信号の周波数分析を行うことにより転動体の接触角と軸受の共振周波数faとを求め、接触角および共振周波数から軸受剛性Kaおよび予圧量を求める方法が記載されている。
【0004】
また、特許第3551033号公報(特許文献2)には、複数の共振周波数から軸受の軸方向剛性を求める方法が開示されている。
【0005】
また、特開2003−130762号公報(特許文献3)には、転がり軸受の軸方向の固有振動数、角度方向の固有振動数、半径方向の固有振動数、またこの二つが連成した固有振動数の内の少なくとも一つを計測し、計測した前記固有振動数の周波数比を求め、予め求めた周波数比と接触角の関係より、接触角を求めるとともに、前記軸方向の固有振動数より求めた軸方向剛性とから軸受の予圧を求める方法が開示されている。
【0006】
図6は複列軸受ユニット4の断面図及び剛性評価装置の構成図である。図6に示すように、剛性評価装置は、予圧が付与された軸受に所定の周波数の振動を与える加振部1と、軸受の内、外輪の振動を検出するための振動検出部2と、検出された軸受の内、外輪の振動から軸受の剛性を求めるとともに、その求めた軸受剛性から軸受に付与された予圧を算出するための演算処理部3とを備え、本装置には、自動車の車輪に取り付けられるハブIII軸受からなる複列軸受を備えた軸受ユニット4が被測定軸受として取り付けられている。
【0007】
この軸受ユニット4は、内周に2列の転走面が形成された外輪42と、外輪42の一方の転走面に対向する転走面が外周に形成されたハブシャフト41と、外輪42の他方の転走面に対向する転走面が外周に形成された内輪部材45とを有し、内輪部材45はハブシャフト41に圧入され、内輪部材45とハブシャフト41とは互いに協働して外輪42に対する内輪を構成する。
【0008】
外輪42とハブシャフト41および内輪部材45との間にはボール43,44が挿入されている。ハブシャフト41の一方の端部にはフランジ部41aが一体に形成され、該フランジ41aには軸受ユニット4を取付対象部位に固定するためのボルト47を受け入れるための複数の穴が設けられている。ハブシャフト41の途中部位には肩部が形成されているとともに、他方の端部には、ナット46を螺合するねじ部41bが形成されている。
【0009】
内輪部材45は、その端部がハブシャフト41の前記肩部に押し当てられながらねじ部41bに螺合されているナット46により締め付けられ、この締付けにより外輪42とハブシャフト41および内輪部材45間のボール43,44に対して予圧が付与されている。また、外輪42とハブシャフト41とが互いに対向する端面間には、負隙間が形成されている。
【0010】
ハブシャフト41の中心位置には振動検出センサ21が配置され、この振動検出センサは検出した振動波形を電圧信号として出力するようになっている。
【0011】
加振部1は、測定周波数帯の下限から上限周波数まで高速に正弦波を掃引する電圧波形を発生する発振器1aと、発振器1aから発生された電圧波形に対応する振幅および周波数を有する加振力を発生する動電型加振機1bと、動電型加振機1bで発生された加振力を軸受ユニット4のハブシャフト41に伝達するための加振棒1cと、軸受ユニット4の第1の内輪41を固定するための防振台1dとを有し、防振台1d上には第1の内輪41のフランジ部41aが載置されている。
【0012】
ここでは、測定周波数帯域として1〜5KHzが設定され、振幅が一定である正弦波を掃引して電圧波形を発生することにより、1〜5KHzで振幅一定の加振力を発生するように設定されている。よって、上記加振力により軸受ユニット4には振動が励起される。この軸受ユニット4に励起される振動モードには、加振力の周波数帯域内の軸受ばねに起因するアキシアル剛体モード(軸受ユニット4の軸方向の振動モード)と、コニカル剛体モード(外輪42の傾きによる振動モード)と、ローカルモードであるハブシャフト41のフランジ部41aの弾性曲げモードと、外輪42の弾性曲げモードとが含まれている。
【0013】
この構成の剛性評価装置は、外輪42に軸方向から加振して軸受ユニット4の軸方向の共振周波数を測定している。
【特許文献1】特開平5−10835号公報
【特許文献2】特許第3551033号公報
【特許文献3】特開2003−130762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、近年、複雑な形状を有する軸受ユニットが現れており、上記のような剛性評価方法は必ずしも有効ではない。例えば、フランジ等の形状が軸方向視で対称でない構成の軸受ユニットの場合、上記のような軸方向の加振では、はっきりとしたピークが現れないことがあり、軸受ユニットの剛性を正確に測定することができなかった。
【0015】
例えば、ハブ軸受ユニットのような円周方向に形状が非対称で軸方向に大きな予圧をかけられた状態で使用される軸受ユニットは、軸方向からの加振が応答点に達する前に減衰してしまい、振動信号を検出できないことがある。
【0016】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、予圧が付与された転がり軸受において、転がり軸受ユニットの剛性を精度よく求めることができる転がり軸受ユニットの剛性評価方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
【0018】
(1) 予圧が付与された転がり軸受を備えた転がり軸受ユニットに対する軸受剛性を評価する軸受ユニットの剛性評価装置において、
軸受外輪に対して半径方向から振動を与える加振手段と、前記軸受外輪の半径方向側面に設けられ前記転がり軸受ユニットの弾性曲げモードに対応する共振周波数を検出する振動検出手段とを備えたことを特徴とする軸受ユニットの剛性評価装置。
【0019】
(2) 振動検出手段から出力された振動信号を分析するFFT手段と、軸受予圧に相関する少なくとも1つの共振周波数の測定値を、予め設定した閾値と比較することにより良否判別を行う判定手段と、判定結果を表示する表示手段と、判定結果を記録する記録手段とを備えたことを特徴とする前記(1)記載の剛性評価装置。
【0020】
(3) 前記振動検出手段が、変位型、速度型、加速度型のいずれかの振動検出器であることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の剛性評価装置。
【0021】
(4) 前記振動検出手段が、前記転がり軸受ユニットに備えられた半径方向の振動センサであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか記載の剛性評価装置。
【0022】
(5) 前記転がり軸受ユニットが車両用ハブユニットであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか記載の剛性評価装置。
【0023】
(6) 予圧が付与された転がり軸受を備えた軸受ユニットに対する軸受剛性を評価する軸受ユニットの剛性評価方法において、
軸受外輪に対して半径方向から振動を与え、前記軸受外輪の半径方向側面に設けた振動検出器により前記転がり軸受ユニットの弾性曲げモードに対応する共振周波数を検出することを特徴とする軸受ユニットの剛性評価方法。
【0024】
(7) 振動検出器から出力された振動信号をFFT分析し、軸受予圧に相関する少なくとも1つの共振周波数の測定値を、予め設定した閾値と比較することにより良否判別を行い、その判定結果の表示及び記録をすることを特徴とする前記(6)記載の評価方法。
【0025】
(8) 前記振動検出器として、変位型、速度型、加速度型のいずれかを用いることを特徴とする前記(6)又は(7)記載の剛性評価方法。
【0026】
前記(1)の構成によれば、軸受外輪に半径方向の振動を与えて共振周波数を測定することにより、フランジ部の弾性曲げモーメントに対応した共振周波数を測定することができる。その結果、軸受の予圧と相関の高い周波数ピークを捉えることができ、軸受剛性を正確に評価することができる。
【0027】
ハブ軸受のような非対称型の軸受を有する軸受ユニットの振動モードは、アキシアル剛体モードとコニカル剛体モードと、フランジ部の弾性曲げモードや外輪の弾性曲げモードが含まれた振動モードとなる。フランジ部の弾性曲げモードや外輪の弾性曲げモード等の弾性曲げモーメントが支配的になった場合、従来のような軸方向の加振では共振周波数を正確に測定できないことが分かった。
【0028】
そこで、前記(1)、(6)の構成のように、軸受外輪に半径方向から加振することにより共振周波数を正確に測定することができる。
【0029】
共振周波数を正確に測定するには、予め設定した閾値と測定値とを比較して判定することが好ましく、前記(2)、(7)の構成のように、振動検出器から出力された振動信号をFFT分析し、軸受予圧に相関する少なくとも1つの共振周波数を、予め設定した閾値と比較することにより良否判別を行い、その判定結果の表示及び記録をすることが好ましい。
【0030】
前記(3)、(8)の構成によれば、振動検出器として変位型、速度型、加速度型のいずれかを用いることにより、振動を正確に検出することができる。
【0031】
前記(4)の構成によれば、転がり軸受ユニットに備えられた半径方向の振動センサで半径方向の振動を測定することにより、共振周波数を正確に測定することができる。
【0032】
前記(5)の構成のように、本発明は車両用ハブ軸受ユニットのような、ハブ形状が非対称の軸受ユニットの剛性評価に好適である。
【0033】
なお、特許3736250号公報には、ラジアル方向の加振を利用した転がり軸受ユニットのラジアル共振周波数の測定方法が開示されているが、特許3736250号公報には、アキシアル剛体モードとコニカル剛体モードとフランジ部の弾性曲げモードと外輪の弾性曲げモードが含まれた振動モードのうち、弾性曲げモード、特に外輪の弾性曲げモードに有効であることの記載及び示唆はない。
【0034】
本願発明は、単に特許3736250号公報の技術を適用したのではなく、ラジアル方向に加振してラジアル方向の振動を測定する方法が、ハブ軸受のような軸受ユニットの特有の振動モードに有効であることを見いだして適用したものである。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、軸受ユニットの半径方向の振動を利用することにより、予圧が付与された軸受を備えた軸受ユニットの共振周波数を正確に測定することができ、その結果、軸受ユニットの剛性を正確に評価することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態の剛性評価装置の構成図、図2は剛性評価装置のブロック図、図3は剛性評価装置による処理フロー図、図4は測定結果を表すグラフ、図5は第2実施形態の剛性評価装置の構成図である。なお、測定対象となる転がり軸受ユニットは図6に示す従来のものと同じ構成であるので、同じ部材に同符号を付して転がり軸受ユニットの構成の説明は省略する。
【0037】
外輪フランジ42aの半径方向側面には、加振部1の加振棒1cが当接して配置されており、反対側の側面には外輪フランジ42aの振動を検出する振動検出部2の振動検出センサ(振動検出器)21が当接して配置されている。振動検出部2には検出した共振周波数から軸受ユニット4の剛性を評価する演算処理部3が接続されている。
【0038】
加振部1は測定周波数帯の下限から上限周波数まで高速に正弦波を掃引する電圧波形を発生する発振器1aと、発振器1aから発生された電圧波形に対応する振幅及び周波数を有する加振力を発生する動電型加振器1bと、動電型加振器1bで発生された加振力を外輪フランジに伝達するための加振棒1cと、軸受ユニット4の第1の内輪41を固定するための防振台1dとを有し、防振台1d上には第1の内輪41のフランジ部41aが載置されている。
【0039】
図2に剛性評価装置のブロック図を示し、図3に剛性評価装置による処理のフローを示すように、剛性評価装置では、まず予圧を付与された軸受ユニット4の外輪42のフランジ42aに加振部1により半径方向の振動を与えながら(S1)、外輪42のフランジ42aの半径方向側面に設けた振動検出センサ(振動検出器)21により半径方向の振動を検出する(S2)。次いで、増幅部22により振動検出センサ(振動検出器)21からの出力信号を増幅する(S3)。次いで、FFT分析部31により共振周波数を分析する(S4)。次いで、軸受予圧と相関の高い少なくとも1つの共振周波数のピーク値と予め設定しておいた閾値32とを比較部33により比較する(S5)。次いで、判定部34により共振周波数の測定値が閾値32の範囲内か否かにより共振周波数に対応する軸受剛性の良否を判定する(S6)。次いで、表示部35により判定結果を表示するとともに(S7)、記録部36により判定結果を記録する(S8)。
【0040】
図4(a)は、第1の試験軸受の、予圧が小さい場合と、予圧が大きい場合の共振周波数を測定した結果である。図4(b)は、第2の試験軸受の、予圧が小さい場合と、予圧が大きい場合の共振周波数を測定した結果である。これらのグラフから明らかなように、いずれの軸受についても、予圧が小さい場合と大きい場合のそれぞれに、予圧と相関の高い共振周波数のピークがはっきりと現れている。そして、予めこれらのピークの共振周波数に基づいて、閾値の範囲を設定しておき、測定対称の軸受の実際に測定した共振周波数をこの閾値と比較して、共振周波数に対応する軸受剛性の良否を判断する。なお、共振周波数の閾値は、軸受の種類、型番等に応じて、異なる値に設定されている。
【0041】
解析を実施した結果、外輪フランジを半径方向に加振して、半径方向の変位を検出する本実施形態の方法によれば、外輪フランジの曲げモードの感度が一番良いことが分かった。実測により外輪半径方向の端面の2点間における位相差を確認した結果からも、共振周波数が外輪フランジの曲げモードであることが確認できた。
【0042】
第1実施形態によれば、軸受ユニット4に付与される予圧の大小に応じた共振周波数が現れるので、検出された共振周波数が、軸受ユニット4の設定された剛性に対応した共振周波数の範囲内であるか否かを判定することにより、軸受ユニット4の剛性が適正範囲内であるか否かを判定することができる。共振周波数は、1つの予圧値に対して測定するだけでもよいが、複数の予圧値に対してそれぞれ共振周波数を測定し、予圧に相関した複数の共振周波数を閾値と比較して判定してもよい。
【0043】
また、第1実施形態によれば、検出された共振周波数、転動体の接触角、予圧に基づいて、例えば特許文献1、特許文献2に記載の方法により軸受剛性を正確に求めることができる。
【0044】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。図5は本発明の第2実施形態である剛性評価装置の構成図である。
【0045】
第2実施形態において、軸受ユニット4は加速度センサ50を備えている。第2実施形態の剛性評価装置では、この加速度センサ50を利用して、剛性評価時の軸受ユニット4の弾性曲げモーメントに対応する共振周波数を検出するようになっている。
【0046】
なお、軸受の他の構成は第1実施形態の軸受とほぼ同じであるので、第1実施形態の軸受と同じ部材には同符号を付してその説明を省略する。
【0047】
第2実施形態では、図5に示すように、振動検出センサ(振動検出器)21としての加速度センサ50により振動を検出し、増幅部22により振動検出センサ(振動検出器)21の出力信号を増幅し、FFT分析部31により共振周波数を分析し、分析した共振周波数のピーク値と予め設定した閾値32とを比較部33により比較し、判定部35により測定値が閾値32の範囲内かを判定し、表示部35により判定結果を表示するとともに、記録部36により判定結果を記録する。
【0048】
第2実施形態によっても、軸受ユニット4に付与される予圧の大小に応じた共振周波数が現れるので、検出された共振周波数が、軸受ユニット4の設定された所定の剛性に対応した共振周波数の範囲内であるか否かを判定することにより、軸受ユニット4の剛性が適正範囲内であるか否かを判定することができる。共振周波数は、1つの予圧値に対して測定するだけでもよいが、複数の予圧値に対してそれぞれ共振周波数を測定し、予圧に相関した複数の共振周波数を閾値と比較して判定してもよい。
【0049】
また、第2実施形態によっても、検出された共振周波数、転動体の接触角、予圧に基づいて、例えば特許文献1、特許文献2に記載の方法により軸受剛性を正確に求めることができる。
【0050】
更に、第2実施形態によれば、もともと軸受ユニットに備えられている加速度センサ50を剛性評価に用いることで、剛性評価装置の振動検出器を省略することができ、剛性評価装置の小型化及びコスト低減が可能となる。
【0051】
なお、本発明は半径方向に加振して半径方向の共振周波数を測定するものであるが、これに加えて、更に軸方向に加振して軸方向の共振周波数を測定して剛性の判定に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1実施形態である剛性評価装置の構成図である。
【図2】剛性評価装置のブロック図である。
【図3】剛性評価装置による処理フロー図である。
【図4】共振周波数の測定結果を表すグラフである。
【図5】本発明の第2実施形態である剛性評価装置の構成図である。
【図6】従来の剛性評価装置の構成図である。
【符号の説明】
【0053】
1 加振部
1a 発信器
1b 動電型加振機
1c 加振棒
1d 防振台
2 振動検出部
3 演算処理部
4 軸受ユニット
21 振動検出センサ
41 ハブシャフト
41a フランジ部
42 外輪
42a 外輪フランジ
43,44 ボール
45 内輪部材
46 ナット
50 加速度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予圧が付与された転がり軸受を備えた転がり軸受ユニットに対する軸受剛性を評価する軸受ユニットの剛性評価装置において、
軸受外輪に対して半径方向から振動を与える加振手段と、前記軸受外輪の半径方向側面に設けられ前記転がり軸受ユニットの弾性曲げモードに対応する共振周波数を検出する振動検出手段とを備えたことを特徴とする軸受ユニットの剛性評価装置。
【請求項2】
振動検出手段から出力された振動信号を分析するFFT手段と、軸受予圧に相関する少なくとも1つの共振周波数の測定値を、予め設定した閾値と比較することにより良否判別を行う判定手段と、判定結果を表示する表示手段と、判定結果を記録する記録手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の剛性評価装置。
【請求項3】
前記振動検出手段が、変位型、速度型、加速度型のいずれかの振動検出器であることを特徴とする請求項1又は2記載の剛性評価装置。
【請求項4】
前記振動検出手段が、前記転がり軸受ユニットに備えられた半径方向の振動センサであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の剛性評価装置。
【請求項5】
前記転がり軸受ユニットが車両用ハブユニットであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の剛性評価装置。
【請求項6】
予圧が付与された転がり軸受を備えた軸受ユニットに対する軸受剛性を評価する軸受ユニットの剛性評価方法において、
軸受外輪に対して半径方向から振動を与え、前記軸受外輪の半径方向側面に設けた振動検出器により前記転がり軸受ユニットの弾性曲げモードに対応する共振周波数を検出することを特徴とする軸受ユニットの剛性評価方法。
【請求項7】
振動検出器から出力された振動信号をFFT分析し、軸受予圧に相関する少なくとも1つの共振周波数の測定値を、予め設定した閾値と比較することにより良否判別を行い、その判定結果の表示及び記録をすることを特徴とする請求項6記載の評価方法。
【請求項8】
前記振動検出器として、変位型、速度型、加速度型のいずれかを用いることを特徴とする請求項6又は7記載の剛性評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−249664(P2008−249664A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−94840(P2007−94840)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】