転倒防止装置および事務機器
【課題】普段は邪魔にならず、地震の振動が加わった場合は直ちに支持脚が展開して、震災時に発生する事務機器本体の転倒や移動を防ぐことができ、避難時の邪魔にならず、実用面で充分な安全性と低コストで必要な転倒防止機構を量産可能に実現すること。
【解決手段】事務機器本体1に収納され、上端が前記事務機本体と回動自在に結合され延伸支持脚5を長手方向に移動自在に保持するための保持構造部を備えた支持脚2と、支持脚2の保持構造部に保持されて下端に弾性体5を用いた保持部を備えた延伸支持脚4と、下端が前記事務機本体と回動自在に結合され上端が地震振動と自重により水平方向に回動移動して支持脚2を展開させる保持脚3とを備え、延伸支持脚4は、支持脚2が所定角度を超えて事務機本体1外向きに回動した場合、自重で下方に延伸する構成を特徴とする転倒防止装置。
【解決手段】事務機器本体1に収納され、上端が前記事務機本体と回動自在に結合され延伸支持脚5を長手方向に移動自在に保持するための保持構造部を備えた支持脚2と、支持脚2の保持構造部に保持されて下端に弾性体5を用いた保持部を備えた延伸支持脚4と、下端が前記事務機本体と回動自在に結合され上端が地震振動と自重により水平方向に回動移動して支持脚2を展開させる保持脚3とを備え、延伸支持脚4は、支持脚2が所定角度を超えて事務機本体1外向きに回動した場合、自重で下方に延伸する構成を特徴とする転倒防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合型複写機等の事務機器における震災時の転倒防止機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、底面に備えられた複数の主脚部で支持された本体の側面に設けられ、この本体に対して収納、展開両様の姿勢をとり得る補助脚部を備え、この補助脚部は、本体に対し上端を支点として回転自在に連結され、本体の側面から展開することを特徴とする機器の転倒防止装置が開示されている。
【0003】
特許文献2では、オプション装置の構成部材でフット移動部材を押圧することにより、フット移動部材が可動フットを転倒防止位置に移動させるよう構成し、オプション装置の装着前にはフットを通常使用位置に保持し、オプション装置の装着後にはフットの取付作業を行うことなく転倒し難い転倒防止位置にフットを保持することができる転倒防止装置が開示されている。
【0004】
また、転倒を防止したい機器を床材にアンカーで固定することも広く行なわれている。
【特許文献1】特開2005−227633号公報
【特許文献1】特開2001−185864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のような主脚部の拡張動作が大きくなると、利用者の足を踏んだり、怪我を負わせたり、ひいては避難経路を塞ぐなどの可能性がある。
【0006】
また、特許文献2のようなデバイス本体の内部構造に大きな容積を必要とする構造体では、デバイス全体が大きくなり、またコストも高騰するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、普段は邪魔にならず、地震の振動が加わった場合は直ちに支持脚が展開して、震災時に発生する事務機器本体の転倒や移動を防ぐことができ、避難時の邪魔にならず、実用面で充分な安全性と低コストで必要な転倒防止機構を量産可能に実現することができる仕組を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、事務機器本体に収納され、上端が前記事務機本体と回動自在に結合され、延伸支持脚を長手方向に移動自在に保持するための保持構造部を備えた支持脚と、前記支持脚の前記保持構造部に保持され、下端に弾性体を用いた保持部を備えた延伸支持脚と、下端が前記事務機本体と回動自在に結合され上端が地震振動と自重により水平方向に回動移動して前記支持脚を展開させる保持脚とを備え、前記延伸支持脚は、前記支持脚が所定角度を超えて事務機本体外向きに回動した場合、自重で下方に延伸する、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上端が事務機本体と回動自在に結合され、延伸支持脚を長手方向に移動自在に保持するための保持構造部を備えた支持脚と、前記支持脚の前記保持構造部に保持され、下端に弾性体を用いた保持部を備えた延伸支持脚と、下端が事務機本体と回動自在に結合され上端が地震振動と自重により水平方向に回動移動して前記支持脚を展開させる保持脚とから構成される転倒防止機構を備え、前記延伸支持脚は、前記支持脚が所定角度を超えて事務機本体外向きに回動した場合、自重で下方に延伸する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、普段は邪魔にならず、地震の振動が加わった場合は直ちに支持脚が展開して、震災時に発生する事務機器本体の転倒や移動を防ぐことができ、避難時の邪魔にならず、実用面で充分な安全性と低コストで必要な転倒防止機構を量産可能に実現することができる。
【0011】
また、震災時に発生する事務機器本体の転倒や移動を防ぐことができるので、オフィス労働者が安全な場所に避難するために必要な最低限の時間を確保できるという耐震装置の持つべき効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0013】
〔第1実施形態〕
図1,図2は、事務機器本体に取付けた本発明の転倒防止装置の収納状態(非作動状態)の一例を示す部分図である。なお、図1は転倒防止装置の収納状態(非作動状態)を示し、図2は転倒防止装置の展開状態(作動状態)を示す。
【0014】
図1,図2において、1は事務機器本体(以下本体と略記)であり、この本体1に、図中2〜7で示す転倒防止装置が取り付けられている。
【0015】
転倒防止装置において、3はストッパ(保持脚)である。このストッパ(保持脚)3は、その下端(図1に示した状態における下端)を回動中心として約45°の範囲で回動自在となるように、本体1に取り付けられている。また、ストッパ3は、本体1の外側方向に傾けて本体1に収納されている(図1)。
【0016】
2は支持脚である。この支持脚2は、その上端を回動中心として約90°回動自在となるように本体1に取り付けられている。また、支持脚2の内側には凹部7(噛合用の凹部)が設けられている。
【0017】
4は延伸支持脚である。この延伸支持脚4は、支持脚2の内側に収納されており、延伸支持脚4の下端には滑止弾性体(例えば硬質ゴム)5が取付けられている。
【0018】
なお、支持脚2は、10cm乃至20cm程度、延伸支持脚4は、6cm乃至12cm程度、ストッパ3は5cm乃至10cm程度が好ましい。即ち、支持脚2が10cm程度の場合は、延伸支持脚4は6cm程度で、ストッパ3は5cm程度が好ましい。また、支持脚2が20cm程度の場合は、延伸支持脚4は12cm程度で、ストッパ3は10cm程度が好ましい。しかし、上記の例に限らず、その長さが、支持脚2>延伸支持脚4≧ストッパ3、又は、支持脚2>ストッパ3≧延伸支持脚4であれば、種々の組合せが可能である。
【0019】
なお、地震の揺れで支持脚2が上端部を中心に振り子状に外側に動くと、図1の状態から図2の状態に移行する。即ち、ストッパ3の自重により、ストッパ3は水平方向に傾き、支持脚2は外側に押し出される。さらに、支持脚2が本体1の底部から外に飛び出ると、延伸支持脚4は下方に延伸する。そして、ストッパ3は更に自重により水平方向に傾いて支持脚2を外に押し出し、支持脚2及び延伸支持脚の最大展開時には、図2に示すように自重により下方に回転したストッパ3の角と凹部7とが噛合してロック状態になり、支持脚2が閉じるのを防止する。
【0020】
また、支持脚2の内側には凹部(後述する図7(b)参照)、ストッパ3の上端(図1に示した状態における上端)には凸部6(脱落防止の凸部)が設けてあり、支持脚2の展開時に、後述する図7(b)に示すように、凸部6と支持脚2の凹部が係合することにより、ストッパ3と支持脚2は、展開状態(作動状態)でも、ずれたり外れたりすることがないように構成されている。
【0021】
図3は、本発明の転倒防止装置の支持脚部が展開しようとして障害物(ユーザの靴のつま先等)に当たった場合の状態を示す部分図である。
【0022】
図3では、延伸支持脚4の下方延伸時に万が一ユーザの靴の爪先などがあった場合でも、ストッパ3の重さと自重で降りた延伸支持脚4は、ストッパ3がまだロックの切り込み凹部7に到達しておらず、この状態では自由に伸縮自在な状態であるため、ユーザに怪我を負わせることも無い。
【0023】
図4は、本発明の転倒防止装置の支持脚部の収納状態を示す部分外観図である。
【0024】
図4に示すとおり、支持脚2の外側には化粧板2aが取付けられており、静止時には本体1の外板と連続した外見となっている(図4(a))。
【0025】
この化粧板2aによって、支持脚2は、通常では外側には移動せず、地震などの「揺れ」によってのみ外側に移動する構造となっている(図4(b))。そのため静止時には、滑止弾性体5は外側からは見えないようになっている。
【0026】
なお、化粧板2aは、それ自体が堅牢な鋼鈑でも良いし、例えばABS樹脂等のプラスチックでも良い。支持脚2は、鋼板やアルミニウム、マグネシウムその他で強度を持たせている。
【0027】
図5は、支持脚内部の段差構造の詳細を示す部分図である。
【0028】
図5では作動時に延伸支持脚4が支持脚2の内側の段差部分から外れて滑り落ちる状態を示している。
【0029】
支持脚2に格納された延伸支持脚4は、通常下端内側の段差部(凸部)2bに乗っているが、段差部分がわずかに外傾しているため、支持脚2が傾いた際には、図5に示すように、延伸支持脚4は重力方向に移動し外れて落ちる。
【0030】
図6は、本発明の転倒防止装置の支持脚部の伸張状態(展開状態)を示す部分外観図である。
【0031】
図6に示すとおり、本発明の構成要素すべてが作動すると、伸長した延伸支持脚4が床まで届き、滑止弾性体5が床にグリップする。この状態ではストッパ3の角と支持脚2の凹部が噛合することによりロックがかかり、延伸支持脚4がずれたり戻ったりすることはない。また、このような構造を取ることにより、地震以外の人為的な揺れなどでこの転倒防止装置が作動しても、ストッパ3の角と支持脚2の凹部が噛合を外すことにより速やかにもとの状態に戻せるため、震災後または誤作動でもユーザが容易に元の状態に復帰させることができる。
【0032】
図7は、本発明の転倒防止装置の支持脚部を説明する図である。なお、図7(a)は支持脚2展開時の支持脚2及び延伸支持脚4、ストッパ3を示す部分透視図に対応し、図7(b)は支持脚2及び延伸支持脚4の断面図に対応する。
【0033】
支持脚2が延伸支持脚4が離脱しないよう保持すると共にストッパ3の上端部の凸部6により支持脚2から離脱しないための保持機構を示している。この保持機構は、図7(b)に示すように、支持脚2は一辺の一部が開放された肉厚の四角柱形状を成しており、支持脚2の外側には曲面の化粧板2aが取付けられている。
【0034】
図8は、本発明の転倒防止装置の全体外観図である。なお、図8(a)は側面図に対応し、図8(b)は上面図に対応する。
【0035】
図8では、支持脚2及び延伸支持脚4が伸長し、ストッパ3が略水平になった状態を示している。
【0036】
以下、図9,図10を参照して、地震時の振動波と衝突時等の衝撃波の特性について説明する。
【0037】
図9は、地震時の振動波形を示す図である。
【0038】
縦揺れのP波に続いて強い横揺れであるS波が到達すると、支持脚2は大きく揺動し、転倒防止装置が作動して支持脚2と延伸支持脚4が伸長する。
【0039】
図10は、衝突時等の衝撃波形を示す図である。
【0040】
地震発生時ではなく、事務機器本体1に利用者がぶつかるなどの衝撃を与えた場合の波形パターンであるが、この状態では支持脚2が殆ど揺動しないため、転倒防止装置は作動しない。
【0041】
このように、本発明の転倒防止装置は、地震時の振動では作動するが、事務機器本体1に利用者がぶつかるなどの衝撃を与えた程度の振動では作動しないように構成されている。
【0042】
なお、本実施形態では、事務機器本体に収納された転倒防止装置について示したが、本発明の転倒防止装置を冷蔵庫やテレビジョン、洗濯機等、他の家電製品に適用してもよい。また、本棚や箪笥等の家具に適用してもよい。
【0043】
以上示したように、本発明の転倒防止装置は、中程度の震災時に発生する事務機器本体の転倒や移動を防ぎ、安全な場所に避難するために必要な最低限の時間を確保できるという耐震装置の持つべき効果が得られる。
【0044】
本発明の転倒防止装置は、転倒や移動を防止する最小限の大きさであるため、作動後も避難経路を確保することができる。
【0045】
また、シンプルかつ効果的な構造であるため、事務機器本体のサイズを無駄に大きくすることなく、製品化・量産化が容易で、かつコストアップを最小限に抑制することが可能になる。
【0046】
また、支持脚部2が化粧板2aにより本体1のカバーと一体化して収容されるデザインにより、実用性とデザイン性を兼ね備え、整備されたオフィスの景観にもマッチする。
【0047】
また、本発明の転倒防止装置は、床へのボルト固定式ではなく、地震時等に作動する構成のため、メンテナンスの度にボルトの固定を解除するような従来の方法とは異なり、メンテナンス作業時間を短縮し、メンテナンスコストを抑えることができる。また、OA対応のパネルはめ込み式の床でも使用可能である。
【0048】
また、本発明の転倒防止装置は、地震で作動しても、地震が収まった後、ユーザが手動で容易に作動前の状態に戻すことができる。
【0049】
従って、普段は邪魔にならず、地震の振動が加わった場合は直ちに支持脚2が展開可能でしかも避難時の邪魔にならず、実用面で充分な安全性と低コストで必要な転倒防止機構を量産可能に実現することができる等の効果を奏する。
【0050】
〔他の実施形態〕
本実施形態では、ストッパ3を電気的に本体1の外側方向に押し出すことによってストッパ3,支持脚2を回転させて転倒防止装置を伸長させるように構成する。
【0051】
詳細には、本体1にP波センサ(Z軸方向の加速度センサ)と、このP波センサーの出力に基づいて所定以上の加速度を検知すると上記ソレノイドを駆動するための駆動制御信号を出力するマイクロコンピュータと、この駆動制御信号を受信してソレノイドを作動させてストッパ3を本体1の外側方向に押し出す油圧ソレノイド(電磁ソレノイドでもよい)を備える構成とする。
【0052】
なお、通常時はソレノイドによりピンが突き出してストッパ3が水平方向に倒れないように支え、支持脚2が所定以上の角度に回転したことを検知すると、この該駆動制御信号により該ピンを引き戻すことによってストッパ3を回転させて転倒防止装置を伸長させる構成にすることも本発明に含まれる。
【0053】
以下、図11〜図13を参照して説明する。
【0054】
図11は、支持脚2及びストッパ3の揺動時の状態を示す模式図である。
【0055】
図12は、座標軸を説明する図である。
【0056】
図11では、支持脚2が原位置aからbまで距離1(例えば1cm等を意味するものではなく、あくまで比較のための数値)だけ揺動した状態、及び支持脚2が原位置aからbまで距離3だけ揺動した状態を模式的に示している。
【0057】
支持脚2に取付けられた角度センサ(不図示)が検出した角度と支持脚2の長さに基づいて、マイクロコンピュータ(不図示)が支持脚2が揺動した距離(図12に示すXY平面での距離)を算出する。そして、マイクロコンピュータは、距離3を超えて支持脚2が揺動した状態(距離3以上)であると判定した場合には、ストッパ3が回動して水平方向に倒れるようにソレノイド(不図示)を駆動するための駆動制御信号を出力して転倒防止機構を作動させる。
【0058】
図13は、支持脚2の振幅により転倒防止装置を作動させる制御を示すフローチャートである。なお、このフローチャートに示す処理は上述した図示しないマイクロコンピュータが内蔵ROM内に記憶されたプログラムを実行することにより実現される機能に対応する。
【0059】
まず、ステップS1において、マイクロコンピュータは、衝撃で支持脚2に取り付けた角度センサの出力信号が変化すると(図11に示したようにaがbに移動すると)、ステップS2に処理を進める。
【0060】
次にステップS2では、マイクロコンピュータは角度センサの出力信号に基づいて支持脚2が揺動した距離(図12に示すXY平面での距離)を算出し、該算出した距離と所定距離(図11に示した距離3)と比較する。
【0061】
そしてステップS2において、支持脚2が揺動した距離(aからbの距離)が所定距離(距離3)未満であると判定した場合には、ステップS3に示すようにマイクロコンピュータは、転倒防止機構を作動させず、そのままステップS1に処理を戻す。
【0062】
一方、ステップS2において、支持脚2が揺動した距離(aからbの距離)が所定距離(距離3)以上であると判定した場合には、ステップS4に示すようにマイクロコンピュータは転倒防止機構を作動させる。即ち、マイクロコンピュータは、ソレノイドを駆動するための駆動制御信号を油圧ソレノイドに出力する。これにより、ソレノイドにより押されたストッパ3は水平方向に回動し、支持脚2を開かれ、延伸支持脚4が伸長されてロックされることになる。
【0063】
なお、上述した装置の構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0064】
また、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0065】
以上示したように、本発明の転倒防止装置によれば、突然の震災時での事務機器周辺に存在する人が安全な場所に避難する時間を確保するために、複合型電子複写機を含む事務機器本体の震災時の転倒や滑走を防ぐ転倒防止装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の転倒防止装置は、事務機器に限らず冷蔵庫やテレビジョン、洗濯機等、他の家電製品や本棚や箪笥等の家具に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】事務機器本体に取付けた本発明の転倒防止装置の収納状態(非作動状態)の一例を示す部分図である。
【図2】事務機器本体に取付けた本発明の転倒防止装置の収納状態(作動状態)の一例を示す部分図である。
【図3】本発明の転倒防止装置の支持脚部が展開しようとして障害物(ユーザの靴のつま先等)に当たった場合の状態を示す部分図である。
【図4】本発明の転倒防止装置の支持脚部の収納状態を示す部分外観図である。
【図5】支持脚内部の段差構造の詳細を示す部分図である。
【図6】本発明の転倒防止装置の支持脚部の伸張状態(展開状態)を示す部分外観図である。
【図7】本発明の転倒防止装置の支持脚部を説明する図である。
【図8】本発明の転倒防止装置の全体外観図である。
【図9】地震時の振動波形を示す図である。
【図10】物体衝突時のの振動波形を示す図である。
【図11】支持脚2及びストッパ3の揺動時の状態を示す模式図である。
【図12】座標軸を説明する図である。
【図13】支持脚2の振幅により転倒防止装置を作動させる制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1 事務機器本体
2 支持脚
3 ストッパ(保持脚)
4 延伸支持脚
5 滑止弾性体
6 脱落防止の凸部
7 噛合用の凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合型複写機等の事務機器における震災時の転倒防止機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、底面に備えられた複数の主脚部で支持された本体の側面に設けられ、この本体に対して収納、展開両様の姿勢をとり得る補助脚部を備え、この補助脚部は、本体に対し上端を支点として回転自在に連結され、本体の側面から展開することを特徴とする機器の転倒防止装置が開示されている。
【0003】
特許文献2では、オプション装置の構成部材でフット移動部材を押圧することにより、フット移動部材が可動フットを転倒防止位置に移動させるよう構成し、オプション装置の装着前にはフットを通常使用位置に保持し、オプション装置の装着後にはフットの取付作業を行うことなく転倒し難い転倒防止位置にフットを保持することができる転倒防止装置が開示されている。
【0004】
また、転倒を防止したい機器を床材にアンカーで固定することも広く行なわれている。
【特許文献1】特開2005−227633号公報
【特許文献1】特開2001−185864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のような主脚部の拡張動作が大きくなると、利用者の足を踏んだり、怪我を負わせたり、ひいては避難経路を塞ぐなどの可能性がある。
【0006】
また、特許文献2のようなデバイス本体の内部構造に大きな容積を必要とする構造体では、デバイス全体が大きくなり、またコストも高騰するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、普段は邪魔にならず、地震の振動が加わった場合は直ちに支持脚が展開して、震災時に発生する事務機器本体の転倒や移動を防ぐことができ、避難時の邪魔にならず、実用面で充分な安全性と低コストで必要な転倒防止機構を量産可能に実現することができる仕組を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、事務機器本体に収納され、上端が前記事務機本体と回動自在に結合され、延伸支持脚を長手方向に移動自在に保持するための保持構造部を備えた支持脚と、前記支持脚の前記保持構造部に保持され、下端に弾性体を用いた保持部を備えた延伸支持脚と、下端が前記事務機本体と回動自在に結合され上端が地震振動と自重により水平方向に回動移動して前記支持脚を展開させる保持脚とを備え、前記延伸支持脚は、前記支持脚が所定角度を超えて事務機本体外向きに回動した場合、自重で下方に延伸する、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上端が事務機本体と回動自在に結合され、延伸支持脚を長手方向に移動自在に保持するための保持構造部を備えた支持脚と、前記支持脚の前記保持構造部に保持され、下端に弾性体を用いた保持部を備えた延伸支持脚と、下端が事務機本体と回動自在に結合され上端が地震振動と自重により水平方向に回動移動して前記支持脚を展開させる保持脚とから構成される転倒防止機構を備え、前記延伸支持脚は、前記支持脚が所定角度を超えて事務機本体外向きに回動した場合、自重で下方に延伸する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、普段は邪魔にならず、地震の振動が加わった場合は直ちに支持脚が展開して、震災時に発生する事務機器本体の転倒や移動を防ぐことができ、避難時の邪魔にならず、実用面で充分な安全性と低コストで必要な転倒防止機構を量産可能に実現することができる。
【0011】
また、震災時に発生する事務機器本体の転倒や移動を防ぐことができるので、オフィス労働者が安全な場所に避難するために必要な最低限の時間を確保できるという耐震装置の持つべき効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0013】
〔第1実施形態〕
図1,図2は、事務機器本体に取付けた本発明の転倒防止装置の収納状態(非作動状態)の一例を示す部分図である。なお、図1は転倒防止装置の収納状態(非作動状態)を示し、図2は転倒防止装置の展開状態(作動状態)を示す。
【0014】
図1,図2において、1は事務機器本体(以下本体と略記)であり、この本体1に、図中2〜7で示す転倒防止装置が取り付けられている。
【0015】
転倒防止装置において、3はストッパ(保持脚)である。このストッパ(保持脚)3は、その下端(図1に示した状態における下端)を回動中心として約45°の範囲で回動自在となるように、本体1に取り付けられている。また、ストッパ3は、本体1の外側方向に傾けて本体1に収納されている(図1)。
【0016】
2は支持脚である。この支持脚2は、その上端を回動中心として約90°回動自在となるように本体1に取り付けられている。また、支持脚2の内側には凹部7(噛合用の凹部)が設けられている。
【0017】
4は延伸支持脚である。この延伸支持脚4は、支持脚2の内側に収納されており、延伸支持脚4の下端には滑止弾性体(例えば硬質ゴム)5が取付けられている。
【0018】
なお、支持脚2は、10cm乃至20cm程度、延伸支持脚4は、6cm乃至12cm程度、ストッパ3は5cm乃至10cm程度が好ましい。即ち、支持脚2が10cm程度の場合は、延伸支持脚4は6cm程度で、ストッパ3は5cm程度が好ましい。また、支持脚2が20cm程度の場合は、延伸支持脚4は12cm程度で、ストッパ3は10cm程度が好ましい。しかし、上記の例に限らず、その長さが、支持脚2>延伸支持脚4≧ストッパ3、又は、支持脚2>ストッパ3≧延伸支持脚4であれば、種々の組合せが可能である。
【0019】
なお、地震の揺れで支持脚2が上端部を中心に振り子状に外側に動くと、図1の状態から図2の状態に移行する。即ち、ストッパ3の自重により、ストッパ3は水平方向に傾き、支持脚2は外側に押し出される。さらに、支持脚2が本体1の底部から外に飛び出ると、延伸支持脚4は下方に延伸する。そして、ストッパ3は更に自重により水平方向に傾いて支持脚2を外に押し出し、支持脚2及び延伸支持脚の最大展開時には、図2に示すように自重により下方に回転したストッパ3の角と凹部7とが噛合してロック状態になり、支持脚2が閉じるのを防止する。
【0020】
また、支持脚2の内側には凹部(後述する図7(b)参照)、ストッパ3の上端(図1に示した状態における上端)には凸部6(脱落防止の凸部)が設けてあり、支持脚2の展開時に、後述する図7(b)に示すように、凸部6と支持脚2の凹部が係合することにより、ストッパ3と支持脚2は、展開状態(作動状態)でも、ずれたり外れたりすることがないように構成されている。
【0021】
図3は、本発明の転倒防止装置の支持脚部が展開しようとして障害物(ユーザの靴のつま先等)に当たった場合の状態を示す部分図である。
【0022】
図3では、延伸支持脚4の下方延伸時に万が一ユーザの靴の爪先などがあった場合でも、ストッパ3の重さと自重で降りた延伸支持脚4は、ストッパ3がまだロックの切り込み凹部7に到達しておらず、この状態では自由に伸縮自在な状態であるため、ユーザに怪我を負わせることも無い。
【0023】
図4は、本発明の転倒防止装置の支持脚部の収納状態を示す部分外観図である。
【0024】
図4に示すとおり、支持脚2の外側には化粧板2aが取付けられており、静止時には本体1の外板と連続した外見となっている(図4(a))。
【0025】
この化粧板2aによって、支持脚2は、通常では外側には移動せず、地震などの「揺れ」によってのみ外側に移動する構造となっている(図4(b))。そのため静止時には、滑止弾性体5は外側からは見えないようになっている。
【0026】
なお、化粧板2aは、それ自体が堅牢な鋼鈑でも良いし、例えばABS樹脂等のプラスチックでも良い。支持脚2は、鋼板やアルミニウム、マグネシウムその他で強度を持たせている。
【0027】
図5は、支持脚内部の段差構造の詳細を示す部分図である。
【0028】
図5では作動時に延伸支持脚4が支持脚2の内側の段差部分から外れて滑り落ちる状態を示している。
【0029】
支持脚2に格納された延伸支持脚4は、通常下端内側の段差部(凸部)2bに乗っているが、段差部分がわずかに外傾しているため、支持脚2が傾いた際には、図5に示すように、延伸支持脚4は重力方向に移動し外れて落ちる。
【0030】
図6は、本発明の転倒防止装置の支持脚部の伸張状態(展開状態)を示す部分外観図である。
【0031】
図6に示すとおり、本発明の構成要素すべてが作動すると、伸長した延伸支持脚4が床まで届き、滑止弾性体5が床にグリップする。この状態ではストッパ3の角と支持脚2の凹部が噛合することによりロックがかかり、延伸支持脚4がずれたり戻ったりすることはない。また、このような構造を取ることにより、地震以外の人為的な揺れなどでこの転倒防止装置が作動しても、ストッパ3の角と支持脚2の凹部が噛合を外すことにより速やかにもとの状態に戻せるため、震災後または誤作動でもユーザが容易に元の状態に復帰させることができる。
【0032】
図7は、本発明の転倒防止装置の支持脚部を説明する図である。なお、図7(a)は支持脚2展開時の支持脚2及び延伸支持脚4、ストッパ3を示す部分透視図に対応し、図7(b)は支持脚2及び延伸支持脚4の断面図に対応する。
【0033】
支持脚2が延伸支持脚4が離脱しないよう保持すると共にストッパ3の上端部の凸部6により支持脚2から離脱しないための保持機構を示している。この保持機構は、図7(b)に示すように、支持脚2は一辺の一部が開放された肉厚の四角柱形状を成しており、支持脚2の外側には曲面の化粧板2aが取付けられている。
【0034】
図8は、本発明の転倒防止装置の全体外観図である。なお、図8(a)は側面図に対応し、図8(b)は上面図に対応する。
【0035】
図8では、支持脚2及び延伸支持脚4が伸長し、ストッパ3が略水平になった状態を示している。
【0036】
以下、図9,図10を参照して、地震時の振動波と衝突時等の衝撃波の特性について説明する。
【0037】
図9は、地震時の振動波形を示す図である。
【0038】
縦揺れのP波に続いて強い横揺れであるS波が到達すると、支持脚2は大きく揺動し、転倒防止装置が作動して支持脚2と延伸支持脚4が伸長する。
【0039】
図10は、衝突時等の衝撃波形を示す図である。
【0040】
地震発生時ではなく、事務機器本体1に利用者がぶつかるなどの衝撃を与えた場合の波形パターンであるが、この状態では支持脚2が殆ど揺動しないため、転倒防止装置は作動しない。
【0041】
このように、本発明の転倒防止装置は、地震時の振動では作動するが、事務機器本体1に利用者がぶつかるなどの衝撃を与えた程度の振動では作動しないように構成されている。
【0042】
なお、本実施形態では、事務機器本体に収納された転倒防止装置について示したが、本発明の転倒防止装置を冷蔵庫やテレビジョン、洗濯機等、他の家電製品に適用してもよい。また、本棚や箪笥等の家具に適用してもよい。
【0043】
以上示したように、本発明の転倒防止装置は、中程度の震災時に発生する事務機器本体の転倒や移動を防ぎ、安全な場所に避難するために必要な最低限の時間を確保できるという耐震装置の持つべき効果が得られる。
【0044】
本発明の転倒防止装置は、転倒や移動を防止する最小限の大きさであるため、作動後も避難経路を確保することができる。
【0045】
また、シンプルかつ効果的な構造であるため、事務機器本体のサイズを無駄に大きくすることなく、製品化・量産化が容易で、かつコストアップを最小限に抑制することが可能になる。
【0046】
また、支持脚部2が化粧板2aにより本体1のカバーと一体化して収容されるデザインにより、実用性とデザイン性を兼ね備え、整備されたオフィスの景観にもマッチする。
【0047】
また、本発明の転倒防止装置は、床へのボルト固定式ではなく、地震時等に作動する構成のため、メンテナンスの度にボルトの固定を解除するような従来の方法とは異なり、メンテナンス作業時間を短縮し、メンテナンスコストを抑えることができる。また、OA対応のパネルはめ込み式の床でも使用可能である。
【0048】
また、本発明の転倒防止装置は、地震で作動しても、地震が収まった後、ユーザが手動で容易に作動前の状態に戻すことができる。
【0049】
従って、普段は邪魔にならず、地震の振動が加わった場合は直ちに支持脚2が展開可能でしかも避難時の邪魔にならず、実用面で充分な安全性と低コストで必要な転倒防止機構を量産可能に実現することができる等の効果を奏する。
【0050】
〔他の実施形態〕
本実施形態では、ストッパ3を電気的に本体1の外側方向に押し出すことによってストッパ3,支持脚2を回転させて転倒防止装置を伸長させるように構成する。
【0051】
詳細には、本体1にP波センサ(Z軸方向の加速度センサ)と、このP波センサーの出力に基づいて所定以上の加速度を検知すると上記ソレノイドを駆動するための駆動制御信号を出力するマイクロコンピュータと、この駆動制御信号を受信してソレノイドを作動させてストッパ3を本体1の外側方向に押し出す油圧ソレノイド(電磁ソレノイドでもよい)を備える構成とする。
【0052】
なお、通常時はソレノイドによりピンが突き出してストッパ3が水平方向に倒れないように支え、支持脚2が所定以上の角度に回転したことを検知すると、この該駆動制御信号により該ピンを引き戻すことによってストッパ3を回転させて転倒防止装置を伸長させる構成にすることも本発明に含まれる。
【0053】
以下、図11〜図13を参照して説明する。
【0054】
図11は、支持脚2及びストッパ3の揺動時の状態を示す模式図である。
【0055】
図12は、座標軸を説明する図である。
【0056】
図11では、支持脚2が原位置aからbまで距離1(例えば1cm等を意味するものではなく、あくまで比較のための数値)だけ揺動した状態、及び支持脚2が原位置aからbまで距離3だけ揺動した状態を模式的に示している。
【0057】
支持脚2に取付けられた角度センサ(不図示)が検出した角度と支持脚2の長さに基づいて、マイクロコンピュータ(不図示)が支持脚2が揺動した距離(図12に示すXY平面での距離)を算出する。そして、マイクロコンピュータは、距離3を超えて支持脚2が揺動した状態(距離3以上)であると判定した場合には、ストッパ3が回動して水平方向に倒れるようにソレノイド(不図示)を駆動するための駆動制御信号を出力して転倒防止機構を作動させる。
【0058】
図13は、支持脚2の振幅により転倒防止装置を作動させる制御を示すフローチャートである。なお、このフローチャートに示す処理は上述した図示しないマイクロコンピュータが内蔵ROM内に記憶されたプログラムを実行することにより実現される機能に対応する。
【0059】
まず、ステップS1において、マイクロコンピュータは、衝撃で支持脚2に取り付けた角度センサの出力信号が変化すると(図11に示したようにaがbに移動すると)、ステップS2に処理を進める。
【0060】
次にステップS2では、マイクロコンピュータは角度センサの出力信号に基づいて支持脚2が揺動した距離(図12に示すXY平面での距離)を算出し、該算出した距離と所定距離(図11に示した距離3)と比較する。
【0061】
そしてステップS2において、支持脚2が揺動した距離(aからbの距離)が所定距離(距離3)未満であると判定した場合には、ステップS3に示すようにマイクロコンピュータは、転倒防止機構を作動させず、そのままステップS1に処理を戻す。
【0062】
一方、ステップS2において、支持脚2が揺動した距離(aからbの距離)が所定距離(距離3)以上であると判定した場合には、ステップS4に示すようにマイクロコンピュータは転倒防止機構を作動させる。即ち、マイクロコンピュータは、ソレノイドを駆動するための駆動制御信号を油圧ソレノイドに出力する。これにより、ソレノイドにより押されたストッパ3は水平方向に回動し、支持脚2を開かれ、延伸支持脚4が伸長されてロックされることになる。
【0063】
なお、上述した装置の構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0064】
また、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【0065】
以上示したように、本発明の転倒防止装置によれば、突然の震災時での事務機器周辺に存在する人が安全な場所に避難する時間を確保するために、複合型電子複写機を含む事務機器本体の震災時の転倒や滑走を防ぐ転倒防止装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の転倒防止装置は、事務機器に限らず冷蔵庫やテレビジョン、洗濯機等、他の家電製品や本棚や箪笥等の家具に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】事務機器本体に取付けた本発明の転倒防止装置の収納状態(非作動状態)の一例を示す部分図である。
【図2】事務機器本体に取付けた本発明の転倒防止装置の収納状態(作動状態)の一例を示す部分図である。
【図3】本発明の転倒防止装置の支持脚部が展開しようとして障害物(ユーザの靴のつま先等)に当たった場合の状態を示す部分図である。
【図4】本発明の転倒防止装置の支持脚部の収納状態を示す部分外観図である。
【図5】支持脚内部の段差構造の詳細を示す部分図である。
【図6】本発明の転倒防止装置の支持脚部の伸張状態(展開状態)を示す部分外観図である。
【図7】本発明の転倒防止装置の支持脚部を説明する図である。
【図8】本発明の転倒防止装置の全体外観図である。
【図9】地震時の振動波形を示す図である。
【図10】物体衝突時のの振動波形を示す図である。
【図11】支持脚2及びストッパ3の揺動時の状態を示す模式図である。
【図12】座標軸を説明する図である。
【図13】支持脚2の振幅により転倒防止装置を作動させる制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1 事務機器本体
2 支持脚
3 ストッパ(保持脚)
4 延伸支持脚
5 滑止弾性体
6 脱落防止の凸部
7 噛合用の凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事務機器本体に収納され、
上端が前記事務機本体と回動自在に結合され、延伸支持脚を長手方向に移動自在に保持するための保持構造部を備えた支持脚と、
前記支持脚の前記保持構造部に保持され、下端に弾性体を用いた保持部を備えた延伸支持脚と、
下端が前記事務機本体と回動自在に結合され上端が地震振動と自重により水平方向に回動移動して前記支持脚を展開させる保持脚とを備え、
前記延伸支持脚は、前記支持脚が所定角度を超えて事務機本体外向きに回動した場合、自重で下方に延伸する、ことを特徴とする転倒防止装置。
【請求項2】
前記保持脚を傾けて前記事務機器本体内に収納することを特徴とする請求項1に記載の転倒防止装置。
【請求項3】
前記支持脚の内側に更に凹部を供え、
前記支持脚の展開時に前記凹部を前記保持脚の一端と係合させる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の転倒防止装置。
【請求項4】
前記保持脚の上端に凸部を設け、前記支持脚の内側と係合させる、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の転倒防止装置。
【請求項5】
前記支持脚の下端内側に前記延伸保持脚の落下を抑制させるための凸部を更に備え、前記凸部と前記支持脚の長手方向のなす角が直角より大きい、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の転倒防止装置。
【請求項6】
上端が事務機本体と回動自在に結合され、延伸支持脚を長手方向に移動自在に保持するための保持構造部を備えた支持脚と、
前記支持脚の前記保持構造部に保持され、下端に弾性体を用いた保持部を備えた延伸支持脚と、
下端が事務機本体と回動自在に結合され上端が地震振動と自重により水平方向に回動移動して前記支持脚を展開させる保持脚とから構成される転倒防止機構を備え、
前記延伸支持脚は、前記支持脚が所定角度を超えて事務機本体外向きに回動した場合、自重で下方に延伸する、ことを特徴とする事務機器。
【請求項7】
前記保持脚を傾けて前記事務機器本体内の収容部に収納し、前記事務機器本体内の収容部の前記延伸支持脚が備える弾性体の対向部分を斜面にする、ことを特徴とする請求項6記載の事務機器。
【請求項1】
事務機器本体に収納され、
上端が前記事務機本体と回動自在に結合され、延伸支持脚を長手方向に移動自在に保持するための保持構造部を備えた支持脚と、
前記支持脚の前記保持構造部に保持され、下端に弾性体を用いた保持部を備えた延伸支持脚と、
下端が前記事務機本体と回動自在に結合され上端が地震振動と自重により水平方向に回動移動して前記支持脚を展開させる保持脚とを備え、
前記延伸支持脚は、前記支持脚が所定角度を超えて事務機本体外向きに回動した場合、自重で下方に延伸する、ことを特徴とする転倒防止装置。
【請求項2】
前記保持脚を傾けて前記事務機器本体内に収納することを特徴とする請求項1に記載の転倒防止装置。
【請求項3】
前記支持脚の内側に更に凹部を供え、
前記支持脚の展開時に前記凹部を前記保持脚の一端と係合させる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の転倒防止装置。
【請求項4】
前記保持脚の上端に凸部を設け、前記支持脚の内側と係合させる、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の転倒防止装置。
【請求項5】
前記支持脚の下端内側に前記延伸保持脚の落下を抑制させるための凸部を更に備え、前記凸部と前記支持脚の長手方向のなす角が直角より大きい、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の転倒防止装置。
【請求項6】
上端が事務機本体と回動自在に結合され、延伸支持脚を長手方向に移動自在に保持するための保持構造部を備えた支持脚と、
前記支持脚の前記保持構造部に保持され、下端に弾性体を用いた保持部を備えた延伸支持脚と、
下端が事務機本体と回動自在に結合され上端が地震振動と自重により水平方向に回動移動して前記支持脚を展開させる保持脚とから構成される転倒防止機構を備え、
前記延伸支持脚は、前記支持脚が所定角度を超えて事務機本体外向きに回動した場合、自重で下方に延伸する、ことを特徴とする事務機器。
【請求項7】
前記保持脚を傾けて前記事務機器本体内の収容部に収納し、前記事務機器本体内の収容部の前記延伸支持脚が備える弾性体の対向部分を斜面にする、ことを特徴とする請求項6記載の事務機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−8987(P2009−8987A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−171777(P2007−171777)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(390002761)キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (656)
【Fターム(参考)】
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