説明

転写材、転写材と被転写材との組合せ及び転写層の転写方法

【課題】被転写材の材質にかかわらず、光回折効果を損なうことなく被転写材上に高速でかつ安定した転写を行うことができ、かつ転写後の保存性も高い転写材を提供することを主たる課題とする。
【解決手段】本発明の転写材は、基材と、該基材の一方の面に、転写層が設けられた転写材であって、転写層が、少なくとも光回折効果を発現するレリーフを有するレリーフ形成層、反射層、接着層とからなり、接着層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂またはカルボキシル基を含有する樹脂を主体として含み、接着層全体のガラス転移温度(Tg)が45℃〜60℃の範囲にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写材、転写材と被転写材との組合せ及び転写層の転写方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ホログラム、回折格子などのレリーフ構造を有する転写体は、特異な装飾像や立体像を表現できるので、包装材、書籍、パンフレット等へ広く利用がされている。また、これらホログラムや回折格子は高度な製造技術を要しカラーコピーで再現出来ないことから、キャッシュカード、クレジットカード、パスポート等の偽造防止としても利用がされている
【0003】
このような転写体としては、基材上に剥離層、ホログラムや回折格子などのパターンが形成されたレリーフ形成層、反射層、接着層を順次積層してなるものが知られており、当該転写体を転写印刷することで、ホログラムや回折格子などのレリーフ構造を被転写体に移行接着することができる。転写印刷の一般的な方法として、ホットスタンプ転写方法、加熱転写方法、サーマルヘッドを有する熱転写プリンタによる熱転写印刷方法が挙げられる。
【0004】
ホットスタンプ転写方法、加熱転写方法は、金属の加熱された刻印又はロールと、被転写体の間に転写体を配置し、転写体を刻印又はロールで被転写体に押圧した後に、基材を剥離することで転写体を被転写体上に転写する方法であり、被転写体上に転写体を容易に転写することができるという利点があるものの、微細なホログラムや回折格子などレリーフ構造を有する転写体の転写には適さないという問題がある。一方、熱転写印刷方法は、所定のエネルギーを転写体に印加することによりレリーフ形成層及び反射層を、接着層を介して被転写体に移行させる印刷方法であり、当該印刷方法によれば、微小な被転写体上であっても転写体を転写できるほか、微細なホログラム、回折格子などのレリーフ構造を有する転写体を精度よく被転写体上に転写することができる。
【0005】
また、近時、ホログラム又は回折格子などのレリーフ構造を有する転写体を熱転写方法により転写することで、該転写体を転写した製品等(例えば、包装材に製品名称等としてレリーフ構造を有する転写材を転写した製品)の宣伝効果等を高めようとする試みが行われている。しかしながら、被転写体が特定の材料、特にポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン、ナイロン等のいわゆる軟包装材である場合には転写体と被転写体との転写安定性が悪く高速転写を行うことができない問題や、転写後に被転写体から転写体が剥離してしまう問題が生じてしまう。ここで、密着性を高めるために強いエネルギー(高い熱)により転写を行うことも考えられるが、強いエネルギーにて転写を行った場合には基材や被転写体が熱によりダメージをうけ、特に、被転写体が薄い場合には転写性が著しく低下してしまう。このような状況下、特許文献1には熱転写方法により高速かつ低エネルギーで、微細な面積のドットや、近接したドットが欠けず、かつバリの発生させることなく正確なドットを転写できるホログラム熱転写シートが開示されている。
【特許文献1】特開2004−098455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のホログラム熱転写シートでは、被転写材が特定の材料である場合、特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の軟包装材料に使用される被転写体においては依然として印字安定性が悪く高速印字が困難という技術的課題を有する。本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、被転写体の材質にかかわらず、光回折効果を損なうことなく被転写体上に高速でかつ安定した転写を行うことができ、かつ転写後の保存性も高い転写体を提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、基材と、該基材の一方の面に、転写層が設けられた転写材であって、前記転写層が、少なくとも光回折効果を発現するレリーフを有するレリーフ形成層、反射層、接着層とからなり前記接着層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂またはカルボキシル基を含有する樹脂を主体として含み、前記接着層全体のガラス転移温度(Tg)が45℃〜60℃の範囲にあることを特徴とする。
【0008】
また、前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂には、ガラス転移温度(Tg)が−20℃〜55℃の範囲のポリエステルが固形分比1:0.1〜1:2の範囲で添加されていてもよい。
【0009】
また、前記カルボキシル基を含有する樹脂には、ガラス転移温度(Tg)が−20℃〜55℃の範囲のポリエステルが固形分比1:0.1〜1:2の範囲で添加されていてもよい。
【0010】
また、前記転写材が、サーマルヘッドを有する熱転写プリンタによる印字方式で用いる転写材であってもよい。
【0011】
また、上記課題を解決するための本発明は、前記記載の転写材と被転写材との組合せであって、前記被転写材が、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート又はナイロンのいずれかであることを特徴とする
【0012】
また、前記被転写材はその表面に表面処理層を有し、表面処理層は、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂のいずれかを主体とする樹脂を含んでいてもよい。また、前記表面処理層の膜厚が0.1μm以上0.5μm以下であってもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するための本発明は、前記の転写層を被転写材に転写するための転写方法であって、被転写材がポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート又はナイロンのいずれかであり、転写時の転写速度が7.5m/min以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、被転写材の材質にかかわらず転写材と被転写材とを強固に接着し、転写時の熱により基材や被転写材を変形させることなく転写安定性を高め高速転写を行うことができる。また、本発明によれば、ブロッキングの発生を効果的に防止できるほか転写後の保存性を高めることができ転写後に被転写材20上から転写層11が脱落することもない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の転写材の層構成を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の転写材について図面を用いて具体的に説明する。図1は、本発明の転写材の層構成を示す概略断面図である。
【0017】
図示するように本発明の転写材10は、基材1の一方の面(図1に示す場合には基材1の上面側)に、剥離層2、光回折効果を発現するレリーフを有するレリーフ形成層3、反射層4、を積層することにより形成されている。
【0018】
ここで、本発明の転写材10は反射層4上に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂またはカルボキシル基を含有する樹脂を主体として含み、接着層全体のガラス転移温度(Tg)が45℃〜60℃の範囲にあることに特徴を有する。以下、剥離層2、レリーフ形成層3、反射層4、接着層5の積層体を転写層11と略称する。
【0019】
以下、転写材を構成する各層について図1を用いてさらに詳細に説明する。
【0020】
(基材)
基材1は本発明の転写材10における必須の構成であり、耐熱性、機械的強度、製造に耐える機械的強度、耐溶剤性などがあれば、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート‐イソフタレート共重合体、又はテレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン(商品名)6、ナイロン(商品名)66、ナイロン(商品名)610、又はナイロン(商品名)12などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、又はポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリノルボネンなどの環状ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、又はポリメチルメタアクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、AS樹脂、又はABS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、又はエチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アセタール系樹脂、などがある。該基材1は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。
【0021】
(剥離層)
図1に示すように基材1とレリーフ形成層3との間には転写時の転写性を安定させるための剥離層2が設けられている。なお、剥離層2は本発明の転写材10における任意の層である。
【0022】
剥離層2の材質としては、特に限定されることはなく従来公知の材質を適宜選択して用いることができる。例えば、環状オレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂等の熱可塑性樹脂や、ポリメチル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、アクリル変性ポリエステル、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート等の電離放射線硬化性樹脂を好適に用いることができる。
【0023】
また、剥離層2として電離放射線硬化性樹脂を用いた場合、特に基材1が薄い場合には、電離放射線硬化性樹脂だけでは転写時の箔切れ性が悪くなるので、熱可塑性樹脂を添加することで、バリの発生や、欠けることなく、精度よく転写することができる。この場合には、電離放射線硬化性樹脂中へ所定量の熱可塑性樹脂を混合した後に、レリーフ形成層3とともに電離放射線で硬化することが好ましい。即ち、剥離層2中の、電離放射線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との含有比率、及び、電離放射線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の材料を選択することにより、転写材10の輸送、取扱い時の振動や衝撃でレリーフ形成層3が脱落せず、転写時には容易に基材1から剥離して転写することができる。
【0024】
電離放射線硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との含有比率は、剥離層組成物中の含有率で電離放射線硬化性樹脂が80〜99.5質量%、熱可塑性樹脂が0.5〜20質量%程度であることが好ましい。また、剥離層2に用いる電離放射線硬化性樹脂は、後述するレリーフ形成層3の電離放射線硬化性樹脂と実質的に同じであればよい。ここで実質的とは、基本骨格や反応機構が同じであればよく、置換基や鎖長が異なってもよい。さらに、含有率の計算では、電離放射線硬化性樹脂に添加されて反応する反応性モノマー、離型剤等は電離放射線硬化性樹脂量に含めるものとし、以下同様とする。なお、図示しないが、基材1と剥離層2(転写層11)との間に、基材1から剥離層2(転写層11)を剥離する際における剥離性を高めるための離型層を更に設けることとしてもよい。
【0025】
(レリーフ形成層)
基材1上(図1に示す場合には剥離層2上)にはレリーフ形成層3が設けられている。レリーフ形成層3は、本発明の転写材10における必須の層であり、表面に凹凸のレリーフとして記録されているレリーフ型ホログラム等の周知の光回折画像を具備する。レリーフ形成層3の材料について得に限定はされず、用途に応じて種々の材料が選択できる。例えば、レリーフ形成層3の樹脂材料として、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂(例、ポリメチルメタアクリレート)、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、そして、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン系アクリレート等の熱硬化性樹脂を硬化させたもの、不飽和エチレン系モノマーと不飽和エチレン系オリゴマーを適宜混合したものに光重合開始剤、光増感剤を添加した組成物等の紫外線硬化性樹脂を硬化させたもの、或いは、上記、同上の樹脂の混合物やラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質などが挙げられる。
【0026】
特に耐薬品性、耐光性及び耐候性等の耐久性に優れた熱硬化性樹脂、紫外線や電子線などの電離放射線硬化性樹脂が好ましい。電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ変性アクリレート樹脂、ウレタン変性アクリレート樹脂、アクリル変性ポリエステル等の電離放射線硬化性樹脂を硬化させたものが適用できる。また、電離放射線硬化性樹脂は、これらの樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイを含む)であっても良い。電離放射線硬化性樹脂は、賦型性に優れ、適度な耐熱性を有するものが好ましい。好ましくはウレタン変性アクリレート樹脂で、具体的には、次の2種が最も好ましい。
【0027】
(電離放射線硬化性樹脂組成物A)
レリーフ形成層3の好ましい1つとしては、化学式(a)で表されるウレタン変性アクリル系樹脂を主成分とする未硬化の電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物である。具体的には、特開2000−273129号公報で開示している光硬化性樹脂組成物などが適用でき、前記明細書に記載の光硬化性樹脂組成物Aを本明細書の実施例でも使用し、「電離放射線硬化性樹脂組成物A」と表記している。
【0028】
【化1】

【0029】
化学式(a)で、6個のR1は夫々互いに独立して水素原子またはメチル基を表わし、R2は炭素数が1〜20個の炭化水素基を表わす。l、m、n、o及びpの合計を100とした場合に、lは20〜90、mは0〜80、nは0〜50、o+pは10〜80、pは0〜40の整数である。XおよびYは直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を表わし、Zはウレタン変性アクリル樹脂を改質するための基を表し、好ましくは嵩高い環状構造の基を表わす。
【0030】
(電離放射線硬化性樹脂組成物B)
レリーフ形成層3の好ましい他の1つとしては、特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂が適用でき、本明細書の実施例では「電離放射線硬化性樹脂組成物B」と表記している。
【0031】
即ち、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂の硬化物である。さらに好ましくは、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが、(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、及び(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物である。また、電離放射線硬化性樹脂として、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと他の熱可塑性樹脂との混合物を用いることができ、アクリル樹脂との混合物が最適である。
【0032】
また、電離放射線で硬化させる以前の塗布状態ではべとつかず、レリーフ構造を容易に賦型した後に、電離放射線で硬化できるものが好ましく、融点が40℃以上のイソシアネート化合物と、(メタ)アクリロイル基を有していて且つイソシアネート基と反応し得る(メタ)アクリル化合物との反応生成物であって、軟化点が40℃以上の熱可塑性樹脂を含有する電離放射線硬化性樹脂を用いることが好ましい。
【0033】
さらに、レリーフ形成層3を構成する電離放射線硬化性樹脂の耐熱性としては、適度なガラス転移温度(Tg)を有し、好ましくは70〜100℃である。この範囲を越える過度の耐熱性では、層が硬くて賦型性が低下し、また、この範囲未満の低い耐熱性では、折角賦型したレリーフ構造が、転写時の熱などで変形し劣化して、性能が低下する。
【0034】
(レリーフ)
レリーフ形状は凹凸形状であり特に限定されるものではないが、微細な凹凸形状を有する光拡散、光散乱、光反射、光回折などの機能を発現するものが好ましく、例えば、フーリエ変換やレンチキュラーレンズ、光回折パターン、モスアイ、が形成されたものである。また、光回折機能はないが、特異な光輝性を発現するヘアライン柄、マット柄、万線柄、干渉パターンなどでもよい。光回折凹凸パターンとしては、物体光と参照光との光の干渉による干渉縞が凹凸模様で記録されたホログラムや回折格子が適用できる。ホログラムとしては、フレネルホログラム等のレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。
【0035】
回折格子としては、ホログラム記録手段を利用したホログラフィック回折格子があげられ、その他、電子線描画装置等を用いて機械的に回折格子を作成することにより、計算に基づいて任意の回折光が得られる回折格子をあげることもできる。また、機械切削法でもよい。これらのホログラム及び/又は回折格子の単一若しくは多重に記録しても、組み合わせて記録しても良い。これらの原版は公知の材料、方法で作成することができ、通常、感光性材料を塗布したガラス板を用いたレーザ光干渉法、電子線レジスト材料を塗布したガラス板に電子線描画法、機械切削法などが適用できる。
【0036】
該レリーフ形成層3へ上記のレリーフを賦形する方法について特に限定されることはなく従来公知の賦形方法を適宜選択して形成することができる。例えば、レリーフ形成層3の表面に、レリーフが形成されているスタンパ(金属版、又は樹脂版)を圧着(所謂エンボス)をして、該レリーフをレリーフ形成層3へ賦型し複製した後に、スタンパを剥離することで行う方法が挙げられる。商業的複製の方法は、金型又は樹脂型のスタンパを用いて、レリーフ形成層3の表面へエンボスしてレリーフを複製した後に電離放射線を照射するか、又は、エンボス中に電離放射線を照射してからスタンパを剥離することでレリーフを複製する。この商業的な複製は、長尺状で行うことで連続な複製作業ができる。
【0037】
また、レリーフ形成層3として電離放射線硬化性樹脂を用いた場合には、スタンパでエンボス中、又はエンボス後に、電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させることでレリーフを賦形することができる。上記の電離放射線硬化性樹脂は、レリーフを形成後に、電離放射線を照射して硬化(反応)させると電離放射線硬化性樹脂(レリーフ形成層3)となる。電離放射線としては、電磁波が有する量子エネルギーで区分する場合もあるが、本明細書では、すべての紫外線(UV‐A、UV‐B、UV‐C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線を包含するものと定義する。従って、電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線(UV)が好適であり、波長300〜400nmの紫外線が最適である。電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂は、紫外線硬化の場合は光重合開始剤、及び/又は光増感剤を添加し、エネルギーの高い電子線硬化の場合は添加しなくても良く、また、適正な触媒が存在すれば、熱エネルギーでも硬化できる。
【0038】
好ましい具体例としては、セミドライ複製法(SD複製法)と呼ばれている方法で、複製装置はベッドに固定された一対の本体フレームに給紙装置、転写装置、照射装置、巻き取装置が順次配設され、給紙装置及び巻き取装置は巻き取を供給又は巻き取る装置からなる。転写装置は、本体フレームの中央部に固定された軸受に軸が回転自在に支持されたエンボスローラーと、一対のアームに回転自在に支持された押付けローラーと、加圧機構とからなる。給紙装置から、基材1/剥離層2(必要に応じて)/レリーフ形成層3からなる長尺帯状で繰り出し、エンボスローラーと押付けローラーとで加圧される。エンボスローラーの周表面にはスタンパ(金属版、又は樹脂版)が載置され、該スタンパが加熱されている押付けローラーに一定圧で押付けられる。スタンパの凹凸(レリーフ)がレリーフ形成層3の表面に転写され、スタンパから剥離され、直ちにUV照射装置より紫外線が照射され、凹凸の形成されたレリーフ形成層3が硬化する。また、上記のようなレリーフ形成層の厚さは0.1〜6μmの範囲が好ましく、0.1〜4μmの範囲が更に好ましい。
【0039】
(反射層)
レリーフ形成層3上には反射層4が設けられている。反射層4は、本発明の転写材における必須の構成であり、レリーフの回折効果を高めるために設けられる。反射層4の材質について特に限定されることはなく、例えば、光を反射する金属Cr、Ni、Ag、Au、Al等の金属、及びその酸化物、硫化物、窒化物等の薄膜を単独又は複数を組み合わせて用いることができる。このような金属は、反射率が高くより明るい回折光が得られることから本発明の反射層4として好ましく用いることができる。該反射層4として、上記の光反射性の金属薄膜の形成は、いずれも10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの真空薄膜法で得られる。反射層4の厚さがこの範囲未満では、光がある程度透過して効果が減じ、また、それ以上であっても反射効果は変わらないためコストの面から好ましくない。
【0040】
(接着層)
反射層4上には接着層5が設けられている。接着層5は本発明の転写材10における必須の構成であり、本願発明の転写材10を構成する接着層5は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂又はカルボキシル基を含有する樹脂を主体として含み、当該接着層5全体のガラス転移温度が45℃〜60℃の範囲である点に特徴を有する。
【0041】
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、カルボキシル基を含有する樹脂は金属蒸着層と接着層との接着性が高く、かつ被転写材20との接着層との接着性が高いという性質を有することから、該共重合物又はカルボキシル基を含有する樹脂を主体として接着層5に含有させることで印字の切れが良く高解像度な印字を行うことが可能となる。また、従来の接着層5では接着することが困難な、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の軟包装材が被転写材20である場合でも、被転写材20と転写層11を強固な接着力で接着することができる。さらには、本発明の転写材10を構成する接着層5は、転写後の転写層11の保存性も良好であることから、転写後に転写層11が被転写材20上から脱落することもない。
【0042】
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂は、[塩化ビニル]と[酢酸ビニル]とが共重合された樹脂であればその種別について特に限定はなく、例えば、マレイン酸−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を適宜選択して用いることができる。
【0043】
また、カルボキシル基を含有する樹脂についても特に限定はなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂等のカルボキシル基を含有する樹脂を適宜選択して用いることができる。
【0044】
次に、接着層5全体のガラス転移温度(Tg)について説明する。被転写材20上に転写層11を転写させるためには、まず転写材10に所定の熱と圧を加え接着層5を軟化させる必要があり、接着層5が軟化した状態で転写層11を被転写材20上に移行させることで転写層11が被転写層20上に転写される。接着層5を軟化させるための熱はガラス転移温度(Tg)に依存しており、ガラス転移温度(Tg)が高い場合には高い熱を加えることで接着層5が軟化し、ガラス転移温度(Tg)が低い場合には低い熱を加えることで接着層5が軟化する。
【0045】
ここで、被転写材20との接着性の高い塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂又はカルボキシル基を含有する樹脂を含む接着層5を用いた場合であっても、その、ガラス転移温度(Tg)が60℃より高い場合には、高速転写させるために過大な熱をかける必要があり、基材1及び被転写材20の材質によっては軟化させる際(転写時)の熱により基材1及び被転写材20が変形しやすく、転写安定性に欠け、高速転写を行うことができない。特に、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の軟包装材が被転写材20である場合には転写時に特に過大なエネルギーをかけて転写しなければならず、転写時の熱により被転写材20が変形し外観を著しく損ねるという問題が生ずる。また、被転写材20の厚みが6μm以下と薄い場合には、基材が薄くなることにより熱伝導が良いため、転写時の印加エネルギーを低下させることが可能という利点があるものの、基材そのものが薄いために加工時にシワが発生しやすく、安定した製造に適さないという欠点がある。一方で、接着層5全体のガラス転移温度(Tg)を低くした場合には、基材1や被転写材20の変形を防止することができるものの接着層5全体のガラス転移温度(Tg)が45℃より低くなると熱転写方式による巻取り状態中に接着層5と基材1の背面側とがブロッキングを起こしてしまう。
【0046】
上記問題点について鋭意検討し被転写材20との接着性の向上のみならず、転写時の熱や圧による基材1及び被転写材20の変形及びブロッキング発生の防止に着目した本発明の転写材10は、転写材10を構成する接着層5のガラス転移温度(Tg)が45℃〜60℃の範囲であることに特徴を有する。接着層5全体のガラス転移温度(Tg)を45℃〜60℃とすることで、基材1及び被転写材20の材質にかかわらず基材1及び被転写材20を変形させることなく、かつブロッキングの発生を効果的に防止することが可能となる。特に、従来の接着層5では接着性の点から熱転写方式により転写層11を転写するためには転写時のプリント速度を低速にし、転写時の熱や圧を高くかけなければ転写層11を転写することが困難なポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等が被転写材20である場合でも、被転写材20上に転写層11を高速でかつ安定的に転写することができる。また、厚みが薄い被転写材20にも容易に転写を行うことができ、被転写材20等の厚みを用途等に応じて自由に設定することができる。さらには転写後の転写層11の保存性も良好であることから、転写後に転写層11が被転写材20上から脱落することもない。
【0047】
また、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(カルボキシル基を含有する樹脂を主体とする場合にはカルボキシル基を含有する樹脂)にポリエステルを添加することとしてもよい。ポリエステルを塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、カルボキシル基を含有する樹脂に所定の割合で添加することで接着層5全体のガラス転移温度(Tg)を容易に45℃〜65℃の範囲に設定することができる。ポリエステルの添加量については、所望する接着層5全体のガラス転移温度(Tg)に応じて適宜調整することができ添加量について特に限定はないが、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(カルボキシル基を含有する樹脂を主体とする場合にはカルボキシル基を含有する樹脂)に対し固形分比1に対して0.1より少ないと接着層5全体のガラス転移温度(Tg)の低下が十分に得られず、ポリエステルの添加量が、上記樹脂に対し固形分比1に対して2より多くしてもガラス転移温度(Tg)にそれ以上の変化はなくコストの面から効果的でない。このような点を考慮すると塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(カルボキシル基を含有する樹脂を主体とする場合にはカルボキシル基を含有する樹脂)には、ポリエステルが固形分比1:0.1〜1:2の範囲で添加されていることが好ましい。
【0048】
また、ポリエステルのガラス転移温度についても特に限定はないが、ポリエステルのガラス転移温度が55℃よりも高いと塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(カルボキシル基を含有する樹脂を主体とする場合にはカルボキシル基を含有する樹脂)のガラス転移温度を十分に低下させることができず接着層5のガラス転移温度(Tg)を所望の範囲に設定知ることが難しく、ガラス転移温度(Tg)が−20℃よりも低いと、わずかな添加でもガラス転移温度(Tg)が著しく低下することからブロッキングが発生しやすくなり製造上の安定性を欠く。このような点を考慮すると、ポリエステルのガラス転移温度(Tg)は−20℃〜55℃の範囲であることが好ましい。
【0049】
このように塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(カルボキシル基を含有する樹脂を主体とする場合にはカルボキシル基を含有する樹脂)に、ガラス転移温度(Tg)が−20℃〜55℃の範囲のポリエステルを固形分比1:0.1〜1:2の範囲で添加することで、接着層5全体のガラス転移温度(Tg)を45℃〜60℃の範囲に容易に調整することができる。
【0050】
また、接着層5には塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、又はカルボキシル基を含有する樹脂のいずれかが主体として含有されていればよく、含有量はその他の添加剤等に応じて適宜選択することができ、その含有量について特に限定はない。
【0051】
また、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂又はカルボキシル基を含有する樹脂のガラス転移温度(Tg)については特に限定はないが、接着層5全体のガラス転移温度(Tg)を低下させるためには、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、カルボキシル基を含有する樹脂のガラス転移温度(Tg)は予め低い温度であることが好ましく、具体的には60℃〜75℃の範囲であることが好ましい。
【0052】
接着層5の形成方法について限定されることはなく、例えば、主体として含有される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂又はカルボキシル基を含有する樹脂と必要に応じて、その他の熱可塑性樹脂とワックスや添加剤を加え、適当な有機溶剤または水に溶解または分散した接着層形成用塗工液を、従来公知のグラビアコーター、ロールコーター、フレキソ印刷などの慣用の塗工手段により、塗工し、乾燥することで接着層5を形成することができる。添加剤としては充填材、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などを用いることができる。また、接着層5の乾燥状態の厚さは、0.05〜5g/m2程度が好ましい。乾燥塗膜の厚さが、0.05g/m2未満の場合、受像シート及び着色層との接着性が劣り、印字の際に転写不良となる。また、厚さが5g/m2を越えた場合、印字時の転写感度が低下し、満足のいく印字品質が得られない。
【0053】
(耐熱保護層)
基材1の転写層11との反対面(図1に示す場合には基材1の下面)に耐熱保護層6を設けることとしてもよい。耐熱保護層6は、本発明の転写材10における任意の層であるが、後述する熱転写方式による転写を行う場合には、サーマルヘッドの滑り性をよくし、かつスティッキングを防止することができることから、当該転写方法により転写を行う場合には耐熱保護層6が設けられていることが好ましい。
【0054】
耐熱保護層6は、耐熱性のある熱可塑性樹脂バインダーと、熱離型剤または滑剤のはたらきをする物質とを、基本的な構成成分とする。熱可塑性樹脂バインダーは、耐熱性を有する熱可塑性樹脂バインダーであれば特に限定はなく、このような熱可塑性樹脂バインダーとしては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、酢酸セルロース、フッ化ビニリデン樹脂、ナイロン、ポリビニルカルバゾール、塩化ゴム、環化ゴム及びポリビニルアルコールが挙げられることができる。また、これらの樹脂は、ガラス転移点が60℃以上のもの、またはOH基またはCOOH基を有する熱可塑性樹脂にアミノ基を2個以上有する化合物またはジイソシアネートもしくはトリイソシアネートを加えて若干の架橋硬化を起させたものが好ましい。
【0055】
上記の熱可塑性樹脂に配合する、熱離型剤または滑剤は、ポリエチレンワックス、パラフィンワックスの様なワックス類、高級脂肪酸のアミド、エステル又は塩類、高級アルコール及びレシチン等のリン酸エステル類のような加熱により溶融してその作用をするものと、フッ素樹脂や無機物質の粉末のように、固体のままで役立つものとがある。尚、これらの滑剤又は熱離型剤に加えて、他の離型剤、例えば、フッ素含有樹脂の粉末、グアナミン樹脂の粉末及び木粉のいずれかを併用することも出来、この場合には更に高い効果が得られる。
【0056】
耐熱保護層6を形成する組成物について得に限定はないが、前記の熱可塑性樹脂バインダー100質量部に対し、上記の滑剤又は熱離型剤の作用をする物質を10〜100質量部の割合で配合されていることが好ましい。また、耐熱保護層6の形成についても特に限定はないが、例えば、適宜の溶剤で練ってインキとし、ロールコーティング法、グラビアコーティング法,スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法等のコーティング法により、基材1の転写層11との反対面に、塗布し、乾燥することによって行うことができる。耐熱保護層6の厚さについても特に限定はないが0.01〜1.0g/m程度が一般的であり、好ましくは0.1〜0.2g/mである。
【0057】
また、基材1と耐熱保護層6の付着を確実にするために、予め基材1上にプライマー層(図示しない)を設けてもよい。プライマー層は、基材1の材料と耐熱保護層6の熱可塑性樹脂バインダーの種類に応じて選択し、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体或いはポリオールとイソシアネート、エポキシとイソシアネート、ポリオールとメラミンの組合せ等の材料を適用できる。プライマー層を形成する場合には、厚み0.05〜0.5g/m程度であることが好ましく、薄すぎると接着性が不充分であり、厚すぎるとサーマルヘッドの感度や耐熱性の低下、凝集破壊による接着性の低下が生じるので好ましくない。プライマー層の塗布方法は、耐熱保護層6の組成物の適用と同様に、適宜の溶剤を利用してインキ形態とし、任意の手法で実施すればよい。
【0058】
(被転写材)
被転写材20は、形状、用途に応じて適宜選択することができ、その材料について特に限定されることはなく、例えば、天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、ガラス、金属、セラミックス、木材、布あるいは各種画像形成方法(電子写真方式、インクジェット方式、昇華・溶融熱転写方式)で画像を形成した印画物等を挙げることができる。
【0059】
特に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂又はカルボキシル基を含有する樹脂を主体として含む接着層5によれば、従来被転写材20の材質として用いることが困難であったポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等であっても被転写材20と転写層11とを強固に接着できる。また、本発明の転写材10は、転写後の保存性もよいことから上記材料からなる被転写材20と本発明の転写材10との組合せを好適に用いることができる。さらには、接着層5全体のガラス転移温度が45℃〜60℃の範囲であることから高い熱や圧をかけることなく被転写材20と転写層11とを強固に接着することができ、被転写材20の厚みが6μm程度と薄い場合であっても被転写材20が転写時の熱により変形することもない。
【0060】
さらに、本発明の転写材10は接着層5全体のガラス転移温度が45℃〜60℃の範囲であることから高い熱や圧をかけることなく被転写材20と転写層11とを強固に接着することから高速転写が可能であり、7.5m/min以上の速度で転写を行った場合であっても印字適正に優れた転写を行うことができる。転写速度の上限について特に限定はないが印字適正を考慮すると、15m/min以下であることが好ましい。
【0061】
(表面処理層)
また、被転写材20の被転写面上(図1に示す場合には被転写材20の上面)にポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂のいずれかを主成分とする表面処理層21を設けてもよい。被転写材20上に上記樹脂を主体として含む表面処理層21を設けることで被転写材20の材質にかかわらず転写層11の高速転写が可能となる。
【0062】
表面処理層21の厚みについて特に限定はないが、表面処理層21の厚みが0.05μm未満である場合には高速転写を可能せしめるための表面処理層としての効果を発揮することができず、表面処理層21の厚みが0.5μmより厚い場合には被転写材20全体の厚みが厚くなりすぎてしまい、包装材等として用いる場合に適さない場合がある。このような点を考慮すると、表面処理層21の厚みは0.05μm以上0.5μm以下であることが好ましい。
【0063】
表面処理層21の形成方法についても特に限定はなく、上記の樹脂を適当な有機溶剤または水に溶解または分散した表面処理層用塗工液を、従来公知のグラビアコーター、ロールコーター、フレキソ印刷などの慣用の塗工手段により、塗工し、乾燥することで表面処理層21を形成することができる。
【0064】
(転写方法)
次に、被転写材20上へ転写層11を転写する転写方法について説明する。転写方法としては特に限定されることはなく、例えば、熱刻印によるホットスタンプ(箔押)法、熱ロールによる全面又はストライプ転写法、サーマルヘッドを有する熱転写プリンタによる熱転写法等を挙げることができる。熱転写法は、サーマルヘッド等の加熱デバイスにエネルギー(熱)を印加することで、紙やプラスチックシートなどからなる基材シート(被転写材20)上に転写層11を転写する転写方法であり、当該方法によれば、被転写材20の形状にかかわらず転写層11を高速転写できるほか、微細なホログラム、回折格子などのレリーフ構造を有する転写層を精度よく被転写材20上に転写することができる。このような点を考慮すると本発明の転写材10を用いて転写層11を被転写材20上に転写する転写方法としては熱転写法が好ましい。なお、熱転写法により転写を行った場合であっても、接着層5に特徴を有する本願発明によれば高い熱や圧をかけることなく高い接着性を有することから転写層11を被転写材20上に安定的にかつ高速で転写を行うことができる。
【0065】
また、接着層5全体のガラス転移温度(Tg)が45℃〜60℃の範囲の接着層5によれば、熱転写法により転写を行った際に生ずる問題点、具体的には巻取り状態中に接着層5と基材1の背面側とがブロッキングすることを効果的に防止することができる。
【0066】
また、熱転写方法により転写を行う場合には、剥離バー(またはサーマルヘッド)により基材1から転写層11が剥離される。当該剥離には、加熱により溶融あるいは軟化した接着層4が固化しないうちに、転写層11を基材1から剥離する熱時剥離と、加熱により溶融あるいは軟化した接着層4が固化した後に、転写層11を基材1から剥離する冷時剥離が挙げられる。なお、冷時剥離では一般的に5m/min程度の転写速度が限界とされるが、接着層4のガラス転移温度が45℃〜60℃の範囲である本発明の転写材10によれば冷時剥離であっても、上述したように7.5m/min以上の高速転写が可能であり、本発明の転写材10は高速転写が困難な冷時剥離において特に好適に用いることができる。
【0067】
以上説明した、接着層5に特徴を有する本発明の転写材10によれば、被転写材20の材質にかかわらず被転写材20と転写層11とを強固な接着力で接着することができ、特に、被転写材20がポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等と従来の接着層では転写時の熱による被転写材20の変形や転写層11との接着性から高速転写が困難な材質であっても強固な接着力で接着をすることができる。また、当該材質からなる被転写材20上に転写層11を転写した後の保存性もよいことから、転写後に転写層11が脱落することもない。さらには、熱転写方式により転写を行った場合でも、巻取り状態中に接着層5と基材1の背面側とがブロッキングすることを防止することができるほか、接着層5は低温で強固な接着性を有することから転写時の熱により被転写材20が変形することもない。
【実施例】
【0068】
以下に、実施例と比較例を挙げて、本発明について更に詳しく説明する。
(実施例1)
<耐熱保護層用組成物>
シリコーン変性アクリル樹脂(固形分26%) 10.0部
(商品名ポリアロイNSA−X55 ナトコ(株)製)
トルエン/メチルエチルケトン(質量比1/1) 40.0部
<剥離層用組成物>
ノルボルネン樹脂 40.0部
(商品名アートンG、JSR社製)(Tg:171℃)
アクリルポリオール樹脂 10.0部
(商品名サーモラックSU−100A、綜研化学(株)製)
トルエン/メチルエチルケトン(質量比7/3) 50.0部
<レリーフ形成層用組成物>
メタクリル樹脂 50.0部
(商品名パラペットGF、クラレ(株)製)
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー 50.0部
(上記に記載した条件で作成したウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーである。)
シリコーン 1.0部
(商品名KF−860、信越化学工業(株)製)
光重合開始剤 5.0部
(商品名イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
メチルエチルケトン 100部
【0069】
基材1として、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレート(6CF−53、東レ社製、商品名)を用いた。該基材の一方の面へ、上記耐熱保護層用組成物を、グラビアコート法で塗布し乾燥して、厚さが0.15g/mの耐熱保護層6を形成した。該耐熱保護層6面と反対側の基材1面へ、剥離層用組成物を、乾燥後の厚みがコート量0.2g/mになるように、グラビアコーターで塗工し80℃で乾燥させて、剥離層2を形成した。該剥離層2面へレリーフ形成層用組成物の乾燥後の厚みが0.8g/mになるように、グラビアコーターで塗工し100℃で乾燥させて、レリーフ形成層3を形成し、得られたフイルムは常温ではべとつかず、巻取状態で保管や後加工ができる。該レリーフ形成層3面へスタンパを加圧(エンボス)してレリーフを賦形する。別途、樹脂製スタンパを複製装置のエンボスローラーに貼着して、150℃で相対するローラー間で加熱プレス(エンボス)して、微細な凹凸パターンからなるレリーフを賦形させた。賦形後直ちに、高圧水銀灯で紫外線を照射して硬化させた。該レリーフ面へ真空蒸着法によりアルミニウムを厚さ30nmに蒸着して、反射型のレリーフ型ホログラムを形成した。次に、耐熱保護層6を上述のシリコーン変性アクリル樹脂を含む塗工液を使用し、グラビアコーターでコート量0.06g/mの耐熱保護層6を形成した。
【0070】
該レリーフ面に形成する接着層について以下に詳細に記す。
(接着層用塗工液)
マレイン酸−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 90重量部
(ダウ・ケミカル社製 VMCA(ガラス転移温度 65℃))
ポリエステル 10重量部
(東洋紡績株式会社製 バイロン550(ガラス転移温度−15℃))
メチルエチルケトン 250部
トルエン 250部
接着層全体のガラス転移温度が45℃〜60℃の範囲となるように上記材料を上記比率で添加した上記接着層用塗工液をグラビアコーターにて該レリーフ面に塗工・乾燥し、厚さが0.2g/mの接着層5を形成し、実施例1の転写材10を作成した。接着層全体のガラス転移温度を、セイコー電子工業株式会社製 示差走査熱量計DSC220にて測定した結果、57℃であった。
【0071】
次いで、被転写材Aとしてポリエチレンテレフタレート基材を用意し、実施例1の転写材を用いて、以下の印字条件にて被転写材上へホログラム解像パターンの印字を実施し、実施例1の印字物を形成した。
(印字条件)
イーデーエム株式会社製 SD3i(端面型サーマルヘッドを搭載)プリンタを用い、印字速度6inch/secの条件で印字を行った。
【0072】
(実施例2)
接着層全体のガラス転移温度が45℃〜60℃の範囲となるように下記材料を下記比率で添加した接着層用塗工液を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例2の転写材10を作製した。
(接着層用塗工液)
マレイン酸−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 50重量部
(ダウ・ケミカル社製 VMCA(ガラス転移温度 65℃))
ポリエステル 50重量部
(東洋紡績株式会社製 バイロン600(ガラス転移温度47℃))
メチルエチルケトン 250部
トルエン 250部
実施例2における接着層全体のガラス転移温度を、セイコー電子工業株式会社製 示差走査熱量計DSC220にて測定した結果、56℃であった。
【0073】
次いで、実施例2の転写材を用いて、実施例1の印字条件と同一の条件で被転写材A上へホログラム解像パターンの印字を実施し、実施例2の印字物を形成した。
【0074】
(実施例3)
接着層全体のガラス転移温度が45℃〜60℃の範囲となるように下記材料を下記比率で添加した接着層用塗工液を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例3の転写材10を作製した。
(接着層用塗工液)
マレイン酸−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 75重量部
(ダウ・ケミカル社製 VMCA(ガラス転移温度 65℃))
ポリエステル 25重量部
(東洋紡績株式会社製 バイロン650(ガラス転移温度10℃))
メチルエチルケトン 250部
トルエン 250部
実施例3における接着層全体のガラス転移温度を、セイコー電子工業株式会社製 示差走査熱量計DSC220にて測定した結果、52℃であった。
【0075】
次いで、実施例3の転写材を用いて、実施例1の印字条件と同一の条件で被転写材A上へホログラム解像パターンの印字を実施し、実施例3の印字物を形成した。
【0076】
(実施例4)
接着層全体のガラス転移温度が45℃〜60℃の範囲となるように下記材料を下記比率で添加した接着層用塗工液を使用した以外は、実施例1と同様にして実施例4の転写材10を作製した。
(接着層用塗工液)
エチレン−アクリル酸共重合体 56重量部
(ガラス転移温度 63℃)
ポリエステル 44重量部
(東洋紡績株式会社製 バイロン600(ガラス転移温度47℃))
メチルエチルケトン 250部
トルエン 250部
実施例4における接着層全体のガラス転移温度を、セイコー電子工業株式会社製 示差走査熱量計DSC220にて測定した結果、56℃であった。
【0077】
次いで、実施例4の転写材を用いて、実施例1の印字条件と同一の条件にて被転写材A上へ印字を実施し、実施例2の印字物を形成した。
【0078】
(実施例5)
ポリエチレンテレフタレート基材の被転写面上に、ポリエステル系樹脂(東洋インキ製造株式会社製 PET134 アンカー)を乾燥後の厚みが0.1〜0.5μmとなるようにグラビアコーターで塗工し、ポリエチレンテレフタレート基材の被転写面上にポリエステル系樹脂からなる表面処理層が形成された被転写材Bを用意した。
【0079】
次いで、実施例1の転写材を用いて、実施例1の印字条件と同一の条件にて被転写材B上へ印字を実施し、実施例5の印字物を形成した。
【0080】
(実施例6)
ポリエチレンテレフタレート基材の被転写面上に、ウレタン系樹脂(大日精化工業株式会社製 NB300)を乾燥後の厚みが0.1〜0.5μmとなるようにグラビアコーターで塗工し、ポリエチレンテレフタレート基材の被転写面上にウレタン系樹脂からなる表面処理層が形成された被転写材Cを用意した。
【0081】
次いで、実施例1の転写材を用いて、実施例1の印字条件と同一の条件にて被転写材C上へ印字を実施し、実施例6の印字物を形成した。
【0082】
(実施例7)
ポリエチレンテレフタレート基材の被転写面上に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂(DIC株式会社製 ユニビアNT DM メジューム)を乾燥後の厚みが0.1〜0.5μmとなるようにグラビアコーターで塗工し、ポリエチレンテレフタレート基材の被転写面上にウレタン系樹脂からなる表面処理層が形成された被転写材Dを用意した。
【0083】
次いで、実施例1の転写材を用いて、実施例1の印字条件と同一の条件にて被転写材D上へ印字を実施し、実施例7の印字物を形成した。
【0084】
(比較例1)
上記の実施例1で作製した転写材において、接着層全体のガラス転移温度が60℃よりも高くなるように下記材料を下記比率で添加した接着層用塗工液を使用した以外は実施例1の通りにして、比較例1の転写材を作製した。
(接着層用塗工液)
マレイン酸−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
(ガラス転移温度 65℃)
溶媒(酢酸エチル:トルエン=2:5) 70部
比較例1における接着層全体のガラス転移温度を、セイコー電子工業株式会社製 示差走査熱量計DSC220にて測定した結果、65℃であった。
【0085】
次いで、比較例1の転写材を用いて、実施例1の印字条件と同一の条件にて被転写材A上へ印字を実施し、比較例1の印字物を形成した。
【0086】
(比較例2)
上記の実施例1で作製した転写材において、接着層全体のガラス転移温度が60℃よりも高くなるように下記材料を下記比率で添加した接着層用塗工液を使用した以外は実施例1の通りにして、比較例2の転写材を作製した。
(接着層塗工液)
マレイン酸−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 97重量部
(ガラス転移温度 65℃)
ポリエステル 3重量部
(東洋紡績株式会社製 バイロン550(ガラス転移温度−15℃))
メチルエチルケトン 250部
トルエン 250部
比較例2における接着層全体のガラス転移温度を、セイコー電子工業株式会社製 示差走査熱量計DSC220にて測定した結果、62℃であった。
【0087】
次いで、比較例2の転写材を用いて、実施例1の印字条件と同一の条件にて被転写材A上へ印字を実施し、比較例2の印字物を形成した。
【0088】
(比較例3)
上記の実施例1で作製した転写材において、接着層用塗工液を下記組成に変更して、それ以外は実施例1の通りにして、比較例3の転写材を作製した。
(接着層用塗工液)
ポリエステル樹脂 30重量部
(ガラス転移温度:53℃)
トルエン 70重量部
【0089】
次いで、比較例3の転写材を用いて、実施例1の印字条件と同一の条件にて被転写材A上へ印字を実施し、比較例3の印字物を形成した。
【0090】
上記、実施例1〜7および比較例1〜3の印字物を下記の評価方法にて、高速印字適性、耐久性、耐アルコール性、地汚れの評価を行った。
【0091】
(高速印字適性)
実施例1〜7および比較例1〜3の印字物について、ホログラムの転写状態を目視にて観察し、下記の判断基準にて評価した。
【0092】
(評価基準)
◎:ホログラムの転写が非常に良好である。
○:ホログラムの転写がほぼ良好である。
△:ホログラムの転写が部分的に不良のところがある。
×:ホログラムの転写が全体的に不良である。
【0093】
(耐久性)
実施例1〜7および比較例1〜3の印字物について、下記の方法にて印字部を擦り、印字物の表面状態を目視にて観察し、下記の判断基準にて耐久性を評価した。
試験機 :スガ試験機(株)製、磨耗試験機
荷重 :500g
移動速度:30mm/sec
往復回数:100回
当て布:カナキン3号
【0094】
(評価基準)
◎:印字部の脱落が全く無く、地の部分の汚れ全く無い。
○:印字部の脱落がほとんど無く、地の部分の汚れが少しある。
△:印字部の脱落が少しあり、地の部分の汚れがある。
×:印字部の脱落が目立ち、地の部分の汚れが非常にある。
【0095】
(耐アルコール性)
上記の各印字物について、下記の方法にて、印字物の印字部と、溶剤が浸された当て布とを擦り、印字物の表面状態を目視にて観察し、下記の判断基準にて耐アルコール性を評価した。
試験機:スガ試験機(株)製、磨耗試験機
荷重:1kg
移動速度:30mm/sec
往復回数:20回
当て布:カナキン3号
溶剤:イソプロピルアルコール
【0096】
(評価基準)
○:印字部が判読可能であり、汚れはあまり無い。
△:印字部の判読は可能であるが、汚れがある。
×:印字部の判読が不可能で、汚れが著しい。
【0097】
(地汚れ)
上記の印字条件にて得られた印字物において、非印字部の汚れの有無を目視にて観察し、下記の判断基準にて地汚れの評価を行なった。
【0098】
(評価基準)
○:非印字部の汚れがほとんど認められない。
×:非印字部の汚れが著しく、目立つ。
【0099】
(評価結果)
上記の実施例および比較例の評価結果を、下記の表1に示す。
【表1】

【0100】
実施例1〜7では、ホログラムの転写が非常に良好であり高速印字適性の向上が認められた。また、被転写材としてナイロン、ポリプロピレンを用いた以外は実施例1〜4、6〜7と同一の条件で印字物の形成を行った場合においても高速印字適正の向上が認められた。一方、接着層のガラス転移温度(Tg)が60℃より高い比較例1、2では耐久性は良好なものの、ホログラムの転写が全体にわたって行なわれておらず高速印字適性は不良であった。また、接着層樹脂としてポリエステルを用いた比較例3では、高速印字適性は良好なものの、金属蒸着層と接着層との密着が弱く耐久性は不良であった。
【符号の説明】
【0101】
1 … 基材
2 … 剥離層
3 … レリーフ形成層
4 … 反射層
5 … 接着層
6 … 耐熱保護層
10 … 転写材
11 … 転写層
20 … 被転写材
21 … 表面処理層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、該基材の一方の面に、転写層が設けられた転写材であって、
前記転写層が、少なくとも光回折効果を発現するレリーフを有するレリーフ形成層、反射層、接着層とからなり、
前記接着層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂またはカルボキシル基を含有する樹脂を主体として含み、
前記接着層全体のガラス転移温度(Tg)が45℃〜60℃の範囲にあることを特徴とする転写材。
【請求項2】
前記塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂には、ガラス転移温度(Tg)が−20℃〜55℃の範囲のポリエステルが固形分比1:0.1〜1:2の範囲で添加されていることを特徴とする請求項1に記載の転写材。
【請求項3】
前記カルボキシル基を含有する樹脂には、ガラス転移温度(Tg)が−20℃〜55℃の範囲のポリエステルが固形分比1:0.1〜1:2の範囲で添加されていることを特徴とする請求項1に記載の転写材。
【請求項4】
サーマルヘッドを有する熱転写プリンタによる印字方式で用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の転写材。
【請求項5】
転写材と被転写材との組合せであって、
前記転写材が、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の転写材であり、
前記被転写材が、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート又はナイロンのいずれかであることを特徴とする転写材と被転写材の組合せ。
【請求項6】
前記被転写材は、その表面に表面処理層を有し、
前記表面処理層は、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂のいずれかを主体とする樹脂を含むことを特徴とする請求項5に記載の転写材と被転写材の組合せ。
【請求項7】
前記表面処理層の膜厚が0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項6に記載の転写材と被転写材の組合せ。
【請求項8】
転写層を被転写材に転写するための転写方法であって、
請求項5乃至7に記載の転写材と被転写材を用い、
転写時の転写速度が7.5m/min以上であることを特徴とする転写層の転写方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−18025(P2010−18025A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137697(P2009−137697)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】