説明

軸シール機構

【課題】母機偏心が生じた場合でも、薄板のフラッタ現象を確実に防止することができ、薄板の疲労破壊を防止することができるとともに、軸シール機構の長寿命化および信頼性の向上化を図ることができる軸シール機構を提供すること。
【解決手段】ロータ23とステータ24との間の環状空間を通って、前記ロータ23の軸方向に流れる流体を阻止する軸シール機構25であって、複数枚の薄板29の高圧側領域に配置された高圧側側板53と、複数枚の薄板29の低圧側領域に配置された低圧側側板54とを備え、前記複数枚の薄板29が、前記ステータ24側に固定された状態およびガス圧作用時において、その一部分が互いに当接するように構成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービン、蒸気タービン、圧縮機、ポンプ等の大型流体機械の回転軸等に用いて好適な軸シール機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
軸シール機構としては、ガスタービンや蒸気タービン等の回転軸の軸周りに設けられ、高圧側から低圧側に漏れるガスの漏れ量を低減させるリーフシールなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−113945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献のものでは、リーフシールを構成する各薄板の一端部が、リーフシールの組立完了時およびガス圧作用時において、自由端となるように(互いに拘束されないように)構成されている。そのため、ガスタービンや蒸気タービン等の回転軸が、滑り軸受の動圧による浮上分だけ軸心が移動することで偏心を生じた場合や、あるいはタービンのハウジングが熱変形を起こしたりして母機偏心が生じた場合に、薄板の一端部がフラッタ現象を起こし、薄板が疲労破壊してしまうといったおそれがあった。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、母機偏心が生じた場合でも、薄板のフラッタ現象を確実に防止することができ、薄板の疲労破壊を防止することができるとともに、軸シール機構の長寿命化を図ることができ、軸シール機構の信頼性を向上させることができる軸シール機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明による軸シール機構は、ロータとステータとの間の環状空間に複数枚の薄板を配列させて環状の薄板群を配設し、これら薄板の外周側基端部を前記ステータ側に固定するとともに、これら薄板の内周側先端は前記ロータの周面に対して非固定とすることで、前記環状の薄板群で前記ロータと前記ステータとの間の環状空間を高圧側領域および低圧側領域に分け、前記ロータと前記ステータとの間の環状空間を通って、前記ロータの軸方向に流れる流体を阻止する軸シール機構であって、前記複数枚の薄板の高圧側領域に配置された高圧側側板と、前記複数枚の薄板の低圧側領域に配置された低圧側側板とを備え、前記複数枚の薄板が、前記ステータ側に固定された状態およびガス圧作用時において、その一部分が互いに当接するように構成されている。
このような軸シール機構によれば、複数枚の薄板が、常に当接した状態に維持されることとなるので、仮に大きな母機偏心が生じたとしても薄板のフラッタ現象を確実に防止することができ、薄板の疲労破壊を防止することができるとともに、軸シール機構の長寿命化を図ることができ、軸シール機構の信頼性を向上させることができる。
【0006】
本発明による流体機械には、上記軸シール機構が具備されている。
このような流体機械によれば、長寿命化および信頼性の向上化が図られた軸シール機構を備えていることとなるので、軸シール機構の保守点検間隔を延ばすことができ、保守点検費用の低減化を図ることができるとともに、流体機械の信頼性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、母機偏心が生じた場合でも、薄板のフラッタ現象を確実に防止することができ、薄板の疲労破壊を防止することができるとともに、軸シール機構の長寿命化を図ることができ、軸シール機構の信頼性を向上させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明による軸シール機構の一実施形態について、図1ないし図6を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る軸シール機構を具備した流体機械(以下、「ガスタービン」という。)100の概略構成図であり、図1中の符号20は圧縮機、符号21は燃焼器、符号22はタービンである。
【0009】
まず、図1に、ガスタービン100の概略構成を示す。同図において、符号20は圧縮機、符号21は燃焼器、符号22はタービンである。圧縮機20は、多量の空気をその内部に取り入れて圧縮するものである。通常、ガスタービンでは、後述する回転軸(ロータ)23で得られる動力の一部が、圧縮機の動力として利用されている。燃焼器21は、圧縮機20で圧縮された空気に燃料を混合して燃焼させるものである。タービン22は、燃焼器21で発生させた燃焼ガスをその内部に導入して膨張させ、回転軸23に設けられた動翼23eに吹き付けることで燃焼ガスの熱エネルギーを機械的な回転エネルギーに変換して動力を発生させるものである。
【0010】
タービン22には、回転軸23側に配置された複数の動翼23eの他に、ステータ24側に配置された複数の静翼24aが設けられており、これら動翼23eと静翼24aとが回転軸23の軸線方向に交互に配列されている。各動翼23eは回転軸23の軸線方向に流れる燃焼ガスの圧力を受けて回転軸23を回転させ、回転軸23に与えられた回転エネルギーが軸端から取り出されて利用されるようになっている。各静翼24aと回転軸23との間には、高圧側から低圧側に漏れる燃焼ガスの漏れ量を低減するための軸シール機構として、リーフシール25が設けられている。
【0011】
図2に、このリーフシール25の拡大断面図を示す。なお、同図は、リーフシール25を、回転軸23の軸線を含む断面で見ている。以下の説明においては、リーフシール25の基本構成について先に説明し、その後、この特徴点について引き続き説明を行うものとする。
【0012】
まず、リーフシール25の基本構成の説明を行う。図2に示すように、このリーフシール25は、回転軸23とステータ24との間の環状空間に、回転軸23の軸線方向に各板幅方向を揃え且つ、この回転軸23の周方向に互いに微小間隔をあけて多数の薄板29を多重に配列させた環状の薄板群29Aを備えている。
各薄板29は、その外周側基端部においてステータ24に固定され、また、その内周側先端部において回転軸23の周面23aに対して周方向の傾きをもって鋭角に配されている。このようにして、各薄板29からなる環状の薄板群29Aは、回転軸23とステータ24との間の環状空間を高圧側領域および低圧側領域に分けている。
【0013】
続いて、上記の基本構成を有するリーフシール25の特徴点につき、図2を参照しながら以下に説明を行う。
同図に示すように、本実施形態のリーフシール25は、板幅が、前記内周側先端部よりも前記外周側基端部の方が幅広である略T字形をなし、多重に重ね合わされる複数の薄板29と、これら薄板29を環状状態に挟持する一対のリーフシールリテーナ51,52(薄板保持リング)と、各薄板29の、高圧側領域に対向する一側縁と一方のリーフシールリテーナ51との間に挟み込まれて前記各一側縁に当接する環状の高圧側プレート53と、各薄板29の、低圧側領域に対向する他側縁と他方の薄板保持リング52との間に挟み込まれて前記各他側縁に当接する環状の低圧側プレート54と、各リーフシールリテーナ51,52間に挟持されてこれらに対する各薄板29のがたつきを減らすスペーサ55とを備えて構成されている。
【0014】
各薄板29は、可撓性を有する略T字形の薄い鋼板であり、その両側縁に切り欠き29aが形成されている。そして、これら薄板29は、その外周基端側において互いに溶接固定されており(溶接箇所については、図4の説明において後述する。)、全体として可撓性を有する薄板群をなしている。
また、図6に示すように、各薄板29の上面36には、例えば、平面視円形状を呈する半球状の突起41が一つずつ設けられている。各突起41の高さは、リーフシール25が組み立てられた際に、突起41の表面の一点(一部分)と隣接配置された薄板29の下面37の一点(一部分)とが当接するように設定されている。そして、薄板29はそれぞれ、プレス加工あるいはエッチング等により作製されている。
【0015】
図2に示すように、高圧側プレート(高圧側側板)53は、環状の薄板であり、回転軸23の軸線を含む断面で見た場合に、その一側面側が段付きとなるように、内周部分よりも一段肉厚な外周部分を備えている。同様に、低圧側プレート(低圧側側板)54も、環状の薄板であり、前記断面で見た場合に、その一側面側が段付きとなるように、内周部分よりも一段肉厚な外周部分を備えている。そして、これら高圧側プレート53および低圧側プレート54を、これらの段付きの部分において前記各切り欠き29aに嵌め込むようにして各薄板29の両側面に重ね合わせた後、さらに、各リーフシールリテーナ51,52間に挟み込むことで固定されている。
【0016】
リーフシールリテーナ51,52は、回転軸23の軸線を含む断面で見た場合に概ね「コ」字形状をなす、可撓性を備えた金属部品であり、互いに重ね合わせた際に形成される凹部51a,52aに、各薄板29の幅広部分とスペーサ55とを嵌め込むようになっている。
スペーサ55は、図3に示すように、加圧された場合に、弾性変形することによって付勢力を発生させる複数の凸部55aが形成された板バネであり、図2に示すように、凹部51a,52a内において環状の薄板群29Aががたつきを生じることのないよう、これら凹溝51a,52aに対して環状の薄板群29Aをその外周側から押さえ込む付勢力を働かせている。そして、このスペーサ55の上面と各リーフシールリテーナ51,52との間を、溶接箇所y4において溶接することで、これらの間の相対位置を固定することが可能となっている。
【0017】
以上説明の構成を有するリーフシール25の製造方法を、図4および図5を参照しながら以下に説明する。このリーフシール25の製造においては、薄板溶接工程と、曲げ工程と、リング取り付け工程とを経て行われる。
【0018】
まず、薄板溶接工程では、図5(a)に示すように、鋼板をT字形に打ち抜いた各薄板29を、隙間を空けるとともに、図6に示すように、突起41の表面の一点(一部分)と隣接配置された薄板29の下面37の一点(一部分)とが当接するように、周方向に、多重かつ斜めに重ね合わせた後、これらの外周基端側を溶接する。すなわち、図4および図5(b)に示すように、各外周基端側の外周端と両側端とにおいて、各薄板29同士を互いに溶接する(符号y1〜y3)。
続く曲げ工程では、互いに溶接された各薄板29と、各リーフシールリテーナ51,52との両方に、次の軸シール機構挿入工程前に大まかな曲げを予め与える。図5(c)に、曲げ工程後の各薄板29を示す。
【0019】
続くリング取り付け工程では、図4に示すように、溶接された各薄板29の外周基端側と高圧側プレート53と低圧側プレート54とスペーサ55とを、各リーフシールリテーナ51,52間に挟み込み、その後、これらリーフシールリテーナ51,52間を固定する。
すなわち、各薄板29の、高圧側領域に対向する一側縁と一方のリーフシールリテーナ51との間に、前記各一側縁に当接する環状の高圧側プレート53を挟み込んで固定する。同様に、各薄板29の、低圧側領域に対向する他側縁と他方のリーフシールリテーナ52との間に、前記各他側縁に当接する環状の低圧側プレート54を挟み込んで固定する。さらに、各薄板29の外周基端側と、各リーフシールリテーナ51,52との間に、これらに対する各薄板29の相対動作を規制するスペーサ55を挟み込んで固定する。
このようにして各部品を挟み込んだ後の各リーフシールリテーナ51,52を、スペーサ55に対して、各溶接箇所y4(図2参照)において溶接固定する。これにより、各リーフシールリテーナ51,52間の固定が行われる。
【0020】
本実施形態によるリーフシール25によれば、薄板29の上面36に設けられた突起41により、リーフシール25の組立完了時およびガス圧作用時において、突起41の表面の一点(一部分)と隣接配置された薄板29の下面37の一点(一部分)とが、常に当接した状態に維持されることとなる。したがって、仮に大きな母機偏心が生じたとしても薄板29のフラッタ現象を確実に防止することができ、薄板29の疲労破壊を防止することができるとともに、リーフシール25の長寿命化を図ることができ、リーフシール25の信頼性を向上させることができる。
【0021】
また、本実施形態によるリーフシール25の構造および製造方法によれば、リーフシール25の設置される場所や径の大小が多少異なっても、従来のように専用治具を個別に用意せずに済むため、リーフシール25の製造コストを削減することが可能となる。また、各リーフシールリテーナ51,52の肉厚を、可撓性を発揮できる程度に薄肉化しているので、これらリーフシールリテーナ51,52の外形寸法を小さくでき、リーフシール25全体のコンパクト化に貢献することも可能となっている。
【0022】
なお、組み上げられた軸シール部材(リーフシール25)を、ステータ24内に組み付ける際は、ステータ24の内周面側に設けられた凹溝71の曲率に沿わせて曲げながら挿入すればよい。これによれば、リーフシール25の曲率を、その設置場所に応じて自由に変えることができるため、従来のような専用治具を個別に用意せずに済む。これにより、リーフシール25の製造コストを削減することが可能となっている。
また、本実施形態のリーフシール製造方法は、前記リング取り付け工程で、各薄板29の一側縁と一方の薄板保持リング51との間に高圧側プレート53を挟み込んで固定する方法を採用した。この方法によれば、高圧側プレート53の取り付けを容易に行うことができるので、さらなる製造コストの削減が可能となる。
さらに、本実施形態のリーフシール製造方法は、前記リング取り付け工程で、各薄板29の他側縁と薄板保持リング52との間に低圧側プレート54を挟み込んで固定する方法を採用した。この方法によれば、低圧側プレート54の取り付けを容易に行うことができるので、さらなる製造コストの削減が可能となる。
【0023】
そして、このようなリーフシール25を備えたガスタービンによれば、高差圧においてもシール機能が維持されるので、ガスの漏れによる駆動力の損失が低減される。
【0024】
本発明によるリーフシールの他の実施形態を、図7および図8を用いて説明する。
本実施形態におけるリーフシール45は、突起41の代わりに、図7に示すように、薄板48の上面46の先端と隣接配置された薄板48の下面47の先端とが、組み立て完了時において当接するように構成されているという点で前述した実施形態のものと異なる。その他の構成要素については前述した実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、前述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
【0025】
組み立て完了時において、薄板48の上面46の先端と隣接配置された薄板48の下面47の先端とが当接する薄板48の枚数、および各薄板48の寸法(すなわち、薄板48の基端部の厚さt)は、図8に示すように、幾何学的に求めることができる。
まず、リーフシール45を適用しようとする箇所の内径および外径が、それぞれR,Rに設定されているとする。
つぎに、薄板48の有効長さLを指定すると、以下の式(1)および式(2)よりαとβが決まる(図8(a)参照)。
式(1) (R=(R+L−2×R×L×cos(α+90°)
式(2) (R=(R+L−2×R×L×cos(90°−β)
【0026】
薄板48のリーフ厚み(エッチング処理後の厚み)tを指定し、以下の式(3)より薄板48の枚数nを算出する(図8(b)参照)。
式(3) n=(2×π×R)/(t/sinα)
【0027】
そして、以下の式(4)より薄板48の基端部の厚み(エッチング処理前の厚み)tを算出する(図8(c)参照)。
式(4) t=((2×π×R)/n)×sinβ
【0028】
最後に、以下の式(5)より薄板48のエッチング減厚量Δtを算出する(図8(d)参照)。
式(5) Δt=t−t
【0029】
本実施形態によるリーフシール45によれば、リーフシール45の組立完了時およびガス圧作用時において、薄板48の上面46の先端と隣接配置された薄板48の下面47の先端とが、常に当接した状態に維持されることとなる。したがって、仮に大きな母機偏心が生じたとしても薄板48のフラッタ現象を確実に防止することができ、薄板48の疲労破壊を防止することができるとともに、リーフシール45の長寿命化を図ることができ、リーフシール45の信頼性を向上させることができる。
また、その他の作用効果は、前述した実施形態のものと同じであるので、ここではその説明を省略する。
【0030】
なお、本発明は上述した実施形態のものに限定されるものではなく、リーフシールの組立完了時およびガス圧作用時において、各薄板のバタツキ(振れあるいは振動)を防止することができるものであれば、いかなる形態のものであってもよい。
したがって、図6を用いて説明した突起41は、薄板28の下面37側に設けるようにすることもできるし、薄板の上面36および下面37の両側に設けるようにすることもできる。
また、上述した実施形態では、平面視円形状を呈する半球状の突起41を一具体例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、平面視円形状を呈する円錐状のものであってもよいし、平面視多角形を呈する多角錐状のものであってもよい。
さらに、上述の本実施形態では、本発明が適用される大型流体機械が、ガスタービンのタービンである場合を例として説明したが、蒸気タービン、圧縮機、水車、冷凍機、ポンプ、航空機用ガスタービンエンジン等、その他の大型流体機械の回転軸等にも適用可能である。
【0031】
薄板の有効長さLおよびリーフ厚み(エッチング処理後の厚み)tはそれぞれ、ガス圧作用時(運転時)に動圧でバランスするように設計されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る軸シール機構を具備した備えたガスタービンの概略構成図である。
【図2】同リーフシールの、ステータに対する組み込み構造を示す図であって、回転軸の軸線を含む断面より見た断面図である。
【図3】同リーフシールに備えられているスペーサを示す斜視図である。
【図4】同リーフシールの製造方法を示す図であって、(a)および(b)は薄板溶接工程後の薄板を示す図であり、また(c)は曲げ工程後の薄板を示す図である。
【図5】同リーフシールの製造方法の続きを示す図であって、リング取り付け工程を説明するための組み立て図である。
【図6】本発明に係る軸シール機構の一実施形態を示す図であって、薄板先端部の断面図である。
【図7】本発明に係る軸シール機構の他の実施形態を示す図であって、薄板先端部の断面図である。
【図8】図7に示す薄板の枚数、および各薄板の寸法の算出方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0033】
23 回転軸(ロータ)
24 ステータ
25 リーフシール(軸シール機構)
29 薄板
29A 薄板群
45 リーフシール(軸シール機構)
48 薄板
53 高圧側プレート(高圧側側板)
54 低圧側プレート(低圧側側板)
100 ガスタービン(流体機械)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータとステータとの間の環状空間に複数枚の薄板を配列させて環状の薄板群を配設し、これら薄板の外周側基端部を前記ステータ側に固定するとともに、これら薄板の内周側先端は前記ロータの周面に対して非固定とすることで、前記環状の薄板群で前記ロータと前記ステータとの間の環状空間を高圧側領域および低圧側領域に分け、前記ロータと前記ステータとの間の環状空間を通って、前記ロータの軸方向に流れる流体を阻止する軸シール機構であって、
前記複数枚の薄板の高圧側領域に配置された高圧側側板と、前記複数枚の薄板の低圧側領域に配置された低圧側側板とを備え、
前記複数枚の薄板が、前記ステータ側に固定された状態およびガス圧作用時において、その一部分が互いに当接するように構成されていることを特徴とする軸シール機構。
【請求項2】
請求項1に記載の軸シール機構を具備してなることを特徴とする流体機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−132432(P2007−132432A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326069(P2005−326069)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】