説明

軸受用潤滑油組成物

【課題】軸受寿命を改善した軸受用潤滑油組成物、特に転がり軸受用潤滑油組成物の提供。
【解決手段】255mgKOH/g以上の過塩基性の、CaスルフォネートおよびMgスルフォネートよりなる群から選ばれた1種以上の金属塩を含んだ潤滑油組成物に、炭素数6〜18の脂肪酸亜鉛を亜鉛量として、潤滑油組成物全重量に対して0.01〜1.0重量%を添加したことを特徴とする軸受用潤滑油組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過塩基性の金属系清浄剤に脂肪酸亜鉛またはナフテン酸亜鉛を配合した軸受用潤滑油組成物、特に転がり軸受用潤滑油組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
1.一般に軸受の転がり疲労によるフレーキングは、転がり接触による繰り返し応力で、非金属介在物、組織不均一、炭化物などの内部起点あるいは材料自体の疲労により接触表面下に亀裂が発生し、剥離にいたる。したがって転がり軸受寿命の向上を図るには製鋼における非金属介在物の低減、熱処理面を含めて組織不均一、炭化物の状態の改善が必要である。また、潤滑油の粘度調整を別にすれば、添加剤としては有機モリブデンなどが転がり軸受寿命を延長させることで知られているが、潤滑油を構成する添加剤や使用条件の違いによっては十分な転がり軸受寿命を期待できないのが現状である。
2.最近の省燃費志向に合わせて、潤滑油の低粘度化が行われているが、低粘度化と潤滑油に含まれる添加剤、特に金属系清浄剤の副作用で転がり軸受寿命が一層短命化してきている。
すなわち、潤滑油の熱安定性、耐久性を図るため、潤滑油に清浄剤を添加して、潤滑油の劣化生成物が機械各部へ付着するのを防いでいるが、これらの清浄剤の中でも過塩基性の金属系清浄剤は軸受寿命を著しく短くすることが認められる。
3.添加剤の影響については、多くの研究がなされているが、評価する試験機は転がり軸受試験機、円筒試験機、ギヤ試験機、エンジン動弁試験機等多岐にわたっており、更に評価に使用する鋼材の組成、表面粗さ、温度、負荷条件、基油組成、滑り速度、添加剤等の影響因子、またそれらの相互作用をも考慮する必要がある。
更に、影響因子の相互作用としては、温度−接触圧と滑り速度、油膜厚さ−表面処理と材料組成及び材料組成−添加剤等が有り、添加剤間の相互作用についても考慮が必要であるし、これらの相互作用に加えて、酸素、水分などの存在の影響も考慮する必要がある。
転がり疲れに対する潤滑添加剤の影響については、例えば非特許文献1が知られている。
【0003】
【非特許文献1】転がり疲れシンポジウム予稿集(1993年9月、125〜130頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、軸受寿命を改善した軸受用潤滑油組成物、特に転がり軸受用潤滑油組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
潤滑油組成物に添加される金属系清浄剤としては、スルフォネート、フェネート、サリシレート、ホスホネート等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属(Ca、Mg、Baなど)の金属塩がある。また、前記金属の水酸化物ないしは炭酸塩を過剰に含有させた過塩基性清浄剤も知られている。金属系清浄剤としてはこれらの一種以上を配合したものが用いられる。これら金属系清浄剤によって、潤滑油の劣化生成物を取り除き清浄性を保つことができる。
本発明者らは、前記金属系清浄剤の内、CaスルフォネートおよびMgスルフォネートよりなる群から選ばれた1種以上の金属塩を主成分として含有する255mgKOH/g以上の過塩基性を示す清浄剤を潤滑油に添加した場合に、過剰に添加させた前記金属の水酸化物あるいは炭酸塩の存在が転がり軸受寿命を著しく短くすると推考し、かつこの問題点を、前記過塩基性清浄剤を含む潤滑油組成物に特定量の脂肪酸亜鉛あるいはナフテン酸亜鉛を存在させることにより解決できることを見いだし本発明に到達した。
【0006】
すなわち、本発明者らは、CaスルフォネートおよびMgスルフォネートよりなる群から選ばれた1種以上の金属塩を主成分として含有する255mgKOH/g以上の過塩基性を示す清浄剤を潤滑油に添加して構成されている潤滑油組成物において、該潤滑油に炭素数が6〜18、好ましくは8〜18の脂肪酸亜鉛を亜鉛量として、潤滑油組成物全重量に対して0.01〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.8重量%、あるいはナフテン酸亜鉛を添加することにより、前記問題を解消することが出来た。
前記脂肪酸亜鉛の脂肪酸の種類としては、例えばオクチル酸、オレイン酸等が挙げられる。
また、前記ナフテン酸亜鉛は、亜鉛量として潤滑油組成物全重量に対して0.01〜0.30重量%、好ましくは0.02〜0.20重量%が添加される。
【0007】
すなわち、本発明で使用する過塩基性清浄剤は、中性Caスルホネート、中性Mgスルフォネートを越える255mgKOH/g以上の塩基価のものであれば良い。
【0008】
次に本発明の潤滑油組成物を構成する基油及び添加剤について具体的に説明する。
前記のような特性を有する潤滑油組成物に使用される基油は、溶剤精製あるいは水素化処理をした鉱油ないし合成油であって、必要とされる耐荷重性能や金属間の摩擦特性に応じて適当な粘度を有するものが選択される。例えば合成油としてポリアルファオレフィン類、ポリブテン類、ジエステル類、ポリエチレンプロピレン類、ポリグライコール類、ヒンダードエステル類などが挙げられるが、添加剤の溶解性等を考慮すると鉱油と混合する場合がある。
【0009】
本発明の潤滑油組成物を構成する基油の添加剤としては、前記の過塩基性のCaスルフォネートおよびMgスルフォネートよりなる群から選ばれた金属塩、前記の脂肪酸亜鉛あるいはナフテン酸亜鉛の他に、例えば以下に記載するような添加剤を使用することができる。
前記の基油に増粘及び粘度指数向上効果を目的としてのポリメタクリレート(PMA)、オレフィンコポリマー(OCP)、スチレン・ジエン共重合体水素化合物(SDC)等が使用される。最も多く使用されているのはポリメタクレートとオレフィンコポリマーであり、重量平均分子量が2万〜40万程度のものが一般的に用いられる。
また、流動点降下作用を目的としてポリアルキルメタクリレート、アルキル化芳香族化合物、フマレート−酢ビ共重合体、エチレン−酢ビ共重合体等が使用されるが、最も多く使用されているのはポリメタクリレートである。重量平均分子量は数万程度である。
【0010】
前記の基油の極圧性を向上させるために硫黄系添加剤としては硫化オレフィン、硫化エステル、ポリサルファイド等がある。硫黄の配合量としては0.1から2.5重量部で使用されるが、使用状況によって添加量を増減することにより極圧性を調整しても良い。
【0011】
前記の基油に耐摩耗性、酸化防止性および摩擦係数を上げることによりトルク容量を向上させるために、ジアルキルジチオりん酸金属塩が配合される。該ジアルキルジチオりん酸金属塩としては、例えば下式(I)の構造式で表せるものである。
【化1】

(前式中、R、R、RおよびRは、炭素数が3〜10のアルキル基、Mは金属元素である。)
前式(I)で表わされるジアルキルジチオりん酸金属塩は、前式(I)の炭化水素基(R)や金属の種類を変えることでその効果に若干の差があるが、前記MとしてZn、Mo等が挙げられる。
前記ジアルキルジチオりん酸亜鉛は、前記亜鉛の配合量が0.05重量部未満では摩擦特性、耐摩耗性、酸化安定性等の向上が期待できず、前記亜鉛の配合量としては0.05から0.3重量部の範囲が良い。
【0012】
劣化生成物やすすを油中に分散させる無灰系分散剤としてはこはく酸イミド系、フェノール系、エステル系、ポリイソブチレンアミン系/ポリエーテルアミン系に大別され、こはく酸イミド系が主に使用されている。
前記こはく酸イミド系分散剤は、本来の機能である劣化生成物やすすを油中に分散させる作用のほかに、摩擦特性の改善に寄与し、摩擦特性の耐久性等を向上させている。また、該こはく酸イミド系分散剤は、窒素の配合量として0.01〜0.2重量部で使用されているが、配合量を調整することにより潤滑油組成物に適当な摩擦係数を付与させることができる。
【0013】
前記の基油の耐摩耗性、耐焼き付き性を向上させ、更に金属間摩擦特性にも適当な特性を与えるために、りん酸エステル化合物が配合される。
該りん酸エステル化合物として
(1)亜りん酸エステル、亜りん酸トリエステル、ホスホン酸エステル、正りん酸エステル、ピロリン酸エステル、酸性りん酸エステルまたはそのアミン塩等のアルキルまたはアリールりん酸エステル化合物、
(2)炭素数3から18のアルキル基を有するアルキルチオフォスフェート、酸性チオりん酸エステルのりん酸エステル化合物、或いはこれらのアルキルアミン完全中和塩、または部分中和塩等のアルキルチオりん酸エステル類、
(3)炭素数1から18のアルキル基を有するアルキルジチオフォスフェート、酸性ジチオりん酸エステルのりん酸エステル化合物またはチオりん酸エステル化合物、或いはこれらのアルキルアミン完全中和塩または部分中和塩などのアルキルジチオりん酸エステル類、
(4)炭素数1から18のアルキル基2個を有する酸性ジチオりん酸エステルのりん酸エステル化合物またはチオりん酸エステル化合物、或いはこれらのアルキルアミン完全中和塩または部分中和塩などのジアルキルジチオりん酸エステル類などを挙げることができる。
これら化合物は単独または複数組み合わせて使用してよい。添加量としては上記化合物一種または組み合わせて、りん量として0.03から0.2重量部の範囲で使用される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、過塩基性の金属系清浄剤(Caスルフォネート、Mgスルフォネート)を含む潤滑油の転がり軸受寿命を2倍以上延長させることができた。
【実施例】
【0015】
以下に実施例、参考例および比較例を挙げて本発明を説明するが、これら下記実施例は本発明の実施例の一例であり、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例では、合成基油としてポリアルファオレフィンを使用した。
【0016】
比較例1〜8
比較例1は鉱油と合成基油89.0重量%の基油に粘度指数向上剤としてポリメタクリレート5.0重量%、こはく酸イミド系の無灰分散剤を1.3重量%、アミン系酸化防止剤を0.5重量%、極圧剤として硫化エステル1.2重量%、りん系摩耗防止剤として炭素数12個を有するアルキル基からなる亜りん酸エステルを0.5重量%、流動点降下剤ポリメタクリレートを0.5重量%、更に一級ジチオりん酸亜鉛を1.0重量%、過塩基性の金属系清浄剤Caスルフォネートを1.0重量%添加したものである。
比較例2は、比較例1の過塩基性の金属系清浄剤Caスルフォネートを0.5重量%にしたものである。
比較例3は、比較例1の過塩基性の金属系清浄剤Caスルフォネートを除いたものである。
比較例4は、比較例1の過塩基性の金属系清浄剤CaスルフォネートをCaフェネートの種類に変えたものである。
比較例5は、比較例4のCaフェネートを0.5重量%にしたものである。
比較例6は、比較例1のCaスルフォネートをCaサリシレートの種類に変えたものである。
比較例7は、比較例1のCaスルフォネートをMgスルフォネートの種類に変えたものである。
比較例8は、比較例7のMgスルフォネートを0.5重量%にしたものである。
【0017】
実施例1〜21、参考例1〜8
実施例1は、比較例1に軸受寿命向上剤としてオクチル酸亜鉛0.3重量%を添加したものである。
実施例2は、比較例1に軸受寿命向上剤としてオクチル酸亜鉛0.5重量%を添加したものである。
実施例3は、比較例1に軸受寿命向上剤としてオクチル酸亜鉛1.0重量%を添加したものである。
実施例4は、比較例1に軸受寿命向上剤としてオクチル酸亜鉛3.0重量%を添加したものである。
実施例5は、比較例2に軸受寿命向上剤としてオクチル酸亜鉛0.3重量%を添加したものである。
実施例6は、比較例2に軸受寿命向上剤としてオクチル酸亜鉛3.0重量%を添加したものである。
【0018】
参考例1は、比較例4に軸受寿命向上剤としてオクチル酸亜鉛0.3重量%を添加したものである。
参考例2は、比較例4に軸受寿命向上剤としてオクチル酸亜鉛3.0重量%を添加したものである。
参考例3は、比較例5に軸受寿命向上剤としてオクチル酸亜鉛0.3重量%を添加したものである。
参考例4は、比較例5に軸受寿命向上剤としてオクチル酸亜鉛3.0重量%を添加したものである。
実施例7は、比較例7に軸受寿命向上剤としてオクチル酸亜鉛0.3重量%を添加したものである。
実施例8は、比較例7に軸受寿命向上剤としてオクチル酸亜鉛3.0重量%を添加したものである。
実施例9は、比較例8に軸受寿命向上剤としてオクチル酸亜鉛0.3重量%を添加したものである。
実施例10は、比較例8に軸受寿命向上剤としてオクチル酸亜鉛3.0重量%を添加したものである。
【0019】
実施例11は、比較例1に軸受寿命向上剤としてオレイン酸亜鉛0.3重量%を添加したものである。
実施例12は、比較例1に軸受寿命向上剤としてオレイン酸亜鉛3.0重量%を添加したものである。
実施例13は、比較例2に軸受寿命向上剤としてオレイン酸亜鉛0.3重量%を添加したものである。
実施例14は、比較例2に軸受寿命向上剤としてオレイン酸亜鉛3.0重量%を添加したものである。
参考例5は、比較例4に軸受寿命向上剤としてオレイン酸亜鉛0.3重量%を添加したものである。
参考例6は、比較例4に軸受寿命向上剤としてオレイン酸亜鉛3.0重量%を添加したものである。
参考例7は、比較例5に軸受寿命向上剤としてオレイン酸亜鉛0.3重量%を添加したものである。
参考例8は、比較例5に軸受寿命向上剤としてオレイン酸亜鉛3.0重量%を添加したものである。
実施例15は、比較例7に軸受寿命向上剤としてオレイン酸亜鉛0.3重量%を添加したものである。
実施例16は、比較例7に軸受寿命向上剤としてオレイン酸亜鉛3.0重量%を添加したものである。
実施例17は、比較例8に軸受寿命向上剤としてオレイン酸亜鉛0.3重量%を添加したものである。
実施例18は、比較例8に軸受寿命向上剤としてオレイン酸亜鉛3.0重量%を添加したものである。
【0020】
実施例19は、比較例1に軸受寿命向上剤としてナフテン酸亜鉛0.3重量%を添加したものである。
実施例20は、比較例1に軸受寿命向上剤としてナフテン酸亜鉛0.5重量%を添加したものである。
実施例21は、比較例1に軸受寿命向上剤としてナフテン酸亜鉛3.0重量%を添加したものである。
【0021】
以上の実施例、参考例及び比較例の潤滑油組成物について昭和シェル石油式玉転がり軸受寿命試験機を用いて下記の仕様及び試験条件で実施油、参考油及び比較油の軸受損傷時間を測定した。損傷時間結果については、表2、4、6、8、10、12、14、16、18及び20に示した。
【0022】
1.仕様
(1)試験機本体
(a)試験軸受 JISB1521 単列深溝玉軸受6206
(b)軸受数 4個/1主軸
(c)本体ケース 鋳鉄
(d)軸受ハウジング 特殊鋼SUJ2製 焼入れ研磨仕上げ
中央ハウジング……1個/1輪 内径φ62
サイド・ハウジング……2個/1輪 内径φ62
(2)負荷方式
特殊板バネ弾性変位式
吊り輪による4軸受け均等荷重負荷
ラジアル負荷 最大1000kgf/1軸受
(3)主軸 特殊鋼SCM415製 浸炭焼入れ 内径φ30
【0023】
2.試験条件
(1)油量 1.6リットル(軸芯)
(2)油温特にコントロールせず、なりゆき
(3)主軸回転数 3000rpm
(4)負荷荷重 1000kgf/1軸受
【0024】
評価結果
1.比較例1、2、3、4、5、6、7及び8の評価結果より、潤滑油組成物の転がり軸受寿命を短くする要因は、該潤滑油組成物に配合された金属系清浄剤のCaスルフォネートおよびMgスルフォネートであることが分かった。一方、比較例6に示すように過塩基性の金属系清浄剤のなかでもCaサリシレートタイプは潤滑油組成物の転がり軸受寿命を阻害しなかった。比較例3に示すように金属系清浄剤が配合されていない潤滑油組成物は転がり軸受寿命を阻害しない。
【0025】
2.実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9および10に示すように過塩基性の金属系清浄剤Caスルフォネート、Mgスルフォネートを0.5から1.0重量%を含んだ油に対し、オクチル酸亜鉛を0.3から3.0重量%を添加すると2倍以上の転がり軸受寿命の延長が得られた。一方、脂肪酸の種類をオクチル酸に変えてオレイン酸亜鉛を添加した実施例11、12、13、14および参考例5、6、7、8、実施例15、16、17及び18についても、過塩基性の金属系清浄剤Caスルフォネート、Mgスルフォネートを0.5から1.0重量%を含んだ油に対し、オレイン酸亜鉛を0.3から3.0重量%を添加するとオクチル酸亜鉛と同様の転がり軸受寿命が得られた。
3.脂肪酸亜鉛に変えてナフテン酸亜鉛を添加した実施例19、20及び21についても、過塩基性の金属系清浄剤Caスルフォネート1.0重量%を含んだ油に対し、ナフテン酸亜鉛を0.3〜3.0重量%を添加すると3倍以上の転がり軸受寿命の延長が得られた。
【0026】
【表1】

TBN:Total base nomber=全塩基価、中和価ともいう
【0027】
【表2】

【0028】
【表3】

【0029】
【表4】

【0030】
【表5】

【0031】
【表6】

【0032】
【表7】

【0033】
【表8】

【0034】
【表9】

【0035】
【表10】

【0036】
【表11】

【0037】
【表12】

【0038】
【表13】

【0039】
【表14】

【0040】
【表15】

【0041】
【表16】

【0042】
【表17】

【0043】
【表18】

【0044】
【表19】

【0045】
【表20】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
255mgKOH/g以上の過塩基性の、CaスルフォネートおよびMgスルフォネートよりなる群から選ばれた1種以上の金属塩を含んだ潤滑油組成物に、炭素数6〜18の脂肪酸亜鉛を亜鉛量として、潤滑油組成物全重量に対して0.01〜1.0重量%を添加したことを特徴とする軸受用潤滑油組成物。
【請求項2】
255mgKOH/g以上の過塩基性の、CaスルフォネートおよびMgスルフォネートよりなる群から選ばれた1種以上の金属塩を含んだ潤滑油組成物に、ナフテン酸亜鉛を亜鉛量として、潤滑油組成物全重量に対して0.01〜0.30重量%添加したことを特徴とする軸受用潤滑油組成物。
【請求項3】
軸受用潤滑油組成物が、転がり軸受用潤滑油組成物である請求項1または2記載の潤滑油組成物。

【公開番号】特開2008−38157(P2008−38157A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−251397(P2007−251397)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【分割の表示】特願平9−96682の分割
【原出願日】平成9年3月31日(1997.3.31)
【出願人】(000186913)昭和シェル石油株式会社 (322)
【Fターム(参考)】