説明

輸送の手段の音波吸収内側のクラッディングのためのサンドイッチ部材、特に、航空機の音波吸収内側のクラッディングのためのサンドイッチ部材

本発明は、輸送の手段の吸音内側のクラッディングのためのサンドイッチ部材(1)に関し、特に、航空機の吸音内側のクラッディングのために、三次元的に構成され、互いにほぼ平行して少し離れて続く2枚のカバー層(2、3)の間に配置されるコア構造体(4、15)を含む。本発明によって、音響伝送のための複数の通路(6)は、コア構造体(4、15)および/または少なくとも1つのカバー層(2、3)に取り込まれ、少なくとも1つの吸音層(5)は、少なくとも部分の少なくとも1つのカバー層(2、3)に配置される。カバー層(2、3)およびコア構造体(4,15)に複数の通路(6)が存在する結果として、本発明のサンドイッチ部材(1)は、良好な音波吸収特性および断熱性を有する。通路(6)の存在は、サンドイッチ部材(1)を通しての音波透過を許容する。サンドイッチ部材(1)に望ましく傾いて組み込まれ、互いに隣接して配置した複数の流路(8、16)がコア構造体(4、15)に形成された結果、コア構造体(4、15)に、例えば洗浄液を導入した結果として侵入した異物または結露を再び洗浄することができる。適用する領域に応じて、十分な音波吸収効果は、吸音層(5)がないサンドイッチ層(1)によって達成される。通路(6)の結果としてのコア構造体(4、15)の通風は、加えて、腐食および/または腐敗作用が起こる可能性のある結露が長期的に存在するのを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送手段の音波吸収内側クラッディングを提供するためのサンドイッチ部材に関し、特に、ほぼ平行して互いに少し離れて続く2枚のカバー層の間に配置される三次元的に造られたコア構造体を含む、航空機の吸音内側クラッディングに関する。
【背景技術】
【0002】
繊維強化プラスチック材料のサンドイッチパネルは、航空機胴体セルの内部クラッディングのために、節減重量のため、および高強度要件のために、一般に使用される。
通常、使用されるサンドイッチパネルは、上記サンドイッチパネルを形成するために両側上のカバー層によって提供されるハニカム状を成形されたコア構造体を有する。
両側上のカバー層によっておおわれたハニカム状に成形された構造の結果として、サンドイッチパネルは、それ自身内側に閉じていて、小容積であるが故に排水ができない、複数の反復されたユニットを有する。
【0003】
加えて、サンドイッチパネルにおいて、例えば、波形、台形、または三角形の断面形状を有するコア構造体が知られている。
このタイプのコア構造体は、ほぼ互いに平行して続く複数の流路を含み、それらはコア構造体材料を折り畳んで形成される。
この種のコア構造体を有するサンドイッチパネルは、例えば、船建造および自動車構造において広く使われている。
このタイプのコア構造体は、同様に、例えば、段ボールの形で上記包装産業において使用される。
上記コア構造体に共通の特徴は、ハニカムコアを有するコア構造体に関して、平らな表面を形成する側面の、ほぼ連続した可排水流路を有する。
加えて、連続した可排水流路を有するコア構造体は、流路の側面が連続した平らな表面を形成しないことは公知である。
このコア構造体の流路の側面は、180度未満の角度で互いに隣接する複数の部分面によって形成され、上から見た場合に、ジグザグ成形された流路、またはジグザグ成形された頂部線と底線を有する。
例えば、ダンボールのコアなどのように、単一の空間的な方向に、折り畳まれるかまたは構築されるコア構造体とは対照的に、例えば、これらのコア構造体は、2つの空間的な方向に折り畳まれる。
さらに、上から見た場合に、ほぼ台形の流路、または、台形の頂部線および底線を形成するタイプのコア構造体が知られている。
【0004】
サンドイッチパネルのカバー層は、いわゆる「プリプレグ」によって形成される。
プリプレグは、樹脂を含浸させたガラス繊維または樹脂を含浸させた炭素繊維を使用して生産される表面構造である。
あるいは、炭素繊維またはガラス繊維からなる布マット(fabric mat)は、プリプレグを形成するために合成樹脂を含浸されてもよい。
【0005】
コア構造体は、例えば、折り曲げ加工、波形の形成などによって、例えば、ノメックス(登録商標)紙、アルミニウムフィルム、または、アルミニウム合金からなるフィルムを使用して製造される。
カバー層は、炭素繊維を有するプリプレグ、または、ガラス繊維を有するプリプレグで形成することができる。
あるいは、上記カバー層および上記コア構造体は、金属材材料、例えば、アルミニウム・シート、アルミニウム合金のシート、スチール・シートまたはチタン・シートを用いて製造できる。
カバー層およびコア構造体は、プラスチック材料を有する金属材材料の組合せから、二者択一的に構成してもよい。
【0006】
サンドイッチパネルを形成するための、カバー層のコア構造体への接着は、例えば、糊付けまたは溶接などの接着方法によって行われてもよい。
特に、接着は、超音波、レーザまたはスポット溶接などによるのと同様に、オートクレーブ成形における、加熱接着法または冷却接着法によって用いられる材料に依存して行われてもよい。
【0007】
しかしながら、航空機構造の防音のために必要とされるより高い要件に適切に対処するために、高い強度の値に加えて、航空機の内側クラッディングのために使用されるサンドイッチパネルは、同様に良好な音波吸振性を有しなければならない。
【0008】
航空機内部の内側のクラッディングのためのサンドイッチパネルの既に公知の実施形態において、相当の空気交換は、外部環境とサンドイッチパネルの内側領域と間で可能ではない場合がある。
しかしながら、空気交換の可能性は、この種のサンドイッチパネルのための良好な音響伝送効果の不可欠な必要条件である場合があり、次いで、さらなる吸音層に関連して、良好な音波減衰効果のための前提条件である場合がある。
しかしながら、サンドイッチパネルの外部環境と内側領域との間に空気交換を提供すると、取り込まれる異物がある危険性と、水分の侵入とが関与する場合がある。
公知のサンドイッチパネルの中の異物および水分が存在することで、飛行の間、腐敗および/または腐食し易くなる場合があり、例えば、より大きい外圧および温度変動が起った結果として、凝結および凍結している水分に周期的に圧力を加えることがある。
加えて、コア構造体の内部に長時間異物を取り込んでいる状態は、とりわけ重量上の理由で望ましくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、サンドイッチ部材を航空機の吸音内側クラッディングに提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1に、コア構造体および/または少なくとも1つのカバー層において吸音層まで取り込まれる通路による音響伝送の可能性の結果として、十分に良好な音波吸収特性を有し、同時に、外部から侵入している異物を長時間取り込んでいること、および/または、コア構造体の領域に内側に侵入した長時間の水分の保持が主に回避される。
【0011】
本発明の例示的実施形態によれば、請求項1の特徴を有するサンドイッチ部材が提供される。
【0012】
音響伝送のための複数の通路からコア構造体および/または少なくとも1つのカバー層に取り込まれる、少なくとも一部において、吸音層が少なくとも1つのカバー層の領域の一部分に配置され、外部環境とサンドイッチ部材との間に空気交換と音響伝送が起こる場合があるので、積層状層の優れた音波吸収作用が吸音層と連動して達成される場合がある。
同時に、サンドイッチ部材の内側の領域は、通路の結果として換気されるので、予想外に外部から侵入した水分が腐敗作用する前に、または、腐食作用がサンドイッチ部材の内側の領域に起こる前に、再び比較的急速に蒸発することができる。
【0013】
また、吸音層はサンドイッチ部材の断熱属性を改良することができる。
【0014】
本発明のさらなる例示的な実施形態によると、カバー層間のコア構造体は、流体物の排水および異物の排出のために、互いに隣接して配置された複数の貫通する流路を備える。
他方、それらの流路内において、通路を介して、外部から入り込む音波は、サンドイッチ部材の内部領域を効率的に通過して、次いで、吸音層に吸収される。
他方、それらの流路によって、外部から供給される洗浄剤(例えば水)によって異物をサンドイッチ部材の内部領域から能動的な(active)洗浄、または、結露の水が流れ出すことによる受動的な(passive)自浄を可能にする。
【0015】
内部クラッディングを形成するために、サンドイッチ部材は、通路を介して、または流路によって流入する洗浄剤が、能動的な洗浄の最中に重力の作用を介して、コア構造体内に堆積した異物を洗い流すことができるように、十分に勾配を有して組み込まれることが好ましい。
このことと並行して、独立した、すなわちサンドイッチ部材の受動的洗浄が、必要に応じて、排水路の役割をする流路を介して行われることが可能である。
自浄処理の間、結露の水は、流路を介して流出し、少なくとも一部の、特により少なく、より軽い異物を、それが外部領域へと流れ出るのと一緒に流出させる。
【0016】
このように、コア構造体内、および/またはコア構造体の流路を介して繋がるカバー層内における通路により、本発明に係るサンドイッチ部材のより良い吸音効果を達成することができ、且つ適切な洗浄剤により、不必要に残っている埃の小片を取り除くことができる可能性を提供することができる。
さらに、通路が存在することで、不必要に入り込んでいる湿気は、コア構造体内部に形成された流路によって、組み込まれたサンドイッチ部材の勾配の結果、蒸発させ、および/または流出させることができる。
【0017】
本発明のさらなる例示的実施形態によると、複数の流路は複数の側面を含み、その複数の側面は各々、連続した、略平面および/または湾曲した表面を形成する。
これにより、コア構造体の製造は単純になり経費を抑えることができる。
さらに、入り込んだ異物を放出することは、流路の直線状の形状の結果、より容易となる。
【0018】
本発明に係るサンドイッチ部材のさらなる例示的実施形態によれば、複数の流路は、複数の略平面および/または湾曲した部分面を用いて形成される複数の側面を有し、その部分面は、180度未満の角度にて互いに隣接する。
【0019】
このタイプのコア構造を用いることによって、単に直線状の流路を有するコア構造体を用いて形成されたサンドイッチ部材と比較して、より強い機械的強度を有するサンドイッチ部材を製造することが可能となる。
しかしながら、このタイプのコア構造体は、製造過程においてより複雑となり、それにより高価となる恐れがあり、異物による不純物の洗浄がより困難となる恐れがある。
【0020】
本発明に係るサンドイッチ部材のさらなる例示的な実施形態によると、本コア構造体は、反復する、三角形、台形、または波形の断面形状を有する。
この構成により、容易に製造がなされると同時に、より好ましい機械的属性を有するサンドイッチ部材を可能にする。
既に公知であるが、プレハブの半仕上げの製品にも部分的に使用してもよい。
【0021】
本発明のさらなる例示的実施形態によると、少なくとも1つのカバー層内、および/またはコア構造内の通路は、互いに距離を置いてほぼ均一に、とくに、貫通した形で配置される。
これにより、他方では、その通路は、例えば、掘削方法、打ち抜き方法などにより、カバー層および/またはコア構造体内に容易に作製することができる。
他方、好ましくは、カバー層およびコア構造体の全域に亘って組み込まれた貫通した形状の通路の構成により、極めて効率的な吸音を達成することが可能である。
【0022】
配置のさらに有利な実施形態はさらなる特許請求の範囲において存在する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は本発明に係るサンドイッチ部材の等角図を示す。
サンドイッチ部材1は、とりわけ、コア構造体4の両側に取り付けられた2つのカバー層2および3を備える。
コア構造体4から離れた方向のカバー層3の片側に、吸音層5が取り付けられ、サンドイッチ部材1の所望の高い吸音効果を達成する。
さらに、吸音層5はまた、本発明にかかるサンドイッチ部材1の断熱性能を改善する。
【0024】
図2は、本発明に係るサンドイッチ部材の組立分解等角図を示す。
【0025】
サンドイッチ部材1は、とりわけ、コア構造体4の両側に取り付けられたカバー層2および3を有するコア構造体4を備える。
吸音層5はカバー層3の下側に取り付けられる。
複数の通路6はカバー層2および3の両方に、ならびに、コア構造体4内に組み込まれている。
【0026】
図面をより良く理解するために、図2においては、カバー層2、カバー層3、およびコア構造体4の領域内に3つの代表的な通路6のみが参照符号とともに提供されている。
詳細に示さない残りの通路も同様に構成されている。
【0027】
一例として、通路6は貫通穴の形で構成されており、カバー層2および3、ならびにコア構造体4に組み込まれ、好ましくは、互いに均一に配置されている。
図に示す例示的な実施形態において、通路は、全領域を貫通する形で、マトリクス状に、カバー層2および3、ならびにコア構造体4に組み込まれている。
特に、サンドイッチ部材1の効果的な吸音効果のために、通路6はカバー層2および3、ならびにコア構造体4の材料厚さ全体を貫通する。
図2とは異なり、通路6は、円筒形状とは異なる構成を有してもよい。
通路6により、カバー層2および3、ならびにコア構造体4を介してサンドイッチ部材1に作用する音波7の効率的な伝送を可能にし、音波7のエネルギは、吸音層5において、その殆どが、散逸により熱へと変換される。
【0028】
さらに、コア構造体4は複数の隣接する流路8を有する。
明瞭性のために、図2においては、コア構造体の残りの流路を代表して3つの流路のみを参照符号を付して提供する。
流路8は、個々に、2つの側面9(その2つが残りの側面を代表する)によって形成されており、その2つの側面9は図2において参照符号を付して提供されている。
参照符号を付していない側面は、参照符号と共に提供された2つの側面と同様に構成されている。
【0029】
コア構造体4において、側面9は連続的な表面を形成していない。
そうではなく、側面9は、複数の部分面10によって形成され、それらは各々、180度未満の角度で互いに隣接し、略ジグザグの流路8を形成する。
部分面10は各々、それ自体として考慮した場合、略平面および/または湾曲した表面を形成する。
この場合、流路8または側面9は各々、略ジグザグの頂部線11または底線12を有する。
頂部線11または底線12のうち、3つのみが、残りを代表して、参照符号を提供されている。
【0030】
図に示す例示的な実施形態において、流路8は略三角形の断面形状を有し、サンドイッチ部材1の全長に亘って連続して繰り返される。
ジグザグの流路8によって、強い機械的強度を有するコア構造体4を形成することができる。
これとは対照的に、1つの空間的方向、例えば、波形の厚紙のコア、台形のコア構造体、単折りコアなどの構成または折込みを単に有するコア構造体は弱い機械的強度しか有さない。
【0031】
本発明に係るサンドイッチ部材1は、最終的な組込み位置において、流路8が、重力の作用の方向を示す矢印13と略並行になるように、航空機において内部クラッディングを形成するために組み込まれてよい。
この組込み位置は、通路6を介してコア構造体4に入り込んでしまう所望されない異物を、例えば、洗浄剤などを用いた能動的な(active)洗浄によって、または、結露の残留水を用いた受動的な(passive)洗浄によって、再度、コア構造体から取り除くことができるように、選択されることが好ましい。
少なくとも、流路8が、水平方向に対して十分な勾配、または十分な傾斜を有して、コア構造体4に入り込んでしまった異物をコア構造体4から十分に洗浄(自浄)できるように考慮されるべきである。
適切な洗浄目的のための水は適宜、追加され、洗浄剤として利用してもよい。
【0032】
吸音層5はカバー層3の下で、全領域に配置され、または取り付けられている。
吸音層5は、第1にサンドイッチ部材1の所望の吸音効果を達成し、それと同時に、断熱層としても用いられる。
取り付けられた領域に依存して、また、可能な十分な吸音効果は、さらなる吸音層5なしで、本発明に係るサンドイッチ部材1を用いて達成してもよい。
あるいは、単にカバー層3の部分に吸音層5を取り付けるだけでも可能である。
吸音層5はさらに、サンドイッチ部材1のカバー層3から距離を置いて配置されてもよい。
この場合、中間の空隙がカバー層3と吸音層5との間に存在する。
【0033】
吸音層5は、例えば、グラスウールまたはミネラルウールを用いて形成してもよい。
あるいは、吸音層5は、細い金属繊維、炭素繊維、合成樹皮繊維などの紡績糸を用いて、および通気孔のある発泡プラスチックを用いて形成してもよい。
【0034】
コア構造体4は、例えば、エポキシ樹脂を含浸させたノメックス(登録商標)紙などのプラスチック材料を用いて形成してもよい。
あるいは、コア構造体4は、例えば、アルミニウムなどを用いた合金、アルミニウム合金、スチール、またはチタニウムを用いて形成してもよい。
コア構造体4は、例えば、多重折込み、あるいは、別種の表面プラスチック材料または金属表面材料の構成によって作製してもよい。
【0035】
コア構造体4は図に示す三角形の断面形状とは異なる形状の構成を有してもよい。
例えば、コア構造体4の、長方形、台形、または波形の断面形状が可能である。
コア構造体4の長方形、台形、または波形の断面形状においては、側面9は、例えば、複数の傾斜角度または湾曲の半径が水平方向に対して可能である。
【0036】
同様に、カバー層2および3は、例えば、エポキシ樹脂からなる炭素繊維強化プリプレグ(prepreg)を用いた複合材料、または金属材料を用いて形成してもよい。
特に、アルミニウム、アルミニウム合金、スチール、またはチタニウムは金属材料として考慮してよい。
さらに、カバー層2および3は、発泡プラスチック材料、または、好ましくは、通気孔として構成される金属発泡体を用いて形成してもよい。
さらに、両カバー層2および3、ならびにコア構造体4は、特に、前述のタイプに係る、複合材料および/または金属材料の任意の組合せを用いて形成してもよい。
【0037】
重量を考慮すると、カバー層2および3、ならびにコア構造体4の材料の厚さは、比較的薄い。
カバー層2および3の材料の厚さは、10mm未満でよく、コア構造体4の高さは50mm未満でよい。
吸音層5は100mm未満の材料の厚さでよい。
カバー層2および3、ならびにコア構造体4内の通路6は、公知の方法で形成してよく、例えば、掘削方法、スタンピング方法、レーザドリル方法などによって形成してもよい。
カバー層2および3、ならびにコア構造体4内の通路6は、作製するのに容易であり、20mm未満の直径を有する円筒形状を有してもよい。
さらに、代替的な実施形態において、円筒形状とは異なる通路6の断面形状もまた可能であってよい。
【0038】
カバー層2および3の、コア構造体4および必要に応じて提供される吸音層5への機械的接着は、各々の場合において、接着される材料の種類に依存して、例えば、加熱接着法(hot adhesion)、冷却接着法(cold adhesion)、または通常の溶接法などの公知の接着方法を用いて接着される。
あるいは、上述の接着は、リベット打ち、接着テープなどで接着してもよい。
【0039】
図3は、コア構造体の第1の例示的な実施形態の平面図を示す。
【0040】
コア構造体4は、上から見た場合、ジグザグ構造を有する複数の隣接する流路8を形成する。
より良い理解のために、3つの代表する流路8のみが参照符号を有する。
残りの流路もそれらと同様に構成される。
図をより良く理解するために、コア構造体4の通路は図に示さない。
【0041】
追加として導入される結露の水または洗浄剤は、重力の作用の方向を示す矢印13の方向の流路8から流出してもよく、同時に、コア構造体4に入り込んだ任意の異物は流路8から洗浄されてよい。
また、流路8は複数の側面9を有し、側面のうちの2つのみが残りの代表として参照符号を付されている。
流路8の各々は、個々に、およそジグザグ状の形を有し、互いにほぼ均一に距離を置いて配置してある。
側面9は、側面9を形成するために、180度未満の角度を有する角度14にて、それぞれが互いに隣接している複数の部分面10によって形成される。
図3において、角度14は、例えば、約90度の角度を有する。
角度14の異なる角度もまた、コア構造体の代替的な実施形態を形成するのに可能である。
原則として、角度14のより小さい値(角度)は、追加として導入されている結露の水および/または洗浄剤の流れを、矢印13の方向の流路8から流れさせるのを容易にするが、達成される機械的強度は減少する。
【0042】
図には示さないが、他の例示的実施形態においては、コア構造体4の頂部線11および底線12は各々、略台形で、反復する形状を有する。
コア構造体4の頂部線11および底線12の他の形状もまた同様に可能である。
【0043】
さらに、流路8の頂部線11および底線12は、例えば、図3に示すジグザグ形状の他に、波形、湾曲、またはウォッシュボード状などの、任意の実現可能な形状を有してもよく、それにより、図に示すコア構造体4の断面形状を形成する可能性に関連して、流路8を介した3次元コア構造体4のほぼ無制限の多様な設計を取得する。
この関連において、例えば、列をなして配置された複数の半円に対応する頂部線11または底線12の形状を有することもまた実現可能である。
【0044】
波形の断面形状、ならびに頂部線11および底線12を有するコア構造体4において、流路8は、例えば、コア構造体4を形成するために用いられる材料を部分的に圧迫するか、または引き伸ばすことによって形成してもよい。
この手順は、特に、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いる金属材料に対して可能である。
【0045】
図4は、直線状の流路を有するコア構造体の第2の例示的な実施形態の平面図を示す。
【0046】
コア構造体15は、互いに隣接して配置された、複数の略直線状の流路16によって形成され、流路16の各々は、およそ長方形の断面形状を有する。
図をより良く理解するために、コア構造体15内の通路は詳細には示さない。
コア構造体15のこの実施形態において、側面17の各々は、略平らな表面を形成する。
流路各々は、頂部線18および底線19を有する。
【0047】
流路16を略直線状に形成した結果、コア構造体15のこの実施形態において、結露の水は、矢印13の方向の流路16から容易に流出することができ、同時に、組み込まれた任意の異物を流れ出させることができる。
同様に、コア構造体15に追加として組み込まれている洗浄剤、例えば、さらなる適切な洗浄などに用いられる水などにも当てはまる。
図3に係るコア構造体4と比較して、より劣った機械的強度しか達成することができないが、製造にかかる費用は削減される。
【0048】
優れた吸音属性の結果として、本発明に係るサンドイッチ部材は、航空機の内部クラッディングの形成に適している。
この場合、個々に異なる形状による構成を用いた、ほぼ無制限で多様な範囲のコア構造体を用いることができ、その構成は、3次元で、且つ排水可能である、コア構造に共通する貫通した通路を備える。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係るサンドイッチ部材の等角図を示す。
【図2】サンドイッチ部材の組立分解等角図を示す。
【図3】コア構造体の第1の例示的実施形態の平面図を示す。
【図4】コア構造体の第2の例示的実施形態の平面図を示す。
【符号の説明】
【0050】
1 サンドイッチ部材
2 カバー層
3 カバー層
4 コア構造体
5 音波吸収層
6 通路
7 音波
8 流路
9 側面
10 部分面
11 頂部線
12 底部線
13 矢印
14 角度
15 コア構造体
16 流路
17 側面
18 頂部線
19 底線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送の手段の吸音内側クラッディングを提供するためのサンドイッチ部材(1)であって、
特に航空機の吸音内側クラッディングのための前記サンドイッチ部材は、
2枚のカバー層(2、3)の間に配置され、互いにほぼ平行して少し離れて続く三次元的に造られたコア構造体(4、15)を有し、
音響伝送のための複数の通路(6)は、貫通した形状で配置され、それぞれのコア構造体(4,15)において、両方のカバー層(2、3)に取り込まれ、
コア構造体(4、15)は、互いに隣接し、カバー層(2、3)と平行して配置される複数の流路(8、16)を含み、
前記流路(8、16)は、流体を排水するとともに異物を洗浄するように構成され、
少なくとも1つの吸音層(5)は、カバー層(2、3)の領域の少なくとも一部に配置される、ことを特徴とするサンドイッチ部材(1)。
【請求項2】
前記流路(16)は、側面(17)を有し、
前記側面(17)は、各々連続的な、ほぼ平面および/または、曲線状の表面を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載のサンドイッチ部材(1)。
【請求項3】
前記流路(8)は、複数のほぼ平面および/または曲線状の部分面(10)を有する形をなす側面(9)を有し、
前記部分面(10)は、180度未満の角度(14)で互いに隣接する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサンドイッチ部材(1)。
【請求項4】
前記コア構造体(4、15)は、繰返しの三角形、台形、矩形または波形の断面幾何学的形状を有する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のサンドイッチ部材(1)。
【請求項5】
前記通路(6)は、特に円筒形、楕円形、ポリゴン開口として構成される、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のサンドイッチ部材(1)。
【請求項6】
前記吸音層(5)は、熱的に絶縁されるように構成する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載のサンドイッチ部材(1)。
【請求項7】
前記コア構造体(4、15)および/または前記カバー層(2、3)は、プラスチック材料から形成される、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載のサンドイッチ部材(1)。
【請求項8】
前記コア構造体(4、15)および/または前記カバー層(2、3)は、繊維強化プラスチック材料から形成される、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載のサンドイッチ部材(1)。
【請求項9】
前記コア構造体(4、15)および/または前記カバー層(2、3)は、金属材料から形成される、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載のサンドイッチ部材(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−537388(P2009−537388A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511342(P2009−511342)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004944
【国際公開番号】WO2007/134626
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(504467484)エアバス・オペレーションズ・ゲーエムベーハー (268)
【Fターム(参考)】