説明

送信ダイバーシティ付きマルチキャリアシステム

【課題】
効率的なマルチユーザマルチキャリア伝送方式の概念を提供する。
【解決手段】
連続した搬送周波数を有するいくつかのキャリアを用いたマルチキャリア変調方式を使用して第1のユーザ信号と第2のユーザ信号からマルチキャリア変調信号を提供するための装置は、第1のユーザ信号と第2のユーザ信号を受信するための入力(101)と、該第1のユーザ信号の値または該第1のユーザ信号の処理済みの値を、連続した搬送周波数を有するキャリアの第1の集合に割り当て、該第2のユーザ信号の値または該第2のユーザ信号の処理済みの値を、連続した搬送周波数を有するキャリアの第2の集合に割り当てるための割り当て器(assigner)(115)と、連続した搬送周波数を有する第1の集合に割り当てられる値と連続した搬送周波数を有する第2の集合に割り当てられる値を同時に変調することによりマルチキャリア変調信号を提供するためのマルチキャリア変調器(117)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気通信の分野にあり、特にマルチユーザシナリオにおけるマルチキャリア伝送方式の分野にある。
【背景技術】
【0002】
無線通信では、フェージングの有害な影響を削減するために送信ダイバーシティ技術を使用する。単純な送信ダイバーシティ技術は、同じ信号が異なる遅延を伴って複数のアンテナから送信される遅延ダイバーシティである。この結果、各送信アンテナから各受信アンテナへのオリジナルのサブチャネルと比較して周波数の選択性が強化され、したがって周波数ダイバーシティが強化された入力チャネルの同等物が得られる。直交周波数分割多重(OFDM)では、送信機で取り込まれた周波数ダイバーシティは、受信機内に配置された前進型エラー訂正デコーダにより利用できる。
【0003】
しかしながら、時間ダイバーシティを達成するためにしばしば必要とされるマルチキャリア伝送システムにさらなる遅延を導入することによって、より長いガード区間が要求される。これにより、帯域効率が低下する。ガード区間が十分に長くない場合にはキャリア間相互干渉が発生する可能性がある。しかしながら、ガード区間の長さを長くすると、ガード区間は情報伝送に適用できないため、帯域効率が削減される。
【0004】
ガード区間を超えずに周波数選択性を強化することは以下に示す文献に示されているように周期的遅延ダイバーシティを導入することによって達成される。すなわち、A.Damann及びS.Kaiser「Standard conformable antenna diversity techniques for OFDM systems and its application to the DVB−T system」、IEEEグローブコム(IEEE Globecom)、3100−3105ページ、2001年11月、A.Dammann及びS.Kaiser「Low complex standard conformable antenna diversity techniques for OFDM systems and its application to the DVB−T system」、ソース及びチャネルコード化に関する第4回国際ITG会議(4th International ITG Conference on Source and Channel Coding)、253−259ページ、2002年1月、及びA.Dammann、R.Raulefs及びS.Kaiser「Beamforming in combination with space−time diversity for broadband OFDM systems」、IEEE通信に関する会議(ICC)、165−171ページ、2002年4月、等である。上記の文献の教示に従って、ガード区間を超えないように遅延が周期的に導入される。
【0005】
送信ダイバーシティ技術は、従来、マルチユーザシナリオにおいて複数のチャネルを通して信号を送信するために適用され、送信信号は複数のユーザに関連する複数の信号ストリームを備える。受信機では、ユーザストリームは、送信信号の処理によって提供される送信ダイバーシティを明示的に利用することによって分離される。
【0006】
送信ダイバーシティを生成するためには、異なる送信アンテナから同時に送信されるデータに周期的遅延ダイバーシティを適用することができ、送信アンテナに関連した各データストリームは、他のデータストリームに対して遅延を有する。受信機では、単独の受信アンテナまたは複数の受信アンテナを利用できる。
【0007】
使用可能な帯域幅を効率的に利用するためには、完全空間ダイバーシティを有効に利用するために適用される送信ダイバーシティ技術の特性を考慮に入れるべきである。例えば、マルチキャリア伝送シナリオでは、適用される送信ダイバーシティ技術は受信機でのサブキャリア間の相関特性に影響を及ぼす可能性がある。前述のように、空間ダイバーシティはデコーダが獲得できる周波数ダイバーシティに変換することができる。
【0008】
ブロードバンド直交周波数分割多重接続システム(OFDMA)では、使用可能な帯域幅は数人のユーザによって共用される。通常、ブロック周波数インタリーバが適用される。つまりユーザの送信シンボルは、隣接するサブキャリアが異なるユーザに割り当てられるように周波数ダイバーシティを利用するために等しい間隔でサブキャリアに割り当てられる。しかしながら、前述の周期的遅延ダイバーシティと組み合わされた場合、空間ダイバーシティは隣接するサブキャリアの無相関のチャネル係数に反映され、したがって無相関のキャリアでは、周波数ブロックインタリーブによって、空間ダイバーシティの利用に完全に失敗することがある。したがって、ユーザストリームに対して、復号後のビット誤り率の上昇が発生するため、使用可能な帯域幅は効率的に利用できない。
【0009】
システムの性能を改善するために、強化された冗長性を導入することによって、異なるユーザストリームをコード化するためにさらに複雑なコード化方式を適用してもよい。しかしながら、この手法は冗長性が強化されると帯域効率が下がるという弱点を持つ。標準ダイバーシティ技術を考慮するときに、空間ダイバーシティも送信アンテナと受信アンテナの数を増加することによって利用できる。しかしながら、特にマルチユーザシナリオでは、受信アンテナの数が増加すると、全体的なシステムの複雑度、特に携帯受信機の複雑度も高まる。
【0010】
ダイバーシティ技術を使用して従来のマルチキャリア送信システムのシステム性能を改善するさらなる可能性は、干渉を削減するためにガード区間の長さを伸ばすことである。しかしながら、この手法は帯域効率の低下という弱点をもつ。
【0011】
図14は、従来のOFDMAシステム(OFDMA:直交周波数分割多重接続)を示す。図14のOFDMAシステムは入力と出力を有する複数のFECエンコーダ1401を備え、複数のFECエンコーダ1401のそれぞれの出力は複数のインタリーバ1403に接続される。複数のインタリーバ1403のそれぞれは、各インタリーバ1403によって提供される離散値を選ばれた信号空間配列方式(変調)に従って信号空間代表にマッピングするための、関連したマッパー1405に接続された出力を有する。図14では、マッパー1405は例えばQAM(直交振幅変調)またはPSK(位相シフトキーイング)変調を実行する。複数のマッパー1405のそれぞれは、IFFTブロック1409(IFFT:高速フーリエ逆変換)に接続される複数の出力を有するインタリーバ1407に接続される出力を有する。IFFTブロック1409は、マルチキャリア変調信号を提供するために複数の出力1411を有する。
【0012】
図14ではユーザ1とユーザUが描かれているが、FECエンコーダ1401のそれぞれは対応するユーザ信号を受信する。図14の従来のOFDMAシステムでは、使用可能なサブキャリアは、ダイバーシティを利用するために固定間隔のサブキャリアにユーザ信号のシンボルを分散させるためのインタリーバ1407を使用することによって特定のユーザに割り当てられる。周期的遅延ダイバーシティが適用される場合、サブキャリアの相関特性が考慮に入れられないためこのようなブロックインタリーブが、エラーを取り込む場合がある。図14では、サブキャリアs=0,3,7,・・・がユーザ1に割り当てられている。ただし、適用される空間ダイバーシティ技術がユーザ1に割り当てられているキャリア間で相関を取り入れるときに、ユーザ1は空間ダイバーシティを完全に獲得することはできない。図14のさらなる不利な点とは、固定された割り当て方式が使用されるために、チャネルの周波数選択性を考慮できない点である。したがって、従来のOFDMAシステムは周波数ダイバーシティを完全に利用しておらず、これにより帯域効率に関して性能の低下が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、効率的なマルチユーザマルチキャリア伝送方式の概念を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、請求項1に記載のマルチキャリア変調済み信号を提供するための装置によって、または請求項15に記載の第1の送信信号と第2の送信信号を生成するための装置によって、または請求項19に記載の第1のユーザ信号に対応する値を抽出するための装置によって、または請求項32に記載のマルチキャリア変調信号を提供するための方法によって、または請求項33に記載の第1の送信信号と第2の送信信号を生成するための方法によって、または請求項34に記載の第1のユーザ信号に対応する値を抽出するための方法によって、または請求項35に記載のコンピュータプログラムによって達成される。
【0015】
本発明は、マルチキャリア伝送シナリオにおいて、ダイバーシティ技術を使用するマルチユーザ伝送は、マルチキャリア変調方式により使用されるサブキャリアの相関特性を明示的に利用することによって効率的に実行できるという発見事項に基づいている。特に、受信機で、それぞれの隣接するキャリアが無相関となるように、第1のユーザ信号に対応するいくつかの値が搬送周波数の集合に割り当てられるとき、空間ダイバーシティが効率的に使用できることが分かっている。周期的遅延ダイバーシティ方式が使用されるときには、周期的遅延は、第1のユーザ信号を送信するために連続キャリアの集合が利用されるように選ばれてよく、それぞれの隣接するサブキャリアが無相関となるならば、第2のユーザ信号を送信するために連続キャリアの第2の集合が利用されるように選ばれ得る。
【0016】
本発明に従って、複数のユーザの各ユーザ信号値は所定のサブキャリアに、例えば連続キャリアの集合に、または連続キャリアの複数の集合に割り当てられる。したがって、各ユーザ信号はキャリア(搬送周波数)の1つまたは複数の集合、連続キャリアの各集合またはいくつかの連続キャリアに割り当てられ、2つの隣接するキャリアは無相関である。周期的遅延ダイバーシティをマルチユーザ伝送のための空間ダイバーシティ方式として使用すると、空間ダイバーシティは、受信機で周波数ダイバーシティに変換され、それぞれのユーザ信号に割り当てられる2つの隣接するキャリアのそれぞれが無相関であるため、完全に利用できる。一人のユーザに、または複数のユーザに割り当てられるキャリアの集合が使用可能な帯域幅の中で独立して設置できるため、同時に周波数ダイバーシティも利用できる。
【0017】
さらに、チャネル減衰等のチャネル特性に応じて、ユーザ信号の離散値は連続キャリアのそれぞれの集合に割り当てられる前にインタリーブまたはコード化される。このようにして、キャリアの各集合は自由に且つ独立にチャネル特性に適応させることができる。したがって受信機では、周波数ダイバーシティは完全に利用できる。
【0018】
受信機の複雑性を高めることなく複数のマルチユーザ信号を同時に送信するために空間ダイバーシティを完全に利用できることが本発明の優位点である。さらに、空間ダイバーシティは、本発明のキャリア割当方法に基づいて周波数選択性に変換されるため、受信機では単一のアンテナも使用できる。したがって、処理されるいくつかの受信信号を削減することができ、それにより対応するユーザ信号を取得するために必要とされる信号処理リソースを削減することができる。
【0019】
各ユーザが周波数ダイバーシティと空間ダイバーシティを同時に使用できるように、ユーザ信号をさまざまなサブキャリアに割り当てることができることが本発明のさらなる優位点である。
【0020】
本発明によれば、周期的遅延(cyclic delay)は、隣接するサブキャリアが無相関となるように選ばれることができる。インタリーブ戦略は、制限され制約された長さの前進型エラー訂正コードを使用して完全な空間ダイバーシティを利用できることを確実になる。
【0021】
本発明のキャリア割当方式は簡略であり、その結果複雑な、つまり再帰的な計算も、時間がかかるシステムの適応も必要とされないことが本発明のさらなる優位点である。
【0022】
本発明は、さらに標準的な手法に優る、可能な限りのダイバーシティ優位点が得られることを保証するインタリーブ戦略を提供する。割り当てられるキャリアに関する決定が、通常マルチキャリア受信機では公知であるチャネル特性の評価から導かれるので、本発明のインタリーブ方式は複雑度が低い。
【0023】
未知の遅延拡散により周波数選択チャネルにおいても空間ダイバーシティの効率的な利用を保証するために、周期的な遅延が、必要とされるサブキャリア間の低い相関特性を達成するために適応されてもよい。本発明の周期的遅延方式によれば、完全空間ダイバーシティを効率的に活用するために、隣接するサブキャリアの効率的なチャネル係数は低い相関を持つ一方で、隣接していないサブキャリアは高い相関を持つことになる。
【0024】
本発明のさらなる実施形態は、以下の図に関して詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、本発明の第1の実施形態に従って第1のユーザ信号から、及び第2のユーザ信号からマルチキャリア変調信号を提供する本発明の装置のブロック図を示す。
【0026】
図1の装置は、第1のユーザ信号を受信し、第2のユーザ信号を受信するための入力101を備える。入力101は、互いに並列に配列される第1の入力端子103と第2の入力端子105を備える。第1の入力端子103は第1のユーザ信号を受信するための入力107と、第1のユーザ信号の値を出力するための出力109を有する。第2の入力端子105は第2のユーザ信号を受信するための入力111と、第2のユーザ信号の値を出力するための出力113を有する。
【0027】
第1の入力端子103の出力109と、第2の入力端子115の出力113は、割り当て器(assigner)115に並列に結合している。割り当て器115は、マルチキャリア変調信号を出力するための出力119を有するマルチキャリア変調器117に結合している複数の出力を有する。
【0028】
図1は本発明の手法を示し、複数のユーザの内の二人のユーザが描かれている。第1の入力端子103に与えられる第1のユーザ信号は第1のユーザに関連しており、第2の入力端子105に与えられる第2のユーザ信号は第2のユーザに関連している。「ユーザ」という用語によりあるシナリオを記述し、ユーザ信号は物理的実体に割り当てられる。代わりに、用語「ユーザ」は、さまざまなユーザ信号が、送信される電子メールまたはビデオストリーム等の異なるサービスに関連しているシナリオを定義するものでもよい。第1の入力端子103は第1のユーザ信号だけに作用し、第2の入力端子105は第2のユーザ信号だけに作用する。言い換えると、異なるユーザ信号に関連した異なる信号ストリームは別々に処理され、この処理は並列で実行される。
【0029】
第1の入力端子103は第1のユーザ信号を受信し、[x(1),・・・,x(n)]によって示される第1のユーザ信号の値または処理済みの値を出力する。ここで、nは第1のユーザ信号の値または処理済みの値の数を示す。第2の入力端子105も同様に動作する。第2のユーザ信号は、[y(1),・・・,y(m)]で示される第2のユーザ信号の値に変換される。ここで、mは第2のユーザ信号の値の数または第2のユーザ信号の処理済みの値の数を示す。一般性のため、第1の入力端子103によって提供される、第1のユーザ信号の値の数または処理済みの第1のユーザ信号の値の数は、第2の入力端子105により提供される第2のユーザ信号の値または処理済みの値の数とは異なると仮定される。第1ユーザ信号の値と第2のユーザ信号の値(またはその処理済みのバージョン)は、第1のユーザ信号の値またはその処理済みのバージョンを、連続した搬送周波数を有するキャリアの第1の集合に割り当てるために作動し、第2のユーザ信号の値または第2のユーザ信号の処理済みの値を、連続した搬送周波数を有するキャリアの第2の集合に割り当てるために作動する、割り当て器115に提供される。連続搬送周波数は基礎となるマルチキャリア変調方式により使用されるいくつかのキャリアによって決定される。前記いくつかのキャリアは、信号伝送のために使用可能な帯域幅を定める。
【0030】
割り当て器115は、使用可能な帯域幅の中で独立してキャリアの第1の集合とキャリアの第2の集合を割り当てるために作動する。図1に描かれているように、第2のユーザ信号の値は、第1の搬送周波数で始まる連続した搬送周波数を有するキャリアの第1の集合に割り当てられる。それに反して、第1のユーザ信号の値は、第1の搬送周波数より高いまたは低い可能性がある、第2の搬送周波数で開始する連続した搬送周波数を有する第2の集合に割り当てられる。代わりに、第1のユーザ信号の値はキャリアの第1の集合に割り当てられてもよく、第2のユーザ信号の値はキャリアの第2の集合に割り当てられてもよい。割り当て器の出力は、キャリアの第2の集合の連続搬送周波数に割り当てられる第1のユーザ信号の値または第1のユーザ信号の処理済みの値、及びキャリアの第1の集合の連続搬送周波数に割り当てられる第2のユーザ信号の値を含むマルチキャリア信号を提供する。
【0031】
マルチキャリア変調器117は、連続した搬送周波数を有する第1の集合に割り当てられる値、及び連続した搬送周波数を有する第2の集合に割り当てられる値等のマルチキャリア信号を同時に変調する。変調後、マルチキャリア変調信号は出力119を介して提供される。図1のマルチキャリア変調信号がベースバンドマルチキャリア変調信号である場合は、出力119は帯域通過信号を提供するためのアナログデジタル変換器を介して結合してもよい。
【0032】
図2は、本発明のさらなる実施形態に従ってマルチキャリア変調信号を提供するための装置のブロック図を示す。
【0033】
図2では、複数のユーザを含むマルチユーザシナリオを考え、2つのユーザ信号が明示的に描かれている。図2の装置は、並列に配列される第1の入力端子203と第2の入力端子205を備える。第1の入力端子203は第1のインタリーバ209に接続される出力を有する第1のエンコーダ207を備える。第1のインタリーバ209は出力213を有するマッパーに接続される出力を有する。第1の入力端子は、第1の信号経路を決定し、第1の信号経路に並列な第2の信号経路は第2の入力端子205によって決定される。
【0034】
第2の入力端子205は入力と出力を有する第2のエンコーダ215を備え、第2のエンコーダ215の出力は第2のインタリーバ217に結合している。第2のインタリーバ217は出力221を有する第2のマッパー219に結合している出力を有する。
【0035】
複数のユーザの第1のユーザと第2のユーザに関連する第1の信号経路と第2の信号経路を表現する第1の入力端子の出力213、及び第2の端子の出力221は、割り当て器223に結合している。割り当て器223は出力227を有するマルチキャリア変調器225に結合している複数の出力を有する。
【0036】
第1のエンコーダ207は、第1のユーザ信号の値を符号化し、第1のユーザ信号の値として第1のユーザ信号の符号化された値を提供するための前進型エラー訂正エンコーダ(FECエンコーダ)であってよい。第2のコーダ215(FECエンコーダ)は、第2のユーザ信号の値として第2のユーザ信号の符号化された値を提供するため、第2のユーザ信号の値を符号化するために作動する。
【0037】
第1のコーダ207と第2のコーダ215は、それぞれのユーザ信号に冗長性を取り込む符号化方式を実行する。第1のコーダと第2のコーダ、207と215は、例えばリードソロモン(RS)コーディングまたは従来の符号化を実行するために作動してよい。第1のコーダ207によって与えられる符号化された値は、第1のユーザ信号の値をインタリーブし、第1のユーザ信号の値として第1のユーザ信号のインタリーブされた値を提供するために、第1のインタリーバ209に提供される。
【0038】
相応して、第2の入力端子205は、第2のユーザ信号の値をインタリーブするため、第2のユーザ信号の値として第2のユーザ信号のインタリーブされた値を提供するための第2のインタリーバ217を備える。インタリーバ209と217の両方ともブロックインタリーバであってよい。
【0039】
第1の入力端子203は第1のユーザ信号の処理済みの値として第1のユーザ信号を空間表現する該いくつかの連続信号を得るために第1のユーザ信号の連続値を所定の信号空間配列にあるいくつかの連続信号空間表現上にマッピングするためのマッパー211をさらに備える。相応して、第2の入力端子205は、第2のユーザ信号の処理済みの値として第2のユーザ信号を空間表現する該いくつかの連続信号空間を得るために第2のユーザ信号の連続値を所定の信号空間配列にあるいくつかの連続信号空間表現上にマッピングするためのマッパー219を備える。
【0040】
それぞれのマッパー211および219、または、マッパー211または219により使用される所定の信号空間配列は、PSK方式、QAM(直交振幅変調)方式またはPAM(パルス振幅変調)方式に属する。したがって、インタリーバ209により提供される第1のユーザ信号の連続値は最初に連続値を含むいくつかのグループに分割され、次に、例えば4つの値からなる各グループが、信号空間で生じるベクトルの位相と振幅を記述する信号空間表現上でマッピングされる。マッパー211および219、または、マッパー211または219のそれぞれは前記いくつかの連続信号空間表現を、前記第1のユーザ信号の前記いくつかの処理済みの値、及び前記第2のユーザ信号の前記いくつかの処理済みの値として提供する。QAM等の複素数値の信号空間配列が使用される場合には、それぞれの処理済みの値は複素数で有りうる。つまり、各処理済みの値は2つの値を含み、第1の値が検討されている処理済みの値の実数部を特徴付け、第2の値が虚数部を特徴付ける。
【0041】
インタリーバ209及び217、または、インタリーバ209または217がオプションであることをこの時点で言及しなければならない。また、コーダ207と215もオプションである。なぜならば、コード化やインタリーブは他で実行されうるからである。その結果、図2に描かれている第1のユーザ信号と第2のユーザ信号はすでにコード化され、インタリーブされたユーザ信号として受信される。
【0042】
割り当て器223は、図2の割り当て器215と同様に動作する。加えて、図2の割り当て器223はマッパー211により提供される処理済みの値を、連続キャリアの複数の集合に割り当てる。ここで連続キャリアの複数の集合により構成されるキャリアの総数は、第1のユーザ信号に関連した処理済みの値の数に等しい。図2には、それぞれが連続キャリアからなる、連続キャリアの2つの集合、集合Aと集合Bが描かれている。例えば、割り当て器223は処理済みの値の第1の数を集合Aのキャリアに、第2のユーザ信号の処理済みの値の第2の数を集合Bに割り当てるように動作している。周波数ダイバーシティを利用し、チャネル変動を考慮に入れるために、集合Aと集合Bは自由に、用いられるマルチキャリア変調方式の搬送周波数によって決定される使用可能な帯域幅の中に設置できる。処理済みの値の第1の数と処理済みの値の第2の数は異なっていてよい。あるいは、処理済みの値の両方の数が等しくてもよく、その結果集合Aと集合Bは同じ数の搬送周波数を備える。
【0043】
相応して、割り当て器223は、マッパー219によって提供される処理済みの値の第1の数を、例えば連続キャリアの集合Cに、第2のユーザ信号の処理済みの値の第2の数を連続キャリアの集合Dに割り当てる。
【0044】
割り当て器223の複数の出力の内の各出力はマルチキャリア変調器225に処理済みの値として信号空間表現を提供する。OFDM伝送方式のケースでは、マルチキャリア変調器225は、割り当て器223により提供される周波数領域信号をマルチキャリア変調器225の出力227により提供される時間領域に変換するために、高速フーリエ逆変換(IFFT)を実行するように作動する。この場合、時間領域信号は送信されるマルチキャリア信号である。マルチキャリア変調器225は、マルチキャリア変調信号を取得するために、フーリエ逆変換(IFT)、高速フーリエ逆変換(IFFT)または離散フーリエ逆変換(IDFT)を実行するように作動する。
【0045】
空間ダイバーシティを獲得するために、図2の装置は各ユーザに、例えばS個の隣接するサブキャリアのグループを割り当てる。ここで、Sは第1の数と第2の数両方が等しいときに第1の数と第2の数を示す。グループあたりのサブキャリア数Sは、後に記述される前記いくつかのさまざまなチャネル状態によって決定される。インタリーバ209と217によって実行されるさらなるグループに関しての周波数インタリーブによって、チャネルの周波数選択性に起因する周波数ダイバーシティの利用が可能になる。
【0046】
図3では、マルチキャリア信号を本発明のさらなる実施形態に従って提供するための装置が示される。便宜上、前述の構成要素に類似する図3の構成要素には同じ参照番号が付けられ、異なる構成要素には異なる参照番号が付けられている。
【0047】
図2の装置とは異なり、図3に示される装置はデコーダ307の出力に結合している第1のセレクタ301を備える。セレクタ301は第1の出力303と第2の出力305を有する。第1の出力303はインタリーバ307に結合し、第2の出力305はさらなるインタリーバ309に結合している。インタリーバ307はマッパー311に結合している出力を有し、さらなるインタリーバ309はさらなるマッパー313に結合している出力を有する。マッパー311は出力315を有し、マッパー313は出力317を有する。
【0048】
したがって、デコーダ205の出力は第1の出力321と第2の出力303を有する第2のセレクタ309に結合している。第1の出力321はインタリーバ325に結合しており、第2の出力323はインタリーバ327に結合している。インタリーバ325と327のそれぞれは出力を有し、インタリーバ325の出力はマッパー329に結合し、インタリーバ327の出力はマッパー331に結合している。マッパー329は出力333を有し、マッパー331は出力335を有する。
【0049】
それぞれのマッパーの出力325、327、333及び335は、出力227を有するマルチキャリア変調器225に結合している複数の出力を有する割り当て器337に結合している。
【0050】
第1のデコーダ207は第1のユーザ信号を受信し、復号された第1のユーザ値を第1のユーザ値として提供する。第1のユーザ値は、順序付けインデックスを有する値で開始する第1のユーザ信号のS番目ごとの値を選択することによって第1のユーザ信号の値として第1の出力303を介して第1のユーザ信号の選択された値のストリームを提供し、第1の順序付けインデックスとは異なるさらなる順序付けインデックスを有するさらなる値で開始する第1のユーザ信号のS番目ごとの値を選択することによって第2の出力305を介して第1のユーザ信号のさらなる値として第1のユーザ信号の選択された値のさらなるストリームを提供するために作動する、第1のセレクタ301に提供される。
【0051】
相応して、第2のセレクタ319は順序付けインデックスを有する値で開始する第2のユーザ信号のS番目ごとの値を選択することによって第2のユーザ信号の値として第2のユーザ信号の選択された値のストリームを提供し、該順序付けインデックスとは異なるさらなる順序付けインデックスを有するさらなる値で開始する第1のユーザ信号のS番目ごとの値を選択することによって第2のユーザ信号のさらなる値として第2のユーザ信号の選択された値のさらなるストリームを提供する。
【0052】
言い換えると、第1のセレクタ301と第2のセレクタ319は、検討されているユーザ信号のS番目のごとの値を関連ストリームに収集することにより、それぞれ第1のユーザ信号の選択された値のいくつかのストリーム、及び第2のユーザ信号の選択された値のいくつかのストリームを提供するようにそれぞれ作動する。図3では、2つのストリーム、つまり第1のユーザ信号と第2のユーザ信号の値のストリームと追加ストリームだけが描かれている。
【0053】
例えば、第1のセレクタ301と第2のセレクタ319はマルチプレクサである。
【0054】
第1の出力303により提供されるストリームはインタリーバ307によってインタリーブされ、第2の出力305によって提供されるさらなるストリームはインタリーバ309によってインタリーブされる。相応して、第2のユーザ信号に関連したストリームとさらなるストリームはインタリーバ325とさらなるインタリーバ327によってインタリーブされる。インタリーバ307は値のストリームに関連している第1のユーザ信号の値をインタリーブするために作動しており、さらなるインタリーバ309はさらなるストリームに関連した第1のユーザ信号のさらなる値をインタリーブするために作動する。インタリーバ307と309によって提供される、インタリーブされた値とさらなる値は、第1のユーザ信号の値として及びユーザ信号のさらなる値としてマッパー311と313に別々に提供される。
【0055】
類似する動作が、第2のユーザに割り当てられる信号経路に関連したインタリーバ325とさらなるインタリーバ327によって実行される。
【0056】
マッパー311、313、329及び339は、第1のユーザ信号の処理済みの値として第1のユーザ信号の値のいくつかの連続信号空間表現を、第1ユーザ信号のさらなる処理済みの値として第1ユーザ信号のさらなる値を、第2のユーザ信号の処理済みの値として第2のユーザ信号の値として、第2のユーザ信号のさらなる処理済みの値として第2のユーザ信号のさらなる値として、提供するように作動する。
【0057】
図3に示されている装置の第1の入力端子が第1のセクレタ301、インタリーバ307、及びさらなるインタリーバ309によって、及び第1のマッパー311とさらなるマッパー313によって構成されることが注記されなければならない。相応して、第2の入力端子は第2のセレクタ319、インタリーバ325とさらなるインタリーバ327、マッパー329とさらなるマッパー311を備える。さらに、マッパー311、313、329及び339は図2に示されている実施形態に関連して説明されたマッパーと同様に作動する。
【0058】
割り当て器337は、いくつかの第1のユーザ信号の値(マッパー311によって提供される前記いくつかの連続信号空間表現)を、同じ数の連続搬送周波数を有する搬送周波数の第1の集合に割り当てるために作動する。相応して、割り当て器337は、第1のユーザ信号のいくつかの連続するさらなる値(マッパー313により提供されるいくつかの連続信号空間表現)を連続した搬送周波数を有する第3の集合に割り当てる。図3に図示されているように、搬送周波数の第1の集合と、搬送周波数の第3の集合は、第1のユーザ信号の伝送のために利用されるが、根本的なマルチキャリア変調方式で用いられる搬送周波数により決定される使用可能な帯域幅の範囲内で互いに独立して設置される。
【0059】
したがって、割り当て器337は前記第2のユーザ信号の前記いくつかの値(前記マッパー329により提供される提示用の連続信号空間)を前記いくつかの連続搬送周波数を備える搬送周波数の第2の集合に割り当てる。第2のユーザ信号の前記いくつかのさらなる値(前記マッパー331によって提供される前記いくつかの連続信号空間表現)は、同じ数の搬送周波数の第4の集合の連続搬送周波数に割り当てられる。
【0060】
受信機では、図1、図2及び図3に示されている実施形態に関連して説明されるように、連続コードビットが無相関のサブキャリアを介して送信される場合、例えば畳み込み符号が最大ダイバーシティを獲得する。本発明に従って、コードビットのストリームはS個のストリームに分割される。各ストリームの中のビットは、オプションでインタリーブされ、変調方式すなわちQAMの配列要素上にマッピングされる。ストリームの数Sは前記いくつかの異なるチャネル状態によって与えられる。
【0061】
図3に示されている装置は前述の本発明の概念を利用する送信機を明示する。各ユーザのビットは前進型エラー訂正コードにより符号化される。直列並列変換器はコードビットのストリームをS個のストリームに分割する。ここで、Sは搬送周波数のそれぞれの集合により構成される搬送周波数の数を示す。第1のビットはストリーム1に割り当てられ、第2のビットはストリーム2に割り当てられていく。ここで、ストリーム1とストリーム2は前述のストリームとさらなるストリームを示す。各ストリームの中ではオプションのビットインタリーバが、コードビットを例えばQAMまたはPSK等のためのデジタル変調方法の配列要素にマッピングする前に、コードビットの順序を変える。変調記号(信号空間表現)はS個の隣接するサブキャリアに割り当てられ、ストリームはつねにグループ内のS番目のサブキャリアに割り当てられる。ある特定のユーザのグループ間の間隔は固定されてよい。この場合、割り当て器223はグループに関する周波数ブロックインタリーバである。したがって、空間ダイバーシティは隣接するサブキャリア上で送信される1つのグループ(1つの集合)の中で、ストリームを割り当てることによって利用されるのに対し、元のチャネルの周波数ダイバーシティは帯域幅全体にグループを分散させることにより得られる。
【0062】
オプションで、割り当て器223によって実行される割り当ては1つのOFDMシンボル(マルチキャリア変調信号)から次のOFDMシンボルに変更される。つまりサブキャリア0,...,S−1は、第1のOFDMシンボル内の第1のユーザ(ユーザ1)に割り当てられ、第2のOFDMシンボル内では、第2のユーザ(ユーザ2)に割り当てられる。
【0063】
受信機は受信機により実行される動作の逆の動作を実行する。例えば、受信機は送信機の逆インタリーブ動作を実行する。
【0064】
前述のように、本発明の割り当て器は、例えばチャネル転送機能等の、チャネル特性に応じて搬送周波数のそれぞれの集合に第1のユーザおよび第2のユーザ、または、第1のユーザまたは第2のユーザに関連した値を割り当てるようにさらに動作しうる。
【0065】
図4は搬送周波数の第1の集合、及び搬送周波数の第2の集合の、図4では破線として描かれているチャネル転送機能を条件とする搬送周波数への割り当ての実施形態を示す。
【0066】
搬送周波数の第1の集合は、チャネル転送機能が低減衰を有するサブ帯域幅(sub−bandwidth)の中で割り当てられる。相応して、搬送周波数の第2の集合は、チャネル転送機能がやはり低減衰を有する第2のサブ帯域幅の中で割り当てられる。第1のサブ帯域幅と第2のサブ帯域幅の間で、一般的な転送機能が大きな減衰により特徴付けられる。例えば、搬送周波数の第1の集合がこの帯域幅の中で割り当てられる場合には、ビット誤り率の大きな上昇が生じるであろう。このシナリオを回避するために搬送周波数の集合は、チャネル情報の評価時に割り当てられてよい。
【0067】
本発明に対するさらなる実施形態に従って、マルチキャリア信号を提供するための本発明の装置は、例えば図1から図4で考えられるように、マルチキャリア変調方式のいくつかのキャリアによって決定される帯域幅の中で、例えばチャネル転送機能等のチャネル特性に関してチャネル情報を提供するための手段をさらに備えてよい。この場合、割り当て器は、連続した搬送周波数を有する第1の集合の第1の搬送周波数およびチャネル情報に基づいて連続した搬送周波数を有する第2の集合の第1の搬送周波数、または、連続した搬送周波数を有する第1の集合の第1の搬送周波数またはチャネル情報に基づいて連続した搬送周波数を有する第2の集合の第1の搬送周波数を決定するように作動する。
【0068】
チャネル転送機能が公知である場合には、各サブ帯域幅は、他の搬送周波数よりチャネル影響によってあまり乱されないと予想される搬送周波数を求めるために、例えばチャネル転送機能の閾値を設けることによって決定できる。
【0069】
図3の実施形態に関連して説明されるように、本発明の割り当て器は、連続した搬送周波数を有するキャリアの第1の集合に第1のユーザ信号の値を割り当てるように、連続した搬送周波数を有するキャリアの第3の集合に第1のユーザ信号のさらなる値を割り当てるように、搬送周波数の第2の集合に第2のユーザ信号の値を割り当てるように、及び連続した搬送周波数を有する第4の集合に第2のユーザ信号のさらなる値を割り与えるように作動する。複数の搬送周波数の集合が複数のサブ帯域幅に割り当てられなければならない場合には、本発明の割り当て器はチャネル情報に基づいて搬送周波数の第1、第2、第3及び第4の集合の連続搬送周波数のそれぞれの集合の第1の搬送周波数を決定するためのチャネル情報を提供するための手段によって提供されるチャネル情報を利用してよい。
【0070】
図3に描かれているように、マルチキャリア変調器225は、マルチキャリア変調信号を取得するために、連続した搬送周波数を有する第1の集合に、連続した搬送周波数を有する第2の集合に、連続した搬送周波数を有する第3の集合に、及び連続した搬送周波数を有する第4の集合に割り当てられる値を同時に変調するために作動する。一般的に言えば、本発明の割り当て器は、連続搬送周波数を含む複数の集合を割り当ててよい。連続搬送周波数のこの複数の集合は、本発明に従って、送信されるマルチキャリア変調信号を取得するために同時に変調される。ここでマルチキャリア変調信号は重畳的にすべてのユーザストリームを含む。
【0071】
以下では、本発明の概念に関して周期的手法が詳細に説明され、NT本の送信アンテナとNR本の受信アンテナを備える複数入力複数出力(MIMO)チャネルが検討される。
【0072】
時間tにおける送信アンテナnから受信アンテナmへのインパルス応答は、1×Nsベクトルで与えられ、
【数1】

ここで、Dはチャネルのメモリを示す。
【0073】
周期的遅延ダイバーシティの原理を説明するために、図5が参照される。
【0074】
図5の装置は、インタリーバ403に結合しているエンコーダ401を示す。インタリーバ403の出力はマルチキャリア信号を提供するための本発明の装置501に結合している。図4に示されている実施形態と比較すると、本発明の装置501はデマルチプレクサ405、いくつかのインタリーバ407、いくつかのエンコーダ409、及び割り当て器411を含む。マルチキャリア信号は変換器413に提供される。変換された信号は、乗算ポイント415で変換されたいくつかの信号のコピーに乗算され、該コピーの数は送信アンテナ425の数に一致する。
【0075】
図5に描かれているように、信号経路417を介して提供される信号は変換器413により提供される変換済み信号と同一である。手段422により取り込まれるシフトのために、信号経路421を介して提供される変換済みの信号のコピーは1つの係数によってシフトされる。相応して、信号経路423に対応する変換された信号のコピーは信号経路421に対応するシフトされたコピーに関して1係数分、シフトされる。図5に描かれているように、遅延を取り込むための手段422はそれぞれ左シフトを実行するように作動する。あるいは、手段422は右シフトを実行するように作動してよい。さらに、信号がシフトされる係数の数は可変であり、2より大きくてよい。
【0076】
一般的に、データは例えば前進型エラー訂正エンコーダFEC401によって符号化され、インタリーブされる。(オプションの)インタリーバ403の後、コードビットは、例えばQAM(直交振幅変調)シンボルまたはPSK(位相シフトキーイング)シンボルで変調される。OFDMは次に、サイズNsの高速フーリエ逆変換(IFFT)を実行するために作動する変換器413を使用することによって実現される。ここで、Nsはサブキャリアの数である。IFFT413の出力シンボルは
【数2】

によって示されている。各アンテナは異なる周期的遅延Δn、n=1,...nTを取り込む。つまり時間tにおけるアンテナからの送信シンボルは以下のように与えられる。
【数3】

【0077】
伝送前、周期的ガード区間(GI)は、各送信アンテナでそれぞれの手段419によって包含される。
【0078】
図5のシステムは、1本の送信アンテナを備える周波数選択チャネルでのシーケンス
【数4】

の伝送に同等であるが、インパルス応答は受信アンテナm、m=1、...、nRによって以下のように与えられる。
【数5】

【数6】

【0079】
図5に描かれているように、送信アンテナ425は前記に検討された受信アンテナ503に信号を送信する。
【0080】
図6は、受信された信号が衝突している受信アンテナ503を有する対応するOFDM受信機構造を示す。受信された信号は次に、図6に描かれていない複数の追加処理手段を介して、ガード区間を削除するための手段601に提供される。ガード区間を削除するための手段601は高速フーリエ変換(FFT)を実行することができない時間周波数変換器603に結合している。変換器603の出力での変換された信号は、復調するための手段605に提供される。復調するための手段605は、前進型エラー訂正デコーダ609に接続される出力を有するインタリーバ607に結合している。特に、復調するための手段605は送信機内で実行されるものの逆の演算を実行するように作動する。
【0081】
基本的には、周期的遅延ダイバーシティが複数入出力(MIMO)チャネルを、周波数選択性が拡大された単一入力複数出力(single−input−multiple−output)(SIMO)チャネルに変換する。つまり、空間ダイバーシティは周波数ダイバーシティに変換される。この効果は図7aと図7bに明示されている。
【0082】
図7aの上部の図では、チャネル係数H(f)の絶対値が示されており、平坦なフェージングチャネルシナリオが検討される。図7aの下部図では、周波数での対応する符号化されていない誤り率が描かれている。図7aで平坦なフェージングチャネルが検討されるため、符号化されていない誤り率は、例証としてのみ周波数上の垂直線に従う。
【0083】
図7bでは、周期的遅延ダイバーシティにより取り込まれる変換が明示されている。
【0084】
図7bの上部の図ではチャネル係数の絶対値が周波数上に示されている。明らかにチャネルは、平坦なフェージングチャネルから、エネルギーが増加した係数とエネルギーが減少した係数を有する周波数選択チャネルに変換されている。対応する符号化されていない誤り率は図7bの下部の図に示されている。分かるように、符号化されていない(ビット)誤り率はサブキャリアにわたって一定ではない。しかしながら、符号化されていない伝送の平均ビット誤り率は図7aで考えられる平坦なフェージングチャネルのケースと同じになる。それにも関わらず、外部の前進型エラー訂正デコーダは使用可能な周波数ダイバーシティを獲得できる。
【0085】
本発明の搬送周波数割り当て方式はチャネル相関特性の効率的な利用に基づいている。さらに具体的には、本発明の割り当て器は連続搬送周波数に連続値を割り当て、隣接する搬送周波数は無相関またはほぼ無相関である。特に、OFDMAシナリオでは、周期的な遅延の効率的な選択によって、搬送周波数の、あるいは効果的なチャネル周波数応答の相関特性を改善するまたは定めることができる。
【0086】
本発明のさらなる態様に従って、周期的遅延は、FECデコーダがチャネル内で固有である完全空間ダイバーシティを利用できるように選ばれなければならない。最大ダイバーシティレベルを保持するために、同等なチャネルタップは、異なる遅延dにおけるタップの合計を含んではならない。この概念は、メモリD=1及びnT=2送信アンテナを含む周波数選択チャネルについて図8a、図8b及び図8cに描かれている。Tsはサンプリングの瞬間を示す。Δ2=1の場合、3つのタップを含む前述のチャネルによる同等なチャネルが得られる(図8c)。しかしながら、第2のタップは2つの独立したチャネル係数h(lm)(0)とh(2m)(0)の合計であるため、オリジナルチャネルに固有である完全ダイバーシティは解決できない。Δ2=D+1=2という周期的遅延は4つのタップのある同等なチャネルを生じさせ、その結果完全なダイバーシティの利用を可能にする(図8c)。したがって、周期的遅延は好ましくは
【数7】

を満たし、ΔnはFFTサンプル間隔に正規化されている。TsとDはチャネルメモリである。
【0087】
しかしながら、チャネルメモリDは変化することがあり、送信機にとっては未知である。したがって、周期的遅延は好ましくは可能な限り大きい。Dは未知であるため、周期的遅延は好ましくは以下のとおりである。
【数8】

【0088】
前記方程式は、2つの隣接するサブキャリアが無相関であることを保証する本発明の周期的遅延を決定する。
【0089】
周期的遅延の本発明の選択は、隣接するサブキャリアのチャネル係数
【数9】

が低い相関を有する、あるいは理想的には無相関でさえあるという結果を有する。k番目のOFDMシンボルの受信アンテナmでのd番目のサブキャリアの結果として生じるチャネル係数は以下のように与えられ、
【数10】

ここでは
【数11】

は、チャネルインパルス応答のFFTである。
【0090】
結果として生じるシナリオを記述するために、nT=2の送信アンテナ及びΔ2=Ns/2という周期的遅延が以下で検討される。
上記から、以下となる。
【数12】

dは偶数
【数13】

dは奇数
【0091】
図9は平坦なフェージングチャネルの場合の2本の送信アンテナと周期的遅延Δ2=Ns/2を伴う周期的遅延ダイバーシティのための結果として生じるチャネル周波数応答を明示している。図9から分かるように、結果として生じるチャネル周波数応答の絶対値は第1の値と第2の値の間で交互になり、第2の値は第1の値より小さい。
【0092】
以下の相関行列を仮定すると、
【数14】

第1のサブキャリアのための関連する相関関数
【数15】

が図10に示されている。相関関数の値が0(「1」が相対値を示すのに対し、無相関チャネル係数を特徴付ける)と、1(完全に相関するチャネル係数を特徴付ける)の間で変化することが分かる。したがって、1つおきのサブキャリアのチャネル係数は相関しているのに対し、隣接するサブキャリアは無相関である。その結果、これらの影響を考慮しない周波数方向での標準差分変調は、失敗するであろう。
【0093】
図10に示されている相関関数の特徴は前述の問題点を回避するための本発明の概念を示している。例えば、2本のアンテナの場合、データは、別々に差分変調される2つのストリームに分割できる。ストリームの一方は次に偶数番号のサブキャリアで送信され、他方のストリームは奇数番号の付いたサブキャリアで送信され、その結果対応するストリームの値は、例えば周波数領域内の相関チャネル係数に関連する搬送周波数を介して等、つねに相関キャリアを介して送信される。
【0094】
図13は、図12の周波数選択チャネルの場合の2本の送信アンテナを備え周期的遅延がΔ2=Ns/2である周期的遅延ダイバーシティの相関関数R1dを示す。該相関関数が相関するチャネル係数を特徴付ける値を有し、これらの値が無相関のチャネル係数を特徴付ける相関関数の値より大きいことが分かる。
【0095】
Δ2=Ns/4という周期的遅延が選ばれる場合、項ej2πdΔn/Nsは4つの異なる値をとることができる。つまり、平坦なチャネルでは、結果として生じる周波数領域チャネル
【数16】

の4つの異なるチャネル状態を観察できる。
【0096】
図12は、第1の送信信号と第2の送信信号を生成するための装置の実施形態を示す。本来、図12の装置はマルチキャリア変調信号を提供するための本発明の装置によって提供されるマルチキャリア変調信号に基づいて第1の送信信号と第2の送信信号を提供するために作動しており、この装置は上記に詳細に説明されている。
【0097】
図12に示される装置は第1の送信信号と第2の送信信号を生成するための手段1201を備える。手段1201は、例えば図12には明示的に描かれていない分配器により複数の経路に分割される入力1203を有する。簡略化のために、図12は、複数の経路の内で第1の経路1205、第2の経路1207及びさらなる経路1209を示している。
【0098】
第1の送信信号と第2の送信信号を生成するための手段1201は複数の出力を有し、各出力は単一の経路に関連している。第1の信号経路1205は、第1の出力1211に直接的に結合している。第2の経路1207はシフト要素1213の入力に結合しており、シフト要素1213は第1の送信信号と第2の送信信号を生成するための手段1201の第2の出力1215に接続されている出力を有する。さらなる経路1209は、第1の送信信号と第2の送信信号を生成するための手段1201のさらなる出力1219に接続される出力を有するさらなるシフト要素1217に結合している。
【0099】
第1の送信信号と第2の送信信号を生成するための手段1201の複数の出力の各出力は送信アンテナに関連している。複数の送信アンテナにより送信される信号を生成するために、第1の送信信号と第2の送信信号を生成するための手段1207の各出力は送信される高周波信号を生成するためのさらなる手段に結合してもよい。
【0100】
一般的には、入力1203を介して提供されるマルチキャリア変調信号から第1の送信信号と第2の送信信号を生成するための本発明の手段1201は、第1の送信信号として第1のマルチキャリア変調信号を生成するために、及び第2の送信信号としてマルチキャリア変調信号の周期的にシフトされたバージョンを生成するために作動する。
【0101】
図12に描かれているように、手段1201はマルチキャリア変調信号の複数の正確なコピーを生成し、各コピーは信号経路の1つに関連する。ここで、各バージョンがマルチキャリア変調信号のコピーから取得されているマルチキャリア変調信号の複数のバージョンが総数nTの送信アンテナによって送信されてよく、各バージョンは単一のアンテナに割り当てられる。さらに具体的には、第1の送信信号はすべての送信アンテナのうち1つの送信アンテナによって送信されてよく、図12に描かれている第2の送信信号はすべての送信アンテナのうちの1つのさらなる送信アンテナによって送信されてよく、送信アンテナの総数の各アンテナは番号付け指数に関連している。番号付け指数は1以上、及びnT以下であってよい。
【0102】
図12に描かれている第2の送信信号を生成するために、第1の送信信号と第2の送信信号を生成するための手段1201はマルチキャリア変調信号のバージョンとしてマルチキャリア変調信号のコピーを作成し、第2の送信信号を取得するためにシフト因数Δnによってマルチキャリア変調信号のコピーを周期的にシフトするように作動している。
【数17】

ここで、Nsはマルチキャリア変調方式のキャリアの数を示し、nは第2の送信信号に関連するさらなるアンテナの番号付け指数を示す。
【0103】
送信信号を生成するための手段1201は、マルチキャリア変調信号のバージョンとしてマルチキャリア変調信号のコピーを作成することにより第1の送信信号を生成するように作動してよい。このシナリオは経路1205によって明示され、第1の送信信号は入力1203によって提供されるマルチキャリア変調信号の同一のコピーである。しかしながら、第1の送信信号はシフト因数Δkによってマルチキャリア信号のさらなるコピーを周期的にシフトしたものであってもよい。
【数18】

ここで、kは第1の送信信号を送信するために適用される送信アンテナの番号付け指数を示す。この場合、第1の送信信号は図12の出力1219によって提供されるであろう。
【0104】
シフト要素1217と1213は、マルチキャリア変調信号のそれぞれのコピーを周期的にシフトするために作動している。ここで、周期的なシフトは前述の周期的な遅延を取り込む。例えば、マルチキャリア変調信号の各コピーは最小の番号付け指数を有する値で開始し、最大の番号付け指数を有する値で終了する番号付け指数に関連する離散値の集合を含む。複数の遅延要素の各々は、いくつかの値、あるいはシフト因数で決定されるいくつかの値で、マルチキャリア変調信号のコピーを周期的にシフトするために作動している。周期的なシフトは例えば第2の送信信号を取得するために最後の値が最初の値の前に置かれるように演算を行う。言い換えると、シフト要素は所望される周期的な遅延を取り込むために右シフトまたは左シフトを実行するように作動する。したがって、遅延要素は、例えば、入力と、周期的シフト特性を提供するために入力に結合している出力を有するシフトレジスタであってよい。
【0105】
本発明に従って、前述のように送信される各信号に対して、周期的シフトレジスタが選ばれるときに、2つの隣接するキャリアの間の相関は最小限に抑えられる。しかしながら、所望される相関特性を達成するためには、送信信号は互いに関して周期的に遅延してよく、その結果前述のように、n番目の経路に関連した周期的シフトはk番目の経路に関連する周期的なシフトに依存している。
【0106】
送信後、受信機は複数のアンテナによって送信される信号の重ね合わせを受信する。帯域通過後もしくは基礎バンド変換後、受信されたマルチキャリア変調信号が得られ、受信されたマルチキャリア変調信号は複数のユーザ信号の重ね合わせを受信する。ユーザ信号を抽出するために、本発明の受信機は、前述の本発明の装置により実行される演算に正確に対応する演算を実行するために作動する。
【0107】
図13は受信されたマルチキャリア変調信号から第1のユーザ信号に対応する値を抽出するための装置の第1の実施形態を示す。図13に示される装置は、例えば受信マルチキャリア信号を処理するための通信受信機で実現されてよい。さらに具体的には、受信されたマルチキャリア変調信号が、第1のユーザ信号の値または第1のユーザ信号の処理された値を、連続した搬送周波数を有するキャリアの第1の集合に割り当てることによって、及び第2のユーザ信号の値を、マルチユーザシナリオで連続した搬送周波数を有するキャリアの第1の集合に割り当てることによって(送信機で)形成される場合、連続した搬送周波数を有する第1の集合に、連続した搬送周波数を有する第2の集合に割り当てられる値として割り当てられる値は、各点が送信アンテナを備える、複数の送信点から送信されるマルチキャリア変調信号を得るために同時に変調される。言い換えると、受信されたマルチキャリア信号は、前記に詳しく説明された本発明の概念によって提供されるマルチキャリア信号の送信で得られる。
【0108】
図13に示されている装置は1つの入力と複数の出力を有するマルチキャリア復調器1313を備え、該複数の出力はセレクタ1315に接続されている。セレクタ1315はさらなる入力1317といくつかの出力1318を有する。
【0109】
図13に描かれている装置はユーザ表示を提供するための手段1319をさらに備え、あるいは手段1319に、セレクタ1315のさらなる入力を介してセレクタ1315に結合している出力を有する。
【0110】
マルチキャリア変調器1313は連続した搬送周波数を有する第1の集合に関連する値の集合、及び連続した搬送周波数を有する第2の集合に関連する値の第2の集合とを備える受信されたマルチキャリア信号を復調するために作動する。マルチキャリア復調器1313は送信機内で使用されるマルチキャリア変調方式に従ってマルチキャリア復調を実行するために作動する。さらに具体的には、マルチキャリア復調器1313は例えば図1のマルチキャリアによって実行される演算とは逆である演算を実行する。
【0111】
マルチキャリア復調器1313は、復調後に受信されたマルチキャリア信号を提供する。セレクタ1315は、値の第1のまたは第2の集合の抽出された値を得るために、値の第1のまたは第2の集合の内の1つの集合を選択するために作動する。抽出された値(値の選択された集合)は次にさらなる処理のために複数の出力1318を介して提供される。図13では、セレクタ1315は値の選択された集合を並列に提供する。しかしながら、セレクタ1315は、値の選択された集合が値のシリアルストリームとして提供されるように並列直列変換器をさらに備えてよい。
【0112】
関連したユーザと対応する値の集合のみを抽出するために、セレクタ1315は、第1のユーザ信号が抽出されるのか、それとも第2のユーザ信号が抽出されるのかを示す、ユーザ表示を提供するための手段137によって提供されるユーザ表示を受け取る。
【0113】
ユーザ表示を提供するための手段1319は、キャリアの集合が第1のユーザのまたは第2のユーザの値の関連した集合(または複数の集合)であるかを示す情報を受信するために作動してもよい。
【0114】
(値の第1の集合が割り当てられる)キャリアの第1の集合が、連続した搬送周波数を有する第1の集合の第1の搬送周波数で開始する連続搬送周波数を備えてよく、(値の第2の集合が割り当てられる)キャリアの第2の集合は連続した搬送周波数を有する第2の集合の第1の搬送周波数で開始する連続搬送周波数を備える。この場合セレクタ1315は、キャリアの集合の第1の搬送周波数で開始する連続キャリアを選択することによって第1のユーザ信号のキャリアの第1の集合を選択するように、あるいは第2のユーザ信号に関連するキャリアの第2の集合の第1の搬送周波数で開始する連続キャリアを選択することによって第2のユーザ信号のキャリアの第2の集合を選択するように作動する。
【0115】
ユーザ表示を提供するための手段1319は、第1のユーザ信号が抽出されることを信号で知らせるときに搬送周波数の第1の集合の第1の搬送周波数を提供してよいか、あるいは第2のユーザ信号が抽出されることを信号で知らせるために搬送周波数の第2の集合の第1の搬送周波数を提供してよい。
【0116】
連続値の第1の集合に割り当てられる値は第1のユーザ信号に対応する値の連続信号空間表現上にマッピングされ、及び/または連続値の第2の集合に割り当てられる値が第2のユーザ信号に対応する値の連続信号空間表現であり、連続信号空間表現が所定の信号空間配列、つまりQAMに属する場合には、セレクタはさらに第2のユーザに対応する値を得るために第2の集合の値をデマッピングするための第1のユーザに対応する値を得るために第1の集合の値をデマッピングするためのデマッパーをさらに備えてよい。言い換えると、デマッパーは図2に示されるマッパーの演算と逆である演算を実行するように作動する。
【0117】
したがって、第1のユーザに対応する値および第2のユーザに対応する値、または、第1のユーザに対応する値または第2のユーザに対応する値が、第1のユーザおよび第2のユーザ、または、第1のユーザまたは第2のユーザに対応する連続値のインタリーブされたバージョンである場合には、セレクタは、第1のユーザに対応する抽出された値として第1のユーザに対応する連続値を得るための、あるいは第2のユーザに対応する値として第2のユーザに対応する連続値を得るためのデインタリーバをさらに備える。言い換えると、デインタリーバは図2に示されるデインタリーバの演算と逆の演算を実行する。
【0118】
前述のように第1のユーザに対応する値が符号化方式、つまり畳み込み符号に基づいて符号化される場合、及び/または第2のユーザに対応する値が符号化方式に基づいて符号化されている場合は、セレクタは第1または第2のユーザ信号の符号化された値を復号するためのデコーダをさらに備えてよい。本発明のデコーダは図2に示されるコーダの符号化動作と逆である復号化動作を実行する。
【0119】
図3の実施形態を参照すると、受信されたマルチキャリア信号は、第1のユーザの各追加値に割り当てられる周波数の第3の集合、及び/または第2のユーザ信号の追加値が割り当てられている周波数の第4の集合に関連する値の第4の集合とをさらに備えてよい。この場合では、セレクタは、例えば搬送周波数の第3の集合の中で搬送周波数の第4の集合を収集することによって、あるいは搬送周波数の第2の集合と搬送周波数の第4の集合を収集することによって、第1のユーザ信号の値を収集するために値の第3の集合または第4の集合を選択するように作動してよい。
【0120】
前述の実施形態に従って、キャリアの第3の集合は連続した搬送周波数を有する第3の集合の第4の搬送周波数で開始する連続搬送周波数を備え、キャリアの第4の集合は搬送周波数の第4の集合の第1の搬送周波数で開始する連続搬送周波数を備えてよい。したがって、セレクタは第3のキャリアの第1の搬送周波数で開始する連続キャリアを選択することによって第1の信号のキャリアの第3の集合を選択するように、あるいはキャリアの第4の集合の第1の搬送周波数で開始する連続キャリアを選択することによって第2のユーザのキャリアの第4の集合を選択するように作動する。この場合、ユーザ表示を提供するための手段は、第1のユーザ信号が抽出されることを信号で知らせるときに、搬送周波数の第3の集合の第1の搬送周波数を提供するように、あるいは第2のユーザ信号が抽出されることを信号で知らせるときに搬送周波数の第4の集合の第4の搬送周波数を提供するように作動してよい。したがって、連続値の第3の集合に割り当てられるさらなる値は連続信号空間表現上にマッピングされうる、あるいは第1のユーザ信号に対応するさらなる値、及び/または連続値の第4の集合に割り当てられるさらなる値は、第2のユーザ信号に対応するさらなる値の連続追加信号空間表現であってもよい。前述のように、連続信号空間表現は、QAM等の所定の信号空間配列に属してよい。したがって、本発明のセレクタは第1のユーザに対応する値を取得するために第3の集合の値をデマッピングするための、あるいは第2のユーザに対応する値を取得するために第4の集合の値をデマッピングするためのさらなるデマッパーをさらに備えてよく、該さらなるデマッパーは前述のように動作する。
【0121】
したがって、第1のユーザに対応するさらなる値及び/または第2のユーザに対応するさらなる値は第1のユーザに、及び/または第2のユーザに対応するさらなる連続値のインタリーブされたバージョンであってよい。この場合、セレクタは、第1のユーザに対応するさらなる連続値をさらに取得する取得するための、あるいは第1のユーザに対応するさらなる連続値を取得するためのさらなるデインタリーバを備える。言い換えると、さらなるデインタリーバは前述のインタリーバの演算の逆である演算を実行することによりインタリーブされたバージョンをデインタリーブする。
【0122】
さらに、第1のユーザに対応するさらなる値は、畳み込み符号化等の符号化方式に基づいて符号化されてよい、及び/または第2のユーザに対応するさらなる値は符号化方式に基づいて符号化されてよい。この場合では、セレクタは、前述のように第1のユーザに、または第2のユーザに対応する符号化値を復号するためのさらなるデコーダを備えてよい。
【0123】
再び図3を参照すると、値の第1の集合に対応する値は順序付け指数を有する値で開始する第1のユーザ信号のS番目ごとの値を選択することにより取得される第1のユーザ信号の選択された値のストリームであってよく、値の第3の集合に対応するさらなる値は、さらなる順序付け指数を有する値で開始する第1のユーザ信号のS番目ごとの値を選択することによって取得される第1のユーザ信号の選択された値のさらなるストリームである、及び/または値の第2の集合は第2のユーザ信号の選択された値のストリームであり、値の第4の集合は第2のユーザストリームの選択された値のさらなるストリームであり、両方のストリームとも第1のユーザ信号に関して実行されるのと同様に第1のユーザ信号の値を選択することによって取得され、Sは前述のように、2以上の数であり、したがってセレクタは、ストリームの、及び第1のユーザ信号または第2のユーザ信号を取得するために第1のユーザ信号の、または第2のユーザ信号のさらなるストリームの値を収集するための手段をさらに備えてよい。言い換えると、収集するための手段は、第1のストリームの連続値が第1のユーザ信号のまたは第2のユーザ信号のS番目の値になるようにストリームとさらなるストリームをマージする。
【0124】
特定のインプリメンテーション要件に応じて、マルチキャリア変調信号を提供するための、第1の送信信号と第2の送信信号を提供するための、第1のユーザ信号に対応する値を抽出するための本発明の方法の要件はハードウェア内またはソフトウェア内で実現できる。インプリメンテーションは、本発明の方法が実行されるように、プログラマブルコンピュータシステムと協調できる、デジタル記憶媒体、特にその上に向かって電子的に読み取り可能な制御信号を有するディスクまたはCDを使用して実行できる。したがって一般的には、本発明は、プログラムコードが機械読み取り可能キャリアに記憶されたコンピュータプログラム製品であり、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行すると本発明の方法を実行する。したがって言い換えると、本発明の方法は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行するときに、本発明の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の第1の実施形態に従ってマルチキャリア変調信号を提供するための本発明の装置のブロック図を示す。
【図2】本発明のさらなる実施形態に従ってマルチキャリア変調信号を提供するための装置のブロック図を示す。
【図3】本発明のさらなる実施形態に従ってマルチキャリア変調信号を提供するための装置のブロック図を示す。
【図4】本発明のキャリア割当方式を明示する。
【図5】コード化されたOFDM(送信機)の周期的遅延ダイバーシティを明示する。
【図6】コード化されたOFDM(受信機)の周期的遅延ダイバーシティを明示する。
【図7A】フェージングチャネル及び対応する符号化された誤り率を明示する。
【図7B】周期的遅延ダイバーシティ及び対応する符号化された誤り率により変換される図7aのチャネルを示す。
【図8A】通信チャネルのモデルを示す。
【図8B】周期的遅延ダイバーシティを使用する同等なSIMOチャネルを示す。
【図8C】さらなる周期的遅延ダイバーシティを使用する同等なSIMOチャネルを示す。
【図9】チャネル周波数応答を示す。
【図10】本発明による2本の送信アンテナとの周期的遅延ダイバーシティの相関関数を明示する。
【図11】周波数選択チャネルのケースで2本の送信アンテナを使用する周期的な遅延ダイバーシティの相関関数を示す。
【図12】本発明による第1の送信信号と第2の送信信号を発生するための装置を示す。
【図13】本発明による値を抽出するための装置のブロック図を示す。
【図14】従来のOFDM方式のブロック図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続した搬送周波数を有するいくつかのキャリアを用いたマルチキャリア変調方式を使用して、第1のユーザ信号と第2のユーザ信号からマルチキャリア変調信号を提供するための装置であって、
前記第1のユーザ信号と前記第2のユーザ信号を受信するための入力(101)と、
前記第1のユーザ信号の値または前記第1のユーザ信号の処理済みの値を連続した搬送周波数を有するキャリアの第1の集合に割り当て、前記第2のユーザ信号の値または前記第2のユーザ信号の処理済みの値を連続した搬送周波数を有するキャリアの第2の集合に割り当てるための割り当て器(assigner)(115、223、337)と、
マルチキャリア変調信号を得るために、連続搬送周波数の前記第1の集合に割り当てられた値と、連続搬送周波数の前記第2の集合に割り当てられた値とを同時に変調するためのマルチキャリア変調器(117、225)と
を備える装置。
【請求項2】
前記入力(101)が、前記第1のユーザ信号だけを受信し、前記第1のユーザ信号の符号化された値を前記第1のユーザ信号の値または前記第1のユーザ信号の処理済みの値を前記割り当て器(115、223、337)に提供するための第1の入力端子(103)と、前記第2のユーザ信号だけを受信し、前記第2のユーザ信号の値または処理済みの値を前記割り当て器(115、223、337)に提供するための第2の入力端子(105)とを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の入力端子(103)が、前記第1のユーザ信号の値を符号化し、前記第1のユーザ信号の値として前記第1のユーザ信号の前記符号化された値を提供するための第1のエンコーダ(207)を備え、前記第2の入力端子(105)が前記第2のユーザ信号の値を符号化し、前記第2のユーザ信号の前記符号化された値を前記第2のユーザ信号の値として提供するための第2のエンコーダ(215)を備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の入力端子(103)が、前記第1のユーザ信号の前記値をインタリーブし、前記第1のユーザ信号の前記インタリーブされた値を前記第1のユーザ信号の値として提供するためのインタリーバ(209)を備え、
前記第2の入力端子(105)が、前記第1のユーザ信号の前記値をインタリーブし、前記第1のユーザ信号の前記インタリーブされた値を前記第1のユーザ信号の前記値として提供するためのインタリーバ(217)を備える、請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のユーザ信号のいくつかの連続信号空間表現を前記第1のユーザ信号の処理済みの値として取得するために、所定の信号空間配列にある前記いくつかの連続信号空間表現上に、前記第1のユーザ信号の連続値をマッピングするためのマッパー(211)を前記第1の入力端子(103)が備え、
前記第2のユーザ信号のいくつかの連続信号空間表現を前記第2のユーザ信号の処理済みの値として取得するために、所定の信号空間配列にある前記いくつかの連続信号空間表現上に、前記第2のユーザ信号の連続値をマッピングするためのマッパー(219)を前記第2の入力端子(105)が備える、請求項2から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の入力端子(103)が、順序付け指数を有する値で開始する前記第1のユーザ信号のS番目ごとの値を選択することによって前記第1のユーザ信号の前記値として、前記第1のユーザ信号の選択された値のストリームを提供し、さらなる順序付け指数を有するさらなる値で開始する前記第1のユーザ信号のS番目ごとの値を選択することによって前記第1のユーザ信号のさらなる値として前記第1のユーザ信号の選択された値のさらなるストリームを提供するための第1のセレクタ(301)を備え、
前記第2の入力端子(105)が、順序付け指数を有する値で開始する前記第2のユーザ信号のS番目ごとの値を選択することによって前記第2のユーザ信号の前記値として、前記第2のユーザ信号の選択された値のストリームを提供し、さらなる順序付け指数を有するさらなる値で開始する前記第2のユーザ信号のS番目ごとの値を選択することによって、前記第2のユーザ信号のさらなる値として前記第2のユーザ信号の選択された値の追加ストリームを提供するための第2のセレクタ(319)を備え、
Sが2以上の数である、請求項2から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の入力端子(103)が前記第1のユーザ信号の前記値として前記第1のユーザ信号のインタリーブされた値を取得するために前記第1のユーザ信号の前記値をインタリーブするためのインタリーバ(307)を備え、前記第1の入力端子(103)が前記第1のユーザ信号の値として前記第1のユーザ信号のインタリーブされたさらなる値を取得するために前記第1のユーザ信号の前記さらなる値をインタリーブするためのさらなるインタリーバ(309)を備え、
前記第2の入力端子(105)が前記第2のユーザ信号の前記値として前記第2のユーザ信号のインタリーブされた値を取得するために前記第2のユーザ信号の前記値をインタリーブするためのインタリーバ(325)を備え、前記第2の入力端子(105)が前記第2のユーザ信号の値として前記第2のユーザ信号のインタリーブされたさらなる値を取得するために、前記第2のユーザ信号の前記さらなる値をインタリーブするための追加インタリーバ(327)を備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の入力端子(103)が、前記第1のユーザ信号の処理済みの値として前記第1のユーザ信号の前記値の前記いくつかの連続信号空間表現を取得するために、所定の信号空間配列にある前記いくつかの連続信号ベース表現上に前記第1のユーザ信号の前記値をマッピングするためのマッパー(311)を備え、
前記第1の入力端子(103)が、前記第1のユーザ信号のさらなる処理済みの値として前記第1のユーザ信号の前記さらなる値の前記いくつかのさらなる連続信号空間表現を取得するために、所定の信号空間配列にある前記いくつかの連続信号ベース表現上に前記第1のユーザ信号の前記値をマッピングするためのさらなるマッパー(303)を備え、
前記第2の入力端子(105)が、前記第2のユーザ信号の処理済みの値として前記第2のユーザ信号の前記値の前記いくつかの連続信号空間表現を取得するために、所定の信号空間配列にある前記いくつかの連続信号ベース表現上に前記第2のユーザ信号の前記値をマッピングするためのマッパー(329)を備え、
前記第2の入力端子(105)が、前記第2のユーザ信号のさらなる処理済みの値として前記第2のユーザ信号の前記さらなる値の前記いくつかのさらなる連続信号空間表現を取得するために、所定の信号空間配列にある前記いくつかの連続信号ベース表現上に前記第2のユーザ信号の前記値をマッピングするためのさらなるマッパー(331)を備える、請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
前記所定の信号空間配列がPSK方式、QAM方式またはPAM方式に属する、請求項4から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記マルチキャリア変調方式のいくつかのキャリアにより決定される帯域幅の中におけるチャネル特性に関してチャネル情報を提供するための手段をさらに備え、前記割り当て器(115、223、337)が前記チャネル情報に基づいて、連続搬送周波数の前記第1の集合の第1の搬送周波数を決定するため、連続搬送周波数の前記第2の集合の第2の搬送周波数を決定するため、の両方またはどちらか一方のために作動する、前記請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記割り当て器(115、223、337)が、連続した搬送周波数を有するキャリアの前記第1の集合に、前記第1のユーザ信号の値を割り当てるため、連続した搬送周波数を有するキャリアの第3の集合に前記第1のユーザ信号のさらなる値を割り当てるため、搬送周波数の前記第2の集合に前記第2のユーザ信号の値を割り当てるため、及び連続した搬送周波数を有する第4の集合に前記第2のユーザ信号の前記さらなる値を割り当てるために作動する、請求項6から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記マルチキャリア変調方式の前記いくつかのキャリアにより決定される帯域幅におけるチャネル特徴に関してチャネル情報を提供するための手段をさらに備え、前記割り当て器が前記チャネル情報に基づいて、連続搬送周波数の前記第1の集合の第1の搬送周波数を決定するため、連続搬送周波数の前記第2の集合の搬送周波数を決定するため、連続搬送周波数の前記第3の集合の第1の搬送周波数を決定するため、連続周波数の前記第4の集合の第1の搬送周波数を決定するため、の少なくとも1つのために作動する、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
マルチキャリア変調信号を取得するため、連続搬送周波数の前記第1の集合に、連続搬送周波数の前記第2の集合に、連続搬送周波数の前記第3の集合に、及び連続搬送周波数の前記第4の集合に割り当てられる値を前記マルチキャリア変調器(117、225)が、同時に復調するために作動する、請求項11と12に記載の装置。
【請求項14】
前記マルチキャリア変調器が、前記マルチキャリア変調信号を取得するため、IFT、IFFTまたはIDFT演算を実行するために作動する、請求項1から13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
第1の送信信号と第2の送信信号を生成するための装置であって、
請求項1から14のいずれか1項に記載のマルチキャリア変調信号を提供するための装置と、
前記第1の送信信号と前記第2の送信信号を生成するための手段(1201)であって、前記第1の送信信号と前記第2の送信信号を生成するための前記手段(1201)が前記第1の送信信号として前記マルチキャリア変調信号のバージョンを生成し、前記第2の送信信号として前記マルチキャリア変調信号を周期的にシフトさせたバージョンを生成するために作動する手段と
を備える装置。
【請求項16】
前記第1の送信信号が、総数nTの送信アンテナの内の1本の送信アンテナによって送信され、前記第2の送信信号が送信アンテナの総数の内の1本のさらなる送信アンテナにより送信され、送信アンテナの前記総数の内の各アンテナが1以上であって、nT以下の番号付け指数に関連し、第1の送信信号と第2の送信信号を生成するための手段(1201)が、前記第2の送信信号を取得するために、前記マルチキャリア変調信号のコピーを生成し、シフト因数Δnで前記マルチキャリア変調信号のコピーを周期的にシフトするために作動し、
【数1】

sがマルチキャリア変調方式のキャリア数を示し、nが前記さらなるアンテナの前記番号付け指数を示す、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の送信信号と前記第2の送信信号を生成するための前記手段(1201)が、前記第2の送信信号に関連する前記送信アンテナの番号付け指数kが1に等しいときに、前記マルチキャリア変調信号の前記バージョンとして前記マルチキャリア変調信号のさらなるコピーを生成するために、あるいはそれ以外の場合、前記マルチキャリア変調信号の前記バージョンを取得するために、シフト因数Δkによって、
【数2】

前記マルチキャリア変調信号の前記追加コピーを周期的にシフトするために作動する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記マルチキャリア変調信号の前記コピーが、最小の番号付け指数を有する値で開始し、最大の番号付け指数を有する値で終了する番号付け指数に関連する離散値の集合を備え、前記第1の送信信号と前記第2の送信信号を生成するための手段(1201)が、前記第2の送信信号を取得するために前記最後の値が前記最初の値の前に置かれるような前記シフト因数によって求められる数と同じ数の個数の値によって前記マルチキャリア変調信号の前記コピーを周期的にシフトするために作動する遅延要素(1213、1217)を備える、請求項16または17に記載の装置。
【請求項19】
受信されたマルチキャリア変調信号から第1のユーザ信号に対応する値を抽出するための装置であって、前記受信されたマルチキャリア変調信号が前記第1のユーザ信号の値または処理済みの値を、連続した搬送周波数を有するキャリアの第1の集合に割り当てることによって、及びマルチユーザシナリオで連続した搬送周波数を有するキャリアの第2の集合に前記第2のユーザ信号の値を割り当てることによって形成され、連続搬送周波数の前記第1の集合に割り当てられる前記値と、連続搬送周波数の前記第2の集合に割り当てられる前記値が、マルチキャリア変調信号を取得するためにマルチキャリア変調方式を使用して同時に変調され、前記マルチキャリア変調信号が複数の送信ポイントから送信され、
連続搬送周波数の前記第1の集合に関連する値の第1の集合と、連続搬送周波数の前記第2の集合に関連する値の前記第2の集合とを備える受信されたマルチキャリア信号を取得するために前記受信されたマルチキャリア変調信号を復調するためのマルチキャリア復調器(1313)と、
前記第1のユーザ信号、または前記第2のユーザ信号が抽出されるべきかを信号で知らせるためのユーザ表示を提供する手段(1319)と、
値の前記第1の集合または第2の集合の抽出された値を得るために、値の前記第1の集合または第2の集合の内の1つの集合を選択するためのセレクタ(1315)と
を備える装置。
【請求項20】
キャリアの前記第1の集合が連続搬送周波数の前記第1の集合の第1の搬送周波数で開始する連続搬送周波数を備え、キャリアの前記第2の集合が連続搬送周波数の前記第2の集合の第1の搬送周波数で開始する連続搬送周波数を備え、前記セレクタ(1315)がキャリアの前記第1の集合の前記第1の搬送周波数で開始する連続キャリアを選択することによって前記第1のユーザ信号のキャリアの前記第1の集合を選択するために、あるいはキャリアの前記第2の集合の前記第1の搬送周波数で開始する連続キャリアを選択することによって前記第2のユーザ信号のキャリアの前記第2の集合を選択するために作動する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
ユーザ表示を提供するための前記手段(1319)が、前記第1のユーザ信号が抽出されなければならないことを信号で知らせるときに搬送周波数の前記第1の集合の第1の搬送周波数を提供するために作動し、あるいは前記第2のユーザ信号が抽出されなければならないことを信号で知らせるときに搬送周波数の前記第2の集合の前記第1の搬送周波数を提供するために作動する、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
連続値の前記第1の集合を割り当てられた前記値は前記第1のユーザ信号に対応する値の連続信号空間表現上にマッピングされる、連続値の前記第2の集合に割り当てられた前記値は前記第2のユーザ信号に対応する値の連続信号空間表現である、のうち少なくとも1つが成り立っており、前記連続信号空間表現が所定の信号空間配列に属し、前記セレクタ(1315)が、第1のユーザに対応する値を取得するために前記第1の集合の前記値をデマッピングするため、あるいは前記第2のユーザに対応する値を取得するために前記第2の集合の前記値をデマッピングするためのデマッパーをさらに備える、請求項19から21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記第1のユーザに対応する前記値、前記第2のユーザに対応する前記値、のうち少なくとも一方が、前記第1のユーザ、前記第2のユーザ、のうち少なくとも一方に対応する連続値のインタリーブされたバージョンであり、前記セレクタ(1315)が前記第1のユーザに対応する前記抽出された値として前記第1のユーザに対応する連続値を取得するため、あるいは前記第2のユーザに対応する前記抽出された値として前記第2のユーザに対応する連続値を取得するためのデインタリーバをさらに備える、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記第1のユーザに対応する前記値が符号化方式に基づいて符号化される、前記第2のユーザに対応する前記値が前記符号化方式に基づいて符号化される、のうち少なくとも一方が成り立ち、
前記セレクタ(1315)が前記第1のユーザまたは前記第2のユーザに対応する前記符号化された値を復号化するためのデコーダを備える、請求項22または23に記載の装置。
【請求項25】
前記受信されたマルチキャリア信号が、前記第1のユーザ信号のさらなる値が割り当てられる周波数の第3の集合に関連する値の第3の集合を備える、前記受信されたマルチキャリア信号が、前記第2のユーザ信号のさらなる値が割り当てられる周波数の第4の集合に関連する値の第4の集合を備える、のうち少なくとも一方が成り立ち、
前記セレクタ(1315)が、値の前記第3の集合を選択するために、あるいは前記第4の集合を選択するために作動する、請求項19から24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
キャリアの前記第3の集合が、連続搬送周波数の前記第3の集合の前記第1の搬送周波数で開始する連続搬送周波数を備え、キャリアの前記第4の集合が、搬送周波数の前記第4の集合の第1の搬送周波数で開始する連続搬送周波数を備え、前記セレクタがキャリアの前記第3の集合の第1の搬送周波数で開始する連続キャリアを選択することによって前記第1のユーザ信号のキャリアの前記第3の集合を選択するため、あるいはキャリアの前記第4の集合の第1の搬送周波数で開始する連続キャリアを選択することによって前記第2のユーザ信号のキャリアの前記第4の集合を選択するために作動する、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
ユーザ表示を提供するための前記手段(1319)が、前記第1のユーザ信号が抽出されなければならないことを信号で知らせるときに搬送周波数の前記第3の集合の前記第1の搬送周波数を提供するために、
あるいは、前記第2のユーザ信号が抽出されなければならないことを信号で知らせるときに搬送周波数の前記第4の集合の前記第1の搬送周波数を提供するために作動する、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
連続値の前記第3の集合に割り当てられた前記さらなる値が、前記第1のユーザ信号に対応するさらなる値の連続信号空間表現上にマッピングされる、連続値の前記第4の集合に割り当てられた前記さらなる値が、前記第2のユーザ信号に対応するさらなる値の連続追加信号空間表現である、のうち少なくとも一方が成り立ち、前記連続信号空間表現が所定の信号空間配列に属し、前記セレクタ(1315)が前記第1のユーザに対応する値を取得するために前記第3の集合の前記値をデマッピングするため、または前記第2のユーザに対応する値を取得するために前記第4の集合の前記値をデマッピングするためのさらなるデマッパーを備える、請求項25から27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記第1のユーザに対応する前記さらなる値、前記第2のユーザに対応する前記さらなる値、のうち少なくとも一方が、前記第1のユーザ、前記第2のユーザ、のうち少なくとも一方に対応するさらなる連続値のインタリーブされたバージョンであって、前記セレクタ(1315)が、前記第1のユーザに対応する前記さらなる連続値を取得するため、あるいは前記第2のユーザに対応する前記さらなる連続値を取得するためのさらなるデインタリーバを備える、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記第1のユーザに対応する前記さらなる値が符号化方式に基づいて符号化される、前記第2のユーザに対応する前記さらなる値が前記符号化方式に基づいて符号化される、のうち少なくとも一方が成り立ち、前記セレクタ(1315)が前記第1のユーザまたは前記第2のユーザに対応する前記符号化された値を復号化するためのさらなるデコーダを備える、請求項28または29に記載の装置。
【請求項31】
値の前記第1の集合に対応する前記値は、順序付け指数を有する値で開始する前記第1のユーザ信号のS番目ごとの値を選択することにより取得される前記第1のユーザ信号の選択された値のストリームであり、値の前記第3の集合に対応する前記さらなる値は、さらなる順序付け指数を有する値で開始する前記第1のユーザ信号のS番目ごとの値を選択することによって取得される前記第1のユーザ信号の選択された値の追加ストリームである、値の前記第2の集合に対応する前記値が、順序付け指数を有する値で開始する前記第2のユーザ信号のS番目ごとの値を選択することによって取得される前記第2のユーザ信号の選択された値のストリームである、のうち少なくとも一方が成り立ち、値の前記第4の集合に対応する前記さらなる値はさらなる順序付け指数を有する値で開始する前記第2のユーザ信号のS番目ごとの値を選択することによって取得される前記第2のユーザ信号の選択された値の追加ストリームであり、Sが2以上の数であり、
前記セレクタ(1315)が、前記第1のユーザ信号または前記第2のユーザ信号を取得するために、前記第1のユーザ信号または前記第2のユーザ信号の前記ストリームまたは前記追加ストリームの前記値を収集するための手段をさらに備える、請求項21から30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
連続した搬送周波数を有するいくつかのキャリアを用いたマルチキャリア変調方式を使用して、第1のユーザ信号及び第2のユーザ信号からマルチキャリア変調信号を提供するための方法であって、
前記第1のユーザ信号と前記第2のユーザ信号を受信するステップと、
前記第1のユーザ信号の値または前記第1のユーザ信号の処理済みの値を、連続した搬送周波数を有するキャリアの第1の集合に割り当てるステップと、
前記第2のユーザ信号の値または前記第2のユーザ信号の処理済みの値を、連続した搬送周波数を有するキャリアの第2の集合に割り当てるステップと、
前記マルチキャリア変調信号を取得するために、マルチキャリア変調方式を使用して連続搬送周波数の前記第1の集合に割り当てられた値と、連続搬送周波数の前記第2の集合に割り当てられた値を同時に変調するステップと、を備える方法。
【請求項33】
第1の送信信号と第2の送信信号を生成するための方法であって、
請求項32の方法に従ってマルチキャリア変調信号を提供するステップと、
前記第1の送信信号として前記マルチキャリア変調信号のバージョンを生成するステップと、
前記第2の送信信号として前記マルチキャリア変調信号の周期的にシフトさせたバージョンを生成するステップと
を備える方法。
【請求項34】
受信されたマルチキャリア変調信号から第1のユーザ信号に対応する値を抽出するための方法であって、前記受信されたマルチキャリア変調信号は前記第1のユーザ信号の値または処理済みの値を連続した搬送周波数を有するキャリアの第1の集合に割り当てることによって、及び前記第2のユーザ信号の値をマルチユーザシナリオで連続した搬送周波数を有するキャリアの第2の集合に割り当てることによって形成され、連続搬送周波数の前記第1の集合に割り当てられる前記値及び連続搬送周波数の前記第2の集合に割り当てられる値がマルチキャリア変調信号を取得するためにマルチキャリア変調方式を使用して同時に変調され、前記マルチキャリア変調信号が複数の送信ポイントから送信され、
前記受信されたマルチキャリア信号を受信するステップと、
連続搬送周波数の前記第1の集合に関連する値の第1の集合と、連続搬送周波数の前記第2の集合に関連する値の第2の集合とを含む受信されたマルチキャリア信号を取得するために、前記受信されたマルチキャリア変調信号を復調するステップと、
前記第1のユーザ信号、あるいは第2のユーザ信号が抽出されるべきかどうかを信号で知らせるためのユーザ表示を提供するステップと、
値の前記第1または第2の集合から抽出された値を取得するために値の前記第1の集合または前記第2の集合の内の1つの集合を選択するステップと
を備える方法。
【請求項35】
プログラムがコンピュータで実行されるときに請求項32または33または34に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−515829(P2007−515829A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508983(P2005−508983)
【出願日】平成15年9月15日(2003.9.15)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010240
【国際公開番号】WO2005/029801
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】